JP2952789B2 - 耐酸化性溶剤の製造方法 - Google Patents

耐酸化性溶剤の製造方法

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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高沸点で耐酸化性を有す
る芳香族系特殊溶剤の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来技術とその課題】芳香族系溶剤は、塗料、イン
キ、ゴム、粘着剤、接着剤、金属の脱脂洗浄、反応溶剤
等多方面で使用されている。特に芳香属系溶剤は脂肪族
系溶剤に比較して溶解性に優れており、多種類の物質を
よく溶解することから好んで使用される溶剤である。し
かるに溶剤はしばしば高温において使用されることが多
いが、高温で使用しても酸化に耐える芳香族系物質の多
くは高沸点になるほど結晶性物質が多くなるために、た
とえ高温で使用するときは液状を保っていても、常温に
戻すと結晶化したり、あるいは結晶成分を析出するな
ど、実用上溶剤としては使用できないのが現状である。
【0003】さらに使用上の温度において高温でも常温
でも共に液状を保つべき高沸点芳香族類は、高温におけ
る化合物自体が酸化され易いという問題があり、安定し
た溶剤としては不満足なものである。このために、使用
上の高温でも酸化に耐え、かつ常温でも固化しない溶剤
は供給量が限られており高価な溶剤であって、その安価
な製造方法が望まれていた。一方、ベンゼン、トルエ
ン、キシレンなどの芳香族炭化水素は、いわゆるナフサ
クラッカーからの熱分解副生油から大量に生産されてい
るが、この際芳香族炭化水素を分離除去した残りの残油
は、一部ゴム揮発油にそのまま使用される他は用途がな
いのが現状である。
【0004】本発明者らは石油化学工業において副生す
る炭化水素留分の特定の留分を原料として特定の方法に
よれば、沸点が高く、かつ溶剤それ自体が酸化され難い
芳香族系溶剤が効率よく製造できることを見出し本発明
を完成したものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、石油
系炭化水素の熱分解により、エチレン、プロピレンを製
造する際に副生する沸点範囲が45℃以上198℃以下
の成分を含む熱分解ガソリンの水素化精製物から溶剤抽
出操作および/または抽出蒸留により芳香族炭化水素を
分離除去した残油である沸点範囲が49.5℃以上6
5.0℃以下の成分を主とする留分を、水蒸気および/
または水素の共存下、反応温度400℃以上において脱
水素触媒により脱水素することにより臭素価が2cg/
g以上60cg/g以下の範囲にある脱水素油を製造
し、次いで該脱水素油をアルキレーション酸触媒の存在
下にベンゼンと反応させることにより蒸留試験による5
%留出温度が195℃以上で、かつ95%留出温度が2
13℃以下である留分を蒸留により得ることを特徴とす
る高耐酸化性溶剤の製造方法に関するものである。
【0006】以下に本発明をさらに詳細に説明する。本
発明に使用できる石油系炭化水素として、原油、重油、
ナフサ、灯軽油、LPG、ブタン等各種の石油系炭化水
素が挙げられる。
【0007】熱分解方法は、通常行なわれている700
℃以上における各種の熱分解法、例えば、水の存在下で
行なわれる管状分解炉法、熱媒体分解法等が適宜に選択
できる。石油系炭化水素の熱分解により目的とするエチ
レン、プロピレンのほかに熱分解副生油が副生するが、
この熱分解副生油のうち、沸点範囲が45℃以上198
℃以下の成分を含む留分である熱分解ガソリンは、ベン
ゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素の製造
のために大量に利用されている。
【0008】すなわち、熱分解ガソリンとしては、エチ
レンの生産を目的とするナフサの熱分解による熱分解を
例にとると、熱分解による生成物から、エチレン、プロ
ピレン、ブタジエン等のオレフィン、ジオレフィン類お
よび重質油を蒸留分離して得られる上記沸点範囲の留分
が好ましい。この熱分解ガソリンの組成は、原料である
石油系炭化水素の種類、分解温度条件によって異なるも
のであるが、パラフィン類2〜7%、ナフテン類3〜1
0%、芳香族炭化水素55〜88%、不飽和芳香族2〜
15%の範囲で変動する炭化水素混合物である。熱分解
ガソリンは次いで水素添加される。水素添加は脱硫およ
び不飽和成分の飽和化の目的で行なわれるのであって、
芳香族炭化水素の核水素化は極力抑制して行なう。脱硫
を目的とする水素添加は、触媒としてVIB族あるいは第
VIII族の組合せあるいは単独で使用され、例えばコバル
ト−モリブテン、ニッケル−クロム、パラジウム−モリ
ブテン、ニッケル−コバルトモリブテン、硫化ニッケ
ル、硫化タングステン等が好ましい触媒として用いられ
る。
【0009】水素添加する反応条件は、触媒上へのカー
ボン析出を抑制し、脱硫、不飽和成分の飽和化を選択的
に達成するために、通常は反応温度250℃以上450
℃以下、反応圧力20kg/cm2G以上60kg/cm2
G以下、水素対熱分解ガソリンは40m3/kl以上10
0m3/kl以下、空間速度LHSV1以上10以下の範
囲で水素処理を行なう。反応温度250℃未満では脱硫
速度が遅くまた450℃を越える高温では炭化水素自体
の炭化が著しくなり好ましくない。反応圧力は主として
触媒の寿命と生成物の品位に影響し、圧力を高める程カ
ーボン生成を抑制し触媒寿命も長くなる。上記の圧力未
満では脱硫の効果が少なく、被処理油の蒸発により触媒
表面へのカーボン析出が促進される。一方、圧力を必要
以上に高めることは装置の材質や構造に影響するので、
実用上は高くとも60kg/cm2Gまでの圧力で充分で
ある。水素の必要量は処理される熱分解副生油中に含ま
れる硫黄量や不飽和成分の量によって変動するが前記の
範囲が好ましい。40m3/kl未満ではカーボンの析出
量が多く、触媒活性の持続が劣る。また100m3/kl
を越える水素を必要とする程の不飽和成分を含む被処理
油の場合は、水素化反応熱による温度上昇のため工業的
規模の装置を安定に運転することが困難となることがあ
る。このような場合は、水素処理された処理済み油かあ
るいは不飽和成分を含まない他の希釈用留分で適宜に希
釈することができる。水素添加処理後、熱分解副生油は
芳香族分離工程でベンゼン、トルエン、キシレンをはじ
めとする芳香族炭化水素が分離除去される。この芳香族
分離工程は、液・液溶剤抽出または溶剤を添加して行な
う抽出蒸留、またはこれらの組合せによる任意の公知の
方法が利用できる。たとえば、熱分解副生油から、ベン
ゼン、トルエン、キシレンの回収のために広く工業的に
行なわれている方法が採用される。
【0010】芳香族炭化水素の抽出に用いる選択的溶剤
としては、N−メチルピロリドン、N−ヒドロキシエチ
ルピロリドン、ブチロラクトン、モノ、ジ、トリエチレ
ングリコール、ジメチルホルムアミド、スルホラン、ジ
メチルスルホキシド、エチレンカーボネート、フルフラ
ールをはじめ他の公知の溶剤が使用できる。これらの溶
剤は、単独で使用するほかに選択性を向上させるために
2種またはそれ以上を混合したり、水もしくは他のそれ
自身は芳香族炭化水素に対する溶解性が乏しい有機溶剤
と組合わせることにより選択性を向上させて使用するこ
とができる。
【0011】抽出操作は、水素添加後の熱分解副生油を
抽出塔の中央部へ、溶剤を抽出塔の上部へそれぞれ供給
することにより向流接触的に行なわれる。抽出操作によ
って非芳香族炭化水素はラフィネート(残油)として抽
出塔の塔頂から、抽出溶剤および芳香族炭化水素はエキ
ストラクトとして塔底からそれぞれ抜き出される。ラフ
ィネートは炭素数5から8個のパラフィンおよびナフテ
ンを主成分とするものである。芳香族化合物のうち抽出
溶剤との親和性が若干劣るキシレン類やトルエンは微量
ラフィネートへ移行し含まれることがあるが、本発明の
効果を阻害しない範囲であれば特に支障はない。なお、
芳香族抽出工程において、エキストラクトの一部を後続
の抽出蒸留工程からリサイクルしたり、あるいは抽出溶
剤を分離した後、芳香族分蒸留工程から非芳香族化合物
をリサイクルしたりする操作も行なうことができる。
【0012】本発明の方法においては、このラフィネー
トのうち、沸点範囲49.5℃以上65.0℃以下の成
分を主とする留分を用いる。この沸点範囲を外れる成分
を主とする留分を原料とすると、得られた溶剤の耐酸化
性を低下させるために好ましくない。
【0013】本発明の方法における脱水素油の製造は、
水蒸気、水素またはこれらの混合物の共存下で実施す
る。共存させる水蒸気、水素またはこれらの混合物は、
被脱水素油1kgに対し26Nリットル以上存在させる
ことが好ましい。26Nリットル未満では熱による分解
やカーボン生成が著しくなり好ましくない。共存させる
水蒸気または水素の量の上限は特になく適宜の量を選択
できるが、余りにも多量に共存させると脱水素後の脱水
素油回収が難しくなる。それ故実用上は5000Nリッ
トル以下で充分である。また、脱水素処理において水蒸
気または水素以外に不活性な気体や脱水素の条件で気体
となる第三成分あるいはこれらの混合物を共存させるこ
ともできる。これら不活性な第三成分の例としては、窒
素、ネオン、アルゴン、メタン等を挙げることができ
る。
【0014】脱水素の温度は400℃以上600℃以下
で行なうことが好ましい。400℃未満では脱水素の効
率が低下し本発明の方法を好適に実施することはできな
い。また、600℃を越える温度ではカーボンの発生が
著しくなり触媒活性が著しく低下すると共に、原料油の
分解が生じ好ましくない。
【0015】本発明の方法における脱水素触媒として
は、従来脱水素用として使用されている金属系触媒が適
宜使用できる。これらの触媒の例としては、酸化鉄触媒
系、ニッケル触媒系、パラジウム触媒系、白金系触媒等
を挙げることができる。これらの触媒は単独あるいは微
量の第二成分を加えたものや、活性炭、アルミナ、シリ
カ、シリカアルミナなどに適宜に担持した形態で使用す
ることができる。
【0016】本発明の脱水素では、臭素価が2以上60
以下の範囲にある脱水素油が得られるように脱水素触媒
および脱水素条件を選択し脱水素する。臭素価が2未満
ではベンゼンとの反応効率が悪くなり好ましくない。ま
た、臭素価が60を越える場合、得られる溶剤の耐酸化
性が悪くなるため好ましくない。
【0017】上で得られた脱水素油をついでベンゼンと
反応させる。ベンゼンとの反応は、従来公知のアルキレ
ーション酸触媒により適宜反応させることことにより達
成できる。酸触媒としては、弗化水素、硫酸、燐酸、有
機スルホン酸等のプロトン酸や塩化アルミニウム、三弗
化ホウ素、臭化アルミニウム等のいわゆるフリーデルク
ラフツ触媒およびゼオライト、活性白土、シリカ・アル
ミナ等の固体酸等が使用できる。
【0018】このベンゼンと脱水素油との反応は用いる
触媒の性質に応じて−10〜250℃の広い温度範囲に
おいて行なうことができる。−10℃未満の温度では触
媒活性が低下し易く、また250℃を越える場合は分解
などの副反応を生じ易いのでいずれも好ましくない。よ
り好ましくは、例えばプロトン酸やフリーデルクラフツ
触媒の場合には−10〜80℃の温度範囲から適宜に選
択でき、また固体酸は100〜250℃の温度範囲から
同様に適宜に選択できる。反応時間は特に制限されない
が、通常は1分〜数時間の間で反応は完結する。触媒使
用量は、反応系に対して0.01〜20wt%の範囲か
ら選ばれる触媒量を使用すればよい。
【0019】ベンゼンとの反応後、上記ベンゼンとの反
応物を蒸留し、未反応のベンゼンなどを適宜に除去する
ことにより、本発明の耐酸化性溶剤である、蒸留試験に
よる5%留出温度が195℃以上で、かつ95%留出温
度が213℃以下である留分が得られる。
【0020】
【実施例】以下本発明の方法を実施例および比較例によ
って更に詳細に説明する。実施例および比較例中で用い
る%は特に記載がない限り重量%を表わす。
【0021】実施例1 (熱分解ガソリンの処理)ナフサを温度780℃〜81
0℃において管状熱分解炉で熱分解して得られた生成物
から、蒸留により63℃〜178℃で留出させて、パラ
フィン5.8%、ナフテン7.9%、オレフィンとジオ
レフィン3.0%、芳香族炭化水素(オレフィンを含ま
ない)75.8%、芳香族オレフィン9.1%の熱分解
ガソリンを得た。次いで、この熱分解ガソリンの水素添
加処理を行った。水素添加処理は不飽和成分の除去と脱
硫を目的とするものでユニファイニングの2段水素添加
処理によった。触媒はアルミナ担持のコバルト・モリブ
テン触媒を使用し、第1段反応塔はジオレフィン等を除
去する目的で、温度220℃、圧力50kg/cm2Gの
条件で水素添加を行った。第2段反応塔では温度330
℃、圧力50kg/cm2Gの条件で行ない、残留するモ
ノオレフィン等を除去すると共に脱硫を行った。得られ
た水素添加処理物は硫黄分0.01%以下で不飽和成分
0.01%以下であった。
【0022】次いでこれを段数45段の芳香族抽出塔の
中段に供給し、塔の上部から抽出溶剤であるトリエチレ
ングリコールを供給し、向流接触抽出を行ない塔頂から
ラフィネートを得た。このラフィネート中の全芳香族分
は2.6%であった。このラフィネートを水洗し混入し
ているトリエチレングリコールを除去し残油を得た。
【0023】(脱水素)上記(熱分解ガソリンの処理)
で得られた残油200リットルを充填塔回分蒸留装置
(高さ3m、直径10cm)にて精密蒸留し、(ア)温
度44.0℃〜49.0℃で留出した留分 3リット
ル、(イ)温度49.5℃〜65.0℃で留出した留分
26リットル、および(ウ)温度65.0℃〜70.
0℃で留出した留分 20リットルを得た。ここでは得
られた留分(イ)の一部を用いて次の脱水素の原料とし
た。すなわち、アルミナ担持の白金触媒5ccを充填し
た内径15mmのステンレス製管型反応器に充填し、上
記留分(イ)の供給量40ml/hr、圧力0kg/c
2G、温度450℃〜600℃の範囲で水素または水
蒸気の存在下に反応させた。その結果を表1に示す。
【0024】
【表1】 温度 450℃ 480℃ 520℃ 550℃ 600℃ 水素流量(l/hr) 20 -- 15.3 19.8 19.1 15.1 同上 60 6.5 10.5 15.1 18.7 10.3 水蒸気 (l/hr) 40 -- 4.9 7.8 7.6 6.9
【0025】水素流量60l/hrで450〜600℃
において得られた脱水素物を混合し臭素価14.3の脱
水素油8リットルを調製しベンゼンとの反応に用いた。
すなわち20リットルの容量で、攪拌器、温度計、冷却
装置および滴下装置を有する反応器に、ベンゼン5リッ
トルと95%硫酸200gとを供給し温度5℃〜10℃
に保ちながら上記脱水素油8リットルを4時間で滴下し
た。滴下終了後更に1時間攪拌し反応を終了させた。反
応終了後硫酸層を分離し、3リットルの2%苛性曹達水
溶液で中和し、5リットルの水による水洗を2回行ない
アルキル化油を得た。アルキル化油を充填塔回分蒸留装
置(高さ2m、直径5cm)によって精密蒸留し、蒸留
試験による5%留出温度198℃、95%留出温度20
7℃である留分Aを410g得た。なお、この留分Aは
温度0℃の状態で24時間放置しても何等結晶等の析出
は認められず、流動性のよい液体状態を保っていた。こ
の留分Aを下記比較例の留分B、留分Cと共に後述の耐
酸化性比較実験に供した。
【0026】比較例1 実施例1の(熱分解ガソリンの処理)の項で得られた処
理油蒸留の留分(イ)7リットルに留分(ア)1リット
ルを混合して脱水素反応に用いた。すなわち、この
(ア)、(イ)からなる混合留分を実施例1に準拠し、
炭化水素供給量40ml/hr、圧力0kg/cm2G、
520℃、水素流量20リットル/hrで脱水素し、臭
素価11.8の脱水素油を6リットル得た。この脱水素
油を用い実施例と同様にしてベンゼンと反応させ、蒸留
試験による5%留出温度194℃、95%留出温度20
6℃である留分Bを350g得た。
【0027】比較例2 実施例の(熱分解ガソリンの処理)の項で得られた処理
油蒸留の留分(イ)5リットルに留分(ウ)4リットル
を混合して脱水素反応に用いた。すなわち、この
(ア)、(ウ)からなる混合留分を実施例1に準拠し、
炭化水素供給量40ml/hr、圧力0kg/cm2G、
520℃、水素流量20リットル/hrで脱水素し、臭
素価13.4の脱水素油を6リットル得た。この脱水素
油を用い実施例と同様にしてベンゼンと反応させ、蒸留
試験による5%留出温度199℃、95%留出温度21
2℃である留分Cを360g得た。
【0028】(耐酸化性比較実験)加熱装置、温度計、
還流冷却器を備えた容量200mlのガラス製丸底フラ
スコに、上記実施例で得られた留分(A)および比較例
で得られた留分(B)、留分(C)を各々100cc供
給し、還流温度に保ち、溶剤自身の着色の程度を比較す
るために波長420nmにおける吸光度の時間変化を測
定した。結果を表2に示す。
【0029】なお、実施例1の表1において、留分
(イ)を水素流量20リットル/hrおよび水蒸気40
リットル/hrの共存下に、480〜600℃の範囲で
それぞれ脱水素し、これをそれぞれ混合してなる混合脱
水素油を実施例1と同様にしてベンゼンと反応させるこ
とにより得られた留分についても、同様に耐酸化性比較
実験を行なったが、留分Aとほぼ同様な結果であった。
表中の数値は波長420nmにおける吸光度×1000
を示し、これは溶液が黄色に着色する程度を表わす。
【0030】
【表2】 時 間 0時間 2時間 4時間 6時間 留分A 2 4 10 16 留分B 2 8 30 68 留分C 2 7 35 70 上記表2の420nmにおける吸光度測定の結果、還流
温度下という高温に長期間空気と曝されても、本発明の
方法による溶剤(留分A)は、比較のための溶剤(留分
B、C)に比較して、安定性が高く、溶剤自体の着色す
る程度が顕著に低いことが明かとなった。
【0031】
【発明の効果】本発明により製造される溶剤は、溶剤と
して取扱上好ましく、使用し易い性質である高温または
常温を問わず常に液体状を保つ性質を有し、かつ高温に
おいて高い耐酸化性を有する芳香族系溶剤である。ま
た、本発明は、石油系炭化水素の熱分解副生油の特定の
留分を用いることにより、溶剤を効率よく製造できる方
法を提供できるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C10G 69/12 C10G 9/00 C10G 9/36 C10G 31/06

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石油系炭化水素の熱分解によりエチレ
    ン、プロピレンを製造する際に副生する沸点範囲が45
    ℃以上198℃以下の成分を含む熱分解ガソリンの水素
    化精製物から溶剤抽出操作および/または抽出蒸留によ
    り芳香族炭化水素を分離除去した残油である沸点範囲が
    49.5℃以上、65.0℃以下の成分を主とする留分
    を、水蒸気および/または水素の共存下、反応温度40
    0℃以上において脱水素触媒により脱水素することによ
    り、臭素価が2cg/g以上60cg/g以下の範囲に
    ある脱水素油を製造し、次いで該脱水素油をアルキレー
    ション酸触媒の存在下にベンゼンと反応させることによ
    り、蒸留試験による5%留出温度が195℃以上で、か
    つ95%留出温度が213℃以下である留分を蒸留によ
    り得ることを特徴とする高耐酸化性溶剤の製造方法。
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