JP2952000B2 - 画像データの符号化装置および符号化方法 - Google Patents

画像データの符号化装置および符号化方法

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JP2952000B2 JP10159590A JP10159590A JP2952000B2 JP 2952000 B2 JP2952000 B2 JP 2952000B2 JP 10159590 A JP10159590 A JP 10159590A JP 10159590 A JP10159590 A JP 10159590A JP 2952000 B2 JP2952000 B2 JP 2952000B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は画像データを高圧縮符号化するための符号化
装置および符号化方法に関する。
〔従来の技術〕
CCDに代表される固体撮像装置等により撮像された画
像信号をメモリカード、磁気ディスク、あるいは磁気テ
ープ等の記憶装置にディジタルデータとして記録する場
合、そのデータ量は膨大なものとなるため、多くのフレ
ーム画像を限られた記録容量の範囲で記録しようとする
には、得られた画像信号のデータに対し、何らかの圧縮
を行うことが必要となる。例えば、ディジタル電子スチ
ルカメラなどにおいては、撮影した画像を銀塩フィルム
の代わりに、メモリカードや磁気ディスク等のデータ記
憶媒体にディジタルデータとして保存するので、1枚の
メモリカードあるいは磁気ディスク装置に記録できる画
像の枚数は、保証されなければならない。
同様に、ディジタルVTR(ビデオテープレコーダ)等
の場合もフレーム当たりの画像のデータ量に影響される
ことなく、所定量のフレームを記録できなければならな
い。すなわち、スチル像であっても、動画像であって
も、必要なコマ数分を確実に記録できる必要がある。
このような条件に対処するための画像データの圧縮方
法として、直交変換符号化とエントロピー符号化を組み
合わせた符号化方法が広く知られている。
その代表的なものとして、静止画像符号化国際標準化
において検討されている方式について次に概略を説明す
る。
この方式はまず、画像データを所定の大きさのブロッ
クに分割し、分割されたブロック毎に直交変換として2
次元のDCT(離散コサイン変換)を行う。次に各周波数
成分に応じた線形量子化を行い、この量子化された値に
対しエントロピー(単位通報当りの情報量)符号化とし
てハフマン符号化を行う。この時、直流成分に関しては
近傍ブロックの直流成分との差分値をハフマン符号化す
る。交流成分はジグザグスキャンと呼ばれる低い周波数
成分から高い周波数成分へのスキャンを行い、無効(値
が0)の成分の連続する個数とそれに続く有効な成分の
値とから2次元のハフマン符号化を行う。以上がこの方
式の基本部分である。
この基本部分だけでは、エントロピー符号化であるハ
フマン符号化を用いているために符号量が画像毎に一定
ではなくなってしまう。
そこで、符号量の制御の方法としての次の方式が提案
されている。まず、前記基本部分の処理を行うと同時に
全画面の発生した総符号量を求める。この総符号量と目
的とする符号量とからDCT係数に対する目的とする符号
量に近づけるのに最適な量子化幅を予測する。次にこの
量子化幅を用いて前記基本部分の量子化以降の処理を繰
り返す。そして、今回発生した総符号量と、前回発生し
た総符号量と、目的とする符号量とから再び目的の符号
量に近づけるのに最適な量子化幅を予測する。そして、
この予測した量子化幅と前回の量子化幅が一致し、かつ
目的の符号量よりも今回発生した総符号量の方が少ない
場合には処理を終了し、符号を出力する。そうでない場
合には新しい量子化幅を用いて処理を繰り返す。
以上の動作を第6図を参照して具体的に説明すると、
まず、(a)に示すように、1フレームの画像データ
(国際標準化案で提示されている1フレームの画像は72
0×576画素)を所定の大きさのブロック(例えば、8×
8の画素よりなるブロックA,B,C…)に分割し、(b)
に示すように、この分割されたブロック毎に直交変換と
して2次元のDCT(離散コサイン変換)を行い、8×8
のマトリックス上に順次格納する。画像データは二次元
平面で眺めてみると、濃淡情報の分布に基づく周波数情
報である空間周波数を有している。従って上記DCTを行
うことにより、画像データは直流成分DCと交流成分ACに
変換され、8×8のマトリッスク上には原点位置(0,0
位置)に直流成分DCの値を示すデータが、そして、0,7
位置には横軸方向の交流成分ACの最大周波数値を示すデ
ータが、そして、7,0位置には縦軸方向の最大交流成分A
Cの周波数値を示すデータが、さらに7,7位置には斜め方
向の交流成分ACの最大周波数値を示すデータが、それぞ
れ格納され、中間位置ではそれぞれの座標位置により関
係付けられる方向における周波数データが、原点側より
順次高い周波数のものが出現する形で格納されることに
なる。
次にこのマトリックスにおける各座標位置の格納デー
タを、定められた量子化マトリックスと量子化幅係数α
を掛け合わせて得られる各周波数成分毎の量子化幅によ
り割ることにより、各周波数成分に応じた線形量子化を
行い(c)、この量子化された値に対しエントロピー符
号化としてハフマン符号化を行う。この時、直流成分DC
に関しては近隣ブロックの直流成分との差分値をグルー
プ番号(付加ビット数)と付加ビットで表現し、そのグ
ループ番号をハフマン符号化し、得られた符号語と付加
ビットを合わせて符号化データとする(d1,d2,e1,e
2)。
交流成分ACに関しても有効である(値が“0"でない)
係数は、グループ番号と付加ビットで表現する。
そのため、交流成分ACはジグザグスキャンと呼ばれる
低い周波数成分から高い周波数成分へのスキャンを行
い、無効(値が“0")の成分の連続する個数(零のラン
数)と、それに続く有効な成分の値のグループ番号とか
ら2次元のハフマン符号化を行い、得られた符号語と付
加ビットを合わせて符号化データとする。
ハフマン符号化はフレーム画像あたりの上記直流成分
DCおよび交流成分ACの各々のデータ分布における発生頻
度のピークのものを中心として、この中心のものほど、
データビットを少なくし、周辺になるほどビット数を多
くするようにしてビット割り当てをした形でデータを符
号化して符号語を得ることで行う。
以上がこの方式の基本部分である。
この基本部分だけでは、エントロピー符号化であるハ
フマン符号化を用いているために符号量が画像毎に一定
ではなくなってしまうから、符号量の制御の方法として
例えば、次のように処理する。
まず、暫定的な量子化幅係数αを用いて前記基本部分
の処理を行うと同時に、全画面の発生した総符号量(総
ビット数)を求める(g)。この総符号量と、目的とす
る符号量と、用いた暫定的な量子化幅係数αの3者とか
らDCT係数に対する目的とする符号量に近づけるのに最
適な量子化幅係数αをニュートン−ラプソン−イタレー
ション(Newton Raphson Iteration)により予測する
(h)。
次にこの量子化幅係数αを用い(i)、前述の基本部
分の量子化以降の処理を繰り返す。そして、今回発生し
た総符号量と、前回発生した総符号量と、目的とする符
号量と、今回用いた量子化幅係数αと、前回用いた量子
化幅係数αとから、再び目的の符号量に近づけるのに最
適な量子化幅係数αを予測する。そして、この予測した
量子化幅係数αと前回の量子化幅係数αが一致し、かつ
目的の符号量よりも今回発生した総符号量の方が少ない
場合には処理を終了し、今回発生した符号化データを出
力してメモリカードに記憶する(f)。そうでない場合
には量子化幅係数αを変更し、この新しい量子化幅αを
用いて処理を繰り返す。
〔発明が解決しようとする課題〕
上述したように、例えば、ディジタル電子スチルカメ
ラなどにおいては、1枚のメモリカードあるいは磁気デ
ィスク装置あるいは1本の磁気テープに記録できる画像
の枚数が保証されていなければならず、そのため、画像
データを圧縮して記録するが、操作性の上からその処理
時間はできるだけ短く、且つ、一定である必要がある。
また、高能率で画像データの圧縮が行える事が望まれ
る。これらディジタル電子スチルカメラに限らず、他の
アプリケーションにおいても少なからず要求される項目
である。
そして、このような要求を満たす圧縮方法として、上
述の国際標準案方式があり、これは画像データをブロッ
ク化して離散コサイン変換に代表されるような直交変換
を行う符号化または、予測符号化(DPCM)等の画像情報
圧縮により前処理の圧縮を行い、その結果を得て量子化
した後、その量子化出力をハフマン符号化に代表される
可変長符号化によって符号化する方法である。
ところが、これら可変長符号化を組合わせた画像デー
タ圧縮方式は高能率であるものの、可変長符号化を用い
ているが故に、実際に符号化を終了するまで、その符号
量がわからず、符号量を制御することが難しいと云う問
題があった。
この問題を解決する手法として本発明者らは次のよう
な方式を提案した。
その1つはDPCMと可変長符号化を組合わせた圧縮方式
において、発生符号量の制御を行うために、まず、画像
信号を標本化し、この標本化した信号を画像メモリに記
憶し、この標本化信号を既に符号化済みの参照画素信号
をもとに予測した予測値との差分をとることにより、差
分信号化し、これを暫定的な量子化幅で量子化し、ここ
で発生した符号量を積算してゆくことにより、1画像分
の画像の総発生符号量を求める。次に前記暫定的な量子
化幅、前記総発生符号量、及び目的とする総符号量とか
ら、新しい量子化幅を予測する。そして、この予測した
新しい量子化幅を用いてDPCM、量子化、可変長符号化を
行い、総符号量を求める。これを繰り返し行うことで、
全体の符号量を目的の符号量に近付けることにより、符
号量の制御を行おうと云うものである。
もう1つの方式は、直交変換と可変長符号化を組合わ
せた圧縮方式において、発生符号量の制御を行うため
に、画像メモリに記憶した標本化した画像信号を、ブロ
ックに分割し、この分割されたブロック毎に直交変換を
行ってから、この変換出力を暫定的な量子化幅で量子化
した後、この量子化出力を可変長符号化すると共に、各
ブロック毎の発生符号量と画像全体の総発生符号量を算
出し、次に前記暫定的な量子化幅、前記総発生符号量及
び、目的とする総符号量とから、新しい量子化幅を予測
する。また、前記各ブロック毎の発生符号量と、前記総
発生符号量と、目的とする総符号量とから、各ブロック
毎の割り当て符号量を計算する。そして、新しい量子化
幅を用いて再び画像メモリの画像信号をブロック分割、
直交変換、量子化、可変長符号化を行うと共に、各ブロ
ックの発生符号量が各ブロックの割り当て符号量を越え
る場合には、途中で可変長符号化を中止して、次のブロ
ックの処理に移る。これにより、画像全体の総発生符号
量が目的の総符号量を越えないように符号量の制御を行
おうと云うものである。
ところがこのように、画像データをブロック化し、離
散コサイン変換(DCT)に代表されるような直交変換を
行う符号化または予測符号化(DPCM)等の画像情報圧縮
方法により、前処理の圧縮を行って、その結果を量子化
した後、その量子化出力をハフマン符号化に代表される
可変長符号化によって符号化する方式では、符号化が終
了するまで、総符号量がわからず、符号量を短時間に最
適値に圧縮制御することは難しかった。つまり、最適と
なる前記量子化の量子化幅係数αが決定されるまでに、
何度も試行錯誤を繰り返すかたちとなり、早く最適量子
化幅係数αを決定することができなかった。
特に1つの符号化装置で低画質モード、高画質モード
等、画質モードが種々選択できるようにすることを考え
ると、選択された画質モードに合わせてそれぞれ最適圧
縮率を得ることができるようにする必要があり、このよ
うなものを想定した場合、すなわち、複数の目的符号量
に対応させることができるような符号化装置にするに
は、複数の量子化幅係数αを決定できるようにしなくて
はならない。このように、目的符号量可変とするケース
では、上記方式ではいつでも短時間に最適量子化幅係数
αが決定できると云う命題を達成出来ない。
近年では、画像の質を重視するケースや、画像のきめ
の細かさを多少犠牲にしても、多数の画像を記録したい
と云った様々なユーザのニーズがあり、これに応えるた
めには、高画質モードと低画質モードを選択指定できる
ようにしたいところである。そして、このモードの違い
により、当然、画像当り(コマ当り)の目的符号量も変
り、これに合わせて圧縮符号化する必要が生じるが、画
像はその内容により、空間周波数の分布状態がまちまち
であり、目的符号量に収まる最適量子化幅係数αの値を
短時間で探して、符号化を行うと云う制約がある以上、
やみくもに試行錯誤を繰り返す従来方式では無理があ
る。
そこで、本発明の目的とするところは、目的符号量を
変化させても、それに適応して符号量が目的の符号量に
なるよう短時間で最適量子化幅係数αを求めることがで
き、早く目的符号量に圧縮できると共に、それぞれの目
的符号量の範囲内で最良な画質が得られるようにした画
像データの符号化装置および符号化方式を提供すること
にある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するため、本発明は次のように構成す
る。
すなわち、第1には直交変換もしくは予測符号化等を
行う画像情報圧縮手段により画像データを前処理した
後、この前処理した画像データを量子化手段により量子
化し、この量子化出力を可変長符号化手段により可変長
符号化する符号化装置において、収めるべき総符号量の
情報を与える手段と、この総符号量情報に基づき、該収
めるべき総符号量の枠に対応した量子化幅の予測を行っ
て該予測した量子化幅の情報を、前記前処理直後の画像
データに対する前記量子化手段にての量子化に先立っ
て、前記量子化手段に与える量子化幅予測手段とを設け
ると共に、前記量子化手段は量子化幅の情報を受けてそ
の量子化幅で前記前処理済み画像データを量子化する構
成とする。
また、第2には可変長符号化手段の出力を受け、画面
単位の総符号量を求めてこれを算出符号量情報として出
力する符号量算出手段と、収めるべき総符号量の情報を
与えると共に初めに統計処理指令を発令し、統計処理が
終わると符号化処理指令を発令する制御手段と、前記統
計処理指令による実行開始時には制御制御手段からの総
符号量の情報に基づき、該総符号量の枠に対応した量子
化幅の予測を行って該予測した量子化幅の情報を前記量
子化手段に与え、符号化処理指令による実行開始時には
入力される前記算出符号量情報に基づき前回予測した量
子化幅の情報に対して前記総符号量の枠に収まるよう補
正した量子化幅の情報を得て、この補正した量子化幅の
情報を前記量子化手段に与える量子化幅予測手段とを設
けると共に、前記量子化手段は量子化幅の情報を受けて
その量子化幅で前記前処理済み画像データを量子化する
構成とすることを特徴とする。
更に、第3には可変長符号化手段の出力を受け、画面
単位の総符号量を求めてこれを算出符号量情報として出
力する符号量算出手段と、収めるべき総符号量の情報を
与えると共に初めに最適化調査処理指令を発令し、算出
符号量情報を受けてこれより最適化調査処理の再実施の
要不要を判定し、最適化調査処理が終わると符号化処理
指令を発令する制御手段と、前記最適化調査処理指令に
よる実行開始時には初めに前記制御手段からの総符号量
の情報に基づき、該総符号量の枠に対応した量子化幅の
予測を行って該予測した量子化幅の情報を前記量子化手
段に与え、既に予測した量子化幅の情報があるときは入
力される前記算出符号量情報に基づき、前回予測した量
子化幅の情報に対して前記総符号量の枠に収まるよう補
正した量子化幅の情報を得て、この補正した量子化幅の
情報を前記量子化手段に与え、符号化処理指令により実
行開始時には前記最適化調査処理により予測された最終
の量子化幅の情報を前記量子化手段に与える量子化幅予
測手段とを設けると共に、前記量子化手段は量子化幅の
情報を受けてその量子化幅で前記前処理済み画像データ
を量子化する構成とし、前記符号化処理指令時に得られ
る可変長符号化手段の出力を画像データの最終符号化出
力とすることを特徴とする。
また、第4には画像データをブロックに分割し、この
分割されたブロック毎に直交変換等を行って前処理した
後、量子化手段により量子化し、この量子化出力を可変
長符号化手段により可変長符号化する符号化装置におい
て、可変長符号化手段の出力を受け、画面単位の総符号
量を求めてこれを算出符号量情報として出力する符号量
算出手段と、収めるべき総符号量の情報を与えると共に
初めに統計処理指令を発令し、統計処理が終わると符号
化処理指令を発令する制御手段と、前記統計処理指令に
よる実行開始時には前記制御手段からの総符号量の情報
に基づき、該総符号量の枠に対応した量子化幅の予測を
行って該予測した量子化幅の情報を前記量子化手段に与
え、符号化処理指令による実行開始時には入力される前
記算出符号量情報に基づき前回予測した量子化幅の情報
に対して前記総符号量の枠に収まるよう補正した量子化
幅の情報を得て、この補正した量子化幅の情報を前記量
子化手段に与える量子化幅予測手段と、前記統計処理指
令による実行時に前記算出符号量情報と前記収めるべき
総符号量の情報とに基づき、前記各ブロックの割当て符
号量を求める符号量割当手段と、前記符号化処理指令に
よる実行時、前記各ブロック毎の前記算出符号量情報が
そのブロックでの前記割当て符号量に達すると前記可変
長符号化手段の当該ブロックに対する符号化を打切るべ
く制御する符号化打切手段とを設けると共に、前記量子
化手段は量子化幅の情報を受けてその量子化幅で前記前
処理済み画像データを量子化する構成とし、前記可変長
符号化手段は前記打切り指令を受ける毎に現在処理中の
ブロックに対する符号化を打切る構成とする。
〔作用〕
本発明は画像データを前処理(例えば、ブロック化し
てDCT等の直交変換を行う、またはDPCMを行う等)し、
この出力を量子化手段に与えて量子化し、この量子化出
力を可変長符号化するものにおいて、第1の構成の場
合、収めるべき総符号量の情報を与えると、この情報に
基づき、該収めるべき総符号量の枠に対応した量子化幅
の予測を行って該予測した量子化幅の情報を前記量子化
手段に与え、この量子化幅で量子化させるものである。
従って、得たい目的符号量を変化させても、その目的符
号量に近い符号量が短時間で得られるようになる。この
ケースは、一回のみのパスで符号化するものであるが、
量子化幅を目的符号量に基づいて設定するようにしたこ
とにより、最適な量子化幅に近くなり、得られる符号量
をおおよそ目的符号量と一致させることができる。そし
て、この場合、処理は一回で終わるので、極めて高速で
符号化を行えるようになる。
第2のケースでは、符号量算出手段は可変長符号化出
力を受けて画面単位の総符号量を求め,これを算出符号
量情報として出力する。一方、制御手段は収めるべき総
符号量の情報を与えると共に、初めに統計処理指令を発
令し、統計処理が終わると符号化処理指令を発令し、量
子化幅予測手段は前記統計処理指令による実行開始時に
は前記制御手段からの総符号量の情報に基づき、該総符
号量の枠に対応した量子化幅の予測を行って該予測した
量子化幅の情報を前記量子化手段に与え、符号化処理指
令による実行開始時には入力される前記算出符号量情報
に基づき前回予測した量子化幅の情報に対して前記総符
号量の枠に収まるよう補正した量子化幅の情報を得て、
この補正した量子化幅の情報を前記量子化手段に与え、
該量子化手段にこの量子化幅の情報に基づいた量子化幅
で前記前処理済み画像データを量子化させる。
更に第3のケースでは、符号量算出手段は可変長符号
化手段の出力を受け、画面単位の総符号量を求めてこれ
を算出符号量情報として出力する。また、制御手段は収
めるべき総符号量の情報を与えると共に初めに最適化調
査処理指令を発令し、算出符号量情報を受けてこれより
最適化調査処理の再実施の要不要を判定し、最適化調査
処理が終わると符号化処理指令を発令する。一方、量子
化幅予測手段は前記最適化調査処理指令による実行開始
時には初めに前記制御手段からの総符号量の情報に基づ
き、該総符号量の枠に対応した量子化幅の予測を行って
該予測した量子化幅の情報を前記量子化手段に与え、既
に予測した量子化幅の情報があるときは入力される前記
算出符号量情報に基づき、前回予測した量子化幅の情報
に対して前記総符号量の枠に収まるよう補正した量子化
幅の情報を得て、この補正した量子化幅の情報を前記量
子化手段に与え、符号化処理指令による実行開始時には
前記最適化調査処理により予測された最終の量子化幅の
情報を前記量子化手段に与える。そして、前記量子化手
段は量子化幅の情報を受けてその量子化幅で前記前処理
済み画像データを量子化し、また、可変長符号化手段の
出力のうち、前記符号化処理指令時に得られる可変長符
号化手段の出力を画像データの最終符号化出力とするも
のである。
要約すると、第2および第3のケースは、目的とする
符号量を変えることができるようにした場合に、その時
の指定される目的符号量以内になるまで、調査のために
符号化処理と最適な量子化幅の予測を繰り返し、最適な
量子化幅が見つかった段階で最終的な符号化を行うnパ
ス方式であり、この方式では調査のための符号化処理に
おいて、符号量を目標値に収めるに最適な量子化幅を見
付けるまでの(量子化幅が最適値に収束するまでの)繰
り返し回数が少なくなり、符号化に要する処理時間が短
くなる。
また、第4のケースは、画像データをブロックに分割
し、この分割されたブロック毎に直交変換もしくは予測
符号化等を行って前処理した後、量子化手段により量子
化し、この量子化出力を可変長符号化手段により可変長
符号化する場合に、符号量算出手段は可変長符号化手段
の出力を受け、画面単位の総符号量を求めてこれを算出
符号量情報として出力し、制御手段は収めるべき総符号
量の情報を与えると共に初めに統計処理指令を発令し、
統計処理が終わると符号化処理指令を発令する。量子化
幅予測手段は統計処理指令による実行開始時に前記制御
手段からの総符号量の情報に基づき、該総符号量の枠に
対応した量子化幅の予測を行って該予測した量子化幅の
情報を前記量子化手段に与え、符号化処理指令による実
行開始時には入力される前記算出符号量情報に基づき前
回予測した量子化幅の情報に対して前記総符号量の枠に
収まるよう補正した量子化幅の情報を得て、この補正し
た量子化幅の情報を前記量子化手段に与える。符号化打
切手段は統計処理指令による実行時に前記算出符号量情
報と前記収めるべき総符号量の情報とに基づき、前記各
ブロックの割当て符号量を求める符号量割当手段の求め
た各ブロック別割当て量を参照し、前記符号化処理指令
による実行時、前記各ブロック毎の前記算出符号量情報
がそのブロックでの前記割当て符号量に達すると前記可
変長符号化手段の当該ブロックに対する符号化を打切る
べく制御する。量子化手段は量子化幅の情報を受けてそ
の量子化幅で前記前処理済み画像データを量子化し、可
変長符号化手段は前記打切り指令を受ける毎に現在処理
中のブロックに対する符号化を打切る。
要するに、第4のケースの場合は、2回のパスで処理
を終了する2パス方式であり、目的符号量に近い符号量
が得られる量子化幅を与えることができる係数αを用い
て統計処理すると、早く、しかも、より精度良く、最適
量子化幅係数αを見付けることができることを利用し
て、暫定的な量子化幅係数として、目的符号量に基づい
て設定した最適な量子幅に近い量子化幅係数を用いて第
1パスの量子化を行い、これにより得た総符号量から目
的符号量に収めることができる量子化幅係数を知って、
これを第2パス目で使用して最終的な符号化を行うもの
である。そして、これにより、画像データを短い時間
で、精度良く目的符号の枠一杯に符号化し、これによっ
て、許される符号量に目一杯近付けることができること
で、失うデータを最小限にとどめ、画質も維持できるよ
うにすることができるものである。
本発明は、画像データを前処理し、この出力を量子化
し、この量子化出力を可変長符号化する符号化装置にお
いて、前記量子化の量子化幅を目的の符号量に応じて最
適値に可変設定することを特徴としている。
これにより画像データを目的の符号量に収まるように
最適量子化幅で量子化して、可変長符号化することがで
きるものであるが、画像データを前処理し、この出力を
量子化し、これを可変長符号化する場合、量子化にあた
っての量子化幅を変化させることにより、発生する符号
量が変化することは周知の事実である。これは、ハフマ
ン符号化に代表される可変長符号化は、符号化するデー
タの発生確率の偏りを利用してそのデータを表現するの
に必要な符号量を減少させることから、前記「量子化幅
を変化させる」と云うことは、量子化値の発生確率を変
化させると云うことでもあるから、量子化幅を変化させ
ることにより当然、発生符号量も変化する。また、同じ
量子化幅で同一の符号化を行っても、そのときの画像デ
ータによって発生符号量は異なる。しかし、1つの画像
データに対して量子化幅を変化させて同一の符号化を行
った場合は量子化幅と、発生符号量との間には一定の関
係が得られる。また、多くの画像データで量子化幅と発
生符号量の関係を求めると、最も発生頻度の高い関係が
統計的に得られることが明らかになり、多くの場合、次
の関数が得られる。つまり、ある量子化幅に対する相対
的な比をSFとし、発生符号量1画素あたりのビット数
(ビットレート)で表わし、BRとすると、logBR=a×l
ogSF+bになる関係になる。aは同一の符号化であれ
ば、画像によらず略一定であり、bは画像に依存する。
このbの値は画像により、一定の分布を持ち、この発生
頻度分布から代表的なbが得られる。本発明の特徴はこ
のような量子化幅と符号量との関係を利用して目的の符
号量に応じた量子化幅を設定すると云うところにある。
従って、本発明によれば、目的符号量を変化させて
も、それに適応して符号量が目的の符号量になるような
量子化幅を与えることができる最適量子化幅係数αを短
時間で求めることができ、早く目的符号量に圧縮できる
と共に、それぞれの目的符号量の範囲内で最良な画質が
得られるようにした画像データの符号化装置および符号
化方式を提供することができる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
初めに本発明を分かり易くするために、本発明の基本
的な考え方を説明しておく。
すなわち、本発明は最初に1パス目の処理として統計
処理を行い、最適な量子化幅係数を予測すると共に、ブ
ロック毎の割り当て符号量を決定する。そして、2パス
目の処理として最終的な符号化処理を実施する。2パス
目は各ブロック毎に前記予測量子化幅係数により量子化
すると共に、これを符号化し、この符号化により得られ
る符号量がブロック毎の割り当て符号量に収まるよう
に、そのブロックについて符号量を監視しながら、符号
化を進め、EOB符号を含め、符号量が割当符号量に達す
るとそのブロックの符号化は終了させて次のブロックの
符号化に移って行く。また、目的符号量に近い値に早く
収束させるために、低画質モード、高画質モードと云っ
た撮影モードにより変わる目的の符号量に応じ、その符
号量に近い符号量が得られる標準の量子化幅係数αを上
記第1パス目に与える機能を前記統計処理の系統に予め
持たせると云うものである。
統計処理は最適な量子化幅を予測すると共に、ブロッ
ク毎の割当符号量を決定するものであり、最適符号量の
予測は符号化を行った時の符号量を粗く(しかし、かな
りの精度で)近付けるための処理である。この最適化さ
れた量子幅を符号化処理で使用することで、ほぼ目的の
符号量に近付けることができるようになる。そして、こ
の時点で符号量が目的の符号量内に収まれば、この処理
だけで十分であるが、1画像のデータ量の上限が規定さ
れている場合、1バイトはおろか、1ビットでも目的の
符号量をオーバーすることはできない。
それがブロック毎の割当符号量の決定である。これは
符号化を行ったときの符号量が目的の符号量をオーバー
した時の微調整に使用するデータを決定するためのもの
である。実際に符号化処理を統計処理において予測した
最適な量子化幅で実行した結果を見て、オーバーしなか
ったときは終了、オーバーしたときは後処理と云うよう
にしても良いが、その場合、統計処理、符号化処理、後
処理の3ステップとなり、時間がかかるばかりでなく、
符号化処理と後処理の間で、長さの異なる符号を繋ぎ合
わせることなく区別がつくように、保存する必要が生
じ、問題であるから、符号化処理の最中に微調整を行う
ことが望まれる。しかし、無闇にデータを落とすことは
画質の劣化に繋がるので、避けねばならない。
そこで、本発明では各ブロックの高い周波数成分から
省略して行くことにより視覚的な影響を最小にする。と
ころが、符号量がオーバーするか否かは符号化を終了し
てみないと分からないので、本発明ではそれを各ブロッ
ク毎に判定させるようにする。
これは最適な量子化幅あるいは統計処理により予測さ
れた量子化幅を用いて符号化を行ったときに発生する各
ブロックの符号量において、各ブロックの発生符号量の
相対的な比率があまり変化しないことが実験により確認
されているので、これを利用する。すなわち、統計処理
で暫定的な量子化幅(これは目的の符号量によって、ご
く粗く予測することが可能)を用いて、符号化を行うと
きに、各ブロックにおいて発生した符号量を目的とする
符号量にする際、各ブロック毎に「これを越えない限り
画像全体の符号量が目的の符号量を越えない」と云うガ
イドラインを設定し、このガイドラインを各ブロック毎
の割当符号量とし監視の基準にする。
このようにして量子化幅と各ブロック毎の割当符号量
が決まったならば、これに基づき符号化処理を実施し、
最終的な符号化を行う。
本発明においては、符号化処理では各ブロックにおい
て、そのブロックの割当符号量を越えないように各ブロ
ックにおいて符号化を打ち切る。
各ブロックの符号化において、低い周波数成分から高
い周波数成分に順次、符号化しながら、ガイドライン
(割当符号量)を越えないようにチェックする。オーバ
ーしなかったブロックは問題なく符号化を終了、つま
り、EOBを出力する。途中でオーバーしてしまったブロ
ックはそれ以上の高周波成分は符号化せず、符号化を打
ち切り、そのブロックの符号化を終了、つまり、EOBを
出力する。このとき、EOBもハフマン符号の一つである
から、EOBも含めて割当符号量内に収まるようにする必
要がある。
このようにして、例えば、半数のブロックは打ち切る
必要無く符号化を終了し、残りの半数はごく高い周波数
の一部が省略されて、符号化を終了したとすれば、欠落
する情報は極めてわずかであり、しかも、欠落するのは
視覚的に影響の少ない高い周波数成分の情報にとどめる
ことができる。そして、この方式による統計処理、符号
化処理の2ステップで必ず符号化を終了することがで
き、従来のように何度も最適化を繰り返すことなく総符
号量を規定値内に収めることができるようになり、しか
も、画質の劣化も抑制できる。
以上の原理を用いた装置の実施例を説明する。
第1図に本発明による画像データの符号化装置をディ
ジタル電子カメラに適用した一実施例をブロック図で示
す。なお、本発明とは直接関係のないディジタル電子カ
メラの機構は図示および説明を省略する。
第1図において、2は撮影レンズやCCD等の撮像デバ
イスよりなる撮像系であり、前記撮影レンズによる撮影
デバイス上に結像された光学像を画像信号に変換するも
のである。撮像系2にはプロセス回路も含まれ、このプ
ロセス回路により前記撮像デバイスにより得られた画像
信号をカラー信号のY、R−Y(以下、このR−YをCr
(クロマレッド)と略称する)、B−Y(以下、このB
−YをCb(クロマブルー)と略称する)の各色成分に分
離させると共にガンマ補正やホワイトバランス処理等を
行うようにしてある。
更にまた撮像系2にはディジタル変換を行うA/D変換
回路があり、輝度信号系であるY成分とクロマ(C;色差
信号)系であるCr,Cb成分の信号のディジタル変換を行
う。撮像系2においては図示しない画像データバッファ
メモリに1フレーム分の画像データを格納してあり、例
えば最初に輝度系の信号について統計処理を行うべく、
画像データバッファメモリのデータを読出し、プロセス
回路によりプロセス処理した画像信号のY成分データ
を、A/D変換して画像データバッファメモリに出力して
記憶させ、Y成分データについての処理が終ったなら
ば、次にクロマ系Cr、Cb成分のデータについてプロセス
処理した後、A/D変換して画像データバッファメモリに
出力し、記憶させる。
画像データバッファメモリはそれぞれY成分用および
Cr,Cb成分用に分けられた画像メモリであり、少くとも
1フレームの画像を記憶する容量を有している。
撮像系2には更にブロック化回路があり、画像データ
バッファメモリより読み出されたY成分用およびCr,Cb
成分用の画像データ(1フレーム分、若しくは1フィー
ルド分)を、所定の大きさのブロックに分割するブロッ
ク化処理を行うものである。ここでは例としてブロック
サイズは8×8とするが、このブロックサイズは8×8
に限るものではなく、またYとC(クロマ系)でブロッ
クサイズが異なっても良い。本実施例では、輝度系Yの
データを読出してブロック化し、後段の処理系に与え
て、このY成分データについての統計処理を行わせ、該
統計処理が終了したならば、次にクロマ系Cr、Cb成分の
データについての統計処理に入るべく該クロマ系Cr、Cb
成分のデータの読出しとブロック化に入る。クロマ系の
ブロック化は、最初にCr成分の画像データについてすべ
てのブロック化を行い、その後に、Cb成分の画像データ
をブロック化して行くものとする。
4は直交変換回路であり、ブロック化されて入力され
た各画像データを受けて、この画像データに対し、各ブ
ロック毎に2次元の直交変換を行うものである。直交変
換としてはコサイン変換、サイン変換、フーリエ変換、
アダマール変換などが使用できる。直交変換を行うこと
により、変換係数としての画像データが得られる。
6は量子化回路であり、前記直交変換回路4の出力す
る画像データ(変換係数)を受けると、第1回目の量子
化では予め設定された各周波数成分毎の量子化幅に、撮
影モードに応じて予め設定された量子化幅係数αを掛け
て補正した量子化幅で、変換係数の量子化を行い、第2
回目では前回の処理により決定された最適量子化幅係数
αを用いて量子化を行う構成としてある。
8はエントロピー符号化回路であり、エントロピー符
号化回路8は量子化回路6の出力する前記量子化出力を
エントロピー符号化(可変長符号化)するものである。
エントロピー符号化としてはハフマン符号化、算術符号
化などを利用する。エントロピー符号化は可変長符号化
であるために、ブロック毎の符号量画像全体の符号量な
どが画像毎に変化する。どのようなエントロピー符号化
を用いるかは本発明とは直接関係が無いが、ここではハ
フマン符号化を使用した一例を示すこととする。
エントロピー符号化回路8では、入力した量子化され
た変換係数を第5図に示す順序でスキャンするジグザグ
・スキャンと呼ばれる手法により、低い周波数成分から
高い周波数成分への走査を行う。第5図の走査順序の1
番目の直流成分[DC]のデータは、直前にエントロピー
符号化を行ったブロックの直流成分との差分値をハフマ
ン符号化して出力する。交流成分[AC]については第5
図の走査順序の2番目から64番目まで順番に変換係数を
見て行き、変換係数が0でない(すなわち、有効な)係
数が出て来たらその直前に存在した連続した0(無効)
の係数の数(ゼロラン)とその有効係数の値とで2次元
のハフマン符号化して出力すると云った動作をする。ま
た、ある係数以降64番目の係数まで連続して無効係数が
続く場合はブロックの終りを示すEOB(エンド・オブ・
ブロック)の符号を出力する。また、打ち切り信号が入
力されると符号化を終了し、EOBを付加して出力する。
そして、そのブロックについて発生した符号量を符号量
算出回路14に出力する。
符号量算出回路14は入力されたY、Cr、Cb各成分の各
ブロック毎の符号量とその符号量の積算を行い、Y、C
r、Cb各成分の各ブロック毎の符号量データの収集と画
像全体の符号量を計算し、この画像全体の符号量のデー
タについて量子化幅予測回路12に出力すると共に、各ブ
ロック毎の符号量と画像全体の符号量のデータについて
は符号量割当て回路20に出力する構成としてある。
量子化幅予測回路12は第1パス目の開始にあたり制御
回路18から目的とする符号量の情報を受け、この符号量
情報から後述する式(1)の関係を用いて量子化幅係数
αの初期値を設定し、量子化回路6に出力し、第2パス
目の開始に先駆けて、符号量算出回路14から入力された
画像全体の符号量と、1画像当りの許容される最大のデ
ータ量である目標符号量とから、例えば、ニュートン−
ラプソン法(Newton−Raphson interation)を用いて、
目標符号量に近づけるのに最適な量子化幅係数αを、今
回実際に使用した量子化幅係数を勘案して予測するもの
である。
また、符号量割当回路20は符号量算出回路14から入力
された各ブロック毎の画像データの符号量、画像全体の
符号量と、目標符号量とから各ブロックの割当符号量を
算出して符号化打切回路16に出力するものである。
ここでの算出の方法は、例えば、各ブロック毎の符号
量の比で、目標符号量を比例配分する。例えば、あるブ
ロックの符号量と目標符号量との乗算を行い、それを画
像全体の符号量で割ることにより、そのブロックの割当
符号量を決定する。
符号量割当回路20は符号量情報テーブルとブロック割
当符号量データテーブルとを持ち、符号量情報テーブル
における該当ブロック位置の符号量情報を符号量算出回
路14から入力された符号量情報に書き替える一方、符号
量算出回路14から入力された各ブロック毎の符号量およ
び画像全体の符号量と、目標符号量とから各ブロックの
割当符号量を算出し、この算出した各ブロックの割当符
号量のデータをブロック割当符号量データテーブルに格
納する。
このブロック割当符号量データテーブルの各ブロック
別割当符号量は、該当のブロックがエントロピー符号化
処理される際に符号化打切回路16に与えられる。
符号化打切回路16は、符号量割当回路20からの各ブロ
ックの符号量を割当符号量から減算し、割当符号量の残
りが送出すべき符号量とEOBの符号との合計符号量より
小さくなった場合には打切り信号を出力してエントロピ
ー符号化回路8に与え、そのブロックの符号化を終了さ
せると云った機能を有する。
従って、符号化打切回路16ではこの割当符号量を参照
し、入力された送出すべき符号量およびEOBの符号を送
出しても割当符号量を越えない場合は、打切りは行われ
ず、そのブロックの符号化を終了し、該ブロックの割当
符号量から送出すべき符号量を減ずると云った動作を行
う。
10は符号出力回路であり、この符号出力回路10はエン
トロピー符号化回路8より入力される可変長の符号をつ
なぎ合わせるもので、この繋ぎ合わせた符号をメモリカ
ード等の記録媒体にて構成される記録系22に書き込むよ
うに機能する。
本システムでは撮影モードに応じて定めた初期時用標
準の量子化幅係数αを使用して最初に統計処理を行い
(第1パス)、最適化するに必要なブロック毎の情報量
や画像全体の情報量等を調べ、次にこの統計処理により
得た情報をもとに最適化された符号化を行うための処理
に入る(第2パス)。
そのため、最初に画像のブロック化、このブロック化
された画像の要素に対する標準の量子化幅係数αを使用
しての量子化、量子化により得られた変換係数のエント
ロピー符号化、そして、このエントロピー符号化により
得られる各ブロックの各要素の符号量情報と画像全体の
符号量情報より最適な符号量にするに必要な符号化幅係
数αの予測、各ブロックの各要素における割当符号量の
決定、これらに基づく処理対象画像への最適符号化の処
理モードへの移行、この処理モードの実施における画像
のブロック化処理、このブロック化された画像の要素に
対する前記予測量子化幅αを使用しての量子化処理、こ
の量子化により得られた変換係数のエントロピー符号
化、処理対象画像の全符号の保存のための出力処理と云
った手順を実施させるが、その全体の制御管理は図にお
ける制御回路18により行うようにしてあるものとする。
尚、制御回路18のこのような機能はマイクロプロセッサ
(CPU)を使用することで容易に実現できる。
次に上記構成の本装置の作用を動作遷移図である第4
図を参照して説明する。
撮影を行うと、撮影レンズの後方におかれた撮影デバ
イス上に被写体像が光学像として結像される。そして、
この撮像デバイスはこの結像された光学像を画像信号に
変換して出力する。撮像デバイスにより得られた画像信
号はプロセス回路に送られ、ここでY成分、Cr成分(R
−Y成分)、Cb成分(B−Y成分)の各色成分の信号に
分離されると共にガンマ補正やホワイトバランス処理等
が行われる。
プロセス回路より出力された各色成分の画像信号のう
ち、Y成分はA/D変換後に画像データバッファメモリの
Y成分領域に記憶され、また、Cr、Cb成分はA/D変換に
後に画像データバッファメモリのCr、Cb成分領域に記憶
される。
次に1パス目の統計処理に入るが、撮像系2ではまず
初めに画像データバッファメモリのY成分データを読出
し、ブロック化回路により、1フレーム分(若しくは1
フィルード分)の画像データを、所定の大きさのブロッ
クに分割する。すなわちブロック化を行う。ここでは例
としてブロックサイズは8×8とする。本実施例では、
撮像系2はY成分(輝度成分)について読出しを行い、
これについての後段での処理(統計処理)が済んだ後
に、次にCr成分の画像データについて総てのブロック化
を行い、これについて後段での統計処理を行い、その後
に、Cr成分の画像をブロック化し、これについて後段で
の統計処理を行ってゆくと云った処理を行う。
撮像系2のブロック化回路によりブロック化された各
ブロックの画像データは、直交変換回路4に与えられ
る。すると、直交変換回路4はブロック化された入力画
像データ(以下、ブロック画像データと呼ぶ)に対し、
各ブロック毎に例えば、離散コサイン変換(DCT)によ
る2次元の直交変換を行う。このDCTによる直交変換と
云うのは、ある波形を周波数成分に分割し、これを入力
サンプル数と同じ数だけのコサイン波で表現すると云っ
た処理である。
そして、直交変換されたブロック画像データ(変換係
数)は8×8のマトリックスの対応する周波数成分位置
に格納され(マトリックスの原点位置が直流成分、それ
以外は交流成分で原点位置より離れるに従い周波数が高
くなるような関係を持たせたマトリックスに格納す
る)、これが量子化回路6に入力される。
すると量子化回路6はこのブロック画像データ(変換
係数)に対して1パス目(第1回目)の量子化を行う。
この第1回目の量子化では、予め設定された各周波数成
分毎(周波数成分はブロックの各マトリックス位置に対
応して決まる)の量子化マトリックスに、制御回路18よ
り与えられる標準(暫定)の量子化幅係数αを掛けた量
子化幅で、変換係数の量子化を行う(第4図(h1,
i))。この時の量子化マトリックスは輝度系とクロマ
系とでそれぞれで同じであっても良いが、それぞれに適
した量子化マトリックスを設定する方が良い結果が得ら
れる。
量子化されたブロック画像データ(変換係数)はエン
トロピー符号化回路8に入力され、ここで、エントロピ
ー符号化される。エントロピー符号化回路8では量子化
されて入力された変換係数を第5図に示す順序でジグザ
ズスキャンし、低い周波数成分から高い周波数成分への
走査を行う。すなわち、変換係数は8×8のマトリック
スに周波数成分に対して格納されており、原点に近いほ
ど、周波数が低いので、ジグザグスキャンすることで低
い周波数成分から高い周波数成分へと走査できる。
第5図の走査順序の1番目のデータは直流成分DCであ
るから、この直流成分DCのデータは直前にエントロピー
符号化を行ったブロック(一つ前のブロック)の直流成
分DCとの差分値diff−DCをハフマン符号化する(第4図
(d1),(e1))。交流成分ACについては第5図の走査
順序の2番目から64番目まで順番に変換係数を見て行
き、変換係数が0でない(すなわち、有効な)係数が出
て来たらその直前に存在した連続した0(無効)の係数
の数(ゼロラン)とその有効係数の値とで2次元のハフ
マン符号化を行う((d2),(e2))。
また、エントロピー符号化回路8は、ある係数以降64
番目の係数まで連続して無効係数が続く場合はブロック
の終りを示すEOB(エンド・オブ・ブロック)の符号を
与える。
そして、そのブロックについて発生した符号量を符号
量算出回路14に出力する(g1)。そして、1画像分の全
ブロックについてこのような処理を実行して行く。
一方、符号量算出回路14は入力されたY、Cr、Cb各成
分の1画像全体の符号量の計算をすべく、Y、Cr、Cb各
成分の各ブロック毎の符号量の算出とその符号量の積算
を行う(g2)と共に、各ブロック毎の符号量のデータは
符号量割当回路20に出力する。符号量割当回路20はこの
各ブロック毎の符号量のデータを符号量情報テーブルに
おける該当ブロック位置の符号量情報として書き込む。
そして、1画像分の全ブロックについてハフマン符号
化の処理を終了した段階で、制御回路18の制御により符
号量算出回路14は、この画像全体の符号量のデータを量
子化幅予測回路12に出力すると共に、画像全体の符号量
のデータを、符号量割当回路20に出力する。
量子化幅予測回路12はこの入力された画像全体の符号
量データと目標符号量データとから、例えば、Newton−
Raphson iteration法を用いて、目標符号量の値に近づ
けるのに最適な量子化幅係数αを、実際に使用した量子
化幅係数に基づいて予測する(第4図(h2))。
また、符号量割当回路20は入力された各ブロック毎の
符号量および画像全体の符号量と、目標符号量とから各
ブロックの割当符号量を、例えば各ブロック毎の符号量
の比で、目標符号量を比例配分する等して算出する(第
4図(h3))。具体的には、あるブロックの割当符号量
を決定するには、当該ブロックの符号量と目標符号量と
を乗算し、それを画像全体の符号量で割ることで得た結
果を以て割当符号量とする。そして、この算出した各ブ
ロックの割当符号量のデータをブロック割当符号量デー
タテーブルに格納する。このブロック割当符号量データ
テーブルの各ブロック別割当符号量のデータは、該当の
ブロックがエントロピー符号化処理される際に符号化打
切回路16に与えられることになる。
以上で1パス目、すなわち、各ブロックの割当符号量
の決定及び量子化幅の最適化のための第1の符号化(統
計処理)を終了する。
次に2パス目の処理に入る。この2パス目の処理は、
第2の符号化(符号化処理)であり、目標符号量に収ま
るように最適化した最終の符号化出力を得る処理であ
る。
この処理はまず、Y成分について行い、Y成分が終了
した後にCr,Cb成分について行うようにする。すなわ
ち、初めに撮像系2における画像データバッファメモリ
に記憶されているY成分(輝度系)の画像データを読出
してブロック化回路に入力し、再びブロック化を行う
(a)。ブロック化された画像データは直交変換回路4
に入力され、再び直交変換が行われる(b)。この直交
変換により得られた変換係数は量子化回路6に入力さ
れ、再び量子化が行われる(c)。ただし、このとき使
用する量子化幅係数αは前回のパスにおいて量子化幅予
測回路12が算出した予測の最適量子化幅係数αである。
次に、量子したブロック画像データの変換係数は、エ
ントロピー符号化回路8に入力される。エントロピー符
号化は統計処理の時と同様、このブロック画像データの
変換係数のうち、まず直流成分DCの差分値diff−DCをハ
フマン符号化し((d1),(e1))、次に交流成分ACを
ジグザグスキャンで順次データ抽出して2次元のハフマ
ン符号化を行う((d2),(e2))。
但し、一つの要素(マトリックス内の一つの位置)に
対するハフマン符号が発生する度に符号量割当回路20か
ら、そのブロック割当符号量データテーブルに格納され
ている当該要素位置における送出すべき割当符号量を符
号化打切回路16に出力し、一方、符号化打切回路16では
この各ブロックの割当符号量をもとに、送出すべき符号
量およびEOBの符号を送出しても割当符号量を越えない
場合は、打切り信号を発生せず、該ブロックの割当符号
量から送出すべき符号量を減ずる処理を行う。そして、
送出すべき該ブロックの符号量とEOBの符号との合計の
符号量が割当符号量の残りの符号量を上まわったとき
に、符号化打切回路16はエントロピー符号化回路8に打
切り信号を出力し、そのブロックのハフマン符号化を終
了させる。そして、エントロピー符号化回路8は量子化
回路6より得られる次のブロックのハフマン符号化に移
る。
従って、エントロピー符号化回路8は符号化打切回路
16から打切り信号が入力されるまで、変換されたハフマ
ン符号を、符号出力回路10に出力し、打切り信号発生前
にマトリックスのすべての要素に対するハフマン符号化
が終わった場合には、エントロピー符号化回路8はEOB
の符号を符号出力回路10に出力する。また、エントロピ
ー符号化回路8はマトリックスのすべての要素に対する
ハフマン符号化が終わらない前に打切り信号が入力され
た場合には、その符号のかわりにEOBの符号を符号出力
回路10に出力することになる。符号出力回路10ではこの
符号化されたデータを一時記憶する。
そして、エントロピー符号化回路8は量子化回路6よ
り得られる次のブロックのハフマン符号化に移る。
このような動作を繰り返し、1画面の画像の全ブロッ
クの処理が終わることにより、全ての符号化処理を終了
する。Y成分に対するこのような処理が終わると、次に
同様の手法でクロマ系成分(Cr,Cb)の処理に入る。ク
ロマ系成分の処理でも量子化回路6は前回のパスにおい
て量子化幅予測回路12が算出した予測の最適量子化幅係
数αを使用する。
クロマ系成分について、1画面分の画像の全ブロック
の上記2パス目の処理が終わることにより、全ての符号
化処理を終了する。
この終了にあたり、符号出力回路10では最適化された
1画像分のハフマン符号化データを記録系22に出力し、
記録系22におけるメモリカードと云った記憶媒体に書き
込む(f)。これは、符号出力回路10の出力により行わ
れるが、符号出力回路10はエントロピー符号化回路8か
らの可変長のハフマン符号をつなぎ合わせ、記憶媒体に
与えることで書き込む。この符号出力回路10の出力によ
る記憶媒体への書き込みは、第2パスが終わった段階で
まとめて行うようにしても良いが、第1パスが終って第
2パス実行に入った段階で可変長のハフマン符号をつな
ぎ合わせた結果が、1バイト若しくは数バイト単位、ま
とまり次第、順次、記憶媒体へ書き込むようにしても良
い。
尚、これに先立ち、符号出力回路10では符号化に使用
した最適量子化幅係数αを当該符号化した画像の記憶デ
ータにおけるヘッダ部分に書き込み、再生時の手掛かり
として残す。
以上、本装置においては、暫定的な量子化幅を用いて
統計処理を行い、そのデータをもとに最適な量子幅を予
測することにより、符号化処理における符号量を目標の
符号量に近づけると共に、更に各ブロックの割当符号量
を決定することにより符号化処理における符号量が目的
の符号量を越えないようにしたものであり、この点が本
発明の重要なポイントとなっている。よって、本実施例
で使用したブロックサイズ、直交変換の種類、エントロ
ピー符号化の種類などに限定されるものではない。また
画像データバッファメモリは直交変換回路4と量子化回
路6との間にあっても良く、むしろこのようにすると符
号化処理におけるブロック化と直交変換のプロセスを省
略できる。しかし、精度を保つためには、この場合、画
像メモリのサイズが大きくなる。また、プロセス処理
も、A/D変換の前に行うようにし、その後にディジタル
化するようにしても構わない。また、本装置において
は、ブロック毎のエントロピー符号化を低周波成分側よ
り行い、画質への影響の比較的小さい高周波成分は割り
当て符号量に余裕のある範囲で符号化して利用するよう
しているので、画質の劣化を最小限に抑えて、しかも、
高圧縮で符号化できるようになる。
以上、詳述した第1図の構成の本発明は、要するに、
第1パスの暫定的な量子化幅として目的符号量から設定
した最適な量子化幅に近い量子化幅を用いて第1パスの
量子化を行い、その結果、得られた符号量データを用い
てさらに最適な量子化幅を予測し、これを最終処理であ
る第2パスにおける符号化に使用すると云うものであ
る。これは、目的符号量に近い符号量が得られる量子化
幅係数αを用いて統計処理すると、早く、しかも、より
精度良く、最適量子化幅係数αを見付けることができる
ことを利用したものであり、暫定的な量子化幅係数とし
て、目的符号量に基づいて設定した最適な量子化幅に近
い量子化幅係数を用いて第1パスの量子化を行い、これ
により得た総符号量から目的符号量に収めることができ
る量子化幅係数を知って、これを第2パス目で使用して
最終的な符号化を行うようにしたものである。
そして、これにより、画像データを短い時間で、精度
良く目的符号量の枠一杯に符号化し、これによって、許
される符号量に目一杯近付けることができることで、失
うデータを最小限にとどめ、画質も維持できるようにす
ると云うものであり、予測精度が高く、符号化による画
質劣化の少ない、すなわち、高画質の量子化を行うこと
ができる。
ここで、暫定的な量子化幅係数を如何にして最適な値
にするかが、重要な課題となるので、この点について少
し説明する。
画像データを前処理し、この出力を量子化し、この量
子化出力を可変長符号化する場合、この量子化の量子化
幅を変化させることにより、発生する符号量が変化する
ことは周知の事実である。これは、ハフマン符号化に代
表される可変長符号化は、符号化するデータの発生確率
の偏りを利用してそのデータを表現するのに必要な符号
量を減少させるものであり、前記「量子化幅を変化させ
る」と云うことは、量子化値の発生確率を変化させるこ
とでもあるから、量子化幅を変化させることにより発生
符号量も変化することがわかる。
ところで、同じ量子化幅で同一の符号化を行っても、
そのときの画像データによって発生符号量は異なる。し
かし、1つの画像データに対して量子化幅を変化させて
同一の符号化を行った場合は量子化幅と、発生符号量と
の間には一定の関係が得られる。また、多くの画像デー
タで量子化幅と発生符号量の関係を求めると、最も発生
頻度の高い関係が統計的に得られることが明らかになっ
た。
具体的には多くの場合、次の関係が得られた。すなわ
ち、ある量子化幅に対する相対的な比をSFとし、発生符
号量1画素あたりのビット数(ビットレート)で表わし
てこれをBRとすると、 log BR=a×log SF+b …(1) なる関係になる。aは同一の符号化であれば、画像によ
らず略一定であり、bは画像に依存する。このbの値は
画像により、一定の分布を持ち、この発生頻度分布から
代表的なbが得られる。
以上、一例をあげて説明をしたが、いずれにせよ、本
発明の特徴は量子化幅と符号量との関係を利用して目的
の符号量に応じて量子化幅を設定すると云うところにあ
る。
上述した第1図の構成では、圧縮符号化において、一
連の処理を第1パスおよひ第2パスの二回で完成させる
もので、第1パスにより最適αを見付けるようにするも
のである。第1図においては、第1パスでの信号の流れ
を点線の矢印で、また、第2パスでの信号の流れを実
線の矢印でそれぞれ図示してある。この信号の流れに
沿ってざっと動作を追ってみると次のようになる。
画像データの符号化が行われるに当り、目的とする符
号量が制御回路18内に設定される。撮像系2内の撮像素
子から出力された画像データはディジタル信号が変換さ
れ、8×8画素のブロック化等の処理が行われた後、直
交変換回路4に入力され、ブロック毎に直交変換(本例
ではDCT;予測符号化(DPCM)でも良い)が行われる。直
交変換回路4で得られたDCT変換変換係数は量子化回路
6に入力され、一方、制御回路18から目的とする符号量
が量子化幅予測回路12に出力され、量子化幅予測回路12
では目的の符号量から式(1)の関係を用いて量子化幅
係数αの初期値を設定し、量子化回路6に出力する。量
子化回路6では、入力された量子化幅係数αを用いて、
変換係数を線形量子化する。量子化された変換係数はエ
ントロピー符号化回路8に入力され、可変長符号化(本
例ではハフマン符号化)が行われる。
ここで入力された量子化係数は、シグザグスキャンと
呼ばれる低周波数成分から高周波数成分への走査が行わ
れ、一番目の直流成分のデータは直前に可変長符号化を
行ったブロックの直流成分との差分値がハフマン符号化
されて出力される。
交流成分については走査順序の2番目から64番目まで
順番に変換係数を見てゆき、変換係数が0でない(すな
わち、有効な)係数が出てきたら、その直前に存在した
連続した0(零;無効)の係数の数(ゼロラン)とその
有効係数との値で、2次元のハフマン符号化が行われ
る。また、ある係数以降、64番目の係数まで、連続して
無効出力が続く場合には、ブロックの終りを示すEOF
(エンド・オブ・ファイル)の符号を出力する。可変長
符号化回路8は、以上のような符号化が各ブロックで終
了する毎に、そのブロックで発生した符号量を符号量算
出回路14に出力する。一画像について、符号化が終了す
ると、符号量算出回路14は入力されたブロック毎の符号
量を累積して画像全体の符号量を総符号量値として算出
する。この総符号量値は量子化幅予測回路12に出力さ
れ、また、各ブロック毎の符号量及び画像全体の符号量
割当回路20に出力される。
以上の第1パスの符号化処理が終了すると、続いて同
じ画像データに対して第2パスの符号化処理が行われ
る。第2パスでは撮像系2内のメモリから読み出された
画像データはディジタル信号に変換され、8×8画素の
ブロック化等の処理が行われた後、直交変換回路4に入
力され、ブロック毎に直交変換され、これにより、直交
変換回路4で得られたDCT変換変換係数は量子化回路6
に入力される。
一方、量子化幅予測回路12では第1パスの符号化によ
り求められた画像符号量と、制御回路18から与えられた
目的符号量とから、より適した量子化幅係数αを予測
し、量子化回路6に出力する。撮像系2内のバッファメ
モリから画像データが再び直交変換回路4に入力され、
ブロック毎にDCTが行われる。得られた変換係数は量子
化回路6において、予測された量子化幅を用いて線形量
子化される。量子化された係数は可変長符号化回路8に
入力され、第1パスの符号化時と同様の方式でハフマン
符号化される。ここで符号化時に発生した符号量は第1
パスの符号化時に求められ、符号量割当回路20に記憶さ
れている各ブロックの割当符号量との比較が行われ、こ
れを越えた場合には符号打切回路16の働きにより、その
ブロック内でそれ以降の符号化が打ち切られる。以上の
方法により目的符号量に制御された符号化データは順
次、符号出力回路10を経由して記録系22に出力される。
本実施例では、第1パスの暫定的な量子化幅係数αと
して、目的符号量から設定した最適な量子化幅に近い量
子化幅係数を用いて第1パスの量子化を行うので、その
結果、得られた符号量データを用いてさらに最適な量子
化幅係数を予測することができる。このため、画質を多
少犠牲にしても、できるだけたくさんの画像を得たい場
合の低画質撮影モードや撮影枚数がたくさんとれなくと
も、画質を重視したい場合の高画質撮影モード等、目的
に応じて撮影モードを選択できるようにした撮影システ
ムにおいて、それぞれのモードに応じた目的符号量内に
内輪で目一杯になるような、画像の符号量を得ることの
できる、すなわち、このような結果の得られる量子化幅
係数αを予測することができ、従って、符号化による画
質劣化の少ない、高画質の量子化の可能なシステムを提
供できる。
以上の2パス方式の実施例においては、撮影モードが
低画質、高画質等、いくつかの一定の段階的レベルのう
ちの一つを選択すると共に短時間で、できるだけ最適な
画質を得るような符号化ケースには適しているが、無段
階等、任意に画質を選択できて、しかも、その範囲で最
良の画質を得られるようにするには、必ずしも十分であ
るとはいえない。このような要求に対してはnパス方式
とすると良い。
このnパス方式の本発明の実施例を第2の実施例とし
て次に説明する。
本例は第1パスの符号化を符号化により得られた符号
量が目的符号量に一致するまで、繰り返し行い、符号量
を制御するものである。
第2図にnパス方式の構成を示す。本例では前処理符
号化として予測符号化(DCPM)を行うDCPM回路24を使用
する例を示してあるが、直交変換方式でも構わない。
本例では撮像系により得られた画像信号を、DCPMと可
変長符号化を組合わせた圧縮方式によって符号化し、記
録する装置に適用したものである。基本的には第1図の
構成を踏襲するので、第1図と同一機能を得る構成要素
は同一符号を付しておく。
第2図に示すように、本装置はDCPM回路24、量子化回
路6、エントロピー符号化回路8、量子化幅予測回路1
2、符号出力回路10、符号量算出回路14、制御回路18aと
よりなる。各パス毎に出力される撮像系2からのブロッ
ク化された画像データ出力は、予測符号化を行うDCPM回
路24に入力され、ここで予測符号化されて量子化回路6
に入力される。
DCPM回路24は、ブロック化されて入力された各画像デ
ータを受けて、この画像データに対し、各ブロック毎に
予測符号化を行うものである。
量子化回路6では、前記DCPM回路24の出力する画像デ
ータ(予測符号化データ)を受けると、量子化幅予測回
路12から与えられる量子化幅係数αを掛けて補正した量
子化幅で変換係数の量子化を行う構成としてある。
エントロピー符号化回路8は、量子化回路6の出力す
る前記量子化出力を、エントロピー符号化するものであ
る。エントロピー符号化は可変長符号化であるために、
ブロック毎の符号量画像全体の符号量などが画像毎に変
化する。どのようなエントロピー符号化を用いるかは本
発明とは直接関係が無いが、ここではハフマン符号化を
使用した一例を示してある。
エントロピー符号化回路8では、入力された量子化デ
ータをジグザグ・スキャンにより、低い周波数成分から
高い周波数成分への走査を行う。そして、第5図の走査
順序の1番目の直流成分[DC]のデータは、直前にエン
トロピー符号化を行ったブロックの直流成分との差分値
をハフマン符号化して出力する。交流成分[AC]につい
ては第5図の走査順序の2番目から64番目まで順番に変
換係数を見て行き、変換係数が0でない(すなわち、有
効な)係数が出て来たらその直前に存在した連続した0
(無効)の係数の数(ゼロラン)とその有効係数の値と
で2次元のハフマン符号化して出力すると云った動作を
する。また、ある係数以降64番目の係数まで連続して無
効係数が続く場合はブロックの終りを示すEOBの符号を
出力する。そして、そのブロックについて発生した符号
量を符号量算出回路14に出力する。
符号量算出回路14は入力されたY、Cr、Cb各成分の各
ブロック毎の符号量とその符号量の積算を行い、Y、C
r、Cb各成分の各ブロック毎の符号量データの収集と画
像全体の符号量を計算し、この画像全体の符号量のデー
タについて量子化幅予測回路12に出力する構成としてあ
る。
量子化幅予測回路12は第1パス目(調査処理)の開始
にあたり制御回路18aから目的とする符号量の情報を受
け、この符号量情報から後述する式(1)の関係を用い
て量子化幅係数αの初期値を設定し、量子化回路6に出
力し、次のパスの開始に先駆けて、符号量算出回路14か
ら入力された画像全体の符号量と、1画像当りの許容さ
れる最大のデータ量である目標符号量とから、ニュート
ン−ラプソン法等を用いて、目標符号量に近づけるのに
最適な量子化幅係数αを、今回実際に使用した量子化幅
係数を勘案して予測するものである。
符号出力回路10はエントロピー符号化回路8より入力
される可変長の符号をつなぎ合わせるもので、この繋ぎ
合わせた符号をメモリカード等の記録媒体にて構成され
る記録系22に書き込むように機能する。
制御回路18aは画質設定値(1画像あたりの収めるべ
き目標の符号量:目的の符号量)を設定されると、最初
のパス実行開始に先駆けて、該目的の符号量を量子化幅
予測回路12に入力し、以後は一画像についての第1パス
(調査処理)実行が終了する毎に符号量算出回路14が算
出した総符号量を受け、これと目的符号量とを比較する
と共に、両者が一致しない時には再度量子化幅係数αの
予測を行うべく、量子化幅予測回路12に指令し、再び、
調査処理(第1パス)を行うようにシステムを制御し、
また、総符号量が目的符号量に十分近付き、且つ、目的
符号量以内になった時はこのときの量子化幅係数αの予
測値を使用して、第2パスの符号化(符号化処理)を実
施するよう、システムを制御すると云った機能を有す
る。
本システムでは任意の画質設定値を制御回路18aに与
えると、これに応じて定まる初期時用標準の量子化幅係
数αを使用して第1回目の調査処理を行い(第1パ
ス)、この結果、得られた総符号量が、目的符号量に対
し、内輪で略目一杯に近い値に達しているか否かを調
べ、達していなければ、そのときに使用していた量子化
幅係数αを酌量して新たな最適化するに必要な量子化幅
係数αを求めて、第2回目の調査処理を行い(第1パ
ス)、この結果、得られた総符号量が、目的符号量に対
し、内輪で略目一杯に近い値に達しているか否かを調
べ、達していなければ、そのときに使用していた量子化
幅係数αを酌量して新たな最適化するに必要な量子化幅
係数αを求めて、第3回目の調査処理を行い(第1パ
ス)、…と云った制御を繰り返し、総符号量が目的符号
量に対し、内輪で略目一杯に近い値に達したならば、そ
のときの量子化幅係数αを使用して最終的な符号化処理
(第2パス)を実行させるべく制御する。
総符号量が、目的符号量に対し、内輪で略目一杯に近
い値に達しているか否かの判断の基準は、目的符号量に
対する割合を90%とか95%とかと云った具合に定め、そ
の容量内に収まったか否かで決定する。この割合を100
%に近付ける程、画質はその目的符号量下で得られる最
良のものとなるが、最適値に収束するまでの繰り返し回
数が多くなり、遠ざけると画質は低下するが、早く収束
することになる。
次に上記構成の本装置の作用を具体的に説明する。Y
成分、Cr,Cb成分の画像データはY成分の符号化処理が
終了した後、Cr,Cb成分の符号化処理を行って最終的に
1画像分の圧縮符号化データを得、記憶媒体に記憶す
る。このような処理にあたり、画像データは第1図の場
合と全く同様にしてブロック化され、DPCM回路24でDPCM
の前処理が成された後、この前処理された画像データは
量子化回路6に入力される。
最初の段階では制御回路18aは、この処理開始前に設
定された条件に基づく目的符号量のデータを、量子化幅
予測回路12に与え、システムに対し、処理を開始させる
ので、量子化幅予測回路12はこの目的符号量のデータに
合せ、前記式(1)に基づく標準的な量子化幅予測係数
αを求めて量子化回路6に与える。従って、量子化回路
6はこの与えられた標準的な量子化幅予測係数αを使用
した、前処理されて入力された各ブロック化データに対
し、量子化を行う。この量子化されたデータはエントロ
ピー符号化回路8により、エントロピー符号化され、符
号量算出回路14に送られる。符号量算出回路14はこの送
られてきたエントロピー符号化データの符号量を積算
し、1画面分が終了した段階でこの積算値(総符号量)
を量子化幅予測回路12と制御回路18aに与える。制御回
路18aは、得た総符号量を目的符号量と比較し、両者が
許容範囲内で一致しない時には再度量子化幅係数αの予
測を行わせるべく、量子化幅予測回路12に指令し、且
つ、システムに対しては再度の調査処理を行うべく指令
する。指令を受けた量子化幅予測回路12では符号量算出
回路14から得た総符号量をもとに目的符号量に近付ける
に必要な量子化幅係数αの予測を行い、得られた新たな
量子化幅係数αの予測値を量子化回路6に与える。
撮像系では再び画像データをブロック化して順に送り
出してくるので、これをDPCM回路24でDPCMの前処理し、
この前処理された画像データは量子化回路6に与えられ
てここで新たな量子化幅係数αによる量子化が行われ
る。この量子化されたデータはエントロピー符号化回路
8により、エントロピー符号化され、符号量算出回路14
に送られる。符号量算出回路14はこの送られてきたエン
トロピー符号化データの符号量を積算し、1画面分が終
了した段階でこの積算値(総符号量)を量子化幅予測回
路12と制御回路18aに与える。制御回路18aは、得た総符
号量を目的符号量と比較し、両者が許容範囲内において
も一致しない時には、再度量子化幅係数αの予測を行わ
せるべく、量子化幅予測回路12に指令し、且つ、システ
ムに対しては再度の調査処理を行うべく指令する。そし
て、上述のような動作を繰り返す。
得た総符号量と目的符号量との比較の結果、両者が許
容範囲内で一致したときは、調査処理を終了させ、制御
回路18aはそのときの量子化幅係数αを使用して最終的
な符号化処理(第2パス)を実行させるべく制御する。
これにより、撮像系では再び画像データをブロック化
して順に送り出してくるので、これをDPCM回路24でDPCM
の前処理し、この前処理された画像データは量子化回路
6に与えられ、ここで先の最終調査処理で使用した量子
化幅係数αを用いての最適な量子化幅で線形量子化が行
われる。この量子化されたデータはエントロピー符号化
回路8により、エントロピー符号化(可変長符号化;圧
縮符号化)され、符号出力回路10に送られる。
このような処理Cr,Cb成分についても実施した後、1
画像分全ての符号化データが符号出力回路10に揃った段
階で符号出力回路10はこの符号化データを記録系に出力
し、記録媒体に書き込む。
このように量子化回路6では、前記DCPM回路24の出力
する画像データ(予測符号化データ)を受けると、第1
回目の量子化では予め設定された各周波数成分毎の量子
化幅に、目的符号量に応じて上記式(1)により定まる
条件下で決定される量子化幅係数αを掛けた値で変換係
数の量子化を行い、第2回目以降では前回の処理により
決定された最適量子化幅係数αを用いて量子化を行い目
的符号量内に収まる最適量子化幅係数αを探す調査処理
を繰り返す構成としてあり、この調査処理で目的符号量
に十分近付けた段階で、最終的な符号化処理を行い、圧
縮符号化するので、目的符号量が任意の値であっても、
その符号量において最良の画質を維持できる圧縮符号化
が可能になり、また、初期の量子化幅係数αとして目的
符号量に合せた標準的な最良の量子化幅係数αを求めて
符号を開始するので、内輪で目的符号量に近い符号量を
得ることのできる量子化幅係数αを早く見付けることが
でき、短い時間で最良の画質が確保できる圧縮符号化が
可能になる。特に最初の暫定的な量子化幅を与える量子
化幅係数として目的符号量から設定した最適な量子化幅
に近い量子化幅を与えることができる量子化幅係数を用
いたことにより、最適量子化幅を得ることのできる量子
化幅係数が最適値に速やかに収束することになり、この
ため、符号化に要する処理時間を少なくすることができ
て、しかも、目的の符号量の範囲内で最良の画質が確保
できる圧縮符号化が可能になる。
要するに、上述の第2の実施例は、第1パスの符号化
を符号化により得られた符号量が目的符号量に一致する
まで、繰り返し行い、符号量を制御するものであり、本
例では符号化された画像データは第1の実施例と同様の
動作により、第1パスの符号化を行い、一画像について
の処理が終了する毎に、総符号量が制御回路18aにも出
力して、ここで目的符号量と比較し、両者が一致しない
時には再度量子化幅係数αの予測を量子化幅予測回路12
で行い、再度第1パスの符号化(統計処理)を行い、総
符号量が目的符号量に十分近付き、且つ、目的符号量以
内になった時は制御回路18aは、第2パスの符号化(符
号化処理)に切り替えて、DPCM回路24でDPCMの前処理が
成された画像データを量子化回路6にて前記目的符号量
以内になった時の最適な量子化幅で線形量子化し、可変
長符号化して最終出力とすると云うものである。
以上の例において、最初の暫定的な量子化幅を与える
量子化幅係数として目的符号量から設定した最適な量子
化幅に近い量子化幅を与えることができる量子化幅係数
を見付けて用いることにより、量子化幅が最適値に速や
かに収束する。このため、符号化に要する処理時間を少
なくすることができる。
尚、第2パスの符号化処理は、第1パスの最終回の処
理で得られる可変長符号化データを流用するようにして
も良い。
以上2つの実施例を示したが、本発明は目的符号量が
与えられると、その符号量を得るに必要な量子化幅係数
αを目的符号量から算出して、符号化に使用する点にあ
り、これによって最初から目的符号量に近い符号量が得
られることに着目して、1回のパスで略最適値にする例
を第3の実施例として示す。
本例は第1パスの符号化1回のみを行うもので、第1
パスのみで最適値にするものである。第3図に構成を示
す。本例では前述の実施例と同一の構成要素について
は、同一符号で示し、説明は省略する。
本システムでは任意の画質設定値を制御回路18aに与
えると、これに応じて定まる標準の量子化幅係数αを使
用して符号化を行うもので、画像データは直交変換(DC
PMでも可)による前処理がなされ、一方、制御回路18a
から与えられる目的符号量から量子化幅予測回路12は標
準の量子化幅係数αを算出してこれを量子化回路6に与
え、量子化回路6はこの設定された量子化幅系数αで補
正した量子化幅で線形量子化を行う。この量子化された
変換係数はエントロピ符号化回路8でエントロピ符号化
され、符号出力回路10に出力される。そして、この符号
化された出力は符号出力回路10より記録系に送られて記
録媒体に記録される。
上記の例のように、一回のみのパスで符号化する場合
でも、量子化幅を目的符号量に基づいて設定するように
したことにより、最適な量子化幅に近くなり、得られる
符号量をおおよそ目的符号量と一致させることができ
る。そして、この場合、処理は一回で終わるので、極め
て高速で符号化を行えるようになる。
以上の各実施例では目的符号量から量子化幅を設定し
ていたが、複数の目的符号量をモードで切換えて使用す
るようなアプリケーションにおいては、それぞれのモー
ドに対応する量子化幅を予め用意しておき、これをモー
ドで切り換えて使用するようにしても勿論差支えない。
本発明によれば、目的の符号量を変化させても、発生
符号量を目的の符号量に近付けるのに最適な量子化幅が
得られる。この量子化幅を用いて量子化することによ
り、1回の符号化処理のみで符号化を終了する場合(1
パス方式)でも、得られる符号量を目的の符号量に近付
けることができ、2回の符号化処理で符号量を制御する
2パス方式では、第一回目の符号化処理(統計処理)に
おける暫定的な量子化幅を用いて得た符号量に基づいて
量子化幅を補正するので、最適量子化幅の予測精度を向
上させる効果があり、高画質の符号化が行えるととも
に、総符号量が十分目標値に近付き、また、目的の符号
量以内になるまで、符号化処理と最適な量子化幅の予測
を繰り返すnパス方式では第1パスでの符号化処理(統
計処理)において、符号量を目標値に収めるに最適な量
子化幅を見付けるまでの(量子化幅が最適値に収束する
までの)繰り返し回数が少なくなり、符号化に要する処
理時間が短くなると云う効果が得られる。
尚、本発明は上記し、且つ、図面に示す実施例に限定
することなくその要旨を変更しない範囲内で適宜変形し
て実施し得るものであり、本発明はスチル画像に限らず
動画像等、種々の画像に対しての圧縮符号化に適用でき
るものである。
〔発明の効果〕
以上詳述したように、本発明によれば、目的符号量を
変えても、それに対応して符号量が目的符号量に近くな
ると共に、その目的符号量の範囲で最良の画質を得るこ
とができる画像データの符号化装置および符号化方法を
提供できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1の実施例を示すブロック図、第2
図は本発明の第2の実施例を示すブロック図、第3図は
本発明の第3の実施例を示すブロック図、第4図は本発
明の原理的な作用を説明するための動作遷移図、第5図
は8×8画素に分けられたブロックのジグザグ・スキャ
ンを説明するための図、第6図は従来技術を説明するた
めの動作遷移図である。 6…量子化回路、8…エントロピー符号化回路、10…符
号出力回路、12…量子化幅予測回路、14…符号量算出回
路、16…符号打切回路、18,18a…制御回路、20…符号量
割当回路、24…DCPM回路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 茂木千佳子、外2名“DCT符号化に おける符号量制御方式”,1990年電子情 報通信学会春季全国大会講演予稿集、社 団法人電子情報通信学会、平成2年3 月,分冊7,P.62(D−310) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H04N 7/24 - 7/68 H04N 1/41 - 1/419

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】直交変換もしくは予測符号化等を行う画像
    情報圧縮手段により画像データを前処理した後、この前
    処理した画像データを量子化手段により量子化し、この
    量子化出力を可変長符号化手段により可変長符号化する
    符号化装置において、 収めるべき総符号量の情報を与える手段と、 この総符号量情報に基づき、該収めるべき総符号量の枠
    に対応した量子化幅の予測を行って該予測した量子化幅
    の情報を、前記前処理直後の画像データに対する前記量
    子化手段にての量子化に先立って、前記量子化手段に与
    える量子化幅予測手段とを設けると共に、 前記量子化手段は量子化幅の情報を受けてその量子化幅
    で前記前処理済み画像データを量子化する構成とするこ
    とを特徴とする画像データの符号化装置。
  2. 【請求項2】直交変換もしくは予測符号化等を行う画像
    情報圧縮手段により画像データを前処理した後、この前
    処理した画像データを量子化手段により量子化し、この
    量子化出力を可変長符号化手段により可変長符号化する
    符号化装置において、 可変長符号化手段の出力を受け、画面単位の総符号量を
    求めてこれを算出符号量情報として出力する符号量算出
    手段と、 収めるべき総符号量の情報を与えると共に初めに読計処
    理指令を発令し、統計処理が終わると符号化処理指令を
    発令する制御手段と、 前記統計処理指令による実行開始時には前記制御手段か
    らの総符号量の情報に基づき、該総符号量の枠に対応し
    て量子化幅の予測を行って該予測した量子化幅の情報を
    前記量子化手段に与え、符号化処理指令による実行開始
    時には入力される前記算出符号量情報に基づき前回予測
    した量子化幅の情報に対して前記総符号量の枠に収まる
    ように補正した量子化幅の情報を得て、この補正した量
    子化幅の情報を前記量子化手段に与える量子化幅予測手
    段とを設けると共に、 前記量子化手段は量子化幅の情報を受けてその量子化幅
    で前記前処理済み画像データを量子化する構成とするこ
    とを特徴とする画像データの符号化装置。
  3. 【請求項3】画像データをブロックに分割し、この分割
    されたブロック毎に直交変換等を行って前処理した後、
    この前処理した画像データを量子化手段により量子化
    し、この量子化出力を可変長符号化手段により可変長符
    号化する符号化装置において、 可変長符号化手段の出力を受け、画面単位の総符号量を
    求めてこれを算出符号量情報として出力する符号量算出
    手段と、 収めるべき総符号量の情報を与えると共に初めに統計処
    理指令を発令し、統計処理が終わると符号化処理指令を
    発令する制御手段と、 前記統計処理指令による実行開始時には前記制御手段か
    らの総符号量の情報に基づき、該総符号量の枠に対応し
    た量子化幅の予測を行って予測した量子化幅の情報を前
    記量子化手段に与え、符号化処理指令による実行開始時
    には入力される前記算出符号量情報に基づき前回予測し
    た量子化幅の情報に対して前記総符号量の枠に収まるよ
    う補正した量子化幅の情報を得て、この補正した量子化
    幅の情報を前記星子化手段に与える量子化幅予測手段
    と、 前記統計処理指令による実行時に前記算出符号星情報と
    前記収めるべき総符号量の情報とに基づき、前記各ブロ
    ックの割当て符号量を求める符号量割当手段と、 前記符号化処理指令による実行時、前記各ブロック毎の
    前記算出符号量情報がそのブロックでの前記割当て符号
    量に達すると前記可変長符号化手段の当該ブロックに対
    する符号化を打切るべく制御する符号化打切手段とを設
    けると共に、 前記量子化手段は量子化幅の情報を受けてその量子化幅
    で前記前処理済み画像データを量子化する構成とし、前
    記可変長符号化手段は前記打切り指令を受ける毎に現在
    処理中のブロックに対する符号化を打切る構成とするこ
    とを特徴とする画像データの符号化装置。
  4. 【請求項4】直交変換もしくは予測符号化等を行う画像
    情報圧縮手段により画像データを前処理した後、この前
    処理した画像データを量子化手段により量子化し、この
    量子化出力を可変長符号化手段により可変長符号化する
    符号化装置において、 可変長符号化手段の出力を受け、画面単位の総符号量を
    求めてこれを算出符号量情報として出力する符号量算出
    手段と、 収めるべき総符号量の情報を与えると共に初めに最適化
    調査処理指令を発令し、算出符号量情報を受けてこれよ
    り最適化調査処理の再実施の要不要を判定し、最適化調
    査処理が終わると符号化処理指令を発令する制御手段
    と、 前記最適化調査処理指令による実行開始時には初めに前
    記制御手段からの総符号量の情報に基づき、該総符号量
    の枠に対応した量子化幅の予測を行って該予測した量子
    化幅の情報を前記量子化手段に与え、既に予測した量子
    化幅の情報があるときは入力される前記算出符号量情報
    に基づき、前回予測した量子化幅の情報に対して前記総
    符号量の枠に収まるよう補正した量子化幅の情報を得
    て、この補正した量子化幅の情報を前記量子化手段に与
    え、符号化処理指令による実行開始時には前記最適化調
    査処理により予測された最終の量子化幅の情報を前記量
    子化手段に与える量子化幅予測手段とを設けると共に、 前記量子化手段は量子化幅の情報を受けてその量子化幅
    で前記前処理済み画像データを量子化する構成とし、前
    記符号化処理指令時に得られる可変長符号化手段の出力
    を画像データの最終符号化出力とすることを特徴とする
    画像データの符号化装置。
  5. 【請求項5】画像データをブロックに分割し、この分割
    されたブロック毎に画像情報圧縮による前処理を施した
    後、この処理済みデータを量子化し、その後、可変長符
    号化する符号化方法において、 画像データに対する目標符号量に応じて、前記量子化の
    量子化幅を設定する第1のステップと、 前記可変長符号化された各ブロック毎のデータをもとに
    前記各ブロック毎の符号量を算出すると共に、画面全体
    の符号量を算出する第2のステップと、 この第2のステップで得た各ブロック毎の情報量の割り
    当てと最適化に必要な量子化幅の予測を行う第3のステ
    ップと、 この予測量子化幅を用いて前記各ブロック毎の量子化を
    行う第4のステップと、 この第4のステップにおける各ブロック毎の割り当て情
    報量に収まる範囲でそのブロックの可変長符号化を実施
    する第5のステップと よりなることを特徴とする符号化方法。
  6. 【請求項6】画像データを画像情報圧縮による前処理し
    て後、この処理済みデータを設定量子化幅で量子化し、
    その後、可変長符号化する符号化方法において、 画像データに対する目標符号量に応じて、定まる標準の
    最適量子化幅を得てこれを初期用の前記設定量子化幅と
    して設定する第1のステップと、 前記可変長符号化されたデータをもと1こ画面全体の符
    号量を算出する第2のステップと、 前記目標符号量を基準に前記第2のステップで得た前記
    符号量を比較し、その結果、前記第2のステップで得た
    前記符号量が前記基準に対して内輪で所定の許容範囲を
    外れるときは再最適化処理として第4のステップの実行
    に移り、外れないときは最終処理として第5のステップ
    の実行に移る第3のステップと、 前記第2のステップで得た前記符号量をもとに前記目標
    符号量に収束させる最適量子化幅の予測を行い、これを
    新たな前記設定量子化幅として更新設定する第4のステ
    ップと、 この更新された予測量子化幅を用いて前記前処理済み画
    像データの量子化を行い、次に前記第2のステップの実
    行に移る第5のステップと、 この第5のステップにおける量子化が前記最終処理時の
    場合には前記第2のステップにおいて得られる可変長符
    号化データを、目的の最終データとして得る第6のステ
    ップと、 よりなることを特徴とする符号化方法。
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茂木千佳子、外2名"DCT符号化における符号量制御方式",1990年電子情報通信学会春季全国大会講演予稿集、社団法人電子情報通信学会、平成2年3月,分冊7,P.62(D−310)

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