JP2951840B2 - 乾式目地及びその製造方法 - Google Patents
乾式目地及びその製造方法Info
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Description
られたパネル間の目地溝を閉塞するための,乾式目地及
びその製造方法に関する。
の保護等の目的から,多数のパネルを張りつけることが
行われている。そして,各パネルの間には目地溝が設け
られている。上記目地溝を塞ぐにあたっては,雨水等が
外壁本体を侵さないように水密性を考慮することが重要
である。
す。まず,その第一の工法としては図5に示すごとく,
パネル81と81との間に設けられた目地溝80に液状
もしくは半液状のシーリング材2を充填する,湿式目地
シール工法がある。なお,符号89は外壁本体,符号8
2は裏パネルである。
シーラントを使用する。上記シリコーンシーラントは室
温硬化型ゴムで,チューブ等の保存容器から押出し,外
界に置くだけで硬化反応を生じゴム状となる。このた
め,扱いが容易で,施工工事に適している。また,液状
もしくは半液状のシーリング材を使用しているため,目
地溝が完全に閉塞される。このため,上記工法は水密性
について優れている。
とく,弾力性を有するゴム成形品からなる乾式目地9を
準備し,これを目地溝80に対してはめ込む乾式目地シ
ール工法がある。上記乾式目地9は,本体90と本体9
0下方の足部901と,本体90及び足部901から外
方に突き出た複数のリップ部91,911よりなる。ま
た,本工法においては,予めパネル81と裏パネル82
の間に,乾式目地保持材98を設ける。上記乾式目地保
持材98は目地溝80の部分に外方に突き出た凸部98
0を有し,該凸部980において,上記乾式目地9の足
部901を嵌合するための嵌合凹部981が設けられて
いる。
9を外方からゆっくりと全体を変形させながら目地溝8
0に対して挿入する。そして,遂には,乾式目地保持材
98の嵌合凹部981に対し,足部901に設けられた
リップ911が屈曲し,固定される。また,目地溝80
の上部においては,乾式目地9の上方に設けられたリッ
プ91が屈曲することによりこれを閉塞する。
る。即ち,前者の湿式目地シール工法においては,シー
リング材2が完全に硬化するまでの間,養生期間を必要
とする。そのため,この間,施工工事は中断せねばなら
ない。更に,シリコーンシーラントは高価で,埃を吸着
しやすく汚れやすいという問題点がある。
は,予め別部材として保持材98を作成し,これを取付
る必要がある。このため,施工工事に手間がかかる。更
に,本工法においては,乾式目地9はリップ部911の
弾性によって保持材98に固定されている。このため,
乾式目地9が劣化し,その弾性が衰えた場合,保持材9
8から脱落するおそれがある。さらに,リップ部91の
弾性によって目地溝80を閉塞しているため水密性が充
分でない。
下の組合わせ目地シール工法を採用する場合がある。即
ち,図7に示すごとく,まず目地溝80に対して少量の
シーリング材2を注入する。上記シーリング材2はシリ
コーンシーラントである。そして,上記シーリング材2
が硬化する前に乾式目地9を目地溝80に挿入する。こ
れにより,上記シーリング材2が外部に露出しないた
め,養生期間を設ける必要がなくなる。更に,シーリン
グ材2と乾式目地9の両者でもって二重に目地溝80を
閉塞するため,水密性が向上する。なお,図7中の符号
は,図6,図5と同様のものを示す。
いても以下の欠点がある。即ち,上記乾式目地9は一般
にゴム又は軟性樹脂からなる。しかし,シーリング材2
として使用されるシリコーンシーラントとこれらゴム類
とは接合しない。このため,図7に示すごとき工法を採
用しても,乾式目地9とシーリング材2との接合強度は
低く,長期使用中において乾式目地9の脱落を防止する
ことはできない。本発明は,かかる問題点に鑑み,シー
リング材との接合力が強く,脱落がない乾式目地及びそ
の製造方法を提供しようとするものである。
溝を閉塞するための乾式目地であって,該乾式目地は,
ゴムよりなる本体と上記目地溝の底部に面するシール面
とよりなり,かつ該シール面にはシリコーンゴム層が形
成されていることを特徴とする乾式目地にある。
記シール面にはシリコーンゴム層が形成されていること
である。また,上記シリコーンゴム層をシール面に形成
する方法としては,後述するごとく,両者を一体的に成
形し,かつ架橋接着する方法,本体上にシリコーンゴム
層をコーティングあるいは貼着する方法などがある。
れぞれ有機過酸化物架橋されており,かつ両者の接合面
は架橋接着されていることが好ましい。上記有機過酸化
物架橋及び架橋接着を行うには,後述するごとく本体に
対しては有機過酸化物架橋剤を,また,シリコーンゴム
に対しても有機過酸化物架橋剤を使用する。
化物架橋剤としては,例えば1,3ビス(第3ブチルペ
ルオキシイソプロピル)ベンゼン,2,5ジメチル2,
5(第3ブチルペルオキシ)ヘキシン−3,ジクミルパ
ーオキサイド,2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサ
イド,ベンゾイルパーオキサイド,1,1−ジテレブチ
ルパーオキシ3,3,5−トリメチルシクロヘキサン,
2,5−ジメチル2,5−ジベンゾイルパーオキシヘキ
サン,n−ブチル4,4−ジテレブチルパーオキシバレ
レート,テレブチルパーオキシベンゾエイト,ジテレブ
チルパーオキシジイソプロピルベンゼン,テレブチルク
ミルパーオキサイド,2,5−ジメチル2,5−ジテレ
ブチルパーオキシヘキサン,ジテレブチルパーオキサイ
ド,2,5−ジメチル2,5−ジテレブチルパーオキシ
ヘキシン3のグループから選ばれる一種又は二種以上が
ある。
100gに対し,活性酸素量が0.005〜0.02モ
ルとなるよう添加することが好ましい。上記活性酸素量
が0.005モルよりも少ない場合には,ゴム分子間の
架橋が不充分となるおそれがある。0.02モルよりも
多い場合には,弾性が低下し,ゴム状とならないおそれ
がある。また,架橋に使用されず残留した有機過酸化物
架橋剤によるブルームの発生という問題点もある。
機過酸化物架橋剤としては,例えばベンゾイルパーオキ
サイド,1,1−ジテレブチルパーオキシ3,3,5−
トリメチルシクロヘキサンが挙げられる。また,白金系
架橋剤を使用することもできる。上記白金系架橋剤とし
ては,例えば,塩化白金酸,アルコール変性塩化白金酸
が挙げられる。そして上記有機過酸化物架橋及び架橋接
着にあたっては,常圧熱風加熱炉(HAV),流動床式
加熱炉(LCM),加硫缶等を使用することが好まし
い。
ましい。上記合成ゴムはDCP系EPDM,塩素化ポリ
エチレン,又はこれらの混合物を含有してなることが好
ましい。この場合には,上記シール面に積層したシリコ
ーンゴム層と本体との接合強度に優れた乾式目地を得る
ことができる。
よりなるゴム積層品は,以下の理由により大変製造が困
難であった。硫黄でもって合成ゴムを架橋させようとす
ると,該硫黄がシリコーンゴムの架橋を阻害する。ま
た,有機過酸化物架橋材でもって合成ゴムを架橋させよ
うとすると,空気中ではゴムポリマーの分解反応が発生
する。しかし,上記特定の成分を含有させた合成ゴムを
使用することによって,本体とシール面とにそれぞれ合
成ゴムとシリコーンゴム層とを有し,しかも両者が強固
に結合した乾式目地を得ることができる。
(ジシクロペンタジエン)を第3成分とするエチレン−
プロピレン共重合体である。上記塩素化ポリエチレン
は,ポリエチレンの塩素置換反応によって製造されるラ
ンダム塩素化生成物で,その構造はエチレン,塩化ビニ
ル,1,2ジクロルエチレンの3成分系共重合体であ
る。
率は25〜45%であるものを使用することが好まし
い。上記塩素含有率が25%より少ないものは,ポリエ
チレンに性質が近似し,樹脂状で弾性体とならないおそ
れがある。45%より多いものは,ポリ塩化ビニルに性
質が近似し,弾性体とならないおそれがある。
分を含有してなることが好ましい。これにより,押出成
形性が向上し,架橋速度が速くなるという利点が得られ
る。そして,上記添加ゴム成分としては,例えば,EN
B系EPDM,イソプレンゴム(IR),ブタジエンア
クリロニトリルゴム(NBR),スチレンブタジエンゴ
ム(SBR),クロロスルホン化ポリエチレン(CS
M),アクリルゴム(ACM),シリコーンゴム
(Q),フッ素ゴム(FKM),ウレタンゴム(U)の
グループから選ばれる一種又は二種以上がある。
の全表面に形成されていることが好ましい。シリコーン
ゴムは耐候性に優れているため,これによって被覆され
た乾式目地も耐候性に優れたものとなる。次に,上記シ
リコーンゴム層は0.5mm〜1mmの厚みを有するこ
とが好ましい。上記シリコーンゴム層の厚みが0.5m
mよりも薄い場合には,層の耐久性が低くなるおそれが
ある。1mmよりも厚い場合には,高価なシリコーンゴ
ムの使用量が増加するため,製造コストが高くなるおそ
れがある。
示す。上記製造方法は,ゴムよりなる本体と,目地溝の
底部に面するシリコーンゴム層よりなるシール面を有す
る乾式目地を製造するに当たり,ゴム成分と有機過酸化
物架橋剤と補強剤等の添加物とを混合してなる本体用未
架橋混合物と,シリコーンポリマーと有機過酸化物架橋
剤とよりなるシール用未架橋混合物とを準備し,上記本
体用未架橋混合物を該乾式目地の本体の形状に成形する
と共に,そのシール面に上記シール用未架橋混合物を積
層し,次いでこれらを熱空気の存在下で加熱することを
特徴とする乾式目地の製造方法である。
剤,軟化剤,架橋促進剤,受酸剤,脱泡剤,加硫助剤等
がある。上記補強剤及び充填剤は,本体の強度等を向上
させると共に増量剤となるものである。上記補強剤及び
充填剤としては,例えばカーボンブラック,カオリンク
レー,タルク,マイカ,炭酸カルシウム,シリカを用い
る。上記軟化剤は,上記ゴム成分と添加物の混合時に,
練りを容易にするためのものである。例えば,パラフィ
ン系オイルを用いる。
剤と共に作用し,少量で架橋速度を増進させるものであ
る。例えば,ステアリン酸,トリアリルイソシアヌレー
トを用いる。上記受酸剤は,架橋時に上記塩素化ポリエ
チレンより解離する塩素ガスを捕らえて蒸散しないよう
にするためのものである。例えば,酸化マグネシウムを
用いる。
泡を除くものである。例えば,酸化カルシウムを用い
る。上記加硫助剤は,例えばエチレンジメタクリレー
ト,1,3ブチレンジメタクリレート,トリメチロール
プロパントリアクリレート,トリメチロールプロパント
リメタクリレート,トリアリルシアヌレート,トリアリ
ルトリメリテートを用いる。
り,かつ該合成ゴムはDCP系EPDM,塩素化ポリエ
チレン又はこれらの混合物を含有してなることが好まし
い。これにより,上記と同様の効果が得られる。又は,
上記本体用のゴムは上記合成ゴムと添加ゴムとよりな
り,該添加ゴムは,ENB系EPDM,イソプレンゴム
(IR),ブタジエンアクリロニトリルゴム(NB
R),スチレンブタジエンゴム(SBR),クロロスル
ホン化ポリエチレン(CSM),アクリルゴム(AC
M),シリコーンゴム(Q),フッ素ゴム(FKM),
ウレタンゴム(U)のグループから選ばれる一種又は二
種以上であることが好ましい。これにより,上記と同様
の効果が得られる。
に5〜70%(重量%,以下同じ)添加混合されている
ことが好ましい。上記添加ゴムが70%よりも多い場合
には,ゴムポリマーの分解反応がゴム分子間の架橋反応
よりも優勢に立ち,本体が充分に架橋しないおそれがあ
る。一方,5%未満では,添加による効果を得ることが
難しい。
うにあたっては,その温度が150〜300℃であるこ
とが好ましい。上記温度が150℃未満である場合に
は,架橋速度が非常に遅くなり,生産性を低下させるお
それがある。上記温度が300℃より大きい場合には,
熱によるゴムポリマーの分解反応が発生し,所望する物
性を得ることができないおそれがある。本発明の乾式目
地は,シーリング材として,シリコーンシーラントを用
いた場合に,特に優れたシール性能を発揮する。
りなる本体と上記目地溝の底部に面するシール面とより
なり,かつ該シール面にはシリコーンゴム層が形成され
ている。これにより,乾式目地と目地溝に注入されたシ
リコーンシーラントよりなるシーリング材との接着強度
が向上し,乾式目地の脱落が発生しなくなる。更に,乾
式目地とシーリング材との両者によって目地溝が閉塞さ
れるため,水密性が優良となる。
き優れた乾式目地を容易に製造することができる。上記
のごとく,本発明によれば,シーリング材との接合力が
強く,脱落がない乾式目地及びその製造方法を提供する
ことができる。
用いて説明する。図1に示すごとく,本例の乾式目地1
は,合成ゴムよりなる本体11と目地溝80(図2参
照)の底部に面するシール面121とよりなり,かつ該
シール面121にはシリコーンゴム層12が形成されて
いる。また,上記乾式目地1は本体外方に突き出たリッ
プ部111,112を有する。上記合成ゴムは塩素化ポ
リエチレンを含有するもので,実施例3において示した
試料No.1と同様のものである。また,シリコーンゴ
ム層も実施例3と同様である。
地シール工法について説明する。図2に示すごとく,目
地溝80に少量のシーリング材2を注入する。その後,
図3に示すごとく,図1に示した乾式目地1を変形させ
ながら目地溝80に圧入する。そのため,目地溝80の
形状に合わせてリップ部111,112が屈曲する。ま
た,乾式目地1の下部はシーリング材2中に埋設され
る。その後,シーリング材2が硬化する。これによっ
て,乾式目地1は目地溝80に対して固定される。
本例の乾式目地1は,目地溝80に対向する面がシリコ
ーンゴム層12によって被覆されている。このため,目
地溝80に注入されたシリコーンシーラントからなるシ
ーリング材2がその硬化の過程において,上記乾式目地
1を接着固定する。そして,ここに重要なことは,乾式
目地1のシール面121がシリコーンゴム層12によっ
て形成されているため,これがシリコーンシーラントと
強く結合することである。これは両者が,シリコーン成
分を含有し互いに強固に接合するためである。従って,
シーリング材2が完全に硬化した後には,乾式目地1が
目地溝80に対して完全に固定され,乾式目地1の脱落
等が発生しない。
11のゴム成分として,塩素化ポリエチレンを含有する
ものを用いている。そのため,本体とシリコーンゴム層
12との接合も強固である(実施例3参照)。その上,
目地溝80はシーリング材2と乾式目地1のリップ部1
12とによって二重に閉塞される。よって,本例の乾式
目地1を使用した組合わせ目地シール工法は水密性にお
いて非常に優れている。上記のごとく,本例によればシ
ーリング材との接合力が強く脱落しない乾式目地を得る
ことができる。
12は,下方の2つのリップ部111の裏面(シール面
121)のみに設けたが,最上部のリップ部112に設
けることもできる。また,シリコーンゴム層12は乾式
目地1の全表面に設けることもできる。
4を用いて説明する。まず,塩素化ポリエチレンよりな
るゴム成分と有機過酸化物架橋剤と補強剤等の添加物と
を混合してなる本体用未架橋混合物110と,シリコー
ンポリマーと有機過酸化物架橋剤とよりなるシール用未
架橋混合物120とを準備する。次に,図4に示すごと
く,これをクロスヘッド押出機52に投入する。
記本体用未架橋混合物110を乾式目地の本体の形状に
成形すると共に,そのシール面に上記シール用未架橋混
合物120を積層する。これにより積層成形品13を得
る。次いで,この積層成形品13を架橋装置53に導入
し,熱空気の存在下で加熱し,本体用未架橋混合物11
0,シール面用未架橋混合物120それぞれを有機過酸
化物架橋及び架橋接着することにより乾式目地1を得
る。最後に上記乾式目地1を水冷装置4を使用して冷却
する。なお,上記本体用未架橋混合物110等として
は,実施例3において示す試料No.1と同様のものを
使用する。
加熱炉(HAV),流動床加熱炉(LCM)または加硫
缶を使用する。また,上記水冷装置54には,常時冷却
水が流通されている。
を用いて説明する。本例は,表1〜表3に示した本体用
未架橋混合物より作成された試料No.1〜11及び比
較例C1〜C3について性能評価を行ったものである。
成分に添加物と有機過酸化物架橋剤もしくは硫黄とを混
合して本体用未架橋混合物を準備する。次に,これを試
験片の形状に成形すると共にシール用未架橋混合物を積
層し,積層成形品を得る。次いで,この積層成形品を熱
空気の存在下で加熱し試験片としたものである。なお,
架橋装置はHAVを使用し,その他は実施例2の製造方
法と同様である。
及びDCP系EPDMは本体用合成ゴム成分であり,E
NB系EPDM及びイソプレンゴムは添加ゴム成分であ
る。上記シール用未架橋混合物としては,ポリオルガノ
シロキサンを含有するシリコーンポリマーを,これに加
える有機過酸化物架橋剤としてはベンゾイルパーオキサ
イドを使用する。
表3を用いて説明する。同表において,DCP系EPD
M,ENB系EPDM,イソプレンゴムとしては,それ
ぞれ日本合成ゴム株式会社製のJSR・EP75F,J
SR・EP21,JSR・IR1200を用いた。ま
た,塩素化ポリエチレンとしては,昭和電工株式会社製
のエラスレン401AEを用いた。これらの配合量は,
全ゴム成分中の重量%で示す。
ミルパーオキサイドを用いた。添加物は補強剤・充填剤
として,CaCO3 及びタルク,軟化剤としてパラフィ
ン系オイル,架橋促進剤としてステアリン酸,受酸剤と
して酸化マグネシウム,脱泡剤として酸化カルシウム,
加硫助剤としてトリアリルイソシアヌレートを用いた。
これらの配合量は全てゴム成分100重量部に対する数
値である。なお,上記受酸剤はゴム成分中に塩素化ポリ
エチレンを使用した場合にのみ用いた。
ず,ゴム成分としては塩素化ポリエチレンのみを用い
る。上記ゴム成分100重量部に対し,有機過酸化物架
橋剤は3重量部用いる。添加物については,補強剤・充
填剤を150,軟化剤を50,架橋促進剤を1,受酸剤
を5,脱泡剤を5,加硫助剤を2重量部用いる。上記物
質を混合して未架橋混合物とする。以下試料No.2〜
11,比較例C1〜C3も同様である。なお,比較例C
3においては,有機過酸化物架橋剤の代わりに硫黄を架
橋剤として使用する。このため加硫助剤は使用しない。
にかかる性能評価,表6に比較例C1〜C3の性能評価
を示す。上記性能評価は,本体表面のべとつき及びブル
ーム発生の有無,シリコーンゴム層との架橋接着強度に
より行った。べとつき及びブルームは本体の表面を接
触,目視により観察し,『あり』もしくは『なし』の評
価をする。
の測定について説明する。上記測定はあらかじめ作成し
た試験片を,JISK6301に規定される引張試験機
を用い,本体とシリコーンゴム層とを強制的に剥離し,
剥離時の最大過重と剥離状態を観察することにより架橋
接着強度を測定する。
ず,表4及び表5に示すごとく,本実施例にかかる試料
No.1〜11は,そのすべてにおいて,本体にべとつ
き及びブルームが発生していない。一方,表6に示すご
とく,比較例C1及びC2については,本体表面にべと
つきとブルームが確認された。比較例C3については,
べとつき及びブルームは発生していない。
いて説明する。試料No.1〜11については本体とシ
リコーンゴム層とがその接合面で接着しており,接着強
度は20〜32の範囲にある。上記接着強度を越える荷
重を与えた場合においては,両者は剥離せず,試験片そ
のものが破壊されてしまう。このため,両者の接着強度
が実用上充分強いことがわかる。
は本体の表面がゴム糊状となっており,本体とシリコー
ンゴム層とは接合面において架橋接着が行われていな
い。また,比較例C3においては,シリコーンゴム層が
未架橋の状態であり,同様に架橋接着が行われていな
い。即ち,比較例においては,本体とシリコーンゴム層
がその接合面において架橋接着した試験片を得ることが
できなかった。このため,接着強度については測定を行
うことができなかった。
って作成された乾式目地は,特定のゴム成分を含む本体
とシリコーンゴム層とを積層接合してなる乾式目地であ
る。上記本体とシリコーンゴム層とはそれぞれが有機過
酸化物架橋されており,更に両者の接合面で架橋接着さ
れている。
EPDM,塩素化ポリエチレンもしくは両者の混合物で
ある。上記ゴム成分は,硫黄を使用せず本体を熱空気下
において有機過酸化物架橋させることを可能にする。こ
の場合,ゴムポリマーの分解反応よりゴム分子間の架橋
反応が優勢に立ち,表面のべとつき,ブルームのない良
好な本体が得られる。
架橋反応を阻害する硫黄が存在しない。よって,本体と
シリコーンゴム層との良好な架橋接着が可能となり,両
者よりなる乾式目地が得られる。
図。
図。
Claims (11)
- 【請求項1】 外壁等のパネル間の目地溝を閉塞するた
めの乾式目地であって,該乾式目地は,ゴムよりなる本
体と上記目地溝の底部に面するシール面とよりなり,か
つ該シール面にはシリコーンゴム層が形成されているこ
とを特徴とする乾式目地。 - 【請求項2】 請求項1において,上記本体とシリコー
ンゴム層とはそれぞれ有機過酸化物架橋されており,か
つ両者の接合面は架橋接着されていることを特徴とする
乾式目地。 - 【請求項3】 請求項1又は2において,上記本体は合
成ゴムであることを特徴とする乾式目地。 - 【請求項4】 請求項3において,上記合成ゴムはDC
P系EPDM,塩素化ポリエチレン又はこれらの混合物
を含有してなることを特徴とする乾式目地。 - 【請求項5】 請求項4において,上記本体は上記合成
ゴムと他の添加ゴム成分を含有してなることを特徴とす
る乾式目地。 - 【請求項6】 請求項5において,上記添加ゴム成分
は,ENB系EPDM,イソプレンゴム(IR),ブタ
ジエンアクリロニトリルゴム(NBR),スチレンブタ
ジエンゴム(SBR),クロロスルホン化ポリエチレン
(CSM),アクリルゴム(ACM),シリコーンゴム
(Q),フッ素ゴム(FKM),ウレタンゴム(U)の
グループから選ばれる一種又は二種以上であることを特
徴とする乾式目地。 - 【請求項7】 請求項1〜5又は6において,上記シリ
コーンゴム層は,上記本体の全表面に形成されているこ
とを特徴とする乾式目地。 - 【請求項8】 請求項1〜6又は7において,上記シリ
コーンゴム層は0.5mm〜1mmの厚みを有すること
を特徴とする乾式目地。 - 【請求項9】 ゴムよりなる本体と,目地溝の底部に面
するシリコーンゴム層よりなるシール面を有する乾式目
地を製造するに当たり,ゴム成分と有機過酸化物架橋剤
と補強剤等の添加物とを混合してなる本体用未架橋混合
物と,シリコーンポリマーと有機過酸化物架橋剤とより
なるシール用未架橋混合物とを準備し,上記本体用未架
橋混合物を該乾式目地の本体の形状に成形すると共に,
そのシール面に上記シール用未架橋混合物を積層し,次
いでこれらを熱空気の存在下で加熱することを特徴とす
る乾式目地の製造方法。 - 【請求項10】 請求項9において,上記本体用のゴム
は合成ゴムであり,かつ該合成ゴムはDCP系EPD
M,塩素化ポリエチレン又はこれらの混合物を含有して
なることを特徴とする乾式目地の製造方法。 - 【請求項11】 請求項10において,上記本体用のゴ
ムは上記合成ゴムと添加ゴムとよりなり,該添加ゴム
は,ENB系EPDM,イソプレンゴム(IR),ブタ
ジエンアクリロニトリルゴム(NBR),スチレンブタ
ジエンゴム(SBR),クロロスルホン化ポリエチレン
(CSM),アクリルゴム(ACM),シリコーンゴム
(Q),フッ素ゴム(FKM),ウレタンゴム(U)の
グループから選ばれる一種又は二種以上であることを特
徴とする乾式目地の製造方法。
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