JP2951050B2 - 2波長発振qスイッチco2レ−ザ装置 - Google Patents

2波長発振qスイッチco2レ−ザ装置

Info

Publication number
JP2951050B2
JP2951050B2 JP3163460A JP16346091A JP2951050B2 JP 2951050 B2 JP2951050 B2 JP 2951050B2 JP 3163460 A JP3163460 A JP 3163460A JP 16346091 A JP16346091 A JP 16346091A JP 2951050 B2 JP2951050 B2 JP 2951050B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
laser
wavelength
oscillation
light
resonator
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP3163460A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04361582A (ja
Inventor
辰彦 坂井
直也 浜田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP3163460A priority Critical patent/JP2951050B2/ja
Publication of JPH04361582A publication Critical patent/JPH04361582A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2951050B2 publication Critical patent/JP2951050B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Lasers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はレーザ同位体分離に代表
されるレーザを用いた光化学反応に於て要求される、同
一励起空間から同軸状に同時にかつ安定に2波長で発振
するパルスCO2レーザ光を得るためのQスイッチCO2
レーザ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】レーザ光の単色性・高輝度性を利用した
レーザ光化学反応は従来の反応技術では得られなかった
有機物の合成、同位体の分離が可能であることからレー
ザの新しい応用分野として現在盛んに研究が行われてい
る。その中でもCO2レーザを用いるウラン235、炭
素13同位体の分離・濃縮は近年の著しいCO2レーザ
技術の進歩に伴いその工業プロセス実現への期待が高ま
っている。CO2レーザを用いるレーザ光化学反応は分
子の赤外多光子の共鳴吸収励起・解離を利用するもので
あり、レーザの特性としては高尖頭値出力を有するパル
ス光が要求される。また分子の励起準位の間隔は高励起
準位ほど狭くなり、すなわち共鳴吸収波長は長波長側へ
シフトする。従って基底準位から中間励起準位迄を短波
長光で励起し、更に長波長光で解離する複数波長光を同
時に使用することにより、単一波長光の場合より著しく
解離反応効率が改善されることが知られている。
【0003】この様な要求に対応するため、従来から横
方向励起大気圧動作(Transeversely Excited at Atomo
spheric pressure 以下TEAと呼ぶ)CO2レーザが用
いられている。TEAレーザに於てはレーザ媒質が大気
圧近傍であることからレーザ媒質相互間の衝突確率が高
く、その時定数は1ns 以下である。それに対しTEAレ
ーザのパルス時間幅は50〜100ns であり、従ってレーザ
媒質の同一空間から、2波長以上を得ようとするとパル
ス時間内で発振波長間で競合が起こり、最も利得係数の
高い波長のみが発振し他の波長は発振しないかまたはそ
の出力が不安定となるという問題点がある。
【0004】そこで単一のTEA CO2レーザ装置か
ら複数波長を得る方法としてSov.J.Quantum Electron.
Vol.15 No.5 p689-691 (1985) に、レーザ媒質空間を3
箇所に分けて、それぞれの空間から回折格子と出力鏡に
より別々の3波長を取り出す方法が提案されている。し
かしこの方法ではレーザ媒質空間全体を有効に利用する
ことができないため発振効率が低 く、また発振光軸が同
一でないという問題がある。
【0005】特開平1-96977 号公報には多波長同期型T
EA CO2レーザ発振方法が開示されている。これは
レーザガス組成の異なる複数のレーザ媒質を単一のスイ
ッチング素子で励起し、各レーザ媒質からそれぞれ異な
る波長のレーザ光を同時に得るものである。この方法は
複数波長のレーザ光を同時に得るには有効であるが、レ
ーザ媒質を複数必要とすることから装置が大型化し、ま
た前記の例と同様に発振光軸が同一でないという問題点
がある。
【0006】J.Appl.Phys. Vol.57 No.7 p2654-2655 (1
985)には単一レーザ媒質から2波長レーザ光を同軸に且
つ同期して得る方法が提案されている。レーザ装置は回
折格子を用いてレーザ媒質外部では各波長の光軸を分離
し、それぞれの波長に対し別個のレーザ共振器を有する
ように構成されている。この方法は利得係数の高い波長
のレーザ共振器内に置かれた該波長に対する過飽和吸収
体等の損失素子により発振を抑制し、波長間の競合を抑
えることにより他の一方の波長の同時発振を促すもので
ある。この方法では2波長としてCO2レーザの波長10.
6μm帯と9.6μm帯の比較的離れた波長間では同時発振
が得られるものであるが、TEA CO2レーザでは各
発振波長帯内の比較的近い2波長間では競合の十分な抑
制は不可能であり同時発振は得られないという問題があ
った。またレーザ利得の微少変化に対して発振タイミン
グが変動するため固定損失量を持った損失素子では長時
間連続動作時の安定同時発振は困難であった。
【0007】またQスイッチCO2レーザに於て単一レ
ーザ媒質から2波長同軸発振を得る方法としてProceedi
ngs of Internasional Symposium on Isotope Separati
on and Chemical Exchange Uranium Enrichment.L-1.(1
990)に回折格子による回折角の波長依存性を利用して2
波長の光軸を分離し、各々独立にレーザ共振器を構成す
る装置が示されている。この方法はQスイッチCO2
ーザから同軸に2波長レーザ光を得るには有効である。
しかし2波長が接近している場合は回折角の差は小さく
なり、従って2波長の光軸の分離角は小さくなる。そこ
で二つの共振器を互いに干渉せずに独立に構成するため
にはレーザ共振器の全反射鏡の直径程度まで二つの光軸
が分離されるまでレーザ光の伝搬距離を大きくする必要
があり、必然的に共振器長を長くしなければならない。
その結果、装置の大型化、レーザパルス時間幅の増加、
共振器損失の増加、共振器アライメントの不安定化・煩
雑化という問題が生じる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、レー
ザ同位体分離などのレーザ光化学分野に於て要求される
高尖頭値出力を持つ2波長のパルスCO2レーザ光を簡
単な構成により同一のレーザ媒質空間から同一光軸上
に、同時に、且つ長時間安定に得る高い信頼性を持った
QスイッチCO2レーザ装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、Qスイッチに
よりパルスCO2レーザ光を発生させるための装置に於
て、単一部分透過出力鏡と互いに直交する回転軸を持つ
2つの回折格子の1次回折光を用いた複合共振器により
偏光方向が互いに直交する第一、第二の波長のレーザ光
を独立に得て、共振器内に置かれた偏光ビームスプリッ
ターにより該2波長レーザ光を合成し、単一レーザ媒質
から2波長パルスレーザ光を同一光軸上に発生させ、2
波長どちらか一方のレーザ共振器内に置かれた該波長に
対する制御可能な損失素子により該波長のレーザ光の発
振タイミングを設定し2波長同時発振を実現し、レーザ
発振動作時に第一、第二の回折格子の0次回折光により
各波長の発振タイミングを常時監視し、同時発振タイミ
ングからの誤差に対応して損失量を動的に制御すること
により長時間安定して2波長同時発振を得るQスイッチ
CO2レーザ装置である。
【0010】
【作用】以下に本発明を詳細に説明する。図2はCO2
レーザのエネルギー準位を説明するためにそのレーザ上
準位と下準位のみについて簡略化して示した摸式図であ
る。CO2分子は対称伸縮モードn1、屈曲モードn2、非
対称モードn3の3つの振動モードを有し、その振動エネ
ルギー準位は(n1 n2m n3 )で表される。CO2レーザ
の代表的な発振波長である10.6μm帯、9.6 μm帯での
発振は、(0 00 1)準位中の回転準位をレーザ上準位と
し、それぞれ(1 00 0)、(0 20 0)準位中の回転準位
への遷移によりレーザ発振が得られる。各振動準位は多
数の回転準位を持ち多数の発振線が存在するため、回折
格子等の波長選択素子により波長を選んでレーザ発振を
行うことができる。ここで回転準位間の緩和速度は圧力
に比例して大きくなる。従ってTEAレーザのように大
気圧程度のレーザガス圧力で動作するレーザに於ては、
レーザパルスの立ち上がり時間内に緩和が起きるため、
単一波長で発振させる際には効率のよいレーザ発振が得
られるが、同一レーザ媒質から複数の波長の発振を得よ
うとするとそれぞれの回転準位間の緩和により各波長の
遷移間に競合が発生し、安定な多波長発振は得られな
い。一方、本発明で使用するQスイッチCO2レーザに
於ては発振に用いられるレーザガス圧力は数10torr程度
である。この程度のガス圧力に於てはQスイッチレーザ
パルス幅(100 〜300ns )の時間内に回転準位緩和は終
了しないので同一CO2レーザ媒質から10.6μm帯、9.6
μm帯の異なる発振波長帯間はもとより、各発振波長
帯中の比較的接近した波長間での2波長同時発振が可能
である。
【0011】図1は本発明の構成図である。レーザ共振
器は部分透過出力鏡2と回折格子4から成る第一の波長
のレーザ光10を発振する第一共振器、部分透過出力鏡
2、偏光ビームスプリッター6、回折格子5から成る第
二の波長のレーザ光12を発振する第二共振器から構成
される。
【0012】まず第一レーザ媒質からの同軸2波長レー
ザ光発振について説明する。回折格子4、5は格子溝に
平行な軸回りに回転することにより波長選択を行い、且
つそれぞれの回転軸は互いに直交する。回折格子は0次
から高次にわたり波長に依存する方向に光を回折する素
子である。本発明では1次回折光の共振によりレーザ発
振を得るものである。また回折格子による回折を利用し
たレーザ共振器から得られるレーザ光は格子溝に垂直な
方向に偏光する。従って回折格子4、5の1次回折光に
より共振するレーザ光10、12は互いに直交する直線
偏光になる。ここで図1に於て回折格子4、5はそれぞ
れ紙面に垂直及び平行な回転軸を持ち、よって10、1
2の偏光方向はそれぞれ紙面に平行(P波)及び垂直
(S波)となる。
【0013】偏光ビームスプリッター6はある特定波長
の光に対して偏光を利用して光を分離する素子であり、
薄膜偏光子(Thin Film Polarizer 、以下TFPと呼
ぶ)またグラントンプソン型、ウォラストン型等の偏光
プリズム等が挙げられる。CO2レーザ用のTFPはZnS
e基盤に薄膜コーティングを施したものである。図3は
波長9.6 μm近傍でP波に大して高透過率を有し、S波
に対して高反射率を有するように設計したCO2レーザ
用TFPのP波に対する透過率TP ,S波に対する反射
率RSの波長依存性を示すものである。図から明らかな
ように波長が0.4μm長波長側へシフトすることにより
P は約50%に減少するのに対し、RSはほぼ一定の
高反射率を有することがわかる。従ってこのTFP及び
2つの回折格子を用いることによりレーザ光10を9.5
μm近傍で、レーザ光12を0.4 μm程度の範囲内で各
々独立に選択しレーザ発振を得ることが可能であり、ま
たレーザ媒質1内では2波長レーザ光は同一光軸上に合
成されるため単一レーザ媒質より同軸に2波長レーザ光
が得られる。ここでTP 、RS は98%程度でありレー
ザ光10、12の共振器に対してそれぞれ2%程度の損
失を持つことになるが、部分透過出力鏡2の透過率(30
〜70%)に比べ充分小さい損失でありレーザ発振の障害
にはならない。更にTFPにより分離される2波長の光
軸の分離角は、TFP基板の屈折率をnとすると180 °
-2tan-1 (n)であり、CO2レーザに用いるZnSe基板
の場合、分離角は約50°となり、またはこの角度は波
長に依存しない。従って光軸を分離するために波長に依
存した回折角を利用する方法に比べ、接近した2波長を
選択する場合でもレーザ共振器を長くし光軸を分離する
必要がなく、装置のコンパクト化が可能である。
【0014】次に2波長レーザ光の同時発振について図
4を用いて説明する。2波長発振レーザに於て一般には
各波長のレーザ利得係数は均一ではなく、例えばCO2
レーザの9.6 μm帯の発振波長群の場合9.55μm(9p(2
0)) 近傍が最も利得係数が高くこれより長いかまたは短
い波長に行くにしたがい利得係数は減少する。2波長発
振QスイッチCO2レーザでは図4(A)に示すように
利得係数(G1)が大きい波長に対してQスイッチング
時から発振開始までの遅延時間は短く、利得係数(G
2)の小さい波長に対しては長くなり、2波長の同時発
振は得られない。そこで図4(B)に示すように利得係
数の大きい発振波長に対して損失係数Lを与える損失素
子を付加し、利得係数を等価にすることにより2波長同
時発振を得ることが可能である。本発明によれば図1に
示すように各波長の光軸はレーザ共振器内のレーザ媒質
空間以外では偏光ビームスプリッター6により分離され
るため、第二共振器に影響を及ぼすことなく容易に第一
共振器に損失Lを与える可変損失素子7を付加すること
が可能であり2波長レーザ光の同時発振が得られる。
【0015】また長時間のレーザ動作に於ては放電励起
密度の微少な変化等に起因する利得係数の変動により遅
延時間は随時変化するため、安定に2波長同時発振を得
るには各波長の発振遅延時間を常時監視し、遅延時間変
化に対応して損失量を動的に制御する必要がある。本発
明によれば回折格子4、5からの0次回折光13の強度
をCdHgTe等の光検出素子9を用いて検出すれば、レーザ
共振に影響を及ぼすことなく遅延時間の変化を監視する
ことが可能である。従ってデジタルオシロスコープ等の
波形解折装置8を用いて遅延時間を監視し、2波長同時
発振時の設定遅延時間からの誤差に対応して損失量制御
装置14により可変損失素子7の損失量を随時制御し、
常に安定した2波長同時発振が可能である。損失量の制
御は特定波長の光に対して過飽和吸収を示すガスの圧力
制御により行うことが可能である。例えば波長9.6μm
帯のレーザ光に対してはフレオン21(CFCl2H) が適当
である。
【0016】なおここではCO2レーザの9.6 μm近傍
での2波長同時発振について説明したがTFPのコーテ
ィングが可能な範囲でほかのCO2レーザ波長域での波
長選択が可能であることは言うまでもない。損失制御方
法としては過飽和吸収ガスの圧力制御を挙げたが本発明
の目的には、使用するCO2レーザ波長に対して損失量
が制御可能な素子であれば良いことから、NaClプレート
等のレーザ光透過材の回転による透過率の制御、ファブ
リーペローエタロンまたは絞り等の損失素子であっても
よい。またQスイッチCO2レーザに於て高速スイッチ
ング、高耐久性、及び共振器アライメントの長時間安定
性の確保の観点からQスイッチ装置としては回転チョッ
パーが最も好ましいが、CdTe等の電気光学効果を利用し
た素子、回転鏡等のいずれであってもよい。
【0017】更に上記説明では2波長レーザ光を同時に
発振する場合について述べたが、本発明によれば損失制
御による発振タイミングの設定は自由に行えることから
任意に2波長レーザパルス間の時間間隔を設定し、安定
動作することも可能であることは言うまでもない。
【0018】
【実施例】図1は本発明に係る2波長同時発振Qスイッ
チCO2レーザ装置の一実施例である。部分透過出力鏡
2、回折格子4から成る第一共振器は波長9.55μm(9P
(20))のレーザ光10がP偏光発振するように、また部
分透過出力鏡2、偏光ビームスプリッター6、回折格子
5から成る第二共振器は波長9.62μm(9P(28)) のレー
ザ光12がS偏光発振するようにそれぞれ調整され、共
振器長はそれぞれ150cmである。また発振タイミン
グを同時にするため利得係数の大きいレーザ光10を発
振する第一共振器内には可変損失制御素子7として圧力
制御可能な過飽和吸収ガスフレオン21が封入された容
器が置かれている。回折格子4、5は150本/mmで
ブレーズされており、また波長選択のための回転軸は互
いに直交している。また偏光ビームスプリッター6とし
てのTFPは波長9.55μmに於てP波に対する透過率T
P は98.0%、S波に対する反射率RS は98.5%
である。ここでRS に関しては0.4 μm程度波長がシフ
トしてもほぼ同じ値を有することから、波長9.62μmに
於ても98.5%の高反射率を有する。部分透過出力鏡
2は曲率半径10mの凹面鏡であり、その透過率は各波
長に於て30%である。
【0019】レーザ媒質1はガラスチューブにCO2
2:Heの混合レーザガスを全圧90torrで封入したも
のであり、レーザ媒質長は50cmである。レーザガス
は図示されていないルーツブローワーにより200m/
sの線速度でレーザ光軸方向に高速循環されている。ま
たレーザ媒質と外気とは発振波長に対して無反射コーテ
ィングされたZnSe窓により遮断されている。励起方式と
して高周波放電を使用し且つQスイッチのタイミングに
同期してパルス変調を行っている。パルスの最大繰り返
し周波数は10kHz である。
【0020】Qスイッチ装置3は回転チョッパーであ
る。回転チョッパーはアルミ円盤の周上に幅2mmのス
リットを12個有し、最大回転速度70,000rpm で高速回
転するものである。また高速Qスイッチングを行うため
に共焦点テレスコープ16を設けその焦点位置でレーザ
光のチョッピングをすることでQスイッチングを行って
いる。
【0021】各波長のパルス時間波形は光検出素子9と
してCdHgTeを用いて0次回折光11、13を検出し、回
転チョッパーからのモニター信号を掃引トリガーとする
デジタルオシロスコープ8で観測されている。損失量制
御装置14はデジタルオシロスコープの信号を基にQス
イッチングから発振開始まで遅延時間を検出し、レーザ
光12の発振開始にレーザ光が同時に発振するように可
変損失素子を制御するものである。可変損失素子7とし
ての過飽和吸収ガスフレオン21は波長9.6 μm帯の光
に対して無反射コーティングされたZnSe窓を有するガラ
ス容器(容器長5mm)に圧力10〜30torrで封入されて
いる。また損失制御装置14からの電気信号で制御され
る圧力調整バルブ15によりガスの圧力は0.1torr の精
度で制御される。
【0022】以上の装置を用いて波長9.55μm、9.62μ
mの2波長レーザ光同時発振を行ったところ、全エネル
ギー30mJ、それぞれパルス時間値幅200nsの2波長レー
ザ光が8時間以上安定に得られた。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように本発明によればQス
イッチCO2レーザに於て、コンパクトな装置構成のも
とに、単一レーザ媒質から同一光軸上に各々独立に波長
可変な2波長レーザ光を同時に長時間安定して得るとい
う利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を示す構成図である。
【図2】CO2レーザのエネルギー準位の模式図であ
る。
【図3】波長9.6 μm帯用TFPのP波、S波に対する
透過率TP 、反射率RS の波長依存性である。
【図4】2波長発振タイミングの説明図である。
【符号の説明】
1 CO2レーザ媒質 2 レーザ共振器の部分透過出力鏡 3 Qスイッチ装置 4、5 回折格子 6 偏光ビームスプリッター(TFP) 7 可変損失素子 8 レーザパルス波形解析装置 9 光検出素子 10 1次回折光により共振する第一の波長のレーザ光
(P偏光) 11 第一の波長のレーザ光の0次回折光 12 1次回折光により共振する第二の波長のレーザ光
(S偏光) 13 第二の波長のレーザ光の0次回折光 14 損失量制御装置 15 圧力制御バルブ 16 テレスコープ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01S 3/11 - 3/127

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Qスイッチによりパルスレーザ光を取り
    出すCO2レーザ装置に於て、部分透過出力鏡と第一の
    回折格子から成る第一の波長で発振する第一レーザ共振
    器と、第一レーザ共振器の出力鏡と第一の回折格子の回
    転軸と直交する回転軸を持つ第二の回折格子から成る第
    二の波長で発振する第二レーザ共振器と、第一、第二ど
    ちらか一方のレーザ共振器内に設けた該波長に於けるレ
    ーザ遷移に対して損失を与え、且つ損失量が制御可能で
    ある損失制御素子と、第一、第二の波長のレーザ光を同
    軸に合成する偏光ビームスプリッターと、第一、第二の
    波長のレーザ光が同軸に合成されているレーザ共振器内
    の任意の場所に置かれた一つのQスイッチ装置で構成さ
    れ、前記損失制御素子によって、Qスイッチ解放時から
    第一、第二の波長各々のレーザ発振開始迄の遅延時間を
    同じ値に設定することにより、単一励起空間から同時に
    2波長レーザ光を同軸状に得ることを特徴とする2波長
    発振QスイッチCO2レーザ装置。
  2. 【請求項2】 第一、第二レーザ共振器に於て、回折格
    子の1次回折光によりレーザ発振を行い、0次回折光に
    よりQスイッチ解放時から各々のレーザ発振開始迄の遅
    延時間を各々独立の光検出素子により常時検出し、2波
    長同時発振を得るための遅延時間設定値からの誤差に対
    応して請求項1記載の損失制御素子の損失量を随時変化
    させることにより、常に2波長レーザ光を同時に得るこ
    とを特徴とする請求項1記載の2波長発振QスイッチC
    2 レーザ装置。
JP3163460A 1991-06-10 1991-06-10 2波長発振qスイッチco2レ−ザ装置 Expired - Lifetime JP2951050B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3163460A JP2951050B2 (ja) 1991-06-10 1991-06-10 2波長発振qスイッチco2レ−ザ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3163460A JP2951050B2 (ja) 1991-06-10 1991-06-10 2波長発振qスイッチco2レ−ザ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04361582A JPH04361582A (ja) 1992-12-15
JP2951050B2 true JP2951050B2 (ja) 1999-09-20

Family

ID=15774305

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3163460A Expired - Lifetime JP2951050B2 (ja) 1991-06-10 1991-06-10 2波長発振qスイッチco2レ−ザ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2951050B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7843976B2 (en) * 2005-01-24 2010-11-30 Thorlabs, Inc. Compact multimode laser with rapid wavelength scanning
JP5120712B2 (ja) * 2008-07-03 2013-01-16 澁谷工業株式会社 Qスイッチレーザ発振器

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04361582A (ja) 1992-12-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0712183B1 (en) Wavelength stabilized light source
US8625645B2 (en) Solid-state laser apparatus and laser system
KR930002821B1 (ko) 협대역 레이저장치
JP3421184B2 (ja) 波長可変レーザーにおける波長選択方法および波長可変レーザーにおける波長選択可能なレーザー発振装置
US6016323A (en) Broadly tunable single longitudinal mode output produced from multi-longitudinal mode seed source
US5889800A (en) Broadly tunable single longitudinal mode output produced from multi-longitudinal mode seed source
US6490306B2 (en) Molecular fluorine laser with spectral linewidth of less than 1 pm
US4189652A (en) Beam splitter coupled CDSE optical parametric oscillator
US6314116B1 (en) Single resonator for simultaneous multiple single-frequency wavelengths
US4914664A (en) Tunable dye laser with suppressed frequency shift anomalies
US4233569A (en) High power laser with tuning and line narrowing capability
JPS6016479A (ja) 単一周波数発振レ−ザ装置
JP2951050B2 (ja) 2波長発振qスイッチco2レ−ザ装置
US5406409A (en) Narrow linewidth BBO optical parametric oscillator utilizing extraordinary resonance
US5357532A (en) Wavelength variable laser device
JP2001085774A (ja) 波長可変レーザおよびレーザ発振波長切替方法
JP2002252404A (ja) 二波長レーザー装置
CN117293636B (zh) 一种双梳中红外振荡器
JP2928838B2 (ja) 2波長発振qスイッチco2 レーザ装置
JP3845687B2 (ja) ラマン・レーザー発振装置
JPH08195520A (ja) 固体レーザ発振器
JP2020519030A (ja) 多波長ガスレーザを調整するための外部の光フィードバック要素
JP3260915B2 (ja) 短パルスレーザ光源
JP2627599B2 (ja) 波長可変レーザー発振器へのレーザー光導入方法および波長可変レーザー発振器
JPH0374888A (ja) レーザのパルス幅可変装置

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19990629