JP2949331B2 - 動力伝動用vベルト - Google Patents

動力伝動用vベルト

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JP2949331B2 JP16111896A JP16111896A JP2949331B2 JP 2949331 B2 JP2949331 B2 JP 2949331B2 JP 16111896 A JP16111896 A JP 16111896A JP 16111896 A JP16111896 A JP 16111896A JP 2949331 B2 JP2949331 B2 JP 2949331B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はVプーリ、特にスノ
ーモービル等に使用される溝幅調節可能な変速用Vプー
リに掛架して用いる動力伝動用Vベルトに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、動力伝動用のVベルトAは心線を
並列せしめて埋設した抗張体層の上面に伸張ゴム層を積
層し、下面にコグ部を有する圧縮ゴム層を積層すること
によって構成されており、図3に示すように駆動側Vプ
ーリDrと従動側VプーリDn間にわたって掛架、使用
がなされている。そしてこのとき、各プーリDr,Dn
は夫々のプーリ片a,b及びc,dの片側a,dを図
4,図5に示すようにばねsあるいはばねsとトルクカ
ムm等により摺動させ、あるいは両プーリDr,Dnの
夫々の各プーリ片a,b及びc,dを摺動可能とさせて
Vプーリの溝幅を広げたり狭めたりすることによってV
ベルトAとプーリとの接触部の半径を変化させてその速
度比を連続的に変化させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記変速プ
ーリ等に使用されるVベルトは、圧縮ゴム層下面が直接
に、又は該圧縮ゴム層下面に更に両面にゴムが擦り込ま
れ付着された下布が配設されて、この下布の底面がプー
リ底面と接触する。即ち、図2(イ)(ロ)に示すよう
に駆動側VプーリDrで低速駆動時、ベルト底面がプー
リの溝底に接触し、高速時にはベルト底面は浮上した状
態を呈する。
【0004】ところが、ベルト底面は前述のように何れ
にせよ、ゴムであるため、ベルトを走行させると図2の
如くプーリの底面にゴム8が付着するのを免れない。そ
のため、ベルトがプーリ上で位置が変わり、最下部に来
て溝底面と接触するに至った場合、プーリ溝底面に付着
したゴム8の影響でベルトが付着ゴムの上に来る状態と
なり、プーリの可変が困難となって変速特性が失われ、
精度の良い速度制御ができなくなって支障を来す事態を
生ずる。
【0005】本発明は上述の如き実状に対処し、特にV
ベルト底面の下布の構成を特定し、かつ該下布と圧縮ゴ
ム層間に所定のゴムを配することを見出すことにより前
述した溝底面へのゴム付着による悪影響を解消し、ベル
ト走行中、常に良好な変速特性を保持して速度制御を精
度よく確実に続行させることを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、上記目的に適合す
る本発明の特徴は、ベルト長手方向に沿い、並列して心
線を配設した抗張体層の上面側に伸張ゴム層を積層し、
下面側にコグ部を有する圧縮ゴム層を積層した動力伝動
用Vベルトにおいて、前記圧縮ゴム層下面に更にゴム層
を介してベルト底面側にゴムを付着させることなくRF
L処理のみを施した下布を配設すると共に、前記ゴム層
にムーニー粘度計で得られる最低ムーニー粘度Vm値
(125℃で測定、JISK6300)が25≦Vm≦
40のゴムを用いたことにある。
【0007】ここで、上記Vベルトは少くとも圧縮ゴム
層が水素添加ニトリルゴムに不飽和カルボン酸金属塩,
短繊維及び有機過酸化物を配合して架橋させたゴム組成
物からなること、より具体的には圧縮ゴム層が水素添加
ニトリルゴムと不飽和カルボン酸金属塩とを9:2〜5
5:45で配合したポリマー組成物100重量部に対し
て0.2〜10重量部の有機過酸化物、5〜40重量部
の短繊維を添加し、該短繊維をベルトの幅方向へ配合し
て架橋したゴム組成物からなることが好適である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、更に上記本発明を詳述する
と、本発明は、前記の如き変速用プーリ間に掛架して使
用する動力伝動用Vベルトであり、図1に示すように接
着ゴム3内にベルト長手方向に沿ってスパイラル状に心
線2を並列、埋設した抗張体層1の上面側に伸張ゴム層
4を積層し、下面側にコグ部を有する圧縮ゴム層5を積
層した構成を基本として、その圧縮ゴム層5の下面に更
にゴム層7を介して下布6を貼着配設せしめることによ
って構成されている。また、図示していないが、適宜、
伸張ゴム層4上面にも上部カバー布が貼着される。
【0009】ここで上記抗張体層1に埋設する心線2と
しては、低伸度で高強力のロープが好適であり、例えば
アラミド繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維など
の有機繊維や、ガラス繊維等の無機繊維や金属繊維から
なる撚成したロープが用いられる。この心線2は一般に
レゾルシン−ホルマリン−ラテックス処理することによ
って接着ゴム3と強く接合する。また、レゾルシン−ホ
ルマリン−ラテックス処理した表面に更にゴム糊など付
着したものも用いられる。
【0010】接着ゴム3としては不飽和カルボン酸金属
塩を分散した水素添加ニトリルゴム、水素添加ニトリル
ゴム、クロロスルフォン化ポリエチレン、天然ゴム、ク
ロロプレンゴム、スチレン・ブタジエン・ゴム、ブタジ
エンゴム等の単一材もしくはこれらのブレンド物が挙げ
られる。また抗張体層1の上面に積層接着する伸張ゴム
層4に使用するゴムとしても上記接着ゴム2と同様の種
類のゴムが用いられる。
【0011】なお、接着ゴム3と伸張ゴム層4に用いる
ゴムはもちろんベルトの完成品を構成するのは加硫また
は架橋したゴムであり、通常用いられるカーボンブラッ
ク、シリカ等の補強材や炭酸カルシウム、タルク等の充
填剤、架橋補助剤、加硫促進剤、可塑剤、安定剤、加工
補助剤、老化防止剤、着色剤などの種々の添加剤が配合
されていることは云うまでもない。更に上部側の伸張ゴ
ム層4の上面には適宜必要に応じ帆布等の上部カバー布
を貼着する。
【0012】一方、抗張体層1の下面側に積層した圧縮
ゴム層5を形成するゴム組成物は、上記伸張ゴム層4を
形成する組成物でも差支えないが、不飽和カルボン酸金
属塩、短繊維、そして有機過酸化物を配合して架橋した
ものが好適であり、かつ有効である。耐熱性のよい水素
添加ニトリルゴムに不飽和カルボン酸金属塩を配合する
ことによって耐熱性に優れるとともに高強度、耐摩耗性
にも優れたゴム組成物となる。
【0013】上記水素添加ニトリルゴムとしては、特に
限定されるものではないがムーニー粘度(ML1+4
(100℃))が70〜85のものであることが、機械
的強度や側圧剛性を良好にすること、また、屈曲性や加
工性を良好にする上で好ましい。
【0014】不飽和カルボン酸金属塩はカルボキシル基
を有する不飽和カルボン酸と金属とがイオン結合したも
のであり、不飽和カルボン酸としてはアクリル酸、メタ
クリル酸等のモノカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、
イタコン酸等のジカルボン酸が好ましく、金属として
は、ベリリウム、マグネシンム、カルシウム、ストロン
チウム、バリウム、チタン、クロム、モリブデン、マン
ガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、銀、亜鉛、カドミ
ウム、アルミニウム、錫、鉛、アンチモン等を用いるこ
とができる。
【0015】水素添加ニトリルゴムと不飽和カルボン酸
金属塩の組成比は、望ましくは98:2〜55:45と
する。水素添加ニトリルゴムが98を超えると、耐摩耗
性が不足することになり、55未満であると耐摩耗性は
よいが、ベルトの屈曲性が悪くなるので好ましくない。
配合する短繊維は摩擦係数を低減させる上に有用であ
り、特にベルトの幅方向へ配向させることによって耐側
圧性を高めて摩擦係数の低減をはかることができる。用
いられる短繊維としては綿、ポリエステル短繊維、ポリ
アミド短繊維、アラミド短繊維などであり、その混入量
としてはゴム組成物100重量部に対して5〜40重量
部とする。5重量部未満であると耐側圧性および摩擦係
数低減の効果が不充分であり、40重量部を越えるとゴ
ムの混練が困難になることと、ベルトとしての耐屈曲疲
労性、耐熱走行寿命が低下してしまう問題が顕著になり
好ましくない。
【0016】また、上記短繊維には予め接着処理するこ
とによっでゴムと強固に接着させることができ、より寿
命の長いベルトを得ることができる。特に本発明におけ
るベルトの圧縮ゴム層6に用いられる不飽和カルボン酸
金属塩を含んだ水素添加ニトリルゴムと接着するために
は短繊維をエポキシ系処理液に浸透して加熱乾燥した
後、レゾルシンとホルマリンとゴムラテックスとの混合
液(RFL処理液)に浸漬し、熱処理することが好まし
い。エポキシ系処理液としては、水溶性エポキシ樹脂系
の処理液であり、具体的にはデュポン社のNBR010
Aなどが挙げられる。
【0017】更に前記圧縮ゴム層のゴム組成物に配合さ
れる有機過酸化物は架橋剤として用いられるものであっ
て、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキ
サイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、1.1−t
−ブチルペロキシ−3.3.5トリメチルシクロヘキサ
ン、2.5−ジ−メチル−2.5−ジ(t−ブチルペロ
キシ)ヘキサン、2.5−ジ−メチル−2.5−ジ(t
−ブチルプペロキシ)ヘキサン−3、ビス(t−ブチル
ペロキシジ−イソプロピル)ベンゼン、2.5−ジ−メ
チル−2.5−ジ(ベンゾイルペロキシ)ヘキサン、t
−ブチルペロキシベンゾアート、t−ブチルペロキシ−
2−エチル−ヘキシルカーボネートなどが含まれる。そ
して、その配合量としてはゴム組成物100重量部に対
して0.2〜10重量部とする。0.2重量部未満であ
ると架橋が充分に行われず、10重量部を越えると充分
な弾性が得られなくなるからである。
【0018】しかして、上記各配合により圧縮ゴム組成
物を生成するに際しては、予め水素添加ニトリルゴムに
不飽和カルボン酸金属塩を分散させたマスターバッチに
水素添加ニトリニゴム単体をブレンドし、短繊維そして
有機過酸化物を添加して架橋せしめることが一般的であ
る。その場合、不飽和カルボン酸金属塩は水素添加ニト
リルゴム100重量部に対して10〜100重量部の範
囲で分散させたものと水素添加ニトリルゴム単体とを2
0:80〜90:10の割合でブレンドしたものを用い
る。
【0019】不飽和カルボン酸金属塩の量が10重量部
未満の場合には、化学反応による補強効果が小さくなっ
て耐摩耗性が不足し、100重量部を越えると耐摩耗性
はよくなるが、屈曲疲労性が悪くなるので好ましくな
い。また、水素添加ニトリルゴムに不飽和カルボン酸金
属塩微分散させたものと水素添加ニトリルゴム単体とを
上記割合でブレンドする場合に、水素添加ニトリルゴム
に不飽和カルボン酸金属塩を分散させたものが20重量
部未満になると、期待した耐摩耗性や側圧剛性が得られ
ななる。また、90重量部を越えると、屈曲性が低下す
る。なお、圧縮ゴム層5のゴムには、他にはカーボンブ
ラック、シリカ等の補強剤、炭酸カルシウム、タルク等
の耐摩耗性を向上させる充填剤、架橋補助剤、加硫促進
剤、可塑剤、安定剤、加工補助剤、老化防止剤、着色剤
等の通常使用される種々の添加剤が使用目的に応じて配
合されても構わない。また、ゴムや各種添加剤を混合す
る方法は通常用いられている、例えば、バンバリーミキ
サーやニーダーを用いて混練する方法が使用可能であ
る。
【0020】ところで、本発明では、好ましい形態とし
て圧縮ゴム層5に不飽和カルボン酸金属塩を配合した水
素添加ニトリルゴムを有機過酸化物で架橋したものを用
いることによって強度が高く寿命の長いベルトを得る
が、圧縮ゴム層5のみならず接着ゴム3にも同様の不飽
和カルボン酸金属塩を配合した水素添加ニトリルゴムを
用いることによって、よりベルト全体の強度を向上させ
ることができる。ただし、接着ゴム3の場合、心線2と
の充分な接着力がないとゴムと心線が剥離し易くポップ
アウトなどの問題が発生してしまうので、この場合は水
素添加ニトリルゴムと不飽和カルボン酸金属塩からなる
ゴム組成物100重量部に対してシリカを5〜50重量
部の範囲で配合することが好ましい。
【0021】又、ゴムの架橋に用いる有機過酸化物はp
Hの影響を受けやすく、酸性雰囲気中ではイオン分解を
起こしやすいので、pH調整のために酸化マグネシウ
ム、トリエタノールアミン、ジフェニルグアニジン、ヘ
キサメチレンテトラミン等の塩基性物質を添加してもよ
い。添加量は、ものによって異なるが水素添加ニトリル
ゴムと不飽和カルボン酸金属塩からなるゴム組成物10
0重量部に対して0.5 〜10重量部程度である。前記の
酸化マグネシウムや酸化亜鉛等の金属酸化物はゴムの硬
度を上げる目的で配合することも可能であり、ゴム組成
物100重量部に対して0.5〜10重量部添加され
る。
【0022】かくして、以上のような抗張体層1、伸長
ゴム層4、圧縮ゴム層5よりなるVベルトの基本構成に
対し本発明は更に特徴部分として圧縮ゴム層下面にクッ
ション作用を奏する柔軟ゴム層7を介して下布6が貼着
される。下布6は上部カバー布に用いられる布と同じ
く、例えば綿紡績糸やナイロン、ポリエステルなど合成
繊維のフィラメントあるいは紡績糸よりなる平織、綾
織、変り織の帆布、編布が用いられる。これら下布6は
その織成又は編成に際し、布密度を適宜選択することが
出来、随時、適合した布密度で編織される。
【0023】そして、本発明下布6は通常用いられる下
布がRFL処理とゴムを擦り込み付着させるゴム付着と
を併用して両面にゴムを付着したものであるのに対し、
少くともベルト底面側にゴムが付着されていない布であ
る。即ち、プーリと接触する下布底面側の表面はゴムが
付着されることなく、RFL処理のみが施されている。
この場合、プーリに接触しないでゴム層7に接触する側
はRFL処理ならびにゴム付着処理が行われていてもよ
く、またRFL処理のみでも差支えない。
【0024】RFL処理液は、レゾルシンとホルマリン
のモル比が1:2〜2:1の範囲にあるものを用い、ゴ
ムラテックス固形分とレゾルシンとホルマリンの固形分
の比は1:1〜1:10の範囲のものが用いられる。ま
た、ゴムラテックスとしては、アクリロニトリル−ブタ
ジエン共重合体ゴムラテックス、カルボキシル化アクリ
ロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムラテックス、スチ
レン−ブタジエン共重合体ゴムラテックス、ビニルピリ
ジンゴムラテックス、クロロスルホン化ポリエチレンゴ
ムラテックス等が用いられるが、特にアクリロニトリル
−ブタジエン共重合体ゴムラテックスの使用が好まし
い。
【0025】一方、上記下布6と、圧縮ゴム層5の間に
挿入され介層されるゴム層7は比較的柔軟なゴムよりな
り、ムーニー粘度計で得られる最低ムーニー粘度Vm値
(測定条件;125℃,JISK6300)が25以
上、40以下であることが肝要である。Vm値が25未
満であれば、ゴムが下布の組織間隙より染み出し易く、
40を越えると下布の組織間隙に喰い込むゴムは少なく
なるが、下布との接着性が低下するので好ましくない。
【0026】この介装されるゴム層7のゴムは接着ゴム
3に用いられる如き不飽和カルボン酸金属塩を分散した
水素添加ニトリルゴム、水素添加ニトリルゴム、クロロ
スルフォン化ポリエチレン、天然ゴム、クロロプレンゴ
ム、スチレン・ブタジエン・ゴム、ブタジエンゴム等の
単一材もしくはこれらのブレンド物が用いられ、Vm値
が25のときと、Vm値が40のときとではポリマーの
違うゴムを使用する。このゴム層7のゴムは圧縮ゴム層
5の下層に張り付けられ、ベルトの構造に合わせて、下
布、25≦Vm≦40のゴムを張り付けた圧縮ゴム層
5、抗張体層1、伸長ゴム層4、更に必要に応じ上布を
順次巻き付け、成形を行うことによってVベルトとして
一体に形成される。
【実施例】以下、更に本発明の具体的実施例を掲げる。
【0027】先ず、心線として1,100デニールのポ
リエチレンテレフタレート繊維を上撚り数11.4回/
10cm、下撚り数21.0回/10cmで上下逆方向
に撚糸して2×3の撚り構成とし、トータルデニール
6,600未処理コードを準備して、この未処理コード
をイソシアネート系接着材でプレディプした後、約17
0〜180°Cで乾燥し、RFL液に浸漬した後、20
0〜240°Cで延伸熱固定処理を行って心線用処理コ
ードを作成した。
【0028】次に、下布として綿紡績糸による平織帆布
を下記表1の組成からなるRFL液に浸漬した後、15
0°Cで2分間熱処理し、一面はそのままとして片面に
表2記載の組成からなるフリクションゴム組成物をフリ
クションコーティングしてすり込んだ下布と両面に該ゴ
ム組成物をすり込んだ下布の両下布を作成した。 (以下余白)
【0029】
【表1】 *1:スチレン・ブタジエン・ピニルピリジン三元系重
合体ラテックス(ゼオン社製「ニッポール2518F
S」) *2:クロロプレンラテックス(電気化学社製「LV−
60」) (以下余白)
【0030】
【表2】 *3:クロロプレンPM−40(電気化学社製) *4:4,4′−(α,α−ジメチル・ベンジル)ジフ
エニイラミン
【0031】また、本発明に使用する圧縮ゴム層のゴム
組成物として下記表3に示す組成のゴム組成物を作成し
た。 (以下余白)
【0032】
【表3】 *5:Zetpol2020(日本ゼオン製) *6:ZSC2295N (日本ゼオン製) *7:1,3ビス−(t−ブチルパーオキシ−イソプロ
ピル)ベンゼン
【0033】更に、本発明の特徴をなす下布と圧縮ゴム
間に介層される特定ムーニー粘度のゴムを下記表4及び
表5に記載の組成をもって夫々作成した。これらはVm
値を測定した結果、前者はVm=25,後者はVm=4
5であった。 (以下余白)
【0034】
【表4】 (以下余白)
【0035】
【表5】
【0036】かくして、以上のように作成した各材料を
用いて凹状部付きのモールドに片面フリクションの下布
のフリクションゴムコーティングのなされていない面を
モールド側に当て、これにVm値25の表4記載のゴム
組成物、圧縮ゴム組成物、心線、平坦な伸長ゴム層(不
飽和カルボン酸金属塩を分散した水素添加ニトリルゴ
ム)を順次巻き付けて成形体を作成した。(実施例1) また、同様にして下布と圧縮ゴム層の間のゴムとして表
5記載のVm値45のゴム組成物を用いた成形体(実施
例2)及び下布として両面にフリクションゴムコーティ
ングを施した下布を用いた成形体(比較例1)を夫々作
成した。続いて、ジャケットを被せて上記各モールドを
夫々加硫缶に設置し、加硫してベルトスリーブを得て、
このスリーブをカッターによってV状に切断し、ローエ
ッジコグベルトを得た。
【0037】得られた実施例1及び2のベルトと、比較
例1のベルトを順次駆動側プーリが75mmφ,重度を
側プーリが260mmφである変速用Vプーリ片間に所
定の張力で掛架し、駆動プーリ回転数を低速時、150
0rpm,高速時6000rpm、従動プーリ回転数を
低速時500rpm,高速時8500rpmの変速特性
で低速時、駆動プーリ底面にベルト底面が接触するよう
に1500rpmで10時間走行試験を行った。その結
果、ベルト底面がゴムである実施例1及び2のものでは
プーリ底部の変速プーリ軸には全くゴムの付着は認めら
れず、プーリの可変は何ら妨げられなかったが、ベルト
底面がゴムである比較例1のものではプーリ軸にゴムが
付着しプーリの可変が困難となり、変速特性が失われ支
障を生じ、本発明の効果が確認された。
【0038】
【発明の効果】本発明は前述した如くVベルトの圧縮ゴ
ム下部にムーニー粘度計で得られたムーニー粘度Vm値
が25≦vm40の範囲であるゴムを介して底面側にゴ
ムが付着していない下布を貼着したものであり、プーリ
底面にゴムが付着すると、ベルトがプーリの最下部に来
なくなったり、ベルトが斜めに傾いたりして速度の精度
が悪くなるが、ベルト底面にゴムが付着していないた
め、変速用プーリ片に掛架使用したとき、ベルト底面が
プーリ底部に接触してもゴムによる悪影響はなく、従っ
て、変速プーリ軸にゴムが付着せず、プーリの可変が妨
げられることなくして良好な変速特性を保持する顕著な
効果を有する。
【0039】また、圧縮ゴムと下布との間のゴムは所定
範囲のムーニー粘度値を有し、ムーニー粘度値が25以
上であるため下布の組織目からゴムが染み出すことはな
く、また40以下であるため、下布の組織目に喰い込む
ゴムが少なくても接着性に支障はなく、適度なクッショ
ン性を有して変速特性の保持に頗る有用である。しか
も、少なくとも圧縮ゴム層に水素添加ニトリルゴムに不
飽和カルボン酸金属塩、短繊維、そして有機過酸化物を
配合して架橋したゴム組成物を使用すれば耐側圧性、耐
熱性、耐摩耗性に優れ、かつ、下布との間のゴム層と相
乗してベルトの逆曲げ時にベルト底面から亀裂が発生し
てもその伝播を阻止することができ、耐屈曲疲労性を改
善し、寿命を延長することができる優れた効果を有す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る動力伝動用Vベルトの1例を示す
部分斜視図である。
【図2】Vベルトを駆動側Vプーリに掛架したときのベ
ルト底面とプーリ底面との位置関係を示し、(イ)は低
速時、(ロ)は高速時である。
【図3】変速プーリにVベルトを掛架した状態を示す略
示概要図である。
【図4】変速プーリにおける駆動側プーリの1例を示す
断面図である。
【図5】変速プーリにおける従動側プーリの1例を示す
正面概要図である。
【符号の説明】
A Vベルト 1 抗張体層 2 心線 4 伸長ゴム層 5 圧縮ゴム層 6 下布 7 ゴム層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16G 5/00 - 5/20

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベルト長手方向に沿い、並列して心線を
    配設した抗張体層の上面側に伸張ゴム層を積層し、下面
    側にコグ部を有する圧縮ゴム層を積層した動力伝動用V
    ベルトにおいて、前記圧縮ゴム層下面に更にゴム層を介
    してベルト底面側にゴムを付着させることなくRFL処
    理のみを施した下布を配設し、前記ゴム層にムーニー粘
    度計で得られる最低ムーニー粘度Vm値(125℃で測
    定、JISK6300)が25≦Vm≦40のゴムを用
    いたことを特徴とする動力伝動用Vベルト。
  2. 【請求項2】 少くとも圧縮ゴム層が水素添加ニトリル
    ゴムに不飽和カルボン酸金属塩,短繊維及び有機過酸化
    物を配合して架橋させたゴム組成物からなる請求項1記
    載の動力伝動用Vベルト。
  3. 【請求項3】 圧縮ゴム層が水素添加ニトリルゴムと不
    飽和カルボン酸金属塩とを98:2〜55:45で配合
    したボリマー組成物100重量部に対して0.2〜10
    重量部の有機過酸化物、5〜40重量部の短繊維を添加
    し、該短繊維をベルトの幅方向へ配合して架橋したゴム
    組成物からなる請求項1記載の動力伝動用Vベルト。
JP16111896A 1996-05-30 1996-05-30 動力伝動用vベルト Expired - Fee Related JP2949331B2 (ja)

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