JP2946713B2 - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JP2946713B2
JP2946713B2 JP2263561A JP26356190A JP2946713B2 JP 2946713 B2 JP2946713 B2 JP 2946713B2 JP 2263561 A JP2263561 A JP 2263561A JP 26356190 A JP26356190 A JP 26356190A JP 2946713 B2 JP2946713 B2 JP 2946713B2
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哲志 吉田
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、時分割駆動される電界効果型の液晶表示装
置に関する。
[従来の技術」 液晶表示装置は、事務機器等の表示装置として広く使
用されており、表示画面の大型化と共に画素数が多く表
示品質の高いことが要求されている。この様な事務機器
等の表示装置には、素子構造が単純化でき且つ駆動装置
が簡素化できる単純マトリックス構造の液晶表示素子が
広く使用されている。
この単純マトリックス構造の液晶表示素子は、信号電
極がストライプ状に形成された一方の基板と走行電極が
ストライプ状に形成された他方の基板とを前記信号電極
と走査電極とが交差するように対向配置させ、前記一方
基板と他方基板との間にツイスト配向させた液晶材料を
介在させて液晶セルが形成され、この液晶セルの外側に
一対の偏光板が配置されている。そして、前記走査電極
に走査信号を供給しこの走査信号と同期させて前記信号
電極にデータ信号を供給することによって走査電極と信
号電極が交差する任意の画素の点灯状態が制御される。
このような時分割駆動方法は、時分割数を多くすると
点灯画素と非点灯画素とに印加される電圧の差、即ち動
作マージンが低下してコントラストが低下し、また視野
角が狭くなる。その為、従来のTN型液晶表示素子は、印
加電圧に対する輝度変化の急峻性が劣るため1/60デュー
ティ程度の時分割数を取るのが限度であり、画素数が多
く高画質で且つ大型の表示装置を得ることができなかっ
た。
前述した急峻性を改善するためにツイスト角度を大き
くしたSTN型の液晶表示素子やSBE型の液晶表示素子が提
案されており、実用化されている。これらの液晶表示素
子は、ツイスト角度を180゜乃至270゜とすることによっ
て前記急峻性を改善し、1/200デューティ程度まで時分
割数を取ることができる。その結果、640×400ドットの
液晶表示素子では信号電極を2分して表示画面を上下に
2分割し、各画素を夫々1/200デューティで駆動する方
法がとられていた。そして、この液晶表示素子は、コン
トラストが低い為に透過型とされ、背面から蛍光管等に
より照明されていた。
[発明が解決しようとする課題] 上述した上下に2分割の液晶表示素子は、信号電極を
中央で上下に2分割しているためその分割した部分に隣
接する走査電極と信号電極とが対向する中央部分の画素
の面積が、対向する基板の位置合わせ精度に依存し、こ
の位置合わせ誤差を無くすことができないので、画面中
央部の画素列の大きさが異なってしまい、画面を分割す
る線が現われ、また、信号電極を上下2分割しているた
め、信号電極にデータ信号を供給するための駆動回路が
信号電極の数の2倍の数だけ必要となり、且つ走査電極
に走査信号を供給する走査電極の駆動回路では走査電極
を2つのグループに分けて走査するための複雑な信号処
理が必要であり、その結果、駆動回路が複雑で且つ電子
回路の素子数が多くなって表示装置が大型化し、また高
価になるという欠点があった。
また、この液晶表示装置は、液晶の複屈折効果を用い
ているので、表示画面が着色するという欠点があった。
この発明は上述した欠点に鑑みて成されたものであ
り、その目的は高いコントラストと優れた輝度変化の急
俊性を持ち高時分割駆動が可能な白黒表示の液晶表示装
置を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 上述した目的を達成するため、この発明は、対向配置
された一対の基板と、この一対の基板の対向する内面に
形成され、互に交差して対向する電極と、前記一対の基
板間に介在してツイスト配向され、正の誘電異方性を有
する液晶材料と、前記一対の基板を挟んで配置された一
対の偏光板とを有する液晶表示装置において、誘電異方
性Δεと液晶分子軸に直交する方向の誘電率ε⊥との比
である誘電率比Δε/ε⊥の値が2以下で、且つベント
弾性定数K33とスプレイ弾性定数K11との比で表わされる
弾性定数比K33/K11の値が1.75以上であって、前記一対
の基板間で約230゜乃至250゜の角度でツイスト配向され
た液晶材料と、前記一対の偏光板の1つと基板の間に配
置された2枚の位相板とを備えたことを特徴とするもの
である。
[作 用] この発明の液晶表示装置に用いられる液晶材料のツイ
スト角度を230゜乃至250゜と大きくし、且つ対向する一
対の基板間に封入される液晶材料の弾性定数比K33/K11
が1.75以上と大きいので、輝度変化の急峻性が極めて良
くなる。また、誘電率比Δε/ε⊥の値が2以下である
ため、液晶分子の配向状態が変化しても液晶層の誘電率
の変化が少なく、この液晶層に印加される電界強度の変
化が少ないので輝度変化の急俊性が極めて良くなり、高
時分割駆動が可能となりコントラストが極めて高い。し
かも、位相板を2枚配置することにより、各波長光毎の
位相差の違いを補償しているので、表示画面の着色が殆
ど無くなって、明るい白黒表示が得られる。
[実施例] 以下、本発明の実施例について、図面を参照して詳細
に説明する。第1図において、ガラス板または等方性の
プラスチック板等からなる下基板1の上面には、紙面の
表裏方向に延びるストライプ状の透明導電膜からなる複
数の第1の電極2が形成されており、この第1の電極を
覆って配向膜3が形成され、配向処理が施されている。
この下基板1に対向配置される上基板4は、ガラス板ま
たは等方性のプラスチック板で形成されており、下基板
1と対向する下面に前記第1の電極2と直交するように
紙面の左右方向に延びるストライプ状の透明導電膜から
なる複数の第2の電極5が形成され、これらの第2の電
極5を覆って配向膜6が形成され、配向処理が施されて
いる。上基板1と下基板4とは電極が形成された面を対
向させ、4μm乃至9μmの間隙を設けてシール材7に
よって接合され、これらの基板1、4間には液晶材料8
が封入されている。シール材7によって接合された上下
基板1、4の外側には、偏光板9、10が配置されてい
る。
前記配向膜3、6は、液晶材料8の配向膜3、6に隣
接する液晶分子に初期配向状態で約6゜以上のプレチル
ト角を与えるポリイミド等からなる高チルト配向膜で形
成されており、第2図に示すように表示素子20の上下の
縁に平行な水平線hを基準にして、下基板1の配向膜3
の配向処理方向3aが左回りに約30゜の角度で交差する右
上がりの方向にラビング処理され、上基板4の配向膜6
の配向処理方向6aが右回りに約30゜の角度で交差する右
下がりの方向にラビング処理されている。
これらの配向膜3、6間に封入された液晶材料8は、
その液晶分子が上基板1の配向処理方向3aから上基板4
の配向処理方向6aに向って、図面上で右回りに約240゜
±10゜ねじれて配列されており、液晶の屈折率異方性Δ
nと液晶層厚dとの積Δndの値が0.79乃至0.84の範囲に
設定されている。
また、前記偏光板9、10は、前記上基板4に設けられ
た配向膜6の配向処理方向6aを基準にして、上偏光板10
の偏光軸(透過軸)10aは反時計方向に角度Aだけ回転
した方向に向いており、下偏光板9の偏光軸(透過軸)
9aは反時計方向に角度Bだけ回転した方向に向いてい
る。即ち、上基板4に設けられた配向膜6の配向処理方
向6aに対する上偏光板10の偏光軸(透過軸)10aの角度
Aは100゜乃至110゜の範囲に設定され、特に105゜であ
るのが望ましく、下偏光板9の偏光軸(透過軸)9aの角
度Bは10゜乃至20゜の範囲に設定され、特に10゜である
のが望ましい。
前記上基板4と上側偏光板10との間には表示画面の着
色を防止するために透過光の色補正を行なう位相板11、
12が配置されている。この位相板11、12は、共に等しい
340nm乃至360nmの位相差Reを持ち、基板4側の第1位相
板11の光学軸(遅相軸)11aは配向膜6の配向処理方向6
aを基準にして反時計方向に角度Cを以って交差する方
向に配置されており、偏光板10側の第2位相板12の光学
軸(遅相軸)12aは配向膜6の配向処理方向6aを基準に
して反時計方向に角度dを以て交差する方向に配置され
ている。即ち、光学軸(遅相軸)11aの配向処理配向6a
に対する角度Cは85゜乃至95゜の範囲に設定され、光学
軸(遅相軸)12aの配向処理配向6aに対する角度Dは50
゜乃至60゜の範囲に設定され、特に角度Cは約90゜、角
度Dは約55゜の角度であるのが望ましい。
前記液晶材料は、ベント弾性定数K33とスプレイ弾性
定数K11との比で表わされる弾性定数比K33/K11が大きい
液晶化合物を多く配合すると共にシアノ基を持った液晶
化合物の配合を少なくし、且つエステル結合及びヘテロ
環式化合物を含まない様にして組成された液晶組成物で
あり、その誘電異方性Δεと液晶分子軸に直交する方向
の誘電率ε⊥との比である誘電率比Δε/ε⊥の値が2
以下で、ベント弾性定数K33とスプレイ弾性定数K11との
比で表わされる弾性定数比K33/K11の値が1.75以上であ
り、且つその平均誘電率[ただし、=(ε‖+2ε
⊥)/3]の値が6以下である。
この実施例によれば、液晶分子のツイスト角を240゜
と大きくしたことにより電界が印加された時の液晶分子
の配向状態の変化が大きくなり、また弾性定数比K33/K1
1の値を1.75以上に極めて大きくしたことにより液晶分
子の長軸と直交する方向の分子間力が強くなって電界の
印加による液晶分子の配向状態の変化が大きくなるた
め、輝度変化の急俊性が向上する。さらに液晶材料の誘
電率比Δε/ε⊥の値を2以下と小さくしたことによ
り、電界を印加したときに液晶分子の配向状態が変化し
ても液晶層の変化が少ないので、この液晶層に印加され
る有効な電界強度の変化が少なくなり、輝度変化の急俊
性が極めて良くなる。従って、高時分割駆動ができ、1/
400デューティでの駆動が可能となり、且つコントラス
トが非常に高い。
ところで、上述した様に、液晶材料の弾性定数比K33/
K11の値が1.75以上と大きいと、液晶分子の長軸と直交
する方向の分子間力が強いため、安定したツイスト配向
を得ることが難しいが、この実施例では配向膜と配向処
理により、その配向処理面に隣接する液晶分子を初期配
向状態で約6゜以上のプレチルト角を持たせたので、表
示画面全面にわたって均一で安定してツイスト配向が得
られる さらに、この実施例では、液晶材料の平均誘電率
[ただし、=(ε‖+2ε⊥)/3]の値を6以下と小
さくしたので、この液晶材料は不純物イオンを取込難い
ので液晶表示素子としての信頼性が高くなる。即ち、こ
の液晶材料は、ε⊥の値が小さい液晶化合物を用いて組
まれた液晶組成物であって、ε⊥の値が小さい液晶を用
いた場合、ε‖−ε⊥で与えられる液晶組成物の誘電異
方性Δεの値を正にするためにはその液晶組成物のε‖
の値が小さくてよいので、液晶組成物の平均誘電率が
小さくなり、平均誘電率の値が小さい液晶組成物は不
純物イオンを取込難いので液晶表示素子としての信頼性
が高くなる。
また、平均誘電率の値が小さい液晶材料は誘電率ε
の絶対値が小さいので、対向する電極とその間に介在す
る液晶材料とによって形成される各画素の等価的なコン
デンサの容量が小さくなり、これらの電極間にチャージ
された電荷の充放電が速やかに行なわれ、その結果表示
画面に現われる残像現象を低減することができる。ま
た、各画素の容量が小さくなるので、これらの各画素に
信号を供給する駆動回路の駆動能力を小さくすることが
でき駆動回路の構成が単純化し、且つ小型になる。
そして、この液晶表示装置は位相板を2枚その光学軸
を異なる方向に向けて配置することにより、各波長光毎
の位相差の違いを補償しているので、表示画面の着色が
殆ど無くなって、コントラストが高く明るい白黒表示が
得られる。
本実施例の具体例について説明する。表1に示す物性
を持つ液晶Aを用いて、第1図及び第2図に示される液
晶表示装置を形成した実施例1について、その素子の構
成と、液晶表示素子の法線方向から観察したときの測定
温度が25℃における電気−光学特性が表2に示した。こ
こで、第1の位相板及び第2の位相板の位相差Reは夫々
360nm、第1図に示した偏光板10の偏光軸10aの角度A、
偏光板9の偏光軸9aの角度B、位相板11の光学軸11aの
角度C及び位相板12の光学軸12aの角度Dは、夫々105
゜、10゜、90゜、55゜であり、Vthは、コントラストの
最大値が得られる動作 電圧である。尚、本実施例との比較の為に液晶B、液晶
X乃至液晶Zの物性を前記表1に併せて示すと共に、こ
れらの液晶を用いた比較例1乃至比較例5も表2に併せ
て示した。
この表2から明らかな如く、実施例1は、ツイスト角
を240゜とし、誘電率比Δε/ε⊥の値を2以下とし、
且つ液晶材料の弾性定数比K33/K11の値が1.75以上とし
たので、1/480デューティで駆動することができ、しか
も2枚の位相板を備えているためコントラストが50と極
めて高い。
これに対して、比較例1、2は、実施例1、2と同様
の結晶を用いているが位相板が1枚であるためコントラ
ストが低く画面が着色されている。比較例3は弾性定数
比K33/K11が1.75以下の値を持つ液晶Xを用いた場合を
示しており、実施例1に比べてコントラストが10と極め
て低い。比較例4は、従来のSTN型液晶表示素子を表わ
しており、1/120デューティ程度で、表示に必要なコン
トラストの値10を得ているが、時分割数を大きくすると
コントラストがさらに低下するので、この比較例4は1/
120デューティで駆動するのが限度であり、高時分割駆
動ができない。比較例5は、従来のTN型の液晶表示素子
を示したものであり、1/60デューティ程度で、表示に必
要なコントラストの値11を得るのが限度である。
上述した実施例1、比較例2及び比較例3について、
印加電圧に対する輝度変化をオン波形電圧を印加したと
きのオン透過率曲線と、オフ波形電圧を印加したときの
オフ透過率曲線とで表わした輝度特性を第3図に示し
た。第3図は、実施例1の輝度特性をオン透過率曲線a
とオフ透過率曲線bとで表わし、比較例2の輝度特性を
オン透過率曲線cとオフ透過率曲線dとで表わし、比較
例3の輝度特性をオン透過率曲線eとオフ透過率曲線f
とで表わしている。第3図に示した輝度特性から明らか
なように、輝度変化は比較例2、3に比べて実施例1の
方が急俊であり、時分割特性が優れている。
また、実施例1及び比較例2、3の表示色について、
CIE色度図に基づくXコーディネイトとYコーディネイ
トの値を表3に示した。この表3に示すように、比較例
2、3は着色された表示画面と成るが、実施例1は2枚
の位相板を用いて色補償をしているため白色に近ずいて
おり、表3に示した基準となるペーパーホワイトの値に
極めて近く、略無彩色の黒白表示ができる。
さらに、液晶層のΔnd、偏光板10の偏光軸10aの角
度、偏光板9の偏光軸9aの角度B、位相板11の光学軸11
aの角度C及び位相板12の光学軸12aの角度Dを夫々種々
に変えた実施例2乃至実施例5の各表示色について、CI
E色度図におけるXコーディネイトと、Yコーディネイ
トとを表4に示した。この表4から明らかなように、こ
れらの実施例は、夫々無彩色に近く、白黒表示が可能で
ある。この場合、液晶層のΔndの値が0.84、位相板のRe
が360nmであり、また液晶層のΔndの値が0.84である。
このときの偏光軸10aの角度A、偏光軸9aの角 度B、光学軸11aの角度C及び光学軸12aの角度Dは、夫
々15゜乃至20゜、100゜乃至105゜、55゜、90゜乃至95゜
である。尚、液晶層のΔndの値は0.79乃至0.84範囲で、
位相板のReの値は340nm乃至360nmの範囲で、偏光軸10a
の角度Aは100゜乃至110゜の範囲で、偏光軸9aの角度B
は10゜乃至20゜の範囲で、光学軸11aの角度Cは゜85゜
乃至95゜の範囲で、光学軸12aの角度Dは50゜乃至60゜
の範囲であれば略白黒表示が可能である。
さらに、本実施例では、プレチルト角を大きくして配
向の安定性を良くしている。即ち、液晶の配向安定性
は、液晶の物性値により異なり、弾性定数比K33/K11の
値が大きい液晶は液晶分子の長軸と直交する方向の分子
間力が強いために、ツイスト配向の安定性が悪い、その
為本実施例ではプレチルト角6゜以上とすることにより
ツイスト配向の安定性を向上させている。プレチルト角
が6゜より大きい場合と、小さい場合とで測定したギャ
ップマージンの値を表4に示す。ここで、ギャップマー
ジンとは、基板間に挟まれた液晶が240゜ツイスト配向
することが可能な液晶層厚の許容値を表わしている。即
ち、ギャップマージンが0μmということはツイスト配
向しないことを意味し、1.5μmということは、所定の
液晶層厚を中心にして1.5μmの範囲で液晶層厚が変っ
ても、液晶が240゜ツイスト配向することを意味してい
る。
表5に示されるように、弾性定数比K33/K11の値が小
さい液晶Xは、プレチルト角が8゜のときギャップマー
ジンが3.1μmと大きく、プレチルト角が5゜のときで
もギャップマージンが1.5μmと大きい。弾性定数比K33
/K11の値が大きい液晶Bは、プレチルト角が5゜の場
合、ギャップマージンがほとんど無く、安定したツイス
ト配向が得られないがプレチルト角が8゜の場合には、
ギャップマージンが約1.8μmと大きくなり、安定した2
40゜ツイスト配向が得られる。従って240゜ツイスト配
向を得 るためには、プレチルト角が6゜より大きいことが望ま
しく、特に、8゜以上であることが望ましい。
またさらに、本実施例は、液晶組成物の平均誘電率
を小さくし、液晶表示素子を長時間点灯した場合に生ず
る表示ムラを防止し、液晶表示素子の信頼性を高くして
いる。この表示ムラは、液晶組成物が不純物イオンを取
込むために生ずるものであり、平均誘電率の値が小さ
く液晶組成物は、不純物イオンを取込難いので液晶表示
素子としての信頼性が高くなる。表6に、前述した液晶
B、液晶X、及び液晶Yを用いた比較例2乃至比較例5
を用い、45℃の環境下において32Hzの矩形波で240時間
連続して駆動させた場合の配向ムラの発生状態を評価し
た結果を示した。この表6に示されるように、平均誘電
率の値が6より大きい液晶Yは、配向ムラが発生し、
平均誘電率の値が6以下の液晶B、Xには配向ムラが
生じない。従って、液晶組成物の平均誘電率の値は6
以下であるのが望ましい。
この様に、本実施例によれば、ツイスト角を240゜と
し、誘電率比Δε/ε⊥の値を2以下とし、且つ液晶材
料の弾性定数比K33/K11の値を1.75以上としたので、急
俊な輝度特性が得られ、1/480デューティで駆動しても
コントラストが50以上と高く、しかも表示色を補正する
ために2枚の位相板を備えているので着色のない液晶表
示素子を得ることができる。また、配向膜として6゜以
上、望ましくは8゜以上のプレチルト角を液晶分子に与
える高チルト配向膜材料を用いたので、240゜ツイスト
配向が安定して得られ、しかも液晶材料の平均誘電率
を6以下としたので、液晶表示素子の長時間駆動に対す
る信頼性が高くなり、さらに平均誘電率εを小さくした
ので各画素の電気的容量が小さくなって画像の残像現象
を防止すると共に、駆動能力の小さい駆動回路を用いる
ことができる。
[発明の効果] 以上述べたように、この発明は、液晶材料として弾性
定数比K33/K11の値が大きく、又誘電率比Δε/ε⊥の
値が小さい液晶組成物を用い、230゜乃至250゜の範囲で
ツイスト配向させて液晶表示素子を形成したので、急俊
性が著しく改善されて1/480デューティの高時分割で駆
動できると共にコントラストが著しく高く、しかも表示
色を補正するための位相板を2枚備えているので着色の
ない明るい液晶表示素子を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例を示した断面図、第2図は
第1図の実施例で示した液晶表示素子における配向処理
方向と上下偏光板の偏光軸の方向と第1の位相板の光学
軸の方向と及び第2の位相板の光学軸の方向との配置を
示す平面図、第3図は本発明の液晶表示素子における印
加電圧に対する輝度変化を比較例と共に示す輝度特性図
である。 1……下基板、2……第1の電極、3、6……配向膜、
4……上基板、5……第2の電極、7……シール材、8
……液晶材料、9、10……偏光板、11……第1の位相
板、12……第2の位相板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−232622(JP,A) 特開 平2−8(JP,A) 特開 平2−105114(JP,A) 特開 平2−55319(JP,A) 特開 昭63−10126(JP,A) 特表 平2−503445(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02F 1/133 G02F 1/1335

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】対向配置された一対の基板と、この一対の
    基板の対向する内面に形成され、互に交差して対向する
    電極と、前記一対の基板間に介在してツイスト配向さ
    れ、正の誘電異方性を有する液晶材料と、前記一対の基
    板を挟んで配置された一対の偏光板とを有する液晶表示
    装置において、誘電異方性Δεと液晶分子軸に直交する
    方向の誘電率ε⊥との比である誘電率比Δε/ε⊥の値
    が2以下で、且つベント弾性定数K33とスプレイ弾性定
    数K11との比で表わされる弾性定数比K33/K11の値が1.75
    以上であって、前記一対の基板間で約230゜乃至250゜の
    角度でツイスト配向された液晶材料と、前記一対の偏光
    板の1つと基板の間に配置された2枚の位相板とを備え
    たことを特徴とする液晶表示装置。
JP2263561A 1990-10-01 1990-10-01 液晶表示装置 Expired - Lifetime JP2946713B2 (ja)

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