JP2945045B2 - ゴム補強用カーボンブラック粉末 - Google Patents

ゴム補強用カーボンブラック粉末

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JP2945045B2 JP33948789A JP33948789A JP2945045B2 JP 2945045 B2 JP2945045 B2 JP 2945045B2 JP 33948789 A JP33948789 A JP 33948789A JP 33948789 A JP33948789 A JP 33948789A JP 2945045 B2 JP2945045 B2 JP 2945045B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ゴム等のエラストマーを補強するのに好適
な高表面積ファーネスカーボンブラック粉末に関し、特
にタイヤトレッド用ゴム組成物に適切な補強性、耐摩耗
性を付与するカーボンブラック粉末に関する。
〔従来の技術〕
ゴム等のエラストマーに配合され、その組成物の耐摩
耗性、耐破壊性を改良することを目的とする補強剤とし
てカーボンブラツクは広く用いられている。カーボンブ
ラックを充填した組成物におけるカーボンブラックの耐
破壊性付与能力(補強性能)は、用いられるカーボンブ
ラックの充填量とその比表面積、ストラクチャーに大き
く依存していることはよく知られているところである。
したがって、どのような用途にゴム組成物が使用される
かによって適切な特性を有するカーボンブラックが選択
利用されている。
通常、充填量が同一であれば比表面積が大きい程高い
補強性能を示す。すなわち、タイヤトレッド用等で高い
耐破壊性を有するゴム組成物を得るためには、大きな比
表面積を持つカーボンブラックを使用するのが望まし
い。この比表面積は窒素ガス分子の吸着量から算出して
求めるのが一般的である(以下、N2SAと称する)。
しかしながら、N2SAが概ね120m2/gを越えるような高
比表面積のカーボンブラックをゴム等のエラストマーの
充填補強剤として利用する場合、前述のような比表面積
と補強性能の相関関係は成立しなくなり、補強性能は予
期したよりも低下したラインにとどまり、さらにN2SAが
140m2/gを越える比表面積となると逆に補強性能の急激
な低下をもたらすこともある。
これは、高比表面積になるに従ってカーボンブラック
のエラストマー相への分散性が悪化し、充填されたカー
ボンブラックが本来持っている補強性能を十分に発揮で
きず、ゴムとの有効な結合状態が形成できないためと考
えられている。
これに加えて、タイヤトレッドのように繰り返し変形
を受ける部位に利用されるゴム組成物においては、前述
の耐摩耗性とともに、繰り返し変形に伴うヒステリシス
ロス特性、すなわち適切な動的粘弾性特性をもつことも
同時に要求される。
本出願人は、極めて大きな比表面積(200m2/g〜280m2
/gのN4SA)を有するカーボンブラックにおいて、よう素
吸着量とN2SAの比およびアグリゲートサイズの比較的大
粒径部分の存在割合を特定することにより、補強性能の
低下をきたすことなく、ゴムへの分散性が改良されたカ
ーボンブラックとなることを見い出してすでに出願した
(特開昭61−34072号公報)。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、前述の本出願人の出願したカーボンブ
ラックは通常の耐摩耗性カーボンブラックの比表面積範
囲を大きく越えているためにその利用範囲が非常に限定
されるという欠陥があった。さらに、分散性は改良され
るが、動的粘弾性特性での改善ではまだ不満足なもので
あった。
本発明は、カーボンブラックのコロイダル特性の究明
とともにその表面官能基の研究を進め、アセチル化反応
する官能基およびオキシム化反応する官能基の量におい
てある関係を有する場合は補強性能とともに動的特性が
顕著に改良されることを見いだし、比表面積の限定範囲
を広げることができたものである。
〔問題点を解決するための手段〕
ファーネス法によるカーボンブラックは、炉内に燃料
油および/または燃料ガスの燃焼により高温のガス流を
導入し、このガス流中に原料炭化水素を噴霧して熱分解
せしめて製造される。次にカーボンブラックを含む熱分
解ガス流は急冷され、捕集工程でカーボンブラックとガ
ス体に分離され、通常はこの工程の後にカーボンブラッ
クの嵩密度を上昇させ、輸送等での取扱いを容易とする
ために造粒機中で造粒水を添加して直径約1mm程度の粒
状物となし、この粒状物を乾燥させて製品として出荷さ
れている。
カーボンブラックの表面には各種の表面官能基、例え
ばカルボキシル基、カルボニル基、ケトン基、水酸基な
どが存在していることは公知である。これら官能基は、
カーボンブラックが製造工程で受ける履歴により影響さ
れるとともに、配合ゴムの特性へも影響を与え、強い酸
化性雰囲気下では補強性、耐摩耗性は低下する。
このため、カーボンブラックの加工工程では耐摩耗性
を維持するために極力酸化性雰囲気は避け、乾燥工程で
はなるべく遊離酸素を含まない状態での加熱が望まし
い。
この造粒工程および乾燥工程は現在のカーボンブラッ
クの製造において輸送等の取扱いの面から不可欠であ
り、酸化を防ぐ目的で造粒工程で酸化防止剤を添加して
いる例もある(USP4,164,533号)。さらには、造粒工程
を経たカーボンブラックは経ていないカーボンブラック
と比較してゴム組成物の耐摩耗性において低下すること
もUSP3,282,719号においてすでに公知である。
本発明者らは、この造粒工程を経ないカーボンブラッ
クについて鋭意研究を重ね、前述のUSP3,282,719号にお
いて主張している耐摩耗性での向上効果についてはこの
中で述べられているよな大きな効果ではなかったが、数
%向上することを確認した。しかしながら、耐摩耗性の
向上は認められたが動的粘弾性特性においては従来の造
粒したカーボンブラックで得られた耐摩耗指数対動的粘
弾性特性(tanδ)のマスター曲線からの大きな逸脱は
認められなかった。
この例として、ほぼN2SAで150m2/gの比表面積、24M4D
BPAで100ml/100gのストラクチャーをもつカーボンブラ
ック〔ただし、粉末のサンプルの比表面積はエタノール
を加えて造粒し、すぐに30℃の(真空)乾燥器に入れ、
吸引して数Torrの減圧下でエタノールを蒸発させたサン
プルについて測定〕について造粒したカーボンブラック
と粉末カーボンブラックの耐摩耗特性と動的粘弾性特性
(損失角の正接、tanδ)の関係を第1図に示す(第3
表のRun No.6および7を使用)。この図から明らかなよ
うに、粉末カーボンブラックでは耐摩耗性において、造
粒カーボンブラックよりも高い値を示すが、tanδの値
は今までのマスター曲線からの大きなへだたりはなかっ
た。
本発明は、造粒工程、乾燥工程を経ないカーボンブラ
ックが本来保有している良好な耐摩耗性を維持し、さら
に動的粘弾性特性を向上させるにはカーボンブラックの
表面官能基含有割合が大きく影響していることを見い出
して完成したものである。すなわち、本発明は、窒素吸
着比表面積(N2SA)が125〜250m2/g、圧縮DBP吸油量(2
4M4DBPA)が80〜140ml/100gの範囲にあるカーボンブラ
ック粉末であって、該カーボンブラックの表面官能基の
うち無水酢酸とアセチル化反応する官能基量(ACF)
と、ヒドロキシルアミンと反応してオキシムを生成する
官能基量(OXF)とが式(1)により算出される関係値
を満足することを特徴とするゴム補強用カーボンブラッ
ク粉末に関する。
ACF≧0.125+2×OXF ……(1) (ここで、ACFは0.244〜0.327ミリ当量/g、OXFは0.039
〜0.084ミリ当量/gの範囲の官能基量を示す。) このアセチル化反応官能基とオキシム化反応官能基の
量が本発明の要件を満たすことは、耐摩耗性と動的粘弾
性特性の両特性を同時に満足させるために必須のもので
ある。
これは、この条件を満足しないと単に造粒工程以降の
処理を行なわないカーボンブラック粉末でも耐摩耗性に
おける向上効果は認められるが、動的粘弾性特性におい
て大きな改善効果が発現しないためであり、より好まし
くはACFはこの算出値よりも0.05meq/g以上大きいことが
望ましい。
これに加え、カーボンブラックの全酸性度(TA)と懸
濁水スラリーの水素イオン濃度(pH)との間に (pH)≧4.5+100×(TA) の関係値を満たすのがより望ましいゴム組成物を与える
カーボンブラック粉末となる。さらにはpHがTAから算出
された値よりも1.0以上大きいカーボンブラック粉末が
好ましい。
これらの条件を満足させることにより、従来の比表面
積およびストラクチャーから予想されるよりも高い耐摩
耗性を与えるとともに、動的粘弾性特性の改良がはじめ
て可能となる。この関係を第1図で示すと、本発明のカ
ーボンブラック粉末(第3表のRun No.5を使用)は従来
のマスターカップから逸脱して点Cに移動し、耐摩耗性
は大きく向上するとともにtanδにおいても大巾に改良
されていることは明らかである。第1図で示した3つの
カーボンブラックの表面官能基を含む物理化学的特性お
よびゴム特性は第1表のとおりである。
カーボンブラックの基本的特性であるN2SAおよびスト
ラクチャーは、比表面積においては通常の市販グレード
の超耐摩耗性カーボン(SAF)ないしはそれよりも高い
比表面積側にあり、タイヤトレッド、レーシング用タイ
ヤトレッド、飛行機タイヤ用などに好適な比表面積の範
囲にあり、ストラクチャー値も少し高い側にある。
これらの基本的特性は、耐摩耗性、補強性を発現させ
るために不可欠である。125m2/を下回るN2SAでは目的と
する耐摩耗性において低下傾向を示し、逆に250m2/gを
越えた場合では比表面積の向上の割に耐摩耗性での向上
効果が現れにくくなるので、本発明でのN2SA範囲は125
〜250m2/gとする。また、24M4DBPAが80ml/100gを下回る
ときはやはり耐摩耗性において低下傾向を示し、140ml/
100gを上回った場合は混練りのときの発熱が大きく、未
加硫物の粘度が高くなって加工性が極端に低下するの
で、80〜140ml/100gの範囲とする。
物理化学特性の測定法 本発明において適用されるカーボンブラックの物理化
学特性は次のようにして測定される。
i)圧縮DBP吸油量(24M4DBPA) ASTM D3493−88記載の方法で測定され、圧縮処理後の
カーボンブラック100g当りに吸収されるジブチルフタレ
ート(DBP)のml(ml/100g)で表示される ii)窒素吸着比表面積(N2SA) ASTM D3037−88 B法記載の方法で測定され、カーボン
ブラック1g当りの面積(m2/g)で表示される iii)水素イオン濃度(pH) ASTM D1512−84 A法記載の方法で測定される iv)全酸性度(TA) カーボンブラック約1gを精秤してフラスコ中に入れ、
1/250規定の水酸化ナトリウム水溶液500mlを加えて超音
波処理で充分に分散させた後、還流冷却器を付けてマン
トルヒーター上で2時間沸騰加熱する。反応終了後放冷
した後、フラスコの内容物を100mlのメスフラスコに移
し蒸溜水を加えて100ml定容とする。これを孔径0.2μm
メンブランフィルターで過し、液を力価既知の1/50
0規定の塩酸水溶液でメチルレッドとブロムクレゾール
グリーンの混合指示薬を用いて中和滴定し、このときの
滴定値を読み取る(これをa mlとする)。これと同時
に、上記全操作をカーボンブラックを除いて行った空試
験での滴定値(b ml)を測定する。
求める全酸性度(TA)は次式により算出される。
ここで f:滴定に使用した1/500規定の塩酸水溶液の力価 W:試料量(g) P:カーボンブラックの密度(1.86g/ccとする) C:滴定に供した液量(ml) a:供試試料の滴定値(ml) b:空試験の滴定値(ml) であり、TAはカーボン1g当りのミリ当量(meq/g)とし
て表示される。
v)アセチル化反応官能基量(ACF)の定量 アセチル化カーボンブラックの調製 約2gのカーボンブラックを入れた三角フラスコにピリ
ジン20mlと無水酢酸10mlを入れ、球付冷却管の上部に塩
化カルシウム管を接続し、この管に脱酸素装置をつな
ぐ。装置を窒素ガスを流しながら置換し、窒素雰囲気と
する。
フラスコを120℃に保ったオイルバスに入れ、この温
度で15時間反応させる。
反応終了後、反応物を冷却しながら100mlの蒸溜水を
加えて過剰の無水酢酸を分解させ、次に吸引過により
アセチル化カーボンブラックを分離し、約300mlの蒸溜
水で洗浄する。
洗浄後のアセチル化カーボンブラックを105℃に保っ
た乾燥器中に入れ、恒量となるまで乾燥してアセチル化
カーボンブラックを調製する。
酢酸の定量 アセチル化カーボンブラック約1gを精秤してビーカー
に入れ、これに加温蒸溜水20mlに水酸化バリウム2gを加
えた溶液を添加する。容器を100℃の水浴中に入れ、5
時間加水分解を行う。内容物を放冷し、メンブランフィ
ルターを用いて吸引過する。ビーカーおよびフィルタ
ーを少量の蒸溜水で洗浄し、液と洗浄液を合せた液を
塩酸で活性化した陽イオン交換樹脂のアンバーライトIR
120(オルガノ(株)製)のカラムに流下させて酢酸を
遊離させ、酢酸酸性が認められなくなるまでカラムを洗
浄する。
この流出液を合わせた液の30mlをメチルレッドとブロ
モクレゾールグリーンの混合指示薬を用いて1/500規定
の水酸化ナトリウム溶液で滴定する。
この滴定に先だち、1/500規定の酢酸標準液を用いて
予め検量線を作成しておき、前記の滴定値からこの検量
線を用いて酢酸量を求める。
カーボンブラック1g当りのアセチル化反応官能基(AC
F)のミリ当量は次式で算出される。
ここで、fは酢酸標準液の力価である。
vi)オキシム化反応官能基量(OXF)の定量 1)オキシム化カーボンブラックの調製 約1.5gのカーボンブラックを入れた2本の三角フラス
コを用意し、一方のフラスコにはピリジン20mlに塩酸ヒ
ドロキシルアミン1gを溶かしたものを、他方のフラスコ
にはピリジン20mlを添加する。三角フラスコの上部に球
付冷却管を取付け、冷却管には塩化カルシウム管および
脱酸素装置を接続する。装置全体を窒素ガスを流しなが
ら置換し、窒素雰囲気とする。
フラスコを100℃に保ったオイルバスに入れ、この温
度で16時間反応させる。
反応終了後、反応物を冷却しながら3規定の塩酸500m
lを加え、過剰のヒドロキシルアミンを中和する。内容
物を吸引過してオキシム化カーボンブラックを分離
し、約300mlの蒸溜水で洗浄する。これをNo.5B紙上に
移し、さらに300mlの蒸溜水で洗浄する。
洗浄後のオキシム化カーボンブラックを105℃に保っ
た乾燥器中に入れ、恒量となるまで乾燥してオキシム化
カーボンブラックを調製する(同様の操作をブランクで
も行う)。
2)窒素量の定量 定量用サンプルの調製 オキシム化カーボンブラックとコントロールカーボン
ブラックの約0.2gを精秤し、セミ・ミクロケルダール分
解ビンに入れる。それぞれに硫酸カルシウム2.6g、酸化
第2水銀0.02gを入れ、最後に濃硫酸4mlを加える。
分解ビンをセミ・ミクロケルダール分解装置に取付
け、排ガス吸引アスピレーターの水道水を流してガスに
点火する。炎の強さは初めは弱くして分解ビンの内容物
が沸騰しない程度とし、分解ビンの白煙の発生が少なく
なったら徐々に強くしていき、沸騰する程度まで火を強
める。
分解ビンの内容が完全に透明になってからさらに1時
間強熱する。火を止めて室温まで放冷後分解装置からビ
ンをはずし、約10mlの蒸溜水を少量ずつ加える。内容物
をセミ・ミクロケルダール窒素蒸溜装置のサンプルフラ
スコに入れ、少量の水で数回洗いながら加える。
窒素量の定量 サンプルフラスコを蒸溜装置に取付け、蒸溜装置の球
付冷却管の出口に2%ホウ酸溶液5mlを入れたビーカー
を接続する。
蒸溜装置のアルカリ注入口から、水酸化ナトリウム・
チオ硫酸ナトリウム(50%・5%)溶液25mlを注入し、
注入口と蒸気口を閉じて9分間蒸溜を行う。
アンモニアが溶解した2%ホウ酸液を1/100規定の塩
酸により滴定する。
窒素量既知の硫酸アンモニウム溶液を用い、上述の操
作を行って検量線を作成し、サンプルの滴定量と検量線
から窒素のミリ当量を求め、カーボンブラック1g当りの
オキシム化反応官能基(OXF)のミリ当量を算出する。
〔実施例〕 以下に本発明カーボンブラックの実施例を示し、本発
明をさらに詳しく説明する。
製造例 本発明に係るカーボンブラックの製造例について、添
付図に基づいて説明する。
添付の第2図は、本発明のカーボンブラックの製造に
使用される一例の製造炉の縦断正面図であり、第3図は
第2図のA−A矢視における縦断正面図、第4図はB−
B矢視における縦断正面図である。
円筒状の燃焼室2(内径325mmφ、長さ550mm)と前記
燃焼室2の前半部に設置された接線方向位置に中心を有
する2個の第1の空気導入管5,5′(内径115mmφ、燃料
も導入可能)および前記の第1の導入管とは独立した6
個の放射状の第2の燃料導入管6,6′,7,7′,8,8′(内
径23mmφ)と、前記燃焼室2に同軸的に連結した最狭部
径80mmφ、長さ150mmのベンチュリ部3と、前記ベンチ
ュリ部3の最上流端より80mm下流に放射状に設けられた
4個の原料油導入管(内径10mmφ)10,10′,11,11′
と、前記ベンチュリ部3に同軸的に連結した反応継続兼
冷却室4(内径160mmφ、長さ2000mm)と、前記反応継
続兼冷却室4の最下流端より挿入された噴霧位置が調節
可能な冷却水導入管12(内径10mmφ)と、前記反応継続
兼冷却室4後端部90゜の角度で連結された煙道13とから
なる全体が耐火物で被覆されたカーボンブラック製造炉
1を用いた。
この製造炉1は特願昭63−107322号(出願人:旭カー
ボン(株))に記載された装置とほぼ同じであるが、先
願とはその操業条件において第1原料油導入管を使用し
ないこと、および酸化性雰囲気となりにくくするために
空気に対する燃料ガスの導入量を先願よりも3〜10%増
加させた点で異なっている。
第1、第2の導入管からの空気および燃料ガス(液化
石油ガス)の供給条件、原料油導入管からの原料油の供
給条件、原料油導入のときの導入圧力条件および冷却水
導入管の位置の選択により比表面積、表面化学性状の異
ったカーボンブラックを得、また24M4DBPAは当業者には
周知の手段であるアルカリ金属触媒の使用により所望の
値に制御したカーボンブラックを得た。
本発明にかかる粉末状態のカーボンブラックは、カー
ボンブラック製造工程のうち、反応炉から造粒機の入口
の間のどの部分からでも得ることができるが、本実施列
においては造粒機の入口部分から採取した。
使用原料の物理化学特性は第2表に、製造条件ならび
に得られたカーボンブラック粉末の物理化学特性(第1
表に示したカーボンブラックを含む)を第3表にとりま
とめて示した。また、得られたカーボンブラック粉末の
ゴム配合特性を評価するためのゴム配合条件を第4表
に、配合ゴム特性を第5表にそれぞれとりまとめて示し
た。なお、カーボンブラック粉末をゴムに配合するにあ
たり、粉末状態のカーボンブラックは予め嵩密度を0.1g
/cc程度に上げて、ゴムへの混練性を改良した。嵩密度
の上昇は、粉末状カーボンブラックを布袋に入れて一定
時間重りを載せて放置する方法で行った。
ゴム特性試験条件 (1)配合物加硫条件:145℃、30分 (2)耐摩耗試験 :ランボーン摩耗試験機を用いて
スリップ率60%で測定し、耐摩耗指数を下式により求め
る。
耐摩耗指数=(S/T)×100(%) ここでS:RunNo.6配合試験片の容積損失 T:供試試験片の容積損失 (3)tan δ :岩本製作所製 粘弾性スペクト
ロメーター(型式VES−F−III)を用いて、下記条件で
測定する。
周波数 :50Hz 動的歪率:±1% 測定温度:25±1℃ 初期荷重:160g重 〔効果〕 第3表および第5表でのカーボンブラックのうち、Ru
n No.1〜5および8〜9は本願発明に係るカーボンブラ
ックであり、Run No.6は通常の湿式造粒による造粒品、
Run No.7および10は粉末ではあるが表面官能基量の関係
が本願発明の範囲を外れた例である。
実施例1は、望ましい特性であるpHとTAの関係におい
て外れた例である。
Run No.6とRun No.7は造粒品と粉末品の差であるが、
耐摩耗性で若干の改良がみられるが、tanδ(数値が小
さいほど特性良好)はほとんど改善されていない。これ
に対して、ほぼ同等のN2SAおよび24M4DBPAを有するRun
No.4および5では耐摩耗性が大幅に改良され、これと同
時にtanδでも大きく改善されていることが明らかであ
る。
Run No.3では24M4DBPAが下限に近く、このために耐摩
耗性の低下傾向がみられるので、24M4DBPAは80ml/100g
を限度とする。
Run No.9も実施例であるが、N2SA増大の割合には耐摩
耗性での改良があまり認められず、したがって本発明で
はN2の上限を250m2/gとする。
また、Run No.1と2ではtanδは同じであるが、Run N
o.1では耐摩耗特性において若干低下する傾向がみられ
るので、pHとTAは本発明の関係を満足しているのが望ま
しい。
以上の解析から明らかなとおり、本発明のカーボンブ
ラック粉末は高い比表面積をもつにもかかわらず、分散
性、補強性にすぐれ、動的粘弾性特性すなわちtanδを
低くおさえることに成功したものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は耐摩耗性指数と動的粘弾性特性(tanδ)の関
係を示したものである。第2図は本発明カーボンブラッ
クの製造に好適な装置の縦断正面図であり、第3図は第
2図のA−A矢視における縦断正面図、第4図はB−B
矢視における縦断正面図である。 2……燃焼室、4……反応継続兼冷却室 5,5′……空気導入管 6,6′,7,7′,8,8′……燃料導入管 10,10′,11,11′……原料油導入管 12……冷却水導入管、13……煙道
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−275643(JP,A) 特開 昭63−297439(JP,A) 特開 平1−278573(JP,A) 特開 平3−199246(JP,A) 特開 平3−121165(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09C 1/46 - 1/60 C08K 3/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】窒素吸着比表面積(N2SA)が125〜250m2/
    g、圧縮DBP吸油量(24M4DBPA)が80〜140ml/100gの範囲
    にあるカーボンブラック粉末であって、該カーボンブラ
    ックの表面官能基のうち無水酢酸とアセチル化反応する
    官能基量(ACF)と、ヒドロキシルアミンと反応してオ
    キシムを生成する官能基量(OXF)とが式(1)により
    算出される関係値を満足することを特徴とするゴム補強
    用カーボンブラック粉末。 ACF≧0.125+2×OXF ……(1) (ここで、ACFは0.244〜0.327ミリ当量/g、OXFは0.039
    〜0.084ミリ当量/gの範囲の官能基量を示す。)
  2. 【請求項2】カーボンブラック懸濁水スラリーの水素イ
    オン濃度(pH)と水酸化ナトリウム水溶液との中和反応
    より求められる全酸性度(TA)とが式(2)により算出
    される関係値を満足する請求項1記載のカーボンブラッ
    ク粉末。 (pH)≧4.5+100×(TA) ……(2) ここでTAはカーボンブラック1g当りのミリ当量(meq/
    g)を表わす。
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