JP2944823B2 - β−ガラクトシダーゼのオメガー領域を用いる酵素相補アッセイの方法及び組成物 - Google Patents

β−ガラクトシダーゼのオメガー領域を用いる酵素相補アッセイの方法及び組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は酵素標識化試薬及び分析
物の存在を指標するマーカーとして酵素活性を利用する
アッセイに関し、そして特にβ−ガラクトシダーゼを利
用する酵素相補アッセイによる分析物の定量及び定性分
析のための改良された方法及び新規組成物に関連する。
【0002】
【従来の技術】酵素β−ガラクトシダーゼは長い間酵素
結合免疫収着アッセイ (ELISA)(Engrallと Perlman, 19
71, Immunochemistry :871) 及び均一系基質標識化
アッセイ(Burd ら, 1977, Clin. Chem. 23:1402)におい
て広範囲にわたる利用が見い出されている。更に、β−
ガラクトシダーゼは広範囲にわたるDNAクローニング
及びDNAシーケンシングについての遺伝子システムの
基礎を成す(Messing, 1983, Methods of Enzymology 10
1 :20)。
【0003】β−ガラクトシダーゼは約540,000
ダルトンの分子量(MW)を有す四量体タンパク質であ
る。この四つの同一のモノマーは1023個のアミノ酸
より成り、それぞれは116,000ダルトンのMWを
有す。図1に示すこのモノマータンパク質は3つの領
域、即ち、(1)N−末端付近のセグメント(α−領
域)、(2)中間領域、及び(3)C末端末梢領域(ω
−領域)に分割される。
【0004】適当なβ−ガラクトシダーゼ陰性突然変異
体の抽出物に加えた場合に酵素活性を相補する又は自発
的に回復せしめるβ−ガラクトシダーゼ由来の突然変異
ポリペプチドが知られている。この現象はシストロン内
相補として知られている。相補がα領域における削除又
は鎖の干渉を含む場合、この方法はα−相補と称され
る。α−相補の例はM15/CNBr2相補システムに
より提供される。M15突然変異ポリペプチドはβ−ガ
ラクトシダーゼの11〜41のアミノ酸を欠損し、そし
て酵素的に不活性な二量体として溶液中に存在する。シ
アン化臭素切断によるβ−ガラクトシダーゼ由来のポリ
ペプチドは、アミノ酸3−92より成るCNBr2ペプ
チド(CNBr2)と称される。CNBr2を二量体M
15と混ぜた場合、完全な酵素活性を有するβ−ガラク
トシダーゼ四量体の自発的再構成を促進せしめる (Lang
ley とZabin, 1976, Biochemistry 15:4866)。従って
このM15ペプチドはα−アセプター(受容体)とし
て、そしてCNBr2はα−ドナー(供与体)として知
られる。
【0005】これはよく研究されている相補システムの
代表であるが、CNBr2はM112二量体(β−ガラ
クトシダーゼ内のアミノ酸23−31の欠損したもの)
のためのα−ドナーとしても働くことができる (Lin, V
illarejoと Zabin, 1970, Biochem. Biophys. Res. Com
mon. 40:249; Celedaと Zabin, 1977, Biochem, 18:4
04; Welphy, Fowlerと Zabin, 1981, J. Biol. Chem.
256:6804; Langley ら, 1975, Proc. Natl. Acad. Sci.
USA 72:1254)。CNBr2によるM15の相補の例に
おいて、アミノ酸配列3−10及び42−96は両方と
も酵素的に不活性な複合体の中に二重に存在している。
【0006】シストロン内相補はβ−ガラクトシダーゼ
のC−末端側(ω−領域)でも起こる。カルボキシル末
端領域におけるβ−ガラクトシダーゼの相補に関する構
造研究を詳細する初期の出版物は、M. E. Goldberg, Th
e Lactose Operon, Cold Spring Harbor Laboratory, 1
970 である。最も広く研究されている例は、X90−ア
セプターペプチドであって最後の10個のアミノ酸、1
013−1023を欠失しているものである。このX9
0ペプチドは単量体として存在し、そしてアミノ酸99
0−1023より成るβ−ガラクトシダーゼのシアン化
臭素消化生成物CNBr24により相補されて酵素的に
活性な四量体を再形成することができる(Welphyら, 198
0, Biochem. Biophys. Res. Common. 93:223) 。
【0007】本発明者の研究室から相補アッセイに関す
る多数の特許出願及び特許が出されている。β−ガラク
トシダーゼ酵素ドナー及びアセプターに関連するこれら
の出願は、現在放棄されている1984年10月29日
出願の米国出願第666,080号;1985年4月8
日出願の米国出願第721,267号、現在米国特許第
4,708,829号;現在係属中の1985年10月
22日出願の米国出願第788,370号;現在係属中
の1989年5月5日出願の米国出願第347,679
号;現在係属中の1989年9月22日出願の米国出願
第410,996号;及び米国を指定している国際PC
T出願として現在係属中の1990年5月4日出願のP
CT出願PCT/US90/02491号である。これ
ら全ての特許及び特許出願は本明細書に参考文献として
組入れる。特に初めのいくつかの特許及び出願はベータ
ーガラクトシダーゼ酵素の完全な遺伝子及びアミノ酸配
列を開示している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は高感度(例え
ば10-15 M)な、高及び低分子量両方(例えば150
−300,000ダルトンのMW)の分析物の定量分析
のための、β−ガラクトシダーゼのω−領域における変
異体を用いる酵素相補性アッセイのための改善された方
法及び新規組成物を提供する。このアッセイは、「オメ
ガー−相補」を基礎とするOPRAアッセイと総称す
る。しかしながら、これらは以前から知られている、β
−ガラクトシダーゼのオメガー−領域を用いた詳細され
ている相補アッセイと混同してはならず、なぜなら従来
のアッセイはオメガー−領域の異なる部分を利用してい
るからである。
【0009】オメガー相補は、その他のβ−ガラクトシ
ダーゼ変異体に関して従来行なわれていたのと類似の状
態において活性β−ガラクトシダーゼへと再集成される
ことを含む。前記した通り、ほとんどの従来のβ−ガラ
クトシダーゼ相補アッセイはβ−ガラクトシダーゼのα
−領域における切断により形成されるポリペプチドの再
集成を含む(完全に相補的なものの他にいくつかのフラ
グメントは重複している);このような再集成はα−相
補と称される。他方、オメガー相補はβ−ガラクトシダ
ーゼのカルボキシル末端の再集成を含む。この2種の相
補性ポリペプチドフラグメントはオメガードナー及びオ
メガーアセプター分子として知られている。本明細書に
用いる「ドナー」分子は、大きめの「アセプター」分子
に結合する、2種の分子のうちの小さい方である。この
オメガー分子は、それがβ−ガラクトシダーゼの約1/
3であり、且つそのカルボキシル末端側を含む場合に特
に有効であることが分った。このオメガー−アセプター
はβ−ガラクトシダーゼの残りの2/3を含み、そして
いくつかの重複部分が考えられる。β−ガラクトシダー
ゼのオメガー−末端側に相補性のフラグメントを用いる
ことにより、低濃度の分析物を測定することができる多
数の有用な特性を有する診断アッセイが得られる。例え
ば、オメガー−ドナー分子は安定な、インタクトβ−ガ
ラクトシダーゼ分子のドメインの構造に近い又は同一の
折りたたみ構造を有する。この特徴は構造変化に結びつ
く遅延期を伴わない、相補性分子の速い反応速度相互作
用を可能とする。オメガー−ドナー構造の安定性は、そ
の相補性分子(オメガー−アセプター)の共抽出及びそ
の後の除去を必要とせずにこの分子を完全に精製するこ
とを可能とする。このことは、α−相補に利用するドナ
ー分子に比べて、このドナー分子の効率の高められた生
産を可能にする。本発明のオメガー−ドナー分子は更に
溶液中においてその構造を保持し、従って試薬の安定度
に伴う問題を最小にする。この問題は安定剤の適切な利
用により解決することができたが、α−相補の困難さ及
び価格を高めた。
【0010】オメガー相補の特に有用な特性は、アミノ
末端側における類似の変化と比較した、初期構造変化に
対するβ−ガラクトシダーゼのカルボキシル末端側の高
い感受性に由来する。立体的阻害もカルボキシル末端に
おいてより顕著に現れる。このような特性はオメガー領
域を含むアッセイにおける相補のより迅速且つより完全
な阻害を可能とする。従って、オメガー−相補を利用す
るアッセイはα−相補と比べてより低いノイズに対する
シグナルの比及び高められた感度を有する。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に従い、オメガー
−相補に有用なポリペプチドは組換DNA技術により、
又は化学的ポリペプチド合成技術により作られる。本明
細書に用いる語「ポリペプチド」はペプチド及びタンパ
ク質を含む。該ポリペプチド自体は酵素的に不活性であ
る。しかしながら、水性媒体中で互いに反応し合うと、
それらは結合して相補することによって触媒的に活性な
酵素を形成する。β−ガラクトシダーゼは診断アッセイ
における利用のために特に好ましい酵素であり、その理
由はこれは分光光度測定法及び蛍光光度測定法を用いて
検出可能な複数の基質を有し、これは従来のイムノアッ
セイにおいて有用性が示され、これは非常に低い濃度で
測定され、そして一般的によく特徴付けられているから
である。有意でないバックグランド活性を示す成分由来
の酵素活性を生じせしめることにより、高いノイズに対
するシグナルの比が得られる。
【0012】本発明の改良アッセイにおいて用いる新規
ポリペプチドは、(a)分析物がポリペプチドに融合し
ている融合タンパク質(これは該分析物及びポリペプチ
ドをコードする配列を含む組換遺伝子の生成物でありう
る);(b)該分析物との最適な結合のために遺伝子操
作されているポリペプチド;(c)該分析物との最適な
結合のために化学的に合成されているポリペプチド;並
びに(d)酸化、熱、pH、酵素分解等のような環境因子
に対する改善された安定性のために遺伝子操作されてい
る又は化学合成されているポリペプチド、を含む。
【0013】従って本方法は、適正なポリペプチドであ
って、(1)相補ができ、(2)それらの再会合の平衡
定数を系統的に調整でき、(3)特異的な結合性タンパ
ク質と相互作用でき、そして(4)特異的な結合性タン
パク質と相互作用することによってβ−ガラクトシダー
ゼの活性特性を有す活性酵素の形成をコントロールでき
るようなポリペプチドを提供せしめる組換DNA技術又
は化学的ポリペプチド合成技術の利用に基づくイムノア
ッセイの作成について説明する。
【0014】本発明の遺伝子操作された又は化学合成さ
れたポリペプチドは、β−ガラクトシダーゼを利用する
従来のオメガー−及びα−相補システムを含む、その他
の相補性酵素システムより明らかなる利点を提供する。
組換DNA技術により作られるポリペプチドは低価格で
大量に生産でき、容易に均一なものへと精製でき、そし
て任意のサイズ及び配列において作られうる。化学合成
ポリペプチド、特にアミノ酸の長さにおいて比較的小さ
いものは、無限の配列多様性において大量生産されう
る。いづれの製造技術も、改善されたカップリング化
学、酵素反応の反応速度、酵素アッセイの感度及び/又
は安定度をもたらすアミノ酸配列の操作を提供する。
【0015】本発明は、本発明の方法に従うアッセイの
実施のためのキットも含む。
【0016】本発明は、組換DNA技術又は化学ポリペ
プチド合成技術を利用して製造する酵素的に不活性な
(複数の)ポリペプチドであって、水性媒体中で一緒に
インキュベートする際に相補のプロセスによって活性な
β−ガラクトシダーゼ酵素複合体を形成するポリペプチ
ドを採用する、種々の分析物についての改良されたアッ
セイを含んで成る。特にこの技術は、β−ガラクトシダ
ーゼの初期構造におけるオメガー−領域における分断に
より形成される、β−ガラクトシダーゼ分子全体のうち
の2種のポリペプチドフラグメント間のβ−ガラクトシ
ダーゼのオメガー−領域における相補を含む。ある場合
において、この2種のフラグメントは厳密に相補性であ
って、ギャップ又は重複を伴うことのない完全なβ−ガ
ラクトシダーゼアミノ酸配列を形成するものである必要
はない。得られるフラグメントが活性なβ−ガラクトシ
ダーゼ分子へと会合できるならばギャップ及び重複の両
方の存在は可能である。この2種のポリペプチドは
(1)オメガーアセプターそして(2)オメガードナー
と称する。前記した通り、このアセプター分子はこの2
種のフラグメントのうちの大きい方であり、そして通常
天然又は改質した全長β−ガラクトシダーゼのアミノ酸
配列の約2/3を含む。このドナー分子は小さい方のフ
ラグメントであり、該アミノ酸配列の残りの(およそ)
1/3を含む。このドナー分子はβ−ガラクトシダーゼ
分子のC末端側に由来する。
【0017】一般に、このアセプター分子は長さにおい
て600〜1012個のアミノ酸、より好ましくは長さ
において700〜850個のアミノ酸のアミノ酸配列を
有するポリペプチドであろう。これはβ−ガラクトシダ
ーゼのアミノ末端側のアミノ酸配列と実質的に同一であ
る(即ち、β−ガラクトシダーゼを通常に番号付けした
場合にアミノ酸1からX;ここでXはポリペプチドの長
さである)。β−ガラクトシダーゼはあらゆる起源に由
来することができるが、細菌起源、特にE.コリ(E. C
oli )が好ましい。その他の起源には種々のバチルス
(Bacillus)の株が含まれる。熱安定性β−ガラクトシ
ダーゼはストレプトマイシス コエリカラーStreptom
yces coelicolor)及び種々のサーマス属(Thermas
の株から得られる。本明細書に記載の操作のためのβ−
ガラクトシダーゼを生産できる多数の細菌株(従ってβ
−ガラクトシダーゼをコード化する遺伝情報を含むも
の)は寄託所、例えばアメリカンタイプカルチャーコレ
クション、Rockville MD, USA より公共的に入手でき
る。このドナー分子は長さにおいて10(好ましくは1
2)〜500個のアミノ酸、好ましくは長さにおいて3
00〜450個のアミノ酸のアミノ酸配列を有するポリ
ペプチドであろう。これはβ−ガラクトシダーゼのカル
ボキシル末端側のアミノ酸配列と実質的に同一である
(即ち、アミノ酸yから1023;ここでyは該β−ガ
ラクトシダーゼ配列における第1のアミノ酸の位置であ
る)。
【0018】定義により、β−ガラクトシダーゼの末端
配列(いづれかの末端)と「実質的に同一」なポリペプ
チドは、天然の末端アミノ酸から始まり、そして指定す
るアミノ酸の数に関して欠失、挿入又は天然の配列の変
更を伴わずに続く配列を含むが、それに限定されない。
このような未改質配列を「同一」配列と称し、そしてこ
のようなものが好ましい。「実質的に同一」な配列にお
いて見られる典型的な改質は、1個のアミノ酸の他のも
のによる置換(通常はアッセイの他の成分の結合のため
の官能基の付与のために行う:下記参照)、天然のアミ
ノ酸の修飾(例えば酸化又はその他の工程を介する架橋
を防ぐためのスルフヒドリル基のキャッピング)、欠失
及び挿入を含む。β−ガラクトシダーゼ配列の最末端の
欠失以外(即ち、非相補性末端と称する、該アセプター
分子に関するアミノ末端及び該ドナー分子に関するカル
ボキシル末端)、ドナー又はアセプター分子の天然配列
の変更は20個のアミノ酸以下迄(欠失、挿入、置換及
び修飾の全て)、より好ましくは12個のアミノ酸以下
迄、更に好ましくは7個のアミノ酸以下迄、最も好まし
くは3個以下のアミノ酸に限定することが好ましい。該
非相補性末端からの欠失は好ましくは12個以下のアミ
ノ酸、より好ましくは5個以下のアミノ酸に限定され
る。
【0019】ポリペプチドフラグメントの長さに関して
の「約」は、好ましくは(指定するアミノ酸残基数の)
10%の以内、更に好ましくは2%以内を意味する。例
えば「約300個のアミノ酸」の配列は好ましくはその
長さにおいて270〜300個のアミノ酸、より好まし
くはその長さにおいて285〜315個のアミノ酸、更
により好ましくはその長さにおいて294〜306個の
アミノ酸である。「約」は長さにおいて少なくとも1個
のアミノ酸の相違の可能性(短いポリペプチドでさえ
も)を含む。「約」特定の長さと示す配列は好ましくは
丁度その指定する長さのものである。
【0020】この2種の相補性のフラグメントは最大3
00個迄、好ましくは200個以下のアミノ酸が相補が
起こる際に重複する重複領域を含みうる。β−ガラクト
シダーゼのギャップは相補に基づいて起こることができ
うるが、好ましくない。
【0021】どのような天然(即ち「同一」)のドナー
もしくはアセプター配列からの特定の改質、又はどのよ
うなギャップもしくは重複を伴う相補性分子が有効であ
りうるかは、試験分子として所望の改質を調製し、そし
てこの試験分子を相補性のドナー又はアセプターと結合
せしめることによって容易に試験できる。β−ガラクト
シダーゼ活性の測定は、任意の特定改質又は組合せの有
効性におけるデーターを容易に提供する。天然のβ−ガ
ラクトシダーゼの活性に等しいそれは必ずしも必要では
なく、なぜならオメガー相補アッセイは本明細書に記載
の通りのその他の利点を提供するからである。しかしな
がら、相補に基づいて高い活性を達成せしめる改質及び
組合せは、より低い活性を示す改質及び組合せよりも通
常好ましい。
【0022】β−ガラクトシダーゼのカルボキシル末端
から数えて約378個迄のアミノ酸を含んで成るドナー
ポリペプチドが特に好ましい。アセプターポリペプチド
はβ−ガラクトシダーゼのアミノ末端から約787個迄
のアミノ酸を含んで成ることが好ましい。
【0023】本発明の方法に従い、相補のために必要な
一方又は両方のポリペプチドを製造するために組換DN
A技術が利用できうる。DNA合成技術は種々の長さの
ポリペプチドをコードする遺伝子配列の製造のために利
用される。オメガードナー及びオメガーアセプターはこ
の技術によって製造されうる。化学ポリペプチド合成技
術は一般にアミノ酸の長さにおいて比較的短いポリペプ
チドの製造に利用される。このため、化学的技術(を用
いる場合)はβ−ガラクトシダーゼのドナー分子の合成
により適しており、その理由はこのドナー分子はアセプ
ターに比べてアミノ酸配列において一般に短いからであ
る。もちろん、これは機能的アセプターがペプチド合成
技術によって作られることができないことを意味するも
のではない。
【0024】本明細書で定義する通り、オメガーアセプ
ター分子(時折アセプターフラグメントと称する)は、
β−ガラクトシダーゼ遺伝子の欠失突然変異体により作
られる酵素的に不活性なポリペプチドであって、オメガ
ードナーと結合する際に相補のプロセスによってβ−ガ
ラクトシダーゼを形成せしめることができるものであ
る。ここで作製される全てのオメガーリセプターは、β
−ガラクトシダーゼタンパク質のC末端側をコードする
β−ガラクトシダーゼ遺伝子のオメガー領域における欠
損を伴って作製されるポリペプチドである。これらのオ
メガーアセプターのいくつかは、より高い安定性又はよ
り容易なる分析類似体との結合を提供するためにその初
期配列におけるアミノ酸残基の改質を介して更に操作さ
れている。
【0025】本明細書に定義の通り、ドナー分子(又は
フラグメント)は以下の2種のドメインを含んで成る酵
素的に不活性なポリペプチドである:即ち、(a)活性
酵素を形成するためにアセプターと結合することができ
るアミノ酸配列を含むオメガー−ドナードメイン、及び
(b)分析物−結合性タンパク質と相互作用することが
できる分析物ドメインを含んで成る。該分析物ドメイン
は(1)種々の分析物もしくは分析物類似体への結合を
介して目的を達成できる分析物−カップリングドメイ
ン、又は(2)それ自体が分析物類似体として機能する
タンパク質ドメインのいづれかでありうる。実際に、こ
のドナードメイン及び分析物ドメインは参照し易いよう
に表示した完全なドナーポリペプチドの領域にすぎない
ことが当業者により理解されるであろう。この分析物ド
メインは、この分析物が結合している又は分析物類似体
として機能する該ドナー分子の領域(ここでドナードメ
インは該ドナー分子の残りを占める)、特に相補に不可
欠な部分を称する。
【0026】本明細書に定義の通り、分析物−カップリ
ングドメインは、分析物の結合する箇所にてβ−ガラク
トシダーゼにおける天然のアミノ酸配列、又は分析物の
共有結合のための常用の部位を提供せしめるためにポリ
ペプチドに挿入されているもしくは置換されているアミ
ノ酸のいづれかを含んで成る。この化学結合部位は通常
シスチンもしくはリジン残基に結合しているスルフヒド
リル基又はアミノ基であるが、しかしこれは(a)相補
のプロセス又は(b)分析物と分析物−結合性タンパク
質との相互作用を干渉することなく該分析物と結合でき
うるあらゆるアミノ酸の任意の適当なる化学反応基であ
りうる。この化学反応基の位置は本アッセイの立体障害
条件を満足せしめるために変更することができる。
【0027】本明細書に定義の通り、タンパク質ドメイ
ンはタンパク質抗原又は抗原(エピトープ)の免疫反応
基であって、該ドナー分子の主たるアミノ酸配列の一部
として通常カルボキシル末端にてアミド結合により共有
結合しているものを含んで成る。例えば抗原、例えば腫
瘍、細菌、菌類、ウィルス、寄生虫、マイクロプラズ
マ、組織適合、分化及びその他の細胞膜抗原、病原体の
表層抗原、毒素、アレルゲン、薬剤並びにその他の生物
学的に活性な分子であってゴナドトロピンホルモン、フ
ェリチンを含むがそれらに限定されないもの、又は分析
物に相当するもしくは類似するその他の任意の抗原性分
子が考えられる。当業者により理解される通り、分析物
ドメインがタンパク質ドメインであるドナー分子も「融
合タンパク質」と称する。本明細書で用いる「融合タン
パク質」なる語は、オメガー−ドナードメイン及びタン
パク質抗原の免疫反応性エピトープに特異的なタンパク
質ドメインを含んで成る酵素ドナーのそれに用いられて
いる。もちろんこれは抗体以外の分析物結合性タンパク
質と相互作用できる非免疫反応性タンパク質又はそのフ
ラグメントを含んで成るタンパク質ドメインであること
も考えられる。融合タンパク質のタンパク質ドメイン
は、該分析物ドメインが分析物−カップリングドメイン
である場合に必要とされる、分析物の該分析物ドメイン
への共有結合を必要としない。その理由は、融合タンパ
ク質のタンパク質ドメイン領域は本質的に、分析物−結
合性タンパク質に対して遊離分析物と競合することがで
きる分析物(又は少なくともそれに近い類似体)である
からである。
【0028】媒体のサンプルに含まれる分析物について
の任意の酵素活性において、このアッセイ混合物中の試
薬として含まれる分析物−結合性分子(一般にはタンパ
ク質である必要はない)は該分析物及びこのオメガード
ナーの分析物ドメインの部分として結合又は融合してい
る該分析物の両者に競合的に相互作用又は結合しなくて
はならない。この分析物−結合性分子と、該オメガード
ナーに結合又は融合している分析物(以降「オメガー−
ドナーコンジュゲート」と称する)との相互作用は、オ
メガードナーとオメガーアセプターの相補のプロセスを
阻害しなくてはならない。本明細書に定義の通り、分析
物−結合性タンパク質は、常用のポリクローナル及びモ
ノクローナル抗体(並びにそのフラグメント)を含む特
異的抗体分子、リセプター、輸送たんぱく質、レクチン
並びにその他結合性タンパク質であってアビジン及びチ
ロキシン結合性グロブリンを含むがそれらに限定されな
いものを含む。本明細書に定義の通り、この広義の語、
分析物−結合性タンパク質は、タンパク質性物質例えば
糖タンパク質及びリポタンパク質、並びに非タンパク質
性物質例えば炭水化物(例えばレクチンが分析物である
場合のこのレクチンに結合するもの)及び核酸(例えば
ハイブリダイゼーションアッセイにおけるように、標的
核酸と結合するもの)を包含する。ほとんどアッセイに
おいてタンパク質が一般に分析物−結合性分子として利
用されるため、本明細書の以降に語句「分析物結合性タ
ンパク質」を利用するが、非タンパク質性結合性分子も
適当な場合に利用できることが理解されるであろう。
【0029】本発明の酵素アッセイ法は競合結合性メカ
ニズムに基づく。本発明に従い、対象の結合又は融合し
ている分析物(もしくは類似の分析物誘導体)を含んで
成る既知量のβ−ガラクトシダーゼシステムのオメガー
−酵素ドナー(即ち、オメガー−ドナーコンジュゲー
ト)を、既知量の特異的な分析物−結合性タンパク質又
はその他の結合性分子及び該オメガー−酵素ドナーと相
補できる既知量のオメガー−アセプターと混合せしめ
る。該オメガー−ドナーコンジュゲートの分析物ドメイ
ンとサンプル中の未知の遊離分析物との、既知量の特異
的分析物−結合性タンパク質に対する競合は、該オメガ
ー−ドナーコンジュゲートが遊離したままとなることを
可能とし、従ってこれはオメガーアセプターと結合しう
る。オメガー−ドナーコンジュゲートとオメガーアセプ
ターの会合は触媒的に活性な酵素複合体の形成をもたら
し、これによって該サンプル中の検出可能なβ−ガラク
トシダーゼ酵素活性の値は変化する。この結果、このサ
ンプル中の遊離分析物の量は測定可能な酵素活性の一次
関数として測定される。酵素活性は分光光度測定法及び
蛍光光度測定法を含むがそれらに限定されないあらゆる
種々の技術による、該酵素の触媒反応による基質変換の
レートもモニターすることによって測定される。
【0030】本アッセイの競合反応は、分析物、オメガ
ー−ドナーコンジュゲート、オメガーアセプター、分析
物−結合性タンパク質及びβ−ガラクトシダーゼ酵素を
それぞれA,OD−A,OA,Abp及びEとして示す
以下の式で表わされる。結合複合体はX−Yで示す(結
合をX−Yで示している)。
【0031】
【数1】
【0032】式中:K2a及びK2bは、オメガー−ドナー
コンジュゲートと分析物−結合性タンパク質の会合及び
解離の定数を示す。
【0033】
【数2】
【0034】式中:K3a及びK3bは、オメガー−ドナー
コンジュゲートと酵素−アセプターポリペプチドの会合
及び解離の定数を示す。
【0035】オメガー−ドナーコンジュゲート(OD−
A)上の接近可能な決定基への該分析物−結合性タンパ
ク質(Abp)の結合は相補反応を阻害し、従ってオメ
ガーアセプターは不活性な二量体であり続ける。
【0036】従って、反応(2) OD−A+Abp→OD−A−Abp は、 OD−A+OA→E と競合する。
【0037】既知濃度のAbp,OD−A及びOAを用
いることにより、複合β−ガラクトシダーゼ〔E〕の活
性は、サンプル中の対象の遊離分析物の未知の濃度と正
比例するであろう。
【0038】常用の酵素アッセイと同様に、十分な感度
のため、オメガーアセプターを伴って分析物−結合性タ
ンパク質と結合するオメガー−ドナーコンジュゲートの
相補による活性酵素の形成は最小でなくてはならない。
言い換えるなら、以下の反応(4)及び(5)の両方は
最小又は全く進行しない必要がある。 (4)OD−A−Abp+OA→OD−A−Abp−OA
【0039】
【数3】
【0040】式中:OD−A,Abp及びOAは前記の
通り、そして基質及び活性酵素(E)により触媒される
反応の生成物はそれぞれS及びPである。
【0041】十分な感度を有する特定のアッセイをデザ
インするための有用な因子は、(1)オメガー−ドナー
コンジュゲートとオメガーアセプターの会合定数
(K3a);(2)特異的な分析物−結合性タンパク質の
濃度(〔Abp〕);(3)特異的な分析物−結合物タ
ンパク質とオメガー−ドナーコンジュゲートの会合定数
(K 2a);及びオメガーアセプターの濃度(〔EA〕)
の間の関係である。
【0042】本発明の酵素相補アッセイの成分は水性媒
体又は凍結乾燥形態のいづれかにおけるキットにおいて
パッケージ化されうる。各成分又は試薬は別々に、又は
アッセイの感度が変化せず且つ該成分が劣化しない限り
他の成分と一緒のいづれかにてパッケージ化されうる。
【0043】本発明の好ましい態様に従い、改良された
相補アッセイは組換DNA技術及び/又は化学ポリペプ
チド合成技術を利用することにより製造されるオメガー
ドナー及びオメガーリセプターの利用により成し遂げら
れ、ここでβ−ガラクトシダーゼの初期構造における分
断は従来利用しているα−ドメインの代りにオメガー−
ドメインにおいて行い、そしてβ−ガラクトシダーゼの
アミノ酸配列におけるその他の改質も行っている。この
ような技術は、適当な反応基、例えばアミノ、スルフヒ
ドリル、カルボキシル等を有すアミノ酸の挿入又は置換
を介してオメガードナーと分析物の共有結合のための改
善された化学手段を可能にする。このような技術は相補
性ポリペプチドのアミノ酸配列を系統的に決定すること
により、オメガーアセプターとオメガードナー間の会合
定数のより正確なコントロールを可能にする。更に、こ
のような技術は安価で信頼性のあるこのようなポリペプ
チドの起源をもたらす。
【0044】本発明の一つの態様に従い、オメガー−ド
ナードメイン及び分析物ドメインを有す酵素ドナーは、
分析物を分析物ドメインに結合させるための化学性を改
善せしめる組換DNA技術の利用により製造される。こ
れらのオメガードナーポリペプチドは、相補のために必
要なオメガー−ドナードメイン配列から種々の距離にて
分析物の共有結合のための常用の結合部位を提供する。
【0045】分析物−カップリングドメインを含む型の
オメガー−ドナーポリペプチドを得るため、β−ガラク
トシダーゼをコードする遺伝情報を含むプラスミドを、
種々の制限酵素を用いてβ−ガラクトシダーゼ遺伝子の
オメガー領域における異なる部位にて切断せしめること
ができる。このような遺伝子材料の多数の公共的に入手
できる起源は、例えばアメリカンタイプカルチャーコレ
クション、Rockville MD,USAの寄託機
関を介して入手できる。例えばATCC寄託番号963
7号、15223号、15224号、21666号、2
7737号及び31382号が含まれる。β−ガラクト
シダーゼをコードするプラスミド、プラスミド230の
詳細について図2を参照のこと。例えばp230(及び
その他の類似のβ−ガラクトシダーゼをコードするプラ
スミド)のBam及びSac部位での切断はβ−ガラク
トシダーゼのN−末端アミノ酸をコードするプラスミド
の部分を切り出す。次にこのBam及びSac切断部位
を、Bam及びSac末端を含む合成DNAリンカーを
用いて結合せしめることができる。得られる再リゲート
化プラスミドはβ−ガラクトシダーゼの1/3のカルボ
キシル末端側を含む。
【0046】更にプラスミドは、温度誘発性プロモータ
ー又はその他のタイプの誘発性プロモーターの制御コン
トロール下にあるオメガー−ドナー配列を位置せしめる
ために遺伝子操作されうる。このことは例えばλリプレ
ッサータンパク質(λCI遺伝子によりコードされる)
との組合せにおけるλPRプロモーターを用いることに
より成し遂げられうる。これは温度感受性であり、そし
てタンパク質発現の温度誘発を可能とする。このλ突然
変異遺伝子は温度感受性リプレッサータンパク質をコー
ドし、これは40℃以上の温度で不活性である。
【0047】本発明の他の態様に従い、オメガー−ドナ
ードメイン及び分析物−カップリングドメインを有する
酵素ドナーを、分析物の分析物ドメインへの結合のため
の化学性を高めるための化学的ポリペプチド合成技術の
利用により製造する。これらのオメガー−ドナーポリペ
プチドは、相補のために必要とされるオメガー−ドナー
ドメイン配列から種々の距離にて分析物の共有結合のた
めの常用の結合部位を提供する。化学ペプチド合成技術
は、オメガー−ドメイン及びタンパク質ドメインを含ん
で成る酵素ドナーを製造するためにも利用されうる。オ
メガー−ドナーペプチドは標準的な合成技術による自動
ペプチド合成装置において合成される。簡潔に述べる
と、所望するペプチドのカルボキシル化末端アミノ酸を
代表する保護アミノ酸を架橋化ポリスチレンビーズに結
合せしめる。この樹脂ビーズは固相として働き、これに
更なるアミノ酸が逐次的手段において結合しうる。この
ペプチドはカルボキシル末端からN−末端へと連続的に
鎖を成長せしめることによって作られる。この固相は過
剰の試薬の利用により100%の完了迄迅速に反応を促
進せしめる。この過剰量の試薬を次に容易に洗い流すこ
とができる。この合成段階が終了したら、このペプチド
を樹脂から取り出し、そして精製する。
【0048】本発明に従って製造されるオメガー−酵素
−ドナーポリペプチドは、N−末端から十分に離れてス
ルフヒドリル、アミノ又はカルボキシル基を提供するよ
うに遺伝子操作又は化学合成され、従ってこの分析物は
これらの基に、オメガー酵素ドナーがオメガー酵素アセ
プターと触媒的に活性な酵素複合体を形成せしめるよう
に複合する能力を妨害することなく、共有結合する。ス
ルフヒドリル及びアミノ基が好ましい。
【0049】遊離なスルフヒドリルが存在している場
合、これは該分析物上に存在している反応基と反応しう
る。このような反応基には、反応性ハロアルキル基及び
酸/ハロ基、p−マーキュリベンゾエート基並びにミハ
エル(Michael)型付加反応(例えばマレイミド
及び、MitralとLawton,1979,J.A
mer.Chem.Soc. 101:3097−31
10に詳細の型の基を含む)ができる基が含まれるが、
それらに限定はされない。本明細書で定義するハロアル
キルは、臭素、ヨウ素又は塩素により置換されている1
〜3個の炭素原子の任意のアルキル基を含んで成る。も
し該分析物が該オメガードナーの遊離スルフヒドリルと
結合するためのこのような反応基を保有しない場合、こ
のような反応基を含むように該分析物の誘導体を作るこ
とができる。
【0050】本発明の他の態様に従い、オメガー−酵素
ドナーポリペプチドを、このオメガー−ドナードメイン
をコードする遺伝子をアッセイすべきタンパク質分析物
(又はそのタンパク質)をコードする他の遺伝子とリゲ
ート又は融合することにより調製することができる。適
切な宿主細胞におけるリゲート化遺伝子の発現はオメガ
ーアセプターと相補でき且つ該分析物−結合性タンパク
質と特異的に結合することができる融合タンパク質生成
物をもたらす。従って、本発明の本態様に従って製造さ
れる融合タンパク質は2種のドメインを含んで成る:即
ち、(1)オメガー−ドメイン及び(2)タンパク質ド
メインであり、両方とも融合遺伝子によりコードされ
る。前記した通り、本発明に有用なタンパク質ドメイン
はタンパク質抗原の免疫反応性エピトープを含んで成
る。
【0051】融合タンパク質をコードする遺伝子を作製
するため、注目の該2種の遺伝子は、翻訳解読フレーム
が保持され且つターミネーションシグナルにより干渉さ
れないようにそれらのコード化配列は連結されねばなら
ない。更に、もしこの宿主細胞がリプレッサーを含む種
の場合、この融合タンパク質は誘発の抑制の不活性化に
対する応答においてのみ生産される。この融合タンパク
質はオメガーアセプターのインビボ(生体内)相補によ
り、相補活性について同定される。抗体とタンパク質ド
メインとの相互作用による免疫反応及び相補の免疫特異
的阻害に関する遺伝子作製体のスクリーニングはインビ
トロ(生体外)で成し遂げられる。
【0052】融合タンパク質は、免疫反応性ポリペプチ
ドがオメガー−ドナードメインのC末端に結合するよう
に通常作製する。該オメガー−ドメインと融合タンパク
質との間のスペーサー配列は、相補性を高めるため、又
は相補に基づく特異的結合性タンパク質による相互作用
の阻害効果を高めるために用いられうる。
【0053】更に、特定のタンパク質分析物全体をコー
ドする遺伝子の融合は必ずしも必要ではない。例えば、
近親しているヒト糖タンパク質ロイトロピン(黄体形成
ホルモン:LH)、フォリトロピン(卵胞刺激ホルモ
ン:FSH)、チロトロピン(甲状腺刺激ホルモン:T
SH)及びヒト絨毛膜ゴナドトロピン(hCG)はα及
びβ−サブユニットを含んで成る。これらのホルモン全
てのα−サブユニットは同一のものである。しかし各ケ
ースにおいてβ−サブユニットは相違し、そして各ホル
モンの固有な特異性及び生物活性を授ける。従って、こ
の類の特定のホルモンに特異的なイムノアッセイを作製
するためには、このβ−サブユニットのみをこのオメガ
ー−ドナードメイン配列に融合すればよい。
【0054】他方、該オメガー−ドナーコード化遺伝子
配列に融合しているタンパク質ドメインをコードする免
疫反応性配列は、固有の免疫反応性エピトープを示すこ
とができる。例えば、hCGのβ−サブユニットの固有
のカルボキシル末端側の30個のアミノ酸伸長(Bir
kenら、1982,Endocrinology11
:1555)は、hCGのアッセイにおけるタンパク
質ドメインとして利用できる。
【0055】他の例として、B型肝炎ウィルス表層抗原
全体の配列又はこの配列の小さな領域のみの配列を、B
型肝炎ウィルスに対する免疫反応性エピトープとして利
用できる(Lernereら、1981,Proc.N
atl.Acad.Sci.USA 78:340
3)。
【0056】前記した通り、オメガードナーとオメガー
アセプターポリペプチドとの間の会合定数は、任意の酵
素相補性アッセイシステムによる十分な感度を得るため
の重要な因子である。本発明の態様に従い、オメガード
ナーとオメガーアセプター間の会合定数を調整するため
に、酵素−ドナーオメガー−ドメイン(前記を参照)又
はオメガーアセプターのいづれかのアミノ酸配列を系統
的に変えることができる。
【0057】オメガードナーに対する変えられた親和性
を有するオメガーアセプターは、所望のアミノ酸配列を
保有するDNAを欠失作製及び直接合成し、その後天然
β−ガラクトシダーゼをコードするlacZ遺伝子のオ
メガー領域のDNA配列にフレーム内リゲートせしめる
ことを含むがそれに限定されない種々の組換DNA技術
を用いて作製されうる。
【0058】欠失作製によるオメガーアセプターの製造
に関する例示的な技術を以下に示す。非常に簡潔に述べ
ると、欠失作製技術全体は、特定の制限酵素に対する特
異的な部位をβ−ガラクトシダーゼZ遺伝子のオメガー
領域の中に導入し、その後部位特異的消化(例えばBa
31消化)によって所望のアミノ酸配列をコードする
遺伝子を提供せしめる。適切な制限酵素による消化の
後、有用なオメガーリセプターをインビトロでの相補能
力を利用して単離する。例えば相補性は、対象のオメガ
ードナー及びオメガーリセプターをコードする熱誘発性
遺伝子を保有するプラスミドの、株例えばAMA100
4(AMA1004はgalU,galK,Str
r hsd- leuB6,trpC,A(lac
IPOZ)C29(Casadabanら、198
3,Methods in Enzymology
00:293)への形質転換、そしてインデューサーイ
ソプロピルチオガラクトシド及び発色性基質5−ブロモ
−4−クロロ−3−インドリル−8−D−ガラクトピラ
ノシドを含むプレート上での選別によりスクリーンされ
うる。30℃にて白色であるが42℃にて青色を示すコ
ロニーは、有用なオメガーアセプターの作製を示唆す
る。次にこのオメガードナーDNA配列を制限酵素消化
によりこのプラスミドから取り出し、次いでこのプラス
ミドをリゲートせしめ、そしてAMA1004の中に形
質転換せしめる。次にオメガーアセプターポリペプチド
を精製する。
【0059】他方、該オメガーアセプターは任意の市販
されているDNA合成装置を用いるDNAの直接的な合
成により作られうる。所望する合成DNA配列を次にア
ニール化し、そして適切なプラスミドベクターの中にリ
ゲートせしめる。例えばプラスミドp151をSac
及びSalI制限酵素により消化する。
【0060】本発明の改良方法及び新規組成物は種々の
分析物、例えば薬剤及び薬剤代謝物、生物学的活性な分
子、ステロイド、ビタミン、工業汚染物、殺虫剤及びそ
の代謝物、食品添加物、除草剤及びその代謝物、風味剤
及び食品毒素、病原体及びそれらの生産する毒素、並び
にその他の対象の物質を含む種々の分析物の存在の検出
及び/又は定量に利用できる。比較的高分子量の分析
物、例えば約2,000ダルトンより大きい分子量を有
するタンパク質、同様に小さい分析物は、本発明の改良
アッセイ並びに組成物により検出及び/又は測定されう
る。以下に例示的であるが、それらに限定されることの
ない例を挙げる。
【0061】高分子量 癌胎児性抗原、フェリチン、ヒトT細胞白血病ウィル
ス、インスリン、α−フェトプロテイン、風疹ウィル
ス、ヘルペスウィルス、サイトメガロウィルス、卵胞刺
激ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、肝炎ウィルス、絨毛
膜ゴナドトロピン、黄体形成ホルモン、エストロゲンリ
セプター、甲状腺刺激ホルモンリセプター、ポリオウィ
ルスリセプター、インスリン輸送タンパク質、プロテイ
ンA、Con A レクチン、小麦胚芽凝集素レクチ
ン、分泌タンパク質、コレラ毒素、アビジン
【0062】低分子量 エストリオール、ジゴキシン、チロキシン、プロプラノ
ロール、メトトレキシエート、フェンシクリジン、メタ
ドン、モルフィン、ジアゼパム、オキサゼパム、キニジ
ン、プロポキシフェン、N−アセチルプロカインアミ
ド、セコバルビタール、トブラマイシン、ゲンタマイシ
ン、テオフィリン、アンフェタミン、ベンゾイルエクゴ
ニン、フェニトイン、プロカインアミド、リドカイン、
カルバマゼピン、ピリミデン、バルプロイン酸、フェノ
バルビタール、エトスクシニミド、ビオチン
【0063】本発明の酵素アッセイにおいて、サンプル
混合物中の未知量の分析物をβ−ガラクトシダーゼ酵素
の活性の一次関数として測定する。酵素活性は酵素触媒
反応の生成物の出現又は酵素基質の消失によりモニター
される。これは基質の変換のレートである。分光光度分
析又は蛍光光度分析に適切なβ−ガラクトシダーゼのた
めの基質にはp−アミノフェニル−β−D−ガラクトピ
ラノシド;2′−N−(ヘキサデカノール)−N−(ア
ミノ−4′−ニトロフェニル)−β−D−ガラクトピラ
ノシド;4−メチルワンベリフェリル−β−D−ガラク
トピラノシド;ナフチル−ASOB1−β−D−ガラク
トピラノシド;1−ナフチル−β−D−ガラクトピラノ
シド;2−ナフチル−β−D−ガラクトピラノシド一水
和物;0−ニトロフェニル−β−D−ガラクトピラノシ
ド;m−ニトロフェニル−β−D−ガラクトピラノシ
ド;p−ニトロフェニル−β−D−ガラクトピラノシ
ド;並びにフェニル−β−D−ガラクトピラノシド、5
−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラ
クトピラノシド、レゾルフィン−β−D−ガラクトピラ
ノシド、7−ヒドロキシ−4−トリフルオロメチルクマ
リン及びフルオレセイン−β−ガラクトピラノシドが挙
げられるが、それらに限定されない。
【0064】本発明の酵素アッセイは遊離分析物とオメ
ガー−ドナーコンジュゲートとの間の、分析物−結合性
タンパク質に対する競合的相互作用を利用する。オメガ
ー−ドナーコンジュゲートと該分析物−結合性タンパク
質との相互作用は相補反応を阻害する。実施例において
詳細する通り、該分析物−結合性タンパク質に特異的な
抗体又は抗体フラグメントの結合は立体障害効果を高
め、そしてこのことは該分析物−結合性タンパク質に結
合しているオメガー−ドナーコンジュゲートによる相補
の阻害をもたらす。
【0065】本発明の一態様に従い、該分析物−結合性
タンパク質は抗体分子である。このようなケースにおい
て、このアッセイは酵素イムノアッセイである。このよ
うなアッセイに有用な抗体分子は測定すべき分析物に特
異的な常用のポリクローナル及びモノクローナル抗体
(並びにこのポリクローナル又はモノクローナル抗体の
フラグメント)、又は該分析物に特異的に結合すること
ができる組換ポリペプチドフラグメントを含む。
【0066】本発明の他の態様に従い、該分析物−結合
性タンパク質はビオチンに特異的な親和性を有するアビ
ジンである。このようなケースにおいて、この酵素アッ
セイはビオチンを測定するためにのみでなく、ビオチン
の誘導体であってアビジンに対する親和性を保持してい
るものにも有用である。
【0067】本発明の他の態様に従い、該分析物−結合
性タンパク質は結合性タンパク質、例えばリセプター、
レクチン及び輸送タンパク質を含むがそれらに限定され
ないものである。
【0068】
【実施例】例1 :オメガータンパク質の作製 1.オメガー−ドナー分子;OD6 典型的なオメガー−ドナーを、図2に図解する通り、遺
伝子操作の標準的な技術を利用して作製した。β−ガラ
クトシダーゼの1/3のカルボルキシル−末端側は、D
NA制限酵素を用い、インタクトβ−ガラクトシダーゼ
分子の配列を含むDNAプラスミドから、最初の2/3
のβ−gal DNA配列を取り除くことにより作製し
た。その他のオメガー−ドナーは表示する制限部位にて
又はその近くにて切断する制限酵素を用いることにより
作製した。本例において、プラスミドp230を用い
た。しかしながらこのプラスミドは単に便宜上用いたに
すぎず、β−ガラクトシダーゼを含む既知配列のその他
のプラスミドも同じケートにおいて利用できうる。β−
ガラクトシダーゼ遺伝子材料の起源は本明細書に記載し
た。
【0069】プラスミドp230をBam及びSac部
位にて制限酵素により切断せしめて2つの断片のDNA
を作製した。大きい断片をアガロースゲル電気泳動によ
り単離した。Bam及びSac端を含む合成DNAリン
カーをこの単離せしめた大きい断片の中にリゲートせし
め、プラスミドを環状とした。この最終生成物はβ−ガ
ラクトシダーゼの1/3のカルボキシル末端側を含む。
得られたプラスミドを本明細書ではP720と称する。
宿主細菌細胞中の本プラスミドの発現はOD6分子を生
産せしめ、これは378個アミノ酸より成り、43,0
00ダルトンの分子量を有する。
【0070】2.オメガー−アセプター分子;OA72
1 典型的なオメガーアセプターを、インタクトのβ−ガラ
クトシダーゼ分子の配列を含むプラスミドからカルボキ
シル末端側DNA配列を除去し、787個のアミノ酸且
つ94,000ダルトンの分子量を有す短くせしめたβ
−ガラクトシダーゼを残することによって作製した。プ
ラスミドの作製は図3において図解する。起源プラスミ
ドはp151であり、これもβ−ガラクトシダーゼをコ
ードする異なるプラスミドである。このプラスミドp1
51をApalI及びSal部位して酵素により消化せ
しめ、2つの断片のDNAを作製した。大きい断片をア
ガロースゲル電気泳動により単離せしめた。Apal1
及びSal端を含む合成DNAリンカーをこの単離せし
めた大きい断片の中にリゲートせしめ、このプラスミド
を環状とした。この最終生成物はβ−ガラクトシダーゼ
の2/3のアミノ末端側を含む。このオメガー−アセプ
ター分子OA721はβ−ガラクトシダーゼの最後の2
36個のアミノ酸が欠失している(この部分は相補的な
378個のアミノ酸のオメガー−ドナー分子内に見い出
せる)。
【0071】例2:オメガータンパク質の精製 1.オメガードナー;OD6 OD6遺伝子をコードするプラスミドを保有するE.コ
株MG720を、対数増殖となる迄30℃にて増殖せ
しめた。この細胞密度がOD600 =1.0に到達したら
温度を42℃に迄上げた。これは高温誘発性プロモータ
ーに由来してOD6の合成を誘発せしめる。42℃にて
4時間後、この細胞を集め、そして凍結した。この凍結
細胞を融解せしめ、そして水性緩衝液及びリゾチームの
存在下において溶解せしめた。この溶解物を遠心により
清浄化せしめ、そしてペレット化した材料を上昇する尿
素濃度中における一連の再懸濁によってOD6タンパク
質について抽出せしめた。OD6タンパク質は8Mの尿
素抽出物中に見い出せた。この8Mの尿素抽出物を硫酸
アンモニウムにより15%飽和にし、そしてこの沈殿物
を遠心により集めた。この沈殿物を6Mの塩酸グアニジ
ンに再懸濁し、そして8Mの尿素/トリス−HClpH
7.5の緩衝液において数回交換しながら透析した。次
にこの透析材料を更に水性トリス−HClpH7.5の緩
衝液において数回交換しながら透析した。この透析OD
6タンパク質抽出物を遠心による沈殿物を清浄せしめ、
そしてこの清浄抽出物を硫酸アンモニウムにより50%
飽和にした。この沈殿物を遠心により集め、そして0.
5MのNaCl/トリス−HClpH7.5の緩衝液に再
懸濁せしめ、そしてサイズ選別ゲルクロマトグラフィー
により精製した。活性ピークを濃縮し、そして4℃で保
存した。
【0072】2.オメガーアセプター;OA721 OA721タンパク質(株MG721)をOD6に説明
したのと同様の方法により発現させた。細胞溶解の後、
この細胞材料を遠心により浄清化せしめた。この清浄化
溶解物を硫酸アンモニウムにおいて25%不飽和にし、
そしてこの沈殿物をペレットとして4℃で保存した。こ
のペレット材料を2Mの尿素緩衝液により2回抽出し、
そして清浄化した溶解物をプールし、そして硫酸アンモ
ニウムにおいて25%不飽和にした。この沈殿物を再び
ペレットとして4℃で保存した。この25%不飽和硫酸
アンモニウムペレットをトリス緩衝液に再懸濁せしめ、
そしてイオン交換クロマトグラフィーにより精製せしめ
た。OD6タンパク質を用いる相補アッセイにより検出
された活性ピークを濃縮せしめ、バッチに依存して4℃
又は−20℃で保存した。
【0073】例3:オメガー相補免疫診断試験 患者血清中の低濃度の分析物を検査するためのイムノア
ッセイを実施した。検査のために選んだ分析物はテオフ
ィリン(theophylline)であり、これは0
−40μg/mlの治療的範囲を有す。精製せしめたOD
6分子を、相補性を妨害せしめない状態においてテオフ
ィリンに共有結合せしめた。
【0074】この目的のため、精製OD6タンパク質を
セファデックスG−25カラムを用いて緩衝液交換する
ことで全てのβ−メルカプトエタノールを除去した。O
D6画分の活性をOA721によるアッセイによりモニ
ターした。プールしたOD6画分に、DMF中のテオフ
ィリン−マレイミド誘導体の溶液を加え、そしてこの反
応混合物を室温で20分間インキュベートした。この反
応混合物を再度セファデックスG−25カラムに通し、
過剰のテオフィリン−マレイミド誘導体を除去した。こ
のOD6−テオフィリンコンジュゲートをプールし、そ
してOA721により相補活性について、そして抗−テ
オフィリン抗体により免疫化学結合性についてアッセイ
した。アッセイを室温にてマイクロタイタープレートに
おいて行った。OA,OD及び基質をt=0分にて混合
した。レートは1分の間融において測定される基質変換
のmAUより得られる。アッセイウェル中に抗体又は薬
品は存在していなかった。
【0075】図4は、OD6/テオフィリンコンジュゲ
ートとインキュベートせしめた基質についての時間に対
する基質変換の直線的増大を示す。しかしながら抗テオ
フィリン抗体の存在下においては、OD6/テオフィリ
ンコンジュゲートとOA721との相補は、共有結合し
ているテオフィリンへの該抗体の結合により立体的に阻
止される(図5)。抗体結合部位の濃度(nM系)を各
データー値の横に示す。
【0076】このアッセイの有用さを更に実証するた
め、遊離テオフィリンに応答する投与量を調べた。この
遊離テオフィリンは抗体部位に対して競合し、従ってO
A721との相補に対するOD6/テオフィリンコンジ
ュゲートを遊離化せしめる。従って、基質加水分解のレ
ートは存在している遊離なテオフィリンの量に直接的に
対応する。図6は0〜4μg/mlの範囲におけるオメガ
ーアッセイにおけるテオフィリンの直線投与量応答を示
し、吸光度は室温にて基質を添加した6〜8分後の「測
定枠」において測定した。OD濃度は4nM系であり、
抗体結合性部位濃度は8nM系であった。抗体をまず投
与物と予備インキュベートした。次にODをこの混合物
に加え、更に予備インキュベーションした。次いでOA
及び基質をt=0分にて加えた。
【図面の簡単な説明】
【図1】特定の欠損突然変異体と一緒の、β−ガラクト
シダーゼポリペプチドの図示。
【図2】オメガードナードメインを含む組換プラスミド
の作製の図解。
【図3】オメガーアセプタードメインを含む組換プラス
ミドの作製の図解。
【図4】オメガー相補反応速度を示す図。
【図5】テオフィリンについての均一系アッセイに関す
る競合結合カーブを示す(分析物−結合性タンパク質は
抗体である)。
【図6】テオフィリンについてのアッセイに関する競合
結合性カーブ(投与量応答カーブ)を示す(分析物−結
合性タンパク質は抗−テオフィリン抗体である)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 デビッド ケイツ アメリカ合衆国,カリフォルニア 94520,コンコード,マウント ビュー ドライブ 2474 (56)参考文献 特表 昭62−500633(JP,A) Period.Biol.,Vol. 81(1979)p.625−627 Biochem.Biophys.R es.Commun.,Vol.93 (1980)p.223−227 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12N 15/09 C12N 9/38 C12Q 1/34 BIOSIS(DIALOG) GenBank/EMBL/DDBJ(G ENETYX) WPI(DIALOG)

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酵素−ドナー(供与体)ポリペプチド及
    び酵素−アクセプター(受容体)ポリペプチドを用いる
    分析物の存在又は濃度を調べるための酵素相補アッセイ
    の改良された方法であって、ここでこの両方は分離して
    いる場合は酵素的に不活性であるが、互いを有する溶液
    中に存在している場合は活性なβ−ガラクトシダーゼ酵
    素を形成せしめ、 ここで該ドナーポリペプチドとしてβ−ガラクトシダー
    ゼのカルボキシル末端側の10〜500個のアミノ酸と
    同一なアミノ酸配列を有するポリペプチド又はドナーと
    して同一の機能を発揮する1もしくは数個のアミノ酸が
    欠失、挿入もしくは置換されたその変異体を用い、そし
    て該酵素アクセプターとしてβ−ガラクトシダーゼのア
    ミノ末端側の600〜1012個のアミノ酸と同一なア
    ミノ酸配列を有するポリペプチド又はアクセプターとし
    て同一の機能を発揮する1もしくは数個のアミノ酸が欠
    失、挿入もしくは置換されたその変異体を用い、ここで
    該ドナーポリペプチドとしてのX90と該アクセプター
    ポリペプチドとしてのCNBr24との組合せは除くこ
    とを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 前記の酵素−ドナーポリペプチドが37
    8個のアミノ酸を含んで成る、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記の酵素−ドナーポリペプチドが30
    0〜450個のアミノ酸を含んで成る、請求項1に記載
    の方法。
  4. 【請求項4】 前記の酵素−アクセプターポリペプチド
    が787個のアミノ酸を含んで成る、請求項1に記載の
    方法。
  5. 【請求項5】 前記の酵素−アクセプター受容体が70
    0〜850個のアミノ酸を含んで成る、請求項1記載の
    方法。
  6. 【請求項6】 オメガー−酵素−ドナー分子であって、
    β−ガラクトシダーゼのカルボキシル末端側の12〜5
    00個のアミノ酸と同一なアミノ酸配列又はドナーとし
    て同一の機能を発揮する1もしくは数個のアミノ酸が欠
    失、挿入もしくは置換されたその変異体を有するオメガ
    ー−酵素−ドナーポリペプチドと、分析物結合性タンパ
    ク質と相互作用することのできる分析物ドメインとを含
    んで成る、オメガー−酵素−ドナー分子。
  7. 【請求項7】 前記アミノ酸配列がβ−ガラクトシダー
    ゼ配列のカルボキシル末端側の645〜1023番目の
    アミノ酸と同一である又はドナーとして同一の機能を発
    揮する1もしくは数個のアミノ酸が欠失、挿入もしくは
    置換されたその変異体である、請求項6記載のオメガー
    −酵素−ドナー分子。
  8. 【請求項8】 前記のポリペプチドが、該配列のアミノ
    酸の側鎖官能基と結合している分析物又は分析類似体を
    含んで成る、請求項6に記載の分子。
  9. 【請求項9】 β−ガラクトシダーゼ配列のカルボキシ
    ル末端側の645〜1023番目のアミノ酸と同一なア
    ミノ酸配列を有する、又はドナーとして同一の機能を発
    揮する1もしくは数個のアミノ酸が欠失、挿入もしくは
    置換されたその変異体である、オメガー−酵素−ドナー
    ペプチド。
  10. 【請求項10】 β−ガラクトシダーゼ配列のアミノ末
    端側の700〜850個のアミノ酸と同一なアミノ酸配
    列を有する、又はアクセプターとして同一の機能を発揮
    する1もしくは数個のアミノ酸が欠失、挿入もしくは置
    換されたその変異体である、オメガー−アクセプターポ
    リペプチド。
  11. 【請求項11】 前記のアミノ酸配列がβ−ガラクトシ
    ダーゼ配列のアミノ末端側の1〜787番目のアミノ酸
    と同一である、又はアクセプターとして同一の機能を発
    揮する1もしくは数個のアミノ酸が欠失、挿入もしくは
    置換されたその変異体である、請求項10に記載のポリ
    ペプチド。
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