JP2944078B2 - 遊離基捕捉剤又は代謝抑制剤と生物活性蛋白質とを含有する医薬組成物 - Google Patents

遊離基捕捉剤又は代謝抑制剤と生物活性蛋白質とを含有する医薬組成物

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、哺乳類宿主へ治療組成物として投与するの
に好適な組成物に関する。更に詳細には、本発明は、腫
瘍懐死因子(TNF)のようなリンフォカインまたは細胞
毒素、および遊離基の発生によって惹起される損傷を防
止するかまたは腫瘍の遊離基捕捉能を枯渇または減少さ
せることによって腫瘍の遊離基による損傷に対する感受
性を選択的に高める1種以上の遊離基捕捉剤、またはア
ラキドン酸代謝のシクロオキシゲナーゼまたはリポキシ
ゲナーゼ経路の一方もしくは両方の抑制剤から成る生物
学的改質剤を用いる遊離基による身体的損傷の組み合わ
せ治療に関する。 〔従来の技術〕 インターロイキン−2、インターフェロン−α、イン
ターフェロン−γ、コロニー刺激因子および腫瘍懐死因
子のようなリンフォカインおよび細胞毒素は、抗原また
はレクチンによってT細胞および/またはマイクロファ
ージを活性化することによって分泌されるタンパクであ
る。インターロイキン−2(IL−2)は一種のリンフォ
カインであって、正常な末梢血リンパ球によって産生さ
れ、植物レクチン、抗原またはその他の刺激剤に暴露さ
れると抗原もしくはマイトジェンに刺激されたT細胞の
増殖を誘起するものであり、モーガン・ディ・エィ(Mo
rgan D.A.)らによって最初に報告された(Science、19
76年、193巻、1007〜1008頁)。刺激されたTリンパ球
の増殖を有機する能力を有することにより当時T細胞成
長因子と呼ばれていたものは、その成長因子特性に加え
て試験管内および生体内で各種の免疫系細胞の機能を調
節することが認められており、インターロイキン−2
(IL−2)と再命名された。IL−2は数種類のリンパ球
によって産生されるメッセンジャー−調整分子の一つで
あり、免疫細胞の相互作用及び機能を中介するものであ
る。 腫瘍懐死因子(TNF)はカールスウェル(Carswell)
ら(Proc.Natl.Acad.Sci.USA、1975年、72巻、3666〜36
70頁)によって、ネズミ中で成長する化学的に形質転換
された腫瘍細胞を懐死させる、エンドトキシンによって
誘発される血清因子として最初に報告された、ヒトTNF
は腫瘍細胞に対して細胞毒性を有することが知られてお
り、組換え形で産生されている。ペニカ(Pennica)
ら、Nature(ロンドン)、1984年、312巻、724〜729
頁、シライ(Shirai)ら、Nature(ロンドン)、1985
年、313巻、803〜806頁、およびワング(Wang)ら、Sci
ence、1986年、228巻、149〜154頁を参照されたい。 インターフェロン(IFN)は天然のタンパクの群を構
成し、抗ウイルス、抗腫瘍および免疫調整機能を示すこ
とが知られている。二つの型のIFNはそれらの外見上の
生物学的特性および分子構造の差異に基づいて同定され
ている(I型およびII型)。β−インターフェロン(IF
N−β)はI型のIFNであり、ウイルスの攻撃によって線
維芽細胞において誘発させることができ、約165個のア
ミノ酸を有する。IFN−αも白血球中で誘発させること
ができるI型のIFNであり、IFN−γはII型のIFNであ
り、特異的なマイトジェン性刺激剤に応答してリンパ球
において誘発され、146個のアミノ酸を有する。 2種類以上の抗癌剤をヒトの悪性腫瘍の治療に用いる
組み合わせ化学療法は、現在研究および臨床において用
いられている。抗癌剤としては、抗代謝薬、アルキル化
剤、抗生物質、一般的毒物等が挙げられる。薬物の組み
合わせを投与して、例えば癌、黒色腫、リンパ腫および
肉腫のようなほとんどの癌に対する相乗的細胞毒性作用
を得て、薬物耐性細胞の出現を減少させもしくは無く
し、且つそれぞれの薬物に対する副作用を減少させるこ
とが試みられている。 例えば、IL−2はIFN−γと共に用いて腫瘍を有する
宿主を治療して相乗効果を発揮することができ(欧州特
許出願公告第149,551号明細書、1985年10月31日発行
(ゲネンテク(Genentech))、または天然のキラー活
性を増大することが知られている(スベデルスキイ(Sv
edersky)ら、J.Immunol.、1984年、133巻、714〜718
頁およびシャラビー(Shalaby)ら、J.Interferonn Re
s.、1985年、5巻、571〜581頁)。更に、1986年2月4
日発行のクリーゼイ(Creasey)らに対する米国制定法
発明第H22号明細書には、5−フルオロウラシルとヒト
組換えβ−インターフェロンの相乗的に有効量を用いる
ある種の乳癌と黒色腫細胞ラインのコンビネーション治
療に於いて相乗的細胞毒性作用を示す組生物が開示され
ている。また、IFN−γをTNFおよび化学療法剤と組み合
わせて用いると、抗腫瘍活性の増大が観察された(スベ
デルスキイ(Svedersky)ら、Internl.J.of Innunophar
m.、1985年、7巻、330頁)。 各種リンフォカインと細胞毒素の作用機構およびこれ
らのタンパクに対する腫瘍細胞の感作性の基礎を理解す
ることにより、これらの治療薬の臨床的研究および臨床
的治療法が容易になる。例えば、TNFは主にマクロファ
ージによって産生され、その細胞毒性または細胞増殖抑
制活性は正常細胞ではなく、多くの腫瘍細胞に対する選
択性を明らかに示した。例えば、カースウェル(Carswe
ll)ら、同上文献;ワング(Wang)ら、同上文献;ラフ
(Ruff)とギフォード(Gifford)、「リンフォカイ
ン」第2巻、ピック・イー(Pick,E.)監修、(アカデ
ミック・プレスインコーポレーテド(Academic Press,I
nc.)、ニュー・ヨーク、ニュー・ヨーク、1981年)、2
35〜272頁;ビュトラー(Beutler)とセラミ(Ceram
i)、Nature1986年、320巻、584〜588頁;およびアーバ
ン(Urban)ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、1986年、83
巻、5233〜5237頁および前記文献に引用されている文献
を参照されたい。この選択的な腫瘍細胞の殺傷は、ヒト
二倍体線維芽細胞のようなTNFγ細胞は十分な数の親和
性の高いリセプターを有し、TNFをインタナリゼーショ
ンし、TNFs細胞とまったく同様に分解するので、リセプ
ターの不在によるものではない(ツジモト・エム(Tsuj
imoto,M.)ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、1985年、82
巻、7626〜7630頁)。 インターロイキン−1は単独で、遊離基依存性組織障
害のモデルにおいて保護作用を有する〔ネタ(Neta)
ら、J.Immunol.、1986年、136巻、2483〜2485頁〕。更
に、TNF−αおよびIFN−γは通常のおよび慢性の肉芽腫
性疾患患者から好中球を誘発して超酸化物を放出するこ
とが見い出されている(パラジノ(Palladino)ら、Cli
n.Res.、1986年、34巻、502頁;およびパラジノ(Palla
dino)ら、Ped.Res.、1986年、20巻、302頁)。 酸素−遊離基種および関連したポリ不飽和脂肪酸脂質
過酸化生成物の生物活性は、共に十分に樹立されてい
る。例えば、反応性遊離基種の発生は、イオン化放射線
〔例えば、ペトカウ(Petkau)、Acta.Physiol.Scand.S
uppl.、1980年、492巻、81〜90頁およびビアグロウ(Bi
aglow)ら、Radiat.Res.、1983年、95巻、437〜455頁を
参照されたい〕、各種化学療法剤〔例えば、トマツ(To
masz)、Chem.Biol.Interact.、1976年、13巻、89〜97
頁;ローン(Lown)とシム(Sim)、Biochem.Biophys.R
es.Commun.、1977年、77巻、1150〜1157頁およびボレッ
ク(Borek)とトロール(Troll)、Proc.Natl.Acad.Sc
i.USA、1983年、80巻、1304〜1307頁を参照された
い〕、およびその他各種の生物学的方法、例えば、老化
および実験的発癌の開始および増殖段階〔例えば、ジギ
セッピ(DiGuiseppi)とフリドビッチ(Fridovich)、C
RC Crit.Rev.Toxicol.、1984年、12巻、315〜342頁およ
びスレーター(Slater)、Biochem.J.、1984年、222
巻、1〜15頁を参照されたい〕の細胞毒性効果において
生じることが見い出されている。免疫系の各種細胞によ
って用いられる呼吸性バースト現象における反応性遊離
基の発生および放出は、異物標的の破壊の十分に知られ
た機構である〔例えば、バス(Bus)とギブソン(Gibso
n)、Rev.Biochem.Toxicol.、ホジソン(Hodgson)ら監
修、(エルセビーア(Elsevier)、ノース・オランダ、
1979年)、125〜149頁、およびバドウェイ(Badwey)と
カルノブスキイ(Karnovsky)、Ann.Rev.Biochem.、198
0年、49巻、695〜726頁を参照されたい〕。 好気性菌では、各種の遊離基捕捉機構が、細胞および
生物レベルで発展して、水酸基、スーパオキサイド陰イ
オンおよび過酸化水素のような致死反応性酸素種から保
護する〔例えば、ジギセッピ(DiGuiseppi)とフリドビ
ッチ(Fridovich)、前記文献、スレーター(Slate
r)、前記文献、およびバス(Bus)とギブソン(Gibso
n),前記文献を参照されたい〕。重要なことは、酸素
遊離基は、長時間続く脂質の過酸化の連鎖反応を開始し
て、細胞から細胞へと伝播させることができる。それら
の過酸化生成物は、細胞のDNA,RNA、タンパクおよび細
胞のリン脂質を損傷することができる〔例えば、スレー
ター(Slater)、前記文献;バス(Bus)とギブソン(G
ibson)、ムーディ(Moody)とハッサン(Hassan)、Pr
oc.Natl.Acad.Sci.USA、1982年、79巻、2855〜2859頁;
レスコ(Lesko)ら、Biochemistry、1980年、19巻、302
3〜3028頁;およびセルッティ(Cerutti)ら、「腫瘍形
成における遺伝子とタンパク」(アカデミック・プレス
(Academic Press)、ニュー・ヨーク、1983年)、55〜
67頁を参照されたい〕。この種の損傷に対する防御細胞
機構には、脂質および細胞の水性相における酸化防止剤
および遊離基捕捉剤(例えば、α−トコフェロール、β
−カロチン、グルタチオンおよびアスコルビン酸)並び
にスーパオキサイドディスムターゼおよびカタラーゼの
ような酵素がある〔例えば、フリードビッチ(Fridovic
h)、Science、1978年、201巻、875〜880頁およびマイ
スター(Meister)とアンダーソン(Anderson)、Ann.R
ev.Biochem.、1983年、52巻、711〜760頁を参照された
い〕。ヒトに見られる高い血漿尿酸レベルも、主要な遊
離基保護因子であることが示されている〔アメス(Ame
s)ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、1981年、78巻、6858
〜6862頁〕。 グルタチオン(GSH)および関連した細胞性スルフヒ
ドリル化合物は、キセノバイオティックス(xenobiotic
s)および酸素/脂質遊離基種の親電子代謝物の解毒の
主要な機構の一つを表わす〔マイスター(Maister)と
アンダーソン(Anderson)、前記文献〕。遊離基の抑制
は、遊離基捕捉剤としてのシスティンおよびGSHのよう
なある種の放射線防護剤が作用する方式と仮定される。
細胞が酸素発生化合物またはその他の酸化性ストレスに
暴露されると、GSHは酸化されてジチオ基並びにタンパ
ク混合ジスルフィドを含むようになる〔アダムス(Adam
s)ら、J.Pharmcol.Exp.Ther.、1983年、227巻、749〜7
54頁参照〕。それ故、酸化されたGSHの含量は細胞が暴
露された損傷または細胞自体を酸化性損傷から保護する
能力の一つの重要な指標である。ブチオニンスルホキシ
ミンは、GSH生合成の抑制剤であることが示されている
〔ミンチントン(Minchinton)ら、Int.J.Radiation On
cology Biol.Phys.1984年、10巻、1261〜1264頁参
照〕。 単球細胞ライン細胞毒素(MCCT)と呼ばれるタンパク
が特徴付けられ、MCCT活性に対する各種のプロテアーゼ
抑制剤および過酸化水素捕捉剤の抑制効果が研究された
〔アームストロング(Armstrong)ら、J.N.C.I.、1985
年、74巻、1〜9頁〕。更に、各種ヒドロキシル遊離基
捕捉剤がリンフォトキシンの産生を抑制することも見い
出された〔コバヤシ(Kobayashi)ら、J.Biochem.(東
京)、1984年、95巻、1775〜1782頁参照〕。最後に、プ
リン誘導体であるメチソプリノールは、リンフォカイン
であるリンフォトキシンの産生を増加させることが示さ
れている〔モーリン(Morin)とバレット(Ballet)、A
llergol.Immunopathol.、1982年、10巻、109〜114
頁〕。 マーカス(Marcus)ら(Cancer Research、47巻、420
8〜4212頁、1987年)は、ビタミンCとIL−2の使用を
開示している。 アリック(Arrick)ら(J.Clin.Invest.、71巻、258
〜267頁、1983年)は、(例えば、ブチオニンスルホキ
シミン(BSO)による)クルタチオン合成の抑制が抗腫
瘍剤による腫瘍細胞の溶解を促進することを開示してい
る。 ロミン(Romine)とケッセル(Kessel)(Biochem.Ph
armacol.英国)、1986年、36巻、3323〜3326頁)は、抗
腫瘍剤に対する応答性の決定基としての細胞内グルタチ
オンの役割を開示している。 オノ(Ono)ら(Br.J.Cancer(英国)、1986年、54
巻、749〜754頁)は、ネズミの腫瘍および骨髄に対する
BSOとシクロホスファミドの共同効果を開示している。 ハミルトン(Hamilton)ら(Biochem.Pharmacol.(19
85年7月15日)34巻、2583〜2586頁)はBSOを用いるこ
とによって薬物耐性および薬物感作性癌細胞ラインにお
けるアドリアマイシン、メルファレンおよびシスプラチ
ン細胞毒性の増大を開示している。 アンドリュース(Andrews)ら(Cancer Res.1985年12
月)45巻、6250〜6253頁)は、グルタチオンの除去によ
ってヒト卵巣癌細胞におけるアルキル化および白金化剤
毒性の分画相乗作用を開示している。 ルッソー(Russo)ら(Cancer Res.(1986年6月)46
巻、2845〜2848頁)は、ヒト正常ウイルス腫瘍細胞にお
けるグルタチオン水準の選択的調節および化学療法剤に
対する分画応答を開示している。 テュー(Tew)ら(Cancer Treatment Rep.1986年6
月)70巻、715〜720頁)は、エストラムスチンの抗分裂
特性に対するグルタチオン除去の関係を開示している。 ルッソー(Russo)ら(Int.J.Radiat.Oncol.Biol.Phy
S.(1986年8月)12巻、1347〜1354頁)は、抗腫瘍性化
学療法における細胞内グルタチオンの役割を開示してい
る。ドール(Dorr)ら、(Invest.New Drugs、1986年、
4巻、305〜313頁)は、ヒトおよびネズミ腫瘍細胞に対
するBSOによるグルタチオン合成の抑制の細胞毒性効果
を開示している。 グリーン(Green)ら(Cancer Res.(1984年11月)44
巻、5427〜5431頁)は、BSOの存在で細胞をインキュベ
ーションすると、メルファラン細胞毒性が著しく(相乗
的に)増大することを開示しており、オキソールス(Ox
ols)(Semin.Oncol.(1985年9月)12巻、7〜11頁)
は、BSOがメルファレンおよびシスプラチンの細胞毒性
を増加させることを開示している。 オゾールス(Ozols)ら(Dev.Oncol.1986年、47巻、2
77〜293頁)は、抗腫瘍剤の効力に対するBSOの効果を開
示している。 クルック(Crook)ら(Cancer Res.(1986年)46巻50
35〜5038頁)はBSOがシクロホスファミドの細胞毒性を
増大させることを開示している。ホッジキス(Hodgkis
s)ら(Biochem.Pharmacol.(1985年)34巻、2175〜217
8頁は、BSOを用いることによって、ニトロ芳香族化合物
の細胞毒性が増大することを開示している。ソムファイ
ーレーレ(Somfai−Relle)ら(1984年)33巻、485〜49
0頁)は、BSOがネズミ腫瘍細胞をL−フェニルアラニン
マスタードに対して感作することを開示している。 〔発明が解決しようとする問題点〕 したがって、本発明は、放射線防護剤または代謝抑制
剤のような遊離基捕捉剤を、リンフォカインまたは細胞
毒素の効力を増加させそして/または毒性を減少させる
量で、宿主を日時的にまたは別個に処理することによっ
て、試験管内および生体系においてリンフォカインまた
は細胞毒素の治療係数を増大させ得ることを見い出した
ことに基づいている。 更に具体的には、本発明は、遊離基産生によって惹起
される哺乳類宿主に対する生物学的損傷の治療または予
防法において、宿主に薬理学的に有効量の哺乳類由来の
少なくとも1種のリンフォカインまたは細胞毒素と、遊
離基捕捉剤または代謝抑制剤から選択される少なくとも
1種の生物学的改質剤を投与することを特徴とする方法
に関する。 好ましくは、リンフォカインまたは細胞毒素は腫瘍懐
死因子またはインターロイキン−2であり、遊離基捕捉
剤または代謝抑制剤は尿酸、ブチオニン・スルホキシミ
ン、ビタミンC、インドメタシン、イブプロフェン、N
−アセチルシステインまたはアスピリンである。 もう一つの観点では、本発明は、薬理学的に有効量
の、哺乳類由来の少なくとも1種のリンフォカインまた
は細胞毒素および少なくとも1種の上記生物学的改質剤
の混合物から成る哺乳類宿主に投与するのに好適な組成
物を提供する。 いずれかの理論に限定されるわけではないが、腫瘍性
の、感染されたまたは放射線を照射された細胞のような
損傷を受けた細胞のTNFのようなリンフォカインまたは
細胞毒素に対する感受性は遊離基捕捉能によって変わる
と思われる。脂質過酸化及び他の関連基種、並びにリポ
キシゲナーゼ及びシクロオキシゲナーゼ経路の生物学的
に活性な代謝産物を生成するアラキドン酸カスケードの
活性化は、リンフォトキシン及び細胞毒素の作用機構に
関与すると信じられる。 本明細書において用いる、「リンフォカイン」という
用語は、抗原またはレクチンがT細胞またはマクロファ
ージの成長または活性化を促進するとき、T細胞および
/またはマクロファージによって分泌される低分子量タ
ンパクを表わす。「細胞毒素」という用語は、細胞中の
病原体のような異物を殺すエフェクター細胞を活性化す
るタンパクを表わす。このようなリンフォカインおよび
細胞毒素の例には、インターフェロン(例えば、インタ
ーフェロン−α(IFN−α)、インターフェロン−β(I
FN−β)およびインターフェロン−γ(IFN−γ))、
インターロイキン(例えば、インターロイキン−1(IL
−1)、インターロイキン−2(IL−2)、インターロ
イキン−3(IL−3)およびインターロイキン−4(IL
−4))、腫瘍懐死因子−α(TNF−α)腫瘍懐死因子
−β(TんF−β)(リンフォトキシンとも呼ばれ
る)、コロニー刺激因子(例えば、CSF−1,CSF−Gまた
はCSFk−GM)、走化性物質(chemotaxins)、遊走阻止
活性因子(MIF)、マクロファージ活性化因子(MAF)、
NK細胞活性化因子、T細胞置換因子、白血球抑制因子
(LIF)、その他のリンフォトキシン、破骨細胞活性化
因子(OAF)、可溶性免疫応答抑制剤(SIRS)、成長刺
激因子、単球成長因子等がある。好ましくは、リンフォ
カインまたは細胞毒素は、インターロイキン(更に好ま
しくはIL−2)、インターフェロン(更に好ましくはIF
N−β)、TNF−αまたは−βまたはコロニー刺激因子
(更に好ましくはCSF−1)である。最も好ましいもの
は、TNF−αである。 本明細書に用いられる「組換体」という用語は、一般
的にはリンフォカインまたは細胞毒素をコードする遺伝
子が既知の組換えDNA技術によってクローン化される、
組換えDNA技術によって産生されるリンフォカインまた
は細胞毒素を表わす。例えば、鋳型としてヒトリンフォ
カインまたは細胞毒素cDNAを用いることによって、ヒト
リンフォカインまたは細胞毒素cDNAに相補性を示す遺伝
子を細菌性プラスミド、好ましくはイー・コーリー(E.
coli)プラスミドのような好適なDNAベクターに挿入し
て、組換えプラスミドを得て、このプラスミドを用いて
適当な宿主を形質転換する。遺伝子が宿主中に発現し
て、組換えタンパクを産生する。この目的に好適な組換
えプラスミドの例には、pBR322,pCR1,pMB9およびpSC1が
挙げられる。形質転換された宿主は真核生物でもまたは
原核生物でもよいが、原核宿主であるのが好ましい。 本明細書に用いる「医薬として許容される」という用
語は、活性成分の生物活性の効果を妨げず且つ投与され
る宿主に対して毒性を有しないキャリヤー媒質に関す
る。 本明細書に用いられる「予防または治療」処理とは、
宿主に生物学的損傷を加える前又は後にリンフォカイン
(類)または細胞毒素(類)および生物学的改質剤
(類)を宿主に投与することを表わす。生物学的損傷を
起こす薬物に暴露する前にリンフォカイン(類)または
細胞毒素(類)および生物学的改質剤(類)を投与する
場合には、その処理は予防的(すなわち、宿主を損傷か
ら保護する)であり、損傷を起こす薬物に暴露した後に
投与する場合には、その処理は治療的(すなわち、存在
する損傷を軽減する)である。計画および投与量は、例
えば宿主、病気、リンフォカインまたは細胞毒素および
生物学的改質剤の型によって変わる。生物学的損傷が感
染によって起こる場合には、予防処理のためには感染の
18時間前に投与するのが好ましく、治療処理のためには
感染の初期に投与するのが好ましく、治療処理のために
は感染の後期の感染後18時間までに投与するのが好まし
い。 生物学的損傷が癌であるときには、処理後に腫瘍が現
われたりまたは存在する腫瘍が消失も縮小もしない場合
には、処理は治療的であるとは考えられない。投与の効
果は経時的に消失するが、ヒトには投与は数か月間また
は数年間繰り返すことができる。癌の予防的処理は、患
者が癌の治療を受けた後、癌の再発を防止するために投
与することを意味する。 本明細書に用いられる「遊離基の発生によって惹起さ
れる宿主の生物学的損傷」とは、宿主の体内に遊離基が
産生されることによる、宿主が有する細胞、組織または
その他の身体的部分または機能に対する損傷を表わす。
遊離基は、アラキドン酸代謝経路の動員を直接引き起こ
すこともでき、またはアラキドン酸を動員させる脂質過
酸化を引き起こすこともできる。これらの基は、細胞を
殺す機構として産生することができる。このような損傷
を引き起こす例には、癌の治療中に局部的または全身的
なマイクロ波照射によって腫瘍の温度が上昇する高熱、
化学療法剤(化学療法)、放射線治療または遊離基を産
生して細胞を殺す高酸素緊張によって起こされる損傷お
よび感染がある。さらに、処理された腫瘍細胞が遊離基
による損傷を大きくすることがある。高酸素緊張の例
は、未熟児を高圧酸素に暴露した場合にレニン性および
肺の疾病を起こすような条件である。他の遊離基の発生
によって引き起こされる損傷を表わす条件も、その定義
内にあると考えられる。 上記定義において用いられる「癌」という用語は、例
えば腎臓細胞癌、カボジ肉腫、慢性白血病、乳癌、肉
腫、卵巣癌、腎臓癌、咽喉癌、黒色腫、結腸癌、膀胱
癌、肥満細胞腫、肺癌、消化器または胃癌のような細胞
性異常を含む腫瘍性疾病を表わす。癌は、結腸癌、黒色
腫、腎臓細胞癌、肉腫、肺癌、腺癌または乳癌であるの
が好ましい。 上記定義において用いられる「感染」という用語は、
細菌、真菌、ウイルス、原生動物またはままは寄生虫に
よって引き起こされる如何なる種類の病理学的疾病をも
表わす。細菌感染症の例には、シュドモナス・エルギノ
ッサ(P.aeruginosa)、E.コーリー(E. coli)、破傷
風、ミコバクテリウム種、ストレプトコッカス株、ジフ
テリアおよびサルモネラがある。真菌感染症の例には、
クリプトコックス症、ヒストプラスマ症、およびその他
のカンジタ種による感染症がある。ウイルス感染症の例
には、A型肝炎、再発性単純ヘルペス、エイズ、帯状ヘ
ルペス、インフルエンザおよびライノウイルスがある。
好ましくは、感染症は細菌性であり、更に好ましくはグ
ラム陰性感染症であり、最も好ましくはシュドモナス・
エルギノッサ(P.aeruginosa)およびE.コーリー(E.
coli)感染症である。 本明細書の用いられる「生物学的改質剤」という用語
は、2種類の化合物、すなわち遊離基捕捉剤または代謝
抑制剤の内の一方を表わす。「遊離基捕捉剤」という用
語は、遊離基の発生によって引き起こされる生物学的損
傷から哺乳類宿主を保護する如何なる化合物または物質
をも表わす。この定義には、直接遊離基の捕捉を行う薬
剤および宿主および/または腫瘍の遊離基捕捉能を変更
することによって作用する薬剤がある。いずれの機構
も、宿主のリンフォカインまたは細胞毒素に対する応答
に影響を与える。このような遊離基捕捉剤は放射線防護
剤であることができ、例えば尿酸、ブチオニン・スルホ
キシミン、ジエチルマレエート、ビタミンE、ビタミン
C、システイン例えばN−アセチルシステイン、または
グルタチオン、メトロニダゾール、および例えばビタミ
ンAのようなレチノイドがある。ジエチルマレエートは
リンフォカインまたは細胞毒素の毒性を増加させるが、
腫瘍/宿主において優先的にグルタチオンを減少させる
ので、治療係数が高くなる。これらの改質剤の如何なる
組み合わせのものも用いてもよい。最も好ましくは、ヒ
トに対して本発明において用いられる遊離基捕捉剤は、
ブチオニン・スルホキシミン、ビタミンC、ビタミン
E、またはN−アセチルシステイン〔これはムコミスト
(Mucomyst)という商標名(ミード・ジョンソン(Mead
Johnson))を有する〕である。ザ・1987・フィジシャ
ンズ・デスク・レファレンス(the 1987 Physician′s
Desk reference)、41版、バーンハート、パブ、オラデ
ル、ニュー・ジャージー、メディカル・エコノミックス
・カンパニー・インコーポレーテド(Medical Economic
s Company,Inc.)を参照されたい。尿酸はヒトに痛風を
引き起こすので、低い量が許容されるが、ヒト血漿中に
は約300μMで天然に存在し、ヒトでは約600〜1500μM
が許容されると思われる。 第二の型の生物学的改質剤である「代謝抑制剤」は、
アラキドン酸カスケードのシクロオキシゲナーゼおよび
/またはリポキシゲナーゼ代謝経路を阻害または抑制す
る化合物または物質を表わし、このカスケードにおいて
はリン脂質がホスホリパーゼA2またはCによってアラキ
ドン酸に転換され、このアラキドン酸がいずれかの代謝
経路を進行することができる。このような阻害または抑
制は、一方のまたは両方の経路を触媒する酵素のもので
あるか、酵素を含む細胞型のもの、または代謝経路の天
然生成物の1種以上のものであることが出来る。これら
のロイコトリエン、ヒドロペルオキシエイコサテトラエ
ン酸、ヒドロキシ−およびジヒドロキシ−エイコサテト
ラエン酸、プロスタグランジン、トロンボキサンおよび
/またはプロスタサイクリンの数の減少は本明細書に定
義される生物学的損傷を生じさせ、代謝抑制を示す。 代謝抑制剤の例には、アスピリン、インドメタシン、
イブプロフェン、ノルジヒドログアンチレン酸(4,4′
−[2,3−ジメチル−1,4−ブタンジイル]−ビス[1,2
−ベンゼンジオール])(NDGA)、シス−8,11,14−エ
イコサトリエン−5−イン酸(ETYA)および(天然とは
異なる)合成プロスタグランジンおよび/またはロイコ
トリエンで、酵素レベルにおいてではなく産生レベルに
おいて天然代謝生成物の効果を阻害するものがある。ア
スピリン、インドメタシン、イブプロフェンおよびETYA
はシクロオキシゲナーゼ代謝経路を阻害することによ
り、天然プロスタグランジン、トロンボキサンおよびプ
ロスタサイクリンの産生を阻害する。より高濃度では、
インドメタシンはホスホリパーゼA2をも阻害する。NDGA
およびETYAはリポキシゲナーゼ代謝経路を阻害すること
により、天然ヒドロペルオキシエイコサテトラエン酸、
ロイコトリエン、並びにヒドロキシ−およびジヒドロキ
シ−エイコサテトラエン酸の産生を抑制する。本明細書
においてTNFと共に使用する好ましい代謝抑制剤は、ア
スピリン、インドメタシンおよびイブプロフェンから選
択されるものである。インドメタシンは、局所抗炎症作
用を有する非ステロイド性抗リューマチ剤であり、レー
ダル・ラブス(Lederle Labs)のような製造業者から入
手できる。イブプロフェンはアスピリン代替品であり、
これもレーダル・ラブスから発売されている。これらの
薬剤は、上記の1987フィジシャンズ・デスク・レファレ
ンスに記載されている。 本明細書に用いられるリンフォカインもしくは細胞毒
素および生物学的改質剤に就いて用いられる「薬理学的
に有効量」という用語は、混合物中のまたは宿主に投与
された化合物の、宿主の治療係数の上昇をもたらすそれ
ぞれの成分の量を表わす。「治療係数」とは、本明細書
では効力(腫瘍もしくは感染の減少またはその他の治癒
の程度)について、および宿主の毒性について定義する
ことができる。 非ヒト宿主では、賦形剤コントロール(例えば、リン
酸緩衝食塩水)を用いた場合の効力より少なくとも50%
効力が増加し且つ治療の開始時の平均体重に対する効力
の評価期間の終わりにおける平均体重の比率が少なくと
も0.90(すなわち、体重の損失が10%以下)である場合
に、治療係数が増加した。平均体重の比率は、毒性が無
い場合を1として毒性の程度を示す。癌の治療を受ける
非ヒト宿主では、達成される効力の程度は、処理の開始
時における平均腫瘍体積に対する効力の評価時の終わり
における平均腫瘍体積の比率によって計測される。治療
されたものが賦形剤コントロールに対して少なくとも50
%の比率で減少するときには、効力が増加したことを示
す。生物学的改質剤の最も好ましい投与量、計画および
タイプは、平均腫瘍体積比が0〜5の間になるものであ
り、0の値は最適の場合であり、治癒を示す。 ヒト宿主では、リンフォカイン/細胞毒素および生物
学的改質剤を用いて治療したときの効力が少なくとも50
%増加し、且つ毒性が受容可能であれば、すなわち熱、
悪寒および/または一般的不快感に過ぎないならば、治
療指標が増加した。癌の治療を受けているヒト宿主につ
いては、効力の範囲は一般的には総ての測定された病気
の産物の直交する直径を測定することによって臨床にお
いて確認される。総ての測定された病気の直交する直径
の積の和において腫瘍が少なくとも50%収縮するときに
は、部分応答がおこる。例えば、直交する直径が10と10
である腫瘍が直交する直径が8と8であるものに収縮す
る場合には、腫瘍は100から64に収縮しただけであり、5
0%減少ではなく、部分応答ではない。しかしながら、1
0と10の腫瘍が7と7に収縮する場合には、腫瘍は100か
ら49へ収縮しており、50%以上の減少であるので、部分
応答である。 本発明の方法は、哺乳類宿主に、好ましくはヒト宿主
に1種以上のリンフォカインもしくは細胞毒素、および
1種以上の生物学的改質剤を投与することから成ってい
る。リンフォカイン(類)、細胞毒素(類)および生物
学的改質剤(類)は試験管内で投与前に混合され、ある
いは宿主へいずれかの順序、または交互にもしくは同時
に別個に投与され、一般的にはリンフォカイン/細胞毒
素の投与は生物学的改質剤の投与後24時間以内に行い、
あるいは生物学的改質剤の投与はリンフォカイン/細胞
毒素の投与後約1時間以内に行うことが出来る。好まし
くは、生物学的改質剤は、リンフォカインまたは細胞毒
素を加える前に、またはそれと同時に加える。 投与は、経口、皮下および非経口投与のいずれかの適
当な技法によって行うことができるが、非経口または経
口投与が好ましい。非経口投与の例には、静脈内、動脈
内、筋肉内および腹腔内投与があるり、腹腔内および静
脈内投与が好ましい。 投与法および投与量は、リンフォカイン(類)もしく
は細胞毒素(類)および生物学的改質剤(類)を治療ま
たは予防目的で、個別にまたは混合物として投与するか
どうか、生物学的損傷および宿主のタイプ、宿主の病
歴、リンフォカインまたは細胞毒素のタイプ、用いられ
る生物学的改質剤のタイプによって変わる。量は、上記
のような治療係数の上昇を達成するのに有効なものでな
ければならない。ヒトは本明細書に例示されるマウスお
よびラットよりも長時間治療され、治療時間は病気の経
過の長さおよび薬物の効力に比例する長さを有する。投
与は数日間に亙る単回投与または複数投与を行うことが
できるが、単回投与が好ましい。本発明のためには少な
くとも50%の保護水準とは、治療された宿主の少なくと
も50%が感染症に対して延命率の向上、より速やかな回
復または症状の改善または消失のような改善を示す事を
意味するが、これらに限定されるものではない。 一般的には、癌については投与量は、ある種の腫瘍を
減少させ、またはリンフォカインで活性化されたキラー
(LAK)細胞活性を増大させるのに有効なものでなけれ
ばならない。LAK細胞はリンパ様細胞であって、新鮮
で、未培養の、天然のキラー細胞に耐性の腫瘍細胞を溶
解するが、正常細胞は溶解しないものである。投与は単
回投与でも、複数投与出もよい。複数投与を用いる場合
には、例えば投与頻度を宿主のタイプおよび癌のタイ
プ、投与量等によって変えるのが好ましい。ある種の型
の癌または癌系については、毎日投与するのが有効であ
るが、他のものでは、一日置きまたは二日置きの投与が
よいが、毎日投与は無効である。実施者は、日常の実験
で、どの投与経路および投与頻度が特定の場合に最も有
効であるか確定することができる。 本明細書において最も有効であると思われる癌に対す
る投与量は、腫瘍の大きさを縮小させ、または腫瘍が完
全に消滅して再度出現しない量であって、宿主の患者に
は有毒ではないかまたは毒性が許容可能な程度であるも
のである。一般的には、熱、悪寒および一般的不快感の
ような状態は許容可能であると考えられる。更に、生物
学的改質剤の投与は、リンフォカインまたは細胞毒素の
抗腫瘍活性を抑制するほど多くすることは出来ない。こ
れらの最適投与水準は、例えば宿主、癌、投与経路、計
画および投与順序のタイプ、存在する腫瘍の大きさ、リ
ンフォカインまたは細胞毒素および生物学的改質剤のタ
イプ、および毒性の定義のような多くのファクターによ
って変わる。毒性は、ヒト宿主における副作用の程度お
よび型によって定義され(熱、悪寒および通常の不快感
は本発明の研究では許容可能な毒性と考えられるもので
ある)、あるいは上記の治療係数に就いて所定の期間の
後の体重の損失量または非ヒト宿主では死亡によって定
義される。 TNF−αはリンフォカインまたは細胞毒素として用い
られ、ヒトにおける投与レベルは一般的には少なくとも
患者体重1kg当たり0.24μgであり、マウスでは少なく
とも25μg/kgである。一般的には、ヒトに投与されるTN
F−αの量はマウスに用いられる量の数と近似的または
その数そのものであり、単位がμg/kgではなく、μg/m2
である。TNF−αの投与前および/または投与中にブチ
オニン・スルホキシミンを最少有効遊離基捕捉濃度で投
与する場合には、TNF−αは約25〜100μg/m2の量でヒト
に投与するのが好ましい。スミス(Smith)ら、Proceed
ings of AACR、28巻(1987年3月)440頁によれば、ビ
ーグル犬に100mg/kg/投与のBSOを8時間毎に経口で15回
投与した場合には比較的毒性がなく、BSOを400〜800mg/
kgを同じ投与条件で投与したときには、毒性を有する。
TNF−αを投与する前にビタミンCを最少有効遊離基捕
捉濃度で投与するときには、TNF−αを125μg/m2の量で
投与するのが好ましい。TNF−αを投与する前(例え
ば、1〜4時間前)に、患者体重1kg当たりアスピリン
を約15〜30mgの量で投与するときには、TNF−αを25〜1
00μg/m2の量で投与するのが好ましい。TNF−αを投与
する前にインドメタシンを約25〜50mgの量で投与すると
きには、TNF−αをヒトに約50〜200μg/m2の量で投与す
るのが好ましい。TNF−αを投与する前にイブプロフェ
ンを約400〜600mgの量で投与するときには、TNF−αを
ヒトに約150〜250μg/m2の量で投与するのが好ましい。
TNF−αを投与する前にN−アセチルシステインをラッ
ト体重1kg当たり250〜1000mgの量で投与するときには、
TNF−αをヒトに約200〜400μg/m2の量で投与するのが
好ましい。実施者は、宿主、リンフォカイン/細胞毒素
および生物学的改質剤が変わるときに、最適投与水準お
よび投与法を決定することができるであろう。 IL−2がリンフォカインまたは細胞毒素として用いる
時には、ヒトにおける投与水準は一般的には少なくとも
約3×106単位/m2/日であり、マウスでは、少なくと
も約5〜10mg/kgである。IL−2の投与前にビタミン
C、ビタミンE、アスピリン、N−アセチルシステイ
ン、イブプロフェンまたはインドメタシンを投与すると
きには、IL−2をヒトに少なくとも3×106単位/m2
日の量で投与するのが好ましい。 ヒトにおけるDSF−1の投与水準は決定されてはいな
いが、マウスでは、約50mg/kg(100〜150mg/kgでは、マ
ウスは死に至ることがある)であってもよい。 ヒトにおけるインターフェロン(具体的にはINF−
β)の典型的な投与水準は、約100単位〜107単位/m2
ある。INF−βの投与前にビタミンC、ビタミンE、ア
スピリン、N−アセチルシステイン、イブプロフェンま
たはインドメタシンを投与するときには、IFN−βはヒ
トに少なくとも1000単位/m2の量で投与するのが好まし
い。 非経口投与では、リンフォカインは単位投与での注射
可能な形(溶液、懸濁液、エマルジョン)、好ましくは
元来非毒性であり且つ非治療性もしくは非予防性である
医薬として許容されるキャリヤー媒質中に配合される。
かかるビヒクルの例には、水、食塩水、リンゲル溶液、
デキストロース溶液、マンニトールおよび正常血清アル
ブミンがある。硬化油、プロピレングリコールおよびオ
レイン酸エチルのような非水性ビヒクルを用いることも
できる。このキャリヤー媒質は、等張性および化学的安
定性を増加させる物質、例えば緩衝剤および防腐剤のよ
うな少量の添加物を含むことができる。リンフォカイン
(類)/細胞毒素類および生物学的改質剤類は、典型的
には前記キャリヤー中で、それぞれ約01mg/ml〜100mg/m
l、好ましくはそれぞれ0.2〜1mg/mlの濃度で配合され
る。 或いは、リンフォカインがIL−2であるときには、殺
菌され、安定な凍結乾燥された配合物にして、精製され
たIL−2を、バルクを供するマンニトールのような水溶
性キャリヤーと、十分な量のドデシル硫酸ナトリウムと
混合して、組換えIL−2を水中に確実に溶解させるよう
にすることが出来る。この配合物は、非経口投与のため
の水性注射液に再構成するのに好適であり、安定であり
且つヒト患者に十分許容される。配合法は、米国特許第
4,604,377号明細書に更に完全に記載されている。ま
た、IL−2は、グアニジンを用いて再おりたたみを行
い、更に可溶性の生成物を得ることもできる。グアニジ
ンを用いて、下記の段階から成る工程においてIL−2粒
子ペーストを可溶化することができる。 (a)微生物の細胞膜を破砕し、 (b)水に水溶性のIL−2含有物質を破砕物から分離
し、 (c)pH約7〜約9で、段階(b)の不溶性IL−2含有
物質を還元剤とカオトロピック剤(chaotropic agent)
の水性溶液と混合して、不溶性物質中のIL−2を溶解さ
せて、そして変性させ、 (d)不溶性物質の未溶解部分から段階(c)のIL−2
含有溶液を分離し、 (e)分離されたIL−2含有溶液から還元剤を除去し、 (f)カオトロピック剤の濃度を強変性濃度に保持しな
がら、溶液中のIL−2を酸化して、IL−2の天然のジス
ルフィド架橋を形成し、 (g)段階(f)の酸化が完了した後、溶液を希釈し
て、溶液中のカオトロピック剤の濃度を減少させて、酸
化されたIL−2が再生し、そして沈澱が生ずるように
し、 (h)溶液から沈澱を分離して、上澄液を得、 (i)(1)逆相高速液体クロマトグラフィによって上
澄液中の酸化されたIL−2を精製し、次いで、クロマト
グラフィによって生じる沈殿をカオトロピック剤の溶液
中に溶解させ、溶液からカオトロピック剤を除去し、ま
たは(2)疎水性相互作用クロマトグラフィの後、イオ
ン交換クロマトグラフィを行い、 (j)ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル
電気泳動分析による還元によって少なくとも約95%のIL
−2含量を有する精製され、酸化された、可溶性の非対
応ヒトIL−2組成物を回収し、リン酸緩衝食塩水中での
溶解度が1mlのIL−2当たり少なくとも約5mgであり、HT
−2細胞増殖性によって決定した比活性が少なくとも約
1×106単位/mgであり、内毒素含量が1mgのIL−2当た
り約0.1ng未満となるようにする。 もう一つの態様では、HPLC段階の後に下記の工程にお
いてグアニジンを用いることができる。簡単に説明すれ
ば、rIL−2は、rIL−2を含む形質転換された微生物宿
主の細胞成分のバルクから分離され、rIL−2は還元形
で可溶化され、酸化されて、臨床的に受容可能な純度お
よび内毒素水準まで精製され、カオトロピック剤の溶液
中にrIL−2を入れることによって変性される。その
後、固形物を溶液から除去して、rIL−2を溶液から再
結合させる。カオトロピック剤の溶液は、4〜8M水性グ
アニジン塩酸溶液であるのが好ましい。 さらにもう一つの態様では、IL−2は、適合免疫療法
では製薬上受容可能なキャリヤー中で、単離されリンフ
ォカインにより活性化されたリンパ球と共に投与してこ
の方法においては、腫瘍に犯されているヒトにIL−2を
投与するときに、リンパ球が抗腫瘍活性を有する様にす
ることができる。この方法は、1987年9月1日発行の米
国特許第4,690,915号明細書およびローゼンバーグ(Ros
enberg)ら、New England Journal of Medicine、1985
年、313巻、1485〜1492頁に更に詳細に記載されてい
る。もう一つの態様(ローゼンバーグ(Rosenberg)
ら、Science、233巻、1318〜1321頁、1986年)では、IL
−2中で拡げられた腫瘍浸潤性リンパ球(TIL)を、徳
にシクロホスファミドと組合せて、治療処理のために移
行せしめることができる。TILによる方法も、本発明で
用いることもできる。 上記の様に、本発明に用いられる組換えリンフォカイ
ンは、組織培養物からまたは組換え技術によって得られ
る、および例えば、マウス、ラット、ウサギ、霊長類、
ブタおよびヒトのような哺乳類から得られる如何なるリ
ンフォカインであってもよい。好ましくは、リンフォカ
インはヒト由来のものであり、更に好ましくはヒト組換
えリンフォカインである。最も好ましくは、リンフォカ
インは組換えヒトIL−2もしくはTNF単独、又はそれぞ
れ組換えTNFもしくはIL−2と組合せてものである。
組換えIL−2は、谷口ら、Nature、302巻、305〜310
頁、1983年およびデボス(Devos)、Nucleic Acids Res
earch、11巻、4307〜4323頁、1983年によって記載され
ているように、天然ヒトIL−2遺伝子をクローン化し、
それを形質転換された微生物中で発現させることによっ
て得ることができる。米国特許第4,518,584号明細書に
記載のように、IL−2ムテイン(mutein)であって野生
型または天然の分子の位置125に通常あるシステインは
セリンまたはアラニンのような中性アミノ酸によって置
換されたもの、または1986年11月5日発行の欧州特許出
願公告第200,280号明細書に記載のIL−2ムテインであ
って、野生型または天然の分子の位置104に通常あるメ
チオニンがアラニンのような中性アミノ酸によって置換
されたものであってもよい。 好ましくは、IL−2はグリコシル化されていないタン
パクであって、天然のヒトIL−2のアミノ酸配列に少な
くとも実質的に同一なアミノ酸配列をコード化し、位置
58〜105にシステインのジスルフィド結合を有し且つ天
然のヒトIL−2に共通な生物活性を有するIL−2のヒト
cDNA配列または改変されたヒトcDNA配列で形質転換され
た微生物によって産生されるものである。アミノ酸配列
が実質的に同一であるとは、配列が同一であるかまたは
合成タンパクと天然のヒトIL−2との間に好ましくない
機能上の差異を起こさない1個以上のアミノ酸の変更
(削除、付加、置換)によって異なる事を意味する。こ
のような特性を有するIL−2タンパクの例は、谷口ら、
Nature、1983年、302巻、305〜310頁、デボス(Devo
s)、Nucleic Acids Research、1983年、11巻、4307〜4
322頁、米国特許第4,518,584号明細書(同上)、および
欧州特許出願公告第200,280号明細書(同上)、に記載
されているものがある。最も好ましくは、IL−2はdes
−ala1−IL−2ser125ムテインであって、最初の末端ア
ラニンが除去され、位置125のシステインがセリン残基
によって置換されているものである。 IL−2は、1986年2月11日発行の米国特許第4,569,79
0号明細書に記載され且つ特許請求されている方法によ
って産生され臨床的純度にまで精製することができる。
更に、IL−2は、1986年12月30日発行の欧州特許出願公
開第206,828号明細書に記載のスクロースを用いて屈折
体(refractile body)から回収することができる。IL
−2は、1987年1月15日発行のPCT87/00056号明細書に
記載のように、ポリエチレングリコールまたはポリオキ
シエチレン化ポリオールを用いて誘導体にすることによ
って改質することもできる。 本発明のヒトTNF−αは、ペニカ(Pennica)ら、Natu
re(1984年)312巻、724〜729頁;山田ら、J.Biotechno
logy、1985年、3巻、141〜153頁;ワング(Wang)ら、
Science、1985年、228巻、149〜154頁;白井ら、Nature
(ロンドン)1985年、313巻、803〜806頁;1985年9月29
日発行の欧州特許第155,549号明細書、1985年10月16日
発行の欧州特許第158,286号明細書;1986年1月15日発行
の欧州特許第168,214号明細書;および1986年4月24日
発行のPCT UC85/01921号明細書に記載の方法で組換え形
で得ることができる。組換えウサギTNF−αは1985年6
月26日発行のEP第146,025号明細書および1985年7月17
日発行のEP第148,311号明細書に記載の方法で、得るこ
とができる。 151および155個のアミノ酸を有する(天然形よりも2
および6個少ない)ヒトTNF−αは、1985年9月25日発
行のEP第155,549号明細書(大日本製薬株式会社)に記
載され、155個のアミノ酸を有するヒトTNF−αは1985年
10月16日発行のEP第158,286号明細書(旭化成工業株式
会社)および1985年11月20日発行の対応する英国特許第
2,158,829A号明細書に開示されている。成熟TNF−α(1
57個のアミノ酸を有するもの)のクローン化およびその
各種改質形(ムテイン)は1986年1月15日発行の欧州特
許第168,214号明細書(ゲネンテク(Genentech)および
1987年6月30日発行の米国特許第4,677,064号明細書お
よび1987年6月30日発行の米国特許第4,677,063号明細
書(両方共シタス・コーポレーション(Cetus Corporat
ion))に開示されている。 好ましくは、TNF−αはヒドロキシTNFムテインであっ
て、最初の8個のアミノ酸残基の1個以上、好ましくは
最初の4個または最初の8個を、米国特許第4,677,064
号明細書、同上に記載の方法を用いて除去したものであ
るか、またはTNF−αは、1987年6月30日発行の米国特
許第4,677,063号明細書(同上)、および米国特許第4,5
18,584号明細書(同上)に記載のシステイン除去ムテイ
ンである。TNFは、1987年5月6日発行の欧州特許公開
第220,966号明細書に記載の方法によって精製すること
ができる。 本発明のTNF−αの正確な化学構造は、多くの因子に
よって変わる。イオン化可能なアミノおよびカルボキシ
ル基が分子中に存在し、TNF−αの特定の形は酸性もし
くは塩基性塩としてまたは中性の形で得られる。適当な
環境条件におくことによって生物活性を保持するこれら
の製剤は、総て本発明のTNF−αの定義に包含される。
更に、TNF−αの一次アミノ酸配列は、糖残基を用いる
誘導体化(グリコシル化)によって、または脂質、リン
酸塩、アセチル基等の他の相補性分子によって、更に一
般的にはサッカライドとの接合によって増加させること
が出来る。この様な増大のある種の観点は産生宿主の翻
訳後プロセッシングによって行われ、その他の改質を試
験管内で導入することができる。いずれにせよ、このよ
うなる改質は、TNF−αの生物活性が破壊されないかぎ
り、本発明のTNF−αの定義に包含される。勿論、この
様な改質は、各種方法でのTNF−αの活性を増加させま
たは減少させることによって生物活性に定量的にまたは
定性的に影響を与えることも考えられる。 ある配合では、TNF−αは、ポリマーが室温で水溶性
であるという条件で、ポリエチレングリコールまたはポ
リオキシエチレン化ポリオールのホモポリマーまたはコ
ポリマーと反応せしめることができる。このポリマー
を、最初にタンパクの遊離アミノまたはチオール基およ
びポリマーのヒドロキシル基と反応性の末端基を有する
カップリング剤と反応せしめる。かかるカップリング剤
の例には、ヒドロキシニトロベンゼンスルホン酸エステ
ル、シアヌル酸塩化物およびN−ヒドロキシスクシンイ
ミドがある。次に、TNF−αは、上記のような水溶性キ
ャリヤーおよび緩衝液と直接に配合され、この配合物を
凍結乾燥して、凍結乾燥した混合物を上記のように再構
成することができる。 組換えIFN−αは、グレイ(Gray)ら、Nature、295
巻、503頁、1982年によって記載の方法によって得られ
る。 本発明の各種観点を、下記の実施例によって更に説明
するが、これらの実施例はいかなる様式でも本発明を制
限することを意図するものではない。これらの実施例で
は、固形物に対する総ての部は重量部であり、液体およ
び気体に対する総ての百分率は特に断らないかぎり容積
百分率であり、総ての温度は摂氏温度である。 実施例1.尿酸の使用 A.一般的処理 マウス 雌のBalb/cマウス〔チャールス・リバー・ブリーディ
ングラボラトリーズ・インコーポレーテド(Charles Ri
ver Breeding Laboratories Inc.)、ウィルミングト
ン、マサチューセッツ〕の総て6〜8週令のものを、生
体内試験に用いた。動物は、20±3gの重量のものとし
て、ケージ当たり5匹で無作為化して、耳に印を付け
た。総ての動物は到着後7日間検疫観察を行い、マイク
ロ隔離ケージ〔ラブ・プロダクツ・インコーポレーテド
(Lab Products,Inc.)〕に保持し、標準的な実験飼料
を供給し、飲料水は自由に与えた。 TNF−α N−末端から最初の8個のアミノ酸が除去されたヒト
UNF−αのムテインを1987年6月30日発行の米国特許第
4,677,064号明細書およびワング(Wang)ら、Science
1985年、228巻、149〜153頁に記載の方法で調製した。
簡単に説明すれば、TNFはHL−60細胞から誘発され、精
製され、配列決定された。次いで、富化したmRNAを調製
し、cDNAライブラリーを構成し、プローブを選択し、ラ
イブラリーを試験して配列を回収することによって、ヒ
トTNFをコード化するイントロンなしの配列を調製し
た。次いで、ATG開始コドンを部位特定変異誘発によっ
て成熟タンパクのN−末端バリンをコードするGTC配列
の直前に導入した。クローンを選択して、鎖を発現ベク
ターに連結して、ムテインの原核性発現を得た。次に、
ムテインを標準的精製技法を用いてカラム精製によって
精製し、精製緩衝液中に回収した。ムテインを無菌バイ
アル中で凍結乾燥した粉末として調製し、使用前の4日
以内に無菌リン酸緩衝食塩水を用いて再構成し懸濁し、
保存する場合には、4℃で保存した。TNFは、生産ロッ
トによって、1mgのタンパク当たり0.001〜0.006ng未満
のエンドトキシンを含んだ。 遊離基捕捉剤 本発明に用いた遊離基捕捉剤は、市販の尿酸(シグ
マ)であった。 癌セルラインおよび腫瘍の注射 用いた標的細胞はドクター・ロイド・オールド・メモ
リアル・スローン−ケタリング・キャンサー・センター
(Dr.Lloyd Old,Memorial Sloan−Kettering Cancer Ce
nter)、ニュー・ヨーク、ニュー・ヨークからの腹水通
過腫瘍として得て、保存品として凍結し使用の前には少
なくとも2回腹水を通過させた。これらの細胞を、マウ
ス宿主の肩甲骨上部に皮下移植した。 B.結果 表−1はTNFムテイン単独、尿酸単独およびTNFムテイ
ンと尿酸の各種組合せの注射を、1群当たり5匹のマウ
スに、腫瘍を移植した後7日目から開始して3日毎に3
回皮下投与し、最終測定を14日目に行った(2〜3回反
復)。賦形剤コントロールをPBSを用いて注射した。 尿酸は、動物の体重を減少させずに達成し得る最高濃
度より若干少ない量であり、予備毒性試験において決定
し、TNF接種の直前に投与した。 TNF投与量は、マウスの体重(マウスの体重はそれぞ
れ約20gであった)1kg当たり50,100,150,200および250
μgの範囲をカバーするように選択した。尿酸の投与量
は、尿酸を投与するときには単にマウス体重1kg当たり2
5mgであった。 この結果は、マウスを組合せ処理するとPBSコントロ
ールおよびTNF単独に就いての毒性は宿主の死亡によっ
て計測したところ減少し、効力は、PBS対照のΔTWと組
合せのΔTWを比較することによって計測したところ、増
加することを示している。それ故、本明細書に定義され
る治療係数は増大した。 尿酸は、アメス(Ames)らの上記文献によって、反応
性酸素種による損傷および霊長類には存在するが齧歯類
には存在しない脂質過酸化に対する主要な防護剤と考え
られている。これらの実験の結果は、反応性酸素種およ
び脂質過酸化物様生成物がTNFの作用機構に役割を果た
している事を示している。 実施者は、これらの結果が同様に動物およひヒトにお
けるTNF投与量に関する抗腫瘍効果の間の予想される相
関に基づいてヒトにも適用される事を予言することがで
きる。TNF単独の前臨床応答は、結腸癌に対するTNFの臨
床的応答と相関を有していた。 実施例2ビタミンC(アルコルビン酸)の使用 雌Balb/cマウスに、実施例1と同様にMeth−A腫瘍細
胞を皮下に移植した。 表−2は、ビタミンCまたは実施例1のTNFムテイン
を単独で、またはビタミンCとその直後にTNFムテイン
とからなる各種組合せとを5匹のマウスからなる群に、
腫瘍の移植の7日後から始めて静脈内に投与し、3日毎
に3回注射を継続し、処理の開始から14日目に測定を行
うことによって得られる結果を示している。 ビタミンCは、水性区分遊離基捕捉剤として働き、コ
ラーゲン安定性等に寄与する。 これらの結果は、ビタミンCとTNFとで処理する際、1
25μg/kgのTNFの投与量では、治癒数が少なく且つ毒性
もほとんど変化しないが2水準の高投与量のビタミンC
ではPBSコントロールに対して効力が増大することを示
している。高投与量のTNF(250μg/kg)では、ビタミン
Cによる緩衝は不可能であった。ビタミンC単独では、
試験した3水準の投与量では毒性はなかった。齧歯類は
内因性のアスコルビン酸を有するので、外因性の投与に
影響を与える調整機構があると思われる。しかしなが
ら、ビタミンCは7mg/kgの投与量で治療係数を有意に向
上させるものと思われる。 実施例3ブチオニン・スルホキシミン(BSO)の使用 雌Balb/cマウスに、実施例1に記載したのと同様にMe
th−A腫瘍細胞を皮下に移植した。処理を、移植から7
日後に開始した。 BSOまたは実施例1のTNFムテイン単独、またはBSOをT
NFムテインと共に投与するプロトコールを用いた。BSO
は腹腔内に投与し、TNFは静脈内に投与した。BSOは、TN
Fの投与の24時間前に投与を開始し、一日2回(6〜8
時間の投与間隔で)10日間投与し、TNFはBSOの二回目の
投与と共に3日毎に3回投与した。BSO賦形剤をTNF単独
の群での容積コントロールとして用いた。PBSを対照と
して用いた。プロトコールを、下記に示す。 表−3は、この研究の結果を示しており、見出しは表
−2の脚注に定義されている。括弧内の数字は実験の繰
り返しの結果を示している。 これらの実験の結果は、BSOで前処理すると、実験を
行ったTNFの総ての投与量で、TNFの治療係数が増加し、
TNFの抗腫瘍効力は増加するが、「投与量改変ファクタ
ー」という見出し欄に示されるように、毒性はほとんど
増加しない事を示している。これらのデーターは更に、
効力及びある程度までは毒性の生体内機構が遊離基産生
に関係しているという仮定を支持している。腫瘍細胞の
感受性/耐性は、腫瘍細胞が遊離基による損傷から細胞
自体を保護する能力によって変わる。 下記の表−4に、各種ヒトセルラインのTNFに対する
感受性と、細胞中のグルタチオン(GSH)含量に対するT
NF感受性の関係とを示している。BSOを用いて、宿主に
比較してMeth−AのGSHレベルを優先的に減少させるこ
とによって、腫瘍の遊離基捕捉能を除去する。下記の総
てのセルラインは、アメリカン・タイプ・カルチャー・
コレクション(ATCC)、ロックビル、メリーランドから
入手できる。 a対照腫瘍の容積増加が少なくとも20倍となる最終時
点でTNFの最大許容投与量で測定した。これらのモデル
では一般的に移植後17〜28日目である。L1210,P388,P81
5およびB−16腫瘍ラインでは、マウスを、腫瘍を皮下
に移植後1日目から14日間、毎日250μg/kgを腹腔内に
投与して処理し、PAN−02およびHT29は腫瘍の移植後7
日目から開始してそれぞれ150または100μg/kgを3日毎
に3回静脈内投与した。これらの条件下では、対照に対
する体重損失が10%未満であり、これらのモデルでは、
宿主の毒性による比特異的腫瘍の成長抑制を誘発するこ
となく最大抗腫瘍効果のシグナルが得られると考えられ
た。 b既に報告されているデーターは、試験管内では50%
の動物が死亡するTNFの投与量(TCID50)はME180に対し
ては50単位/ml、L929では20単位/mlである事が示されて
いる(クリージー(Creasey)ら、Cancer Res.、47巻、
145〜149頁、1987年)。 実施例4.アスピリンの使用 雌Balb/cマウスを、実施例1と同様にMeth−A腫瘍細
胞を皮下移植することによって処理した。1群当たり5
匹のマウスを用いた。移植から7日後に治療を開始し
た。 アスピリンまたは実施例1のTNFムテインを単独でま
たはアスピリンをTNFムテインと共に静脈内投与を行う
プロトコールを用いた。組合せ群では、アスピリンを毎
日、5日間に亙って投与し、それぞれの投与から1〜4
時間後にTNFを投与した。PBSをコントロールとして用い
た。 アスピリン30mg/kgの単回投与またはアスピリンを一
日1回5日間に亙って投与した後、TNF250μg/kgを投与
したところ、アスピリン処理したマウスの9/10はTNFで
処理してから48時間以内に死亡した。対照的に、アスピ
リン単独では、毒性はなく、TNF単独では1/5のマウスが
死亡した。 TNFの投与量を25〜150μg/kg宿主体重に減少し、その
結果を表−5に示す。最終的測定は、処理を開始してか
ら14日目に行った。見出しは、表−1の脚注に定義され
ている。 これらの結果は、TNF投与量が低い場合には、アスピ
リンで前処理することによって、TNFの治療係数が増大
する(すなわち、効力が増加し、毒性は極わずかだけ増
加する)事を示す。事実、ΔTWによって測定した場合の
TNF単独での効力の増加は、アスピリン30mg/kgの存在で
は50μg/kgのTNFにおいて、ファクターは約2であり、
更に、この組合せ群では、4匹の内3匹が治癒したがTN
F単独では5匹のうち治癒したのは1匹だけであった。1
50μg/kgでは、アスピリンを組合せることによって毒性
が強くなるが、効力はほとんど変化しなかった。 実施例5ノルジヒドログアヤレチン酸(NDGA)、アスピ
リン、またはTNFとの組合せの使用 雌Balb/cマウスを、実施例1と同様にMeth−A腫瘍細
胞を皮下移植することによって処理した。表−6は、ND
GA〔シグマ・ケミカル・カンパニー(Sigma Chemical C
o.)製〕、アスピリン、NDGAとアスピリンとの組合せ、
実施例1のTNFムテイン単独およびNDGAおよびアスピリ
ンとにTNFムテインを加えた各種組合せを、5匹のマウ
スから成る群に、腫瘍を移植してから7日後に投与を開
始して、3日毎に3回継続した場合に得られる結果を示
している。これらのプロトコールの詳細は、表−6の脚
注に示されている。PBSを対照として用いた。結果を、
処理を開始してから14日目に評価した。見出しは、表−
1の脚注に定義されている。 NDGAは5′−リポキシゲナーゼの代謝経路を抑制する
ことが知られており、ロイコトリエン合成およびそれに
よる宿主中のロイコトリエンの産生に関連した毒性を抑
制することが考えられる。更に、NDGAは幾つかの場合に
遊離基捕捉作用を有し、この作用もTNFの毒性を減少さ
せることが期待される。本発明の条件下での正確な機構
は現時点では完全には知られていないが、いずれか一方
の効果またはこれらの効果がTNFの毒性を減少させる得
ることを示唆する証明がなされている。 実施例6インドメタシン、イブプロフェンまたはアスピ
リンとTNFとの使用 雌Balb/cマウスを、実施例1と同様にMeth−A腫瘍細
胞を皮下移植することによって処理した。表−7は、ア
スピリン、インドメタシン、イブプロフェン、実施例1
のTNFムテインを単独で、およびアスピリン、インドメ
タシンまたはイブプロフェンを投与してから2時間後に
TNFムテインを、10匹のマウスおよび5匹のマウスの群
に、腫瘍を移植してから7日後から投与するときに得ら
れる結果を示している。プロトコールの詳細について
は、表−7の脚注を参照されたい。結果をTGIについて
は処理の開始後14日目に評価し、治癒データーについて
は、少なくとも21日目、通常は28日目に評価した。TGI
は腫瘍成長抑制であり、対照の14日目の腫瘍の重量に対
する14日目の処理された腫瘍の重量の百分率を100から
差し引いたものとして計算される。(例えば、処理され
た容積が30であり、コントロール容積が1200であれば、
比率は2.5%であり、TGI%は97.5となる)。治癒数は、
表−1の脚注cに定義されたものと同じである。 これらの結果から、3mg/kgのインドメタシンに対する
TNFのマウスに対する最適投与量は、約50〜200μg/kg宿
主重量(ヒトについては50〜200μg/m2)であることが
示される。TNFと組合せたイブプロフェンの効果は、TNF
と組合せたアスピリンの効果とほぼ等しい。これらの結
果から、30mg/kg宿主のアスピリンについて、TNFの最適
投与量が推定される。 実施例7N−アセチルシステインのTNFと一緒の使用 チャールス・リバー・ラブス(Charles River Labs)
から購入したCDラットに、実施例1に記載したTNFムテ
イン200または400μg/kgを、1回、0時間に静脈内に注
射した。更に、0時間におけるTNFの静脈内投与の24時
間および1時間前に、CDラットにN−アセチルシステイ
ン(シグマ(Sigma))を250および100mg/kg宿主で静脈
内注射した。表−8に示されるデーターは、24時間以内
の死亡数/総処理ラット数である。N−アセチルシステ
インを投与することによって、TNFの毒性が試験した総
ての投与量で減少することが判る。 上記の効果は、TNF以外のリンフォカインまたは細胞
毒素において観察されると考えられる。例えば、生物学
的改質剤はIL−2によって媒介される殺腫瘍性活性にお
いて役割を果たしている。各種腫瘍細胞の遊離基捕捉能
の量とそれらのTNFおよびIL−2の両者に対する感受性
との間には明らかな関係が見られている。以下の実験
で、IL−2がTNFと同様に有効であることを説明する。 実施例8.IL−2と一緒の尿酸の使用 雌Balb/cマウスを、実施例1と同様にMeth−A腫瘍細
胞を皮下移植することによって処理した。 des−ala1−IL2−ser125(成熟IL−2分子の1位には
アラニンがなく、成熟IL−2分子の125位はセリンであ
る)と命名されるIL−2ムテインを、上記の米国特許第
4,518,584号明細書に記載の方法によって調製し、1986
年12月30日発行のEP 206,828号明細書による屈折体(re
fractile bodies)から単離し米国特許第4,604,377号明
細書に記載の方法でドデシル硫酸ナトリウムに配合し
た。des−ala1−IL2−ser125という名称は成熟天然IL−
2配列の最初のアラニンがなく、成熟天然IL−2配列の
125位におけるシステイン残基はセリンによって置換さ
れていることを示している。 表−9は、本明細書に記載されたIL−2ムテイン単
独、尿酸単独、およびIL−2ムテインと尿酸との各種組
合せの注射を、腫瘍の移植後7日目から始めて、1群5
匹のマウスに静脈内投与を行い、一日1回、5日間継続
し、IL−2と尿酸の両方を投与するときにはIL−2の投
与の直前(約10分前)に尿酸を投与する場合に得られる
結果を示している。最終的測定は14日目に行った。賦形
剤対照をPBSと共に注射した。尿酸の投与量は、総て25m
g/kgマウス重量であった。見出しは、表−1の脚注に定
義されている。 これらの結果は、組合せてマウスを治療することによ
りIL−2対照の毒性は減少するが、IL−2の効力は尿酸
と組合せるとほぼ半分になることを示している。この効
力の減少は、低いTNF投与量と尿酸とを用いて観察され
る減少幅と同じである。治療をより長時間行い且つIL−
2の投与量を増加させることによって、腫瘍が治癒する
ことが予測される。ヒトに用いられる好ましい生物学的
改質剤は、アスピリン、ビタミンC、ビタミンE、イブ
プロフェン、インドメタシンおよびN−アセチルシステ
インである。ヒトに対しては、IL−2は典型的には、1
日当たり3×106単位/m2の水準で投与される。 本発明は下記の目的を達成するものである。第一に、
遊離基を捕捉する宿主または腫瘍の能力は、例えばBSO
との組合せ治療によって減少し、したがって宿主につい
ての腫瘍の治療係数が増加する。第二に、遊離基産生に
よって引き起こされる宿主レベルでの生物学的損傷は、
例えば血漿によって媒介される遊離基捕捉剤、尿酸によ
って阻害される。第三に、脂質および水性分画における
反応性遊離基によって影響され且つこれらの反応性遊離
基を生成するアラキドン酸塩カスケードの代謝を調節し
て、リンフォカインまたは細胞毒素の治療係数を増加さ
せることができる。生物学的改質剤の有効量は、ヒトの
臨床治験を行うときにマウスのデーターからの翻訳に基
づいてヒトに就いて決定することができる。 要約すれば、本発明はリンフォカインまたは細胞毒素
および生物学的改質剤を組合せて、哺乳類においてリン
フォカインまたは細胞毒素単独の場合に比較して治療係
数を増強させるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 31/00 643 A61K 31/00 643C (56)参考文献 特開 昭62−263127(JP,A) 特開 昭61−137828(JP,A) 特開 昭63−146829(JP,A) 特開 昭60−215631(JP,A) 特開 昭61−177527(JP,A) 特開 昭60−36420(JP,A) 特開 昭59−196899(JP,A) 特開 昭60−48933(JP,A) 特表 平1−500905(JP,A) 特表 平1−502980(JP,A) 特表 昭63−503308(JP,A) Biochem.Biophys.R es.Commun.,Vol.136, No.1(1986),p.94−101 Biochem.Biophys.R es.Commun.,Vol.137, No.1(1986),p.404−410 Biochem.Biophys.R es.Commun.,Vol.141, No.1(1986),p.482−487 J.Exp.Med.,Vol.162, No.6(1985),p.2163−2168 J.Exp.Med.,Vol.163, No.6(1986),p.1433−1450 Prog.Cancer Res.T her.,Vol.16(Augment ing Agents Cancer Ther),1981,p.253−265(Ch emical Abstracts,V ol.95,Abstracts Num ber18406) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61K 38/19

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.遊離基の発生によって引き起こされる哺乳類宿主の
    生物学的損傷を治療または予防するために宿主に投与す
    るための組成物であって、薬理学的に有効量の腫瘍懐死
    因子及びインターロイキン−2ムテインから成る群から
    選択された哺乳類由来の少なくとも1種のリンフォカイ
    ンまたは細胞毒素と、少なくとも1種の遊離基捕捉剤と
    を含んで成る組成物。 2.前記少なくとも1種のリンフォカイン又は細胞毒素
    がインターロイキン−2ムテインを含んで成る、請求項
    1に記載の組成物。 3.前記少なくとも1種のリンフォカイン又は細胞毒素
    が腫瘍懐死因子を含んで成る、請求項1に記載の組成
    物。 4.前記少なくとも1種のリンフォカイン又は細胞毒素
    が腫瘍懐死因子−αを含んで成る、請求項1または3に
    記載の組成物。 5.前記哺乳類宿主がヒトである、請求項1〜4のいず
    れか1項に記載の組成物。 6.前記少なくとも1種の遊離基捕捉剤が尿酸、ブチオ
    ニン スルホキシミン、ビタミンE、ビタミンC、N−
    アセチルシステイン、レチノイド、グルタチオン、メト
    ロニダゾール、およびこれらの遊離基捕捉剤の1種以上
    の組み合わせから選択される、請求項1〜5のいずれか
    1項に記載の組成物。 7.遊離基の発生により引き起こされる前記生物学的損
    傷が癌である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組
    成物。 8.遊離基の発生により引き起こされる前記生物学的損
    傷が、感染、過温症、高酸素緊張、化学療法、もしくは
    放射線療法により引き起こされる生物学的損傷である
    か、又は細胞を殺す機構として生成される。請求項1〜
    6いずれか1項に記載の組成物。 9.前記少なくとも1種の遊離基捕捉剤が尿酸であり、
    そしてインターロイキン−2が天然インターロイキン−
    2ムテイン分子の位置125にセリン残基を有するデスア
    ラニル1ムテインである、請求項2に記載の組成物。 10.遊離基の発生によって引き起こされる哺乳類宿主
    の生物学的損傷を治療または予防するために宿主に投与
    するための単位投与剤であって、 薬理学的に有効量の哺乳類由来の少なくとも1種のリン
    フォカインまたは細胞毒素を含んで成る第1組成物、並
    びに 少なくとも1種の遊離基捕捉剤を含んで成る第2組成
    物、 を含んで成り、前記第2組成物がリンホカインまたは細
    胞毒素を実質上含有しないことを特徴とする単位投与
    剤。 11.前記少なくとも1種のリンフォカイン又は細胞毒
    素がインターロイキン−2を含んで成る、請求項10に記
    載の単位投与剤。 12.前記少なくとも1種のリンフォカイン又は細胞毒
    素が腫瘍懐死因子を含んで成る、請求項10に記載の単位
    投与剤。 13.前記少なくとも1種のリンフォカイン又は細胞毒
    素が腫瘍懐死因子−αを含んで成る、請求項10または12
    に記載の単位投与剤。 14.前記少なくとも1種のリンフォカイン又は細胞毒
    素がインターフェロン−βを含んで成る、請求項10に記
    載の単位投与剤。 15.前記少なくとも1種のリンフォカイン又は細胞毒
    素がコロニー刺激因子−1を含んで成る請求項10に記載
    の単位投与剤。 16.前記哺乳類宿主がヒトである請求項10〜15のいず
    れか1項に記載の単位投与剤。 17.前記少なくとも1種の遊離基捕捉剤が尿酸、ブチ
    オニン スルホキシミン、ビタミンE、ビタミンC、N
    −アセチルシステイン、レチノイド、グルタチオン、メ
    トロニダゾールおよびこれらの遊離基捕捉剤の1種以上
    の組み合わせから選択される、請求項10〜15のいずれか
    1項に記載の単位投与剤。 18.遊離基の発生により引き起こされる前記生物学的
    損傷が癌である、請求項10〜17のいずれか1項に記載の
    単位投与剤。 19.遊離基の発生により引き起こされる前記生物学的
    損傷が、感染、過温症、高酸素緊張、化学療法もしくは
    放射線療法により引き起こされる生物学的損傷である
    か、又は細胞を殺す機構として生成される、請求項10〜
    17のいずれか1項に記載の単位投与剤。 20.前記少なくとも1種の遊離基捕捉剤が尿酸であ
    り、そしてインターロイキン−2ムテインが天然インタ
    ーロイキン−2ムテイン分子の位置125にセリン残基を
    有するデスアラニル1ムテインである、請求項11に記載
    の単位投与剤。
JP62-293129A 1987-10-26 1987-11-21 遊離基捕捉剤又は代謝抑制剤と生物活性蛋白質とを含有する医薬組成物 Expired - Lifetime JP2944078B2 (ja)

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