JP2528114B2 - 腫瘍壊死因子を含んで成る組成物 - Google Patents

腫瘍壊死因子を含んで成る組成物

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JP2528114B2 JP62085887A JP8588787A JP2528114B2 JP 2528114 B2 JP2528114 B2 JP 2528114B2 JP 62085887 A JP62085887 A JP 62085887A JP 8588787 A JP8588787 A JP 8588787A JP 2528114 B2 JP2528114 B2 JP 2528114B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、腫瘍壊死因子(TNF)とインターロイキ
ン−2(IL−2)との相乗的混合物を含んで成る抗腫瘍
治療剤に関する。
〔従来の技術〕
正常末梢血リンパ球により生産されそして植物レクチ
ン、抗原又は他の刺激剤への暴露の後抗原又はマイトジ
エンにより刺激されたT細胞の増殖を誘導するリンホカ
インであるインターロイキン−2は、Morgan,D.A.等、S
cience(1976),193:1007−1008により最初に記載され
た。刺激されたTリンパ球の増殖を誘導するその能力の
ためにT細胞増殖因子と呼ばれたが、現在ではこの増殖
因子としての性質に加えてインビトロ及びインビボで免
疫系細胞の種々の機能を調節することが認識され、イン
ターロイキン−2(IL−2)と再命名されている。
IL−2は最初、ヒト末梢血リンパ球(PBL)又は他のI
L−2生産性セルラインを培養することにより製造され
た。例えば、米国特許No.4,401,756を参照のこと。組換
DNA技法はIL−2の生産のためのPBL及びセルラインの代
替物を提供した。Taniguchi,T.等、Nature(1983),30
2:305−310;及びDevos,R.,Nucleic Acids Research(1
983),11:4307−4323はヒトIL−2遺伝子のクローニン
グ及び微生物中でのその発現を報告している。
米国特許No.4,518,584は、野性型又は天然の分子の12
5位に存在するシステインがセリン又はアラニンのごと
き中性アミノ酸で置き換えられているIL−2のミューテ
インを記載しそしてクレームしている。クロラミンT又
は過酸化物酸化に対して感受性の各メチオニンがアラニ
ンのごとき保存的アミノ酸により置き換えられている、
生物学的に活性なIL−2のごとき酸化耐性を製造するこ
とができる。米国特許No.4,530,787及びNo.4,569,790
は、組換天然型IL−2及びそのミューテインの精製方
法、並びに精製された形態のIL−2を開示しそしてクレ
ームしている。
PCT W085/04328は、微生物的に生産された酸化された
組換IL−2を含んで成る、医薬として許容される水性ビ
ヒクル中に再溶解するために適当なIL−2組成物を開示
している。IL−2は、悪性疾患又は前−悪性疾患治療に
おける細胞毒性化学療法もしくは照射又は外科手術との
組合せにおいて直接療法的に又はアジュバントとして、
あるいは他の免疫調節剤、天然に存在するリンホカイン
類(例えば、IL−1、IL−2、CSF−1及びIFN類)、又
は悪性疾患の治療における誘導性抗−細胞毒素との組合
せにおいて有用であると記載されている。
S.Rosenberg及び共同研究者〔Mule等、Science(198
4),225:1487;及びS.Rosenberg等、New England Journ
al of Medicine(1985),313:1485−1492を参照のこ
と〕によりヒトIL−2の種々の療法的適用が研究されそ
して報告されている。
インターフェロン(IFN)は、抗−ウイルス、抗−癌
及び免疫調節挙動を示すことが知られている天然蛋白質
の一群を構成する。IFNの2つのタイプ、すなわちI型
及びII型が、それらの観察された生物学的性質及び分子
構造の差異に基いて同定されている。β−インターフェ
ロン(IFN−β)は、ウイルスのチャレンジにより繊維
芽細胞中で誘導され得、そして約165個のアミノ酸を含
有するI型インターフェロンである。IFN−βは白血球
中で誘導されるI型IFNであり、そしてIFN−γは特異的
マイトジエン刺激に反応してリンパ球中で誘導されそし
て146個のアミノ酸を含有するII型IFNである。
ヒトIFN−βは、例えばSugano等の1981年6月6日に
公開されたEP 28,033、及びRevel等の1981年6月10日に
公表された英国特許No.2063,882に記載されている様に
して、組換DNA技法により製造することができる。さら
に、IFN−βは、米国特許No.4,588,585に記載されてい
る様に、生物学的活性に必須でないアミノ酸が他のアミ
ノ酸に置き換えられて安定性が増大しているミューテイ
ンであってもよい。マウスIFN−βもまた組換DNA技法に
より製造することができる。
Paucker等、Virology17:324−334(1962)によりIF
NがマウスL細胞の増殖速度を抑制することが示された
後、多くの研究者がIFNによるマウスL細胞の処理、及
びIFNによる腫瘍細胞増殖の阻害を研究した。例えばBor
den,E.C.,Ann.Intern.Med.91:472−479(1979)を参
照のこと。
腫瘍壊死因子(TNF)は最初Carswell等、PNAS(USA)
(1975),72:3666−3670により、マウス中で増殖する
場合に化学的に形質転換された腫瘍細胞の壊死を惹起す
る、エンドトキシンにより誘導される血清因子として記
載された。ネズミTNFの精製された調製物がネズミ及び
ヒトセルラインに対してインビトロで試験されている。
K.Haranaka及びN.Satomi,Japan J.Exp.Med.(1981),5
1:191。正常細胞とは異なり、両種からの腫瘍セルライ
ンはマウスTNFの細胞毒性活性に感受性であった。さら
に、ネズミTNFはヌードマウス中のヒト及びマウスの移
植された腫瘍に対して毒性であると報告された。K.Hara
naka等、Int.J.Cancer(1984),34:263−267。ヒトTNF
も新生物細胞に対して毒性であることが知られており、
そして組換形で製造されている。Pennica等、Nature(1
984),312:724−729;Shirai等、Nature(1985),313:
803−806;及びWang等、Science(1985),228:149−154
を参照のこと。
ラビットTNFのクローニングが、1985年6月26日に公
開されたEP 146,026(大日本製薬)及び1985年7月17日
に公開されたEP 148,311(旭化成工業)に開示されてい
る。151個及び155個のアミノ酸(天然型より2個及び6
個少ない)を有するヒトTNFのクローニングが1985年9
月25日に公開されたEP 155,549(大日本製薬)に開示さ
れており、そして155個のアミノ酸を有するヒトTNFが19
85年10月16日に公開されたEP 158,286及び1985年11月20
日に公告された対応するGB 2,158,829Aに開示されてい
る。成熟TNF(157個のアミノ酸)及びその種々の修飾形
(ミューテイン)が1986年1月15日に公開されたEP 16
8,214(ゼネンテック)及び1985年10月3日に出願され
そして1986年4月に公開されたPCT US85/01921(シタス
・コーポレイション)に開示されている。
ヒトの悪性腫瘍を治療するために2種類又はそれより
多くの抗癌剤を使用する組合せ療法が現在研究及び臨床
において使用されている。抗癌剤は抗代謝剤、アルキル
化剤、抗生物質、一般毒等であることができる。ほとん
どの癌、例えば癌腫、黒色腫、リンパ腫及び肉腫に対す
る相乗効果を得るため、並びに薬剤耐性細胞の出現を低
下せしめ又は除去するため及び各薬剤に対する副作用を
減少せしめるために、1つの試みとして薬剤の組合せが
投与される。
相乗的な生物学的効果を得るためにI型インターフェ
ロン及びII型インターフェロンを組合わせることが知ら
れている。例えば、Fleishman.W.R.,Cancer Res.(198
2),42:869−875及びDeClercq,E.等、Cancer Letters
(1982),15:223−228(マウスIFN)、並びに1984年5
月2日に公開されたヨーロッパ特許出願公開107,498
(ヒトIFN−γ及びIFN−α又は−β)を参照のこと。Ma
rk等(シタス・コーポレイション)の米国特許No.4,51
8,584は、IL−2ミューテインとγ−インターフェロ
ン、B細胞増殖因子、及びIL−1との組合せを開示して
いる。さらに、IL−2がIFN−γと共に、腫瘍担持宿主
を治療するために、相剰的結果をもって〔1985年7月24
日に公開されたヨーロッパ特許出願No.149,551(ゼネン
テック)及び1985年10月31日に公開された独国特許出願
公開No.3411184(デント・ロテン・クロイッェス)〕、
又はナチュラルキラー活性の性の増強をもって〔Sveder
sky等、J.Immunol.(1984),133:714−718、及びShala
by等、J.Interferon Res.(1985),5:571−581〕使用
されることが開示されている。しかしながら、Lopez−B
otet等、Eur.J.Immunol.(1984),14:1137−1141は、
ヒトT細胞クローンにおいてナチュラルキラー様活性を
誘導するためにIL−2及びIFN−γの組合せは十分でな
いと報告した。さらに、Dempsey等、J.Immun.(198
2),129:2504−2510から、ナチュラルキラー細胞の活
性化の惹起においてIFN−α又はIL−2単独よりもIFN−
α及びIL−2の組合せがより効果的であることが知られ
る。さらに、Preclinical Screening Lab.,BRMPのTalma
ge博士は1986年に、マウスにおける転移疾患を治療する
ためにTNF及びIFN−γを使用する効果の増強を報告し
た。1985年1月23日に公開されたEP 131,789(スローン
ケッタリングインスティテュート・フォア・キャンサー
リサーチ)、及び1986年1月15日に公開されたEP 168,2
14(ゼネンテック)はマウスにおける種々の腫瘍を治療
するためのTNF及びIFN−γの相乗効果を開示している。
1985年6月20日に公開されたEP 170,843は、癌の増殖に
対するTNFとIFN−α、−β及び/又は−γとの相剰効果
を開示している。さらに、ヒトTNF及びヒトIFNのインビ
ボ効果について、Williamson等、Proc.Natl.Acad.Sci.
(1983)50:5397−5401を参照のこと。
腫瘍担持動物に対するIL−2及びTNFのみ、又はこれ
らとIFN−βとの組合せの効果は研究されていない。
〔本発明の説明〕
従って、この発明は、TNF及びIL−2及び/又はIFN−
β(ここで、TNF、IL−2及びIFN−βは哺乳類種に由来
する)の混合物の相乗的効果を含んで成る癌の治療のた
めに哺乳類宿主に非経口的又は皮下投与するために適当
な組成物に関する。
他の観点において、この発明は、TNF及びIL−2及び
/又はIFN−β(ここで、TNF、IL−2及びIFN−βは哺
乳類種に由来する)の相乗的有効果を宿主に投与し、TN
F及びIL−2を逐次的に投与する場合にはIL−2の投与
の前にTNFを投与する、ことを含んで成る哺乳類宿主に
おける癌の治療方法を提供する。
好ましくはTNFはラビット又はヒトTNFであり、そして
IL−2はヒトIL−2であり、そしてIFN−βはヒト又は
マウスIFN−βであり、そしてすべての蛋白質は微生物
的に組換生産された蛋白質である。
IL−2とTNFとの組合せが、黒色腫、白血病、肥満細
胞腫、及び肺癌のごとき種々の形の癌の治療において驚
くべき相乗作用を提供することが見出される。
この明細書において使用する場合、“治療”なる語
は、患者が癌を有するとなんらかの手段により決定され
た後の、IFNとIL−2、TNFとIFN−β、又はTNFとIFN−
βとIL−2の患者への投与に関する。処置の後に腫瘍が
現われるか、又は存在する腫瘍負荷が低下もしくは除去
されない場合、その処置は療法的ではないと考えられ
る。投与の効果は時間と共に低下し、腫瘍が可視的とな
った後5〜7日が治療を与えることができる最大期間で
あり、主として腫瘍のタイプ及び投与量に依存する。
この明細書において使用する場合、“癌”なる語は、
あらゆる新生物疾患に関し、これには細胞性疾患を包含
し、例えば腎細胞癌、カポシ(Kaposi)肉腫、慢性白血
病、乳癌、肉腫、卵巣癌、直腸癌、咽喉癌、黒色腫、結
腸癌、膀胱癌、肥満細胞腫、肺癌、及び胃腸又は胃癌を
包含する。好ましくは、癌は白血病、肥満細胞腫、黒色
腫及びリンパ腫である。
この明細書において使用する場合、IL−2及びTNFに
適用される“相乗的有効量”なる語は、宿主の生存のた
めに有効であり、そしてTNFの投与量対IL−2の投与量
対宿主の生存の投与量−応答プロットにおいてTNF投与
量軸及びIL−2投与量軸のいずれとも交差しない混合物
中の各成分の量に関する。同じことがIFN−β及びTNFに
もあてはまる。INF−β、IL−2及びTNFがすべて存在す
る場合、3成分のために3軸が使用される。この発明に
おいて相乗性を決定するために使用される投与応答曲線
は、Sande等、the Pharmacological Basis of Therapeu
tics、マクミラン出版、ニューヨーク(1980),1080−1
105頁に十分に記載されている。相剰作用決定のため、
治癒は、腫瘍を移植した日からMeth A腫瘍については14
日後、そして他のすべての腫瘍については60日後の宿主
の治癒として定義される。最適相乗性は、95%信頼限界
を用いて、投与量レベル、スケジュール及び応答のごと
き因子を変え、そしてIL−2とTNF、IFN−βとTNF、又
はIL−2とIFN−βとTNFとの種々の組合せについての応
答曲線からイソボログラムを生じさせるコンピューター
により生じるモデルを使用することにより決定すること
ができる。投与量応答曲線上の最高生存率は最適投与量
レベルと相関する。
この明細書において使用する場合、“組換(体)”な
る語は組換DNA技法により生産されたTNF、IL−2及びIF
N−βに関し、この技法においては一般に、既知の組換D
NA技法によりTNF、IL−2又はIFN−3をコードする遺伝
子がクローン化される。例えば、ヒトTNF又はIL−2のc
DNAあるいはマウスIFN−βのcDNAを鋳型として使用して
ヒトIL−2又はIL−2のcDNAあるいはマウスIFN−βのc
DNAに対する相補性を示す遺伝子を適当なDNAベクター、
例えば細菌プラスミド、好ましくはE.コリ(E.coli)プ
ラスミドに挿入して組換プラスミドを得、そしてこのプ
ラスミドを使用して適当な宿主を形質転換する。遺伝子
を宿主中で発現せしめることにより組換蛋白質を得る。
この目的のための組換プラスミドの例にはpBR322、pCR
1、pMB9/及びpSC1が含まれる。形質転換される宿主は真
核性宿主又は原核宿主であり、好ましくは原核性宿主で
ある。
この明細書において使用する場合、“医薬として許容
される”なる語は、活性成分の生物学的活性の有効性を
妨害せず、且つ投与される宿主に対して毒性でないキャ
リャー媒体に関する。
この発明の方法は、相乗的有効量のTNFとIL−2、TNF
とIFN−β、又はTNFとIL−2とIFN−βを哺乳類宿主、
好ましくはヒト宿主に投与することを含む。IL−2及び
/又はIFN−β及びTNFは投与前にインビトロで混合する
ことができ、又は宿主に別々に投与することができる。
IFN−β及びTNFは同時に又は一方の成分に続いて他方の
成分を投与することができ、第二の投与は第一の投与が
完了した後一般に約5〜10分間以内、好ましくは約5分
間以内に行う。IL−2及びTNFを使用する場合、これら
を同時に、又はTNFに続いてIL−2を投与することがで
き、第二の投与は一般に第一の投与が完了した後に行
う。TNFの投与前のIL−2の投与は相剰作用をもたらさ
ず、そしてIL−2はそれに続くTNF処置に対する腫瘍の
感受性を低下せしめる。
投与は適当な技法、例えば皮下投与又は非経口投与に
より行うことができる。非経口投与の例には静脈内投
与、動脈内投与、筋肉内投与及び腹腔内投与が含まれ、
ネズミのモデルを使用する場合には腹腔内投与が好まし
い(便宜上)。
投与量及び投与方法は主として、IL−2、TNF及びIFN
−βが別々に又は同時に混合物として投与されるか否
か、癌のタイプ、患者、及び患者の病歴に依存するであ
ろう。量は腫瘍の相乗的な減少を達成するために効果的
なものでなければならない。投与は単一投与でも多数回
投与でもよい。多数回投与が用いられる場合、好ましく
は、投与の頻度は例えば宿主のタイプ、癌のタイプ、投
与量等に依存するであろう。幾つかのタイプの癌又は癌
セルラインのためには毎日の投与が効果的であり、他方
他の癌のためには隔日投与又は3日に1度の投与が効果
的であるが毎日の投与は効果的でない。臨床医は任意の
特定のケースについて、いかなる投与経路及び投与頻度
が最も効果的であるかを日常の実験の後に確認すること
ができよう。
この発明において最も効果的であると思われる投与量
は腫瘍を出現させず又は完全に消失させ、そして宿主に
対して毒性でない量である。この最適レベルは多くの因
子、例えば宿主のタイプ、癌のタイプ、投与の経路及び
スケジュール、存在する腫瘍負荷、IL−2、IFN−β及
びTNFのタイプ、並びに毒性の定義に依存するであろ
う。宿主に対する毒性は副作用の程度及びタイプによ
り、又は一定時間後の体重の減少量もしくは死により定
義される。体重の減少が毒性の基準である場合、典型的
には10〜20重量%の減少は許容され、20%より大きな減
少が毒性であると考えられるであろう。20%より多くの
体重の減少を毒性と考え、宿主がネズミでそして投与経
路がインビトロで調製される混合物の腹腔内投与であり
そして毎日又は隔日投与であれば、微生物的に生産され
た組換TNF及びIL−2の各投与の投与レベルは、宿主体
重kg当り約230〜260μg(さらに好ましくは約250μ
g)のTNF、及び宿主体重kg当り約15,000〜15,000,000
ユニット(さらに好ましくは15,600〜625,000ユニッ
ト)のIL−2であろう(ここで1000ユニットは1μgで
ある)。
非経口投与のため、IL−2、TNF及びIFN−βは一般
に、好ましくは本質的に非毒性でありそして非療法的で
ある医薬として許容されるキャリャー媒体中の単位投与
注射形(溶液、懸濁液、エマルジョン)に製剤化される
であろう。この様なビヒクルの例には、塩溶液、リンゲ
ル溶液、デキストロース溶液、マンニトール、及び正常
血清アルブミンが含まれる。硬化油及びオレイン酸エチ
ルのごとき非水性ビヒクルを使用することもできる。キ
ャリャー媒体は少量の添加剤、例えば等張性及び化学的
安定性等を増強する物質、例えば緩衝剤、並びに防腐剤
を含有することができる。IL−2、TNF及びIFN−βは典
型的にはこの様なキャリャー中にそれぞれ約0.1mg/ml〜
100mg/mlの濃度、好ましくは各0.2〜1mg/mlの濃度で配
合される。
この方法に代り、IL−2、TNF及びIFN−βを無菌の安
定な凍結乾燥形に製剤化することができ、この製剤中で
は精製されたIL−2、TNF及びIFN−βが嵩を与えるマン
ニトールのごとき水溶性キャリャー、並びに組換IL−2
及びIFN−βの水中への溶解性を保証するのに十分な量
のドデシル硫酸ナトリウムと混合されている。この製剤
は非経口投与のための水性注射液に再溶解するために適
当であり、そして安定でありそしてヒトの患者において
よく許容される。製剤化方法はPCT W085/04328にさらに
完全に記載されている。
他の態様においては、IL−2及びTNFの混合物は採用
される免疫療法において、医薬として許容されるキャリ
ャー中単離されたリンホカインで活性化されたリンパ球
と共に投与され、この場合リンパ球は、IL−2及びTNF
と共に腫瘍を有するヒトに投与された場合、腫瘍に対し
て反応性である。この方法は、S.Rosenberg等、New Eng
land Journal of Medicine(1985),313:1485−1492に
記載されている。S.Rosenberg等、Science,233:1318−1
321(1986)に記載された他の方法においては、IL−2
中で拡大された腫瘍インフィルトレート(tumor−ifilt
rating)リンパ球(TIL)が、特にシクロホスファミド
との組合せにおいて、治療のために移送される。Rosenb
erg等のTIL法も本発明において使用することができる。
上記のように、この発明のIL−2、TNF及びIFN−β
は、組織培養から又は組換技法により、そして任意の哺
乳類源、例えばマウス、ラット、ラビット、霊長類、ブ
タ、及びヒトから調製される任意のIL−2、TNF及びIFN
−βであることができる。好ましくは、TNFはラビット
又はヒトに由来し、さらに好ましくはヒトに由来し、IF
N−βはマウスに由来し、そしてIL−2はヒトに由来す
る。さらに好ましくは、IL−2、IFN−β及びTNFは組換
IL−2、組換IFN−β及び組換TNFである。組換IL−2
は、Taniguchi等、Nature302:305−310(1983)及びD
evos,Nucleir Acids Research11:4307−4323(1983)
に記載されているように、天然ヒトIL−2遺伝子をクロ
ーン化し、そしてこれを形質転換された微生物中で発現
せしめることにより得られる。これは、野性型又は天然
の分子の125位に通常存在するシステインが除去されて
いるか又はセリンもしくはアラニンのごとき中性アミノ
酸により置き換えられている、米国特許No.4,518,584に
記載のIL−2ミューテイン、あるいは野性型又は天然の
分子の104位に通常存在するメチオニンがアラニンのご
とき中性アミノ酸により置き換えられているIL−2ミュ
ーテインであることができる。
好ましくは、IL−2は、ヒトcDNA配列により、又は58
位及び105位のシステインのジスルフィド結合を含む天
然ヒトIL−2のアミノ酸配列と少なくとも実質的に同じ
アミノ酸配列を有しそして天然ヒトIL−2と共通の生物
学的活性を有する蛋白質をコードするIL−2の変形され
たヒトcDNA配列により形質転換された微生物により生産
される未グリコシル化蛋白質である。アミノ酸配列の実
質的同一とは、配列が同一であるか、又は合成蛋白質と
天然ヒトIL−2との間の不都合な機能的非類似性を惹起
しない1又はそれより多くのアミノ酸の変化(欠失、付
加、置換)により異ることを意味する。このような性質
を有するIL−2蛋白質の例には、Taniguchi等、Nature
(1983),302:305−310;Devos,Nucleir Acids Researc
h(1983),11:4307−4323;ヨーロッパ特許出願公開No.
91,539及び88,195;並びに米国特許No.4,518,584、前
掲、により記載されているもの並びにIL−2ala104ser
125が含まれる。最も好ましくは、IL−2は、最初の末
端アラニンが除去されておりそして125位のシステイン
がセリン残基に置き換えられているdes−ala1−IL−2se
r125ミューテイン、並びに天然IL−2の最初の5個のN
−末端アミノ酸の少なくとも1個が欠けているIL−2で
ある。
IL−2は1986年2月11日に発行された米国特許No.4,5
69,790中に記載されている方法により臨床的純度に精製
することができる。
他の製剤において、IL−2は洗剤によってではなく、
IL−2をポリエチレングリコールホモポリマー又はポリ
オキシエチル化ポリオールから選ばれた活性化されたポ
リマーと反応せしめることによって可溶化される。ポリ
マーは好ましくは300〜100,000ダルトン、さらに好まし
くは350〜40,000ダルトンの分子量を有する。このポリ
マーは、IL−2のアミノ基又はチオール基及びホモポリ
マーのヒドロキシ基の両者と反応する末端基を有するカ
ップリング剤との接合により活性化される。このような
カップリング剤の例にはヒドロキシベンゼンスルホン酸
エステル、シアヌル酸クロリド、及びN−ヒドロキシサ
クシンイミドが含まれる。この修飾により、生理的pHに
おいてIL−2を可溶可するために洗剤を添加する必要が
ない。次に、インターロイキンを水溶性キャリャー及び
緩衝液と上記のように配合し、そして配合物を凍結乾燥
し、そして凍結乾燥された混合物を上記のように再溶解
する。
この発明のIFN−βは、Metz,Adv.Drug Res.10:101
−156により教示されるように、ウイルス又は二本鎖ポ
リリボヌクレオチドのごときインターフェロン誘導剤に
暴露された細胞により自然に生産される。IFN−βはま
た、1981年6月6日に公表されたEP 28,033により開示
されている方法のような組換手段によっても製造され
る。IFN−βのミューテインはまた、米国特許No.4,588,
585に記載されているようにしても製造される。特に、
好ましいIFN−βミューテインは、グリコシル化されて
おらず、N−末端メチオニンを欠き、そして天然IFN−
βの17位のシステイン残基が部位特異的変異誘発によっ
てセリンで置き換えられているIFN−βses17である。IF
N−βは米国特許No.4,462,940に記載されている方法に
よって製造することができる。
さらに、この発明の好ましいIFN−βであるマウスIFN
−βは既知の組換技法により製造することができる。
組換ヒトTNFは、Pennica等は、Nature(1984),312:
724−729;Yamada等、J.Biotechnology(1985),3:141
−153;Wang等、Science(1985),228:149−154;1985年
9月29日に公開されたEP 155,549;1985年10月16日に公
開されたEP 158,286;1986年1月15日に公開されたEP 16
8,214;及び1986年4月に公開されたPCT US85/01921に記
載されている様にして得ることができる。組換ラビット
TNFは、1985年6月26日に公開されたEP 146,026、及び1
985年7月17日に公開されたEP 148,311に記載されてい
る様にして製造することができる。好ましくは、TNFは
最初の8個のアミノ酸残基が除去されているヒトTNFで
あるか、又はTNFは米国特許No.4,518,584に記載されて
いるのと同様にして調製されたシステインが除去された
ミューテインである。
この発明の種々の観点を次の例によってさらに記載す
るが、これによりこの発明の範囲を限定するものではな
い。これらの例においては、特にことわらない限り、固
体についてのすべての重量により、そして液体及び気体
のすべての%は容量により、そしてすべての温度は0℃
で示す。
例1. A.一般的処置 マウス 雌性BDF1、C57B1及びBalb/cマウス並びにCDラットを
インビトロ試験に使用した。マウスは処置群(5又は10
匹)が平均20g±3gとなる様に体重を一致させそしてラ
ンダム化した。すべての動物を検疫観察のため到着後7
日間保持し、マイクロアイソレーターケージに保持し、
そして水を自由に取らせながら標準実験室飼料を供与し
た。
IL−2 この例において使用した組換IL−2はWang等、Scienc
e(1984)224:1431−1433により記載されている。des−
ala1−IL−2ser125である。このIL−2のアミノ酸配列
は、天然分子の最初のアラニンを欠いておりそして125
位のシステインがセリンに変っている点において天然ヒ
トIL−2のアミノ酸配列と異る。このIL−2を生産する
E.コリのサンプルはシタス・コーポレイションによりア
メリカン・タイプ・カルチュア・コレクション,パーク
ラウンドライブ12301,ロックビル,Md,米国に1983年9月
26日に受託番号No.39,452として寄託され、そして1984
年3月6日受託番号No.39,626としてブタペプト条約に
基き寄託された。
IL−2はTCT W085/04328の明細書及び第1図に記載さ
れている様にして処理しそして精製した。但し、o−ヨ
ードソベンゾエートによってではなく米国特許No.4,57
2,798に記載されている様にして塩化銅を用いて酸化を
行った。IL−2をクロマトグラフィー段階から回収した
時、これを凍結乾燥し、そしてIL−2を還元状態に保つ
ために還元剤(DTT)を含有しそしてそれを溶液状に保
つために可溶化剤を含有する中性水性緩衝液中に再懸濁
した。クロマトグラフィー段階後の組換IL−2の純度は
95%以上であり、そしてこのIL−2はリムナス試験によ
り決定した場合約0.02ng/ml未満のエンドトキシンを含
有した。
精製されたIL−2(3〜5×106ユニット/mg)を無菌
バイアル中の凍結乾燥粉末として製造し、そして使用前
4日以内に無菌リン酸緩衝化塩を用いて再溶解し、そし
て50mg/mlマンニトールを伴う0.3mg/mlの濃度に製剤化
した。
これに代る製剤においては、N−ヒドロキシサクシン
イミドを用いて接合体化されたポリエチレングリコール
との反応によりIL−2を製剤化した。接合体にされた蛋
白質(IL−2−PEGと称する)を水中に直接製剤化し
た。
TNF N−末端から最初の8個のアミノ酸が除去されている
ヒトTNFのミューテインを、Wang等、Science(1985)22
8:149−153により記載されている様にして調製した。要
約すれば、TNFをHL−60細胞から誘導し、精製しそして
配列決定した。次に、富化されたmRNAを調製し、cDNAラ
イブラリーを造成し、プローブを選択し、そして該ライ
ブラリーをプローブして配列を回収することによりヒト
TNFをコードするイントロンを含まない配列を調製し
た。次に、成熟蛋白質のN−末端バリンをコードするGT
Cのすぐ前に部位特異的変異誘発によりATG開始コドンを
導入した。クローンを選択し、そして鎖を発現ベクター
に連結してミューテインの原核性発現を得た。次にミュ
ーテインをカラム精製し、精製緩衝液中に回収し、そし
て無菌バイアル中凍結乾燥粉末として得た。最後に、使
用前4日以内にこれを無菌リン酸緩衝化塩溶液を用いて
再溶解し、4℃にて貯蔵した。このTNFは、製造ロット
に依存して0.001〜0.006ng未満のエンドトキシン/蛋白
質を有していた。
癌セルライン 使用した標的細胞はネズミ腫瘍L 1210(白血病)、P
388(白血病)、P 815(肥満細胞腫)、及びEL−4(リ
ンパ腫)(これらはいずれもアメリカン・タイプ・カル
チュア・コレクション、ロックビル、MDから得られ
る)、並びにFidlerセルラインの10回のインビトロ及び
インビボ継代によって得られるFidlerラインF 10(黒色
腫ネズミセルライン)のサブクローンでありそしてWink
elhake等、Cancer Res.(1979)39:3058−3064により
記載されているB16W10(黒色腫)である。
すべてのセルラインは、移植の直前に凍結ストックか
ら組織培養(37℃,8%CO2、10%ウシ胎児血,清及び2mM
L-Glnを含有するRPMI 1640倍地中)を2回通してた。
すべての腫瘍及びセルラインはマイコプラズマ及びマウ
ス抗−ウイルス抗体生産についての試験において陰性で
あった。
皮下腫瘍注射 腫瘍細胞を培養懸濁液又はモノレーヤーから収得し
た。皮下腫瘍のため、細胞(5×105〜106)を肩甲骨上
領域に注射した。腹腔内(ip)腫瘍のため、105細胞を
マウスに接種した。B16W10黒色腫静脈内注射(肺、iv)
転移モデルのため、細胞をトリプシン−EDTAを用いて組
織培養プレートから取り出し、リン酸緩衝化塩溶液中で
2回すすぎ、そして104細胞を0.2mlの容量で側尾静脈に
注射した。マウスがいずれのリンホカインによっても処
置されなかった場合、ip、iv又はsqのいずれの場合に
も、接種後20〜30日以内にすべて死亡した。
実験方法 投与当り5匹のマウスから成る群を使用した。但し、
B16W10 ivモデルについては群サイズを10とした。動物
は特にことわらない限り0日に腫瘍チャレンジを受け、
そしてすべての処置はipであり、腫瘍チャレンジの後示
された日に始め、そして1日1回、14日間続けた。皮下
モデルについては、各実験を通じて同じ測定により直交
する三方向において直線キャリパスを用いて腫瘍を測定
した。この技法を適用する場合個体間の差が存在した
が、同じ個体により行われた反復測定は5%未満の誤差
を示した。検討されたすべての腫瘍は約2cm3の体積に
増殖することが許容され、この点からその後の測定が困
難となり、動物を殺した。
ip腫瘍については、動物を毎日生存について観察し
た。試験されたすべての腫瘍は移植の約30日以内にネズ
ミにとって致死的となるので、延命の観察を60日間以上
行った。
iv投与されたB16モデルについては、細胞接種の後17
〜21日で動物を殺し、そして肺コロニーを計数した。
B.結果 1.第1表は、TNF単独、IL−2単独、及びTNFとIL−2と
の種々の混合物(インビトロ調製されたもの)をマウス
体重1kg当り示された量で、2×106のP815細胞をsq移植
された群当り5匹の雌性BD2F1マウスに、腫瘍の移植の
後1日目から始めて20日間続けて1日1回投与した。対
照にはPBSのみを20日間にわたり毎日1回注射した。
表中、“触知”は触知可能な腫瘍を意味する。
この結果によれば、皮下P815肥大細胞腫モデル(これ
は1日目から14日目まで毎日1回250μg/kgのTNFをip投
与したことに相当し、そしてIL−2を同じ方法で10,00
0,000ユニット/kgまで投与したことに相当しない)は、
IL−2を同時に投与した場合、TNFの5倍少い投与量に
相当した。さらに、TNF及びIL−2をそれぞれ250μg/kg
及び625,000ユニット/kgで一緒に投与した場合、腫瘍が
出現しなかった。
2.第2表は,TNFのみ、IL−2のみ、及びTNFとIL2との種
々の混合物(インビトロで調製したもの)をマウス体重
kg当り示された量で、106個のL1210細胞をsq移植された
群当り10匹の雌性BDF1マウス(体重24±3g)に、腫瘍の
移植後1日目から始めた13日間続けて一日1回投与した
場合に得られた結果を示す。対照にはPBSのみを13日間
毎日1回注射した。
この結果は、L1210腫瘍が250μg/kgのTNF単独(最大
許容投与量)にも5,000,000ユニット/kgのIL−2単独に
も応答しなかったことを示した。約260μg/kgより多く
のTNF又は937,500ユニット/kgより多くのIL−2の投与
は20%を超える体重の減少をもたらし、毒性を示した。
250μg/kgのTNFを9,900ユニット/kgのIL−2と組合わせ
た場合を除き、IL−2及びTNFを一緒に投与した場合腫
瘍が生じなかった。
3.第3表は,TNF単独、IL−2単独、及びTNFとIL−2と
の種々の混合物(インビトロで調製されたもの)をマウ
スの体重kg当り示された量で、1×106個のB16細胞をsq
移植された群当り5匹の雌性BDF1マウスに、腫瘍の移植
の後1日目から始めて14日間続けて毎日1回腹腔内投与
した場合に得られた結果を示す。対照にはPBSを14日間
毎日1回注射した。
TNFとIL−2との組合わせは腫瘍の増殖を防止したがI
L−2又はTNF単独はそれを防止しなかった。ネズミB16
黒色腫はヒトの黒色腫に非常に類似しており、そしてそ
れ故にこのセルラインに対して多くの研究が行われた。
TNFとIL−2との組合わせはB16細胞に対して効果的であ
るという事実はそれがヒト黒色腫の治療において有効で
あることを示す。
ネズミ腫瘍L12100、p388及びB16は、これらの腫瘍が
腹腔内にある場合でも皮下にある場合でも、TNFにとっ
て基本的に制御しがたいことが見出された。腫瘍サイズ
のわずかな減少がL1210について観察された。この制御
の困難さは、TNF処置が腫瘍の移植後1日間、5日間又
は10日間のいずれにおいても存在した。
4.この実験は,IL−2とTNFとを組合わせて投与するため
の最適スケジュール決定するために行われた。腫瘍が出
現しない最も苛烈なモデル(好結果の治療のための腫瘍
移植後の最終日)を決定した。
この実験において,L1210腫瘍細胞を動物の群に移植
し、そして処置を1,3,7,10、又は14日後に開始した。
第4表は、250μg/kgのTNFと39,060ユニット/kgIL−
2の混合物を、5×106個のL1210細胞をsq移植された群
当り5匹の雌性BDF1マウスに、腫瘍の移植後1,3,7,10、
又は14日から始めて最初の移植から20日目まで毎日続け
て腹腔内投与した場合に得られた結果を示す。対照には
PBSを19日間毎日注射した。
群3〜5及びPBS対照は7日目に触知可能な腫瘍を有
していた。このデーターは、最も苛烈なモデルが3日又
は5日のそれであることを示した(治療を腫瘍移植後7
日目に開始した場合腫瘍の増殖は防止できなかった)。
5.第5表は、TNF単独、IL−2単独、及びIL−2とTNFと
の種々の混合物をマウスの体重kg当り示された量で、3
×106個のP388白血病細胞をsq移植された群当り5匹の
雌性BDF1マウスに、腫瘍移植後1日目から始めて14日間
毎日続けて投与した場合に得られた結果を示す。対照に
はPBSを14日間毎日注射した。
すべての腫瘍が15日目から漸進的に増殖し、21日目ま
でに大き過ぎそして不規則で測定できなくなった。従っ
て、P388腫瘍モデルにおいてはTNFとIL−2とを組み合
わせた毎日の投与は機能しなかった。
6.この実験においてはIL−2の代りにIL−2−PEGを使
用し、そして毎日投与ではなく隔日投与を行った。第6
表に結果を示す。
この結果は、IL−2及びIFNによる1日目、3日目及
び7日目の処置が最も効果的であり、毎日の処置は効果
的でないことを示した。
7.第7表は、12,500ユニット/kgのIL−2及び5μg/kg
のTNFの混合物(インビトロ調製したもの)を、1×106
個のEL−4マウスリンパ腫細胞をsq移植された群当り5
匹の雌性BDF1マウスに、腫瘍移植後1日目から始めて14
日間続けて毎日ip投与した場合に得られた結果を示す。
対照にはPBSを14日間注射した。
TNF及びIL−2の組合わせがEL−4リンパ腫の腫瘍増
殖を防止し、他方対照はそれを防止しなかった。
8.第8表は、12,500ユニット/kgのIL−2及び5μg/kg
のTNFとの混合物(インビトロ調製したもの)を、1×1
06個のB16細胞をsq移植された群当り5匹の雌性BDF1マ
ウスに、腫瘍移植後1,3,5,7、及び10日目から始めて20
日間続けて毎日ip投与した場合に得られた結果を示す。
この結果は、組合せ療法が用いられた場合に小さい腫
瘍負荷のみが治癒することを示している。
9.第9表は、12,500ユニット/kgのIL−2と5μg/kgのT
NFとの混合物(インビトロで調製したもの)を、1×10
5個のB16W10細胞を腹腔内(ip)又は静脈内(iv)移植
された群当り5匹又は10匹のBDF1マウスに、腫瘍移植後
1日目から始めて少なくとも14日間にわたり毎日続けて
ip投与した場合に得られた結果を示す。対照には少なく
とも14日間毎日PBSをip又はiv注射した。14日後に、iv
注射された動物を殺し、そしてそれらの黒い小瘤として
の肺コロニーを計数し、そして一セットの肺当りの転移
として示した。
これらの結果は、静脈内移植された腫瘍について人工
的肺転移が存在しないことを示している。腹腔内移植さ
れた腫瘍については対照に対する有意な延命が存在す
る。従って、この実験は、IL−2及びTNFの投与が皮下
以外の身体中のいずれに位置する腫瘍細胞にも機能する
ことを示している。
例2. マウス宿主に移植された標的細胞がメチルコラントレ
ンで誘導された肉腫(Meth A)(Balb/c)(Lloyd Old
博士、メモリアル・スローン・ケッタリングから腹水経
由腫瘍として入手し、ストックとして凍結し、そして使
用前に腹水を少なくとも2回経由したもの)である場
合、数日間にわたり毎日ip注射された50μg/kgマウス体
重のTNFのみ、又は15,625ユニット/kgマウス体重のIL−
2のみは腫瘍の完全な退化を惹起した。しかしながら、
移植後60日以内に80%のマウスにおいて腫瘍が盛り返し
た。これに対して、50μg/kgマウス体重のTNFと、15,62
5ユニット/kgマウス体重のIL−2とのインビトロ調製さ
れた混合物を同じ日数にわたって毎日Meth Aマウスにip
注射した場合、移植後60日以内に腫瘍の盛り返しはなか
った。例1において使用したのと同じIL−2及びTNFを
使用した。この結果が示すところによれば、TNFとIL−
2の混合物は完全な治癒をもたらし、他方いずれかの成
分単独は、例1のモデルに比べて療法剤に対して一般的
に感受性であるMeth-A退化モデルにおいてわずか20%の
治癒をもたらした。
例3. 例1及び2の実験(但し、P388は使用しない)を数回
反復して投与群当り10〜50の動物についてデーターを得
た。これらの研究において、最大許容投与量(MTD)
を、死亡が起こらずそして療法中又はその後5日間の体
重の減少が5%未満であるように注射され得るリンホカ
インの最大量として定義した。TNFについてはこのMTDが
250μg/kg(5μg/20gマウス)であることが見出され
た。IL−2については、すべての療法注射について0.1m
lに維持された容量において最大溶解量8mg/mlを使い
た。従って、IL−2の投与量は、14日間毎日500〜800μ
g/kg(10〜16μg/20gマウス)のip投与であった。
この研究のため、ip腫瘍モデルについての“有意な”
延命は、対照(PBS処置)群の150%より大きい死亡まで
の時間として定義される。腫瘍獲得(tumor take)の完
全なブロック(“治癒”)はsqモデルにおいて最初の腫
瘍チャレンジの後60日間に測定可能な腫瘍が証明されな
いこととして定義される。
この結果が示すところによれば、L1210、P815、B16W1
0及びEL−4モデルにおいてすべての動物がsq腫瘍を生
じさせ、他方動物の95%が一貫してsq Meth-A腫瘍を生
じさせた。2種類のリンホカインを単一剤として療法効
果について評価した場合、TNFがMTDにおいて投与されれ
ば腫瘍チャレンジ後1日目に治療を始めた場合、TNF処
置により幾らかの初期増殖阻害が観察された(L1210及
びP815の場合顕著であった)。IL−2が単一剤として14
日間毎日投与された場合、治療が腫瘍移植の1日以内に
開始された場合にのみ、幾つかの非−MethM-A腫瘍モデ
ル(特にP815)について類似のわずかな効果が見られ
た。
MethM-Aモデルにおいてリンホカインは一層劇的に効
果的であった。なぜなら、TNFの単一投与が、治療が開
始される前10日まで増殖が許容された腫瘍の退化をもた
らしたからである。高投与量のIL−2療法を用いる場
合、7〜10日のMethM-A腫瘍について類似の結果が見ら
れた。しかしながら、TNF又はIL−2が単一剤として最
初の14日間にわたりわずか1日の腫瘍を担持する動物に
反復投与した場合、MethM-A腫瘍の増殖が有意数の動物
について治療終了後約30日間遅れたが、しかし大部分が
45日目までに腫瘍を生じさせた。
非−MethM-Aモデルの結果は、MTDのTNFを最適(溶解
する)量のIL−2と同時に腫瘍のチャレンジの後1日以
内に投与された動物は腫瘍を生じさせないことを示し
た。興味あることには、組合せ中のIL−2投与量は幾つ
かの場合において、腫瘍の“獲得”をブロックするため
に、最適量の1%に減少せしめることができたが、混合
物中のTNFの量は50%を超えて減少せしめることができ
なかった。
IL−2+TNFの組合せを用いる種々のモデルについて
可能な腫瘍獲得期間の決定のため、処置を1日目に開始
した場合に多部分のモデルにおいて腫瘍獲得をブロック
する固定された投与量(250μg/kgのTNF+500μg/kgのI
L−2)を用い、そして効果的な組合せ療法を開始する
前に各腫瘍タイプが増殖することが許容され得る時間を
研究した。効果的なTNF+IL−2療法のためになお許容
される腫瘍獲得のための最大許容時間は平均3〜5日で
あり、但しB16W10については1日目に治療を開始しなけ
ればならなかった。逆にMeth-Aについては、10日腫瘍は
真に“治癒可能”であり、そして退化を示した。これら
のモデルのそれぞれにおいて、最適腫瘍獲得期間の後に
始まる組合せ治療は腫瘍増殖の阻害をもたらしたが治癒
をもたらさなかった。興味あることには、増殖阻害効果
は2週間の処置期間の内1週中初期においてのみ見られ
(言うまでもなく、退化及び増殖阻害が非常に長く続く
Meth-Aを除く)、そして全体的に有効なTNF+IL−2の
投与量より少い量を投与された動物中の腫瘍は2及び3
週中に対照レベルに急速に増殖した。
5種類のネズミ腫瘍の腹腔内モデルについての単一剤
及び組合せ(TNF及びIL−2)蛋白質療法の結果を検討
した。すべてのケースにおいて、腫瘍細胞接種後1日目
に処置を開始した。TNF及びIL−2の組合わせが皮下モ
デルにおける腫瘍獲得をブロックしたが、これらのリン
ホカインを組合わせて又は単独で投与した場合腹腔内モ
デルにおいて類似のブロックは存在しなかった。しかし
ながら、皮下モデルにおいて腫瘍獲得を全体的にブロッ
クするのと同じ方法を用いてIL−2とTNFとの組合わせ
を投与した場合、腹腔B16黒色腫、EL−4リンパ腫、及
びMeth-A腫瘍について有意な延命が見られた。
最後に、IL−2とTNFの組合せ療法を、B16W10黒色腫
細胞を静脈内接種された動物における単一剤投与と比較
した。皮下腫瘍について腫瘍細胞負荷獲得期間を試験す
るのと同様の研究を行って、治癒療法を開始する前の腫
瘍増殖のために許容され得る時間をさらに明確に決定で
きるようにした。IL−2及びTNFによる処置は、最適量
で同時に投与された場合、処置が腫瘍移植の後1日目に
開始されたなら、相乗的であった。処置が移植後3日目
に開始された場合、肺転移の数は対照に比べて有意に少
なかったが、しかしすべての動物が腫瘍を有していた。
結論として、TNF+IL−2組合せ療法の相乗性は、
(a)最大許容日用量のTNFを必要とするが、毎日投与
におけるIL−2の量は99%削減することができ、(b)
腫瘍負荷、又は移植された細胞が治療の開始前に取るこ
とが許容される時間に拘束され、そしてこの時間は腫瘍
のタイプにより異り、そして(c)皮下腫瘍及び肺腫瘍
のためには効果的であるがしかし腹腔内腫瘍の獲得のブ
ロックをもたらさない、ことが見出された。
これらのモデルにおけるTNFとIL−2の相乗効果はお
そらく複雑な相互作用の結果であろう。好結果の免疫療
法の宿主の腫瘍負荷への見かけ上の依存性に加えて、い
ずれかの理論に拘束されるわけではないが、TNFとIL−
2との間の相乗性は、(a)腫瘍細胞へのTNFの直接作
用、(b)細胞溶解性細胞の増加〔おそらく不均一細胞
集団(例えばマクロファージ)に対するTNF作用の間接
的結果としてのIL−2リセプターの発現は他のリンホカ
イン(例えば、IL−2リセプターの発現に影響を与える
IL−1)の放出を生じさせる〕、又は(c)IL−2及び
TNFの両者による細胞溶解性細胞の直接活性化により説
明されるであろう。事実、組合せがT細胞を過剰活性化
(hyperactivate)し、又はLAK様活性を開始する可能性
がある。それぞれCTL及びLAK及びCTL依存性であるヌー
ドマウス又はNIH−3(ベージュ−ヌード−XID)マウス
中で増殖した場合にTNFとIL−2との同じ組合せがこれ
ら同じ腫瘍について腫瘍獲得をブロックしないという事
実によって証明されるように、ここに報告される効果は
そのようなエフェクター細胞現象のためであろう。
例4. この例においては、最適投与方法を決定するためにIL
−2及びTNFの投与を評価した。次の実験を行った。
A.Meth-A腫瘍 1.TNF及びこれに続くIL−2 腫瘍が皮下にあるMeth-A腫瘍モデルを使用して、7日
間にわたり(PBS+IL−2の1つのケースにおいては11
日間)腫瘍を担持する5匹ずつのBalb/cマウスの群をラ
ンダム化し、耳に標識をし、そしてTNFにより、IL−2
により、TNF及びこれに続くIL−2により、PBSにより、
又はPBS及びこれに続くIL−2により処置した。腫瘍体
積、体重及び腫瘍の重量の測定は通常14日目に停止し
た。なお、これらの実験中の幾つかの群は43日間維持し
て長期間治癒(すなわち、腫瘍が完全に根絶される場
合)の頻度を評価した。実験の方法を下に記載する。す
べての薬剤は0.2mlの容積で静脈内投与した(ku=キロ
ユニットを示す)。
結果を第10表に示す。ここで、ΔBWはマウスの1つの
群内における0日目の平均体重と14日目における平均体
重の比率を示し、そしてΔTWはマウスの1つの群内の0
日目における平均腫瘍体積と14日目における平均腫瘍体
積の比率である。
結論として、TNF及びこれに続くIL−2の投与が、い
ずれかの薬剤単独と比較して抗−腫瘍効果を有意に増強
し、20ku/投与のIL−2により処置された群において長
期間治癒が得られた。7日腫瘍又は11日腫瘍に対する5
及び20ku/投与のIL−2の投与量において、IL−2又はT
NF単独は効果にほとんど又は全く影響を与えなかった。
2.IL−2及びこれに続くTNF 腫瘍が皮下にあるMeth-A腫瘍モデルを用いて、7日間
(又はPBS+IL−2の場合には11日間)にわたる腫瘍を
担持する5匹のBalb/cマウスから成る群をランダム化
し、耳に標識をし、そしてTNFにより、IL−2及びこれ
に続くPBSにより、PBS及びこれに続くTNFにより、PBS/S
DS/により、又はIL−2及びこれに続くTNFにより処置し
た。腫瘍体積、腫瘍重量、及び体重の測定は14日目に停
止した。これらの実験の方法を下に示す。すべての薬剤
は0.2mlの容量で静脈内投与した(kuはキロユニットを
示す)。
結果を第11表に示す。表中ΔBW及びΔTWは第10表に定
義した通りである。
この結果は、IL−2がTNFの前に投与された場合には
効果の増強が観察されないことを示している。いずれか
1つの理論に限定されないが、IL−2が最初に投与され
た場合に、腫瘍又は宿主のTNFに対する感受性をIL−2
が変化せしめ、このことが腫瘍をTNFに対して耐性にす
るという、TNFの殺作用の低下のヒントが存在した。
B.L1210モデル 1.TNF及びこれに続くIL−2 例1に記載したL1210腫瘍モデルを用いて、3×106
のL1210細胞を0日目に移植された5匹ずつのBD2F1マウ
スから成る群を3日目にTNFとIL−2により一緒に、TNF
及びこれに続くIL−2により、PBSにより、又はIL−2
及びこれに続くTNFにより腹腔内処置した。結果を第12
表に示す。
27日目及び60日後に、この苛烈な腫瘍モデルにおいて
群2においてはなお腫瘍形成の証拠がなかった。群1,2,
4及び5の間の結果の差異は、スケジュール及び投与量
並びに投与の順序がL1210モデルにおいて良好な応答を
得るために重要であることを示している。
例5. この例においては、前記のMeth-A腫瘍モデルを使用し
て、クラスIインターフェロンの市販の誘導剤であるポ
リI/Cと前記TNFのミューテインとの組合わせを試験し
た。
この組合せを同時に投与した場合、各薬剤単独に比べ
て相乗的抗−腫瘍効果が観察され、そして幾つかのケー
スにおいては治癒が観察された。投与順序の効果を決定
するための実験において、ポリI/C及びTNFの順序が観察
される相乗効果に影響を与えることは示されなかった。
いずれの順序も同様に良好に機能した。
これらの実験は、クローン化マウスIFN−β及びTNFを
一緒に使用して相乗効果が期待されることを示してい
る。
例6. 14日間にわたり1日1回ip投与された、及び14日間内
で種々の順序で投与されたINF及びIL−2の組合せがB16
皮下腫瘍に対して効果を示している。この実験は、“臨
床的”スケジュール(例えば週末休み)でのTNFとIL−
2の投与が同等の効果を示すか否かを決定するために設
計された。さらに、筋肉内(im)投与されたIL−2とip
投与されたTNFとの組合せ(1日1回14日間)の効果を
試験した。
この実験においては、群当り5匹ずつのBDF1雌性マウ
スに、0日目にマウス当り5×106個のB16細胞を皮下注
射した。1日目に処置を開始した。特にことわらない限
りすべての注射はipで行った。腫瘍の測定は10日、14
日、21日、28日、35日及び42日目に行った。
各群のマウスを次のスケジュールに従って処置し、こ
の場合0.25mg/kgのTNF及び1mg/kgのIL−2を示された各
時点で投与した。
腫瘍体積が2000mm3より大になった時、又は60日過ぎ
ても腫瘍が存在しなかった時を終点とした。結果を第13
表に示す。
この結果によれば、この研究において使用した週末休
みを模倣するTNF/IL−2投与スケジュールはいずれもな
んらの効果も示さなかった。B16皮下腫瘍モデルにおい
ては、TNF、IL−2又は組合せの投与は、効果的である
ためには、24時間以内に行わなければならず、そして7
日間より長期間続けなければならないことを示してい
る。
TNFのip投与及びIL−2のim投与を受けたマウスはす
べて第8投与により死んだ。さらに、同容量の塩溶液を
im投与された対照動物9回の注射の後死んだ。従って、
試験群は実際の注射に耐えられず、そして死亡は被験物
質とは無関係のようである。
例7. この実験はすでに効果的である組合せを10日腫瘍負荷
に対して試験することにより一層苛烈なモデルにおける
それらの効果を決定した。
この例においては、0日目に5×106個のB16細胞を皮
下注射された群当り5匹ずつのBDF1雌性マウスを使用
し、11日目に処置を開始した。すべての注射はipで行
い、そして腫瘍の測定は10日目、14日目、21日目及び28
日目に行った。
各マウス群を次の投与量及びスケジュールに従って試
験した。
腫瘍体積が2000mm3より大きくなった時又は42日過ぎ
ても腫瘍が存在しなかった時に終止とした。
結果を第14表に示す。
この結果が示すところによれば、1日腫瘍に対して効
果的であったTNF(0.25mg/kg、1−3日)、及びIL−2
(1mg/kg、4−14日)の同じ投与量及び順序スケジュー
ルは一層苛烈な10日B16皮下モデルにおいても効果的で
あった(群2)。これに代るTNF及びIL−2スケジュー
ル(群3)は効果的でなかった。
最初の3日間及び次の11日間続けて同時に1日1回投
与された同じ量のIL−2及びTNFは1日又は3日の腫瘍
を担持するマウスにおいては有効であったが10日腫瘍を
担持するマウスにおいては有効でなかった(3日後のIL
−2及びTNFの混合物は逐次投与ほど良くなかった)。
このことは、逐次投与が混合物の投与より良いことを示
唆している。
例8. A.実験計画 1.種:ラットCD系 2.処置期間:1日1回14日間 3.投与経路:I.V. 4.投与レベル:TNFのみ50μg/kg;IL−2のみ0.5又は1.0m
g/kg;TNF/IL−2の組合わせ、TNF(50μg/kg)/IL−2
(0.5mg/kg)、又はTNF(50μg/kg)/IL−2(1.0mg/k
g) 5.投与レベル当り動物数:5匹の雄及び5匹の雌 6.評価パラメーター 死亡率 体重及び体重変化 臨床症状の観察 肉眼的壊死 血液状態 可能な組織病理学的評価 B.結果 TNF又はIL−2単独群として比較して両TNF/IL−2組
合せ群において体重増加が少なくなった。TNF(50μg/k
g)/IL−2(1.0mg/kg)のTNF/IL−2組合せ投与の1回
の注射の後に死亡した3匹の雌性ラットを除き、他のす
べての試験ラットは1日1回の14回の投与に対して生存
した。死亡したことが見出される前に3動物の内の2動
物について“血便"/下痢”が認められ、そして3動物す
べてが死体解剖におい“流体に満たされたG.I.管”(fl
uid−filled G.I.tract)を有していた。“血便/下
痢”又は“流体に満たされたG.I.管”はラットにおける
TNF毒性の典型的な症状であるから、3動物すべてがTNF
毒性により死亡した様である。研究の14日目まで生存し
たすべての動物は研究の1及び2日目においてのみ“血
便"/下痢”のエピソードを示し、そしてこれらは死体解
剖においてIL−2毒性及びTNF毒性の徴候を有さなかっ
た。TNF(50μg/kg)/IL−2(0.5mg/kg)、又はTNF(5
0μg/kg)IL−2(1.0mg/kg)の投与レベルのTNF−/IL
−2組合せにおいて雄性ラット及び雌性ラットの両者に
白血球の数、好中球の数、リンパ球の数及び好エオシン
球の数の上昇が観察された。両TNF/IL−2組合せ投与レ
ベルについて雌性ラット及び雄ラットの両者において投
与量依存的に赤血球の数、ヘモグロンビン濃度及びヘマ
トクリット(%)の有意な低下が認められた。
C.要約 この研究の結果に基づき、最大許容投与量(MTD)
は、TNFとIL−2との組合せを14日間にわたり連日ラッ
トに静脈内投与する場合、TNF(50μg/kg):IL−2(0.
5mg/kg)であることが確立された。このMTDはTNF単独で
処置された場合のMTDに匹敵し、そしてIL−2単独で処
理された場合より幾分低かった(IL−2単独のMTDは1.0
mg/kgであった)。
TNF又はIL−2が単独で投与された場合と比べて、TNF
及びIL−2の組合せがこの試験条件下で投与される場
合、異る毒性症状は観察されなかった。この研究の結果
からは真の“観察されない効果レベル”(NOEL)は確立
されなかった。体重増加の低下、白血球の上昇、白血球
百分率、赤血球数の減少、及び関連パラメーターのため
である。
要約すれば、この発明は、抗腫瘍活性を有しそしてさ
らに哺乳類宿主において有意に増加した毒性を示さな
い、TNF及びIL−2及び/又はIFN−βの組合せを提供す
る。予想外のことには、インビトロでのヒト腫瘍モデル
において幾らかの細胞を殺すがしかしインビボにさかの
ぼるために試験されたそれらの細胞のヌードマウス異種
移植片モデルにおいてもインビボでの古典的なネズミ腫
瘍モデルにおいても細胞を殺さないTNFが、少量のIL−
2及び/又はIFN−βと組合わされた場合には、効果的
な抗癌剤であった。さらに、予想外のことには、TNF及
びIL−2のサイトカイン混合物は毒性の有意な増加を生
じさせない(IL−2とIFN−γとの組合わせはそれぞれ
単独よりも有意に毒性が高い)。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】腫瘍壊死因子(TNF)とインターロイキン
    −2(IL−2)との混合物の相乗的有効量を含んで成
    る、哺乳類種に非経口投与又は皮下投与するのに適する
    癌の治療のための組成物。
  2. 【請求項2】TNF及びIL−2のための医薬として許容さ
    れる担体をさらに含んで成る特許請求の範囲第1項に記
    載の組成物。
  3. 【請求項3】TNFがヒト又はラビットのTNFであり、そし
    てIL−2がヒトIL−2である特許請求の範囲第1項又は
    第2項に記載の組成物。
  4. 【請求項4】TNFが最初の8個のアミノ酸が除去された
    ミューテインであり、そしてIL−2がdes−ala1−IL−2
    ser125である特許請求の範囲第3項に記載の組成物。
  5. 【請求項5】TNFの量が宿主の体重kg当り230〜260μg
    であり、そしてIL−2の量が宿主の体重kg当り15,000〜
    800,000ユニットである特許請求の範囲第4項に記載の
    組成物。
  6. 【請求項6】癌が白血病、黒色腫、肥満細胞腫又はリン
    パ腫である特許請求の範囲第1項〜第5項のいずれか1
    項に記載の組成物。
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