JP2943969B2 - ガス濃度の計測装置 - Google Patents

ガス濃度の計測装置

Info

Publication number
JP2943969B2
JP2943969B2 JP6016806A JP1680694A JP2943969B2 JP 2943969 B2 JP2943969 B2 JP 2943969B2 JP 6016806 A JP6016806 A JP 6016806A JP 1680694 A JP1680694 A JP 1680694A JP 2943969 B2 JP2943969 B2 JP 2943969B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
output
sensor
voltage
atmosphere
signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP6016806A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0777513A (ja
Inventor
隆之 鈴木
春夫 嘉山
穂積 二田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yazaki Corp
Original Assignee
Yazaki Sogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yazaki Sogyo KK filed Critical Yazaki Sogyo KK
Priority to JP6016806A priority Critical patent/JP2943969B2/ja
Publication of JPH0777513A publication Critical patent/JPH0777513A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2943969B2 publication Critical patent/JP2943969B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Electric Means (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自動車エンジンの排
気ガス中に設置されて、エンジンへ供給される燃料の制
御等を行うための空燃比の計測や、陶磁器の焼成工程に
おいて使用される炉内のガス濃度の計測に係り、特に酸
化状態から還元状態にまで及ぶ広範囲に亙ったガスの雰
囲気を計測するのに好適なガス濃度の計測装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】酸素(O2 )センサには、一般的に理論
空燃比(空気過剰率λ=1)で電気抵抗が急減する、い
わゆる抵抗変化式酸素センサと、一定電圧印加時に出力
電流の大きさが雰囲気中の酸素濃度によって変化する、
いわゆる限界電流式酸素センサと、また、これらを組合
わせたものなどがあるが、これらのうち、限界電流式酸
素センサは、広い範囲の空燃比計測ができ制御の幅が広
がるものと期待されているものである。
【0003】いま、この限界電流式酸素センサの性能機
能を説明すると、一定電圧が印加される陰極・陽極を有
する多孔固体電解質層からなる酸素センサは、通常の正
極性の場合、図14に示すように、空気過剰率λが1以
上、即ち余剰酸素のリーン雰囲気中ではその余剰分に対
応して出力電流がほぼリニアに変化する特性aを示すの
で、その空燃比が計測可能となるものである。しかし、
その雰囲気が燃焼排ガスのように余剰酸素が零で還元性
の未燃ガス(ハイドロカーボンHC)や不完全燃焼ガス
(一酸化炭素CO)の含まれる雰囲気中では、特性bの
ように還元電流が流れ、見かけの出力として酸素が多量
に存在する値を示すことになる。そこで、電子回路にて
逆転出力を打ち消し、空気過剰率がほぼ1(λ=1)で
は、出力が零である、というように、図16の点線出力
Cにして打消すようにする等の処置が施こされている
(特開昭61−155751号公報参照)。この場合、
λが1以上でもその近辺の部分a´は、出力0となるよ
うに配慮し制御に便宜を与えている。
【0004】なお、図15に示すように、極性を逆の負
極性とした場合は、リッチとリーンが入れ代り、同様の
処置が施こされ、その場合は、リッチ側の空燃比計測が
できるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来の限界電流式酸素センサは酸化雰囲気から還元雰囲気
までの広範囲の雰囲気の空燃比を計測することができな
い、という問題があった。
【0006】すなわち、自動車エンジンの混合気は運転
状態により、定速時の燃費対策上良好なリーン混合気
と、加速高速時の出力良好なリッチ混合気とに広範囲に
変動するが、このような混合気状態を作り出す為には、
酸化、即ちリーン雰囲気から還元、即ちリッチ雰囲気ま
での広範囲の雰囲気の空燃比を排気中に設けた酸素セン
サにより正確に計測し、その計測値により所定の空燃比
になるようにフィードバック制御するなどの制御をする
必要がある。然るに、従来の当該酸素センサ(正極性の
もの)では、計測できる雰囲気が空気過剰率λが1以上
でのみリニアな出力を示すものであるため、空気過剰率
が1以上の酸化雰囲気の計測に限定されたものとなり、
前述の必要性を満足させるものではなかった。又、逆の
負極性の酸素センサでは、空気過剰率が1未満の還元雰
囲気の計測に限定されたものとなるのであった。
【0007】また、このような問題は、自動車エンジン
の空燃比の計測のみに限られた問題ではなく、他の用途
においても酸化雰囲気から還元雰囲気まで広範囲に亙る
ガス濃度の計測が必要とされる場合が多い。
【0008】そこで、この発明は、限界電流式酸素セン
サを使用し、酸化雰囲気から還元雰囲気までの広範囲の
雰囲気の空燃比を計測することができると共に、被測定
雰囲気の酸化状態から還元状態までを定性的、定量的か
つ連続的に検出することができるガス濃度の計測装置を
提供することにより、前記問題点を解決することを目的
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は前記目的を達
成するために、請求項1は、限界電流式酸素センサを2
つ用い、一方の酸素センサに正極性の電圧を印加し、他
方の酸素センサに負極性の電圧を印加し、前記両酸素セ
ンサを同一雰囲気中に設置してなるセンサの基本回路
と、前記両酸素センサの出力により当該雰囲気が酸化状
態にあるか還元状態にあるかを判定する酸化還元判定部
と、該酸化還元判定部の出力に基づき測定の重点を当該
雰囲気状態に応じた極性の酸素センサに切替える酸化還
元切替部とを備えるガス濃度の計測装置であって、前記
基本回路は、前記両酸素センサの出力信号の差分を出力
し、この出力信号の時間的変化を前記酸化還元判定部が
検出することにより、前記雰囲気が酸化状態にあるか還
元状態にあるかを判定することを特徴とする。
【0010】
【作用】酸素センサとして例えばジルコニアを用いた場
合、ジルコニアに正極性の直流電圧を印加すると、ジル
コニアに流れる電流の特性として、O2 濃度をパラメー
タとする定電流特性(飽和特性)が得られる。一方、こ
のジルコニアに逆極性の直流電圧を印加した場合にはH
2 濃度をパラメータとする定電流特性が得られる。
【0011】従って、ジルコニアに正極性の直流電圧を
印加したときの電流と逆極性の直流電圧を印加したとき
の電流とが分ればジルコニアの置かれた雰囲気のO2
度とH2 濃度とを知ることができる。また、燃焼ガスに
おけるH2 濃度とCO濃度は一定定数のもとに相関性を
有する。
【0012】以上のことを利用することにより、2つの
酸素センサに、それぞれ正極性の直流電圧および負極性
の直流電圧を印加し、各酸素センサからの検出信号に基
づき被検査雰囲気のO2 濃度およびCO濃度を求めるこ
とができる。このため両極性酸素センサは、各々の雰囲
気での計測に重点を置くように切替えられるが、その切
替は、基本回路の出力信号の時間的変化を、酸化還元判
定部が検出することにより、前記雰囲気が酸化状態にあ
るか還元状態にあるかを判定することにより行われる。
【0013】
【実施例】以下、この発明をより良く理解するための参
照例を図1〜図5により説明する。
【0014】まず、構成を図1及び図2により説明す
る。図1において、1及び2は限界電流式酸素センサ
(以下、酸素センサ又は単にセンサと称することにす
る。)でZrO2 、Y2 3 などからなる固体電解質層
に陰極及び陽極を設けたものである。左側のセンサ1は
正の電圧が印加されるように両極が電源6に電線6aに
て接続されて正極性センサとなっているものであり、
又、右側のセンサ2は負の電圧が印加されるように両極
が電源7に電線7aにて接続されて負極性センサとなっ
ているものである。センサ1及び2にはヒータ1a及び
2aが設けられ、これらのヒータ1a及び2aは各々電
源4及び5に電線4a及び5aにて接続され、センサ1
及び2を有効に作動すべく加熱するようになっている。
電線6a及び7aには、センサ1及び2の当該雰囲気中
の酸素濃度に応じた出力電流(以下単に出力とも称する
ことにする)を検出する電流計8及び9が介装されてい
る。電流計8及び9は電線8a及び9aにてコンパレー
タ10に接続されている。
【0015】コンパレータ10は図2に示すように構成
されている。即ち、コンパレータ10は電線8a及び9
aに接続されて当該雰囲気が酸化状態にあるか又は還元
状態にあるかを、基準値設定部13及び14の基準値と
の比較において判定する酸化還元判定部11と、その出
力に基づき計測の重点を当該雰囲気状態に応じた極性の
センサ1又は2に切替え、出力電線12aにて当該雰囲
気の空燃比の計測値を出力する酸化還元切替部12を有
するものである。
【0016】基本回路3は、以上に述べられたセンサ1
及び2への電圧印加の回路、加熱の回路、またそれらの
出力による判定の回路、切替の回路及び出力の回路から
構成される。そして、両センサ1及び2は、例えば自動
車エンジン排気中であって同一雰囲気中に並設配置され
るものである。
【0017】次に前記参照例の作用を図3、図4及び図
5並びに図14及び図15をも加味参照して説明する。
【0018】センサ1は正極性電圧が印加されているた
め、図14に示すように、酸化雰囲気では、ほぼリニア
な特性aの出力を示し、還元雰囲気では特性bのように
急激な出力上昇を示す。一方、センサ2には負極性電圧
が印加されているため、図15に示すように、センサ1
と逆に、還元雰囲気ではリニアな特性dの出力を示し、
酸化雰囲気では特性eの急激な出力上昇を示す。而して
計測せんとする当該雰囲気が酸化状態にあるか、還元状
態にあるかの判定は次のようにして行なわれる。
【0019】NO. まず、当該雰囲気が酸化状態に
あるとして計測重点がセンサ1を主体に行なわれている
場合(図4参照)に、センサ1の出力Ip が0.05m
A(設定基準値)以下であり、センサ2の出力IM
0.45mA(設定基準値)以下である場合は還元雰囲
気に移動していると判定するものである。つまり、図4
に示すように、センサ1は特性fのうちのλ=1近辺の
屈曲部f´以下の出力になっており、また、センサ2は
還元領域計測限界の特性g´内で特性gの出力になって
いるので還元雰囲気であると判定される。
【0020】これらの設定基準値は基準値設定部13及
び14(図2参照)で設定されているものである。この
ような判定が酸化還元判定部11から出された場合に
は、その出力により酸化還元切替部12にて計測重点が
還元雰囲気のものに切替えられ、今度は、主としてセン
サ2による計測が行なわれる(図5参照)。
【0021】又、センサ1の出力Ip が0.05mA以
上(図4の特性f)であり、センサ2の出力IM が0.
45mA以上(図4の特性g´)である場合は酸化雰囲
気にあると判定されそのまま、計測を続行することにな
る。
【0022】NO. 次に、還元雰囲気状態が計測重
点としてとりあげられている場合(図5参照)には、セ
ンサ2の出力IM が0.05mA以下、センサ1の出力
pが0.45mA以下であると、特性lが出力される
ので、酸化雰囲気と判定され、切替えが行なわれるもの
である。またセンサ2の出力IM が0.05mA以上で
あり、センサ1の出力IP が0.45mA以上(特性l
´)であれば、特性hが出力されているので、還元雰囲
気と判定され、計測がそのまま続行される。以上の判定
基準の及びの例をまとめて図3に示してある。な
お、前記基準値の設定は、応答速度がmsのオーダであ
り、又、安定時間は2秒以内であると判断して決めたも
のである。
【0023】このように、当該雰囲気が酸化状態にある
と判定した場合、酸化状態の計測、即ちセンサ1に重点
を於いて計測することにより、広い範囲のリーン雰囲気
での空燃比の計測が有効かつ確実に可能となり、又、当
該雰囲気が還元状態にあると判定した場合は、還元状態
の計測、即ち、センサ2に重点を置いて計測することに
より、広い範囲のリッチ雰囲気での空燃比の計測が同様
に可能となる。
【0024】この結果、前記実施例によれば、限界電流
式酸素センサを使用して酸化雰囲気から還元雰囲気まで
の広範囲の空燃比を確実に計測することができるもので
ある。
【0025】さて、本発明の技術的思想は、上記参照例
に開示されたような空燃比計測に適用範囲が限定される
ものではなく、酸化状態および還元状態の計測が必要と
される多くの場合に適用することができる。例えば、陶
磁器の焼成工程が挙げられる。陶磁器を陶芸用炉内で焼
成する場合、炉内の燃焼ガス濃度は陶磁器作品の発色に
深い関係を持つ。このため、芸術性を追及する陶芸家
は、炉内のガス濃度を大気に連通させるべく炉体に設け
られた貫通孔から炉内の状況を目視し、この状況から炉
内の酸化・還元状態を知ろうとする。しかし、このよう
な技術は経験と感を必要とするものであり、体得するの
に長期間を要する。従って陶芸を趣味とする殆どの愛好
家は、炉内のガス濃度の調整を他人である熟練者に頼っ
ているのが現状である。
【0026】以下説明する実施例は、本発明を陶磁器の
焼成工程に適用した場合の実施例を開示するものであ
り、炉内のガス濃度を経験と感に頼ることなく客観的か
つ正確に計測することを可能にするものである。
【0027】本実施例では、電流限界特性を有するジル
コニアを素材とした酸素濃度センサを用いる。このジル
コニアは、図6に示す特性を有することが知られてい
る。すなわち、ジルコニアに正極性の直流電圧を印加す
ると、ジルコニアに流れる電流の特性として、O2 濃度
をパラメータとする定電流特性(飽和特性)が得られ
る。一方、このジルコニアに逆極性の直流電圧を印加し
た場合にはH2 濃度をパラメータとする定電流特性が得
られる。従って、ジルコニアに正極性の直流電圧を印加
したときの電流と逆極性の直流電圧を印加したときの電
流とが分ればジルコニアの置かれた雰囲気のO2 濃度と
2 濃度とを知ることができる。また、炉内の燃焼ガス
におけるH2 濃度とCO濃度は一定定数のもとに相関性
を有することも知られている。本実施例は以上のことを
利用することにより、CO過多の状態(以下、CO領域
という)からO2 過多の状態(以下、O2 領域という)
まで広範囲に変化する炉内の雰囲気を測定するものであ
る。さらに詳述すると、本実施例は、2つのジルコニア
素子に正極性の直流電圧および負極性の直流電圧を各々
印加し、各ジルコニア素子からの検出信号に基づき炉内
のO2 濃度およびCO濃度を求めるものである。
【0028】以下、図7〜図9を参照し、本実施例によ
るガス濃度測定装置の回路構成について説明する。この
ガス濃度測定装置は、図7に示すセンサ部20、信号処
理部30、図8に示す判定部60および図9に示す出力
部70によって構成されている。ここで、センサ部20
は、上記第1実施例における基本回路に相当し、信号処
理部30および判定部60は、上記第1実施例における
酸化還元判定部11相当の処理を行うものである。ま
た、出力部70は上記第1実施例における酸化還元切替
部12に相当する。
【0029】まず、図7を参照し、センサ部20の構成
について説明する。センサ部20は、2個の直流電源V
FおよびVRを有している。これらのうち直流電源VF
は、負電圧端子が接地されており、正電圧端子は上述の
ジルコニア素子からなるセンサSFの正極端子に接続さ
れている。また、直流電源VRは、正電圧端子が接地さ
れており、負電圧端子はジルコニア素子からなるセンサ
SRの負極端子に接続されている。そして、センサSF
の負極端子とセンサSRの正極端子は共通接続され、そ
の共通接続点が抵抗RXを介して接地されている。この
ような接続がなされた結果、センサSFは正方向の電圧
が印加された正極性センサとして機能し、センサSRは
逆方向の電圧が印加された負極性センサとして機能す
る。そして、抵抗RXにはセンサSFの出力電流からセ
ンサSRの出力電流を差し引いた電流が流れる。また、
各センサSFおよびSRは各々発熱抵抗を有しており、
各発熱抵抗には可変直流電源VHFおよびVHRの各出
力電圧が印加される。ここで、可変直流電源VHFおよ
びVHRの出力電圧を増減させれば、各センサSFおよ
びSRの感度を増減させることができ、従って、可変直
流電源VHFおよびVHRの調整により各センサ間の特
性のバラツキを補償することができる。増幅器21は、
抵抗RXの両端の電圧を所定の増幅率にて増幅して出力
する。上述の通り、抵抗RXにはセンサSFおよびセン
サSRの各出力電流の差に相当する電流が流れるから、
この各センサの電流差に比例した出力電圧が増幅器21
から出力されることとなる。
【0030】図10にセンサ部20の特性を例示する。
この図において、+X軸はセンサ部20が配置された雰
囲気内のO2 濃度であり、−X軸は同雰囲気内のCO濃
度である。そして、実線Qaは正極性センサSFの出力
電流、実線Qbは負極性センサSRの出力電流であり、
破線Qcは増幅器21から出力される各センサの出力電
流差に応じた電圧である。ここで、破線Qcに現れる各
点について説明すると、A点は破線Qcにおける正のピ
ーク点であり、測定雰囲気におけるO2 濃度が低下し増
幅器21の出力信号の符号が反転しようとする点であ
る。また、B点は同信号の反転が始まり同信号の符号が
負へ変化した点、C点は炉内の雰囲気がCO領域からO
2 領域へと切り換わる点、D点はCO領域において増幅
器21の出力電圧が極小となる負のピーク点である。
【0031】次に信号処理部30について説明する。セ
ンサ部20における増幅器21の出力電圧は整流器31
および41と比較器51および53に与えられる。比較
器51は増幅器21の出力電圧が正である場合に“1”
信号を出力し、負である場合に“0”信号を出力する。
これに対し、比較器53は増幅器21の出力電圧が負で
ある場合に“1”信号を出力し、正である場合に“0”
信号を出力する。これらの比較器51および53の各出
力信号は各々インバータ52および54によって反転さ
れ、状態遷移検出信号BおよびCとして出力される。こ
れらの状態遷移検出信号BおよびC変化は、増幅器21
の出力信号が前掲図10における点BおよびCを通過し
たことを示すものである。
【0032】整流器31は増幅器21の出力電圧のうち
正の成分AFのみを通過させ、整流器41は負の成分A
Rのみを通過させる。ピークホールド回路32および4
2は、抵抗および容量からなる保持回路と、スイッチ手
段とからなる。ここで、スイッチ手段は、後述する単安
定マルチバイブレータ44からの放電指令パルスにより
ピークホールド回路32内の容量の充電電圧(すなわ
ち、保持されたピーク電圧)を放電させるものである。
ピークホールド回路42のスイッチ手段についても同様
であり、後述する単安定マルチバイブレータ34からの
放電指令パルスによってピークホールド回路42内の容
量の充電電圧を放電させる。
【0033】比較器33は、ピークホールド回路32の
出力電圧を基準電圧VRR(正の所定電圧)と比較する
回路であり、前者が後者以上となった場合に出力信号
A’が“0”となる。また、比較器43は、ピークホー
ルド回路42の出力電圧を基準電圧VRF(負の所定電
圧)と比較する回路であり、前者が後者以下となった場
合に出力信号D’が“0”となる。比較器33および4
3の各出力信号はインバータ35および45により各々
反転され、状態遷移検出信号AおよびDとして出力され
る。これらの状態遷移検出信号AおよびDの変化は、増
幅器21の出力信号が前掲図10における点AおよびD
を通過したことを示すものである。単安定マルチバイブ
レータ34は、比較器33の出力信号が“1”となった
場合に所定のパルス幅のパルスを出力する。また、単安
定マルチバイブレータ44は、比較器43の出力信号が
“1”となった場合に所定のパルス幅のパルスを出力す
る。これらの単安定マルチバイブレータ34および44
の各出力パルスは、上述した放電指令パルスとしてピー
クホールド回路42および32の各スイッチ手段に供給
される。RSWはリセットスイッチであり、これがオン
状態とされることによりピークホールド回路32および
42のホールド値の初期化および単安定マルチバイブレ
ータ34および44の初期化がなされる。
【0034】次に図8を参照し判定部60について説明
する。NANDゲート61は状態遷移検出信号Aおよび
BのNAND演算結果を出力し、NANDゲート62は
状態遷移検出信号CおよびDのNAND演算結果を出力
する。これらのNANDゲート61および62の各出力
信号はインバータ64および65により各々反転される
一方、NANDゲート63に入力される。単安定マルチ
バイブレータ66および67は、インバータ64および
65によって各々トリガされる。リレーコイルRR,R
SおよびRDは後述する出力部70内の各リレー接点を
開閉させるものであり、各々の一端がバイアス電源ER
に共通接続され、各々の他端には単安定マルチバイブレ
ータ66、単安定マルチバイブレータ67およびNAN
Dゲート63の各出力信号が与えられる。
【0035】次に図9を参照し出力部70について説明
する。増幅器71は、信号処理部30内の整流器41の
出力信号AR、すなわち、増幅器21の出力信号のうち
負の成分に相当する信号の符号を反転して出力する。増
幅器72は、増幅器71の出力信号に対し下限設定電圧
EEを正のオフセット電圧として加算し、所定の増幅率
で増幅して出力する。増幅器73は、信号処理部30内
の整流器31の出力信号AF、すなわち、増幅器21の
出力信号のうち正の成分に相当する信号に対し下限設定
電圧EEを正のオフセット電圧として加算し、所定の増
幅率で増幅して出力する。リレー接点74は、上述した
リレーコイルRSに通電が行われた場合には増幅器72
の出力信号を通過せしめ、リレーコイルRRに通電が行
われた場合には増幅器73の出力信号を通過せしめる。
リレー接点75は、上述したリレーコイルRDに通電が
行われた場合には下限設定電圧EEを測定結果出力端7
6へ導き、それ以外の場合は増幅器72のリレー接点7
4を介して出力される増幅器72または73の出力信号
を測定結果出力端76へ導く。発光ダイオード78およ
び79は、各々のアノードが抵抗を介してバイアス電源
ERに接続されている。また、リレー接点77は、上述
したリレーコイルRSに通電が行われた場合には発光ダ
イオード79のカソードを接地せしめ、リレーコイルR
Rに通電が行われた場合には発光ダイオード78のカソ
ードを接地せしめる。
【0036】図11はこのガス濃度測定装置の各部の信
号波形を示すタイムチャート、図12は測定結果出力端
76から得られる測定結果信号のガス濃度に対する変化
を示す図である。以下、これらの図を参照し本実施例の
動作を説明する。
【0037】炉内の雰囲気がO2 状態からCO状態へ移
行する場合の動作について説明すると次のようになる。
まず、本装置の使用に際し、リセットスイッチRSWが
押下され、ピークホールド回路32,42および各単安
定マルチバイブレータ34,44が初期化される。そし
て、測定中において、O2 濃度が低下すると、増幅器2
1の出力信号は図10において破線Qcに従い、ピーク
点Aに向って上昇する(矢印M1)。この増幅器21の
出力信号が整流器31を介してピークホールド回路32
に与えられる。この結果、このピークホールド回路32
の出力電圧が上昇し、ピークホールド回路32によりピ
ーク点A相当の電圧が保持される。このピークホールド
回路32の出力電圧が上昇する過程において、該出力電
圧が基準電圧VRRを越えることにより比較器33の出
力信号A’が立ち下がり(図11における時刻t1 )、
これに伴って状態遷移検出信号Aが立ち上がる。また、
信号A’が立ち下がることによって単安定マルチバイブ
レータ34がトリガされ、この結果発生する放電指令パ
ルスPAによりピークホールド回路42内の保持電圧が
クリアされる。
【0038】そして、O2 濃度がさらに低下し、増幅器
21の出力信号が図10におけるピーク点Aを越えてC
O領域へ向って変化すると(矢印M2)、その際、増幅
器21の出力信号は点CおよびBに相当する電圧を順次
通過することとなる。この結果、状態遷移検出信号Cが
立ち下がり、状態遷移検出信号Bが立ち上がることとな
る。
【0039】ここで、状態遷移検出信号AおよびBが
“1”となったことからNANDゲート61の出力信号
が“0”となり、インバータ64の出力信号が“1”と
なる(図11における時刻t2 )。このため、単安定マ
ルチバイブレータ66によりリレーコイルRRにパルス
が通電され、リレー接点74により増幅器72の出力信
号が選択される。そして、NANDゲート61の出力信
号が“0”となったことからNANDゲート63の出力
信号が“1”となり、リレーコイルRDに通電が行われ
る。このため、リレー接点75により下限設定電圧EE
が選択され、測定結果出力端75へ出力される(図12
における無効域)。
【0040】その後、炉内の雰囲気がCO状態に移り変
ると、増幅器21の出力信号は図10において破線Qc
に従い、ピーク点Dに向って下降する(矢印M3)。こ
の増幅器21の出力信号が整流器41を介してピークホ
ールド回路42に与えられる。この結果、このピークホ
ールド回路42の出力電圧が下降し、ピークホールド回
路42によりピーク点D相当の電圧が保持される。この
ピークホールド回路42の出力電圧が下降する過程にお
いて、該出力電圧が基準電圧VRFを下回ることにより
比較器43の出力信号D’が立ち下がり(図11におけ
る時刻t3 )、これに伴って状態遷移検出信号Dが立ち
上がる。また、信号D’が立ち下がることによって単安
定マルチバイブレータ44がトリガされ、この結果発生
する放電指令パルスPDによりピークホールド回路32
内の保持電圧がクリアされる。この結果、比較器33の
出力信号A’が立ち上がり、状態遷移検出信号Aが立ち
下がる。このため、NANDゲート61の出力信号が
“1”となり、これによりNANDゲート63の出力信
号が“0”となり、リレーコイルRDに対する通電が断
たれる。そして、リレー接点75によりリレー接点74
の出力が選択されることとなり、増幅器73の出力信号
がリレー接点74および75を介して測定結果出力端7
6に出力されることとなる。
【0041】ここで、増幅器73の出力信号は、増幅器
21の出力信号のうち正の成分に相当するもの、すなわ
ち、炉内のCO濃度に対応した電圧にオフセットEEを
加算した電圧となっている。このようにして図12の第
4象限におけるCO領域に対応した測定結果が得られ
る。
【0042】逆に炉内の雰囲気がCO状態からO2 状態
へ移行する場合は、増幅器21の出力信号がD点相当の
電圧を通過することとなる(時刻t4 )。ここで、増幅
器21の出力信号がD点相当の電圧を通過する前にピー
クホールド回路42の保持電圧が基準電圧VRFよりも
低下していた場合には、時刻t4 において状態遷移検出
信号Dが“0”から“1”に立ち上がることとなる(図
11において実線表示されたD)。これに対し、時刻t
4 以前にピークホールド回路42の保持電圧が基準電圧
VRF以上であった場合には状態遷移検出信号Dは
“1”のままである(図11において破線表示された
D)。そして、増幅器21の出力信号がC点相当の電圧
を越えると(矢印M4)、状態遷移検出信号CおよびD
が“1”となり(時刻t5 )、単安定マルチバイブレー
タ67によりリレーコイルRSの通電が行われ、リレー
接点74により増幅器72の出力信号が選択される。そ
して、NANDゲート62の出力信号が“0”となるこ
とによりNANDゲート63の出力信号が“1”とな
り、リレーコイルRDが通電される。この結果、リレー
接点75により下限設定電圧EEを選択され、測定結果
出力端76へ出力される。その後、増幅器21の出力信
号がA点相当の電圧を通過するまでの間はリレー接点7
5により下限設定電圧EEが選択され(無効域)、A点
通過により単安定マルチバイブレータ34から放電指令
パルスPAが出力され(時刻t6 )、ピークホールド回
路42の保持電圧がクリアされ、状態遷移検出信号Dが
立ち下がる。この結果、NANDゲート62の出力信号
が立ち上がり、NANDゲート63の出力信号が立ち下
がり、リレーコイルRDに対する通電が断たれる。そし
て、リレー接点75によりリレー接点74の出力が選択
されることとなり、増幅器72の出力信号がリレー接点
74および75を介して測定結果出力端76に出力され
ることとなる。
【0043】ここで、増幅器72の出力信号は、増幅器
21の出力信号のうち負の成分に相当するもの、すなわ
ち、炉内のO2 濃度に対応した電圧にオフセットEEを
加算した電圧となっている。このようにして図12の第
1象限におけるO2 領域に対応した測定結果が得られ
る。
【0044】以上説明したように本実施例によれば、C
O領域からO2 領域まで広範囲に変化する炉内の雰囲気
が測定され、CO濃度およびO2 濃度を表わす信号が得
られる。
【0045】なお、上記実施例によれば図12に特性を
示す出力信号が炉内のガス濃度を表わす信号として得ら
れるが、この信号を炉の空気制御バルブの制御信号とし
て使用してもよい。また、測定結果出力端76から得ら
れる信号をA/D変換し、その結果をデジタル表示する
ようにしてもよい。また、センサ部20に代え、図13
に示すように各センサSFおよびSRの出力電流に対応
した電圧を差動増幅器により差動増幅して出力し、信号
処理部30へ供給するようにしてもよい。
【0046】
【発明の効果】以上に説明したように、この発明によれ
ば、2つの限界電流式酸素センサを使用し、酸化雰囲気
から還元雰囲気にわたる広範囲の雰囲気中のガス濃度を
計測することができるという効果が得られる。例えば、
陶磁器の焼成工程における炉内のガス濃度を、経験と感
に頼ることなく客観的かつ正確に計測することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の参照例の基本回路を示すブロック図
である。
【図2】図1の要部の詳細ブロック図である。
【図3】この発明の参照例の判定基準例を表にした図で
ある。
【図4】図3の判定例NO.の判定レベルによる出力
を示す性能曲線図である。
【図5】図3の判定例NO.の判定レベルによる出力
を示す性能曲線図である。
【図6】この発明の実施例で使用するジルコニアの特性
を示す図である。
【図7】この発明の実施例によるガス濃度測定装置の回
路図である。
【図8】この発明の実施例によるガス濃度測定装置の回
路図である。
【図9】この発明の実施例によるガス濃度測定装置の回
路図である。
【図10】この発明の実施例における増幅器の出力信号
を説明する図である。
【図11】実施例の動作を説明するタイムチャートであ
る。
【図12】実施例により得られる出力信号を説明する図
である。
【図13】実施例の変形例を示す図である。
【図14】正極性センサの出力を示す性能曲線図であ
る。
【図15】負極性センサの出力を示す性能曲線図であ
る。
【図16】従来の限界電流式酸素センサの出力処理を施
こしたものの性能曲線図である。
【符号の説明】
1,SF 限界電流式酸素センサ(正極性センサ) 2,SR 限界電流式酸素センサ(負極性センサ) 3,20 基本回路 4,5 センサ加熱用ヒータ電源 6,7,VHF,VHR 電極印加用電源 8,9 出力電流検出用電流計 10 コンパレータ 11,30,60 酸化還元判定部 12,70 酸化還元切替部 13,14 基準値設定部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−83048(JP,A) 特開 昭60−200157(JP,A) 特開 昭64−35360(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 27/41

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 限界電流式酸素センサを2つ用い、一方
    の酸素センサに正極性の電圧を印加し、他方の酸素セン
    サに負極性の電圧を印加し、前記両酸素センサを同一雰
    囲気中に設置してなるセンサの基本回路と、前記両酸素
    センサの出力により当該雰囲気が酸化状態にあるか還元
    状態にあるかを判定する酸化還元判定部と、該酸化還元
    判定部の出力に基づき測定の重点を当該雰囲気状態に応
    じた極性の酸素センサに切替える酸化還元切替部とを備
    えるガス濃度の計測装置であって、 前記基本回路は、前記両酸素センサの出力信号の差分を
    出力し、この出力信号の時間的変化を前記酸化還元判定
    部が検出することにより、前記雰囲気が酸化状態にある
    か還元状態にあるかを判定することを特徴とするガス濃
    度の計測装置。
JP6016806A 1993-07-15 1994-02-10 ガス濃度の計測装置 Expired - Fee Related JP2943969B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6016806A JP2943969B2 (ja) 1993-07-15 1994-02-10 ガス濃度の計測装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5-175286 1993-07-15
JP17528693 1993-07-15
JP6016806A JP2943969B2 (ja) 1993-07-15 1994-02-10 ガス濃度の計測装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0777513A JPH0777513A (ja) 1995-03-20
JP2943969B2 true JP2943969B2 (ja) 1999-08-30

Family

ID=26353205

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6016806A Expired - Fee Related JP2943969B2 (ja) 1993-07-15 1994-02-10 ガス濃度の計測装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2943969B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101027824B1 (ko) 2008-10-10 2011-04-07 재단법인 포항산업과학연구원 Co 농도 측정 시스템을 이용한 산화 환원 공기 제어 방법

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5126886B2 (ja) * 2008-04-01 2013-01-23 矢崎エナジーシステム株式会社 ガス濃度検出装置
KR101731477B1 (ko) 2014-12-29 2017-04-28 주식회사 효성 Mmc 컨버터의 서브모듈용 전원공급장치
KR101731478B1 (ko) * 2015-06-22 2017-04-28 주식회사 효성 Mmc 컨버터의 서브모듈용 전원공급장치

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101027824B1 (ko) 2008-10-10 2011-04-07 재단법인 포항산업과학연구원 Co 농도 측정 시스템을 이용한 산화 환원 공기 제어 방법

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0777513A (ja) 1995-03-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5746383B2 (ja) 広域ラムダセンサのための評価及び制御ユニット
US4722779A (en) Air/fuel ratio sensor
US4543176A (en) Oxygen concentration detector under temperature control
EP1239282B1 (en) Gas sensor and method of heating the same
US7964073B2 (en) Air fuel ratio detection apparatus
US20060102476A1 (en) Sensor impedance measuring apparatus for improving measurement accuracy of gas sensor
KR910006224B1 (ko) 공연비 검출장치
US6120677A (en) Temperature control for all range oxygen sensor
JP2000065793A (ja) ガス混合気の酸素濃度を測定する測定センサの制御のための方法
JP3487159B2 (ja) ガス濃度検出装置及びその製造方法
KR100355133B1 (ko) 가스혼합물들내의람다값을결정하기위한한계전류센서
US4844788A (en) Wide-range air/fuel ratio sensor and detector using the same
JP2006010583A (ja) ガス濃度検出装置
US7288175B2 (en) Noiseless gas concentration measurement apparatus
US4664773A (en) Air-to-fuel ratio sensor for an automobile
JP2943969B2 (ja) ガス濃度の計測装置
JPH1048180A (ja) 全領域酸素センサの温度制御方法及び装置
JP2509905B2 (ja) 空燃比センサ
EP0974835B1 (en) Gas concentration measuring apparatus producing current signal as a function of gas concentration
US20160356753A1 (en) Sensor control apparatus and gas detection system
JP2000171434A (ja) ガスセンサ及びそれを用いた可燃性ガス成分濃度測定装置
JP3469407B2 (ja) ガス成分濃度検知器
JP2664319B2 (ja) 空燃比センサ
JPH0750070B2 (ja) 酸素濃度検出装置
JPS6354127B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees