JP2941155B2 - ガス含有成分の冷却分離方法およびその装置 - Google Patents

ガス含有成分の冷却分離方法およびその装置

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JP2941155B2
JP2941155B2 JP25311293A JP25311293A JP2941155B2 JP 2941155 B2 JP2941155 B2 JP 2941155B2 JP 25311293 A JP25311293 A JP 25311293A JP 25311293 A JP25311293 A JP 25311293A JP 2941155 B2 JP2941155 B2 JP 2941155B2
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  • Vaporization, Distillation, Condensation, Sublimation, And Cold Traps (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガスを冷却してガス中
に含まれる含有成分を分離させるガス含有成分の冷却分
離方法およびその装置に係り、ガスの冷却時の冷媒の温
度設定に関し、石油精製の際に生成される硫黄蒸気を含
有したガスから硫黄分を取り除き、安全にかつ連続的に
ガスを採取する場合などに利用できる。
【0002】
【背景技術】従来より、石油精製の際などには硫黄蒸気
を含有したガスが生成されるが、この硫黄蒸気含有ガス
を採取して分析装置等に導入する際には、硫黄蒸気含有
ガスを冷却することにより硫黄蒸気含有ガスに含まれる
硫黄分を分離させて取り除く作業が行われている。図4
には、このような硫黄蒸気含有ガスの冷却に用いられる
従来の冷却分離装置の一例である冷却分離装置80が示
されている。冷却分離装置80は、互いに同心に配置さ
れた三重の筒状体81,82,83を備えている。最も
内側の筒状体81と中間の筒状体82との間に形成され
た空間は、硫黄蒸気を含有したガス84が流通するガス
流通経路85となっている。そして、図中下側には、ガ
ス流通経路85の入口86が設けられ、図中右側には、
ガス流通経路85の出口87が設けられている。また、
このガス流通経路85には、複数のリング88が設けら
れており、これらのリング88の外周部と中間の筒状体
82の内壁面との間の隙間89をガス84が流通するよ
うになっている。
【0003】最も内側の筒状体81の内部に形成された
空間と、中間の筒状体82と最も外側の筒状体83との
間に形成された空間とは、図示されない部分で連通され
ており、これらの空間は、ガス84を冷却するための冷
媒90が流通する冷媒流通経路91となっている。そし
て、図中左下側には、冷媒流通経路91の入口92が設
けられ、図中上側には、冷媒流通経路91の出口93が
設けられている。なお、冷媒流通経路91を流通する冷
媒90は、スチームと工業用水とを混合したものなどで
ある。そして、冷媒流通経路91とガス流通経路85と
は、それぞれ独立した流通経路となっており、これらの
流通経路を流通する冷媒90とガス84とは、直接に接
触しないようになっている。
【0004】このような冷却分離装置80においては、
硫黄蒸気を含有したガス84および冷媒90を、それぞ
れ互いに隣接配置されたガス流通経路85および冷媒流
通経路91に連続的に流通させて冷媒90とガス84と
の間で熱交換を行わせることにより、ガス84を冷却し
てガス84に含まれる硫黄分を分離させるようになって
いる。そして、分離された硫黄分は、ガス流通経路85
の内壁面あるいはリング88に粘性の高い液体となって
付着する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た図4の従来の冷却分離装置80では、ガス流通経路8
5の全域(図中上下方向の全域)に渡って同じ温度の冷
媒90が流通する冷媒流通経路91が隣接配置された構
成となっているので、硫黄分の分離をガス流通経路85
の全域に渡って均一に行わせることはできなかった。つ
まり、冷媒90のみによりガス84を所定の比較的低い
温度まで冷却しなければならないので、冷媒90の温度
設定は必然的に低くなって入口86から送り込まれてく
るガス84と冷媒90との温度差が大きくなり、ガス8
4はガス流通経路85の上流側(入口86側)で急激に
冷却されてしまう。このため、硫黄分の分離がガス流通
経路85の上流側の一部に集中してしまい、この部分の
ガス流通経路85(隙間89)に集中的に付着した硫黄
によってガス流通経路85が短期間に閉塞してしまうと
いう問題があった。そして、ガス流通経路85が閉塞す
ると、閉塞箇所の復旧に丸一日程度の時間を要するう
え、ガス84中には一酸化炭素、硫化水素などの有毒ガ
スも混入しているので復旧作業は危険を伴い好ましくな
いという問題があった。
【0006】また、このようなガス流通経路85の短期
間での閉塞を防ぐために、冷媒90の温度を上げたり、
あるいはガス流通経路85の幅を広げたりすることが考
えられるが、このような対応をとった場合には、硫黄分
の冷却分離を充分に行うことができないという問題があ
った。そして、硫黄分の冷却分離が充分に行われない
と、ガス84を分析装置等の機器に導入した際に、これ
らの機器内で硫黄分が分離して機器の各部に付着し、機
器を破損するという問題があった。
【0007】本発明の目的は、ガス流通経路の短期間で
の閉塞を防止でき、かつ充分な冷却分離を行うことがで
きるガス含有成分の冷却分離方法およびその装置を提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、ガスを互いに
温度範囲の異なる冷媒により多段階で冷却して前記目的
を達成しようとするものである。具体的には、本発明の
ガス含有成分の冷却分離方法は、ガスを冷却してガス中
に含まれる含有成分を分離させる際に、前記ガスを多層
状の金網に通しながら互いに温度範囲の異なる冷媒によ
り多段階で冷却することを特徴とする。また、本発明
は、ガスを冷媒により冷却してガス中に含まれる含有成
分を分離させるガス含有成分の冷却分離装置であって、
互いに内径の異なる複数の筒状体が多重に配置され、こ
れらの多重に配置された筒状体で仕切られた多重の空間
には、前記ガスが流通するガス流通経路および前記冷媒
が流通する冷媒流通経路がそれぞれ形成され、前記冷媒
流通経路は前記ガスの流通方向に複数に分割されて互い
に温度範囲の異なる冷媒がそれぞれ別々に流通可能とさ
れていることを特徴とする。さらに、本発明のガス含有
成分の冷却分離装置は、前記ガス流通経路に、前記ガス
が通過可能な金網が多層状に充填されていることを特徴
とする。
【0009】
【作用】このような本発明においては、ガスを冷媒で冷
却することにより、ガス中に含まれる含有成分を分離さ
せて取り除く。この際、ガスの冷却用の冷媒を流通させ
る冷媒流通経路をガスの流通方向に複数に分割してガス
を互いに温度範囲の異なる冷媒により多段階で冷却する
ので、各部分におけるガスと冷媒との温度差が小さくな
り、ガスは徐々に冷却されてその含有成分はガス流通経
路の全域に渡って均一に分離される。このため、従来の
ようなガス流通経路の一部への付着分離の集中がなくな
り、付着した硫黄によるガス流通経路の短期間での閉塞
は防止され、前述したような閉塞に伴う諸問題も解消さ
れる。
【0010】また、冷媒の温度を上げたり、あるいはガ
ス流通経路の幅を広げたりする対応をとることなく、ガ
ス流通経路の短期間での閉塞が防止されるので、ガス中
に含まれる含有成分の充分な冷却分離が行われ、分析装
置等の機器内でのガス含有成分の付着分離による機器の
破損は防止される。さらに、ガス流通経路にガスが通過
可能な金網を多層状に充填させて、ガスを多層状の金網
に通しながら冷却を行うことで、冷却により分離したガ
ス中の成分をガスとの接触面積が広い金網で捕集できる
から、ガス含有成分を充分かつ確実に取り除くことがで
きる。また、金網により、ガス含有成分の分離ガス流
通経路の全域に渡ってより均一に行うことができるから
ガス流通経路の短期間での閉塞をより確実に防止できる
とともに、冷却効率めることができるので充分な冷
却分離を行うことができ、これらにより前記目的が達成
される。
【0011】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1には、本実施例に係るガス含有成分の冷却
分離装置10の構成が示されており、この冷却分離装置
10は、硫黄蒸気含有ガスを冷却してその硫黄分を分離
させる装置である。冷却分離装置10は、互いに同心に
配置された二重の筒状体11,12を備えている。そし
て、外側の筒状体12の内径は、内側の筒状体11の内
径の1.5倍程度となっている。また、これらの筒状体
11,12の材質は任意であり、腐食性がなく、かつ安
価なステンレスなどを好適に用いることができる。内側
の筒状体11の内部に形成された空間は、硫黄蒸気を含
有したガス14が流通するガス流通経路15となってい
る。そして、図中下側には、ガス流通経路15の入口1
6が設けられ、図中右側には、ガス流通経路15の出口
17が設けられている。ここで、硫黄蒸気含有ガス14
としては、代表的なものとして石油精製の際などに副生
されるガスがあげられ、この副生ガスは、N2、CO2 を主
成分とし、CO、CH4 、H2S 、SO2 、H2O を含有するもの
である。
【0012】また、ガス流通経路15には、充填物とし
て金網20が多層状に設けられており、これらの金網2
0は、その中心部の穴に支持棒21を通されることによ
り支持棒21に支持されている。ガス14は、これらの
多層状の金網20を通ることにより、その硫黄分が金網
20に付着して分離されるようになっている。なお、硫
黄分の付着分離は内側の筒状体11の内壁面でも行われ
る。ここで、金網20の材質は任意であり、例えば、腐
食性がなく、かつ安価なステンレスなどが好適である。
また、金網20のメッシュの大きさも任意であり、例え
ば、2.0〜3.0mm角程度の大きさが、冷却の効率
および閉塞の防止の点から好ましい。
【0013】内側の筒状体11と外側の筒状体12との
間に形成された空間の中間部分には、リング状の仕切板
30が設けられており、この仕切板30により図中上下
に仕切られた空間は、それぞれガス14を冷却するため
の冷媒40,50が流通する冷媒流通経路41,51と
なっている。そして、図中左下側には、冷媒流通経路4
1の入口42が設けられ、図中右側の仕切板30の下部
には、冷媒流通経路41の出口43が設けられている。
また、図中左上側には、冷媒流通経路51の入口52が
設けられ、図中右側の仕切板30の上部には、冷媒流通
経路51の出口53が設けられている。そして、各冷媒
流通経路41,51およびガス流通経路15は、それぞ
れ独立した流通経路となっており、これらの流通経路を
流通する各冷媒40,50およびガス14は、直接に接
触しないようになっている。
【0014】ここで、ガス流通経路15の上流部分(図
中下側部分)に隣接配置された冷媒流通経路41を流通
する冷媒40は、比較的高温の冷媒であり、一方、ガス
流通経路15の下流部分(図中上側部分)に隣接配置さ
れた冷媒流通経路51を流通する冷媒50は、比較的低
温の冷媒である。また、各冷媒40,50は流体であれ
ば任意のものであってよく、各冷媒40,50に接触す
る物を腐食させる性質がなく、かつ安価な工業用スチー
ムや工業用水などを用いることができる。例えば、ガス
流通経路15の入口16から入ってくるガス14の温度
は、通常140℃〜150℃であるから、冷媒40に
は、100℃〜130℃程度、好ましくは110℃〜1
20℃程度の温度のスチームなどを好適に用いることが
でき、一方、冷媒50には、70℃〜100℃程度、好
ましくは85℃〜100℃程度の温度の温水などを好適
に用いることができる。
【0015】このような本実施例においては、以下のよ
うにして硫黄蒸気ガス14の冷却を行ってその硫黄分を
分離させる。先ず、入口16から硫黄蒸気を含有したガ
ス14をガス流通経路15内に連続的に送り込み、この
ガス14を冷媒流通経路41を流通する比較的高温の冷
媒40により、ある程度の温度まで冷却する。この際、
冷媒40は入口42から冷媒流通経路41内に連続的に
送り込まれ、ガス14と同じ流れ方向(並流状態)に流
れて出口43から排出される。次に、冷媒流通経路41
に隣接する部分(図中下部)を通過したガス14を、冷
媒流通経路51を流通する比較的低温の冷媒50によ
り、さらに低い温度まで冷却し、出口17から排出す
る。この際、冷媒50は入口52から冷媒流通経路51
内に連続的に送り込まれ、ガス14と反対向きの流れ方
向(向流状態)に流れて出口53から排出される。そし
て、これらの二段階の冷却により、ガス流通経路15内
に充填された多層状の金網20の各々に均一にガス14
に含まれる硫黄分が付着し、ガス14から硫黄分が取り
除かれる。
【0016】このような本実施例によれば、次のような
効果がある。すなわち、冷却分離装置10には、仕切板
30の設置により二つの冷媒流通経路41,51が形成
され、これらの流通経路には互いに温度範囲の異なる各
冷媒40,50が流通しているので、ガス14を二段階
で徐々に冷却することができ、硫黄分をガス流通経路1
5の全域に渡って均一に分離させることができる。この
ため、図4の従来の冷却分離装置80で発生したような
ガス流通経路85の一部(上流部分)への分離の集中を
回避することができるので、付着した硫黄によるガス流
通経路の短期間での閉塞を防止することができる。
【0017】また、冷媒の温度を上げたり、あるいはガ
ス流通経路15の幅を広げたりする対応をとることな
く、ガス流通経路15の短期間での閉塞を防止できるの
で、硫黄蒸気含有ガス14の硫黄分を充分に冷却分離さ
せることができる。このため、ガス14を分析装置等の
機器に導入した際に、これらの機器内で硫黄分が付着分
離して機器を破損してしまうという不都合を未然に防止
することができる。
【0018】さらに、ガス流通経路15にガス14が通
過可能な金網20が多層状に充填されているので、ガス
14に含まれる硫黄分の分離がガス流通経路15の全域
に渡ってより均一に行われてガス流通経路15の短期間
での閉塞をより確実に防止することができるとともに、
冷却効率が向上して充分な冷却分離を行うことができ
る。
【0019】そして、外側の筒状体12の内径は、内側
の筒状体11の内径の1.5倍程度となっているので、
ガス14の冷却を効率よく行うことができ、各冷媒4
0,50の無駄な使用を避けることができる。
【0020】なお、本発明の効果を確かめるために次の
ような比較実験を行った。本発明の実施例についての実
験例1として、前記実施例の冷却分離装置10において
外側の筒状体12の内径を78.1mmとし、内側の筒
状体11の内径を49.5mmとし(内径比約1.
6)、冷媒40に115℃のスチームを用い、冷媒50
に95℃の温水を用いて硫黄蒸気含有ガス14の冷却を
行った。また、金網20は設けなかった。
【0021】本発明の実施例についての実験例2とし
て、外側の筒状体12の内径を78.1mmとし、内側
の筒状体11の内径を52.7mmと実験例1よりも大
きくし(内径比約1.5)、ステンレス製の金網20を
多層状に設けて硫黄蒸気含有ガス14の冷却を行った。
その他の条件は実験例1と同じである。
【0022】また、本発明に対する比較例として、各筒
状体11,12の間に形成された空間に仕切板30を設
けずに、一つの冷媒流通経路を形成し、ここにスチーム
によって温度調整した85℃の温水のみを冷媒として流
して硫黄蒸気含有ガス14の冷却を行った。その他の条
件は実験例1と同じである。
【0023】これらの比較実験の結果は以下のようにな
った。実験例1では、硫黄分が内側の筒状体11の内壁
面に付着し、ガス流通経路15は閉塞しなかったが、硫
黄分が分析装置に若干付着したため分析装置の破損に至
る程度の付着量ではなかったが二週間で運転を中断し
た。実験例2では、硫黄分が内側の筒状体11の内壁面
および金網20に付着したが、ガス流通経路15は閉塞
せず、また、硫黄分が分析装置に付着することもなかっ
たので、一ヵ月間連続して運転することができた。これ
に対し、比較例では、硫黄分は内側の筒状体11内の一
部分に集中して付着し、これによりガス流通経路15は
一日で閉塞した。これらの比較実験結果によれば、実験
例1,2において、本発明によりガス流通経路15を短
期間で閉塞させずに硫黄分を充分に冷却分離できること
が示され、さらに実験例2のように金網20を多層状に
設けておくことで、より一層充分な冷却分離を行うこと
ができ、より一層長期間の連続運転が可能となることが
示され、これらにより本発明の効果が顕著に示された。
【0024】なお、本発明は前記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の目的を達成できる他の構成も含
み、例えば以下に示すような変形等も本発明に含まれる
ものである。すなわち、前記実施例では、硫黄蒸気含有
ガス14は、N2、CO2 を主成分とし、CO、CH4 、H2S 、
SO2 、H2O を含有する副生ガスとなっていたが、硫黄蒸
気含有ガスは、このような副生ガスに限定されるもので
はなく、例えば、単体硫黄、あるいは常温で固体または
液体となる硫黄化合物を含むガスなどであってもよい。
そして、本発明の対象となるガス含有成分は、前記実施
例の硫黄に限定されるものではなく、冷却することによ
って気体から粘性の高い液体となる他の化合物であって
もよく、あるいはナフタレン、樟脳、二酸化炭素などの
ように冷却することによって気体から固体となる化合物
であってもよく、要するに冷却分離できる成分であれば
よい。
【0025】
【0026】さらに、各筒状体11,12の形状は、前
記実施例のような真っ直ぐな円筒状に限定されるもので
はなく、例えば、角筒状であってもよく、湾曲していて
もよく、要するに各筒状体で仕切られた多重の空間に各
冷媒流通経路41,51およびガス流通経路15を形成
することができればよい。そして、仕切板30の形状
は、前記実施例のようなリング状に限定されるものでは
なく任意であり、要するに各冷媒40,50が互いに直
接に接触しないように二つの冷媒流通経路41,51を
仕切ることができればよい。
【0027】また、各冷媒40,50の流れ方向は、前
記実施例の流れ方向に限定されるものではなく、それぞ
れガス14の流れ方向に対して並流であってもよく、向
流であってもよい。この際、各冷媒40,50の流量が
少ない場合などには、各冷媒40,50自体がガス14
によって温められることにより各々の冷媒流通経路4
1,51上において各冷媒40,50に温度差が生じる
が、この温度差を利用し、両方の冷媒40,50の流れ
方向をガス14の流れ方向に対して向流としてガス14
をより徐々に冷却するようにしてもよい。また、各々の
冷媒流通経路41,51上における各冷媒40,50の
温度差が殆どない場合などには、前記実施例のように、
各冷媒40,50の一方を並流、他方を向流として各冷
媒流通経路41,51の入口や出口に接続される配管の
配置の最適化、簡便化を図ってもよい。
【0028】そして、前記実施例では、各冷媒40,5
0は、各冷媒流通経路41,51を連続的に流通してい
るが、適宜一定量ずつ交換して断続的に各冷媒40,5
0を供給する構成としてもよい。しかし、前記実施例の
ように連続的に流通させておくことが好ましく、そうす
ることで冷却効率を向上させることができる。
【0029】さらに、前記実施例では、冷却分離装置1
0には二つの冷媒流通経路41,51が形成され、互い
に温度範囲の異なる各冷媒40,50を流通させてガス
14を二段階で冷却していたが、必要に応じて仕切板3
0を複数設けるなどして三以上の冷媒流通経路を形成
し、冷媒の温度範囲を三以上設定して三以上の多段階で
冷却を行うようにしてもよい。
【0030】また、前記実施例の冷却分離装置10は、
二重の筒状体11,12により構成されていたが、三重
以上の筒状体により冷却分離装置を構成してもよい。例
えば、図2のような三重の筒状体61,62,63を備
えた冷却分離装置60としてもよい。そして、この場合
には、最も内側の筒状体61の内部に形成された空間お
よび中間の筒状体62と最も外側の筒状体63との間に
形成された空間を、それぞれ仕切板64,65で図中上
下に分割し、分割された各下側部分66A,66Bを比
較的温度の高い冷媒67が流通する冷媒流通経路66と
し、一方、分割された各上側部分68A,68Bを比較
的温度の低い冷媒69が流通する冷媒流通経路68とす
るとともに、最も内側の筒状体61と中間の筒状体62
との間に形成された空間を、硫黄蒸気含有ガス70が流
通するガス流通経路71とすればよい。
【0031】この際、各下側部分66A,66Bどうし
の間および各上側部分68A,68Bどうしの間は連通
しておいてもよく、あるいは各部分に別々にそれぞれ所
定の温度の冷媒67,69が供給されるような構成とし
てもよい。また、ガス流通経路71には、多層状の金網
72を設けておいてもよい。さらに、四重以上の筒状体
を備えた構成とする場合においても、ガス流通経路と冷
媒流通経路とが交互に配置されるような構成としておけ
ば、冷却の効率を向上させることができる。
【0032】また、前記実施例では、仕切板30により
二つの冷媒流通経路41,51を形成していたが、仕切
板を設けずに複数の冷媒流通経路を形成してもよく、例
えば、図3の冷却分離装置74のように高温の冷媒7
5、低温の冷媒76、および硫黄蒸気含有ガス77をそ
れぞれ流通させた構成としてもよい。そして、この冷却
分離装置74には硫黄蒸気含有ガスも冷媒も流通しない
空間78が形成されており、これにより熱の遮断が行わ
れている。
【0033】また、前記実施例では、外側の筒状体12
の内径は、内側の筒状体11の内径の1.5倍程度とな
っているが、このような寸法比に限定されるものではな
い。しかし、各冷媒40,50の無駄な使用を避けるた
めには、外側の筒状体12の内径を、内側の筒状体11
の内径の2倍以下程度にしておくことが好ましく、より
好ましくは前記実施例のように1.5倍程度としておく
のがよい。つまり、断面積でみた場合には、各冷媒流通
経路41,51の断面積は、ガス流通経路15の断面積
の3倍以下程度になっていることが好ましく、より好ま
しくは1.25倍程度がよい。そして、冷却分離装置が
三重以上の筒状体を備えている場合にも、同様な断面積
の関係であることが好ましく、例えば、図2の冷却分離
装置60の場合には、冷媒流通経路66の断面積(各下
側部分66A,66Bの合計断面積)または冷媒流通経
路68の断面積(各上側部分68A,68Bの合計断面
積)は、ガス流通経路71の断面積の3倍以下程度にな
っていることが好ましく、より好ましくは1.25倍程
度がよい。
【0034】
【発明の効果】以上に述べたように本発明によれば、ガ
スを互いに温度範囲の異なる冷媒により多段階で冷却し
てガス中に含まれる含有成分を分離させるので、ガス流
通経路の短期間での閉塞を防止でき、かつ充分な冷却分
離を行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す断面図。
【図2】本発明の変形例を示す断面図。
【図3】本発明の別の変形例を示す断面図。
【図4】従来例を示す断面図。
【符号の説明】
10,60,74 冷却分離装置 11,12,61,62,63 筒状体 14,70,77 ガス 15,71 ガス流通経路 20,72 金網 30,64,65 仕切板 40,50,67,69,75,76 冷媒 41,51,66,68 冷媒流通経路

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガスを冷却してガス中に含まれる含有成
    分を分離させる際に、前記ガスを多層状の金網に通しな
    がら互いに温度範囲の異なる冷媒により多段階で冷却す
    ることを特徴とするガス含有成分の冷却分離方法。
  2. 【請求項2】 ガスを冷媒により冷却してガス中に含ま
    れる含有成分を分離させるガス含有成分の冷却分離装置
    であって、 互いに内径の異なる複数の筒状体が多重に配置され、こ
    れらの多重に配置された筒状体で仕切られた多重の空間
    には、前記ガスが流通するガス流通経路および前記冷媒
    が流通する冷媒流通経路がそれぞれ形成され、 前記冷媒流通経路は前記ガスの流通方向に複数に分割さ
    れて互いに温度範囲の異なる冷媒がそれぞれ別々に流通
    可能とされていることを特徴とするガス含有成分の冷却
    分離装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載したガス含有成分の冷却
    分離装置において、前記ガス流通経路には、前記ガスが
    通過可能な金網が多層状に充填されていることを特徴と
    するガス含有成分の冷却分離装置。
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