JP2938762B2 - ヒートポンプ装置 - Google Patents

ヒートポンプ装置

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JP2938762B2
JP2938762B2 JP19309994A JP19309994A JP2938762B2 JP 2938762 B2 JP2938762 B2 JP 2938762B2 JP 19309994 A JP19309994 A JP 19309994A JP 19309994 A JP19309994 A JP 19309994A JP 2938762 B2 JP2938762 B2 JP 2938762B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、供給空気に放熱する対
空気用凝縮器と、放熱用液体に放熱する対液体用凝縮器
とを設けた冷熱発生用のヒートポンプ装置、並びに、供
給空気から採熱する対空気用蒸発器と、採熱用液体から
採熱する対液体用蒸発器とを設けた温熱発生用のヒート
ポンプ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、上記の如き冷熱発生用のヒートポ
ンプ装置では、図16に示すように、供給空気Aは対空
気用凝縮器12のみを熱授受対象とし、かつ、放熱用液
体Lは対液体用凝縮器11のみを熱授受対象とする装置
構成としており、供給空気Aと放熱用液体Lとの間での
熱授受については何ら考慮されていなかった。
【0003】また、上記の如き温熱発生用のヒートポン
プ装置においても同様に(図16参照)、供給空気Aは
対空気用蒸発器12のみを熱授受対象とし、かつ、採熱
用液体Lは対液体用蒸発器11のみを熱授受対象とする
装置構成としており、供給空気Aと採熱用液体Lとの間
での熱授受については何ら考慮されていなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の冷熱発
生用ヒートポンプ装置では、供給空気A(例えば外気)
の温度が低くて、その放熱受容量が大きい状況であるに
もかかわらず、対空気用凝縮器12の装置容量から放熱
量が制限されてヒートポンプ装置全体としての成績係数
向上が制約を受ける場合があり、また、これを回避する
ため対空気用凝縮器12に装置容量の大きいものを装備
すると、その対空気用凝縮器12と対液体用凝縮器11
とを備える全体ヒートポンプ構成が大型化するととも
に、装置コストが高く付くこととなる。
【0005】一方、前記の温熱発生用ヒートポンプ装置
においても同様に、供給空気A(例えば外気)の温度が
高くて、その採熱受容量が大きい状況であるにもかかわ
らず、対空気用蒸発器12の装置容量から採熱量が制限
されてヒートポンプ装置全体としての成績係数向上が制
約を受ける場合があり、また、これを回避するため対空
気用蒸発器12に装置容量の大きいものを装備すると、
その対空気用蒸発器12と対液体用蒸発器11とを備え
る全体ヒートポンプ構成が大型化するとともに、装置コ
ストが高く付くこととなる。
【0006】以上の実情に対し、本発明の目的は次の通
りである。
【0007】本発明の第1目的は、対空気用凝縮器の大
型化を回避しながら、冷熱発生運転において高い成績係
数を得る点にある。
【0008】本発明の第2目的は、上記の第1目的を達
成するための構成を利用して、冷熱発生運転に伴う温熱
排熱を発生時に対し遅延させて放出させ得るようにし、
これにより成績係数の向上を図る点にある。
【0009】本発明の第3目的は、対空気用蒸発器の大
型化を回避しながら、温熱発生運転において高い成績係
数を得る点にある。
【0010】本発明の第4目的は、上記の第3目的を達
成するための構成を利用して、温熱発生運転に伴う冷熱
排熱を発生時に対し遅延させて放出させ得るようにし、
これにより成績係数の向上を図る点にある。
【0011】本発明の第5目的は、冷熱発生運転と温熱
発生運転とを切換実施するヒートポンプ装置において、
上記第1目的及び第3目的の双方を達成する点にある。
【0012】本発明の第6目的は、ヒートパイプを利用
した簡単な装置構成で上記の第5目的を達成する点にあ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】
〔第1特徴構成〕本発明の第1特徴構成は、供給空気に
放熱する対空気用凝縮器と、放熱用液体に放熱する対液
体用凝縮器とを設ける構成において、前記供給空気から
前記放熱用液体への熱移動を阻止して、前記放熱用液体
から前記供給空気への熱移動のみを許す熱移動手段を設
けたことにある。
【0014】〔第2特徴構成〕本発明の第2特徴構成
は、上記第1特徴構成の実施において好適な構成を特定
するものであり、前記放熱用液体を保有しておく保有手
段を設けたことにある。
【0015】〔第3特徴構成〕本発明の第3特徴構成
は、供給空気から採熱する対空気用蒸発器と、採熱用液
体から採熱する対液体用蒸発器とを設ける構成におい
て、前記採熱用液体から前記供給空気への熱移動を阻止
して、前記供給空気から前記採熱用液体への熱移動のみ
を許す熱移動手段を設けたことにある。
【0016】〔第4特徴構成〕本発明の第4特徴構成
は、上記第3特徴構成の実施において好適な構成を特定
するものであり、前記採熱用液体を保有しておく保有手
段を設けたことにある。
【0017】〔第5特徴構成〕本発明の第5特徴構成
は、上記第1、第2、第3又は第4特徴構成の実施にお
いて好適な構成を特定するものであり、冷熱発生運転で
は前記供給空気に放熱する対空気用凝縮器として機能さ
せ、かつ、温熱発生運転では前記供給空気から採熱する
対空気用蒸発器として機能させる対空気用冷媒熱交換器
を設け、前記の冷熱発生運転では放採熱用液体に放熱す
る対液体用凝縮器として機能させ、かつ、前記の温熱発
生運転では前記放採熱用液体から採熱する対液体用蒸発
器として機能させる対液体用冷媒熱交換器を設け、前記
熱移動手段は、前記供給空気から前記放採熱用液体への
熱移動を阻止して、前記放採熱用液体から前記供給空気
への熱移動のみを許す放熱用切換状態と、前記放採熱用
液体から前記供給空気への熱移動を阻止して、前記供給
空気から前記放採熱用液体への熱移動のみを許す採熱用
切換状態とに切り換え可能に構成してあることにある。
【0018】〔第6特徴構成〕本発明の第6特徴構成
は、上記第5特徴構成の実施において好適な構成を特定
するものであり、前記熱移動手段は、前記供給空気に低
温端を接触させ、かつ、前記放採熱用液体に高温端を接
触させる放熱用ヒートパイプと、前記供給空気に高温端
を接触させ、かつ、前記放採熱用液体に低温端を接触さ
せる採熱用ヒートパイプと、前記放熱用ヒートパイプ、
及び、前記採熱用ヒートパイプの夫々を熱移送機能状態
と熱移送機能停止状態とに切り換える切換手段とを備え
る構成としてあることにある。
【0019】
【作用】
〔第1特徴構成の作用〕第1特徴構成においては、供給
空気の温度が放熱用液体の温度よりも低い場合、冷熱発
生運転に伴う放熱(すなわち温熱排熱の放出)として、
対空気用凝縮器の供給空気に対する放熱、及び、対液体
用凝縮器の放熱用液体に対する放熱に並行させる状態
で、その対液体用凝縮器から放熱用液体へ放熱する熱の
一部ないし全部を熱移動手段により放熱用液体から供給
空気に対し放出するといった形態を採ることができる。
【0020】また、供給空気の温度が放熱用液体の温度
よりも高い場合における供給空気から放熱用液体への熱
移動については、上記熱移動手段がその方向の熱移動を
阻止することにより、放熱用液体に対する対液体用凝縮
器の放熱機能が高く維持される。
【0021】〔第2特徴構成の作用〕第2特徴構成にお
いては、供給空気の温度が高くて、その放熱受容量が小
さい場合に、対液体用凝縮器から放熱用液体に放出する
温熱排熱の一部ないし全部を保有手段における放熱用液
体の保有温熱として一時蓄留する形態で冷熱発生運転を
実施できる。
【0022】そして、供給空気の温度が放熱用液体の温
度よりも低くなった際に、上記の保有温熱を熱移動手段
により放熱用液体から供給空気に対し放出させ、これに
より、保有手段を次の温熱一時蓄留に備えて熱的に回復
させるといった運転形態を採ることができる。
【0023】〔第3特徴構成の作用〕第3特徴構成にお
いては、供給空気の温度が採熱用液体の温度よりも高い
場合、温熱発生運転に伴う採熱(換言すれば冷熱排熱の
放出)として、対空気用蒸発器の供給空気に対する採
熱、及び、対液体用蒸発器の採熱用液体に対する採熱に
並行させる状態で、採熱用液体から対液体用蒸発器に採
熱させる熱の一部ないし全部を熱移動手段により供給空
気から採熱用液体に採取するといった形態を採ることが
できる。
【0024】また、供給空気の温度が採熱用液体の温度
よりも低い場合における採熱用液体から供給空気への熱
移動については、上記熱移動手段がその方向の熱移動を
阻止することにより、採熱用液体に対する対液体用蒸発
器の採熱機能が高く維持される。
【0025】〔第4特徴構成の作用〕第4特徴構成にお
いては、供給空気の温度が低くて、その採熱受容量が小
さい場合に、対液体用蒸発器から採熱用液体に放出する
冷熱排熱の一部ないし全部を保有手段における採熱用液
体の保有冷熱として一時蓄留する形態で温熱発生運転を
実施できる。
【0026】そして、供給空気の温度が採熱用液体の温
度よりも高くなった際に、上記の保有冷熱を熱移動手段
により採熱用液体から供給空気に対し放出させ、これに
より、保有手段を次の冷熱一時蓄留に備えて熱的に回復
させるといった運転形態を採ることができる。
【0027】〔第5特徴構成の作用〕第5特徴構成にお
いては、対空気用冷媒熱交換器を供給空気に放熱する対
空気用凝縮器として機能させ、かつ、対液体用冷媒熱交
換器を放採熱用液体に放熱する対液体用凝縮器として機
能させる冷熱発生運転において、熱移動手段を放熱用切
換状態(すなわち、放採熱用液体から供給空気への熱移
動のみを許す切換状態)とすることにより、前記第1特
徴構成の作用を得ることができる。
【0028】また、対空気用冷媒熱交換器を供給空気か
ら採熱する対空気用蒸発器として機能させ、かつ、対液
体用冷媒熱交換器を放採熱用液体から採熱する対液体用
蒸発器として機能させる温熱発生運転において、熱移動
手段を採熱用切換状態(すなわち、供給空気から放採熱
用液体への熱移動のみを許す切換状態)とすることによ
り、前記第3特徴構成の作用を得ることができる。
【0029】〔第6特徴構成の作用〕第6特徴構成にお
いては、冷熱発生運転の場合、熱移動手段の放熱用切換
状態として、切換手段により、採熱用ヒートパイプを熱
移送機能停止状態とし、かつ、放熱用ヒートパイプを熱
移送機能状態とすることで、供給空気から放採熱用液体
への熱移動を阻止して、放採熱用液体から供給空気への
熱移動のみを許す。
【0030】また、温熱発生運転の場合、熱移動手段の
採熱用切換状態として、切換手段により、放熱用ヒート
パイプを熱移送機能停止状態とし、かつ、採熱用ヒート
パイプを熱移送機能状態とすることで、放採熱用液体か
ら供給空気への熱移動を阻止して、供給空気から放採熱
用液体への熱移動のみを許す。
【0031】
【発明の効果】
〔第1特徴構成の効果〕第1特徴構成によれば、供給空
気の温度が低くて、その放熱受容量が大きい場合に、対
空気用凝縮器の供給空気に対する放熱とともに、対液体
用凝縮器から放熱用液体に放熱する熱の一部ないし全部
も合わせ放熱受容量が大きい供給空気に対し放出し得る
ことで、ヒートポンプ装置全体としての放熱能力を高く
確保でき、これにより、対空気用凝縮器の大型化を回避
しながら、冷熱発生運転において高い成績係数を得るこ
とができる。
【0032】〔第2特徴構成の効果〕第2特徴構成によ
れば、供給空気の温度が高くて、その放熱受容量が小さ
い場合に、対液体用凝縮器から放熱用液体に放出する温
熱排熱の一部ないし全部を保有手段における放熱用液体
の保有温熱として一時蓄留する形態(すなわち、温熱排
熱を発生時に対し遅延させて放出する形態)で冷熱発生
運転を実施できることにより、その冷熱発生運転におい
て高い成績係数を得ることができる。
【0033】〔第3特徴構成の効果〕第3特徴構成によ
れば、供給空気の温度が高くて、その採熱受容量が大き
い場合に、対空気用蒸発器の供給空気に対する採熱とと
もに、採熱用液体から対液体用蒸発器に採熱させる熱の
一部ないし全部も合わせ採熱受容量が大きい供給空気か
ら採取し得ることで、ヒートポンプ装置全体としての採
熱能力を高く確保でき、これにより、対空気用蒸発器の
大型化を回避しながら、温熱発生運転において高い成績
係数を得ることができる。
【0034】〔第4特徴構成の効果〕第4特徴構成によ
れば、供給空気の温度が低くて、その採熱受容量が小さ
い場合に、対液体用蒸発器から採熱用液体に放出する冷
熱排熱の一部ないし全部を保有手段における採熱用液体
の保有冷熱として一時蓄留する形態(すなわち、冷熱排
熱を発生時に対し遅延させて放出する形態)で温熱発生
運転を実施できることにより、その温熱発生運転におい
て高い成績係数を得ることができる。
【0035】〔第5特徴構成の効果〕第5特徴構成によ
れば、冷熱発生運転と温熱発生運転との切り換えに伴
い、熱移動手段を放熱用切換状態と採熱用切換状態とに
切り換えることで、対空気用冷媒熱交換器の大型化を回
避しながら、それら冷熱発生運転及び温熱発生運転の双
方において高い成績係数を得ることができる。
【0036】〔第6特徴構成の効果〕第6特徴構成によ
れば、ヒートパイプが本来有する一方向の熱移送機能を
利用して前記の熱移動手段を構成することで装置構成を
簡略なものとしながら、上記第5特徴構成の効果を得る
ことができる。
【0037】
【実施例】図1は全体設備構成を、図2は機器配置構成
を示し、また、図6ないし図10は冷房運転における代
表的運転モードの運転状態を、図12ないし図15は暖
房運転における代表的運転モードの運転状態を示す。
【0038】図中、1は冷暖房対象域としての室内を温
調する室内温調ユニットであり、この室内温調ユニット
1には、冷温水熱交換器2、及び、その冷温水熱交換器
2により温調した空気IAを室内に送給するファン3を
装備してある。
【0039】なお、この室内温調ユニット1について
は、複数ユニットをビルの各フロアや各室に対し各別に
対応させて配備する形態、あるいは、設備全体として1
ユニットのみを装備する形態のいずれを採ってもよい。
【0040】4は必要に応じて室内温調のために装備す
る室内冷媒ユニットであり、この室内冷媒ユニット4に
は、冷媒熱交換器5、及び、その冷媒熱交換器5により
温調した空気IAを室内に送給するファン6を装備して
ある。
【0041】7は温冷水栓であり、これも複数を分散配
備する形態、あるいは、設備全体として1栓のみを装備
する形態のいずれを採ってもよい。
【0042】8は後述のブライン冷却塔9とともに屋上
等に設置する室外ユニットであり、この室外ユニット8
には、ブライン熱交換槽10、対ブライン用の冷媒熱交
換器11、対空気用の冷媒熱交換器12、ファン13、
ブライン・空気熱移動手段14、ブライン・冷媒熱交換
器15、及び、圧縮機16を装備するともに、弁類とし
て、膨張弁(またはキャピラリチューブ)17、四方弁
18、エコノマイザユニット19を装備してある。
【0043】対ブライン用冷媒熱交換器11、対空気用
冷媒熱交換器12、ブライン・冷媒熱交換器15、圧縮
機16、膨張弁17、四方弁18、エコノマイザユニッ
ト19は、前記の室内冷媒ユニット4における冷媒熱交
換器5とともにヒートポンプ回路を構成するものであ
り、対ブライン用の冷媒熱交換器11は、ブライン熱交
換槽10のブラインL中に浸漬配置し、また、対空気用
の冷媒熱交換器12は、ファン13により空気通風する
内部風路20に配置してある。
【0044】エコノマイザユニット19は、対ブライン
用冷媒熱交換器11及び対空気用冷媒熱交換器12を凝
縮器として機能させる冷房運転において、冷媒経路上で
上流に位置させる対ブライン用冷媒熱交換器11の通過
冷媒のうち、充分に凝縮した液冷媒については対空気用
冷媒熱交換器12を迂回させて膨張弁17に送り、か
つ、凝縮が不十分な蒸気冷媒については対空気用冷媒熱
交換器12で充分に凝縮させた上で膨張弁17に送るよ
うに冷媒分離機能し、また、対ブライン用冷媒熱交換器
11及び対空気用冷媒熱交換器12を蒸発器として機能
させる暖房運転では、冷媒経路上で上流に位置させる対
空気用冷媒熱交換器12の通過冷媒のうち、充分に蒸発
した乾き蒸気冷媒については対ブライン用冷媒熱交換器
11を迂回させて圧縮機16の吸入側に戻し、かつ、蒸
発が不十分な湿り蒸気冷媒及び一部の液冷媒については
対ブライン用冷媒熱交換器11で充分に蒸発させた上で
圧縮機16の吸入側に戻すように冷媒分離機能し、これ
ら冷媒分離機能によりヒートポンプ運転の成績係数向上
が効果的に達成される。
【0045】なお、上記エコノマイザユニット19(図
3参照)において19A,19Bは気液分離器であり、
また場合によっては、このエコノマイザユニット19と
ともに、対ブライン用冷媒熱交換器11と対空気用冷媒
熱交換器12とのうち選択的に、一方については冷媒供
給を遮断して他方のみを凝縮器または蒸発器として機能
させるように冷媒経路を切り換える選択弁機構を装備す
る。
【0046】ブライン・空気熱移動手段14は、空気経
路上、対空気用冷媒熱交換器12よりも上流位置におい
て、内部風路20における通風空気Aとブライン熱交換
槽10におけるブラインLとを、選択的に規定した熱移
動方向でのみ熱交換させるものであり、放熱(すなわち
温熱排出)を行うべき冷房運転では、このブライン・空
気熱移動手段14によりブライン側から通風空気側への
熱移動のみを許し、一方、採熱(換言すれば冷熱排出)
を行うべき暖房運転では、このブライン・空気熱移動手
段14により通風空気側からブライン側への熱移動のみ
を許す。
【0047】ブライン・空気熱移動手段14の具体的構
造については、図3及び図4に示すように、低温端(凝
縮端)を内部風路20の上半部に位置させ、かつ、高温
端(蒸発端)をブライン熱交換槽10におけるブライン
L中に浸漬配置した複数の放熱用ヒートパイプ14A、
及び、高温端(蒸発端)を内部風路20の下半部に位置
させ、かつ、低温端(凝縮端)をブライン熱交換槽10
におけるブラインL中に浸漬配置した複数の採熱用ヒー
トパイプ14Bを設け、そして、内部風路20の下半部
における通風は遮断した状態で内部風路20の上半部に
のみ空気通過させる下部遮風状態と、それとは逆に内部
風路20の上半部における通風は遮断した状態で内部風
路20の下半部にのみ空気通過させる上部遮風状態とに
切り換え操作するダンパ21を内部風路20に設けてあ
る。
【0048】つまり、冷房運転においては、切換手段と
してのダンパ21を下部遮風状態にして放熱用ヒートパ
イプ14Aの低温端配置部に対し集中的に空気通過させ
ることにより、内部風路20に送る空気Aがブライン熱
交換槽10におけるブラインLよりも低温であることに
対しては、その温度勾配が順勾配となる放熱用ヒートパ
イプ14Aを熱移送機能(すなわち放熱機能)させ、一
方、内部風路20に送る空気Aがブライン熱交換槽10
におけるブラインLよりも高温の状況で、その温度勾配
が順勾配となる採熱用ヒートパイプ14Bが熱移送機能
(すなわち採熱機能)することは、採熱用ヒートポンプ
14Bの高温端配置部に対する空気通過を遮断してある
ことをもって阻止し、これにより、冷房運転において、
内部風路20に送る空気Aがブライン熱交換槽10にお
けるブラインLよりも低温の状況では、放熱用ヒートパ
イプ14AによりブラインLの保有温熱を通風空気Aに
対し効率良く放出させながら、一方、内部風路20に送
る空気Aがブライン熱交換槽10におけるブラインLよ
りも高温となる状況において通風空気Aの保有温熱がブ
ライン側に移入することを阻止する。
【0049】また逆に、暖房運転においては、切換手段
としてのダンパ21を上部遮風状態にして採熱用ヒート
パイプ14Bの高温端配置部に対し集中的に空気通過さ
せることにより、内部風路20に送る空気Aがブライン
熱交換槽10におけるブラインLよりも高温であること
に対しては、その温度勾配が順勾配となる採熱用ヒート
パイプ14Bを熱移送機能(すなわち採熱機能)させ、
一方、内部風路20に送る空気Aがブライン熱交換槽1
0におけるブラインLよりも低温の状況で、その温度勾
配が順勾配となる放熱用ヒートパイプ14Aが熱移送機
能(すなわち放熱機能)することは、放熱用ヒートポン
プ14Aの低温端配置部に対する空気通過を遮断してあ
ることをもって阻止し、これにより、暖房運転におい
て、内部風路20に送る空気Aがブライン熱交換槽10
におけるブラインLよりも高温の状況では、採熱用ヒー
トパイプ14Bにより通風空気Aの保有温熱をブライン
Lに効率良く採取させながら、一方、内部風路20に送
る空気Aがブライン熱交換槽10におけるブラインLよ
りも低温となる状況においてブラインLの保有温熱が通
風空気側に移出することを阻止する。
【0050】内部風路20及び対空気用冷媒熱交換器1
2を通過させた熱交換済の空気Aは大気中へ放出する
が、一方、空気供給について、22は内部風路20に対
し放熱源ないし採熱源としての空気Aを給送するダクト
であり、このダクト22は、冷房運転では放熱源として
外気を内部風路20に給送し、かつ、暖房運転では採熱
源として適当な温熱採取を行った空気(例えば太陽熱集
熱器で加熱した空気や屋内温排熱を回収した空気等)を
内部風路20に給送する構成、あるいは、冷房運転及び
暖房運転ともに放・採熱源として外気を内部風路20に
給送する構成としてある。
【0051】23、24、25、26は、ビルにおける
地下基礎層等に形成・配備する温水槽、冷水槽、排湯
槽、ブライン槽であり、温水槽23には、その槽内貯留
水HとブラインLとを熱交換させる温水用ブライン熱交
換器27を装備し、また、冷水槽24には、その槽内貯
留水CとブラインLとを熱交換させる冷水用ブライン熱
交換器28を装備してある。
【0052】そして、図中V1は、温水用ブライン熱交
換器27についてのブライン経路切換と、冷水用ブライ
ン熱交換器28についてのブライン経路切換とを行う切
換弁群であり、具体的には、温水用ブライン熱交換器2
7及び冷水用ブライン熱交換器28の各々について、前
記のブライン・冷媒熱交換器15との間でブライン循環
させる対熱交換器循環状態と、前記のブライン熱交換槽
10との間でブライン循環させる対槽循環状態との切り
換えを行う。
【0053】排湯槽25は、屋内から排出される湯E
(例えば浴槽湯や一般洗面湯)の保有温熱を利用する目
的で、その排出湯Eを集合させる槽であり、この排湯槽
25には、槽内排湯Eと冷水槽24の貯留水Cとを熱交
換させる対冷水槽用熱交換器29、及び、その槽内排湯
Eとブライン槽26の貯留ブラインLとを熱交換させる
対ブライン槽用熱交換器30を装備してある。
【0054】ブライン槽26は、放採熱用液体として用
いる上記ブラインLを装置内保有する保有手段であっ
て、冷房運転においてはヒートポンプ運転による冷熱発
生に伴い生じる温熱排熱をブライン槽保有温熱として一
時蓄留し、また、暖房運転ではヒートポンプ運転による
温熱発生に伴い生じる冷熱排熱をブライン槽保有冷熱と
して一時蓄留するものであり、このブライン槽26は、
排湯槽25における対ブライン槽用熱交換器30との間
でのブライン循環の他に、前記のブライン冷却塔9との
間でのブライン循環、及び、前記のブライン熱交換槽1
0との間でのブライン循環を可能にしてある。
【0055】ブライン冷却塔9には、ブライン槽26と
の間での循環ブラインLを放熱させるブライン放熱器3
1、そのブライン放熱器31に対し放熱源としての外気
を通風するファン32、及び、ブライン放熱器31に対
し散水する散水器33を装備してあり、散水器33によ
り散水した水をブライン放熱器31からの気化熱奪取に
より通風外気中へ蒸発させることで、そのブライン放熱
器31において循環ブラインLを効率良く冷却する。
【0056】34は放熱源ないし採熱源として採取した
熱源水W(例えば、海水や下水、あるいは、河川水等)
に対しブラインLを放熱ないし採熱させる水熱源用熱交
換器、また、35はブラインLをその他の空気熱源や水
熱源あるいは地中熱源などに対し放熱ないし採熱させる
援助熱源用熱交換器であり、室外ユニット8におけるブ
ライン熱交換槽10は、前記の温水用ブライン熱交換器
27や冷水用ブライン熱交換器28あるいはブライン槽
26との間でのブライン循環の他に、これら水熱源用熱
交換器34や援助熱源用熱交換器35との間でも適宜に
ブライン循環を行い、これにより、前記のダクト22に
より導く空気Aや、排湯槽25に集合させる排湯E、あ
るいは、ブライン冷却塔9で通風させる外気以外にも、
気相、液相、固相を問わず種々の形態の放熱源ないし採
熱源をヒートポンプ運転に援用し得る構成としてある。
【0057】なお、V2は室内温調ユニット1の冷温水
熱交換器2を冷水槽24との間で水循環させる冷房状態
と温水槽23との間で水循環させる暖房状態とに切り換
える切換弁群、Pは各流路に配したポンプ、36はガス
焚式や電熱式等の補助給湯器である。
【0058】また、V3は温冷水栓7を冷水槽24に接
続する冷水供給状態と温水槽23に接続する温水供給状
態とに切り換える切換弁群であり、各流路における他の
弁については符号による説明を省略して図中の弁表示記
号のみで示してある。
【0059】次に冷房運転の一実施形態を図5に示すタ
イムチャートに従って下記(ア)〜(カ)で説明する。
【0060】(ア)「冷熱蓄熱モード」として(図6〜
図9参照)、22時から08時までの間、ヒートポンプ
運転におけるブライン・冷媒熱交換器15の蒸発器機能
により、ブライン・冷媒熱交換器15で循環ブラインL
を冷却し、このブライン・冷媒熱交換器15と冷水用ブ
ライン熱交換器28との間でのブライン循環により、冷
水槽24の貯留水Cを冷却(例えば12℃から0℃へ冷
却)する。
【0061】(イ)「温熱蓄熱モード」として(図8参
照)、24時から03時までの間、上記「冷熱蓄熱モー
ド」のヒートポンプ運転において、内部風路20におけ
る空気通風を停止した状態(また場合によっては対空気
用冷媒熱交換器12への冷媒供給も合わせ遮断した状
態)での対ブライン用冷媒熱交換器11の凝縮器機能に
より、ブライン熱交換槽10のブラインLを加熱し、こ
のブライン熱交換槽10と温水用ブライン熱交換器27
との間でのブライン循環により、温水槽23の貯留水H
を加熱(例えば35℃から55℃へ加熱)する。
【0062】(ウ)上記の「温熱蓄熱モード」の前に必
要に応じ実施する「温水槽回復モード」として(図6参
照)、22時から24時までの間、ダンパ21を下部遮
風状態として内部風路20に空気通風する状態(また場
合によっては対ブライン用冷媒熱交換器11への冷媒供
給を合わせ遮断して対空気用冷媒熱交換器12のみを凝
縮器機能させる状態)で、前記「冷熱蓄熱モード」のヒ
ートポンプ運転を行うことに対し、ブライン熱交換槽1
0と温水用ブライン熱交換器27との間でブライン循環
させ、これにより、放熱用ヒートパイプ14Aの放熱機
能をもって温水槽23の貯留水Hを冷却(例えば55℃
から35℃へ冷却)する。
【0063】なお、この「温水槽回復モード」は、設備
中保有温熱の一つである温水槽保有温熱を予め設備外へ
放出しておくことにより、その後の冷熱発生のためのヒ
ートポンプ運転で生じる温熱排熱に対する設備中一時蓄
留量を大きく確保し、これにより、その後の冷熱発生の
ためのヒートポンプ運転において高い成績係数を得るこ
とを目的とするものであり、したがって、この「温水槽
回復モード」の実施以前における温水槽保有温熱の消費
量(例えば温冷水栓7からの給湯量)が大きくて、温水
槽23の貯留水温度がある程度(例えば35℃)以下に
まで既に低下している場合には、この「温水槽回復モー
ド」の実施は不要となる。
【0064】また、この「温水槽回復モード」の実施が
不要の場合、22時から24時までの間における前記
「冷熱蓄熱モード」のヒートポンプ運転は(図7参
照)、ダンパ21を下部遮風状態として内部風路20に
空気通風することで放熱用ヒートパイプ14Aを放熱機
能させながら、対空気用冷媒熱交換器12と対ブライン
用冷媒熱交換器11との両方を凝縮器機能させる形態で
実施する。
【0065】(エ)「ブライン槽第1回復モード」とし
て(図6〜図9参照)、20時から08時までの間、ブ
ライン冷却塔9を運転しながら、ブライン冷却塔9とブ
ライン槽26との間でブライン循環させ、これにより、
ブライン槽26の貯留ブラインLを次記の「ブライン槽
第2回復モード」との協働で冷却(例えば37℃から2
7℃へ冷却)する。
【0066】(オ)「ブライン槽第2回復モード」とし
て(図9参照)、03時から08時までの間、ダンパ2
1を下部遮風状態として内部風路20に空気通風する状
態(また場合によっては対ブライン用冷媒熱交換器11
への冷媒供給を合わせ遮断して対空気用冷媒熱交換器1
2のみを凝縮器機能させる状態)で、前記「冷熱蓄熱モ
ード」のヒートポンプ運転を行うことに対し、ブライン
熱交換槽10とブライン槽26との間でブライン循環さ
せ、これにより、放熱用ヒートパイプ14Aの放熱機能
を利用して、上記「ブライン槽第1回復モード」との協
働でブライン槽26の貯留ブラインLを冷却する。
【0067】つまり、これら「ブライン槽第1回復モー
ド」及び「ブライン槽第2回復モード」は、前記の「温
水槽回復モード」と同様、設備中保有温熱の一つである
ブライン槽保有温熱を予め設備外へ放出しておくことに
より、その後の冷熱発生のためのヒートポンプ運転で生
じる温熱排熱に対する設備中一時蓄留量を大きく確保
し、これにより、その後の冷熱発生のためのヒートポン
プ運転において高い成績係数を得ることを目的とする。
【0068】(カ)「冷房実施モード」として(図10
参照)、08時から20時までの間、ヒートポンプ運転
におけるブライン・冷媒熱交換器15の蒸発器機能によ
り前記「冷熱蓄熱モード」と同様に冷水槽24の貯留水
Cを冷却しつつ、室内温調ユニット1の冷温水熱交換器
2と冷水槽24との間で水循環させるとともに、室内温
調ユニット1のファン3を運転し、これにより、冷水槽
24における蓄熱冷熱の消費を伴いながら室内を冷房す
る。
【0069】また、この「冷房実施モード」のヒートポ
ンプ運転では、ダンパ21を下部遮風状態として内部風
路20に空気通風し、かつ、ブライン熱交換槽10とブ
ライン槽26との間でブライン循環させながら、対空気
用冷媒熱交換器12及び対ブライン用冷媒熱交換器11
を凝縮器機能させ、これにより、ヒートポンプ運転にお
ける温熱排熱を、その一部についてはブライン槽26に
一時蓄留する形態としながら内部風路20の通風空気A
に対し放出する。
【0070】なお、この「冷房実施モード」では、内部
風路20に送る空気Aの温度がブライン熱交換槽10の
ブライン温度より高温の状況であるとしても、採熱用ヒ
ートパイプ14Bの熱移送機能による通風空気側からブ
ライン側への温熱移入は、ダンパ21が下部遮風状態に
あることで阻止され、また、ブライン熱交換槽10のブ
ライン温度が内部風路20に送られる空気Aの温度より
高温の状況となれば、ダンパ21が下部遮風状態にある
ことで放熱用ヒートパイプ14Aの熱移送機能によりブ
ラインLの保有温熱が通風空気Aに対し放出される。
【0071】次に暖房運転の一実施形態を図11に示す
タイムチャートに従って下記(あ)〜(か)で説明す
る。
【0072】(あ)「温熱蓄熱モード」として(図12
または図13参照)、22時から08時までの間、ヒー
トポンプ運転におけるブライン・冷媒熱交換器15の凝
縮器機能により、ブライン・冷媒熱交換器15で循環ブ
ラインLを加熱し、このブライン・冷媒熱交換器15と
温水用ブライン熱交換器27との間でのブライン循環に
より、温水槽23における貯留水Hを加熱(例えば30
℃から55℃へ加熱)する。
【0073】また、この「温熱蓄熱モード」のヒートポ
ンプ運転では、ダンパ21を上部遮風状態として内部風
路20に空気通風しながら、対空気用冷媒熱交換器12
及び対ブライン用冷媒熱交換器11を蒸発器機能させ
る。
【0074】(い)「冷水槽回復モード」として(図1
2または図15参照)、14時から05時までの間、冷
水槽24と排湯槽25における対冷水槽用熱交換器29
との間で水循環させ、これにより、排湯Eの保有温熱を
利用して冷水槽24の貯留水Cを加熱(例えば7℃から
10℃へ加熱)する。
【0075】(う)「ブライン槽回復モード」として
(図12または図15参照)、14時から05時までの
間、ブライン槽26と排湯槽25における対ブライン槽
用熱交換器30との間でブライン循環させ、これによ
り、排湯Eの保有温熱を利用してブライン槽26におけ
る貯留ブラインLを加熱(例えば−4℃から6℃へ加
熱)する。
【0076】つまり、上記の「冷水槽回復モード」及び
「ブライン槽回復モード」は、設備中保有冷熱である冷
水槽保有冷熱やブライン槽保有冷熱を予め設備外へ放出
しておくことにより、その後の温熱発生のためのヒート
ポンプ運転で生じる冷熱排熱に対する設備中一時蓄留量
を大きく確保し、これにより、その後の温熱発生のため
のヒートポンプ運転において高い成績係数を得ることを
目的とする。
【0077】なお、「冷水槽回復モード」及び「ブライ
ン槽回復モード」の実施後、排湯槽25の槽内排湯Eは
一旦全量を排水し、その後、あらためて屋内排出湯Eの
集積を開始する。
【0078】(え)前記の「冷水槽回復モード」の後に
必要に応じ実施する「冷熱蓄熱モード」として(図13
参照)、05時から08時までの間、前記「温熱蓄熱モ
ード」のヒートポンプ運転に並行して、ブライン熱交換
槽10と冷水用ブライン熱交換器28との間でブライン
循環させ、これにより、冷水槽24の貯留水Cを冷却
(例えば10℃から0℃へ冷却)する。
【0079】なお、この「冷熱蓄熱モード」は、その後
における冷水槽保有冷熱の消費(例えば後述の冬期冷房
等による冷熱消費)が大きいと予測される場合に実施す
るものであり、中間期等で冷水槽保有冷熱の消費が特に
大きいと予測される場合には、並行する前記「温熱蓄熱
モード」のヒートポンプ運転において、内部風路20に
おける空気通風を停止したり、また場合によっては対空
気用冷媒熱交換器12への冷媒供給を遮断して対ブライ
ン用冷媒熱交換器11のみを蒸発器機能させ、これによ
り、冷水槽貯留水Cの冷却温度を更に低下させるように
してもよい。
【0080】(お)「暖房実施モード」として(図14
または図15参照)、08時から20時までの間、ヒー
トポンプ運転におけるブライン・冷媒熱交換器15の凝
縮器機能により前記「温熱蓄熱モード」と同様に温水槽
23の貯留水Hを加熱しつつ、室内温調ユニット1の冷
温水熱交換器2と温水槽23との間で水循環させるとと
もに、室内温調ユニット1のファン3を運転し、これに
より、温水槽23における蓄熱温熱の消費を伴いながら
室内を暖房する。
【0081】また、この「暖房実施モード」では、ダン
パ21を上部遮風状態として内部風路20に空気通風し
ながら対空気用冷媒熱交換器12及び対ブライン用冷媒
熱交換器11を蒸発器機能させるヒートポンプ運転とす
るのに対し、08時から14時までの間は、ブライン熱
交換槽10とブライン槽26との間でのブライン循環を
並行させて(図14参照)、ヒートポンプ運転における
冷熱排熱を、その一部についてはブライン槽26に一時
蓄留する形態としながら内部風路20の通風空気Aに対
し放出する。
【0082】なお、この「暖房実施モード」では、内部
風路20に送る空気Aの温度がブライン熱交換槽10の
ブライン温度より低温の状況であるとしても、放熱用ヒ
ートパイプ14Aの熱移送機能によるブライン側から通
風空気側への温熱移出は、ダンパ21が上部遮風状態に
あることで阻止され、また、ブライン熱交換槽10のブ
ライン温度が内部風路20に送られる空気Aの温度より
低温の状況となれば、ダンパ21が上部遮風状態にある
ことで採熱用ヒートパイプ14Bの熱移送機能により通
風空気Aの保有温熱がブラインLに採取される。
【0083】(か)必要に応じ実施する「冬期冷房モー
ド」として、冷房必要室が生じると、その冷房必要室
(例えばOA機器の設置室)に対する室内温調ユニット
1の冷温水熱交換器2と冷水槽24との間で水循環させ
るとともに、その室内温調ユニット1のファン3を運転
し、これにより、冷水槽24における蓄熱冷熱の消費を
伴いながら、その冷房必要室を冷房する。
【0084】なお、上記の冷房運転及び暖房運転では、
室内冷媒ユニット4の使用例を省いたが、冷水槽24の
蓄熱冷熱を使い切った状況で冷房を行う場合や、温水槽
23の蓄熱温熱を使い切った状況で暖房を行う場合、あ
るいは、漏水事故が許されない部屋を冷暖房する場合等
には、室内冷媒ユニット4の冷媒熱交換器5を蒸発器機
能させながらファン6を運転して対象室を冷房するとい
ったことや、室内冷媒ユニット4の冷媒熱交換器5を凝
縮器機能させながらファン6を運転して対象室を暖房す
るといったことを実施する。
【0085】〔別実施例〕次に別実施例を列記する。
【0086】(1)放熱用液体ないし採熱用液体はブラ
インに限定されるものではなく、単なる水やその他の液
体であってもよい。
【0087】(2)供給空気Aから放熱用液体Lへの熱
移動を阻止して、放熱用液体Lから供給空気Aへの熱移
動のみを許す熱移動手段、及び、採熱用液体Lから供給
空気Aへの熱移動を阻止して、供給空気Aから採熱用液
体Lへの熱移動のみを許す熱移動手段は、前述の実施例
におけるブライン・空気熱移動手段14の如きヒートパ
イプ14A,14Bを利用した構成のものに限定される
ものではなく、種々の構成変更が可能である。
【0088】(3)上記の熱移動手段14を、放採熱用
液体Lから供給空気Aへの熱移動のみを許す放熱用切換
状態と、供給空気Aから放採熱用液体Lへの熱移動のみ
を許す採熱用切換状態とに切換可能に構成する場合、そ
の切り換えのための具体的構成も種々の構成変更が可能
である。
【0089】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするため符号を記すが、該記入により本発明は添
付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】設備構成を示す図
【図2】概略の機器配置を示す図
【図3】要部の拡大正面図
【図4】要部の拡大側面図
【図5】冷房運転のタイムチャート図
【図6】冷房運転における代表的運転モードの運転状態
を示す図
【図7】冷房運転における代表的運転モードの運転状態
を示す図
【図8】冷房運転における代表的運転モードの運転状態
を示す図
【図9】冷房運転における代表的運転モードの運転状態
を示す図
【図10】冷房運転における代表的運転モードの運転状
態を示す図
【図11】暖房運転のタイムチャート図
【図12】暖房運転における代表的運転モードの運転状
態を示す図
【図13】暖房運転における代表的運転モードの運転状
態を示す図
【図14】暖房運転における代表的運転モードの運転状
態を示す図
【図15】暖房運転における代表的運転モードの運転状
態を示す図
【図16】従来例を示す装置構成図
【符号の説明】
A 空気 12 対空気用の凝縮器(蒸発器,冷媒熱
交換器) L 放熱用液体,採熱用液体 11 対液体用の凝縮器(蒸発器,冷媒熱
交換器) 14 熱移動手段 26 保有手段 14A 放熱用ヒートパイプ 14B 採熱用ヒートパイプ 21 切換手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F28D 15/02 F28D 15/02 F

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 供給空気(A)に放熱する対空気用凝縮
    器(12)と、放熱用液体(L)に放熱する対液体用凝
    縮器(11)とを設けたヒートポンプ装置であって、 前記供給空気(A)から前記放熱用液体(L)への熱移
    動を阻止して、前記放熱用液体(L)から前記供給空気
    (A)への熱移動のみを許す熱移動手段(14)を設け
    たヒートポンプ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のヒートポンプ装置であっ
    て、 前記放熱用液体(L)を保有しておく保有手段(26)
    を設けたヒートポンプ装置。
  3. 【請求項3】 供給空気(A)から採熱する対空気用蒸
    発器(12)と、採熱用液体(L)から採熱する対液体
    用蒸発器(11)とを設けたヒートポンプ装置であっ
    て、 前記採熱用液体(L)から前記供給空気(A)への熱移
    動を阻止して、前記供給空気(A)から前記採熱用液体
    (L)への熱移動のみを許す熱移動手段(14)を設け
    たヒートポンプ装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のヒートポンプ装置であっ
    て、 前記採熱用液体(L)を保有しておく保有手段(26)
    を設けたヒートポンプ装置。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3又は4記載のヒートポ
    ンプ装置であって、 冷熱発生運転では前記供給空気(A)に放熱する対空気
    用凝縮器として機能させ、かつ、温熱発生運転では前記
    供給空気(A)から採熱する対空気用蒸発器として機能
    させる対空気用冷媒熱交換器(12)を設け、 前記の冷熱発生運転では放採熱用液体(L)に放熱する
    対液体用凝縮器として機能させ、かつ、前記の温熱発生
    運転では前記放採熱用液体(L)から採熱する対液体用
    蒸発器として機能させる対液体用冷媒熱交換器(11)
    を設け、 前記熱移動手段(14)は、 前記供給空気(A)から前記放採熱用液体(L)への熱
    移動を阻止して、前記放採熱用液体(L)から前記供給
    空気(A)への熱移動のみを許す放熱用切換状態と、 前記放採熱用液体(L)から前記供給空気(A)への熱
    移動を阻止して、前記供給空気(A)から前記放採熱用
    液体(L)への熱移動のみを許す採熱用切換状態とに切
    り換え可能に構成してあるヒートポンプ装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のヒートポンプ装置であっ
    て、 前記熱移動手段は、 前記供給空気(A)に低温端を接触させ、かつ、前記放
    採熱用液体(L)に高温端を接触させる放熱用ヒートパ
    イプ(14A)と、 前記供給空気(A)に高温端を接触させ、かつ、前記放
    採熱用液体(L)に低温端を接触させる採熱用ヒートパ
    イプ(14B)と、 前記放熱用ヒートパイプ(14A)、及び、前記採熱用
    ヒートパイプ(14B)の夫々を熱移送機能状態と熱移
    送機能停止状態とに切り換える切換手段(21)とを備
    える構成としてあるヒートポンプ装置。
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