JP2938633B2 - 繊維強化型溶射傾斜機能材料の製造方法 - Google Patents

繊維強化型溶射傾斜機能材料の製造方法

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信之 下田
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三郎 北口
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】航空、宇宙、原子炉等の高温環境
下で使用可能な耐熱材料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来からプラズマ溶射方法による傾斜機
能材料や繊維強化型溶射皮膜の製造方法が盛んに研究さ
れている。
【0003】傾斜機能材料に関しては特開昭62−15
6938号公報に開示されており、この公報中には、繊
維を傾斜機能材料に含有させ室温強度及び高温強度向上
を達成させた繊維強化型傾斜機能材料の概念が示唆され
ている。しかしながら具体的な製造方法は明確にされて
いない。
【0004】また、プラズマ溶射方法による繊維強化型
溶射の製造方法は、大別すると、予め繊維を含有した
溶射材料を用いて溶射を行うタイプと、予め繊維を基
材表面に配置しこの上から溶射を行うタイプと、溶射
材料と繊維を同時にプラズマに供給しながら溶射を行う
タイプとがある。本発明に直接関与するタイプは第3番
目のものであり、この製造方法に関しては、特公昭61
−56312号公報、特公昭61−56313号公報、
特公平1−14995号公報、特開昭61−14636
2号公報などに開示されている。これらの関連特許公報
では、溶射材料供給口近傍に一方向から繊維を供給して
いる。
【0005】更に、類似技術として、セラミックスとプ
ラスチックの混合溶射皮膜の製造方法が特開平2−21
7458号公報に開示されている。ここでは、プラスチ
ックの融点を考慮して、プラスチック供給口を溶射材料
供給口近傍とせず、基盤直上に設置している。
【0006】なお、上述した全てのプラズマ溶射方法に
用いるプラズマは従来型の直流プラズマである。
【0007】従来から知られている、繊維を溶射材料供
給口近傍・一方向から供給する方法では溶射皮膜中に繊
維を均一に混合させることは困難である。また、プラズ
マ上部から繊維を供給するには大量の繊維供給ガスが必
要であり、プラズマ温度が供給ガスにより冷却されてし
まう。その結果、溶射材料が基材到達前に再凝固してし
まい溶射皮膜の密度低下、溶射材料と繊維との接合強度
低下が生じる。更に、従来から使用している直流プラズ
マはガス速度が速く、かつ半径方向の速度勾配が大きい
ため、比重の小さい繊維はガス流に乗りやすく、繊維の
分布勾配が生じ、繊維の均一分散が困難であるという問
題点があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
したような問題点を解消し得るような上記形式の繊維強
化型溶射傾斜機能材料の製造方法を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような目的は、本発
明によれば、プラズマ溶射方法による繊維強化型溶射傾
斜機能材料の製造方法に於て、繊維或いは繊維を基材直
上からプラズマ中心軸に軸対称方向から供給し、溶射皮
膜中に繊維を含有させることを特徴とする繊維強化型溶
射傾斜機能材料の製造方法を提供することにより達成さ
れる。
【0010】
【作用】本発明は、上記問題点を克服するため、繊維を
同心円上から基材に直接吹き付けることにより、繊維分
散の均一化及びプラズマの冷却の低減化を達成し、溶射
皮膜中に繊維を混合した繊維強化型溶射傾斜皮膜の製造
方法を提供する。また、繊維供給口に角度をつけて供給
ガスに回転成分を付加することや、プラズマ内ガス流速
が遅く、ガスの速度・温度勾配が小さい高周波或いはハ
イブリッドプラズマを使用することにより、繊維を溶射
皮膜中に均一分散させることができる。更に、大型基材
に溶射するためには、プラズマ中心軸に対して基材を公
転させながら自転させると良い。
【0011】
【実施例】本発明を実施するための方法の概念図を図1
に示す。プラズマ1bに溶射材料を挿入ノズル1aから
挿入する際、繊維供給用円筒状治具1cから繊維を矢印
1eにより示されるように挿入し、基材1dに吹き付け
る(従来方法では想像線1fにより示されるように溶射
材料供給口近傍の一方向から繊維を供給していた)。本
発明の要旨は特に、繊維を一方向からではなく、プラ
ズマ中心軸に対して軸対称方向から供給すること、軸
対称方向から繊維を供給する際、繊維が”うず状”に供
給されるように、繊維供給口の円周方向に角度を付加
し、供給ガスに回転成分を付与すること、軸対称方向
から繊維を供給する際、プラズマ中心部から周辺部まで
の繊維供給分布が均一になるように繊維供給ガスを供給
するため、繊維供給口毎に水平方向に異なる角度を付加
し、供給ガスに水平成分を付与すること、上記、円周
及び水平ガス方向が軸対称になるように、複数組の軸対
称供給角度を付与すること、繊維供給口を基板上10
cm以内の直上にすることにある。なお、繊維分散をより
均一にするためには、繊維供給を多段式にし、かつそれ
ぞれの円周・水平角度を変えることが好ましい。
【0012】具体的な説明として、繊維供給用の円筒状
治具の一例を図2に示す。図2aは斜視図、図2bは平
面断面図、図2cは正面断面図である。繊維入路2bか
ら治具に挿入された繊維は、繊維通路2cを通して繊維
供給口2aに至り、ここから繊維を基材に吹き付けられ
る。このような繊維供給口2dを多数、円筒状治具の内
面に配置する。供給口方向は円筒の円周方向に対して9
0°〜0°(2g)の角度を、また、水平方向に対して
は上向き30°〜下向き60°(2h)の角度を有す
る。更に治具の冷却は、水入路2dから水を挿入、水通
路2fを通して水出路2eから排水する機構により行
う。
【0013】上記で示した繊維供給に円筒状治具を使用
する代わりに、ノズルを使用することも可能である。
【0014】実施例1 本発明の実施例として、繊維強化型溶射傾斜皮膜の製造
条件を以下に示す。 プラズマ入力 電流値:1400A 電圧値: 55kV プラズマ作動圧力: 200Torr ガス流量 プラズマ作動ガス Ar: 120l/min H2 : 15l/min 粉体供給ガス:(Ar)15l/min 繊維供給ガス:(Ar)80l/min 基板位置 : 15cm (プラズマガンノズル出口と基板間の距離) 繊維供給位置 : 2cm (繊維供給口と基板間の距離) 粉体 溶射材料:NiCoCrAlY、ZrO2-8wt%Y2O3(YSZ) 繊維材料:SiC 供給量 :0〜50g/min 繊維供給角度 円周方向(2g): 45° 水平方向(2h):下向き30° 以上の条件で約膜厚1mmの皮膜がφ30mm基板上に形成
できた。この手法により形成した傾斜機能材料に於て、
YSZ部が強化され高温強度が上昇した。従来方法で形
成した繊維強化型皮膜と比較して溶射材料の密度が上昇
し、溶射部の密度は理論密度の90%以上であった。
【0015】実施例2 本発明の実施例として、ハイブリッドプラズマ溶射方法
を用いて作製した繊維強化型溶射傾斜皮膜の製造条件を
以下に示す。 入力 高周波入力: 50kW 直流入力: 10kW ガス流量 円周ガス:(Ar)30l/min (H2 )10l/min 半径ガス: 30l/min DCガス: 15l/min 粉体供給ガス: 15l/min 繊維供給ガス: 30l/min 基板位置 : 10cm (トーチ出口から基板間の距離) 繊維供給位置: 1cm 粉体 溶射材料:NiCoCrAlY、YSZ 繊維材料:SiC 供給量 :0〜10g/min 繊維供給角度 円周方向: 30° 水平方向:下向き15° 以上の条件で約膜厚0.5mmの皮膜がφ30mm基板上に
形成できた。従来方法で形成した繊維強化皮膜と比較し
て、繊維の分散が均一化する皮膜が得られた。
【0016】実施例3 本発明の方法により、大型基材に均一に溶射するための
概念図を図3に示す。プラズマ中心軸に対して基材を公
転させる。また、公転中に基材を自転させる。更にプラ
ズマ中心軸と基材中心間距離を連続的に変える。これら
の動作をさせるための機構の具体的例を図4に示す。こ
れは基材4a、基材支持盤4b、基材自転用モータ4
c、支持盤回転用(基材公転用モータ)4d、基材自転
モータ摺動用モータ4e、摺動部4fから構成される。
ここでは摺動部を基材が摺動することによりプラズマ中
心軸と基材中心距離が変わる。
【0017】
【発明の効果】従来の傾斜機能材料と比べて、繊維強化
により室温並びに高温強度が高い傾斜機能材料が得られ
る。また、プラズマ低温領域の縮小に起因し溶射材料の
基材到達前の再凝固を抑制させたことにより、従来の繊
維強化型溶射皮膜と比較して、溶射皮膜の密度及び粒子
間の接合強度が高い材料が得られる。更に、繊維供給方
法の改良、或いは使用するプラズマ形態の差異により繊
維の分散が均一である材料が得られる。
【0018】均一な繊維分散や皮膜密度の上昇や大きな
粒子が使用が可能となったことにより、室温及び高温強
度の高い均質皮膜が形成できるようになった。このこと
は例えば本発明結果を航空・宇宙のエンジン部材に適用
した場合、エンジン内の温度を従来より高めることを可
能とし、その結果エンジン効率の上昇、推進力向上を示
唆している。
【図面の簡単な説明】
【図1】繊維強化型溶射傾斜材料形成装置の概略図であ
る。
【図2】繊維供給用円筒状治具を示すもので、aはその
概略斜視図、bは水平断面図、cは縦断面図である。
【図3】基材走査方法を示す概念図である。
【図4】基材走査機構の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1a 溶射材料挿入 1b プラズマ 1c 円筒状治具 1d 基材 1e 繊維挿入(本発明) 1f 繊維供給(従来法) 2a 繊維供給口 2b 繊維入路 2c 繊維通路 2d 冷却水入路 2e 冷却水出路 2f 冷却水通路 2g 水平角度 2h 円周角度 4a 基材 4b 基材支持盤 4c 基材自転用モータ 4d 支持盤回転用モータ 4e 摺動用モータ 4f 摺動部
フロントページの続き (72)発明者 北口 三郎 富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社 中央研究本部内 (72)発明者 斉藤 亨 富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社 中央研究本部内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C23C 4/04

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラズマ溶射方法による繊維強化型溶射
    傾斜機能材料の製造方法に於て、繊維或いはウィスカー
    (以下単に”繊維”とする)を基材直上からプラズマ中
    心軸に軸対称方向から供給し、溶射皮膜中に繊維を含有
    させることを特徴とする繊維強化型溶射傾斜機能材料の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 繊維を、回転成分を有し、円周・水平
    角度の異なるガスにより供給することを特徴とする請求
    項1に記載の繊維強化型溶射傾斜機能材料の製造方法。
  3. 【請求項3】 繊維を供給する治具またはノズルに水
    冷却構造を付加することを特徴とする請求項1若しくは
    2に記載の繊維強化型溶射傾斜機能材料の製造方法。
  4. 【請求項4】 繊維供給率を変えることにより皮膜膜
    厚方向に繊維含有量を変化させることを特徴とする請求
    項1乃至3のいずれかに記載の繊維強化型溶射傾斜機能
    材料の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記溶射方法が高周波プラズマ溶射方
    法或いはハイブリッドプラズマ溶射方法であることを特
    徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の繊維強化型
    溶射傾斜機能材料の製造方法。
  6. 【請求項6】 基材をプラズマ中心軸に関して公転さ
    せながらかつ自転させることを特徴とする請求項1乃至
    5のいずれかに記載の繊維強化型溶射傾斜機能材料の製
    造方法。
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