JP2937507B2 - ガス絶縁開閉装置 - Google Patents
ガス絶縁開閉装置Info
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Description
り、特に絶縁性能の向上を図ったガス絶縁開閉装置に関
するものである。
良点として、設備の縮小化、低騒音化、耐汚損性の向
上、保守の簡易化及び美観の向上等が挙げられている。
これらの点を改良したものとして、接地される金属容器
内に高電圧導体を絶縁性ガスと共に絶縁保持するガス絶
縁開閉装置(以後、GISと称する)が提案され、広く
普及するに至っている。近年では、500kV級変電所
の都心部導入計画の具体化に伴い、各種解析技術及び蓄
積された基礎試験データを駆使した合理的な設計による
GISの一層の縮小化が検討されている。
定する要因としては絶縁性能・通電性能・機械的強度等
があるが、中でも機器の寸法を左右する最も支配的な要
因は絶縁性能である。
耐電圧値(以後、LIWLと称する)を基準として行わ
れる。LIWLは各定格電圧別に規定されおり、国内に
おいては電気学会電気規格調査会基準規格(以後、JE
Cと称する)に定められている。従って、機器の設計に
当たってはJECに定められたLIWLがGISの高電
圧導体に印加された際に、GISの金属容器内各部にお
ける電圧値(電界ストレスEu)が許容電圧値Ec以下
となるように機器の各部寸法が決定される。許容電界値
Ecとは、LIWL相当の電圧印加時に金属容器内に封
入される絶縁性ガスの封入圧力によって決定される高電
圧導体表面の電界値であり、通常次式により与えられ
る。 Ec=E50・(1−3σ)・k……(1)
縁性ガス)の50%破壊電界を表す。50%破壊電界と
は破壊電界の確率分布の中心値である。例えば、S57
電気学会全国大会シンポジウムS11−1予稿を参照す
ると、E50はSF6 ガス圧力(絶対圧)の関数として、 E50=60P+25(kV/cm)……(2) で与えられている。但し、Pはガス圧力である。
従うとした時の標準偏差であり、(1−3σ)を乗ずる
ことは放電確率が0.14%となる電界、つまり、まず
放電する恐れのない電界を算出することを意味する。
裕度を考慮した場合の係数である。許容電界値Ecの一
例として、ガス圧力P=4.5kg/cm2 −abs,
σ=10%,k=0.95とすると、 Ec=205kV/cm……(3) となる。以上説明したように、GISの絶縁設計はLI
WLに対して高電圧導体各部の電界ストレスEuが許容
電界値Ec以下になる様に行えば良いとされている。と
ころが、LIWLにおける雷インパルスに対する許容電
界値Ecを基準にして機器を設計すると、以下のような
問題点が生じていた。
ら求められるインパルス比が小さい電圧クラスにおい
て、LIWLに対して各部の電界値を許容電界値Ec以
下にするように設計すると、常規対地運転電圧が極めて
高くなる。
として550kV級における500号Lなる絶縁階級で
は、LIWLが1550kV、常規対地運転電圧が31
8kVrmsであり、インパルス比は(1550/31
8)=4.87となる。これに対して66kV級におい
てはLIWLが350kV、常規対地運転電圧が38.
1Vrmsであり、インパルス比は(350/38.
1)=9.19となる。
パルス比は、66kV級のそれの約半分である。逆に5
50kV級における常規対地運転電圧は66kV級の約
8倍であり、極めて高い値をとる。この様にインパルス
比が小さい電圧クラスのGISにおいて、常規対地運転
電圧が高くなると、それに比例して運転電界も高くな
る。
に細かい金属異物等が発生し、組立終了後もこれらの異
物は金属容器内に残留する。この様な残留異物は、その
材質、大きさ及び運転電界の強度によって浮上、走行
し、高電圧導体と金属容器との間を往復運動することが
知られている。
りわけ高電圧導体に接近した瞬間に、高電圧導体に落
雷、系統の故障、遮断器及び断路器の開閉により発生し
たサージ等の電圧が加わった場合、異物周辺の電界が異
物によって著しく上昇する。その結果、残留異物〜高電
圧導体間に放電が発生し、これを契機として高電圧導体
〜金属容器間の絶縁破壊を招き、地絡事故を引起こして
系統の円滑な運用を妨げる事態が生じた。先に述べたイ
ンパルス比が小さいGISは運転電界の電気力が強いた
め、この様な残留異物の往復運動を起こし易く、特に問
題となっていた。
atpon of high−voltage par
ticle−inititated breakdow
nin SF6 によると、GISの金属容器中に金属異
物が存在する場合、金属容器内面の電界強度が6kVr
ms/cmを超えると異物が起立し、12kVrms/
cmを超えると浮上、走行を開始すると解釈できる。ま
た、この値はガス圧力には殆ど依存しない。
Vrms/cm程度に抑制すれば、金属容器内の異物は
起立するにとどまり、浮上、走行には至らず、サージ電
圧が加わった場合の絶縁性能低下は殆ど無いと考えられ
る。
対地運転電圧印加時に金属容器内表面の電界値が10k
v/cm以下となる最小の金属容器の半径が、LIWL
相当の電圧印加時に高電圧導体表面の電界値が許容電界
値Ec以下となる最小の金属容器の半径より大きい接地
金属容器を備えたGISにおいて、この金属容器内面に
おける電界値が10kVrms/cmとなるように高電
圧導体との距離を設定するGISを提案した。
LIWLに対する高電圧導体各部の電界ストレスEuを
許容電界値Ec以下にするのではなく、残留異物が浮
上、走行しない10kVrms/cmという電界値に設
定することによって、残留異物の往復運動を防止した。
従って、残留異物〜高電圧導体間の放電の発生を防ぐこ
とができ、優れた絶縁性能を確保できる。
GISにおいては、次のような不具合があった。
計された金属容器の半径よりも、10kv/cmを基準
として設計された金属容器の半径の方が大きい。この径
の大きい金属容器によってGISを構成する為、GIS
全体が極めて大形化し、経済性が低下した。この様なG
ISの大形化は、GISの一層の縮小化が検討されてい
る現在、早急に解消されるべき問題になっている。
のであり、その目的とするところは、GISにおいて、
金属容器内に残留した異物の影響を受ける部分と、受け
ない部分とを明確に区分し、それぞれの部分に対して最
適な設計基準を適用することにより、信頼性を確保しつ
つGIS全体としての経済性の向上を図ることである。 [発明の構成]
成する為に、本発明は、系統の常規対地運転電圧印加時
に金属容器内表面の電界値がおよそ10kv/cm以下
となる最小の金属容器の半径が、系統のインパルス耐電
圧値相当の電圧印加時に高電圧導体表面の電界値が金属
容器内に封入される絶縁性ガスの封入圧力によって決定
される許容電界値以下となる最小の金属容器の半径より
大きい接地金属容器を備え、該金属容器内に高電圧導体
を絶縁性ガスと共に絶縁保持してなるガス絶縁開閉装置
において、前記金属容器の軸線に沿う方向が水平に近い
角度を有しているものについては、前記高電圧導体に系
統の常規対地運転電圧が印加された際の前記金属容器内
表面における電界値がおよそ10kv/cm以下となる
様に前記高電圧導体との距離を設定し、前記金属容器の
軸線に沿う方向が水平面に対して急峻に傾斜しているも
のについては、前記高電圧導体に系統のインパルス耐電
圧値相当の電圧が印加された際の前記高電圧導体表面の
電界値が前記許容電界値以下となる様に前記高電圧導体
との距離を設定することを特徴としている。
閉装置は、金属容器内の残留異物が電界により往復運動
する電界値の強度はおよそ10kv/cm以上であるこ
とに着目している。すなわち、その軸線に沿う方向が水
平に近い角度を有している場合、金属容器内には異物が
残留すると予想される。そこで、この様な金属容器に対
しては金属容器内の電界値強度を10kv/cmを超え
ないようにすることによって、残留異物の往復運動の発
生を防ぐことができる。その結果、残留異物〜高電圧導
体間に放電が発生することがなく、確実な絶縁性能を確
保できる。
て急峻に傾斜している場合、金属容器内に残留した異物
は落下又は滑落して存在しないと予想される。その為、
この様な金属容器に対しては高電圧導体表面の電界値強
度を許容電界値以下とするだけで、十分な絶縁性能を獲
得することができる。この時、許容電界値を基準として
設計された金属容器は、10kv/cmを基準として設
計された金属容器よりも径が小さい為、装置を縮小する
ことができる。
施例について、図面を参照して具体的に説明する。
の一実施例の断面図を示す。図1において、水平に配設
されている母線1において、接地された金属容器である
タンク3の内半径をR1 cm,高電圧導体4の外半径を
R2 cmとする。この時、高電圧導体4に系統の常規対
地運転電圧VACkVが印加された場合、下記の関係式を
満たすようにR1 及びR2 が選定されている。 (VAC)/(R1 lnR1 /R2 )≦10(kV/cm)……(4)
母線2において、接地金属容器であるタンク5の内半径
をR3 cm,高電圧導体6の外半径をR4 cmとした際
に、高電圧導体6に系統のインパルス耐電圧値VIMP k
Vが印加された場合、下記の関係式を満たすようにR3
及びR4 が選定されている。 (VIMP )/(R4 lnR3 /R4 )≦Ec(kV/cm)……(5) なお、Ecは上述したように、金属容器内に封入される
SF6 ガス圧力によって決定される高電圧導体6表面の
許容電界値である。また、タンク3の内半径R1 はタン
ク5の内半径R3 よりも大きく設定されている。更に具
体的な例をとって詳細に説明する。
318kV,VIMP =1550kVとし、高電圧導体
4,6の外半径R2 ,R4 は9cmと仮定する。また、
高電圧導体4,6表面の許容電圧値は従来技術にて触れ
た205kV/cmとする。まず、(4)式に基づい
て、水平母線1のタンク3の内半径R1 を求める。 (318)/(R1 lnR1 /9)≦10 より、R1 ≧28となり、タンク3の内半径R1 は最小
28cm必要であることが分かる。この寸法を有するタ
ンク3では、電界値が10kVrms/cm程度である
ため、タンク3内の残留異物は起立するにとどまり、浮
上、走行には至らず、サージ電圧が加わった場合の絶縁
性能低下は殆ど無い。
タンク5の内半径R3 を算出する。 (1550)/(9lnR3 /9)≦205 より、R3 ≧21となり、タンク5の内半径R3 は21
cmで十分であり、水平母線1よりも大幅に縮小が可能
である。ここで、垂直母線2に対して(5)式が適用し
たのは、タンク5に異物が残留しても、下方のタンク3
に異物が落下する為、垂直母線2では残留異物による不
具合は発生しないためである。
3と、残留異物の影響を受けないタンク5とでは、
(4)式及び(5)式から求められる内半径が大きく異
なる。その為、(4)式及び(5)式より得られたタン
ク内半径のうち、大きい方のタンク内半径の母線で全G
ISを構成する場合に比べると、格段に縮小化を進める
ことができ、経済性を高めることが可能である。しか
も、絶縁性能面での劣化は生じない為、優れた信頼性を
維持できる。なお、本発明は上記のような実施例に限定
されるものではなく、図2に示すような実施例をも含む
ものである。
は、前述の(4)式を満たすようにタンク半径が設定さ
れ、一方、傾斜角度が45度以上に配設された母線12
は前述の(5)式を満たすようにタンク半径が設定され
る。
適用できるとしたのは、母線の傾斜角度が急である為、
傾斜母線12側に異物が残留していたとしても、下方の
水平母線11側に異物が滑落する為、傾斜母線12側で
は残留異物による不具合は発生しないと考えられるため
である。この様な構成を有する実施例においては、上記
の実施例と同様の作用効果を期待することができる。
金属容器内に残留した金属異物等の影響を受ける部分
と、受けない部分とを明確に区分して、それぞれの部分
に対して最適な設計基準を適用したので、ガス絶縁開閉
装置をコンパクト化することができた。
その際の各母線の寸法を決定する条件を併記している。
り、その際の各母線の寸法を決定する条件を併記してい
る。
Claims (1)
- 【請求項1】 系統の常規対地運転電圧印加時に金属容
器内表面の電界値がおよそ10kv/cm以下となる最
小の金属容器の半径が、系統のインパルス耐電圧値相当
の電圧印加時に高電圧導体表面の電界値が金属容器内に
封入される絶縁性ガスの封入圧力によって決定される許
容電界値以下となる最小の金属容器の半径より大きい接
地金属容器を備え、該金属容器内に高電圧導体を絶縁性
ガスと共に絶縁保持してなるガス絶縁開閉装置におい
て、前記金属容器の軸線に沿う方向が水平に近い角度を
有しているものについては、前記高電圧導体に系統の常
規対地運転電圧が印加された際の前記金属容器内表面に
おける電界値がおよそ10kv/cm以下となる様に前
記高電圧導体との距離を設定し、前記金属容器の軸線に
沿う方向が水平面に対して急峻に傾斜しているものにつ
いては、前記高電圧導体に系統のインパルス耐電圧値相
当の電圧が印加された際の前記高電圧導体表面の電界値
が前記許容電界値以下となる様に前記高電圧導体との距
離を設定することを特徴とするガス絶縁開閉装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3047152A JP2937507B2 (ja) | 1991-03-13 | 1991-03-13 | ガス絶縁開閉装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3047152A JP2937507B2 (ja) | 1991-03-13 | 1991-03-13 | ガス絶縁開閉装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04285415A JPH04285415A (ja) | 1992-10-09 |
JP2937507B2 true JP2937507B2 (ja) | 1999-08-23 |
Family
ID=12767123
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3047152A Expired - Lifetime JP2937507B2 (ja) | 1991-03-13 | 1991-03-13 | ガス絶縁開閉装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2937507B2 (ja) |
-
1991
- 1991-03-13 JP JP3047152A patent/JP2937507B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04285415A (ja) | 1992-10-09 |
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