JP2936762B2 - 電流制御系のオフセット補償方法 - Google Patents

電流制御系のオフセット補償方法

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JP2936762B2 JP3055820A JP5582091A JP2936762B2 JP 2936762 B2 JP2936762 B2 JP 2936762B2 JP 3055820 A JP3055820 A JP 3055820A JP 5582091 A JP5582091 A JP 5582091A JP 2936762 B2 JP2936762 B2 JP 2936762B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電流制御系のオフセット
補償方法に関し、主としてインバータにより駆動される
同期機や誘導機等の3相交流電動機の速度制御装置にお
いて、インバータの電流制御系に存在するオフセット電
流を除去するためのオフセット補償方法に関する。
【0002】
【従来の技術】上述したような速度制御装置において、
電流検出器をはじめとした電流制御系のアナログ回路に
はオフセットが存在することが知られている。このオフ
セットは電動機のトルクリプルの原因になるため、従来
から種々のオフセット補償方法が提案されている。例え
ば、論文「DSPによる同期機形DDモータの高精度ト
ルク制御」(電気学会論文集D,110巻2号,P.1
17〜124,神谷他,平成2年)には、電動機の電圧
方程式に基づいてオフセット電流を検出し、このオフセ
ットをDSP(ディジタル・シグナル・プロセッサ)の
ソフトウェア制御により補償する方法が示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、電動機の電
圧方程式からオフセットを検出するには非常に高速で複
雑な演算処理が必要であり、高速かつ高価な演算処理装
置(CPU)が必要であってコスト高になるという問題
があった。本発明は上記問題点を解決するためになされ
たもので、その目的とするところは、高速かつ高価な演
算処理装置を用いることなくオフセットを補償可能とし
て装置コストの低減を図った電流制御系のオフセット補
償方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、第1の発明は、3相交流電動機の速度制御装置内の
電流制御系に存在するオフセットを補償するためのオフ
セット補償方法において、前記電動機の速度がほぼ一定
の状態で電動機のトルク相当量を電気角の一周期内にお
いて複数個サンプリングし、これらのトルク相当量の電
源周波数と同一周波数成分を、オフセット補償する2相
を除いた残りの1相に対しほぼ平行となる直交座標上で
抽出し、各座標軸上のトルク相当量成分の極性に応じて
一定の微小量をディジタル値である電流検出器に各々加
算することにより実電流に対してオフセットを補償する
ものである。
【0005】第2の発明は、上記第1の発明において、
電気角の一周期内におけるトルク相当量のサンプリング
数を4としたものである。
【0006】
【作用】電流制御系にオフセットがあると、電動機の電
源周波数(インバータの出力周波数)と同一周波数のト
ルクリプルを生じることが知られている。従って、この
トルクリプルにおいて、電源周波数と同一周波数成分
(基本波成分)の振幅及び位相情報から、どの相にどれ
だけのオフセットが存在するかを知ることができる。
電動機がほぼ一定速度で回転している状態では、電動機
の発生するトルクリプルがトルク指令値に逆極性で反映
されるため、第1の発明では、リプルを含むトルク相当
量としてトルク指令値の基本波成分を、オフセット補償
する2相を除いた残りの1相に対しほぼ平行となる直交
座標上で抽出すると共に、各座標軸上のトルク指令値成
分の極性のみに着目し、これらの極性に応じて所定の微
小量を電流検出値に加算することにより、オフセットを
補償する。
【0007】なお、トルク相当量としてのトルク指令値
のサンプリング数は精度上、多いほど良いが、演算量を
少なくする観点から、第2の発明では、電気角の一周期
内で90°間隔の4個のデータを用いることとした。
【0008】
【実施例】以下、図に沿って本発明の実施例を説明す
る。まず、始めに、本発明におけるオフセット補償の原
理を説明する。中性点引出のない電動機では、3相の
自由度は2である。従って、電流制御系内のオフセット
は3相のうちの何れか2相分に換算することができる。
ここでは、オフセットを3相(U,V,W相とする)の
うちU相及びW相に換算して補償するものとし、これら
のオフセットをそれぞれiUoff,iWoffとする。また、
3相各相の実電流をiU,iV,iWとし、電流制御系内
のオフセットをすべて電流検出器等の検出系に換算した
ときの電流検出値をそれぞれiUD,iVD,iWDとしたと
き、各々の関係が次の数式1、数式2、数式3によって
表されるとする。
【0009】
【数1】iUD=iU−iUoff
【0010】
【数2】iVD=iV+(iUoff+iWoff
【0011】
【数3】iWD=iW−iWoff
【0012】このとき、図1に示すように、iUoffによ
ってベクトルi1で示されるオフセット電流が、また、
Woffによってベクトルi2で示されるオフセット電流
がそれぞれ流れ、結果としてi1,i2の合成ベクトルで
あるi0が流れる。このオフセット電流i0により、電動
機の電源周波数と同一周波数のトルクリプルが発生す
る。このトルクリプルは、電動機の速度制御系が追従で
きる周波数までは、トルク相当量としてのトルク指令値
に対して逆符号にて反映されることになる。
【0013】ここで、オフセットにより発生する実際の
トルクリプルは測定が困難であるから、本発明では、実
際のトルクリプルが逆極性にて反映されているトルク相
当量として、トルク指令値に着目することとした。すな
わち、電動機がほぼ一定速度で回転している状態におい
て、電気角の一周期内でトルク指令値を複数個サンプリ
ングし、これらのトルク指令値を図2に示すような直交
座標系を用いてとらえることにより、電源周波数と同一
周波数であるトルク指令値のR軸成分TR及びI軸成分
Iを抽出する。これらのTR,TIを用いれば、次の数
式4及び数式5によってW相及びU相に換算したオフセ
ット量iWoff,iUoffをそれぞれ求めることができる。
【0014】
【数4】iWoff=TI/(2×sin60°)
【0015】
【数5】iUoff=TR/2−iWoff×cos60°
【0016】従って、上記数式4、数式5により求めた
オフセット量iWoff,iUoffをiWD,iUDに各々加算
ることにより、前記数式1、数式3から実電流iW,iU
に対してオフセットを補償することができる。
【0017】ここで、本実施例では、トルク相当量とし
てのトルク指令値に含まれるリプルを、図3に示すよう
にオフセット補償する2相(U相、W相)を除いた残り
の1相(V相)に対しほぼ平行となる直交座標上で抽出
する。更に、トルク指令値のR軸成分TR及びI軸成分
Iの極性のみに着目し、以下の表1に示すように、こ
れらの極性(「+」,「−」)に応じて一定の微小量
(ここでは、ディジタル量の+1ビットまたは−1ビッ
トとする)をディジタル値である電流検出値iUD,iWD
に各々加算することにより、前記数式1、数式3から実
電流iU,iWに対してオフセットを補償する。
【0018】
【表1】
【0019】ここで、トルク指令値に含まれるリプルの
基本波成分の抽出に当たっては、前記同様に電気角の一
周期内でトルク指令値を複数回サンプリングすることを
前提としている。このサンプリング回数は多いほど精度
がよくなるが、その反面、演算処理装置による演算量が
増加してしまうことから、本実施例では4とした。例え
ば、U相及びW相に対する電流指令値を次の数式6及び
数式7のように与えるとき、式中のθ=90°でU相電
流によるトルクが最大になること、図3の直交座標系に
おいてR軸はU相に対して60°位相が進んでいるこ
と、及び、トルク指令値に含まれるリプルとトルク指令
値とが逆極性であることにより、θ=210°,300
°,30°,120°といった90°間隔で4個のデー
タをサンプリングすればよい。
【0020】
【数6】iU *=Isinθ
【0021】
【数7】iW *=Isin(θ+120°)
【0022】上記サンプリングによる4個のデータをそ
れぞれT(0),T(1),T(2),T(3)とし、次の数式8及
び数式9で示される演算を行うと数式8のTRがR軸成
分、数式9のTIがI軸成分となる。なお、これらの数
式8、数式9は4ポイントのFFT(高速フーリエ変
換)演算に他ならないが、サンプリングを4点としたた
め加減算のみで済むことになり、演算量を少なくするこ
とができる。
【0023】
【数8】TR=T(0)−T(2)
【0024】
【数9】TI=T(3)−T(1)
【0025】このようにして求めたR軸成分TR及びI
軸成分TIの極性に応じ、前記表1に基づきディジタル
量の+1ビットまたは−1ビットを電流検出値iWD,i
UD各々加算し、積算して電流制御系のオフセットを補
償する。
【0026】
【発明の効果】以上のように第1または第2の発明は、
トルク指令値などのトルク相当量に含まれるリプルの基
本波成分を直交座標軸上で抽出し、これらに基づいて電
流制御系のオフセットを補償するものである。このオフ
セット補償に要する演算処理は前述のように極めて簡単
かつ少量であり、電流制御系の駆動中に補償するべきオ
フセットは主として温度によるドリフト分であって比較
的ゆっくり補償すればよいこと等を考え合わせると、本
発明ではある程度の時間をかけて簡単かつ少量の演算を
行えばよいことになり、従来の技術に対し低速かつ安価
なCPU等を用いた場合にも確実にオフセットが補償で
きるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】オフセット電流のベクトル図である。
【図2】トルク指令値の基本波成分抽出のための直交座
標系の説明図である。
【図3】トルク指令値の基本波成分抽出のための直交座
標系の説明図である。
【符号の説明】
0,i1,i2 オフセット電流(ベクトル)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3相交流電動機の速度制御装置内の電流
    制御系に存在するオフセットを補償するためのオフセッ
    ト補償方法において、 前記電動機の速度がほぼ一定の状態で電動機のトルク相
    当量を電気角の一周期内において複数個サンプリング
    し、これらのトルク相当量の電源周波数と同一周波数成
    分を、オフセット補償する2相を除いた残りの1相に対
    しほぼ平行となる直交座標上で抽出し、各座標軸上のト
    ルク相当量成分の極性に応じて一定の微小量をディジタ
    ル値である電流検出器に各々加算することにより実電流
    に対してオフセットを補償することを特徴とする電流制
    御系のオフセット補償方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電流制御系のオフセット
    補償方法において、 電気角の一周期内におけるトルク相当量のサンプリング
    数を4としたことを特徴とする電流制御系のオフセット
    補償方法。
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