JP2932357B2 - 熱間ダイス鋼からなる金型の焼入れ法 - Google Patents

熱間ダイス鋼からなる金型の焼入れ法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱間ダイス鋼の熱処
理、特に熱処理歪みが少い上に、靱性が向上した焼入れ
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、ダイカスト用の金型や熱間鍛造
用の金型は高温(例えば、500 〜1000℃)において使用
される関係で熱間ダイス鋼が使用されている。ダイカス
ト金型の場合には、形状が複雑で、肉厚も一様でなく、
且つ仕上げ代が少ないものが多いが、このような製品に
おいては急冷を行うと焼割れや焼入れ歪みを発生するの
で、このような欠点を防止するために緩慢な冷却を行な
っている。この緩慢な冷却方法としては、焼入れ温度か
らの冷却処理工程において空冷や衝風冷却による徐冷で
行うのが普通である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記のような緩慢な冷
却方法によると焼割れや歪みの発生を抑制することがで
きる反面、冷却速度が遅いために次の問題があった。 (1) 金型の靱性、特にシャルピー値が不足して耐久性に
劣る。この問題は金型の早期交換という手段等によって
対応しているのが実情である。
【0004】(2) 金型の厚みによっては不完全な焼入組
織となり、従って、金型の寿命が短縮される。これを前
記のような金型の早期交換という手段等によって解決し
ている。 (3) 耐ヒーチチェック性が悪い。即ち、焼入温度より徐
冷した金型は内部組織が不安定で、低い硬さで使用され
るので熱疲労に弱く、熱間用金型本来の使用方法である
急熱と急冷の繰り返しで早期にヒートチェックが発生
し、使用不能となる。
【0005】前記のように金型の焼入れに徐冷を採用し
た場合には靱性と硬さの双方が低下するために耐久性に
劣り、金型の早期交換が必要となる等の不可避的な問題
があった。そこで、オーステナイト化温度より油冷等の
急冷を行なった場合には硬さと靱性を同時に向上させ、
耐久性を向上させる上に有利である。しかし、油冷等の
急冷による焼入れは前記のように大きな熱処理歪みと顕
著な焼割れを発生することが多い。焼入れ工程において
歪みが大きい場合には当然のことながらその焼入れ後に
この金型の歪みを修正する意味で機械加工が必要であっ
たり、修正不能が原因して不良率が増加するという問題
があり、これを避ける意味で急冷焼入れは極限られた小
型の金型にしか適用することができないものである。
【0006】前記理由から、一般のダイカスト金型にお
いては空冷ないしは衝風冷却によって熱処理を行なわざ
るを得なかったのである。具体的な公知技術をあげれ
ば、特公昭60-37851号公報や特開昭54-103732 号公報が
ある。前者の発明は、冷間ピルガー圧延機用ロールダイ
スの熱処理方法に関するものであって、高強度、高靱性
ダイス鋼系の材料より成るロールダイス粗成材をオース
テナイ化温度に加熱して約 500℃のソルトバスによる第
1段中温熱浴と、約 250℃のソルトバスによる第2段低
温熱浴とによる急冷熱処理を行なうもので、この第1段
中温熱浴処理の際はパーライトの変態域のノーズにかか
らない速度で冷却し、第2段低温熱浴処理の際はベーナ
イト変態域のノーズにかからないように短時間でマルテ
ンサイト変態域直上の温度まで冷却するものである。
【0007】しかし、この熱処理方法を熱間ダイス鋼を
使用して製作した金型の熱処理に利用することはできな
いものである。その理由は、第1段中温熱浴処理にソル
トバスによる急冷が採用され、しかも粗成材の表面部と
芯部との温度差を可及的僅少にすることが条件である。
このことからダイカスト金型のように比較的大型で熱容
量も大きい金型には必然的に多量の熱歪みを発生せざる
を得ず、特に熱間ダイス鋼で製作した板状ないしはブロ
ック状の金型の熱処理には適用できないものである。
【0008】後者の発明は、炭素が0.10%以下、Mn約1.
8 〜4.%、かつAC3変態点以上の温度域から大気中で放
冷してもほとんどフェライトまたはパーライトを生じ
ず、焼入れ状態でベーナイト組織もしくは一部マルテン
サイトを含むベーナイト組織を形成するような焼入れ性
元素を添加した、極低炭素強靱鋼の焼入れに関するもの
である。この発明は焼戻し工程を省略するために特殊な
成分を含む極低炭素強靱鋼材料を使用することを前提と
するものであり、積極的にベーナイト領域に入るような
焼入れを行なうものである。
【0009】しかし、このベーナイト焼入れを炭素含有
量が0.32〜0.42%の熱間ダイス鋼からなる金型に行なっ
た場合は、熱間歪みが少ないが靱性が著しく低下するも
のであり、金型として利用することができいな割れ易い
ものとなる欠点がある。本発明は、前記従来のダイカス
ト金型や熱間鍛造に使用される熱間ダイス鋼の熱処理の
問題を解消するために、大量の実験を行なった結果得ら
れたものであって、その目的とするところは、靱性を向
上させ、耐ヒートチェック性が改善され、そして熱歪み
が少なく、熱処理寸法変化が改善され、仕上げ代を少な
くし、更に金型寿命が延長される焼入れ法を提供するも
のである。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の本発明に係る熱間ダイス鋼の焼入れ法は、次のように
構成されている。(1)熱間ダイス鋼からなる金型をオ
ーステナイト化温度(C)に加熱する。(2)次いで、
このオーステナイト化温度(C)に加熱された金型をベ
ーナイト領域(B)のノーズ(n)に向かう冷却速度で
空冷ないし衝風冷却によって複合冷却変更温度(G)ま
で冷却する。(3)前記複合冷却変更温度(G)は、前
記オーステナイト化温度(C)の1/2±50℃の範囲
とする。
【0011】(4)そして前記空冷ないし衝風冷却され
た金型を、前記ベーナイト領域(B)のノーズ(n)を
避ける冷却速度で油冷等により急冷を行う。従来の金型
の焼入れ法においては靭性の向上を犠性にしながら、焼
入れ歪みや大割れを防止する意味において、焼入れ温度
に加熱された金型を空冷ないし衝風冷却によって徐冷す
る方法を採用した。これに対して本発明においては、そ
の徐冷の範囲を特に「複合冷却変更温度(G)」までと
している。そしてこの複合冷却変更温度(G)は、前記
オーステナイト化温度(C)の1/2±50℃の範囲に
限定している。しかも、その徐冷速度をベーナイト領域
に向かう経路を通る冷却速度で行うようにしている。
【0012】そして前記複合冷却変更温度よりマルテン
サイト化温度まで急冷することを特徴とするものであ
る。前記(1),(2) の工程を行うためには、既に得られて
いる熱間ダイス鋼の連続変態曲線を使用してパーライト
領域Pおよびベーナイト領域Bのそれぞれのノーズnの
位置を確認するのが良い。そしてこの確認作業は、金型
と同様な材料と、大きさのテストピースを使用すれば更
に良い結果が得れる。
【0013】一般に熱伝導性が悪いダイス鋼をオーステ
ナイト化温度より複合冷却変更温度まで徐冷することに
よって、金型のコーナー部分より冷却されて発生する大
きな熱歪みを最小限に抑制することができる。そして複
合冷却変更温度より油冷等を採用して急冷することによ
って、靱性の低下に最も影響を与えるベーナイト領域を
通過しないようにして組織内にベーナイトの発生を防止
するものである。前記のように構成することによって金
型の靱性を向上させ、ヒートチェックを改善し、熱歪み
の少ない金型を製造することができるのである。
【0014】
【発明の実施の形態】先ず、本発明の理解を助けるため
に、本発明の焼入れ法を、全工程に衝風冷却を採用した
従来の焼入れ法を対比して説明する。図1はダイス鋼(S
KD-61)を使用した金型の等温度変態曲線図上に表わした
加熱冷却曲線であって、(a)−図は本発明によるもの
を、また(b)−図は従来の方法によるものをそれぞれ
示している。
【0015】なお、図中、Pはパーライト領域、Bはベ
ーナイト領域を、またMはマルテンサイト領域をそれぞ
れ示している。そしてFは金型の中心部の温度を、Eは
表面の温度をそれぞれ示している。 (1) 前記焼入れ熱処理線図は、予め連続冷却変態曲線
によって作成し、この図上においてパーライト領域P、
ベーナイト領域Bを確認する。
【0016】(2) そしてこのベーナイト領域Bのノー
ズnより金型が冷却される時間と温度降下の関係を実験
値より定めておき、このデータに基づいてオーステナイ
ト化温度Cの延長戦より焼入れ開始点Dを確認してお
く。具体的には、型材と同材質でほぼ同寸法のテストピ
ースを多数準備し、中心部に熱電対を取付け、冷却速度
を実測する。このような方法を採用して複合冷却変更温
度を種々と変化させて適切な温度を決定する。
【0017】この冷却速度勾配は重要であって、テスト
ピースの表面と内面の冷却速度勾配曲線E′とF′が前
記ベーナイト領域Bのノーズnに接触することがないよ
うにする。前記複合冷却変更温度Gは、本発明者が便宜
上命名した温度であって、オーステナイト化温度Cより
ソフト冷却し、次にこのソフト冷却を停止し、次にハー
ド冷却、即ち急冷に冷却手段を変更する温度領域を意味
している。この複合冷却変更温度Gは、通常の焼入れ工
程において簡単に確認し、冷却手段を変更することがで
きる温度範囲でなければならない。
【0018】例えば、オーステナイト化温度X℃(例え
ば1020℃)とすると、前記複合冷却変更温度Gは、ほぼ
X/2(例えば 500℃)の温度であり、その温度の幅は
±50℃程度である。この温度範囲であれば十分に冷却手
段を変更することが可能である。しかし、金型の材質や
大きさによって若干の温度範囲を変更することは十分に
許容される範囲である。なお、前記複合冷却変更温度G
は、通常の焼入れにおいては半冷温度に相当する場合が
多い。
【0019】図1−(a)、(b)において、A、B、
Cは熱処理する金型を昇温する温度の段階を示し、また
Cはオーステナイト化温度を示している。(a)−図に
おいては複合冷却変更温度Gより上の冷却線Eは、オー
ステナイト化温度Cより衝風冷却等のソフトな冷却をし
た金型の表面温度を、同様に冷却線Fは金型の内面の温
度をそれぞれ示している。
【0020】また、複合冷却変更温度Gより下の部分の
前記冷却線E、Fの延長線上のE′−F′は油焼入れを
主体とするハードな焼入れにおける金型の表面温度と中
心温度を表している。図1−(a)と(b)とを比較し
て理解されるように、(b)−図の従来の焼入れ法によ
れば、オーステナイト化温度C上の焼入れ開始点Dより
常温に至るまでの全領域が衝風冷却などのソフトな冷却
が採用され、その結果、ベーナイト領域Bのノーズn部
分に冷却線E″とF″が入り込んでおり、焼入れされた
金型の組織にはベーナイト組織が発生し、前記各種の欠
点を有していることは明らかである。
【0021】これに対して(a)−図の本発明の方法に
よれば金型の内面温度F′と表面温度E′は共にベーナ
イト領域Bを避けて冷却されているので、(b)−図の
従来法のような欠陥は全く発生しない。さて、ダイス鋼
を機械加工して得られた金型(縦 300ミリ、横 200ミ
リ、厚さ150ミリ)を真空炉中において、昇温を開始す
る。
【0022】イ) 600℃に 120分間(温度A)、ロ)次
いで 850℃に 120分間(温度B)、ハ)1020℃〜1030℃
に 120分間・・・と、段階的に加熱して最終的にはオー
ステナイト化温度Cである1020℃〜1030℃とする。前記
オーステナイト化温度Cより、このオーステナイト化温
度Cとの室温とのほゞぼ中間の温度である 500±50℃の
複合冷却変更温度Gまで、比較的ソフトに冷却する。こ
の冷却手段としては加熱された金型に送風機などによっ
て衝風冷却を継続的に行う。
【0023】前記衝風冷却はオーステナイト化温度Cの
領域の終点である焼入れ開始温度Dよりベーナイト領域
Bに向かう冷却線E′、F′によって構成されている。
本発明においては、(a)図に示すようにオーステナイ
ト化温度Cより複合冷却変更温度Gに向かう間のソフト
な冷却により金型の表面温度Eと内面温度Fとの延長線
はベーナイト領域Bのノーズ部分nに向かうが、複合冷
却変更温度G線上においてこのソフト冷却は中止され
る。そしてソフト冷却された金型は油中等に浸漬されて
マルテンサイト化温度MSまで急冷され、それ以後はマル
テンサイト完了温度MF(図示せず)まで冷却され焼入れ
熱処理が完了する。
【0024】前記実施の形態は、1つの金型モデルによ
って行ったものであるが、厚さ 100ミリ〜 250ミリの大
きさの金型の焼入れにおける各温度範囲を次の通りであ
る。 イ)温度A: 600℃〜 650℃、温度Aに昇温する時間:
150℃〜1Hr 、温度Aの保持時間: 120分 ロ)温度B: 800℃〜 850℃、温度Bに昇温する時間:
150℃〜1Hr 、温度Bの保持時間: 120分 ハ)温度C:1010℃〜1030℃、温度Cに昇温する時間:
150℃/1Hr 、温度Cの保持時間: 120分 ニ)温度Cより温度Gに到達する時間:15分〜30分以内 「冷却速度」について 図2は本発明の焼入れ時における金型の中心部における
冷却線図を、図3は従来の衝風冷却を行なった場合の金
型の中心部における冷却線図をそれぞれ示している。前
記両線図を比較して分かるように、従来法における半冷
温度g以下の金型の温度はかなり長い時間をかけて冷却
されている。
【0025】一方、本発明の熱処理法によれば複合冷却
変更温度G以下の温度において油冷などによって急速に
冷却されていることが理解でる。図4は耐ヒートチェッ
ク性を示す図であって、前記と同様な方法で熱処理され
たテスト材より40×40×20ミリのテストピース多数個を
作成して次の実験を行った結果を示すものである。ガス
バーナで前記テストピースを約 670℃まで加熱し、これ
を水中に沈めて冷却する。この加熱と冷却は1000回行
う。
【0026】従来法(図4中、a,bで示す)によった
もののクラックの発生個数(a)は約 100個、クラック
の平均の深さ(b)は約 0.5ミリであるのに対して、本
発明の方法(図4中、c,dで示す)によればクラック
の発生個数(c)約50個、クラックの平均深さ(d)は
約 0.3ミリであることが確認されている。図5は本発明
と従来法による靱性(シャルピー値)を比較したもので
あって、本発明の方法によれば従来の方法によったもの
に比較して30〜40%の向上を見ることができる。
【0027】本発明の熱処理方法と従来の熱処理方法を
対比した場合、次のことが言える。 従来の熱処理によったものに比較してロックウエル
硬度で2〜3高くして使用することができる(HRC48〜
50)。 従来の熱処理に比較してシャルピー値で約30〜40%
の向上が見られる。 従来の熱処理法に比較して、ヒートチェックが深さ
で約1/2発生個数で1/3と大幅な改善が認められ
た。
【0028】表1は、本発明の熱間ダイス鋼の焼入れ法
と従来の焼入れ法で処理された金型の耐久性を比較した
データを記載したものであって、評価の項に記載してい
るように本発明の熱処理をした金型は従来の金型に比較
して耐久性が約1.3 倍ないし2倍に向上していることが
分かる。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】一般に熱伝動性が悪いダイス鋼からなる
金型をオーステナイト化温度(C)より複合冷却変更温
(G)まで徐冷することによって、金型のコーナー部
分より冷却されて発生する大きな熱歪みを最小限に抑制
することができる。しかも、この複合冷却変更温度Gは
前記オーステナイト化温度(C)の1/2±50℃の範
囲に制限している。そしてこの複合冷却変更温度(G)
において、オーステナイ化温度(C)より途中の温度ま
で冷却された金型は油冷等によって急冷されてベーナイ
ト領域B、特にノーズ部分nを通過しないようにしてい
る。
【0031】本発明は熱処理温度であるオーステナイト
化温度Gより、焼入れ途中の温度である複合冷却変更温
度Gまで衝風冷却等のソフトな冷却を採用して高温にお
いて歪みが発生する原因を除去し、前記複合冷却変更温
度Gに到達すると、ベーナイト領域Bを避けて通ること
ができる冷却曲線E′、F′上を油冷等による急冷を行
うことによって次の効果を奏することができる。
【0032】(1) 焼入れ処理中に金型の組織はベーナイ
ト領域Bを通過しないために、その内部組織が安定し、
硬度が高く、熱疲労性に強い。特に、高温に加熱される
ことと、常温近くに冷却されることの条件を繰り返して
行っても従来法に比較してヒートチェックが発生し難
い。 (2) 図4に示すように、耐ヒートチェック性のテストの
結果、クラックの発生個数とクラックの平均深さは、従
来法に比較して本発明の方法は約半分、発生個数で1/
3で大幅な改善が認められた。また、金型に信頼性があ
り、長期間にわたって金型を使用することができる。 (3) 表1に示すように、従来の金型に比較して本発明に
係る金型の寿命は約2倍の長さになっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱間型用鋼の焼入れ熱処理線図を示すものであ
って、(a)−図は本発明法を、(b)−図は従来法を
それぞれ示している。
【図2】本発明の金型の冷却速度線図である。
【図3】従来法の冷却速度線図である。
【図4】耐ヒートチェック性のテスト結果を示す図であ
り、クラック発生個数とそのクラックの平均深さについ
て本発明法と従来法と比較して示している。
【図5】本発明による金型と従来の金型との靱性の対比
表を示している。
【符号の説明】
P パーライト領域 B ベーナイト領域 M
マルテンサイト領域 C オーステナイト化温度 F 金型の中心温度 E 金型の表面温度 G 複合冷却変更温度
n ノーズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−103732(JP,A) 特開 昭58−9929(JP,A) 特開 平3−28318(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱間ダイス鋼からなる金型をオーステナ
    イト化温度まで加熱する工程と、前記加熱された
    金型をベーナイト領域(B)のノーズ(n)に向かう冷
    却速度で空冷ないし衝風冷却によって複合冷却変更温度
    (G)まで冷却する工程と、前記空冷ないし衝風冷却さ
    れた金型を、前記ベーナイト領域(B)のノーズ(n)
    を避ける冷却速度で油冷等により急冷を行う工程とから
    なり、前記複合冷却変更温度(G)は、前記オーステナ
    イト化温度(C)の1/2±50℃の範囲である熱間ダ
    イス鋼からなる金型の焼入れ法。
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