JP2932339B2 - サーマルプリントヘッドの製造方法 - Google Patents

サーマルプリントヘッドの製造方法

Info

Publication number
JP2932339B2
JP2932339B2 JP29227593A JP29227593A JP2932339B2 JP 2932339 B2 JP2932339 B2 JP 2932339B2 JP 29227593 A JP29227593 A JP 29227593A JP 29227593 A JP29227593 A JP 29227593A JP 2932339 B2 JP2932339 B2 JP 2932339B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glaze
corner
line
horizontal direction
reflected light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP29227593A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07144423A (ja
Inventor
弘朗 大西
敏彦 高倉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Rohm Co Ltd
Original Assignee
Rohm Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Rohm Co Ltd filed Critical Rohm Co Ltd
Priority to JP29227593A priority Critical patent/JP2932339B2/ja
Priority to US08/345,705 priority patent/US5514524A/en
Priority to EP94308607A priority patent/EP0654354B1/en
Priority to DE69416940T priority patent/DE69416940T2/de
Priority to KR1019940031124A priority patent/KR100313476B1/ko
Publication of JPH07144423A publication Critical patent/JPH07144423A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2932339B2 publication Critical patent/JP2932339B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、サーマルプリントヘ
ッドの製造方法に関し、とくに、薄膜型サーマルプリン
トヘッドにおいて、グレーズ上に形成されるヒータ部の
グレーズ幅方向の位置精度を格段に高めることができる
ようにした方法に関する。この種のサーマルプリントヘ
ッドは、感熱プリンタ、熱転写プリンタ、ラベルプリン
タ、ファクシミリ、ワードプロセッサ、タイプライタ、
カードプリンタ、画像プリンタ、タイムレコーダ等の印
字部に組み込まれるあらゆる薄膜型サーマルプリントヘ
ッドに適用することができる。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】たと
えば、図9に示すように、ヘッド基板1の端面近傍にヒ
ータ部2が形成されるシリアル型サーマルプリントヘッ
ド3の断面は、図10のようになっている。すなわち、
基板1の端面近傍に断面弓形の部分グレーズ4を形成
し、この部分グレーズ4の表面を含む基板表面に抵抗体
層5を薄膜形成する。そして、さらにこの抵抗体層5の
上に、部分グレーズ4の頂部付近所定幅領域を残すよう
にして、共通電極パターン6および個別電極パターン7
を導体金属により薄膜形成する。上記共通電極パターン
6および個別電極パターン7は、平面的には図11のよ
うになっており、オン状態となった個別電極パターン7
と共通電極パターン6の間に臨む部分グレーズ4上の矩
形の抵抗体層領域8が個別に発熱駆動される。すなわ
ち、図10および図11において、符号8で示す領域
が、ヒータ部として機能する。
【0003】上記のようなサーマルプリントヘッド3は
また、図12に示すように、単位ヘッド領域9を複数行
複数列に有する材料基板10から、複数個一括して作成
するという製造手法がとられる。すなわち、上記部分グ
レーズ4の形成が印刷・焼成によって一括形成されるこ
とはもちろん、抵抗体層5の薄膜形成、これに続くいわ
ゆるフォトリソ法による共通電極パターン6および個別
電極パターン7の形成も、上記材料基板10に対して一
括して行われる。
【0004】ところで、上記のサーマルプリントヘッド
の印字性能を画一化するためには、上記部分グレーズ4
上のヒータ部8の形成位置、とりわけ部分グレーズ4の
幅方向の形成位置を一定化する必要がある。そのために
は、フォトリソ工程におけるフォトマスクアライメント
が正確に行われる必要がある。
【0005】そのため、従来、図12に示すように、材
料基板10上に部分グレーズ4を印刷・焼成によって形
成する際に、基板の縁部にアライメントグレーズ11を
同時に形成し、このアライメントグレーズ11とフォト
マスクに設けた図13に示すようなアライメントマーク
12を合わせることによってフォトマスクアライメント
を行っている。
【0006】上記部分グレーズ4と上記アライメントグ
レーズ11とは、同一の印刷スクリーンを用いて形成し
ているため、アライメントグレーズ11を基準とした各
部分グレーズ4の平面的な位置誤差は、±30μm以内
に収まる。また、アライメントグレーズ11とフォトマ
スク上のアライメントマーク12を合わせるアライメン
ト時の基板に対するフォトマスクの位置ずれはせいぜい
±10μm程度であるので、結局、上記ヒータ部8のグ
レーズ中心に対する平面的な位置ずれは、±40μm以
内に収まり、要求精度を達成することができる。
【0007】ところで、記録紙に対する圧力集中をより
高め、そうして、印字時における記録紙からのインクリ
ボンの最適な剥がれ挙動を達成して表面凹凸の大きいラ
フ紙に対する高度な印字品質を達成するために、最近、
図1に示すように、部分グレーズ4の一部を傾斜状に削
除して曲率の大きい凸状のグレーズコーナ13を設けた
上で、このグレーズコーナ13を中心とするヒータ部8
を設けるといった構造が提案されている(特開平4−2
44861号公報参照)。
【0008】しかしながら、上記のグレーズコーナ13
は、いったん印刷・焼成によって断面弓形の部分グレー
ズを形成した後、研削加工等によって形成せざるをえな
い。したがって、基板の厚み方向の寸法誤差、部分グレ
ーズ4の厚みの誤差、研削加工時の誤差が重なって、形
成されるグレーズコーナ13の平面的な誤差が±50μ
m程度生じてしまい、ヒータ部8の形成にあたって上記
のようなマスクアライメント方法をとったとしても、結
局、グレーズコーナ13に対するヒータ部8の位置ずれ
が±90μmにもなる場合が生じる。
【0009】部分グレーズ4にグレーズコーナ13を設
けて印字性能を高めるためには、グレーズコーナ13に
正確にヒータ部8が形成されていることが求められる
が、製造過程において生じるグレーズコーナ13に対す
るヒータ部8の誤差が上記のように大きくなるため、製
品としての歩留りの著しい低下、およびこれに起因する
製造コストの高騰を招く結果となり、現実問題として、
従来の製造手法を踏襲して図1に示すような構造のサー
マルプリントヘッドを安定的に製造することは不可能で
あった。
【0010】本願発明は、上記のような事情のもとで考
え出されたものであって、グレーズに対して加工を施し
て曲率の大きいグレーズコーナを形成する場合におい
て、このグレーズコーナに対して正確にヒータ部を形成
することができる新たなサーマルプリントヘッドの製造
方法を提供することをその課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本願の各発明では、次の技術的手段を講じている。
【0012】すなわち、請求項1に記載したように、本
願発明のサーマルプリントヘッドの製造方法は、基板上
に形成したグレーズに曲率の大きいグレーズコーナを設
け、このグレーズコーナにフォトリソ工程によってヒー
タ部を形成する場合において、上記フォトリソ工程にお
けるマスクアライメントを、上記グレーズコーナからの
反射光ラインまたは反射光の明暗境界ラインを基準とし
て行うことを基本的特徴としている。
【0013】そして、請求項2の発明は、縦方向に複数
列、横方向に複数列の単位ヘッド領域を有する材料基板
を用い、各ヘッド領域の縦方向縁部にそれぞれ横方向に
同一線上に延びる縁部を有するグレーズを印刷・焼成に
よって一括形成するとともに、横方向に並ぶ各ヘッド領
域上の各グレーズに、横方向同一線上に延びる稜線をも
つグレーズコーナを形成し、各グレーズのグレーズコー
ナにフォトリソ工程によってヒータ部を形成する場合に
おいて、上記フォトリソ工程におけるマスクアライメン
トを、上記グレーズコーナからの反射光ラインまたは反
射光の明暗境界ラインを基準として行うことを特徴とす
る。
【0014】さらに、請求項3の発明は、縦方向に複数
列、横方向に複数列の単位ヘッド領域を有する材料基板
を用い、各ヘッド領域の縦方向縁部にそれぞれ横方向に
同一線上に延びる部分グレーズを印刷・焼成によって一
括形成するとともに、横方向に並ぶ各ヘッド領域上の各
部分グレーズに、横方向同一線上に延びる稜線をもつグ
レーズコーナを形成し、各グレーズのグレーズコーナに
フォトリソ工程によってヒータ部を形成する場合におい
て、上記フォトリソ工程におけるマスクアライメント
を、上記グレーズコーナからの反射光ラインまたは反射
光の明暗境界ラインを基準として行うことを特徴とす
る。
【0015】すなわち、この種のサーマルプリントヘッ
ドは、縦方向に複数列、横方向に複数列の単位ヘッド領
域を有する材料基板を用い、この材料基板上の各単位ヘ
ッド領域に対してグレーズの成形およびヒータ部の形成
を一括して行い、最終的に基板分割をして単位サーマル
プリントヘッドを得る。また、各ヘッドに対するグレー
ズの形成方法として、いわゆる全面グレーズとする場合
と、部分グレーズとする場合とが含まれ、請求項2およ
び3は、このような場合に請求項1の基本発明を適用し
た方法を規定している。
【0016】さらに、請求項4の発明は、縦方向に複数
列、横方向に複数列の単位ヘッド領域を有する材料基板
を用い、各ヘッド領域の縦方向縁部にそれぞれ横方向に
同一線上に延びる縁部を有するグレーズを印刷・焼成に
よって一括形成するとともに、これと同時に、いずれか
の横方向に並ぶグレーズの列の延長線上に少なくとも一
つのダミーグレーズを形成し、横方向に並ぶ各ヘッド領
域上の各グレーズに、横方向同一線上に延びる稜線をも
つグレーズコーナを形成するとともに、上記ダミーグレ
ーズにも上記グレーズのグレーズコーナと同一線上に延
びる稜線をもつグレーズコーナを形成しておき、各グレ
ーズのグレーズコーナにフォトリソ工程によってヒータ
部を形成する場合において、上記フォトリソ工程におけ
るマスクアライメントを、上記ダミーグレーズのグレー
ズコーナからの反射光ラインまたは反射光の明暗境界ラ
インを基準として行うことを特徴とする。
【0017】さらに、請求項5の発明は、縦方向に複数
列、横方向に複数列の単位ヘッド領域を有する材料基板
を用い、各ヘッド領域の縦方向縁部にそれぞれ横方向に
同一線上に延びる部分グレーズを印刷・焼成によって一
括形成するとともに、これと同時に、いずれかの横方向
に並ぶ部分グレーズの列の延長線上に少なくとも一つの
ダミーグレーズを上記各部分グレーズと同一断面形態に
おいて形成し、横方向に並ぶ各ヘッド領域上の各グレー
ズに、横方向同一線上に延びる稜線をもつグレーズコー
ナを形成するとともに、上記ダミーグレーズにも上記部
分グレーズのグレーズコーナと同一線上に延びる稜線を
もつグレーズコーナを形成しておき、各グレーズのグレ
ーズコーナにフォトリソ工程によってヒータ部を形成す
る場合において、上記フォトリソ工程におけるマスクア
ライメントを、上記ダミーグレーズのグレーズコーナか
らの反射光ラインまたは反射光の明暗境界ラインを基準
として行うことを特徴とする。
【0018】すなわち、上記マスクアライメントは、各
ヘッド領域に形成されたグレーズのグレーズコーナから
の反射光ラインを基準として行うほか、上記請求項4ま
たは5の発明のように、材料基板上にダミーグレーズを
設け、このダミーグレーズのグレーズコーナからの反射
光ラインを基準として行うこともできる。
【0019】さらに、請求項6の発明は、ダミーグレー
ズを設けて行う上記請求項4および5の方法において、
フォトリソ工程によって各グレーズコーナにヒータ部を
形成するに際し、これと同時に、ダミーグレーズにヒー
タ位置ずれ確認パターンを形成しておき、ヒータ部形成
後、ダミーグレーズのグレーズコーナからの反射光ライ
ンが上記ヒータ位置ずれ確認パターンで規定された幅領
域内に入っているか否かにより、上記ヒータ部が所定の
精度範囲内で形成されているかどうかを容易に確認する
ことができるようにしたものである。
【0020】
【発明の作用および効果】本願の請求項1ないし3の発
明においては、グレーズに形成したグレーズコーナから
の反射光ラインまたは反射光の明暗境界ラインを基準と
してヒータ部形成のためのフォトマスクの位置合わせ
(マスクアライメント)を行っている。すなわち、グレ
ーズに形成したグレーズコーナを基準としてヒータ部の
形成を行っている。したがって、グレーズの印刷・焼成
時でのグレーズの位置ずれ、および、グレーズコーナの
加工形成時での位置ずれがヒータ位置精度に関与しなく
なり、ヒータ位置精度が飛躍的に向上する。
【0021】さらに、請求項4および5の発明のよう
に、材料基板上の各ヘッド領域に形成される各グレーズ
に加え、ダミーグレーズを設け、このダミーグレーズの
グレーズコーナを基準としてヒータ部の形成を行うよう
にすると、機種によって単位ヘッドの大きさが異なる場
合であっても、ダミーグレーズの位置を一定させること
ができるため、機種の異なるサーマルプリントヘッドの
製造におけるフォトリソ工程装置の標準化を図ることが
できるようになる。
【0022】なお、上記ダミーグレーズは、横方向に並
ぶヘッド領域の列の両側に2箇所設け、この2箇所のダ
ミーグレーズのグレーズコーナを基準としてフォトマス
クの位置合わせを行うようにすると、フォトマスクのθ
方向の位置合わせが正確に行えるようになり、ヒータ位
置精度がさらに向上する。
【0023】さらに、請求項6の発明のように、ヒータ
部を形成するべきフォトリソ工程において、上記ダミー
グレーズ上にヒータ位置確認パターンを形成しておけ
ば、このダミーグレーズのグレーズコーナからの反射光
ラインと上記ヒータ位置確認パターンとの比較により、
ヒータ部が要求精度内で形成されているかどうかの検査
をきわめて簡単に行えるようになる。
【0024】このように本願の各発明によれば、グレー
ズに曲率の大きいグレーズコーナを形成してこの部にヒ
ータ部を形成することによって印字性能を高めることが
できるサーマルプリントヘッドを、画一化された品質を
もって容易に製造することが可能となる。
【0025】
【実施例の説明】以下、本願発明の好ましい実施例を図
1ないし図8を参照して具体的に説明する。これらの図
において図9以下の図面と同一または同等の部材あるい
は部分には同一の符号を付してある。
【0026】なお、以下の説明は、図9に示すようなシ
リアル型サーマルプリントヘッド3において、図1に詳
示するように、部分グレーズ4の一部を傾斜状に削除し
て曲率の大きい凸状のグレーズコーナ13を設けた上
で、このグレーズコーナ13を中心とするヒータ部8を
設けるという構造をもつものの製造に本願発明を適用し
た例についての説明である。
【0027】図2に示すように、縦方向複数列(図示例
では3列)、横方向複数列(図示例では4列)の単位ヘ
ッド領域9が予定されたアルミナセラミックなどの絶縁
材料からなる材料基板10における各単位ヘッド領域9
の横方向に延びる縁9aに沿うようにして、部分グレー
ズ4が形成され、同時に、縦方向中央列に形成される各
部分グレーズ4と同一線上に並ぶようにして、材料基板
の横方向両余白部に2つのダミーグレーズ11が形成さ
れる。
【0028】上記部分グレーズ4およびダミーグレーズ
11は、同一の断面形状をもつようにして、同一の印刷
スクリーン(図示略)を用いて一括印刷・焼成によって
形成されるのであり、この時点では、部分グレーズ4お
よびダミーグレーズ11のいずれもが、図3(a) に示す
ように、断面弓形となっている。
【0029】次いで、図3(b) に示すように、傾斜研削
面14aをもつ研削ブレード14を用いるなどして、材
料基板10に対してハーフカットを施し、上記各部分グ
レーズ4およびダミーグレーズ11に、傾斜面15を加
工形成し、これにより、各グレーズ4,11の頂部付近
に、グレーズコーナ13を形成する。このグレーズコー
ナ13の位置は、図3(b) に表れているように、コーナ
加工前のグレーズ4の幅方向中心よりもやや内側に位置
するようにすることが、コーナの角度をより鋭くするこ
とになるので、後述する本願発明によるマスクアライメ
ントをより適正に行う上で都合がよい。
【0030】次いで、熱処理あるいは化学処理により、
図1(c) に示すように上記グレーズコーナ13のバリや
返りを除去してグレーズ表面を円滑化する。
【0031】上記研削ブレードによる加工は、各グレー
ズ4,11の長手方向、すなわち、材料基板の横方向に
行われるので、材料基板縦方向中央に並ぶ各部分グレー
ズ4および両端のダミーグレーズ11の上記加工後の断
面は、同一となる。
【0032】次いで、上記グレーズ4,11を含む材料
基板10表面に抵抗体層5をスパッタリング等によって
薄膜形成した後、この抵抗体層5の上記グレーズコーナ
13を挟む所定幅領域を残すようにして、共通電極パタ
ーン6および個別電極パターン7を形成する(図1参
照)。
【0033】具体的には、まず、図4(a) に示すよう
に、上記抵抗体層5に重ねるようにして導体層16をス
パッタリング等によって薄膜形成した後、いわゆるフォ
トリソ工程により、導体層16および抵抗体層5の不要
部分を除去して、図1に示すような断面形態と、図11
に示すような平面パターンをもつ共通電極パターン6お
よび個別電極パターン7を形成する。
【0034】すなわち、上記抵抗体層5上に重ね形成さ
れる導体層16上に塗布したフォトレジスト(図示略)
に対してフォトマスク(図示略)を用いたフォトリソ工
程によってパターン抜きを行い、こうして露出させられ
た所定パターンの導体層をエッチングにより除去するの
である。
【0035】上記のようにして導体層膜が除去された部
分、換言すると、グレーズ断面において、上記共通電極
パターン6と個別電極パターン7とによって挟まれた、
グレーズコーナ13において露出させられる抵抗体層部
分がヒータ部8として機能することになるが(図1参
照)、上記したことから、このヒータ部8の位置精度
は、上記フォトマスクの位置調整(マスクアライメン
ト)の精度に依存することになる。
【0036】本願発明においては、図4(a),(b) に示す
ように、基板上に配置した光源17から基板10に当て
た光の上記グレーズコーナ13からの反射光ライン18
を基準として上記フォトマスクの位置決めを行うように
している。
【0037】具体的には、上記フォトマスクにたとえば
図5(a),(b) に示すようなアライメントマーク19を形
成しておき、図5(c) に示すように、上記反射光ライン
18が上記アライメントマーク19と一致するようにし
てフォトマスクの位置決めを行う。なお、グレーズコー
ナ13の曲率が大きい場合には、上記反射光ライン18
は細い線状となり、この反射光ラインそのものを上記ア
ライメントマーク19と一致させればよいが、上記グレ
ーズコーナの曲率が小さい場合、すなわち、グレーズコ
ーナのラウンド形状が緩やかな場合は、上記反射光ライ
ン18は所定の幅をもったものとなる。この場合には、
この幅をもった反射光ラインの明暗の境界ライン18a
に上記アライメントマーク19を合わせるようにすれば
よい。
【0038】図4に示すように上記光源17を基板に対
して斜め上方に設ける場合は、上記反射光ライン18は
グレーズコーナ13の頂部からやや光源方向にずれて現
れるが、この場合には、そのずれ量に見合った補正を行
うか、このずれ量に応じた位置にアライメントマーク1
9を形成しておけばよい。また、図6(a),(b) に示すよ
うに上記光源17を基板上方に設ける場合は、上記反射
光ライン18はやや幅方向に拡がるが、この場合は、反
射光ラインの明暗境界線18aを基準として上記マスク
アライメントを行えばよい。なお、この場合の反射光ラ
イン18をできるだけ細幅化するために、部分グレーズ
4の表面曲率半径を2000μm以下としておくことが
好ましい。
【0039】上記のようなマスクアライメントは、いず
れかのヘッド領域の部分グレーズ4におけるグレーズコ
ーナ13からの反射光ライン18を基準として行っても
よいが、図2に示したように、材料基板の余白部にダミ
ーグレーズ11を設け、このダミーグレーズ11のグレ
ーズコーナ13からの反射光ラインを基準として行うよ
うにすると、機種の違いによって各単位ヘッド領域の大
きさが異なる場合でも、ダミーグレーズ11をほぼ一定
の位置に形成することができ、マスクアライメント装置
を標準化することができるので好都合である。
【0040】また、上記ダミーグレーズ11を設ける場
合、図2に示すように、2箇所設け、この2箇所のダミ
ーグレーズ11のグレーズコーナ13からの反射光ライ
ン18を基準として上記のマスクアライメントを行うよ
うにすると、フォトマスクのθ方向の位置をも正確に設
定することができるので好都合である。
【0041】さらに、本実施例においては、上記のフォ
トリソ工程において各グレーズ4のグレーズコーナ13
にヒータ部8を形成するに際し、上記ダミーグレーズ1
1のグレーズコーナ13に、たとえば、図7(a),(b),
(c),(d) に示すようなヒータ位置ずれ確認パターン20
を形成する。すなわち、具体的には、図7(a),(b),(c),
(d) に示すようなパターンをダミーグレーズ13上に導
体層16に対するエッチングによって形成する。このヒ
ータ位置ずれ確認パターン20は、ヒータ部の形成に際
してフォトマスクにヒータ部のパターンとともに形成し
ておくのであるから、各グレーズ4上に形成されるヒー
タ部8の平面的な位置と一定の関係にある。
【0042】図7(a),(b),(c),(d) のヒータ位置ずれ確
認パターン20は、いずれも、ヒータ部8の幅方向中心
が位置するべき幅方向範囲を表示しており、したがっ
て、上記ヒータ部8の形成後、ヒータ部8の形成時と同
様の光を当てた場合の反射光ライン18が図7に示すよ
うに位置しておれば、上記ヒータ部8はグレーズ幅方向
の所定の範囲内に形成されていることになる。このよう
なヒータ位置確認パターン20を形成するようにする
と、ヒータ位置が所定の精度内で適正に形成されている
かどかの検査をきわめて簡便に行うことができる。
【0043】上記のようなヒータ部8の形成を終えた材
料基板10には、駆動ICを搭載する場合にはそのため
の領域、および、端子部分を除いて保護ガラスコーティ
ングあるいはスパッタリング、またはCVD等による保
護層の成膜21が施され、最終的に基板分割されて図1
に示すようなサーマルプリントヘッド3が得られる。
【0044】図8は、いわゆる全面グレーズ4’を有す
るサーマルプリントヘッド3において、全面グレーズ
4’の縁部に傾斜面15を加工形成してグレーズコーナ
13’を形成し、このグレーズコーナ13’にヒータ部
8を形成した場合の構造例である。このような場合にお
いても、基板10に光を当てると上記グレーズコーナ1
3’からの細幅の反射光ライン得ることができるので、
これを基準として、ヒータ部形成のためのマスクアライ
メントを行うことができる。
【0045】以上から明らかなように、本願発明によっ
て製造されるサーマルプリントヘッドは、グレーズ4に
グレーズコーナ13を加工によって設け、このグレーズ
コーナにヒータ部8を形成するにあたり、グレーズコー
ナ13を基準として都合よくヒータ部を形成することが
できるので、グレーズの形成時で生じる誤差、グレーズ
コーナの加工形成時に生じる誤差の影響がヒータ部の形
成のためのマスクアライメントの精度に影響を及ぼさな
い。したがって、グレーズコーナ13に対してきわめて
位置精度よくヒータ部8を形成することができる。その
結果、記録紙に対する圧力集中を高め、印字時における
記録紙からのインクリボンの最適な剥がれ挙動を達成し
て、表面凹凸の大きいラフ紙に対しても高度な品質をも
って印字を行うことが可能な高性能なサーマルプリント
ヘッドを、性能の画一性をもって簡便に製造することが
できるようになる。
【0046】もちろん、この発明の範囲は上述の実施例
に限定されることはない。図に示した実施例は、シリア
ル型サーマルプリントヘッドの製造に本願発明を適用し
た例であるが、ライン型サーマルプリントヘッドの製造
にも同様に本願発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明方法によって製造されるサーマルプリ
ントヘッドの一例の要部断面図である。
【図2】本願発明方法において、各ヘッド領域に部分グ
レーズを形成すると同時にダミーグレーズを形成した状
態を示す材料基板の平面図である。
【図3】上記部分グレーズおよびダミーグレーズにグレ
ーズコーナを形成する工程を示す説明図であり、図2の
III −III 線断面に相当する図である。
【図4】部分グレーズにフォトリソ工程によってヒータ
部を形成するにあたり、基板に斜め方向から当てた光が
グレーズコーナにおいて反射光ラインを形成している様
子の説明図である。
【図5】(a) および(b) は、図4に示されるような反射
光ラインに合わせてフォトマスクアライメントを行うべ
く、フォトマスクに形成されるアライメントマークの一
例の説明図であり、(c) は、(a) のアライメントマーク
をダミーグレーズのグレーズコーナに現れる反射光ライ
ンに合わせている様子の説明図である。
【図6】部分グレーズにフォトリソ工程によってヒータ
部を形成するにあたり、基板に上方から当てた光がグレ
ーズコーナにおいて反射光ラインを形成している様子の
説明図である。
【図7】フォトリソ工程によって各部分グレーズのグレ
ーズコーナにヒータ部をパターニング形成すると同時
に、ダミーグレーズ上に形成されるヒータ位置確認パタ
ーンの説明図である。
【図8】本願発明方法によって製造されるサーマルプリ
ントヘッドの他の例の要部断面図である。
【図9】本願発明方法によって製造されるサーマルプリ
ントヘッドの形態例を示す斜視図である。
【図10】図9に示される形態のサーマルプリントヘッ
ドの従来構造の要部断面図である。
【図11】部分グレーズを含むヘッド基板上にパターニ
ング形成されるべき共通電極パターンと個別電極パター
ンの例の平面図である。
【図12】従来方法において、各ヘッド領域に部分グレ
ーズを形成すると同時にアライメントグレーズを形成し
た状態を示す材料基板の平面図である。
【図13】従来方法において、上記アライメントグレー
ズと協働してフォトマスクのアライメントを行うべくフ
ォトマスクに形成されるアライメントマークの一例の説
明図である。
【符号の説明】 1 ヘッド基板 4 部分グレーズ 5 抵抗体層 6 共通電極パターン 7 個別電極パターン 8 ヒータ部 9 単位ヘッド領域 10 材料基板 11 アライメントグレーズ 13 グレーズコーナ 16 導体層 17 光源 18 反射光ライン 18a 反射光の明暗境界ライン 19 アライメントマーク 20 ヒータ位置ずれ確認パターン
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−244861(JP,A) 特開 平4−246551(JP,A) 特開 昭63−297068(JP,A) 特開 平4−239656(JP,A) 特開 平3−227660(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41J 2/335

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成したグレーズに曲率の大き
    いグレーズコーナを設け、このグレーズコーナにフォト
    リソ工程によってヒータ部を形成する場合において、 上記フォトリソ工程におけるマスクアライメントを、上
    記グレーズコーナからの反射光ラインまたは反射光の明
    暗境界ラインを基準として行うことを特徴とする、サー
    マルプリントヘッドの製造方法。
  2. 【請求項2】 縦方向に複数列、横方向に複数列の単位
    ヘッド領域を有する材料基板を用い、各ヘッド領域の縦
    方向縁部にそれぞれ横方向に同一線上に延びる縁部を有
    するグレーズを印刷・焼成によって一括形成するととも
    に、横方向に並ぶ各ヘッド領域上の各グレーズに、横方
    向同一線上に延びる稜線をもつグレーズコーナを形成
    し、各グレーズのグレーズコーナにフォトリソ工程によ
    ってヒータ部を形成する場合において、 上記フォトリソ工程におけるマスクアライメントを、上
    記グレーズコーナからの反射光ラインまたは反射光の明
    暗境界ラインを基準として行うことを特徴とする、サー
    マルプリントヘッドの製造方法。
  3. 【請求項3】 縦方向に複数列、横方向に複数列の単位
    ヘッド領域を有する材料基板を用い、各ヘッド領域の縦
    方向縁部にそれぞれ横方向に同一線上に延びる部分グレ
    ーズを印刷・焼成によって一括形成するとともに、横方
    向に並ぶ各ヘッド領域上の各部分グレーズに、横方向同
    一線上に延びる稜線をもつグレーズコーナを形成し、各
    グレーズのグレーズコーナにフォトリソ工程によってヒ
    ータ部を形成する場合において、 上記フォトリソ工程におけるマスクアライメントを、上
    記グレーズコーナからの反射光ラインまたは反射光の明
    暗境界ラインを基準として行うことを特徴とする、サー
    マルプリントヘッドの製造方法。
  4. 【請求項4】 縦方向に複数列、横方向に複数列の単位
    ヘッド領域を有する材料基板を用い、各ヘッド領域の縦
    方向縁部にそれぞれ横方向に同一線上に延びる縁部を有
    するグレーズを印刷・焼成によって一括形成するととも
    に、これと同時に、いずれかの横方向に並ぶグレーズの
    列の延長線上に少なくとも一つのダミーグレーズを形成
    し、横方向に並ぶ各ヘッド領域上の各グレーズに、横方
    向同一線上に延びる稜線をもつグレーズコーナを形成す
    るとともに、上記ダミーグレーズにも上記グレーズのグ
    レーズコーナと同一線上に延びる稜線をもつグレーズコ
    ーナを形成しておき、 各グレーズのグレーズコーナにフォトリソ工程によって
    ヒータ部を形成する場合において、 上記フォトリソ工程におけるマスクアライメントを、上
    記ダミーグレーズのグレーズコーナからの反射光ライン
    または反射光の明暗境界ラインを基準として行うことを
    特徴とする、サーマルプリントヘッドの製造方法。
  5. 【請求項5】 縦方向に複数列、横方向に複数列の単位
    ヘッド領域を有する材料基板を用い、各ヘッド領域の縦
    方向縁部にそれぞれ横方向に同一線上に延びる部分グレ
    ーズを印刷・焼成によって一括形成するとともに、これ
    と同時に、いずれかの横方向に並ぶ部分グレーズの列の
    延長線上に少なくとも一つのダミーグレーズを上記各部
    分グレーズと同一断面形態において形成し、横方向に並
    ぶ各ヘッド領域上の各グレーズに、横方向同一線上に延
    びる稜線をもつグレーズコーナを形成するとともに、上
    記ダミーグレーズにも上記部分グレーズのグレーズコー
    ナと同一線上に延びる稜線をもつグレーズコーナを形成
    しておき、 各グレーズのグレーズコーナにフォトリソ工程によって
    ヒータ部を形成する場合において、 上記フォトリソ工程におけるマスクアライメントを、上
    記ダミーグレーズのグレーズコーナからの反射光ライン
    または反射光の明暗境界ラインを基準として行うことを
    特徴とする、サーマルプリントヘッドの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項4または5の方法において、各グ
    レーズのグレーズコーナにフォトリソ工程によってヒー
    タ部を形成するに際し、これと同時に、上記ダミーグレ
    ーズにはヒータ位置ずれ確認パターンを形成しておき、
    上記ダミーグレーズのグレーズコーナからの反射光ライ
    ンまたは反射光の明暗境界ラインと上記ヒータ位置ずれ
    確認パターンとの関係により、各グレーズに形成された
    ヒータ部の位置ずれの確認をすることができるようにし
    たことをと特徴とする、サーマルプリントヘッドの製造
    方法。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれかの方法によ
    って製造されたサーマルプリントヘッド。
JP29227593A 1993-11-22 1993-11-22 サーマルプリントヘッドの製造方法 Expired - Fee Related JP2932339B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29227593A JP2932339B2 (ja) 1993-11-22 1993-11-22 サーマルプリントヘッドの製造方法
US08/345,705 US5514524A (en) 1993-11-22 1994-11-21 Method of making thermal printhead
EP94308607A EP0654354B1 (en) 1993-11-22 1994-11-22 Method of making thermal printhead
DE69416940T DE69416940T2 (de) 1993-11-22 1994-11-22 Verfahren zum Herstellen eines Wärmedruckkopfes
KR1019940031124A KR100313476B1 (ko) 1993-11-22 1994-11-22 서멀프린트헤드(thermalprinthead)의제조방법

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29227593A JP2932339B2 (ja) 1993-11-22 1993-11-22 サーマルプリントヘッドの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07144423A JPH07144423A (ja) 1995-06-06
JP2932339B2 true JP2932339B2 (ja) 1999-08-09

Family

ID=17779648

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29227593A Expired - Fee Related JP2932339B2 (ja) 1993-11-22 1993-11-22 サーマルプリントヘッドの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2932339B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07144423A (ja) 1995-06-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR20080045644A (ko) 써멀 헤드 및 써멀 헤드의 제조 방법
JP4112432B2 (ja) 液晶表示素子のパターン形成方法
KR100313476B1 (ko) 서멀프린트헤드(thermalprinthead)의제조방법
JP2932339B2 (ja) サーマルプリントヘッドの製造方法
JP2976086B2 (ja) サーマルプリントヘッドの製造方法
US4683646A (en) Thermal head method of manufacturing
JP2815787B2 (ja) サーマルヘッド
JP2586008B2 (ja) サーマルヘッドの製造方法
US6753893B1 (en) Thermal head and method for manufacturing the same
JPS6212618Y2 (ja)
JP2813095B2 (ja) サーマルヘッドの製造方法および絶縁性基板
JPH0560584B2 (ja)
JP3470824B2 (ja) サーマルプリントヘッド
JP3172789B2 (ja) サーマルプリントヘッドの製造方法
JP3261145B2 (ja) サーマルヘッドの製造方法
JP2843169B2 (ja) サーマルヘッド及びサーマルプリンタ
JPH0351160Y2 (ja)
JPH05124237A (ja) サーマルプリントヘツド
JP2021173921A (ja) サーマルプリントヘッド及びその製造方法並びにサーマルプリンタ
JP2809892B2 (ja) 大面積回路基板のレジストパターン形成方法
JP2863283B2 (ja) サーマルヘッド及びその製造方法
JPH0159113B2 (ja)
JPH0447952A (ja) サーマルヘッド
JPH05138912A (ja) サーマルヘツドとその製造方法
JPS6021263A (ja) 端面型サ−マルヘッド用基板

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090528

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 10

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090528

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 11

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100528

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110528

Year of fee payment: 12

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees