JP2932059B2 - 太陽電池 - Google Patents

太陽電池

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JP2932059B2
JP2932059B2 JP8096388A JP9638896A JP2932059B2 JP 2932059 B2 JP2932059 B2 JP 2932059B2 JP 8096388 A JP8096388 A JP 8096388A JP 9638896 A JP9638896 A JP 9638896A JP 2932059 B2 JP2932059 B2 JP 2932059B2
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸収する光の波長
域の広い多重量子井戸構造の太陽電池に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】出力電流の増加を目的とした太陽電池構
造にはジャーナル オブ アプライドフィジックス 67
巻 3490ページ (1990年)に記載の太陽電池構
造がある。この太陽電池は、図4に示すようにp型半導
体層1とn型半導体層2とで形成される半導体pn接合
領域の間に、中間層としてi型半導体領域3を導入した
構造を有し、このi型半導体領域3を多重量子井戸(Mul
tiple Quantum Wells:MQW)としたものである。この
構造は近年提案され、MQW太陽電池として知られてい
る。i型半導体領域3のMQW構造は、pn接合を形成
するp型半導体層1及びn型半導体層2の半導体材料と
同一の半導体材料4を障壁層とし、半導体材料4より狭
い禁制帯幅を持つ半導体材料5を井戸層として、それら
障壁相と井戸層を周期的に積層することにより形成され
る。図5は上記素子構造におけるエネルギーバンドの一
例を示すもので、Ecは伝導帯の底を、Evは価電子帯
の頂上を表す。量子井戸構造においては、狭いポテンシ
ャル井戸内にキャリアが閉じ込められるため、層に対し
垂直方向のキャリアの動きが量子化される。よって、状
態密度が階段状になり、井戸内に離散的なエネルギー準
位列ができる。量子井戸における光の吸収端は井戸層5
の材料の禁制帯幅で決まるのではなく、伝導帯と価電子
帯に形成される量子準位間のエネルギー差により決定さ
れる。このような素子構造にすることで、pn接合を形
成する半導体の吸収端よりも長波長側の光まで吸収する
ことができるようになるため、分光感度特性が改善され
高出力電流の太陽電池が得られるようになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記図4に記載した太
陽電池は、中間層としてMQWを導入した素子構造によ
り、長波長側の光をキャリア励起に寄与させることが可
能となる。しかし、井戸内で励起されたキャリアあるい
は井戸内に到達したキャリアが出力に寄与するには、井
戸からの脱出という過程が必要となる。この過程が井戸
内でのキャリアの再結合過程より十分速い時間で行なわ
れなければ、再結合して消滅してしまうキャリアの割合
が増大するため、かえって出力の低下をもたらす。ここ
でキャリアが井戸から脱出する時定数をτe、再結合す
る時定数をτrとすると、MQW太陽電池においてキャ
リアが効率良く出力として取り出されるためには、脱出
の時定数が再結合の時定数より小さい(τe<τr)とい
う条件が満たされなければならない。
【0004】MQW太陽電池は、これまでの薄膜積層技
術の蓄積から主にヒ化ガリウムGaAs等の化合物半導
体を用いて作製されているが、これらは主に直接遷移型
の半導体材料である。図6に直接遷移型半導体における
エネルギーバンド構造の概略図を示した。これはシュレ
ディンガーの波動方程式から導かれるエネルギー・波数
(E−k)図である。図の例では伝導帯の底はk=0で
あるΓ点にあり、第2、第3のエネルギー極小値はそれ
ぞれkが異なるL、X点にある。一方、価電子帯の頂上
はΓ点にあり、その禁制帯幅はΓ点における伝導帯と価
電子帯それぞれのエネルギーの差Egで決定される。こ
のようにΓ点に伝導帯の底と価電子帯の頂とがあるバン
ド構造を持つ半導体は、価電子帯から伝導帯へのキャリ
ア励起に運動量の変化を伴わないため、直接遷移型と呼
ばれ、吸収係数が大きいことを特徴とする。しかし、同
時に吸収と全く逆の過程である再結合も起こりやすく、
再結合の時定数τrは短い。さらに、タイプIの超格子
を導入した従来のMQW太陽電池構造においては、図5
に示すように電子と正孔が同じ空間領域に閉じ込められ
ているため、再結合の確率はさらに高くなる。これまで
にMQW太陽電池において、再結合を示す井戸からの発
光が実験的にも観測されており、再結合損失が大きいこ
とが明らかになっている。
【0005】然るに、本発明の目的は上記課題を解決す
るため、井戸内でのキャリアの再結合確率が低く、高い
光電変換効率のMQW太陽電池の最適構造を提案するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、第1の半導体材料から形成されたp型領域と
n型領域と、p型領域とn型領域間に挟まれた低不純濃
度領域からなり、この低不純濃度領域が第1の半導体材
料からなる層と、第1の半導体材料よりも狭い禁制帯幅
を有する第2の半導体材料からなる層とを交互に積層し
た井戸構造である太陽電池において、シュレディンガー
の波動方程式から導かれエネルギー・波数(E−k)で
示される第2の半導体材料のエネルギーバンド構造にお
ける伝導帯の第1のエネルギー極小値が該伝導帯の第2
のエネルギー極小値より高くなるように第2の半導体材
料からなる層を薄く形成したことを特徴とする第1の太
陽電池構造を提案するものである。
【0007】また上記目的を達成するため、第1の半導
体材料から形成されたp型領域およびn型領域と、p型
領域とn型領域間に挟まれた低不純濃度領域からなり、
この低不純濃度領域が第1の半導体材料からなる層と、
第1の半導体材料よりも狭い禁制帯幅を有する第2の半
導体材料からなる層とを交互に積層した井戸構造である
太陽電池であって、シュレディンガーの波動方程式から
導かれエネルギー・波数(E−k)で示される第2の半
導体材料のエネルギーバンド構造における伝導帯の第1
のエネルギー極小値が、この伝導帯の第2のエネルギー
極小値以下で、かつ伝導帯の第2のエネルギー極小値と
のエネルギー差が室温での熱エネルギー(kT=26m
eV、T=300K)の4倍以内まで高くなるように第
2の半導体材料からなる層を薄く形成したことを特徴と
する第2の太陽電池を提案するものである。
【0008】第1、第2の太陽電池においては、第1の
半導体材料は、周期律表の第III族の元素と第V族の元
素とからなる化合物半導体であって、第1の半導体材料
はAl0.2Ga0.8Sbで、第2の半導体材料はGaSb
とするか、あるいは第1の半導体材料はAlAsとし、
第2の半導体材料はGaAsとする。
【0009】ところで、MQW領域の井戸層の厚さを薄
くすることにより井戸内の量子準位のエネルギーを高く
することができる。このとき第1の極小点より他の極小
点でも量子化の効果は現われるが、キャリアの有効質量
の違いにより第1の極小点での増大の割合は他の極小点
よりはるかに大きい。よって、それを第2の極小点にお
けるエネルギー極小値よりも高くする、あるいは近付け
ることができる。この量子準位のエネルギーはシュレデ
ィンガー方程式を解くことにより、材料の物性値さえわ
かっていれば精密に設定できる。
【0010】本発明により実現されるエネルギーバンド
構造およびMQW部分の概略図を図1に示す。図に示し
たように光の吸収端を決定する井戸内の量子準位(Γ
点)が井戸を形成する材料の他のエネルギー極小値(L
点あるいはX点)よりも高くなるように設定することに
より、量子井戸におけるキャリアの再結合がΓ点におい
てのみ起こる運動量変化の伴わない直接遷移型から、伝
導帯のL点あるいはX点から価電子帯のΓ点へ遷移する
運動量変化のともなう間接遷移型へと変化する。
【0011】これはバンド交差効果として知られてい
る。ジャパニーズ ジャーナル オブアプライド フィジ
ックス 24巻 L101ページ (1990年)によれ
ば、MQWにおける井戸層の厚さを薄くして量子準位の
エネルギーを高くしていくと、あるエネルギー値でバン
ド交差効果が起こり、室温における量子井戸内での発光
強度が大幅に低下したと報告されている。つまり井戸内
での再結合過程における間接遷移型の寄与が大きくな
り、実効的なキャリアの再結合の時定数τrが長くなっ
たということである。この臨界値付近での吸収係数の大
幅な低下はなく、本構造をMQW太陽電池内に導入すれ
ば、τrが長くなる効果により多くの励起キャリアが井
戸から脱出し、出力に寄与することが可能となる。ま
た、有限温度においてはキャリアは確率的に高エネルギ
ーまで分布することが知られている。特に太陽電池の動
作点は室温(約300K)以上であるため、キャリアの
エネルギー分布範囲は広い。そこで、量子準位のエネル
ギーが、L極小点あるいはX極小点を超えない場合でも
その差が室温での熱エネルギー(kT=26meV、T
=300K)の4倍以内であれば、量子井戸内のキャリ
アはポテンシャルの山を超え、L極小点あるいはX極小
点へと到達することが確率的に可能となり、バンド交差
の効果が得られる。ここで4倍としたのは、5倍以上と
した場合には他のエネルギー極小点以上のエネルギーに
分布するキャリアの割合が1%未満になり、本発明の効
果を得ることが困難になるからである。
【0012】実際の太陽電池の動作点はMQWに電界が
ほとんど印加されていない状態に近いが、本発明の太陽
電池構造はこのような状況でも再結合確率が低くなるた
め、飽和電流密度の増大を防ぐことができ、出力電圧の
低下も抑制できる。量子準位を高く設定するために井戸
層を薄くしなければならないので、一層当たりの光の吸
収量は低くなる。これに対しては層の数を多くして総膜
厚が大きくなるように設定すれば良い。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施
例に基づいて説明する。 〔実施例1〕本発明の太陽電池は、基本的には図4に示
すように、半導体のp型領域1とn型領域2に挟まれた
領域に低不純物濃度領域3を有し、低不純物濃度領域が
p型領域1およびn型領域2を形成する半導体材料と同
一の半導体材料4(第1の半導体材料)と、半導体材料
4よりも狭い禁制帯幅を有する半導体材料5(第2の半
導体材料)とを交互に積層した量子井戸構造である多重
量子井戸太陽電池であって、さらに図1に示すように第
2の半導体材料である狭い禁制帯幅を有する材料の伝導
帯に形成される量子準位のエネルギーが、その材料の伝
導帯における他のエネルギー極小値よりも高くなってい
ることを特徴とする。
【0014】以下、太陽電池としての素子構造を具体的
に説明する。実施例1の素子構造の作製は、量子井戸構
造を数十オングストロームという膜厚精度で作製しなく
てはならないため、分子線エピタキシー(MBE)法や
有機金属化学気相成長(MOCVD)法等の手法が適し
ている。これらの作製法では、蒸着源セルの温度や原料
ガスの供給量および原料ビームのシヤッター制御によ
り、多重量子井戸(MQW)構造を容易に形成すること
ができる。また、用いる半導体材料の組み合わせは、良
好な結晶成長を行うために、格子定数が比較的近い材料
を用いることが必要である。
【0015】ここではMBE法による作製の一例とし
て、伝導帯におけるΓ極小点とL極小点が100meV
程度しか離れておらず、バンド交差効果の得やすいガリ
ウムアンチモン(GaSb)を、井戸層を形成する狭禁制
帯幅材料4として用い、一方、p型半導体層1、n型半
導体層2および低不純物濃度の障壁層としてアルミニウ
ムの混晶比xによってそのバンドギャップを容易に変化
させることが可能なアルミニウム・ガリウム・アンチモン
(AlxGa1-xSb)5を用いた例について記述する。こ
れらの材料は直接遷移型で、お互いに格子整合が良い組
み合わせである。
【0016】図2に示すように、半導体基板としては、
周期律表の第III族のGaと第V族のSbとからなる化合
物半導体で、n型高ドープのGaSb(001)基板8を
用いる。(1)基板8上にまずバッファー層9として珪素
Si(VI価)を高ドープしたn型GaSb層を1μm程度
成長し、(2)続いて同様に、Siをドープし不純物濃度
が2×1017/cm3のAl0.2Ga0.8Sbからなるn
型半導体層2を2μm成長し、(3)次に不純物ドープは
行なわずAl0.2Ga0.8Sb層を30nm成長する。
(4)この後、井戸層4であるGaSbを30nmとし、
(5)障壁層5であるAl0.2Ga0.8Sbを30nmとし
て成長し、(4)、(5)を繰り返してMQW層を作製する。
これはAlのシャッターの開閉を所定の時間で周期分繰
り返すだけでよい。ここでは井戸層(GaSb)での吸収
を大きくするため周期を100とする。(6)最後に、ベ
リリウムBe(II価)をドープした不純物濃度が4×10
18/cm3のAl0.2Ga0.8Sbからなるp型半導体層
1を0.5μm成長する。このようにして作製したMQ
W太陽電池において、井戸層を形成する材料であるGa
Sb層のΓ極小点における量子準位6は、伝導帯の底か
ら約100meV高い値に形成され、GaSbにおける
L極小点のエネルギー値7とほぼ等しくなる。よって、
再結合過程におけるL極小点の寄与が増大し、井戸層4
内での再結合時定数τrが長く損失の少ない高効率のM
QW太陽電池が得られる。
【0017】〔実施例2〕実施例2として、アルミニウ
ム・ヒ素(AlAs)を障壁層とし、ガリウム・ヒ素
(GaAs)を井戸層として用いた組み合わせについて
記述する。作製法は実施例1と同様にMBE法を用い
る。これらはお互いに格子整合しており、良好な結晶成
長が可能である。ここで井戸層4を形成する狭禁制帯幅
材料として用いるGaAsは伝導帯においてΓ極小点と
L極小点が約300meV程度離れている。しかしなが
ら、有限温度においてはキャリアは確率的に高エネルギ
ーまで分布するため、Γ極小点における量子準位のエネ
ルギーとL極小点との差が室温での熱エネルギー(kT
=26meV:T=300K)の4倍以内であれば、量
子井戸内のキャリアはポテンシャルの山を超えL極小点
へと到達することが確率的に可能となり、バンド交差の
効果が得られる。量子井戸内の電子のエネルギー分布が
ボルツマン関数に従うと仮定すると、AlAsとGaA
sとの組み合わせにおいて井戸層であるGaAs層の厚
さを5nmとすれば、井戸層に形成される量子準位のエ
ネルギーは230meVとなり、GaAsの伝導帯のL
極小点のエネルギーから約70meV低い位置に形成さ
れるため上記条件を十分満たし、本発明の効果を得るこ
とが可能となる。
【0018】〔実施例3〕この素子構造を受光素子に応
用した例について説明する。本発明の素子構造において
は広い波長範囲の光を光電変換に寄与させ、生成したキ
ャリアを損失なく電流として取り出せることが可能とな
る。よって、受光素子に応用した場合には入力光信号に
対する動作波長範囲を赤外領域まで任意に広げることが
できる。また、光生成キャリアの損失が低いので、微弱
な光信号に対しても反応する高感度の素子が得られる。
実際に受光素子として用いるには、pn接合間に逆バイ
アスを印加し低不純物濃度のMQW領域の電界を高め、
光信号に対し、生成キャリアを高速で応答させる方法お
よびなだれ増倍効果により信号を増幅する方法を用いる
のが良いが、素子自体が非常に高感度であるため従来例
に比べて高いバイアス電界を印加する必要はなく、低消
費電力の素子を実現することができる。
【0019】〔実施例4〕本実施例においては、本発明
の素子構造を有する受光素子を光通信装置の受光部とし
て用いた場合について図3を用いて説明する。光通信装
置は大きく分けて、送信部11、伝達部12、受信部1
3から形成される。送信部11では入力電気信号を駆動
回路14により取り入れ、LEDあるいはレーザー素子1
5によって光信号に変換する。変換された光信号は光フ
ァイバー12等によって目的地まで伝達された後、受光
部13では受光素子16によって光信号として検出さ
れ、それから増幅器17および信号復元器18を介して
再び電気信号に変換される。このような光通信装置の受
光部13に本発明の受光素子16を用いた場合には、従
来技術に比べ高感度、低消費電力の光通信装置を実現す
ることができる。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、太陽電池は、半導体の
p型領域とn型領域に挟まれた領域に低不純物濃度領域
を、p型およびn型領域を形成する第1の半導体材料
と、第1の半導体体材料それよりも狭い禁制帯幅を有す
る第2の半導体材料とを交互に積層した量子井戸構造と
し、井戸層内の伝導帯における井戸内の量子準位のエネ
ルギーが、井戸層を形成する第2の半導体材料の第2の
エネルギー極小値より高くするように薄い層として構成
したので、また、低い場合でもそのエネルギー差を室温
での熱エネルギー値の4倍以内に設定することで、バン
ド交差の効果が得られ、再結合確率を低下させることが
できる。それにより、高い光電変換効率を有する太陽電
池が得られるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるMQW太陽電池の井戸層内に形成
されるエネルギーバンド構造の概略図である。
【図2】本発明の一実施例1の太陽電池の素子構造であ
る。
【図3】本発明による太陽電池を受光素子として備えた
通信装置を示す図である。
【図4】多重量子井戸(MQW)太陽電池の素子構造を
示す図である。
【図5】MQW太陽電池におけるエネルギーバンド図で
ある。
【図6】直接遷移半導体のエネルギーバンド構造(E−
k)の概略図である。
【符号の説明】
1 半導体のp型領域 2 半導体のn型領域 3 低不純物濃度領域 4 p及びn型領域、障壁層を構成する第1の半導体材
料 5 狭い禁制帯幅を有する第2の半導体材料 6 伝導帯に形成される量子準位のエネルギー 7 伝導帯における第2、第3のエネルギー極小値
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田村 克 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社 日立製作所 中央研究所内 (72)発明者 峯邑 純子 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社 日立製作所 中央研究所内 (56)参考文献 特開 昭62−112383(JP,A) 特開 平5−58795(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 31/04

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の半導体材料から形成されたp型領
    域およびn型領域と、該p型領域と該n型領域間に挟ま
    れた低不純濃度領域からなり、該低不純濃度領域が第1
    の半導体材料からなる層と、該第1の半導体材料よりも
    狭い禁制帯幅を有する第2の半導体材料からなる層とを
    交互に積層した井戸構造である太陽電池において、シュ
    レディンガーの波動方程式から導かれエネルギー・波数
    (E−k)で示される第2の半導体材料のエネルギーバ
    ンド構造における伝導帯の第1のエネルギー極小値が該
    伝導帯の第2のエネルギー極小値より高くなるように第
    2の半導体材料からなる層を薄く形成したことを特徴と
    する太陽電池。
  2. 【請求項2】 第1の半導体材料から形成されたp型領
    域およびn型領域と、該p型領域と該n型領域間に挟ま
    れた低不純濃度領域からなり、該低不純濃度領域が第1
    の半導体材料からなる層と、該第1の半導体材料よりも
    狭い禁制帯幅を有する第2の半導体材料からなる層とを
    交互に積層した井戸構造である太陽電池において、シュ
    レディンガーの波動方程式から導かれエネルギー・波数
    (E−k)で示される第2の半導体材料のエネルギーバ
    ンド構造における伝導帯の第1のエネルギー極小値が、
    該伝導帯の第2のエネルギー極小値以下で、かつ該伝導
    帯の第2のエネルギー極小値とのエネルギー差が室温で
    の熱エネルギー(kT=26meV、T=300K)の
    4倍以内まで高くなるように第2の半導体材料からなる
    層を薄く形成したことを特徴とする太陽電池。
  3. 【請求項3】 前記第1の半導体材料は周期律表の第II
    I族の元素と第V族の元素とからなる化合物半導体である
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の太陽電池。
  4. 【請求項4】 前記第1の半導体材料はAl 0 . 2 Ga 0 . 8
    bであり、前記第2の半導体材料はGaSbであること
    を特徴とする請求項1または2に記載の太陽電池。
  5. 【請求項5】 前記第1の半導体材料はAlAsであ
    り、前記第2の半導体材料はGaAsであることを特徴
    とする請求項1または2に記載の太陽電池。
  6. 【請求項6】 受光素子として用いることを特徴とする
    請求項1ないし5いずれかに記載の太陽電池。
  7. 【請求項7】 請求項第1ないし5いずれかに記載の太
    陽電池を受光素子として用いる光通信装置。
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