JP2930854B2 - ガラスクロスの表面処理方法 - Google Patents

ガラスクロスの表面処理方法

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JP2930854B2
JP2930854B2 JP6024114A JP2411494A JP2930854B2 JP 2930854 B2 JP2930854 B2 JP 2930854B2 JP 6024114 A JP6024114 A JP 6024114A JP 2411494 A JP2411494 A JP 2411494A JP 2930854 B2 JP2930854 B2 JP 2930854B2
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    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • H05K1/03Use of materials for the substrate
    • H05K1/0313Organic insulating material
    • H05K1/0353Organic insulating material consisting of two or more materials, e.g. two or more polymers, polymer + filler, + reinforcement
    • H05K1/0366Organic insulating material consisting of two or more materials, e.g. two or more polymers, polymer + filler, + reinforcement reinforced, e.g. by fibres, fabrics

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  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Surface Treatment Of Glass Fibres Or Filaments (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、積層板等の複合材料に
使用されるガラスクロスの表面処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、積層板等の複合材料に使用される
ガラスクロスは、以下のようにして製造されている。ま
ず、糸を保護するためのサイジング剤や収束剤と呼ばれ
る有機のバインダーが付与された糸を用いて製織され
る。次いで、製織されたガラスクロスから前記のバイン
ダーを除去するために、ガラスクロスは、例えば、40
0℃付近の温度で数十時間加熱される。(ヒートクリー
ニング処理とよばれている。)次に、バインダーが除去
されたガラスクロスにはカップリング剤処理が施され
る。このカップリング剤処理は複合材料とする際のガラ
スクロスと樹脂との濡れ性や密着性等を確保するために
行なわれるものであって、その方法としては、カップリ
ング剤を有機溶剤等で希釈した溶液に、バインダーが除
去されたガラスクロスを浸漬する方法で行なわれるのが
一般的である。また、カップリング剤としては有機シラ
ンの一種であるシランカップリング剤が一般的に使用さ
れている。このようにしてカップリング剤で表面処理さ
れたガラスクロスは積層板等の複合材料に使用される。
例えば、銅張り積層板は、この表面処理されたガラスク
ロスに樹脂を含浸させてプリプレグとし、このプリプレ
グを複数枚積層し、さらにその両面あるいは片面に銅箔
を積層し、プレス成形することにより製造される。
【0003】上記の従来のガラスクロスの表面処理方法
における、バインダー除去工程は、ガラスクロスの樹脂
に対する密着性に影響を及ぼす重要な工程である。つま
り、サイジング剤や収束剤と呼ばれる有機のバインダー
を完全に除去できないとカップリング剤が均一に塗布で
きないため、複合材料とする際に樹脂との濡れ性が低下
し、その結果、密着性の低下やボイドの発生につなが
る。また、バインダー除去工程で炭素が残留すると、絶
縁性の低下という問題を生じる。
【0004】従来、バインダー除去工程では、上述のよ
うに、製織されたガラスクロスを400℃付近の温度で
数十時間加熱するヒートクリーニング処理が行なわれて
おり、また、この加熱時間短縮のために連続的に予備焼
きを行なう工程を組み合わせることも行なわれている。
しかし、この方法では長時間の熱処理を行なうため、エ
ネルギー消費量が多く、生産性が悪いという問題があっ
た。
【0005】上記の問題を改善する方法が種々検討され
ている。例えば、特開昭64−1733号、特開昭64
−1734号、特開昭64−1735号にはガラスクロ
スを減圧下でプラズマ処理する方法を単独あるいはヒー
トクリーニング処理とく組み合わせて行なうことによ
り、バインダーを除去する方法が開示され、また、特開
昭62−111493号にはヒートクリーニング処理を
終えたガラスクロスを減圧下でプラズマ処理する方法が
提示されている。しかし、これらの方法では減圧下でプ
ラズマ処理を行なうため、減圧にすることに伴う大がか
りな設備が必要となり、また生産性も低いという問題が
あり、実用化に至っていないのが現状である。
【0006】一方、近年の電子機器の小型、高性能化に
伴い、使用されるプリント配線板の多層化、高密度化が
進んでいる。そして、使用されるプリント配線板の特性
向上や信頼性向上への要求はますます増大している。中
でも、高密度化の進展に伴い、スルホール間や内層導体
とスルホール間が狭小化し、そのため絶縁特性が低下す
るという新たな現象が生じており、このことはプリント
配線板の信頼性確保にとって重大な問題となってきてい
る。この絶縁特性が低下する原因の一つとして、導体間
に発生する銅マイグレーションの影響が大きいと言われ
ている。銅マイグレーションは、高湿度環境下において
導体間に電位差が生じている場合に、導体である銅が陽
極側から溶け出して析出し、絶縁部分を通り、陰極側と
導通する現象である。この現象は、その発生場所から、
導体間にあるレジスト層や接着剤層に発生するデンドラ
イトとスルホール間または内層導体とスルホール間にあ
るガラス繊維と樹脂の界面に発生するCAF(コンダク
ティブ・アノディック・フィラメンツ)に分けられる。
特に、CAFの発生は、プリント配線板の絶縁信頼性に
直接影響する重要な問題である。CAFの発生原因の一
つとして、ガラス繊維と樹脂との濡れ性あるいは密着性
の不足が考えられる。つまり、ガラス繊維と樹脂との密
着性の不足、またはドリル加工による損傷により、ガラ
ス繊維と樹脂の間に隙間が生じ、この隙間を通してCA
Fが成長すると考えられる。そのため、ヒートクリーニ
ング処理によりバインダーを除去し、その後カップリン
グ剤処理する従来のガラスクロスの表面処理法に比べ、
ガラス繊維と樹脂との密着性の改善に有効なガラスクロ
スの表面処理方法が求められている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記の事情に鑑み、本
発明が解決しようとする課題は、従来のヒートクリーニ
ング処理の後カップリング剤処理が施されてなるガラス
クロスの表面処理方法に比べ、ガラス繊維と樹脂との密
着性が改善されるガラスクロスの表面処理方法であっ
て、しかも、大がかりな設備を必要とせず、また生産性
も高い表面処理方法を開発することである。すなわち、
本発明の目的は、ガラス繊維と樹脂との密着性が高く、
耐CAF性に優れる複合材料が得られるガラスクロスの
製造に有効なガラスクロスの表面処理方法であって、か
つ、大がかりな設備を必要とせず、また生産性も高いガ
ラスクロスの表面処理方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1の発明に係るガラスクロスの表面処理方法
はバインダーを含有するガラスクロスに有機シラン処理
をするガラスクロスの表面処理方法において、常圧下で
励起された、酸化性ガス及び/またはフッ素系ガスを含
有するガスのプラズマを用いてガラスクロスにプラズマ
処理をした後、有機シラン処理をすることを特徴として
いる。
【0009】請求項2の発明に係るガラスクロスの表面
処理方法は請求項1記載のガラスクロスの表面処理方法
において、プラズマ処理の方法が酸化性ガスを含有する
ガスのプラズマを用いてプラズマ処理をした後、さら
に、フッ素系ガスを含有するガスのプラズマを用いてプ
ラズマ処理する方法であることを特徴としている。
【0010】請求項3の発明に係るガラスクロスの表面
処理方法は請求項1または請求項2記載のガラスクロス
の表面処理方法において、有機シラン処理の方法が、常
圧下で励起された、有機シランモノマーの気化ガスを含
有するガスのプラズマを用いてガラスクロスにプラズマ
処理する方法であることを特徴としている。
【0011】請求項4の発明に係るガラスクロスの表面
処理方法は請求項1、請求項2または請求項3記載のガ
ラスクロスの表面処理方法において、常圧下で励起され
たプラズマが50Hz〜13.56MHzの交流電界を
印加させて得られたプラズマであることを特徴としてい
る。
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
表面処理方法は基本的に次の二つの工程がある。第一の
工程は常圧下で励起された、酸化性ガス及び/またはフ
ッ素系ガスを含有するガスのプラズマを用いてガラスク
ロスの処理をする工程であり、第二の工程は有機シラン
処理をする工程である。また、第一の工程では、酸化性
ガスを含有するガスのプラズマを用いてプラズマ処理を
した後、さらに、フッ素系ガスを含有するガスのプラズ
マを用いてプラズマ処理することが本発明の目的である
ガラス繊維と樹脂との密着性をより高める点で好まし
い。
【0013】第一の工程は従来のヒートクリーニング処
理によるバインダー除去工程に相当するものであるが、
短時間で処理が完了し、かつ、得られるガラスクロスが
樹脂との密着性の良好なものになるという利点を持つと
いう点で格段に優れている。また、本発明では常圧下で
励起されたプラズマを用いてプラズマ処理するので連続
処理が可能であり(生産性が高い)、かつ減圧下でのプ
ラズマ処理の場合のような真空排気のための大がかりな
設備は不要であり、従って、プラズマ処理をガラス布の
表面処理に実用的に適用できるようになる。
【0014】第一の工程における、常圧下で励起された
プラズマを用いてプラズマ処理する方法を図面を参照し
て説明する。図1は本発明に使用されるプラズマ処理装
置の概略図である。図1に示すようにこのプラズマ処理
装置は開放系となっている反応槽1を備え、この槽壁に
はガス導入口7が設けられており、槽内には上部電極2
と下部電極3の2つの平板状電極が所定距離を隔てて対
面するようにして平行に設置され、電極2、3はそれぞ
れ反応槽1とは絶縁されている。下部電極3の表面に
は、固体誘電体6が置かれており、上部電極2は交流電
源5に接続され、下部電極3は接地されている。また、
反応槽1内には熱電対(図示せず)が差し込まれてお
り、反応槽1内の雰囲気温度がモニターできるようにな
っている。固体誘電体6は上部電極2の表面に設けられ
ても良いし、上部電極2と下部電極3の両電極の表面に
設置しても良い。この固体誘電体6はアーク放電の発生
を防止しグロー放電を継続して発生させる働きをする。
【0015】もちろん、ガラスクロス4は、上部電極2
と下部電極3の間に来るよう導入される。この時、ガラ
スクロス4は図1のように電極2、3間に浮かした状態
に保つことが好ましい。さらに、反応槽1の両側には、
送り用リール(図示せず)と巻き取り用リール(図示せ
ず)が設置されており、両リールをモーター等で駆動さ
せることにより、矢印方向にガラスクロスが一定速度で
送られるようになっている。ガラスクロスのプラズマ処
理時間はプラズマゾーン11を通過する時間であり、ガ
ラスクロスの送り速度を調整することにより調整され
る。
【0016】プラズマ処理を行う際にはキャリアガスボ
ンベ9からキャリアガスをガス混合器8を介してガス導
入口7より反応槽1内に導入するとともに交流電源5を
稼働し交流電力を供給する。この交流電力供給により、
電極2、3の間にグロー放電が生じ、プラズマが励起さ
れる。その後、反応ガスを反応ガスボンベ10からガス
混合器8を介してガス導入口7より、キャリアガスとと
もに反応槽1内に導入し、ガラスクロス4をプラズマ処
理する。この際、流量調整により反応ガス及びキャリア
ガスはそれぞれ所定流量が反応槽1内に導入される。導
入ガスは、ガラスクロス4の表面に吹き付けるように導
入されるのが好ましい。このようにして、図1のプラズ
マ処理装置を使用して、常圧下で励起されたプラズマに
より、ガラスクロス4に対するプラズマ処理を連続的に
行なうことができる。
【0017】上記の常圧下でのプラズマ処理であって、
酸化性ガスを含有するガスのプラズマを用いてプラズマ
処理をする場合には、キャリアガスは、ヘリウムあるい
はアルゴン等の不活性ガスを使用するのが好ましいが、
空気を使用することもできる。反応ガスは酸化性ガスを
使用し、酸化性ガスとしては酸素あるいは空気が例示さ
れる。この反応ガスは、キャリアガスに対し、15体積
%以下の混合割合で使用されるのが好ましい。また、キ
ャリアガスとして空気を使用する場合にはキャリアガス
単独でのプラズマ処理も可能であり、その場合空気中の
酸素が反応ガスとして作用する。さらに、プラズマ発生
条件としては、50Hz〜13.56MHzの交流電界
を印加するのが、安定した性能のガラスクロスを得るた
めには好ましい。また、プラズマ処理時間としては、プ
ラズマの発生条件にもよるが、約20分以内の処理で本
発明の効果を得ることができる。この、酸化性ガスを含
有するガスのプラズマを用いてプラズマ処理を行うこと
により、ガラスクロスが含有するバインダーは除去され
る。
【0018】また、常圧下でのプラズマ処理であって、
フッ素系ガスを含有するガスのプラズマを用いてガラス
クロスの処理をする場合には、キャリアガスは、やはり
ヘリウムあるいはアルゴン等の不活性ガスを使用するの
が好ましいが、空気を使用することもできる。反応ガス
はフッ素系ガスを使用し、フッ素系ガスとしては、例え
ば、CF4 、F2 、C2 6 、C3 8 、SF6 、NF
3 等が挙げられ、これらを単独または混合して使用する
ことができる。この反応ガスは、キャリアガスに対し、
15体積%以下の混合割合で使用されるのが好ましい。
さらに、プラズマ発生条件としては、50Hz〜13.
56MHzの交流電界を印加するのが、安定した性能の
ガラスクロスを得るためには好ましい。また、プラズマ
処理時間としては、プラズマの発生条件にもよるが、約
20分以内の処理で本発明の効果を得ることができる。
この、酸化性ガスを含有するガスのプラズマを用いてプ
ラズマ処理を行うことにより、ガラスクロス表面のシリ
カ成分が、励起されたフッ素と反応してエッチングさ
れ、同時にガラスクロスが含有するバインダーも除去さ
れるものと考える。また、このプラズマ処理により、表
面が微細にしかも均一に粗化されるので、得られるガラ
スクロスは樹脂との密着性の良好なものとなる。
【0019】また、本発明の第一の工程では、反応ガス
として、酸化性ガスとフッ素系ガスを混合したガスを使
用することも可能である。
【0020】次に、第二の工程である有機シラン処理を
する工程について説明する。この工程では、樹脂との濡
れ性を良好にするためにガラスクロスの表面に有機シラ
ン処理をする。適用されるガラスクロスは上記の第一の
工程を終えたガラスクロスであり、その処理方法として
は、従来から行われている湿式法の他、プラズマを用い
る乾式法がある。特に限定するものではないが、プラズ
マを用いる乾式法の方が強固な薄膜の有機シランをガラ
スクロス表面に形成できるので好ましい。
【0021】湿式法では、カップリング剤を水あるいは
アルコール等の溶剤に0.1〜2重量%の濃度で溶かし
た溶液を、第1の工程を終えたガラスクロスに塗布、乾
燥して処理される。この塗布方法としては、浸漬、スプ
レー等の方法がある。使用するカップリング剤として
は、例えば、ビニルメトキシシラン、ビニルフェニルト
リメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン、4−グリシジルブチルトリメトキシシラン、3
−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミ
ノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、
N−2−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−3−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、N−3−(4
−(3−アミノプロポキシ)ブトキシ)プロピル−3−
アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプ
ロピルトリメトキシシラン、イミダゾールシラン、トア
ジンシラン等が挙げられる。
【0022】プラズマを用いる乾式法では、常圧下で励
起されたプラズマを使用し、プラズマ重合により有機シ
ランの薄膜をガラスクロス表面に形成する。この場合、
キャリアガスは、ヘリウムあるいはアルゴン等の不活性
ガスを使用するのが好ましいが、空気を使用することも
できる。そして、キャリアガスと共にプラズマゾーンに
カップリング剤等の有機シランモノマーを導入する。有
機シランモノマーとしては前記のカップリング剤の他
に、テトラメトキシシラン、トリメトキシシラン、トリ
エトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ヘキサメ
チルジシラン、テトラエトキシシラン、ヘキサメチルジ
シロキサン等を使用することができる。プラズマゾーン
に有機シランモノマーを導入する方法は、特に限定され
ないが、例えば、カップリング剤等の有機シランモノマ
ーをヒーターで一定温度に加熱し、蒸気(気化ガス)と
してキャリアガスと共に導入する方法や、有機シランモ
ノマーを入れた容器内にキャリアガスをバブリングさせ
て、有機シランモノマーの気化ガスを含有するキャリア
ガスを導入する方法等で行える。具体的には、図1に示
すプラズマ処理装置のガス配管を上述の有機シランモノ
マーの気化ガスをキャリアガスと共にプラズマゾーンに
導入できるよう変更することにより、前記の第一の工程
で説明したプラズマ処理の方法とほぼ同様の手順でプラ
ズマを用いる有機シラン処理ができる。このプラズマを
用いる有機シラン処理では、反応ガスは特に使用しない
が、キャリアガスとして不活性ガスを使用する場合に
は、微量の酸素ガスを反応ガスとして使用するのが好ま
しい。これは、微量の酸素ガスを添加することにより、
成膜速度が高まるためである。さらに、プラズマ発生条
件としては、50Hz〜13.56MHzの交流電界を
印加するのが、安定した性能のガラスクロスを得るため
には好ましい。また、プラズマ処理時間としては、プラ
ズマの発生条件にもよるが、約20分以内の処理でよ
い。
【0023】本発明では上記の第一の工程と第二の工程
を独立して行っても良いし、連続的に行っても良い。
【0024】
【実施例】以下に、本発明の具体的な実施例及び比較例
を示す。
【0025】(実施例1〜実施例9)まず次のようにし
てガラスクロスを準備した。市販のEガラス組成のヤー
ンを用い、これにサイジング剤を塗布しながら平織し、
JIS3414のEP18相当のガラスクロスを得、評
価用のバインダーを含有するガラスクロスとした。
【0026】次に、ガラスクロスに付着しているバイン
ダーを除去する第一の工程を行った。第一の工程をさら
に2つの工程に分け、反応ガスとして酸化性ガスのみを
用いるプラズマ処理を最初のプラズマ処理と呼び、反応
ガスとしてフッ素系ガスを含有する場合のプラズマ処理
を二番目のプラズマ処理と呼び、それぞれの処理条件を
表1、表2及び表3に示した。表3に示すように、実施
例7ではキャリアガスに空気を、反応ガスにフッ素系ガ
スを用い、実施例8及び実施例9では反応ガスに、酸化
性ガスとフッ素系ガスの混合ガスを用いた。なお、表
1、表2及び表3中で省略と記入されているものは、そ
の工程を省略し、次の工程に送ったことを示す。また、
各表中のL/分はリットル/分を示している。
【0027】次に、第一の工程を終えたガラスクロスに
第二の工程である有機シラン処理を施して表面処理した
ガラスクロスを得た。第二の工程の条件を表1、表2及
び表3に示した。乾式法(プラズマ処理法)の場合の有
機シランモノマーのプラズマゾーンへの導入は、有機シ
ランモノマーを沸点以上に加熱し、気化させ、キャリア
ガスと共にプラズマゾーンに導入する方法を用いた。ま
た、有機シランモノマーの供給量の測定は、質量分析計
で行った。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】(比較例)実施例で使用したバインダーを
含有するガラスクロスと同じガラスクロスに、電気炉中
で400℃、48時間加熱するヒートクリーニング処理
を施しサイジング剤等のバインダーを除去した。次に、
有機シラン処理として、3−アミノプロピルトリエトキ
シシランの2重量%濃度水溶液中に、前記のヒートクリ
ーニング処理をしたガラスクロスを約1分間浸漬し、次
いで、150℃で1時間乾燥して表面処理したガラスク
ロスを得た。
【0032】次に、各実施例及び比較例で得られた表面
処理したガラスクロスについて、以下の項目を評価し
た。 (1)有機シラン処理工程(第二の工程)の前での残留
炭素量の評価 (2)ガラスクロスと樹脂との密着性の評価(この評価
は、ガラス繊維と樹脂との密着性を評価したことにな
る。) (3)耐CAF性の評価
【0033】有機シラン処理工程(第二の工程)の前で
の残留炭素量は、ガラスクロスを所定量切取り、炭素分
析器((株)堀場製作所製、品番EM A−110)に
より測定し、得られた測定値(単位は重量%)を表4に
示した。
【0034】ガラスクロスと樹脂との密着性の評価は次
のようにして行った。まず、各実施例及び比較例で得ら
れた表面処理したガラスクロスに、臭素化ビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂(ダウケミカル社製、品番DER5
11)と硬化剤のジシアンジアミド及び硬化促進剤のイ
ミダゾール(2エチル4メチルイミダゾール)を有機溶
剤(メチルセロソルブ)に溶解しているエポキシ樹脂ワ
ニスを含浸、乾燥してプリプレグを作製した。含浸した
ものの乾燥は150℃、8分間の加熱により行った。こ
うして得られた各プリプレグのプリプレグ特性は、レジ
ンコンテントは43〜46重量%の範囲内にあり、13
0℃での溶融粘度は400〜700ポイズの範囲内にあ
り、170℃でのゲル化時間は120〜160秒の範囲
内にあった。得られたプリプレグを4枚積層し、さらに
その両面に18μmの銅箔を積層し、圧力40kg/c
2 、温度170℃、時間90分の条件で加熱加圧して
銅張り積層板を得た。得られた銅張り積層板について、
図2に示す試験片の断面図ように、第1層目のプリプレ
グ33を第1層目のプリプレグ33と接着している銅箔
34と共に銅張り積層板から矢印方向に引き剥したとき
の剥離強度を測定し、得られた測定値をガラスクロスと
樹脂との密着力として表4に示した。なお図2中には第
1層目以外のプリプレグ32、32、32及び下面の銅
箔31も示している。
【0035】耐CAF性の評価は次のようにして行っ
た。前記のガラスクロスと樹脂との密着性の評価で作製
したプリプレグを8枚積層し、さらにその両面に18μ
mの銅箔を積層し、圧力40kg/cm2 、温度170
℃、時間90分の条件で加熱加圧して板厚1.6mmの
銅張り積層板を得た。次に、この銅張り積層板に2.5
mmピッチで400個のスルホール(穴径0.9mm)
をあけ、次いでスルホールメッキ、回路形成を行い、図
3に示す回路パターンを持つプリント配線板を作製し
た。図3において、破線は裏面側の回路パターンを示
し、実線は表面側の回路パターンを示し、実線と破線の
交点にある○印はスルホールを示していて、このスルホ
ールによって表面と裏面の回路は接続されている。この
プリント配線板を85℃−85%RHの雰囲気下に置い
た状態で、電極Aと電極Bの間に直流35Vを印加し、
短絡現象が生じるまでの時間を測定し、得られた測定値
を耐CAF性を示す値として表4に示した。
【0036】
【表4】
【0037】表4の結果から、各実施例の残留炭素量
は、比較例と同程度あるいはそれ以下であった。このこ
とで、従来のヒートクリーニング処理では数十時間要し
ていたバインダー除去時間が、常圧プラズマ処理を利用
することにより、大幅に短縮出来ることが確認された。
【0038】また、ガラスクロスと樹脂の密着性及び耐
CAF性は、実施例の方が比較例より格段に高いという
結果であった。
【0039】
【発明の効果】本発明のガラスクロスの表面処理方法
は、バインダーを含有するガラスクロスに有機シラン処
理をするガラスクロスの表面処理方法において、常圧下
で励起された、酸化性ガス及び/またはフッ素系ガスを
含有するガスのプラズマを用いてガラスクロスにプラズ
マ処理をした後、有機シラン処理をする構成となってい
るので、本発明のガラスクロスの表面処理方法によれ
ば、実用性に優れる方法で、ガラス繊維と樹脂との密着
性が高く、耐CAF性に優れる複合材料が得られるガラ
スクロスを製造することができるので、本発明のガラス
クロスの表面処理方法は複合材料に使用されるガラスク
ロスの表面処理方法として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明で使用されるプラズマ処理装置の
概略図である。
【図2】図2はガラスクロスと樹脂との密着性の評価方
法を示すための試験片の断面図である。
【図3】図3は耐CAF性の評価の評価に使用するプリ
ント配線板の平面図である。
【符号の説明】
1 反応槽 2 上部電極 3 下部電極 4 ガラスクロス 5 交流電源 6 固体誘電体 7 ガス導入口 8 ガス混合器 11 プラズマゾーン 31 第1層目のプリプレグ 32 プリプレグ 33 銅箔 34 銅箔 A 電極 B 電極
フロントページの続き (72)発明者 中村 善彦 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工 株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C03C 25/02 C08J 5/08 B32B 15/08

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バインダーを含有するガラスクロスに有
    機シラン処理をするガラスクロスの表面処理方法におい
    て、常圧下で励起された、酸化性ガス及び/またはフッ
    素系ガスを含有するガスのプラズマを用いてガラスクロ
    スにプラズマ処理をした後、有機シラン処理をすること
    を特徴とするガラスクロスの表面処理方法。
  2. 【請求項2】 プラズマ処理の方法が酸化性ガスを含有
    するガスのプラズマを用いてプラズマ処理をした後、さ
    らに、フッ素系ガスを含有するガスのプラズマを用いて
    プラズマ処理する方法であることを特徴とする請求項1
    記載のガラスクロスの表面処理方法。
  3. 【請求項3】 有機シラン処理の方法が、常圧下で励起
    された、有機シランモノマーの気化ガスを含有するガス
    のプラズマを用いてガラスクロスにプラズマ処理する方
    法であることを特徴とする請求項1または請求項2記載
    のガラスクロスの表面処理方法。
  4. 【請求項4】 常圧下での励起されたプラズマが50H
    z〜13.56MHzの交流電界を印加させて得られた
    プラズマであることを特徴とする請求項1、請求項2ま
    たは請求項3記載のガラスクロスの表面処理方法。
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