JP2929452B1 - ヘリコプタの対地衝突防止装置 - Google Patents

ヘリコプタの対地衝突防止装置

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JP2929452B1
JP2929452B1 JP10076244A JP7624498A JP2929452B1 JP 2929452 B1 JP2929452 B1 JP 2929452B1 JP 10076244 A JP10076244 A JP 10076244A JP 7624498 A JP7624498 A JP 7624498A JP 2929452 B1 JP2929452 B1 JP 2929452B1
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孝明 平
武 冨尾
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株式会社コミュータヘリコプタ先進技術研究所
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Abstract

【要約】 【課題】 視界不良による衝突事故を確実に防止できる
対地衝突防止装置を提供する。 【解決手段】 ヘリコプタの対地衝突防止装置は、自機
高度および自機位置を検出するGPS受信機1および高
度計6と、自機位置に基づいて周囲の地形情報を生成す
る地図情報生成装置11と、自機高度、自機位置および
これらの時間変化ならびに地形情報に基づいて、自機の
対地衝突危険度を判定する対地衝突危険判定装置12
と、パイロットが視界不良を指示する視界不良スイッチ
7と、視界不良の指示によって起動し、現在の自機高度
および自機位置から定点ホバーに至るまでの飛行パスを
生成して、地形情報生成装置11からの地形情報および
対地衝突危険判定装置12からの対地衝突危険度に基づ
いて対地衝突を回避できる飛行パスを選定する対地衝突
回避飛行パス選定装置20と、選定された飛行パスに基
づいて自動操縦コマンドを演算する自動操縦コマンド演
算装置21と、演算された自動操縦コマンドに基づいて
自機の操舵装置を制御する自動操縦装置22などで構成
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、視界不良が原因と
なってヘリコプタが山や障害物等に衝突する事故を防止
するための対地衝突防止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】大型航空機では慣性航法や電波航法を用
いた自動操縦装置を搭載しているため、夜間や天候不良
などで視界が確保できない場合でも、正常な飛行を行な
うことができる。
【0003】一方、ヘリコプタでは機体の特性上、低高
度を飛行する場合が多いため、地上に設置された無線航
法援助施設の利用が制限されることがある。また、ヘリ
コプタの飛行ルートは地形の影響を受け易いため、飛行
ルートをきめ細かく設定する必要がある。そのためパイ
ロットがヘリコプタを操縦する場合、飛行計器を参照し
つつ地上の状況を肉眼で確認しながら飛行する有視界飛
行方式(VFR:VisualFlight Rule)が原則として採用され
ている。
【0004】近年、測地人工衛星からの電波を受信して
現在位置(緯度、経度、高度)を高精度で測定できるG
PS(Global Positioning System) が普及しつつあ
り、このGPS受信機をヘリコプタに搭載することによ
って有視界飛行を補助する手法が開発されている。
【0005】たとえば文献(「ヘリコプタにおけるGP
Sの利用」、NAVIGATION平成9年9月号34
頁〜39頁)では、GPS受信機と、日本全土の3次元
地形データベースを用いて自機周辺の地図を表示するM
AP装置とを組み合わせて、パイロットの有視界操縦を
支援する装置が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ヘリコ
プタの飛行中に天候が急変して雲や霧の中に突入してし
まい視界不良に陥った場合には、パイロットは有視界飛
行を確保しようとして高度を下げざるを得ない。そのた
め、雲や霧が低く垂れ込めている場合には、山や地上障
害物に衝突する可能性が高くなる。
【0007】また、視界がほとんど無くなると、パイロ
ットは自分の姿勢が重力方向に対してどちらに向いてい
るかが判らなくなる空間識失調(いわゆるバーディゴ)
に陥って適正な判断能力を喪失してしまい、精神的動揺
による不用意な操縦が事故を引き起こす可能性がある。
【0008】本発明の目的は、視界不良による衝突事故
を確実に防止できる対地衝突防止装置を提供することで
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、自機高度およ
び自機位置を検出するための自機位置検出手段と、自機
位置に基づいて、周囲の地形情報を生成するための地形
情報生成手段と、自機高度、自機位置およびこれらの時
間変化ならびに地形情報に基づいて、自機の対地衝突危
険度を判定する対地衝突危険判定手段と、パイロットが
視界不良を指示するための視界不良指示手段と、視界不
良の指示によって起動し、現在の自機高度および自機位
置から定点ホバーに至るまでの飛行パスを生成して、地
形情報生成手段からの地形情報および対地衝突危険判定
手段からの対地衝突危険度に基づいて対地衝突を回避で
きる飛行パスを選定するための飛行パス選定手段と、選
定された飛行パスに基づいて、自動操縦コマンドを演算
するための自動操縦コマンド演算手段と、演算された自
動操縦コマンドに基づいて、自機の操舵装置を制御する
ための自動操縦手段とを備え、飛行パス選定手段は、自
機が定点ホバー状態に入った後、定点ホバー位置を起点
とする新たな飛行パスを選定することを特徴とするヘリ
コプタの対地衝突防止装置である。
【0010】本発明に従えば、パイロットが視界不良と
判断して、ボタン等で構成される視界不良指示手段を操
作すると、現在の自機高度および自機位置から定点ホバ
ーに至るまでの飛行パスを生成し、さらに地形情報およ
び対地衝突危険度に基づいて対地衝突を回避できる飛行
パスを選定し、この飛行パスに従ってヘリコプタを自動
操縦し、定点ホバー状態になる。ヘリコプタが定点ホバ
ー状態に入ると、もはや対地衝突の可能性は無くなり、
時間的な余裕や精神的な余裕が生まれるため、パイロッ
トが他機や管制機関と交信したり、天候の回復を待った
り、各種対策を検討することができる。また、自機が定
点ホバー状態に入った後、さらに定点ホバー位置を起点
とする新たな飛行パス、たとえば視界不良を離脱するパ
スや地上に着陸するパス等を選定することによって、パ
イロットの操縦を引続き支援することができる。
【0011】また本発明は、自機高度および自機位置を
検出するための自機位置検出手段と、自機位置に基づい
て、周囲の地形情報を生成するための地形情報生成手段
と、自機高度、自機位置およびこれらの時間変化ならび
に地形情報に基づいて、自機の対地衝突危険度を判定す
る対地衝突危険判定手段と、パイロットが視界不良を指
示するための視界不良指示手段と、視界不良の指示によ
って起動し、現在の自機高度および自機位置から定点ホ
バーに至るまでの飛行パスを生成して、地形情報生成手
段からの地形情報および対地衝突危険判定手段からの対
地衝突危険度に基づいて対地衝突を回避できる飛行パス
を選定するための飛行パス選定手段と、選定された飛行
パスをパイロットに表示するための飛行パス表示手段と
を備え、飛行パス選定手段は、自機が定点ホバー状態に
入った後、定点ホバー位置を起点とする新たな飛行パス
を選定することを特徴とするヘリコプタの対地衝突防止
装置である。
【0012】本発明に従えば、パイロットが視界不良と
判断して、ボタン等で構成される視界不良指示手段を操
作すると、現在の自機高度および自機位置から定点ホバ
ーに至るまでの飛行パスを生成し、さらに地形情報およ
び対地衝突危険度に基づいて対地衝突を回避できる飛行
パスを選定し、この回避飛行パスをたとえば多機能表示
器(MFD:Multi Function Display)などの画面上に表示す
る。パイロットは、表示された回避飛行パスを参照しな
がら自機を操縦することによって、円滑に定点ホバー状
態に移行できる。ヘリコプタが定点ホバー状態に入る
と、もはや対地衝突の可能性は無くなり、時間的な余裕
や精神的な余裕が生まれるため、パイロットが他機や管
制機関と交信したり、天候の回復を待ったり、各種対策
を検討することができる。また、自機が定点ホバー状態
に入った後、さらに定点ホバー位置を起点とする新たな
飛行パス、たとえば視界不良を離脱するパスや地上に着
陸するパス等を選定することによって、パイロットの操
縦を引続き支援することができる。
【0013】
【0014】
【0015】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態の
構成を示すブロック図である。対地衝突防止装置は、ヘ
リコプタに搭載され、GPS受信機1と、気象センサ2
と、データ記憶装置3と、データ入力装置4と、エアデ
ータセンサ5と、高度計6と、視界不良スイッチ7と、
初期飛行状態特定装置10と、地図情報生成装置11
と、対地衝突危険判定装置12と、警報装置13と、多
機能表示器 (MFD)14と、対地衝突回避飛行パス選定装
置20と、自動操縦コマンド演算装置21と、自動操縦
装置22などで構成される。
【0016】GPS受信機1は、測地人工衛星からの電
波を受信し三角測量の原理によって自機位置(緯度、経
度、高度)を検出するものであり、固定地上局からの補
正データを用いて精度を向上させたDGPS(ディファ
レンシャルGPS)でも構わない。
【0017】気象センサ2は、温度計や風向風力計等で
構成され、風速、風向、外気温等の気象条件を検出す
る。
【0018】データ記憶装置3は、半導体メモリや磁気
ディスク、光ディスク等で構成され、自機の飛行能力
(エンジン性能、機体特性、減速能力、上昇能力、旋回
能力など)や所定の定常飛行パスに関する各種データベ
ースを格納する。
【0019】データ入力装置4は、キーボードやテンキ
ー、マウス等のポインティング装置などで構成され、パ
イロットが全備重量、離陸地や着陸地等の各種データを
入力する。
【0020】エアデータセンサ5は、対気速度や降下速
度を検出するものである。高度計6は、電波高度計や気
圧高度計などで構成され、GPSの高度測定より高い精
度で高度を測定するものである。
【0021】視界不良スイッチ7は、パイロットが視界
不良を指示するためのもので、このスイッチ7を押すこ
とによって対地衝突防止ルーチンが開始する。
【0022】初期飛行状態特定装置10は、上述の各種
センサや出力データを取り込んで、現在の自機高度、自
機位置およびこれらの時間変化である昇降率、速度、飛
行方向等の飛行状態を算出する。
【0023】地図情報生成装置11は、3次元地形デー
タベースを格納しており、GPS受信機1からの自機位
置に基づいて、自機周辺の地形や標高、人工建造物の位
置や高さ等を含む地図情報を作成する。
【0024】対地衝突危険判定装置12は、現在の飛行
状態および自機周囲の地図情報を用いて、現在の機首方
向を中心としていくつかの方向に沿った候補パスを選ん
で、これらの候補パスが対地衝突する危険度を演算し
て、一定の危険レベル以上に達したものを危険と判定す
るものである。
【0025】警報装置13は、候補パスのうち危険と判
定したパスをパイロットに告知するものであり、各種飛
行計器や後述の多機能表示器14の画面上に視覚的な警
報を表示したり、あるいは音声合成装置等によって聴覚
的な警報を出す。
【0026】多機能表示器14は、各種飛行情報や地図
情報生成装置11で作成した地図情報を2次元的にある
いは3次元的に表示したり、さらに後述の対地衝突回避
飛行パス選定装置20で選定された回避飛行パスや上述
の視覚的な警報を併せて表示するものである。
【0027】対地衝突回避飛行パス選定装置20は、視
界不良スイッチ7が押されたときに起動され、初期飛行
状態特定装置10から出力される現在の飛行状態(高
度、位置、昇降率、速度、飛行方向等)を用いて、現時
点の飛行状態から定点ホバーに至るまでの複数の候補パ
スを生成し、さらにこれらの候補パスが対地衝突を回避
できるか否か、回避できる候補パスが複数ある場合には
最も安全な飛行パスはどれか、について地図情報生成装
置11から出力される地図情報および対地衝突危険判定
装置12から出力される対地衝突危険度に基づいて判定
する。
【0028】自動操縦コマンド演算装置21は、選定さ
れた飛行パスに基づいて、自動操縦コマンドを演算す
る。
【0029】自動操縦装置22は、操縦コマンドに基づ
いて、ヘリコプタブレードのコレクティブピッチ角およ
びサイクリックピッチ角、テールロータのピッチ角の操
縦量を決定するものであり、自動操縦コマンド演算装置
21からの自動操縦コマンドに従ってヘリコプタを操縦
し、定点ホバー状態を達成する。
【0030】上述の初期飛行状態特定装置10、地図情
報生成装置11、対地衝突危険判定装置12、対地衝突
回避飛行パス選定装置20、自動操縦コマンド演算装置
21および自動操縦装置22は、それぞれ独立した計算
機で構成してもよく、一部または全部を1つの計算機で
構成することも可能である。
【0031】図2は、ヘリコプタの対地衝突回避の様子
を示す説明図である。図3、図4は、本発明に係る対地
衝突防止装置の動作の一例を示すフローチャートであ
る。図2において、ヘリコプタHCが有視界飛行を行な
っている途中で、天候急変によって大量の雲が発生し、
雲の中に突入して視界不良に陥った場合を例示してお
り、そのまま飛行を継続すると正面の山腹に衝突する危
険性が高い。
【0032】そこで、図3のステップs1において、パ
イロットは図1の視界不良スイッチ7を押して、対地衝
突防止ルーチンを起動させる。次にステップs2で、初
期飛行状態特定装置10はGPS受信機1からのGPS
データおよび地図情報生成装置11からの地図データを
取り込んで、現在の飛行位置(緯度、経度)を特定し、
さらにステップs3で初期の飛行状態(飛行高度、飛行
速度、飛行方位)を特定する。なお、ステップs20以
降は、自動操縦装置22の動作を示すルーチンであり、
対地衝突回避ルーチンと並列的に実行している。
【0033】ステップs4では、燃料流量計(不図示)
から燃料消費量を算出して、データ入力装置4で入力し
た全備重量から引き算することで、現在の機体重量を算
定する。さらにステップs5で気象センサ2からの風
向、風速、外気温度を取り込んで、ステップs6におい
て風向、風速等を考慮しつつ現在の飛行位置から水平飛
行を続行した場合に減速停止までに必要な飛行距離L1
を算定する。なお、外気温度はエンジン出力に影響を及
ぼすため、考慮すべき対象となる。
【0034】次にステップs7では、現在の自機位置と
対地障害物との相対位置を特定するため、機首方位に沿
った水平相対距離L2を算定する。次にステップs8に
おいて、水平相対距離L2に安全余裕距離SDを見込ん
だ減算値L2−SDと飛行距離L1とを比較する。減算
値L2−SDが飛行距離L1より大きければ、現在の高
度を維持した状態で衝突せずに減速停止が可能と判断で
き、ステップs21に移行して自動操縦モードを障害物
回避モードに切替える。この障害物回避モードは、図2
に示すように、ヘリコプタHCが高度をそのまま維持し
て位置Haで定点ホバー状態に入ることを意味する。
【0035】一方、減算値L2−SDが飛行距離L1よ
り小さい場合は、今の高度で減速停止すると衝突可能性
ありと判断できる。そこで、ステップs9で飛行距離L
1の範囲内で減速上昇しながら停止できる飛行パスを算
定する。なお、上昇回避するのは、対地障害物として山
を想定しているためである。次のステップs10では、
算定した飛行パスと対地障害物との相対距離L3を算定
し、ステップs11において相対距離L3と安全余裕距
離SDとを比較する。相対距離L3が安全余裕距離SD
より大きければ、減速上昇による飛行パスは衝突しない
と判断でき、ステップs21に移行して自動操縦モード
を障害物回避モードに切替える。この障害物回避モード
は、図2に示すように、ヘリコプタHCが高度を上げな
がら減速して位置Hbで定点ホバー状態に入ることを意
味する。
【0036】一方、相対距離L3が安全余裕距離SDよ
り小さければ、減速上昇による飛行パスでも衝突可能性
ありと判断できる。そこで、図4のステップs12に移
行して、水平旋回による衝突回避の可能性を調べる。ま
ず、初期の自機方位を基準として方位変更が許容される
角度を1つ設定する。この許容角度は、ヘリコプタの運
動性能に基づいて旋回可能な複数の値がデータ記憶装置
3等に予め設定されており、以下のルーチンでは小さい
角度から大きい角度の順に衝突回避の可能性を調べる。
【0037】ステップs13において、自機方位から方
位変更許容角度を引き算した左限界方位と自機方位から
方位変更許容角度を足し算した右限界方位の範囲内で、
対地障害物に対する距離が最大になる方位およびこの方
位の最大距離を算定する。次にステップs14で、算定
した方位に基づいて減速旋回上昇を組み合わせて停止可
能な飛行パスを算定し、ステップs15でこの飛行パス
と対地障害物との相対距離L4を算定する。
【0038】ステップs16において相対距離L4と安
全余裕距離SDとを比較し、相対距離L4が安全余裕距
離SDより大きければ、減速旋回上昇による飛行パスは
衝突しないと判断でき、ステップs21に移行して自動
操縦モードを障害物回避モードに切替える。この障害物
回避モードは、図2に示すように、ヘリコプタHCが上
昇および旋回しながら減速して、尾根より手前にある位
置Hcで定点ホバー状態に入ることを意味する。
【0039】一方、相対距離L4が安全余裕距離SDよ
り小さければ、減速旋回上昇による飛行パスでも衝突可
能性ありと判断できるため、ステップs17で方位変更
許容角度をより大きな値に変更して、ステップs12か
ら減速旋回上昇を組合せた検討を再開する。
【0040】こうして当初は水平飛行だけの減速停止の
可能性を調べて、次に上昇を組み合わせた減速停止の可
能性を調べ、最後に上昇および旋回を組み合わせた減速
停止の可能性を調べて、衝突回避の飛行パスを選定して
いる。
【0041】次にステップ21において、自動操縦装置
22が障害物回避モードに切替わると、ステップs22
に移行して、自動操縦コマンド演算装置21は、ステッ
プs8、s11、s16のいずれかで選定された回避飛
行パスに沿って自動飛行するための自動操縦コマンドを
演算し、次のステップs23でこの自動操縦コマンドに
従って自動操縦装置22が自動操縦を行ない、さらにス
テップs24で自機と対地障害物との間の安全距離を監
視しながら、ステップs22〜s24を繰り返して、最
終的にステップs25で自機は定点ホバー状態に入る。
【0042】ヘリコプタが定点ホバー状態に入ると、も
はや対地衝突の可能性は無くなり、時間的な余裕や精神
的な余裕が生まれるため、パイロットが他機や管制機関
と交信したり、天候の回復を待ったり、各種対策を検討
することができる。
【0043】さらに定点ホバー状態において、ステップ
s26で対地衝突回避飛行パス選定装置20は定点ホバ
ー位置を起点とする新たな飛行パス、たとえば危険空域
を離脱する飛行パスや地上に不時着する飛行パス等を設
定して、ステップs27で自動操縦装置22による自動
飛行を再開することによって、パイロットの負担を大幅
に軽減できる。
【0044】図5、図6は、本発明に係る対地衝突防止
装置の動作の他の例を示すフローチャートである。この
動作において、回避飛行パスの選定に至るまでのステッ
プs1〜s16は図3、図4のものと同様である。
【0045】まず図5のステップs1において、パイロ
ットは図1の視界不良スイッチ7を押して、対地衝突防
止ルーチンを起動させ、ステップs2で現在の飛行位置
(緯度、経度)を特定し、ステップs3で初期の飛行状
態(飛行高度、飛行速度、飛行方位)を特定する。な
お、図6のステップs40以降は、操縦参照情報の表示
ルーチンであり、並列的に実行される。
【0046】次のステップs4で現在の機体重量を算定
し、ステップs5で気象センサ2からの風向、風速、外
気温度を取り込んで、ステップs6で風向、風速等を考
慮しつつ現在の飛行位置から水平飛行を続行した場合に
減速停止までに必要な飛行距離L1を算定する。
【0047】次にステップs7で、現在の自機位置と対
地障害物との間の水平相対距離L2を算定し、ステップ
s8で水平相対距離L2に安全余裕距離SDを見込んだ
減算値L2−SDと飛行距離L1とを比較する。減算値
L2−SDが飛行距離L1より大きければ、現在の高度
を維持した状態で衝突せずに減速停止が可能と判断で
き、ステップs40に移行する。
【0048】一方、減算値L2−SDが飛行距離L1よ
り小さい場合は衝突可能性ありと判断できるため、ステ
ップs9で飛行距離L1の範囲内で減速上昇しながら停
止できる飛行パスを算定する。ステップs10では、算
定した飛行パスと対地障害物との相対距離L3を算定
し、ステップs11において相対距離L3と安全余裕距
離SDとを比較する。相対距離L3が安全余裕距離SD
より大きければ、減速上昇による飛行パスは衝突しない
と判断でき、ステップs40に移行する。
【0049】一方、相対距離L3が安全余裕距離SDよ
り小さければ、衝突可能性ありと判断できるため、図6
のステップs12に移行して、水平旋回による衝突回避
の可能性を調べる。
【0050】ステップs13において、方位変更許容角
度の左限界方位と右限界方位の範囲内で、対地障害物に
対する距離が最大になる方位および最大距離を算定す
る。次にステップs14で、算定した方位に基づいて減
速旋回上昇を組み合わせて停止可能な飛行パスを算定
し、ステップs15でこの飛行パスと対地障害物との相
対距離L4を算定する。
【0051】ステップs16において相対距離L4と安
全余裕距離SDとを比較し、相対距離L4が安全余裕距
離SDより大きければ衝突しないと判断でき、ステップ
s40に移行する。一方、相対距離L4が安全余裕距離
SDより小さければ、減速旋回上昇による飛行パスでも
衝突可能性ありと判断できるため、ステップs17で方
位変更許容角度をより大きな値に変更して、ステップs
12から減速旋回上昇を組合せた検討を再開する。
【0052】次にステップ40において、ステップs
8、s11、s16のいずれかで選定された回避飛行パ
スの操縦に必要な参照情報(たとえばヘリコプタブレー
ドのコレクティブピッチ角およびサイクリックピッチ
角、テールロータのピッチ角の操縦量、あるいは速度、
高度、方位、旋回率等の操縦目標量、風速/風向等気象
情報、等)を多機能表示器14に表示するとともに、ス
テップs41で回避飛行パスを2次元的にあるいは2次
元表示の組合せによる3次元表示、あるいはコリドー形
式による3次元表示を行う。
【0053】図7は、多機能表示器14の表示画面の一
例を示す説明図である。多機能表示器14は陰極線管や
液晶パネル等で構成され、画面領域DAには上空から見
た平面図が表示され、画面領域DBには飛行方向の立面
図が表示され、画面領域DA、DBによって3次元位置
が把握できる。
【0054】図2と対応するように、現時点の自機位置
はシンボル○で表示され、回避飛行パスPが上昇右旋回
の曲線で表示され、定点ホバー状態となる位置Hcがシ
ンボル★で表示され、さらに位置Hcの高度、緯度、経
度および現在の風向、風速が数字で表示されている。
【0055】パイロットは、多機能表示器14の表示画
面を参照することによって衝突の可能性が無いと判断で
き、さらに回避飛行パスPに沿って操縦するだけで定点
ホバー状態に入ることができる。
【0056】ヘリコプタが定点ホバー状態に入ると、も
はや対地衝突の可能性は無くなり、時間的な余裕や精神
的な余裕が生まれるため、パイロットが他機や管制機関
と交信したり、天候の回復を待ったり、各種対策を検討
することができる。
【0057】さらに定点ホバー状態において、図4のス
テップs26と同様に、定点ホバー位置を起点とする新
たな飛行パス、たとえば危険空域を離脱する飛行パスや
地上に不時着する飛行パス等を設定して、多機能表示器
14に表示することによって、パイロットの負担を大幅
に軽減できる。
【0058】
【発明の効果】以上詳説したように本発明によれば、パ
イロットが視界不良を指示するだけで、対地衝突を回避
しつつ定点ホバーに至るまでの飛行パスを自動的に生成
し、自動操縦によって定点ホバー状態に入ることができ
る。
【0059】また、対地衝突を回避できる飛行パスをパ
イロットに表示することによって、定点ホバー状態に移
行するための操縦が容易になる。
【0060】ヘリコプタが定点ホバー状態に入ると、対
地衝突の可能性は無くなり、時間的な余裕や精神的な余
裕が生まれ、パイロットが他機や管制機関と交信した
り、天候の回復を待ったり、各種対策を検討することが
できる。
【0061】また、自機が定点ホバー状態に入った後、
さらに定点ホバー位置を起点とする新たな飛行パス、た
とえば地上管制局から得た情報を基にしたり地図データ
を基に自身で判定した情報を基に視界不良を離脱するパ
スや地上に着陸するパス等を選定することによって、パ
イロットの操縦を支援でき、ワークロードの軽減化が図
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の構成を示すブロック図
である。
【図2】ヘリコプタの対地衝突回避の様子を示す説明図
である。
【図3】本発明に係る対地衝突防止装置の動作の一例を
示すフローチャートである。
【図4】本発明に係る対地衝突防止装置の動作の一例を
示すフローチャートである。
【図5】本発明に係る対地衝突防止装置の動作の他の例
を示すフローチャートである。
【図6】本発明に係る対地衝突防止装置の動作の他の例
を示すフローチャートである。
【図7】多機能表示器14の表示画面の一例を示す説明
図である。
【符号の説明】
1 GPS受信機 2 気象センサ 3 データ記憶装置 4 データ入力装置 5 エアデータセンサ 6 高度計 7 視界不良スイッチ 10 初期飛行状態特定装置 11 地図情報生成装置 12 対地衝突危険判定装置 13 警報装置 14 多機能表示器(MFD) 20 対地衝突回避飛行パス選定装置 21 自動操縦コマンド演算装置 22 自動操縦装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−63700(JP,A) 特開 平9−249200(JP,A) 特開 平4−262997(JP,A) 特開 平8−268392(JP,A) 特開 平6−247394(JP,A) 「航空情報4月号 636/1997」、平 成9年4月1日発行、酣燈社、P.48〜 P.52、宮田豊昭「番外編 悪天候下の ヘリコプター」 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01S 7/00 - 7/42 G01S 13/00 - 13/95 B64D 45/04 B64C 27/57

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自機高度および自機位置を検出するため
    の自機位置検出手段と、 自機位置に基づいて、周囲の地形情報を生成するための
    地形情報生成手段と、 自機高度、自機位置およびこれらの時間変化ならびに地
    形情報に基づいて、自機の対地衝突危険度を判定する対
    地衝突危険判定手段と、 パイロットが視界不良を指示するための視界不良指示手
    段と、 視界不良の指示によって起動し、現在の自機高度および
    自機位置から定点ホバーに至るまでの飛行パスを生成し
    て、地形情報生成手段からの地形情報および対地衝突危
    険判定手段からの対地衝突危険度に基づいて対地衝突を
    回避できる飛行パスを選定するための飛行パス選定手段
    と、 選定された飛行パスに基づいて、自動操縦コマンドを演
    算するための自動操縦コマンド演算手段と、 演算された自動操縦コマンドに基づいて、自機の操舵装
    置を制御するための自動操縦手段とを備え、 飛行パス選定手段は、自機が定点ホバー状態に入った
    後、定点ホバー位置を起点とする新たな飛行パスを選定
    することを特徴とするヘリコプタの対地衝突防止装置。
  2. 【請求項2】 自機高度および自機位置を検出するため
    の自機位置検出手段と、 自機位置に基づいて、周囲の地形情報を生成するための
    地形情報生成手段と、 自機高度、自機位置およびこれらの時間変化ならびに地
    形情報に基づいて、自機の対地衝突危険度を判定する対
    地衝突危険判定手段と、 パイロットが視界不良を指示するための視界不良指示手
    段と、 視界不良の指示によって起動し、現在の自機高度および
    自機位置から定点ホバーに至るまでの飛行パスを生成し
    て、地形情報生成手段からの地形情報および対地衝突危
    険判定手段からの対地衝突危険度に基づいて対地衝突を
    回避できる飛行パスを選定するための飛行パス選定手段
    と、 選定された飛行パスをパイロットに表示するための飛行
    パス表示手段とを備え、 飛行パス選定手段は、自機が定点ホバー状態に入った
    後、定点ホバー位置を起点とする新たな飛行パスを選定
    することを特徴とするヘリコプタの対地衝突防止装置。
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