JP2928381B2 - 呼吸保護装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、フィルタ付き顔面マスクからなる呼吸保護
装置に関する。この装置は、特にこれに限られるという
わけでわないが、立て込んだ場所や、交通量の多い道路
上において、所謂サイクリスト用として専ら使用される
ためのものである。

本発明は、少なくとも鼻と口とを覆うためのスポンジ
材からなる弾性的に伸縮する顔面マスクからなり、該顔
面マスクは、少なくとも鼻孔、及び口孔に亘る通気可能
領域を有する。更に、当該顔面マスクは、少なくとも１
個の逆流防止式呼息バルブと、装着時に、顔面に直接接
触する少なくとも鼻孔、及び口孔に亘る大きさの使い捨
て可能の柔軟な通気性フィルタと、上記呼吸バルブを当
該フィルタ内において対応する穴に一時的に結合するた
めの手段と、上記顔面マスクを頭部に取付けてフィルタ
を顔面マスクと顔との間に挟むようにする取付手段とを
備えている。

尚、当該顔面マスクは、多孔性の織物（例えば綿）を
ライニングとして備え、発汗し易い状態であることが好
ましい。更に、該顔面マスクは、上記取付手段を保持す
る部材を両側に有しており、当該部材が頭部のうしろで
結合可能な構成になっていることが好ましい。加えて、
該結合部材の両側の後端部には、夫々に互いに結合する
ループ、及びフックが設けられ、更に、該両後端部に
は、夫々適当に拡げられた頭部の種々の大きさに適合で
きるようになっていることが好ましい。又、顔面マスク
自体は、弾性的に伸縮して、好適な装着を容易にするも
のである。

又、顔面マスクは、例えば、「Plastazote」、或いは
「Evazote」（BXLプラスチックス社の商標名、密閉気泡
型架橋ポリエチレン、及び共重合気泡材料）或いは、発
泡ネオプレンからなるもので良い。

又、上記フィルタは、好ましくは活性炭からなるもの
であり、更に好ましくは、活性炭の加工布の形態を採る
ものである。又、顔面と接触することになる当該加工布
の表面上には、装着感、強度、取扱性、及び空気中の塵
埃等の捕捉性に優れた微粒子からなる裏地等のライニン
グが施されていることが好ましい。

尚、上記活性炭の加工布は、木炭系の織物からなる無
毒性のものであり、臭い、蒸気、各種バクテリア、及び
病原体、酸性ガス、及び0.5μｍ以上の大きさのほこり
を物理的に、或いは化学的に捕らえる機能を有する。
又、車両の排気汚染についていえば、当該加工布は、芳
香族炭化水素、及び粒子状物質については、優れた吸着
性を示し、二酸化硫黄については、適度に吸着し、二酸
化窒素については、余り良い吸着作用を示さない。

この点に付いては、上記フィルタにプラチナを含浸す
ることによって、一酸化炭素の吸着性が向上し、又、銅
を上記フィルタに含浸させることにより、二酸化窒素、
及び二酸化硫黄の化学吸着性が向上できる。又、不織布
のライニングに過マンガン酸カリウムを含浸させること
により、酸性ガスの化学吸着性が高められ、同時に、そ
の色の変化によって、フィルタの交換の時期が検知でき
る。

更に、好ましくは、上記顔面マスクは、フィルタの端
からの洩れを最小にするために、可塑的に変形して鼻の
突出部に適合できる１個以上のノーズクリップを備えて
いる。

以下、本発明を実施例により添付図面に基いてより詳
細に説明する。

第１図は、呼吸保護装置の拡大斜視図である。

第２図は、呼息バルブの側面図である。

第３図は、第２図におけるバルブのＢ−Ｂ線における
軸断面図である。

第４図は、第２図におけるＣ−Ｃ線における軸断面図
である。

第５図は、環状結合部材の軸断面図である。

上記図面に示される呼吸用保護装置は、顔面マスク１
と、当該顔面マスクに嵌入され、装置の装着時に顔面と
直接接触するフィルタとからなる。

該顔面マスク１は、接合した織地カバーの間に挟持さ
れる発砲ネオプレンにより構成され、第１図に示すよう
に、顔面を被覆する部分３、及び当該部分３の両側に、
顔の両側を覆い後頭部に至る一体の側方部分４、４を有
する。そして、顔面マスク１はスポンジ材からなるので
弾性的に伸縮可能であり、顔面に密着して前記通気領域
を密閉する。尚該被覆部分３は、垂直に鼻の頂点から顎
に亘り、且つ水平に両頬に亘って延出し、側方部分４の
両後端部６は拡げられて、夫々「Velcro」（登録商標）
フック部材７、及びループ部材８が取付けられている。
更に、該マスク１には、複数の貫通孔９が設けられ、鼻
孔、及び口の部分に対応する通気可能領域を形成してい
る。

該マスク１の両側部における口の近傍部分には、穴11
が設けられ、ノンリターン式呼息バルブ12が備えられて
いる。尚、該バルブは、外周側面に開口14を有するカバ
ー13と、非固定式のバルブ板16と、前記穴11を通って外
側に延出する環状弁座17と、環状弁座17を介してカバー
13を保持する保持部材18とを有する。環状弁座17と保持
部材18の間に前記穴11の周辺部を挟持することにより、
マスク１にバルブ12が取付けられる。

又、顔面マスク１の鼻の頂上部に対応する部分には、
アニール処理したアルミニウムの押圧部材からなる可塑
的に変形するノーズクリップ20が備えられている。

尚、フィルタ２は、マスクの顔面被覆部３に適合する
形状に形成され、微粒子の不織材料からなる外側の層
と、活性炭布からなる中間層と、微粒子の不織材料から
なる内側の層、又はライニングとによって構成されてい
る。更に、該フィルタ２は、縫目21に沿って縫い合わさ
れた二部分から構成されている。

又、該フィルタ２は、上記穴11に夫々対応する二つの
開口部を有しており、その夫々には、フィルタ２をマス
ク１に一時的に取付けるための取付部材24が設けられて
いる。この取付部材24は、顔面側のフィルタ面に接する
フランジ部26、ならびに、フィルタ２に設けられた前記
開口部を通り抜けて外側に延出する管状部28とからな
る。該管状部28が、対応する呼息バルブ12に設けられた
保持部材18の孔内に嵌合することにより、取付部材24を
介してフィルタ２をマスク１に対して取外し可能に一時
的に取付けることが可能となる。

従って、上記の結合部材24と、バルブ12との係合構造
によって、顔面マスク１とフィルタ２とを分離可能に結
合することができ、且つ、該フィルタ２を装着者の顔面
に直接接するようにしてマスク１と顔面との間に介在さ
せることが可能となるので、該フィルタ２を最も効果的
な位置に安定に保持することができ、しかも、必要に応
じて容易に交換することが可能となる。

フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−243568（ＪＰ，Ａ) 実開 昭54−163600（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭62−200351（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭60−165411（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) A62B 7/60 - 33/00

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】少なくとも鼻と口とを覆うためのスポンジ
   材からなり、かつ、少なくとも鼻孔と口孔に旦って延出
   する通気領域を有する顔面マスク（１）と、 少なくとも鼻孔と口孔に旦って延出する、使い捨て可能
   で柔軟な通気性フィルタ（２）とを備えた呼吸用保護装
   置であって、 前記顔面マスク（１）は、顔面に密着して前記通気領域
   を密閉すべく柔軟でかつ弾性的に伸縮可能であり、か
   つ、一体の側方部分（４、４）を備え、該側方部分
   （４、４）の各後端には顔面マスクを後頭部に取付ける
   ための相互に結合可能な結合手段（７、８）が設けら
   れ、 前記通気性フィルタ（２）は、当該保護装置の装着時
   に、顔面に直接接しつつ前記顔面マスク（１）と顔との
   間に挟まれ、 前記通気性フィルタ（２）を前記顔面マスク（１）に取
   外し可能に一時的に取付ける取付手段（24）を備えたこ
   とを特徴とする呼吸用保護装置。
2. 【請求項２】前記顔面マスク（１）は、前記通気性フィ
   ルタ（２）に設けられた開口部と連通する少なくとも１
   つの逆流防止式呼息バルブ（12）を備え、 前記取付手段（24）は、顔面側の前記フィルタ面に接す
   るフランジ（26）と前記開口部を通って外側に延出する
   に管状部材（28）とからなり、前記呼息バルブ（12）と
   取外し可能に係合することを特徴とする、請求項１に記
   載の呼吸用保護装置。
3. 【請求項３】前記保護装置の装着時に、前記呼息バルブ
   （12）が口の一端部の近傍に位置することを特徴とす
   る、請求項２に記載の呼吸用保護装置。
4. 【請求項４】前記顔面マスク（１）が、可塑的に変形可
   能なノーズクリップ（20）を備えることを特徴とする、
   請求項１〜請求項３のいずれか一項に記載の呼吸用保護
   装置。