JP2927481B2 - 回転ヘッドシリンダ装置 - Google Patents

回転ヘッドシリンダ装置

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JP2927481B2 JP673990A JP673990A JP2927481B2 JP 2927481 B2 JP2927481 B2 JP 2927481B2 JP 673990 A JP673990 A JP 673990A JP 673990 A JP673990 A JP 673990A JP 2927481 B2 JP2927481 B2 JP 2927481B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ビデオテープレコーダ(VTR)、ディジタ
ルオーディオテープレコーダ(DAT)などの情報記録再
生装置に用いられる回転ヘッドシリンダ装置に関する。
〔従来の技術〕
一般に、VTR等の情報記録再生装置に使用される回転
ヘッドシリンダ装置における軸受機構としては、回転軸
にモータのロータと回転ドラム(磁気ヘッドが取付けら
れた回転ドラム)とが固定されて、該ロータと回転ドラ
ムと回転軸とが一体的に回転する一般的な機構が知られ
ている。
第12図は、従来の回転ヘッドシリンダ装置を示す縦断
面図である。図中、符号1はモータ用基板であり、この
モータ用基板1は非回転の固定ドラム2に固定されてい
る。また、この固定ドラム2の内方の中央孔3にはベア
リング4が介装されており、このベアリング4を介して
回転軸5が固定ドラム2に取付けられている。さらに、
この回転軸5を回転駆動させるモータ6が、モータ用基
板1の下部に設けられている。
また、回転軸5の上方先端部には回転ドラム7が取付
けられ、この回転ドラム7の下面には、磁気ヘッド8を
有する一対の磁気ヘッド支持部材9がねじ10により固定
されている。さらに、回転ドラム7には磁気ヘッド8の
位置を調整する調整ねじ11が螺合されている。
固定ドラム2と回転ドラム7との間にはロータリート
ランス12が介装されており、このロータリートランス12
は、磁気ヘッド8が磁気テープ13から読み取った情報信
号をリード線14を介して受信して固定ドラム2側に伝え
たり、又は固定ドラム2からの信号をリード線14を介し
て磁気ヘッド8に伝えたりしている。また、ロータリー
トランス12は、回転ドラム7の下部に接着固定され、且
つ、同心のコイル15a,15bを介在させた円盤状のロータ1
6と、固定ドラム2上に接着固定され、且つ、コイル15
a,15bにそれぞれ対向する同心のコイル17a,17bを介在さ
せた円盤状のステータ18とを備えている。ロータ16のリ
ード線14は、磁気ヘッド支持部材9のラウンド部分に半
田付け等の手段により結線されており、これにより、磁
気ヘッド8とロータ16との間で信号を授受できるように
している。
ベアリング4は、固定ドラム2の中央孔3内に、軸方
向(図中上下方向)に配設された一対のベアリング外輪
21,22と、このベアリング外輪21と22との間に介装部材2
3,24を介在させて圧縮状態に設けられて両ベアリング外
輪21,22を離隔する方向に押圧する圧縮ばね25と、各ベ
アリング外輪21,22と回転軸5との間を転動する複数の
ボール26及び複数のボール27とを備えている。上方のベ
アリング外輪21は固定ドラム2の中央孔3内の上部に圧
入され、下方のベアリング外輪22は中央孔3内の下部に
接着固定されている。上記ボール26,27は、圧縮ばね25
の作用によりスラスト方向(矢印B方向)に予圧がかけ
られている。上記予圧をかける理由はスラスト方向のガ
タをなくし、若干ボール26,27を弾性変形させることに
より軸受剛性を高め、磁気ヘッド8を回転軸5の回転中
心に対して垂直面内で正確に回転させるためである。
上記のように構成された回転ヘッドシリンダ装置にお
いては、モータ6の回転駆動力により、回転軸5が、ベ
アリング外輪21,22内を、ボール26,27を転動させながら
回転することになる。また、ロータリートランス12のス
テータ18は固定ドラム2に固定されているため非回転で
あるが、ロータ16は回転ドラム7とともに回転する。し
たがって、磁気テープ13からの情報信号は、回転ドラム
7と一緒に回転する磁気ヘッド8及び磁気ヘッド支持部
材9に伝えられ、さらに、磁気ヘッド支持部材9のラウ
ンド部分からリード線14を介してロータリートランス12
に送られる。
第12図に示す回転ヘッドシリンダ装置では、上記のよ
うに、圧縮ばね25を用いてボール26,27にスラスト方向
の予圧を与えているが、このベアリングの予圧とは、ス
ラスト方向の荷重によりボール26,27を弾性変形させた
状態で保持することである。この予圧がかけられたボー
ル26,27と軌道輪とをミクロ的に見ると第13図のように
なっている。即ち、スラスト方向(B方向)の荷重によ
って、真球であるボール26,27が、その軌道輪との接触
部分でたわみ量δだけ弾性変形している。この変形状態
を保持することが予圧を確保することである。このたわ
み量δは非常に微小であって、通常実用化されているベ
アリングでは500gfのスラスト荷重においてたわみ量δ
は約3μmである。従って、このベアリングを組込んで
いるハウジングやシャフトの熱膨脹及び収縮によってこ
のたわみ量δが変化すると、結果として予圧が変化した
ことになる。予圧が高い(大きい)場合はベアリングと
しての剛性は大きくなるが、反面ベアリング負荷の増加
や騒音の拡大という不具合があり、逆に予圧が低い場合
は上記剛性の低下によって、外部からの荷重に対して変
形量が大きくなり回転ヘッドシリンダ装置の精度悪化を
もたらす。
ところで、第12図に示す回転ヘッドシリンダ装置は圧
縮ばね25によってベアリング4に予圧を与えているが、
この圧縮ばね25を設けると、この圧縮ばね25を配設する
ためにベアリング外輪21,22間に所定の距離を確保しな
ければならず、このため回転ヘッドシリンダ装置の軸方
向寸法(第12図中の上下方向寸法)を短かくすることが
難しい。また、ばね共振を生ずることもあり、又、コス
ト的に見ると高くなる。そこで、第14図に示すような予
圧用の圧縮ばねを使用せずにベアリング41にスラスト方
向(F方向)に予圧を与える構造の回転ヘッドシリンダ
装置が提案されている。なお、第14図中の符号のうち第
12図と同一のものは同一又は相当部分を示しており、そ
の説明は省略する。この第14図に示す回転ヘッドシリン
ダ装置のように軸付軸受を定位置予圧で使用する構造の
場合の組立方法としては、まず、図中上側よりベアリン
グ外輪21を固定ドラム2の中央孔3内に圧入する。一
方、下側のベアリング外輪22は中央孔3とすきまを有し
ているので、ベアリング外輪22を中央孔3の下方から上
方に向けて押し込んでF方向(スラスト方向)に予圧が
かかった状態でベアリング外輪22を固定ドラム2に対し
て接着固定する。その結果、上方のボール26の接触角
(コンタクトアングルともいう)α(ボール26の、ベ
アリング外輪21側の接触点と回転軸5側の接触点と結ん
だ線l1と、回転軸5の軸方向に垂直の方向l2とのなす
角)は上方に向く。また、下方のボール27の接触角α
(ボール27の、ベアリング外輪22側の接触点と回転軸5
側の接触点とを結んだ線l3と、上記方向l2とのなす角)
は下方に向く。ここで、ラジアル方向を考えてみると、
深溝タイプのボールベアリングは、ボールと軌道輪の間
に隙間(ラジアルスキマ)があって、スラスト方向に割
合大きな「ガタ」が存在している。従って、予圧をかけ
た場合には、その接触方向はある角度(即ちコンタクト
アングル)を持つ。よって予圧をかけてボールを変形さ
せたものは、必ずラジアル方向にも変形していることに
なる。
〔発明が解決しようとする課題〕
通常、ベアリングのハウジング部分(即ち固定ドラム
2)の材料はアルミニウム又はBsBMを用いており、例え
ばアルミニウムの熱膨張率は20.8×10-6/℃、ヤング率
は8000kg f/mm2であり、一方、ベアリング外輪21,22、
ボール26,27、回転軸5の材質としては例えばSUJ2(熱
膨張率12.5×10-6/℃、ヤング率21000kg f/mm2)であ
る。そのため、上記のような接触角では低温時には固定
ドラム2側が回転軸5より縮まるためスラスト方向の予
圧が大きくなり、また昇温時には固定ドラム2側が回転
軸5より大きく伸びるため予圧が小さくなり、予圧変化
が大きいという課題がある。一方、ラジアル方向の変形
について考えると、昇温時にはベアリング外輪21,22よ
りもハウジング(固定ドラム2)の膨張の方が大きく、
結果としてボール26,27の変形は温度の上昇とともに小
さくなり、予圧は減少していく。このように温度変化に
よるラジアル及びスラストの両方向の変化が温度上昇の
場合は予圧が減少する方向へ、又温度低下の場合は予圧
が上昇する方向に同時に変化する。
また、ベアリング41内に封入されているグリスも同様
の特性を示すために、ベアリング系としてみた場合に温
度特性が非常に悪い。
さらに、下側のベアリング外輪22を固定ドラム2の中
央孔3に下方から挿入して上方に摺動させて予圧をかけ
る際に、このベアリング外輪22と固定ドラム2との間に
クリアランスがあるためにベアリングの精度(即ち軸
垂)を確保しにくく、そのため、精度的な保証のために
組立後に回転軸5を基準としての追加工を必要とする場
合もあり、生産性が良くなかった。
本発明は、かかる課題を解決するためになされたもの
で、予圧変化を小さくすることができ、またコスト的に
も安価に、生産性もよく、騒音レベルも低くできる回転
ヘッドシリンダ装置を得ることを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、非回転の固定ドラム(52)と、この固定ド
ラム(52)の軸心に介装された一対の外輪(71,72)を
有する軸一体型の軸受(54)と、該軸受(54)の中心の
回転軸(55)に取り付けられた磁気ヘッド(58)を有す
る回転ドラム(57)とを備えた回転ヘッドシリンダ装置
において、上記一対の外輪(71,72)を上記回転軸(5
5)の熱膨張率よりも大きい熱膨張率を有した上記固定
ドラム(52)の中央孔(53)の内壁面に固定し、且つ該
固定時に上記一対の外輪(71,72)に相対的に軸方向外
方に向けて予圧を負荷したことを特徴とする回転ヘッド
シリンダ装置である。
〔作用〕
本発明においては、一対の外輪に、回転軸に対して相
対的に軸方向外方に向けて、コイルスプリングや弾性部
材等を用いることなくそれぞれ予圧を負荷したので、ボ
ールの内外方の接触点を結んだ線のベアリング外輪側方
向がベアリング内方に傾斜してコンタクトアングルが従
来とは逆になり、そのため、温度が上昇するとスラスト
方向の予圧は増大する。一方、ラジアル方向の予圧は昇
温により従来と同様に減少する。よって両方向の予圧変
化量が相殺することとなり、全体として予圧変化量は小
さくなる。
〔実施例〕
以下、本発明の一実施例を第1図乃至第11図に基づい
て説明する。第1図は本実施例に係る回転ヘッドシリン
ダ装置の縦断面図である。本実施例装置では、上記第14
図とは逆の方向のコンタクトアングルを持つように、固
定ドラムの軸心に介装された一対の外輪を有する軸一体
型の軸受けを組み込んだ点に特徴を有している。
図中、符号51はモータ用基板であり、このモータ用基
板51は非回転の固定ドラム52に固定されている。また、
この固定ドラム52の内方の中央孔53にはベアリング54が
介装されており、このベアリング54を介して回転軸55が
取付けられている。さらに、この回転軸55を回転駆動さ
せるモータ56が、モータ用基板51の下部に設けられてい
る。このモータ56のヨークには、モータ56とモータ用基
板51との間に異なる磁極が交互に並ぶように一定のピッ
チで多極着磁された環状の回転速度検出用マグネットが
固着されている。一方で、上記モータ用基板51の下面に
は回転速度を検出すべく上記回転速度検出用マグネット
の磁極列と対向配置され、この磁極列からの磁束と鎖交
する導体が印刷配線されている。
また、回転軸55の上方先端部には回転ドラム57が取付
けられ、この回転ドラム57の下面には、磁気ヘッド58を
有する一対の磁気ヘッド支持部材59がねじ60により固定
されている。さらに、回転ドラム57には磁気ヘッド58の
位置を調整する調整ねじ61が螺合されている。
固定ドラム52と回転ドラム57との間にはロータリート
ランス62が介装されており、このロータリートランス62
は、磁気ヘッド58が磁気テープ63から読み取った情報信
号をリード線64を介して受信して固定ドラム52側に伝え
たり、又は固定ドラム52からの信号をリード線64を介し
て磁気ヘッド58に伝えたりしている。また、ロータリー
トランス62は、回転ドラム57の下部に接着固定され、且
つ、同心のコイル65a,65bを介在させた円盤状のロータ6
6と、固定ドラム52上に接着固定され、且つ、コイル65
a,65bにそれぞれ対向する同心のコイル67a,67bを介在さ
せた円盤状のステータ68とを備えている。ロータ66のリ
ード線64は、磁気ヘッド支持部材59のラウンド部分に半
田付け等の手段により結線されており、これにより、磁
気ヘッド58とロータ66との間で信号を授受できるように
している。
ベアリング54は、固定ドラム52の中央孔53内に、軸方
向(第1図中上下方向)に配設された一対のベアリング
外輪71,72と、各ベアリング外輪71,72と回転軸55との間
を転動する複数のボール76及び複数のボール77とを備え
ている。上方のベアリング外輪71は、固定ドラム52の中
央孔53内の上部に圧入され、下方のベアリング外輪72は
中央孔53内の下部にアルミニウムとSUJ2の熱膨張率の差
を利用して、実使用温度範囲内においてすきまを生じな
いような管理のもとに焼ばめされ、さらに接着剤により
補強されている。上記ボール76,77には、ベアリング外
輪71,72を固定ドラム52内に固定することにより、ラジ
アル方向に予圧がかけられ、また、スラスト方向(第2
図中の矢印C,D方向)にも予圧がかけられている。第2
図は、ベアリング54にかけられている予圧の状態を示し
ており、図示するように、各ベアリング外輪71,72に
は、回転軸55に対して相対的に軸方向外方に向けてそれ
ぞれ予圧を負荷している。即ち、上方のベアリング外輪
71には上方に向けて(矢印C)予圧が負荷され、一方、
下方のベアリング外輪72には下方に向けて(矢印D)予
圧が負荷されており、これにより、上方のボール76の接
触角α(ボール76の、ベアリング外輪71側の接触点と
回転軸55側の接触点とを結んだ線l4と上記方向l2とのな
す角)は下方に向く。また下方のボール77接触角α
(ボール77の、ベアリング外輪72側の接触点と回転軸
55側の接触点とを結んだl5と、上記方向l2とのなす角)
は上方に向く。したがって、ボール76,77は、ベアリン
グ外輪71,72と回転軸55との間で弾性変形した状態で転
動することになる。
上記のように構成された回転ヘッドシリンダ装置にお
いては、モータ56の回転駆動力により、回転軸55が、ベ
アリング外輪71,72内を、ボール76,77を転動させながら
回転ドラム57とともに回転することになる。また、ロー
タリートランス62のステータ68は固定ドラム52に固定さ
れているため非回転であるが、ロータ66は回転ドラム57
とともに回転する。したがって、磁気テープ63からの情
報信号は、回転ドラム57と一緒に回転する磁気ヘッド58
及び磁気ヘッド支持部材59に伝えられ、さらに、磁気ヘ
ッド支持部材59のラウンド部分からリード線64を介して
ロータリートランス62に送られる。
本実施装置においては、第2図のように、ベアリング
外輪71,72に、回転軸55に対して相対的に軸方向外方に
向けてそれぞれ予圧を負荷しているので、ベアリング54
のラジアル方向の変形は上記第14図の場合と同様(即
ち、予圧は減少する)であるが、スラスト方向の変形は
第14図の場合とは逆になる。即ち、コンタクトアングル
が逆になっているために、温度上昇とともに予圧は増大
していく。したがって、ラジアル、スラスト両方向の各
変化が相殺し、温度変化による予圧変化は必然的に第14
図に示す従来例より小さくなるため、実使用状態におけ
る予圧の変化を非常に小さくし得る構造となる。よっ
て、定温状態における予圧設定を低くすることができ、
結果として省電力、低騒音などを得ることができる。
又、上下外輪71,72が実使用温度範囲内でクリアランス
を持たない為に、磁気ヘッド58は回転軸55の中心軸に対
して傾くことなく垂直面内で正確に回転する。また、従
来と比べて部品点数が増えることはない。
実験例 次に、第3図乃至第11図により、発明者の行なった一
実験例を説明する。第3図乃至第5図は、形状の異なる
ベアリングハウジング(即ち固定ドラム)の縦断面図で
あり、第3図はTYPEP1の固定ドラム52aを、第4図はTYP
EP2の固定ドラム52bを、第5図はTYPESの固定ドラム52c
をそれぞれ示している。
実験条件を下記に示す。
・予圧量の初期設定:20℃にて500gf ・温度:室温 ・ベアリングハウジング(固定ドラム52a乃至52c)の材
質:アルミニウム材 ・線膨張係数:20.8×10-6/℃ ・ヤング率:8000kg f/mm2 ・シュミレーション温度範囲:−20℃乃至80℃(動作保
証温度:−5℃乃至60℃) 第6図乃至第11図は温度変化に対する予圧の変化量を
示すグラフである。第6図、第8図、第10図は、第2図
に示すような本実施例の予圧負荷方向(Aタイプ)の場
合のデータを示し、第7図、第9図、第11図は、第14図
に示すような従来の予圧負荷方向(Fタイプ)のデータ
を示している。これらのグラフから、Fタイプと比べて
Aタイプのベアリングは、温度が変化しても、予圧の変
化量が小さく且つ規則正しいが、Fタイプのものは、低
温時の予圧過大と高温時の予圧抜けが生じていることが
わかる。従って、Aタイプでは設定予圧を低めにできる
こととなり、ベアリングのロストルクが低く、消費電力
の減少が図れる。また、ベアリングの摺動ノイズの減少
やベアリング寿命の延長等が実現できる。さらに、軸受
精度(軸垂)を出しやすく、追加工を必要としない。
なお、本発明は、記録又は再生の一方の信号処理に
も、記録再生の双方の信号処理にも適用可能である。
また、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。
〔発明の効果〕
軸受の一対の外輪を回転軸の熱膨張率よりも大きい熱
膨張率を有した固定ドラムの中央孔の内壁面に固定し、
且つ該固定時に一対の外輪に相対的に軸方向外方に向け
て予圧を負荷したことから、スプリング等の弾性部材を
用いることなく回転軸のスラスト方向のガタツキを解消
することができ、また高温になったときに一対の外輪は
互いに離れる方向に変位してスラスト方向の与圧を増大
させラジアル方向の与圧を減少させてトータルでの与圧
変化を小さくし高温時でも回転特性を安定させることが
できる。また、スプリング等の弾性部材を用いることな
く与圧を与えるので、回転軸と軸受の間に弾性部材を挿
入するスペースを設ける必要がなく、回転ヘッドシリン
ダ装置の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す回転ヘッドシリンダ装
置の縦断面図、第2図は第1図に示すベアリング部の詳
細縦断面図、第3図乃至第11図は本発明の一実験例を示
す図で、第3図乃至第5図はベアリングハウジングの形
状を示す断面図、第6図乃至第11図は温度変化に対する
予圧量の変化を示すグラフ、第12図は予圧ばねを用いた
従来の回転ヘッドシリンダ装置を示す縦断面図、第13図
はベアリングのボールの変形を示す説明図、第14図は予
圧ばねを用いない従来のベアリング部の詳細を示す縦断
面図である。 52……固定ドラム、54……ベアリング、55……回転軸、
57……回転ドラム、58……磁気ヘッド、71,72……ベア
リング外輪、76,77……ボール。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非回転の固定ドラムと、この固定ドラムの
    軸心に介装された一対の外輪を有する軸一体型の軸受
    と、該軸受の中心の回転軸に取り付けられた磁気ヘッド
    を有する回転ドラムとを備えた回転ヘッドシリンダ装置
    において、上記一対の外輪を上記回転軸の熱膨張率より
    も大きい熱膨張率を有した上記固定ドラムの中央孔の内
    壁面に固定し、且つ該固定時に上記一対の外輪に相対的
    に軸方向外方に向けて予圧を負荷したことを特徴とする
    回転ヘッドシリンダ装置。
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