JP2927338B2 - 安全針シールドを持つ注射器 - Google Patents
安全針シールドを持つ注射器Info
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Description
ューレを有し、針カニューレを露呈する位置から針カニ
ューレを取り囲む位置まで移動するように注射器バレル
上に位置決めされた剛性の保護シールドを有する皮下用
注射器に関する。
で刺すことがないようにするため及び使用前に針を損傷
しないようにするため、針カニューレ上に取り外し自在
に取り付けられた針シールドを有する。針シールドは、
皮下用注射器を使用しようとするときに安全に取り外し
て廃棄することができる。
しまうと、健康に対して大きな危険が及ぼされる。これ
は、使用済みの針カニューレが汚染されていることがあ
るためである。健康を管理する施設の多くには、使用済
みの皮下用注射器を安全に処分できる、先が尖ったもの
用の容器が備えられている。しかしながら、皮下用注射
器は、必ずしも、鋭利物用の容器のそばで使用されず、
患者の必要によっては、健康を管理する者は、皮下用注
射器の使用後直ちに、鋭利物用の容器まで行くことがで
きない。
基端位置と針カニューレが取り囲まれる先端位置との間
で移動自在の安全シールドが注射器バレル上に入れ子式
に設けられた皮下用注射器がある。従来技術の安全シー
ルドは、針カニューレが使用されるまでその基端位置に
解放自在に保持される。次いで、安全シールドを注射器
バレル上で先端方向に移動し、誤って針で刺すことをな
くすため、針カニューレを包囲して保護する。シールド
は、延長位置に係止されるか或いはこの位置に解放自在
に保持される。
護位置に保持するための構造に関する。多くの構造で
は、注射器バレルの先端及び安全シールドの基端に構造
を設ける必要があるということが教示されている。しか
しながら、従来技術では、安全シールドをその基端針露
呈位置に解放自在に保持することにはほどんど注意が払
われてこなかった。安全シールドは、注射器の通常の使
用中に外れないようにするのに十分な力で注射器バレル
に対して保持されなければならない。しかしながら、こ
の力は、基端位置から先端針保護位置まで安全シールド
を容易に動かすことができない程大きくてはならない。
設計によっては、安全シールドの基端の内径に設けられ
た構造と注射器バレルの基端の外径との間の締まり嵌め
を用いている。しかしながら、摩擦係合は安全シールド
及びバレルに応力を作用し、プラスチック材料が経時的
にクリープし、保持力が低下する。更に、摩擦嵌めは、
公差に大きく依存する。従って、製造者は、保持力が経
時的に徐々に低下するため、安全シールドを動かすのに
最初のうちは理想よりも大きな力を必要とするように部
品を設計しなければならなかった。他の従来技術の装置
は、注射器バレルの基端に設けられた溝又は凹所と係合
する、針シールドから突出した片持ち梁状の突起を使用
する。この構造は、上述の問題点を小さくするが、それ
でも、クリープの問題があり、公差に依存している。更
に、注射器バレルの基端に構造を設けることによって安
全シールドを解放自在に保持する場合には、別の製造上
の困難が生じる。この困難は、バレルの先端が安全シー
ルドをその延長位置で制御し、バレルの基端が安全シー
ルドをその引っ込め基端位置で制御するように、注射器
バレルの両端の寸法を正確に制御しなければならないた
めに生じる。更に、注射器バレルの基端に構造を設ける
場合には製造費用がかなり高くなる。これは、射出成形
プロセスにおいて、この構造のため、注射器を金型から
取り外すのが困難になるためである。金型は、費用を掛
ければ、バレルの長手方向軸線方向に沿って割れるよう
に製作ができ、成形したバレルをカム作動式機構で容易
に取り外すことができる。複雑な金型を用いない場合に
は、バレルに設けられた構造は、バレルを金型から取り
外すことができるほど小さくしなくてはならないが、こ
れは思った程効果的でない。
ドを延長針保護位置に保持し且つ安全シールドを基端針
露呈位置に解放自在に保持する多くの構造を持つ多くの
注射器を提供したが、それでも、安全シールドが注射器
バレルに関してその基端位置にある状態で注射器が貯蔵
されているときに安全シールド及び注射器バレルに大き
な応力を加えない、注射器バレルの先端に設けられた構
造によって、延長位置と引っ込め位置の両方が制御され
る安全シールドを持つ、簡単であり且つ製造が容易な注
射器が必要とされている。
シールドが注射器バレルに関してその基端位置にある状
態で注射器が貯蔵されているときに安全シールド及び注
射器バレルに大きな応力を加えない、注射器バレルの先
端に設けられた構造によって、延長位置と引っ込め位置
の両方が制御される安全シールドを持つ注射器を提供す
ることである。
ニューレが取り付けられた先端の両端を持つ注射器バレ
ルを有する皮下用注射器を含む安全注射器アッセンブリ
に関する。カラーが注射器バレルの先端の周りに取り付
けられている。カラーは、半径方向内方に差し向けられ
た少なくとも一つの凹所を有する。針カニューレが露呈
された基端位置から、注射器の安全シールドが針カニュ
ーレを保護するように取り囲む先端位置まで入れ子式に
移動するように、安全シールドが注射器バレル上に位置
決めされている。安全シールドは、その基端位置にある
とき、バレルに関して回転自在である。安全シールドの
内面には、内方に差し向けられた少なくとも一つの突起
が設けられている。この突起は、安全シールドをバレル
に関して回転させて安全シールドの突起とカラーの凹所
とを整合させたときにカラーの凹所を通過するように大
きさが定められており且つ位置決めされている。整合が
なされると、安全シールドを基端位置から先端位置まで
移動させることができる。カラー及び突起は、整合して
いない場合には、安全シールドの基端位置からの移動を
阻止する。安全シールドを先端位置に係止するため、カ
ラーと安全シールドとを係止係合するための構造が設け
られている。この係止係合は、安全シールドをバレルに
関して先端方向に軸線方向に移動するだけで行うことが
できる。
手段には、注射器バレルから外方に突出したストッパ壁
を持つカラー及びカラーから先端方向外方に突出した少
なくとも一つの変形自在の係止壁が含まれる。安全シー
ルドは、シールドが先端位置にあるときに安全シールド
がバレルから抜けないようにするため、安全シールドか
ら内方に突出した、カラーのストッパ壁と係合自在の少
なくとも一つのストッパ用ブロックを有する。安全シー
ルドは、基端位置から先端位置に向かう安全シールドの
入れ子式の移動中にカラーの係止壁を内方に変形させる
ように寸法が定められており且つ配置された少なくとも
一つの係止歯を更に有する。係止歯は、カラーの係止壁
及びストッパ壁を安全シールドの係止歯とストッパ用ブ
ロックとの間に係合させることができるのに十分な距離
だけストッパ用ブロックから先端方向に間隔が隔てられ
ている。係止歯は、安全シールドがその係止した先端位
置から基端方向に移動しないようにするため、変形自在
の係止壁と係止係合するように形成されている。
乃至図12に示す。この注射器には、全体に参照番号1
0が附してある。皮下用注射器10は、先端14、開放
した基端16、及び先端と基端との間を延びて流体受け
入れチャンバ20を構成する全体に円筒形の壁18を有
する、全体に円筒形の注射器バレル12を含む。指掛け
フランジ17がバレルの開放した基端に位置決めされて
いる。図3に示すように、注射器バレル12の円筒壁1
8は、その長さの大部分に亘って外径「A」を形成す
る。図3を更に参照すると、注射器バレル12の先端に
は、好ましくは、チップ22が設けられている。このチ
ップには流体通路が設けられ、チャンバ20と連通して
いる。プランジャー26が注射器バレル12の円筒壁1
8と摺動液密係合した状態で配置されている。プランジ
ャー26を先端14に向かって摺動させると、チャンバ
20内の流体が通路24を通って放出される。逆に、プ
ランジャー26を注射器バレル12の先端14から遠ざ
かるように摺動させると、流体が通路24を通ってチャ
ンバ20内に引き込まれる。プランジャーは、好ましく
は、バレルを効果的にシールするためにストッパー27
のような弾性エラストマー要素が先端に設けられた二部
品構造である。しかしながら、一部品プランジャーが当
該技術分野で周知であり、こうしたプランジャーも本発
明の範疇にある。
止カラー28が、チップ22の周りに同心の関係で間隔
を隔てられて配置されている。ルアー型カラー28は、
針差込みハブ30をカラー28とチップ22との間にね
じ込むことができるようにする雌ねじのアレイを含む。
針カニューレ32が、針ハブ30に固定的に取り付けら
れており、且つ通路24及びチャンバ20と流体連通し
ている。
皮下用注射器10の使用前に誤って針で刺すことがない
ようにするため、針カバー34が針カニューレ32に取
り外し自在に取り付けられている。針カバー34は、皮
下用注射器の使用前に誤って針で刺す危険性を小さくす
るため、使用の直前に皮下用注射器10から取り外すこ
とができる。
がないようにするため、安全シールド36及びカラー3
8が設けられている。カラー38は全体に環状の構造体
であり、好ましくは熱可塑性材料から一体に形成されて
おり、基端40及び先端42の夫々を有する。基端40
と先端42との間を延びる内面44の寸法は、好ましく
は、注射器バレル12の先端14に設けられたルアー型
カラー28の外面とぴったりと係合するような大きさで
ある。図5に最も明瞭に示すように、カラー38の内面
44には、好ましくは、間隔を隔てられた複数の引っ掛
かり突起46が設けられている。これらの突起は、内方
及び先端方向に向かって突出している。これらの突起に
より、カラー38は、注射器バレル12の先端14の上
で先端から基端に向かう方向に摺動させることができ
る。しかしながら、突起46がルアー型カラー28の熱
可塑性材料に食い込み、カラー38が、基端から先端に
向かう方向で注射器バレル12から外れないようになっ
ている。
又はカラーを別の方法で注射器バレルに取り付けること
が、本発明の範囲に含まれる。例えば、カラーを注射器
バレルの円筒壁に取り付けることができる。ルアー型係
止カラー28のようなルアー型係止カラーを持たない注
射器バレルについては、カラーをチップ22のような先
端部分に直接取り付けることができる。また、先端部分
に取り付けて先端部分から間隔が隔てられた大きな円筒
面を形成し、この面上にカラー38のようなカラーを取
り付けることができるように、中間構造を提供してもよ
い。
びている堅固な環状のストッパ用壁48を備えているこ
とを特徴とする。ストッパ壁48は、係止カラー38の
基端40から先端方向に遠ざかった位置で截頭円錐形を
なして外方に拡張している外周面を有する。かくして、
基端40は、図5に示すように小さな外径「C」及び外
径「D」を有する。カラー38の基端40の小さい方の
外径「C」は、注射器バレル12の円筒壁18の外径
「A」よりも大きい。かくして、基端40は、図3に示
すように、半径方向において注射器バレル12を越えて
外方に延びている。堅固な環状ストッパ壁48は軸線方
向長さ「E」を形成し、この長さは、以下に更に詳細に
説明するように、安全シールド36がカラー38に及ぼ
す先端方向に差し向けられた力に抗するように選択され
る。更に詳細には、ストッパ壁48の軸線方向長さ及び
外面50の截頭円錐形形状により、カラー38に作用す
る先端方向に差し向けられた力によって、カラー38が
半径方向内方に押圧され、引っ掛かり突起46が注射器
バレル12の先端14のところでルアー型カラー28に
更に深く食い込む。
向外方に突出した弾性変形可能な係止壁52を更に有す
る。この係止壁は、係止カラー38の大きな外径「F」
を形成する。更に詳細には、弾性変形可能な係止壁52
は、環状ストッパ壁48の先端方向に位置するカラー3
8の部分から半径方向外方に間隔を隔てられており、半
径方向内方に変形可能な部分を形成している。この弾性
変形可能な係止壁は、好ましくは、図4、図5、及び図
6に示すように、実質的に連続した円錐形の壁である。
は、カラー38の半径方向に対して約30°の角度を構
成する全体として凹状の截頭円錐形形状の先端54を有
する。先端54の凹状の形態は、変形自在の係止壁52
を、先端から基端に向かって賦与された力に応じて、半
径方向外方に変形させる傾斜部として機能する。
向内方に窪んだ凹所をも有する。この好ましい実施例で
は、カラー38は半径方向内方に窪んだ四つの凹所43
を有する。随意であるが、半径方向に差し向けられた少
なくとも一つの突起を、凹所の一方の側と隣接して、カ
ラーに設けてもよい。この好ましい実施例では、カラー
38は、半径方向に差し向けられた四つの突起45を有
する。凹所43及び突起45の機能を以下に詳細に説明
する。
り、入れ子式に摺動させて注射器バレル12上に配置さ
れる。安全シールド36は、好ましくは、熱可塑性材料
から成形され、基端56及び先端58を夫々有する。安
全シールドの軸線方向長さは、針カニューレ32の長さ
よりも長い。安全シールドは、好ましくは、長手方向に
延びる複数の浅いリブ62を備えた内周面60を有す
る。
し自在の端キャップ63をその先端58に有する。端キ
ャップは、シールドを延ばして針保護位置にした後、針
カニューレの尖端33が指と接触しないようにするため
に設けられている。更に、端キャップが取り外し自在で
あることにより、安全シールドが一杯に延ばされた針保
護位置にある状態で、注射器を、他の手順において使用
できる。このような手順の一つとしては、端キャップを
取り外し且つ真空排気したチューブを、注射針がこのチ
ューブの穿刺可能なストッパーを穿刺するまで安全シー
ルドに内に挿入し、注射器内の血液を注射器から真空排
気したチューブ内に引き出す手順がある。
た少なくとも一つの突起を更に有し、この好ましい実施
例では、内方に差し向けられた四つの突起61が設けら
れ、これらの突起は、好ましくは、安全シールドの内面
60に沿って互いから実質的に等間隔に間隔を隔てられ
ている。突起61及びこれらの突起とカラーに設けられ
た凹所43との相互作用が、本発明の重要な特徴であ
る。注射器アッセンブリの使用中、例えば、針カニュー
レを通して注射器を充填するときや注射によって投与を
行うとき、安全シールドが注射器バレルに関して移動し
ないように十分な力で保持されていることが重要であ
る。これは、シールドが設けられていない注射器を使用
している使用者が手でバレルに加える通常の力が安全シ
ールドに加えられるため、重要なのである。安全シール
ドがバレルに関してその基端位置に十分に保持されてい
ない場合には、注射器の通常の使用によって安全シール
ドが外れ、注射器を使用し終える前に誤って先端位置に
係止されてしまう。与えられた構造が、注射器の通常の
使用中に安全シールドが移動しないようにするのに十分
で且つ安全シールドを基端位置から先端位置まで移動す
るのがそれ程困難ではない、大き過ぎない保持力で安全
シールドを基端位置に保持しなければならないので、こ
の必要条件を満足させることは困難である。従って、安
全シールドを基端位置に積極的に保持すればする程、先
端位置まで移動するのが困難になる。更に、安全シール
ドを基端位置に保持する力が十分でない場合には、注射
器の通常の使用中に安全シールドが外れてしまう。安全
シールドの内側と注射器の外側との間に摩擦締まり嵌め
を使用した設計は、寸法の公差を精密に制御することを
必要とするため、費用がかかる。更に、シールドの内径
とバレルの外径との間の摩擦締まり嵌めによって経時的
に生じた応力によりプラスチック製の構成要素がクリー
プし、かくして、応力及び注射器を引っ込め位置に保持
する摩擦力が低下する。従って、製造時に安全シールド
をその引っ込め位置に保持するのに十分な締まり嵌めを
持つ注射器は、一年に亘って棚に放置した後では、安全
シールドを適切にその引っ込め位置に保持することがで
きない。これを補償するため、製造者は、プラスチック
のクリープを考慮して、必要以上にぴったりとした締ま
り嵌めを行う。しかしながら、注射器が早期に使用され
た場合には、安全シールドを前進させるのが困難であ
り、注射器が長期間に亘って棚に放置された場合には、
シールドを引っ込め位置に保持する保持力が所望の力以
下である。
シールドから突出した片持ち梁を使用する。これらの設
計は、プラスチック材料のクリープの危険性を小さくす
るものであるが、これをなくすものではない。更に、別
の設計では、注射器バレルの基端に設けた溝やリブのよ
うな構造を使用する。このような構造は、考えとしては
おもしろいが、費用がかかるか或いは実施が極めて困難
である。金型成形したプラスチック製の注射器バレル
を、その製造プロセス中に、射出成形金型から軸線方向
に引き出す場合には、バレルの構造が剥がれたり金型に
よって損傷される。変形例では、この構造は、バレルを
金型から外す際に構造が変形してしまう程もろく作るこ
ともできる。しかしながら、この構造は安全シールドを
適切に保持するのには十分でない。
端上において、安全シールドをその基端位置に保持する
ことを、最も重要な構造に含めることが。かに望まし
い。本発明では、標準的な注射器バレルが使用され、安
全シールドを基端位置に解除自在に保持し、このシール
ドを針保護する先端位置に係止するための、安全シール
ドに設けられた構造と協働する構造を持つカラーが提供
される。更に、過度の締まり嵌めを用いたり大きな応力
を構成要素に作用したりしないで安全シールドをその基
端位置に保持するのが望ましい。このような構造は、以
下に説明するように機能する本発明によって提供され
る。本発明の安全シールドは、図1、図2、図3 、及
び図8の8Aに最もよく示してあるように、その引っ込
め位置にあるとき、安全シールド36の内方に差し向け
られた突起61が、実質的に、カラー38の後方に位置
決めされる。安全シールドは、突起61が、図9の9B
において、カラーの直径Fよりも小さい直径Mを形成
し、この直径Mが好ましくはカラーの直径Dよりも小さ
いため、その基端位置から移動できない。いずれにせ
よ、カラーは、突起61との干渉によって、安全シール
ドが先端方向に移動しないようにする。安全シールドを
前進させるためには、使用者は、図8の8Bに最もよく
示すように、突起61がカラーの凹所43と整合する位
置まで安全シールドを廻さなければならない。この位置
で、安全シールドをその先端位置に向かって軸線方向先
端方向に前進させることができる。突起61が構成する
直径Mは、突起が僅かな干渉即ち抵抗を伴って凹所を通
過できるように凹所43の基部が構成する直径Nと等し
いか或いはこれ以下とされるのが好ましい。しかしなが
ら、直径Mは、直径Nよりも大きくてもよく、その場合
には突起61が凹所43を干渉なしに通過する。安全シ
ールドをバレルに関して安定させ、注射器の通常の使用
中に安全シールドがバレルの部分であると感じられる程
に十分ぴったりと保持するため、基端部分において、安
全シールドの基端をバレルのフランジ17に当接させ、
即ちこれと接触させ、突起61をカラーの弾性変形可能
な係止壁52に押し付けて、安全シールドをカラー38
とフランジ17との間に強制的に捕捉するのが好まし
い。この構造は、安全シールドをバレルに関して固定位
置に適切に保持し、使用者が安全シールドを先端位置ま
で移動することを決定したときに使用者がカラーを安全
シールドの突起がカラーの凹所と整合するまで廻すとい
う追加の利点を提供する。好ましい設計では、突起61
がカラーの弾性変形可能な係止壁52に及ぼす圧力によ
り、突起が凹所43内に入り込み、整合がなされた触感
を使用者に与える。この構造は、凹所を闇雲に探す必要
をなくし、整合がなされたことが構造によって使用者に
知らされる。
は、カラー及びバレルに関する安全シールドの回転を3
60°以下、好ましくは約90°に制限するための手段
である。回転を制限するための手段には、カラーに関す
るスリーブの回転と干渉する、カラーから突出した構造
即ち突起が含まれる。このような構造は、好ましい実施
例では、カラー38の基端40から突出した半径方向外
方に差し向けられたプロチュバランス45によって提供
される。少なくとも一つのプロチュバランスが必要であ
り、本実施例では、回転に対する抵抗の強さを改善する
ため、四つのプロチュバランスが設けられている。カラ
ー及びバレルに関し、シールドを図8の8Aに方向Vと
して示す反時計廻り方向に回転させると、安全シールド
は、突起61が凹所43と整合するまで回転する。整合
すると、プロチュバランス45との接触によって、これ
以上大きく反時計廻り方向に回転することが阻止され
る。このとき、シールドをその先端位置まで前進させる
ことができる。使用者が安全シールドをその解放自在に
保持された基端位置まで戻そうとするときには、シール
ドを基端方向に摺動させ、突起61がプロチュバランス
45と当接して使用者にシールドが固定的に保持された
ことが示されるまで、図8の8Aに方向Wとして示す時
計廻り方向に回転する。この構造は、基端位置での安全
シールドの解放及び保持に必要な回転の量を制限し、更
に、注射器の状態に関する触感を使用者に提供する。例
えば、カラーに関するシールドの回転を90°又はそれ
以下に制限するために、互いから90°のところに位置
決めされた二つのプロチュバランスを使用できる。
全シールドの長手方向に延びる軸線方向リブ62の一部
であり且つこれと整合しており、そのため、安全シール
ドをその基端位置から解放しその先端位置まで前進させ
た後、注射器バレルに関する安全シールドの回転が凹所
43内のリブ62の存在によって阻止されるのが好まし
い。本発明を明瞭に教示する目的のため、突起61は、
軸線方向リブ62よりも僅かに大きく示してある。しか
しながら、成形のため及び機能上の目的のため、突起6
1は軸線方向リブ62とほぼ同じ大きさであるのが好ま
しい。軸線方向リブ62は、本発明の実施に必要でない
が、これらの軸線方向リブは、以下に更に詳細に説明す
るように、望ましく且つ好ましい構造的特徴である。以
下でわかるように、リブ62の角度位置により、安全シ
ールドに設けられた係止歯70を、凹所によって中断さ
れていないカラーの部分と接触させることができる。こ
れは、この好ましい実施例では、要素が整合して、安全
シールドの先端係止位置からの移動に対する最大抵抗を
提供するため、重要である。
てられた複数のストッパ用ブロック64を有することを
特徴とする。各ストッパ用ブロック64は、内方に面し
た表面66及び半径方向に整合した先端方向に向いたス
トッパ面68を有する。ストッパ用ブロック64が構成
する内径「H」は、係止カラー38の基端40の外径
「C」よりも小さい。かくして、注射器バレル12に沿
った安全シールド36の先端方向への入れ子式の移動が
係止カラー38の基端40によって制限される。詳細に
は、ストッパ用ブロック64の、半径方向に整合した先
端方向に向いたストッパ面68が、係止カラー38の基
端方向に向いた環状端面49と積極的に係合し、安全シ
ールド36が基端から先端への方向へ注射器バレル12
から抜けるのを阻止する。
数の係止歯70を更に有し、これらの歯は、ストッパ用
ブロック64から先端方向に距離「I」のところに配置
されている。この距離「I」は、カラー38の端面49
と弾性係止壁52の先端との間の距離「G」よりも大き
い。係止歯70は、安全シールド36の基端56に近い
場所で小さな内径「L」を構成するように形成されてい
る。小さな内径「L」は、カラー38の弾性変形可能な
係止壁52が構成する大きな直径「F」よりも小さい。
係止歯70の基端71は、弾性変形可能な係止壁52の
最先端の截頭円錐形の表面54の角度とほぼ等しい所定
の角度で切り込んである。この角度は、図9に示すよう
に、約30°である。
に安全シールド36を注射器バレル12上で摺動させる
ことによって行われる。次いで、係止カラー38を注射
器バレル12上に先端から基端への方向に摺動させ、引
っ掛かり突起46をルアー型カラー28に食い込ませて
カラー38が基端から先端への方向で外れないようにす
る。
凹所43とを整合させ、安全シールド36を注射器バレ
ル12上で先端方向に入れ子式に移動する。安全シール
ド36の最初の基端方向への移動は、カラー38の凹所
43を通過するリブ62との接触によって制御される。
次いで、係止歯70が係止カラー38の截頭円錐形の係
止壁52と係合してこれを内方に変形させ、安全シール
ド36が注射器バレル12上を引き続いて先端方向に前
進できるようにする。先端方向に十分に移動した後、係
止歯70は係止カラー38の截頭円錐形の係止壁52を
越えて先端方向に移動する。この時点で、係止壁52
は、係止歯70が構成する内径「L」よりも大きい外径
「F」を構成する変形していない状態又はほとんど変形
していない状態に向かって弾性的に戻る。その結果、係
止歯70が係止カラー38の係止壁52と係合し、これ
によって、針カニューレ32が再び露呈されることが阻
止される。係止壁52の先端54の截頭円錐形の凹状の
形体、及びこれと対応した係止歯70の基端71の形体
により、係止カラー38の截頭円錐形の係止壁52が外
方に押圧され、安全シールド36にぴったりと嵌まり、
これによって、安全シールド36に及ぼされる基端方向
への力に応じて係止が更に高められる。係止歯に設けら
れた表面71及び弾性変形可能な係止壁52の形体によ
り、シールドに対して基端方向に差し向けられた力は、
係止壁52を拡張し、係止歯と更にしっかりと係合させ
る。従って、力が増せば増す程、抵抗が増大する。これ
が、本発明の重要な特徴である。歯70と係止カラー3
8とのこの係止係合には、歯70が係止カラー38を通
過したときに安全シールド36が完全に係止したことを
示す明瞭に認識できる触感及び音の表示が伴い、係止壁
52を実質的に変形していない状態に向かって弾性的に
戻すことができる。安全シールド36は、係止カラー3
8の基端40が構成するストッパ面とストッパ用ブロッ
ク64との係合によって先端方向に外れないようにされ
ている。
Bに示す。ここで特に説明することを除くと、図13の
13A及び13Bの実施例は、図1乃至図12の実施例
と実質的に同じ構成要素を有し、同様に機能する。この
変形例は、安全シールドを基端位置に保持するため、及
びカラーに関する回転移動を制限するために使用され
る、カラーに設けられたプロチュバランス及びカラーの
凹所についての種々の輪郭及び形状が本発明の範囲内に
含まれるということを示す。変形例の注射器アッセンブ
リ100は、等間隔に間隔を隔てられた内方に差し向け
られた4つの突起161がその先端近くに設けられた安
全シールド136を有する。カラー138は、等間隔に
間隔を隔てられた半径方向に差し向けられた四つの凹所
143を有する。図1乃至図12の実施例におけるプロ
チュバランス45のような別個に半径方向に差し向けら
れたプロチュバランスを使用するのでなく、凹所143
を非対称形状に形成することによって、カラーに関して
時計廻り方向Wへの安全シールドの回転を停止する即ち
回転に抵抗するのである。突起161及び非対称の凹所
143の寸法及び形状を注意深く定めることによって、
突起と凹所との間の相互作用により、安全シールドがカ
ラーに関して図13の13Aに方向Vとして示す方向に
反時計廻り方向に回転しないようにする。安全シールド
がカラーに関して回転しないようにすることは、安全シ
ールドがその基端位置にある場合には必要でないが、こ
れは、本発明の望ましい特徴である。図13の13A及
び13Bに示すように、突起が凹所と整合している場合
には、安全シールドは回転が制限されており、先端方向
に前進させることができる。この抵抗は、使用者が印を
越えて注射することや針が露呈されているときに注射器
を不必要に取扱うことを阻止する。非対称に形成した凹
所及びプロチュバランスの組み合わせは、シールドに所
望の回転角度を与え、シールドがカラーと係合した触感
を与えるのに使用できる。
ルドを延長した針保護位置に保持し、安全シールドを針
を露呈するその基端位置に解放自在に保持するための多
くの構造を持つ多くの注射器を提供するが、安全シール
ドを持ち、簡単であり且つ容易に製造できる注射器が今
でも必要とされている。本発明の注射器において、安全
シールドが注射器バレルに関してその基端位置にある貯
蔵状態において、安全シールド及び注射器バレルに大き
な応力が加わらない構造を使用した、注射器バレルの先
端に設けられた構造によって、安全シールドの伸長位置
と後退位置の両方が制御される。
器の斜視図である。
断面図である。
る。
の端面図である。
れた安全シールドを示す、図2の注射器アッセンブリの
8A−8A線に沿った断面図であり、8Bは、安全シー
ルドを基端位置から前進させることができるように安全
シールドを回転させて安全シールドの突起をカラーの凹
所と整合させた、Aの注射器アッセンブリを示す断面図
である。
面図であり、9Bは、端キャップを取り外した安全シー
ルドの先端の端面図である。
部分断面図である。
部分断面図である。
全シールドを断面で示す、図2と同様の断面図である。
みを許容する変形例のカラーを備えた変形例の注射器ア
ッセンブリの断面図であり、13Bは、安全シールドを
カラーに関して回転させて安全シールドの突起をカラー
の凹所と整合させ、安全シールドがその基端位置から移
動できるようにしたところを示す、Aの注射器アッセン
ブリの断面図である。
レル 14 バレルの先端 16 バレルの
基端 17 指掛けフランジ 18 円筒壁 20 チャンバ 22 チップ 24 通路 26 プランジ
ャー 27 ストッパー 28 ルアー型
係止カラー 30 針ハブ 32 針カニュ
ーレ 33 尖端 34 針カバー 36 安全シールド 38 カラー
Claims (10)
- 【請求項1】 安全注射器アッセンブリであって、 基端及び針カニューレが取り付けられた先端の両端を持
つ注射器バレルを有する皮下用注射器と、 半径方向内方を向いた少なくとも一つの凹所を持つ、前
記注射器バレルの周りに取り付けられたカラーと、 前記針カニューレが露呈される基端位置から、前記針カ
ニューレを保護するように取り囲む先端位置まで、入れ
子式に移動するように前記注射器バレル上に位置決めさ
れた安全シールドであって、前記基端位置にある場合に
は前記バレルに関して回転自在であり、前記バレルに対
して回転せしめられて前記凹所と整合し、且つ前記基端
位置から前記先端位置に向かって移動させたときに、前
記カラーの前記凹所を通過するように大きさが定められ
ており且つ位置決めされた内方を向いた少なくとも一つ
の突起が内面に設けられ、前記カラー及び前記突起は、
前記突起と前記凹所とが整合していない場合には、前記
安全シールドが前記基端位置から移動するのを阻止する
ようになされた安全シールドと、 前記安全シールドを前記先端位置で係止するため、前記
カラーと前記安全シールドとを係止係合させるための係
止手段であって、前記係止係合は前記安全シールドを前
記バレルに関して先端方向に軸線方向に移動するだけで
行うことができる係止手段と、を含み、 前記係止手段は、前記注射器バレルから外方に突出した
ストッパ用の壁を持つ前記カラー及び同カラーから先端
方向外方に突出した少なくとも一つの変形可能な係止壁
を有し、 前記安全シールドは、同安全シールドが前記先端位置に
あるときに同安全シールドが前記注射器バレルから抜け
ないようにするため、同安全シールドから内方に突出し
た、前記カラーの前記ストッパ用壁と係合自在の少なく
とも一つのストッパ用ブロックを有し、前記安全シール
ドは、前記基端位置から前記先端位置に向かう前記入れ
子式の動作中に前記カラーの前記係止壁を内方に変形さ
せるように寸法が定められており且つ配置された少なく
とも一つの係止歯を更に有し、同係止歯は、前記カラー
の前記係止壁及び前記ストッパ用壁を前記安全シールド
の 前記係止歯とストッパ用ブロックとの間に係合させる
ことができるのに十分な距離だけ前記ストッパ用ブロッ
クから先端方向に間隔を隔てられており、前記係止歯
は、前記変形可能な係止壁と係止係合して前記安全シー
ルドがその係止された先端位置から基端方向に移動しな
いようにした、 安全注射器アッセンブリ。 - 【請求項2】 前記カラーは、回転を360°以下に制
限するため、前記シールドを前記カラーに関して回転さ
せるときに前記突起の動きを阻止するように位置決めさ
れた半径方向に向いた少なくとも一つのプロチュバラン
スを有する、請求項1に記載の安全注射器アッセンブ
リ。 - 【請求項3】 前記少なくとも一つのプロチュバランス
は、前記安全シールドの前記カラーに関する回転を90
°と等しいかそれ以下に制限するため、互いから約90
°の位置に位置決めされた少なくとも二つのプロチュバ
ランスを含む、請求項2に記載の安全注射器アッセンブ
リ。 - 【請求項4】 前記安全シールドに設けられた前記少な
くとも一つの突起は、前記安全シールドが前記基端位置
にあるとき、前記安全シールドを前記バレルに関して回
転させて前記少なくとも一つの突起と前記少なくとも一
つの凹所とを整合させるまで、前記係止壁に押し付けら
れるように前記安全シールド上に位置決めされている、
請求項1に記載の安全注射器アッセンブリ。 - 【請求項5】 前記注射器バレルは、前記バレルの前記
基端に指掛けフランジを有し、前記安全シールドは前記
安全シールドが前記基端位置にあるとき、前記指掛けフ
ランジと接触している、請求項4に記載の安全注射器ア
ッセンブリ。 - 【請求項6】 前記カラーの前記少なくとも一つの凹所
は、前記安全シールドの前記突起が前記カラーの前記凹
所と整合し且つこの凹所内にあるようになった後に、前
記安全シールドが前記カラーに関して同じ方向に回転し
続けないようにするため、非対称形状に形成されてい
る、請求項1に記載の安全注射器アッセンブリ。 - 【請求項7】 前記変形可能な係止壁は、前記少なくと
も一つの凹所を除き、連続した截頭円錐形形状の壁であ
る、請求項1に記載の安全注射器アッセンブリ。 - 【請求項8】 前記カラーの前記変形自在の係止壁は、
前記カラーから先端 方向外方に突出した独立して変形で
きる間隔を隔てられた複数の係止壁セグメントからな
る、請求項1に記載の安全注射器アッセンブリ。 - 【請求項9】 前記カラーの前記変形自在の係止壁は、
基端方向の力をかけられると前記係止壁を外方に変形さ
せるため、全体に凹状をなすように傾斜を付けられた先
端を有する、請求項1に記載の安全注射器アッセンブ
リ。 - 【請求項10】 前記安全シールドの前記係止歯の基端
は、前記係止歯による基端方向の力が前記変形自在の係
止壁にかけられると前記カラーの前記係止壁を外方に変
形させるように傾斜が付けられている、請求項9に記載
の安全注射器アッセンブリ。
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