JP2927121B2 - 入力回路 - Google Patents

入力回路

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JP2927121B2
JP2927121B2 JP4236720A JP23672092A JP2927121B2 JP 2927121 B2 JP2927121 B2 JP 2927121B2 JP 4236720 A JP4236720 A JP 4236720A JP 23672092 A JP23672092 A JP 23672092A JP 2927121 B2 JP2927121 B2 JP 2927121B2
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俊明 星
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、入力回路に関し、特
に、CMOSトランジスタを用いた入力回路に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、マイクロプロセッサやメモリなど
の半導体デバイスは、その市場性が拡張するのに伴なっ
て、自動車に搭載されたり、或いは、宇宙で用いられた
りするなど、従来以上に苛酷な環境の下でも使用される
ようになりつつある。
【0003】半導体デバイスがおかれる使用環境に関し
て、特に温度範囲について言えば、従来、0℃から70
℃の温度範囲で動作保証をする仕様であったものが、最
近では、−50℃から125℃程度までの広い温度範囲
での動作の保証を要求されるようになってきている。
【0004】このように、半導体デバイスに要求される
保証温度範囲が厳しくなってきていることに対して、デ
バイス内部での動作に関連するような項目については、
工夫を施して、対外的仕様を満足するようにしている
が、デバイスの入出力部分に関係する電気特性、特に、
入力レベルなどについては、他のデバイスとの対外的な
関係があるので、保証温度範囲が厳しくなったからとい
って、それらの仕様そのものを変更したり或いは緩和す
るなどして、簡単に対応することができない状態にあ
る。
【0005】図4(a)に、従来の入力回路の一例の回
路図を示す。図4(a)を参照すると、この入力回路
は、PMOSトランジスタP1 ,P2 とNMOSトラン
ジスタN1 ,N2 とを用いたCMOS構成の2入力NA
NDゲートと、このNANDゲートの出力信号を反転す
るインバータ回路1とからなっている。NANDゲート
を構成するMOSトランジスタの内、PMOSトランジ
スタP1 とNMOSトラジスタN1 のゲート電極は入力
端子2に接続され、ここに、外部からの信号DIが2入
力の一方の入力信号として入力される。又、PMOSト
ランジスタP2 とNMOSトランジスタN2 のゲート電
極は禁止信号端子3に接続され、ここに、2入力のもう
一方の入力信号として、外部から入力禁止信号EXが入
力される。この入力回路の出力信号DOは、インバータ
回路1の出力端に接続された出力端子4から取り出され
る。入力禁止信号EXは、この入力回路の入力がフロー
ティング状態になった時に、出力信号DOが不定になる
ことを防ぐためのものであって、上述した出力回路は、
基本的には、2つのCMOSインバータ回路が縦列2段
に接続されたものであると考えることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来のCMO
S構成の入力回路においては、使用される環境温度に変
化が生じると、場合によっては、入力レベルに関する対
外的仕様を満足することができなくなることがある。以
下にその説明を行なう。
【0007】図4(a)に示される入力回路において、
高位電源端子5に与えられる電源電圧が、例えば、LS
Iなどによく用いられる5V電源系の電圧であるとす
る。この場合、入力信号DIとして、振幅が0〜5Vの
間をフルスイングするようなMOS系の信号が入力され
るときは、入力回路の論理しきい値を電源電圧5Vのほ
ぼ1/2に設定する。ところが、入力信号DIがTTL
レベルの信号であるときには、入力回路の論理しきい値
を2.5(=5.0/2)Vよりも低い値にしなければ
ならない。このような場合には、一般に、CMOSイン
バータ回路の入力論理しきい値が、NMOSトランジス
タの電流駆動能力に対するPMOSトラジスタの電流駆
動能力の比の関数であるということを利用して、NMO
SトランジスタN1 ,N2 のディメンジョンを、PMO
SトランジスタP1 のディメンジョンよりも十分大きく
設計するのが通常行なわれる方法である。この結果、こ
の入力回路の入力論理しきい値の温度依存性は、図4
(b)に示されるように、NMOSトランジスタN1
2 のしきい値電圧の温度依存性に大きく影響されるこ
とになる。
【0008】以上述べたように、従来のCMOS構成の
入力回路は、その入力論理しきい値が、NMOSトラジ
スタN1 ,N2 のしきい値電圧の温度依存性の影響を大
きく受けることに起因して、その使用温度を拡張すると
きには、入力レベルに関する仕様を守れなくなることが
あるという問題がある。
【0009】本発明は、このような従来の入力回路の問
題に鑑みてなされたものであって、環境温度に変化があ
った場合でも、入力の論理しきい値が、対外的仕様を満
足するように自動的に変化する、動作の安定性に優れた
入力回路を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の入力回路は、外
部からの入力信号をゲート入力とする第1のMOSトラ
ンジスタと前記第1のMOSトランジスタと同一導電型
の第2のMOSトランジスタとを直列に接続してなる少
なくとも一以上の直列トランジスタ回路と、前記入力信
号をそれぞれのゲート入力とする互いに反対導電型の第
3および第4のMOSトランジスタからなるCMOSイ
ンバータ回路とを有し、前記直列トランジスタ回路を、
前記CMOSインバータ回路を構成する、前記第1およ
び前記第2のMOSトランジスタと同一導電型のMOS
トランジスタに並列に接続してなるCMOS回路と、リ
ングオシレータ回路と、前記リングオシレータ回路の出
力を入力とする第1のカウンタと、外部から入力され周
波数の基準となるクロック信号を入力とする第2のカウ
ンタと、前記第1のカウンタの出力と前記第2のカウン
タの出力とを入力とし、前記リングオシレータ回路の自
励発振周波数と前記クロック信号の周波数との差を検出
する比較器と、前記比較器の出力により、前記直列トラ
ンジスタ回路を構成する第2のMOSトランジスタを前
記周波数の差に応じてオン・オフする信号を生成する選
択信号制御回路とを備えることを特徴としている。
【0011】
【実施例】次に、本発明の好適な実施例について、図面
を参照して説明する。図1は、本発明の第1の実施例の
回路図である。図1を参照すると、本実施例では、PM
OSトランジスタP1 ,P3 ,P5 ,P7 はゲート電極
が入力端子2に接続され、その中で、PMOSトランジ
ストP3 ,P5 ,P7 はそれぞれ、PMOSトランジス
タP4 ,P6 ,P8 と直列接続されている。これら3つ
のPMOSトランジスタP4 ,P6 ,P8 のゲート入力
としてはそれぞれ、後述する選択信号制御回路11の出
力である信号C1 ,C2 ,C3 が入力される。又、NM
OSトランジスタN2 ,N1 は直列接続され、おのおの
のゲート電極には、禁止信号端子3,入力端子2が接続
されている。これに加えて、PMOSトランジスタP2
は、そのゲート電極に禁止信号端子3が接続されてい
る。以上の回路は、外部からの入力信号DIと入力禁止
信号EXとを入力とする2入力NANDゲートの変形で
あり、その出力はインバータ回路1の入力となる。
【0012】以下に、本実施例の動作について説明す
る。先ず、図1中のリングオシレータ15の発振周波数
の温度特性は、通常、図2(b)に示されるような特性
を持っている。すなわち、温度が高くなると、リングオ
シレータ15に使用されているMOSトランジスタの相
互コンダクタンスが低下するので、発振周波数が低くな
る。これに対して、クロック信号CLKは、通常、外部
で水晶発振子などを用いて発振されるものであって、例
えば、LSIにおける動作の時間的基準として用いられ
ることからも分るように、その発振周波数の温度依存性
は極めて小さく安定している。つまり、リングオシレー
タ15の出力ROの自励発振周波数とクロック信号CL
Kの周波数とは、図2(b)に示される関係を持ってい
る。その一方で、リングオシレータ15の出力ROの自
励発振周波数の温度依存性と、図4(b)に示される入
力論理しきい値の温度依存性とは、ほぼ相似の関係にあ
る。これらの関係を利用すれば、温度変化による入力論
理しきい値の変化を、リングオシレータ15の自励発振
周波数の変化と同等とみなすことができるので、自励発
振周波数の変化を、周波数の基準となるクロック信号C
LKの周波数との差として検出することによって、入力
論理しきい値の温度変化に伴なう変化を検出することが
できる。
【0013】温度依存性に関して入力論理しきい値の変
化とこのような関係にある、クロック信号周波数とリン
グオシレータ自励発振周波数との周波数差は、カウンタ
14の出力とカウンタ13の出力とを、比較器12に入
力して比較することにより、一定時間毎に検出すること
ができる。2つのカウンタ13,14に外部から入力さ
れる信号Rは、上述の周波数の差を所定の時間毎に検出
するために、カウンタ13,14をリセットするための
リセット信号である。このようにして、周波数差を検出
することができる。
【0014】次に、比較器12の出力を選択信号制御回
路11に入力する。この選択信号制御回路11は、予め
決められたプログラムに基づいて、比較器12の出力、
すなわち、発振周波数差に応じて、信号C1 ,C2 ,C
3 のレベルを制御する。制御は、図2(a)に示すよう
に、低温になってリングオシレータ15の自励発振周波
数が最も高い方にずれた場合には、3つの信号C1 ,C
2 ,C3 の論理が全て「1」となって、PMOSトラン
ジスタP4 ,P6 ,P8 が全てオフするように行われ
る。この結果、入力信号DIをゲート入力とするPMO
Sトランジスタの電流能力が、入力信号DIをゲート入
力とするNMOSトランジスタの電流能力よりも相対的
に小さくなり、入力論理しきい値は相対的に下る。
【0015】逆に、環境温度が高くなり、リングオシレ
ータ15の自励発振周波数が最も低い方にずれた場合に
は、3つの信号C1 ,C2 ,C3 が全て論理「0」とな
り、PMOSトランジスタP4 ,P6 ,P8 をオンにす
る。このことによって、入力信号DIを入力とするPM
OSトランジスタとNMOSトランジスタとの電流能力
比は、PMOSトランジスタ側が大きくなり、入力論理
しきい値は相対的に上る。
【0016】以上述べたように、本実施例では、発振周
波数差をパラメータとして3つの信号C1 ,C2 ,C3
を発生させ、これら3つの信号で、並列に設けられた直
列トランジスタ回路の電流経路をプログラマブルにオン
・オフすることによって、全温度範囲を仮想的に4つの
領域に分割している。それぞれの温度領域では、温度
幅、すなわち、回路の動作を保証すべき実質的な温度範
囲が、仕様上の全温度範囲の1/4に狭まるので、入力
論理しきい値の変動幅も小さくなり、結果として、全温
度範囲での入力論理しきい値の変動を、従来の入力回路
における入力論理しきい値の変動より大幅に小さくでき
る。本実施例では、−25〜125℃の温度範囲を、3
つの信号で4つの温度領域に分割した例について説明し
たが、有効化信号の数を4以上にすれば、入力論理しき
い値の変動幅を更に狭めることができる。
【0017】次に、本発明の第2の実施例について説明
する。図3は、本発明の第2の実施例の回路図である。
図3を参照すると、本実施例が図3に示される第1の実
施例と異なるのは、選択信号制御回路11からの信号C
4 ,C5 ,C6 によって制御されるMOSトランジスタ
が、PMOSトランジスタP4 ,P6 ,P8 からNMO
SトランジスタN4 ,N6 ,N8 に変り、それに伴なっ
て、各NMOSトランジスタをオンさせるための論理
が、「0」から「1」になることである。
【0018】本実施例では、第1の実施例と同様に、入
力端子2への入力信号DIをそれぞれのゲート入力とす
るPMOSトラジスタP1 とNMOSトランジスタ
1 、および、禁止信号端子3への入力禁止信号EXを
ゲート入力とするPMOSトランジスタP2 とNMOS
トランジスタN2 によって、通常の、CMOS2入力N
ANDゲートが構成されている。更に、入力信号DIを
ゲート入力とする3つのNMOSトランジスタN3 ,N
5 ,N7 に対して、選択信号制御回路11からの信号C
4 ,C5 ,C6 をそれぞれのゲート入力とする3つのN
MOSトランジスタN4 ,N6 ,N8 がそれぞれ直列に
接続された構成の3つの直列トランジスタ回路が設けら
れている。そして、これらの直列トランジスタ回路はそ
れぞれ、入力信号DIをゲート入力とするNMOSトラ
ンジスタN1 に対して並列に接続されている。2入力N
ANDゲートの出力端は、インバータ回路1の入力端に
接続され、このインバータ回路の出力信号が出力端子4
から取り出される。
【0019】選択信号制御回路11へは、第1の実施例
と同様に、リングオシレータ15の自励発振周波数と、
外部からのクロック信号CLKの周波数とを、カウンタ
14およびカウンタ13を介して比較器12で比較した
結果が入力される。
【0020】本実施例においては、選択信号制御回路1
1の出力信号C4 ,C5 ,C6 の論理を、温度によっ
て、図2(a)中の表に示すように設定することによっ
て、第1の実施例と同様の効果を得ることができる。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の入力回路
は、CMOSインバータ回路を基本とし、これを構成す
るPMOSトランジスタ又はNMOSトランジスタに並
列に、同じ導電型のMOSトランジスタを備えている。
更に、自励発振回路を持ち、この自励発振周波数と、外
部から入力され周波数の基準となるクロック信号の周波
数との差を検出し、その差に応じて前述の並列MOSト
ランジスタのオン・オフを制御するように構成されてい
る。
【0022】これにより、本発明によれば、使用環境の
温度に変化が生じた場合でも、入力論理しきい値が所定
の範囲内に自動的に調整されるような、動作の安定性に
優れた入力回路を提供することができる。本発明の入力
回路は、例えば、自動車に搭載されたり、或いは、宇宙
で用いられたりするなど、従来よりも保証温度範囲の厳
しい用途にも十分対応することができるので、半導体デ
バイスの用途拡大に大きな利点をもたらすものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の回路図である。
【図2】分図(a)は、本発明の第1の実施例および第
2の実施例における、入力論理しきい値の温度依存性を
示す図である。分図(b)は、本発明の第1の実施例お
よび第2の実施例に用いられるリングオシレータの自励
発振周波数の温度依存性を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施例の回路図である。
【図4】分図(a)は、従来のCMOS入力回路の一例
の回路図である。分図(b)は、分図(a)に示す入力
回路における、入力論理しきい値の温度依存性を示す図
である。
【符号の説明】
1 インバータ回路 2 入力端子 3 禁止信号端子 4 出力端子 5 高位電源端子 11 選択信号制御回路 12 比較器 13,14 カウンタ 15 リングオシレータ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外部からの入力信号をゲート入力とする
    第1のMOSトランジスタと前記第1のMOSトランジ
    スタと同一導電型の第2のMOSトランジスタとを直列
    に接続してなる少なくとも一以上の直列トランジスタ回
    路と、前記入力信号をそれぞれのゲート入力とする互い
    に反対導電型の第3および第4のMOSトランジスタか
    らなるCMOSインバータ回路とを有し、前記直列トラ
    ンジスタ回路を、前記CMOSインバータ回路を構成す
    る、前記第1および前記第2のMOSトランジスタと同
    一導電型のMOSトランジスタに並列に接続してなるC
    MOS回路と、 リングオシレータ回路と、 前記リングオシレータ回路の出力を入力とする第1のカ
    ウンタと、 外部から入力され周波数の基準となるクロック信号を入
    力とする第2のカウンタと、 前記第1のカウンタの出力と前記第2のカウンタの出力
    とを入力とし、前記リングオシレータ回路の自励発振周
    波数と前記クロック信号の周波数との差を検出する比較
    器と、 前記比較器の出力により、前記直列トランジスタ回路を
    構成する第2のMOSトランジスタを前記周波数の差に
    応じてオン・オフする信号を生成する選択信号制御回路
    と、 を備えることを特徴とする入力回路。
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