JP2926976B2 - 過共晶アルミニウム―ケイ素系ビレツトの製造方法 - Google Patents

過共晶アルミニウム―ケイ素系ビレツトの製造方法

Info

Publication number
JP2926976B2
JP2926976B2 JP31092990A JP31092990A JP2926976B2 JP 2926976 B2 JP2926976 B2 JP 2926976B2 JP 31092990 A JP31092990 A JP 31092990A JP 31092990 A JP31092990 A JP 31092990A JP 2926976 B2 JP2926976 B2 JP 2926976B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicon
primary
billet
crystal
hypereutectic aluminum
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP31092990A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04182057A (ja
Inventor
義信 武田
林  哲也
俊彦 鍛治
雄介 小谷
清明 明智
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP31092990A priority Critical patent/JP2926976B2/ja
Publication of JPH04182057A publication Critical patent/JPH04182057A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2926976B2 publication Critical patent/JP2926976B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Metal Powder And Suspensions Thereof (AREA)
  • Powder Metallurgy (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、微細なケイ素初晶を安定して有する過共晶
アルミニウム−ケイ素系ビレツトの製造方法に関する。
〔従来の技術〕
アルミニウム(Al)−ケイ素(Si)系合金のうち、鋳
造材はJIS規格でACやADCとして分類され、エンジンブロ
ツク等のアルミニウム合金鋳物として多量に使用されて
いる。又、展伸材としてのAl−Si系合金は400番代に分
類され、鋳造ビレツトから押出や鍛造等により各種部品
に加工され、代表的なものに鍛造用ピストン材料である
4032等がある。
しかし、上記した通常のAl−Si系合金はSiが共晶組成
以下に限られるうえ、溶解鋳造法で製造されるため冷却
速度が極めて遅く、従つてSi初晶が大きく成長し、機械
的特性や切削性を損なう等の欠点がある。そこで、Si初
晶の晶出のための核成長を促進しSi初晶の成長を抑える
ために、溶湯にP,Sr,Sb,Na,S等を添加する接種法も知ら
れているが、冷却速度の極めて遅い溶解鋳造法では初晶
の成長抑制に余り効果がなく、接種できる核の量にも限
界があるため、Si初晶を10μm以下の微細な粒径に抑制
することは不可能であつた。
一方、近年ではアトマイズ法等の急冷凝固粉末製造法
により、溶解鋳造法では不可能であつた大きな冷却速度
で溶湯から粉末を製造できるため、Si初晶を微細化で
き、共晶組成以上のSiを含み、更には第3合金成分とし
てFe,Ni,Cr,Mn,Cu,Mg等の金属元素Xを含んだ過共晶Al
−Si系合金粉末の製造が可能となり、これらの粉末を用
いた粉末冶金法によつて鋳造合金よりも遥かに優れた特
性を有するAl−17Si−X,Al−20Si−X,Al−25Si−X等の
粉末冶金合金が実用化されている。
上記Al−Si系粉末冶金合金の機械的特性を更に向上さ
せるには、Si晶を一層微細化すると同時にSi晶の粒径を
均一化することが必要であり、加えて僅かな量でも破壊
の起点となり、材料強度のバラツキの原因となる粗大な
Si晶を減少させることが極めて重要である。
然るに、従来のアトマイズ法等では、Si初晶を微細化
するには粉末の冷却速度を大きくすれば良いが、冷却速
度が粉末の粒度に依存するため、得られる粉末が一定幅
の粒度分布を有する限り全粉末中では存在するSi初晶の
粒径に大きなバラツキがあり、例えば粒径40μm程度の
粉末中には粒径20μmほどの粗大なSi初晶の存在が避け
られなかつた。そこで従来から、粗大なSi初晶を除くた
めに冷却速度の低い粗粒粉末を篩分けして除去し、微細
粉末のみを用いて固化体を製造することが行なわれてい
たが、材料歩留り低下により経済性が悪化するうえ、粉
末の流動性や成形性等のハンドリング性が著しく低下
し、更には粉塵爆発の危険が増大するなどの問題があつ
た。
最近、これら溶解鋳造法と急冷凝固粉末製造法の中間
的方法として、合金溶湯を不活性ガスで噴霧して急冷凝
固させながら堆積させる噴射成形法が英国のOSPRAY MET
ALS社によつて開発されている。この方法は、合金溶湯
を窒素やアルゴン等の不活性ガスでアトマイズし、細か
く噴霧された溶滴を急冷凝固させながら、同時にコレク
タ上に半溶融状態で次々に堆積させるもので、堆積物は
板状や円柱状などのほか、コレクタをプログラム制御す
ることにより円筒状等の各種形状に形成できる(住友重
機械技報Vol.36No.107 1988年)。
従つて、得られた堆積物をビレツトとして鍛造、押出
等の手段で加工すれば所望形状の製品が得られ、粉末ハ
ンドリングのない生産性の高さと酸素や水分等の混入を
抑制できる点などにおいて注目されている。
しかしながら、この噴射成形法は堆積凝固後の冷却速
度が遅いため、堆積物の組織が必ずしも微細にならず、
過共晶Al−Si系合金の堆積物の場合もSi初晶の大きさが
従来のアトマイズ法等と同程度かそれ以上であり、又噴
霧され堆積する溶滴は一定幅の粒径分布を有するので堆
積物中のSi初晶の大きさのバラツキも避けられなかつ
た。その結果、この堆積物から鍛造等によつて得られる
Al−Si系合金製品の機械的強度は、通常の粉末冶金合金
製品よりも劣る欠点があつた。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明はかかる従来の事情に鑑み、噴射成形法による
堆積物として、Si初晶が微細で且つ均一であり、特に粗
大なSi初晶の晶出を抑制できる過共晶アルミニウム−ケ
イ素系ビレツトを製造する方法を提供することを目的と
する。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するため、本発明の過共晶アルミニウ
ム−ケイ素系ビレツトの製造方法においては、リンで接
種された過共晶アルミニウム−ケイ素系合金溶湯を、噴
射成形法により不活性ガスで噴霧して急冷凝固させなが
ら堆積させ、堆積物として得られたビレツトのケイ素含
有量Wsi(重量%)に対するケイ素初晶最大粒径Dsi(μ
m)の相関関係を 35≦Wsi≦45‥‥Dsi≦10 25≦Wsi≦35‥‥Dsi≦7 17≦Wsi≦25‥‥Dsi≦5 12≦Wsi≦17‥‥Dsi≦3 に調整することを特徴とする。
〔作用〕
本発明方法では、溶解鋳造法において用いられていた
接種法を応用し、まずアトマイズ用の過共晶Al−Si系合
金溶湯にリン(P)を接種する。
均一に溶けた合金溶湯にPを接種して分散させること
により、凝固の際の核を予め準備し、過冷却による不均
一な核生成を抑制出来る。接種されたPは噴霧温度にお
いて固体微粒子として溶湯中に均一分散していることが
必要であるが、同時に溶湯中にはP以外の未溶解成分が
存在すると容易に粗大な晶出物となるので、これをなく
す必要がある。尚、接種された溶湯は、一旦冷却凝固さ
せた後、再度溶解して元の接種溶湯の状態に復帰するこ
とが可能である。
次に、接種溶湯を噴射成形法により不活性ガスで噴霧
し、急冷凝固させる。噴霧ガスとして窒素やアルゴン等
の不活性ガスを採用するのは、酸化量を抑制できるため
である。噴霧飛散中の冷却速度が大きいほど組織が微細
化することは知られているが、本発明方法ではSi初晶の
晶出核を予め多数溶湯中に存在させることによつて、過
冷却現象が発生しにくくなり、且つ又直接的管理が困難
な噴霧飛散中の冷却速度に強く依存することなく即ち急
冷凝固条件下であれば比較的遅い冷却速度(溶滴粒が比
較的大きい)場合であつてもSi初晶を微細化できる。
又、含有されるSi量の増大に伴う液相線温度の上昇とSi
初晶量の増大に対応してSi初晶微細化の効果が変化する
ので、Si含有量が多くなるほどSi初晶が大きくなるが、
それでも従来のアトマイズ法等に比べ小さなSi初晶が得
られる。
噴霧された溶滴粒は半溶融状態で堆積し、完全に凝固
してビレツトになる。通常は堆積後の冷却速度が遅いた
め、組織が微細化せずSi初晶が粗大化しやすかつたが、
本発明方法では噴霧時に極めて微細且つ均一なSi初晶が
得られるため、堆積物中のSi初晶も小さく且つ均一にな
る。又、Si含有量Wsiに対するSi初晶の最大粒径Dsiの前
記相関関係から解るように、Si含有量Wsiの変化に対し
て最大粒径Dsiを通常の噴射成形法に比較して遥かに微
細で且つ狭い範囲に制御することが可能となる。
尚、かかる作用効果を安定して得るためには、接種す
るPの濃度を20〜200ppmの範囲とすることが好ましい。
又、噴射成形条件は噴射成形装置の能力やサイズ等によ
り大幅に変動するが、一般的にはP接種なしに過共晶Al
−Si系合金の良好な堆積物(空孔率3%以下)が得られ
る条件とほぼ同一である。
〔実施例〕
2024地金に15〜40wt%のSiを添加した溶湯に、100ppm
のPを接種し又は接種せず、噴射成形法により開放型ノ
ズルで溶湯量2.5mmに対して窒素ガス8.5気圧で3.5m3/kg
のガス/メタル比で噴霧して急冷凝固させながら半溶融
状態で順次堆積させ、直径約120mm及び高さ約200mmの堆
積物を得た。
各Si含有量ごとに得られた堆積物を切断して、中央部
から採取した試験片の組織を観察し、Si晶の中でも最も
大きいものの切辺長をもつてSi初晶の最大粒径Dsi
し、得られたSi含有量とSi初晶最大粒径Dsiとの関係を
表に示した。
次に、上記Si含有量が20wt%でP接種の有無による2
種類の堆積物(ビレツト)を、50%据込み鍛造した後、
T6熱処理を施して得られた各Al−Si系合金素材の機械的
特性を測定した。
P接種無し 引張強さ360MPa P接種有り 引張強さ450MPa 以上の結果から、本発明によれば、堆積物として得ら
れるビレツト中のSi初晶の大きさが小さく且つ極めて狭
い範囲内に制御できるため、鍛造や押出等を経て得られ
た素材において素材なSi晶を起点としておこる破壊が大
幅に減少して機械的強度が向上することが判る。又、切
削時においても切削工具のチツピングや摩耗が安定し且
つ制御されうる等の効果が得られた。
〔発明の効果〕
本発明によれば、噴射成形法により初晶Siを微細化並
びに均一化させ、Si含有量に対する初晶Si粒径の依存性
を従来よりも著しく低下させた過共晶Al−Si系ビレツト
を得ることができる。
その結果、この過共晶Al−Si系ビレツトを用いて、従
来よりも機械的特性が改善されたAl−Si系合金素材を低
コストで製造できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小谷 雄介 兵庫県伊丹市昆陽北1丁目1番1号 住 友電気工業株式会社伊丹製作所内 (72)発明者 明智 清明 兵庫県伊丹市昆陽北1丁目1番1号 住 友電気工業株式会社伊丹製作所内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B22D 21/04 B22D 23/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】リンで接種された過共晶アルミニウム−ケ
    イ素系合金溶湯を、噴射成形法により不活性ガスで噴霧
    して急冷凝固させながら堆積させ、堆積物として得られ
    たビレツトのケイ素含有量Wsi(重量%)に対するケイ
    素初晶最大粒径Dsi(μm)の相関関係を 35≦Wsi≦45‥‥Dsi≦10 25≦Wsi≦35‥‥Dsi≦7 17≦Wsi≦25‥‥Dsi≦5 12≦Wsi≦17‥‥Dsi≦3 に調整することを特徴とする過共晶アルミニウム−ケイ
    素系ビレツトの製造方法
JP31092990A 1990-11-16 1990-11-16 過共晶アルミニウム―ケイ素系ビレツトの製造方法 Expired - Lifetime JP2926976B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31092990A JP2926976B2 (ja) 1990-11-16 1990-11-16 過共晶アルミニウム―ケイ素系ビレツトの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31092990A JP2926976B2 (ja) 1990-11-16 1990-11-16 過共晶アルミニウム―ケイ素系ビレツトの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04182057A JPH04182057A (ja) 1992-06-29
JP2926976B2 true JP2926976B2 (ja) 1999-07-28

Family

ID=18011086

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31092990A Expired - Lifetime JP2926976B2 (ja) 1990-11-16 1990-11-16 過共晶アルミニウム―ケイ素系ビレツトの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2926976B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018180441A1 (ja) * 2017-03-27 2018-10-04 東洋アルミニウム株式会社 太陽電池用ペースト組成物
CN114378281B (zh) * 2021-12-30 2023-11-03 江苏华能节能科技有限公司 一种高强度高硅铝合金材料的制备工艺

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04182057A (ja) 1992-06-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4973522A (en) Aluminum alloy composites
US20210276099A1 (en) Process for manufacturing aluminium alloy parts
US9611522B2 (en) Spray deposition of L12 aluminum alloys
US4126487A (en) Producing improved metal alloy products (Al-Fe alloy and Al-Fe-Si alloy)
US5045110A (en) Aluminium-strontium master alloy
JPS63140001A (ja) 粒状金属複合体及びその製法
JPH05179384A (ja) 噴霧堆積法により製造された高強度高靭性アルミニウム合金
JP4764094B2 (ja) 耐熱性Al基合金
EP0558957B1 (en) High-strength, wear-resistant aluminum alloy
CN115551659A (zh) 制备铝合金零件的方法
CN113412172A (zh) 制造铝合金零件的方法
JP2703840B2 (ja) 高強度の過共晶A1―Si系粉末冶金合金
EP0171798B1 (en) High strength material produced by consolidation of rapidly solidified aluminum alloy particulates
US5205986A (en) Aluminium-strontium master alloy and process of making the alloy
Kiminami et al. Processing of glass former alloys by spray forming
JP2926976B2 (ja) 過共晶アルミニウム―ケイ素系ビレツトの製造方法
JP3184367B2 (ja) 高靭性Al−Si系合金の製造方法
US5366691A (en) Hyper-eutectic aluminum-silicon alloy powder and method of preparing the same
JP3283550B2 (ja) 初晶シリコンの最大結晶粒径が10μm以下の過共晶アルミニウム−シリコン系合金粉末の製造方法
JPH07316601A (ja) アルミニウム急冷凝固粉末およびアルミニウム合金成形材の製造方法
KR20210023882A (ko) 알루미늄 합금 부품 제조 방법
EP0592665A1 (en) Hypereutectic aluminum/silicon alloy powder and production thereof
JPH02225635A (ja) 熱膨張率が低く、耐摩耗性に優れ、且つ、高い靭性を有する、Al―Si合金部材の製造方法
JPH0762199B2 (ja) A1基合金
JP3485961B2 (ja) 高強度アルミニウム基合金