JP2926702B2 - ゴルフクラブヘッド - Google Patents
ゴルフクラブヘッドInfo
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- JP2926702B2 JP2926702B2 JP7287919A JP28791995A JP2926702B2 JP 2926702 B2 JP2926702 B2 JP 2926702B2 JP 7287919 A JP7287919 A JP 7287919A JP 28791995 A JP28791995 A JP 28791995A JP 2926702 B2 JP2926702 B2 JP 2926702B2
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】この発明は、ゴルフクラブヘ
ッドに関する。
ッドに関する。
【０００２】
【従来の技術】従来のゴルフクラブヘッド、例えばアイ
アンクラブのヘッドで鋼材から形成されたもののうち所
謂軟鉄鍛造ヘッドが鋳造のステンレス製ヘッドに比べる
と打感もソフトでプロや上級者の間で好まれている。こ
のような軟鉄鍛造ヘッドの表面には防蝕のためニッケル
クロムメッキが施されている。
アンクラブのヘッドで鋼材から形成されたもののうち所
謂軟鉄鍛造ヘッドが鋳造のステンレス製ヘッドに比べる
と打感もソフトでプロや上級者の間で好まれている。こ
のような軟鉄鍛造ヘッドの表面には防蝕のためニッケル
クロムメッキが施されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】ニッケルクロムメッキ
を施したヘッドでは、表面が硬く、打感も悪いので、プ
ロゴルファーの中には防蝕効果を犠牲にしてもフェース
面のメッキを剥がして使用する者もいる現状である。
を施したヘッドでは、表面が硬く、打感も悪いので、プ
ロゴルファーの中には防蝕効果を犠牲にしてもフェース
面のメッキを剥がして使用する者もいる現状である。
【０００４】そこで、この発明は、メッキ処理を施さな
くても防蝕効果を損うことなく、ソフトな打感が得られ
るゴルフクラブヘッドを提供することを目的とする。
くても防蝕効果を損うことなく、ソフトな打感が得られ
るゴルフクラブヘッドを提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、この発明は、ヘッド本体の少なくともフェース部を
鋼材から形成し、この鋼材に軟窒化処理を施し、少なく
ともフェース部にはメッキ処理を施さないものである。
め、この発明は、ヘッド本体の少なくともフェース部を
鋼材から形成し、この鋼材に軟窒化処理を施し、少なく
ともフェース部にはメッキ処理を施さないものである。
【０００６】
【発明の実施の形態】以下に、この発明の好適な実施例
を図面を参照にして説明する。
を図面を参照にして説明する。
【０００７】図１は、アイアンクラブのヘッドにこの発
明を適用した例を示し、ヘッド本体１は、溝２が施され
たフェース部３を有し、フェース部３の先端側がトウ４
を形成し、基端側がヒール５を形成し、このヒール５か
らホーゼル６が一体に形成されている。ホーゼル６には
図示しないシャフトが挿入固着される。このヘッド本体
１の全体は鋼材から形成してあり、この鋼材にタフトラ
イド（登録商標）処理（軟窒化処理）を施してある。タ
フトライド処理（tufftriding)とは、約５７０℃の溶融
青酸塩とシアン酸塩の混合塩浴中で加熱して鋼の表面層
の窒素量を高めて硬化させる液体窒化法の一種である。
特に青酸塩−シアン酸塩の組成比を正確に制御し、あら
ゆる鋼種に適用することができ、窒化鋼への窒化の場合
に比べて、表面硬さの低いものが得られる。タフトライ
ド処理は軟窒化処理のことであり、一般的な窒化処理を
この軟窒化と区別するために硬窒化と呼ぶこともある。
ここで、好適に使用される鋼材としては、次の表１に示
すような炭素鋼鋼材が挙げられる。
明を適用した例を示し、ヘッド本体１は、溝２が施され
たフェース部３を有し、フェース部３の先端側がトウ４
を形成し、基端側がヒール５を形成し、このヒール５か
らホーゼル６が一体に形成されている。ホーゼル６には
図示しないシャフトが挿入固着される。このヘッド本体
１の全体は鋼材から形成してあり、この鋼材にタフトラ
イド（登録商標）処理（軟窒化処理）を施してある。タ
フトライド処理（tufftriding)とは、約５７０℃の溶融
青酸塩とシアン酸塩の混合塩浴中で加熱して鋼の表面層
の窒素量を高めて硬化させる液体窒化法の一種である。
特に青酸塩−シアン酸塩の組成比を正確に制御し、あら
ゆる鋼種に適用することができ、窒化鋼への窒化の場合
に比べて、表面硬さの低いものが得られる。タフトライ
ド処理は軟窒化処理のことであり、一般的な窒化処理を
この軟窒化と区別するために硬窒化と呼ぶこともある。
ここで、好適に使用される鋼材としては、次の表１に示
すような炭素鋼鋼材が挙げられる。
【０００８】
【表１】
【０００９】表１では、鋳造された炭素鋼鋼材を例示し
たが、低合金鋼であってもよい。
たが、低合金鋼であってもよい。
【００１０】図２に示すグラフは、耐摩耗曲線を示し、
符号Ａで示すグラフは表１中Ｓ15Ｃの炭素鋼にタフトラ
イド処理を施したものを示し、符号Ｂは同一材料で浸炭
硬化させたものである。このグラフから明らかなように
タフトライド処理を施したものでは耐摩耗性が著しく向
上している。このような耐摩耗試験は、摩耗試験機によ
り行った。タフトライド処理をしたものが耐摩耗性を著
しく増加するのは、化合物層が浸炭硬化させたもののよ
うに不安定なマルテンサイト組織と異なり、安定なエプ
シロン−ＦｅＮの非金属的な組織に形成されるからであ
る。
符号Ａで示すグラフは表１中Ｓ15Ｃの炭素鋼にタフトラ
イド処理を施したものを示し、符号Ｂは同一材料で浸炭
硬化させたものである。このグラフから明らかなように
タフトライド処理を施したものでは耐摩耗性が著しく向
上している。このような耐摩耗試験は、摩耗試験機によ
り行った。タフトライド処理をしたものが耐摩耗性を著
しく増加するのは、化合物層が浸炭硬化させたもののよ
うに不安定なマルテンサイト組織と異なり、安定なエプ
シロン−ＦｅＮの非金属的な組織に形成されるからであ
る。
【００１１】図３に示すグラフは、低炭素鋼Ｓ15Ｃにタ
フトライド処理を９０分間施したものの化合物層の硬さ
を示すものである。タフトライド処理された化合物層の
硬さは、炭素鋼あるいは低合金鋼においては、ガス窒化
のような他の熱処理による硬さほど硬くはならない。
フトライド処理を９０分間施したものの化合物層の硬さ
を示すものである。タフトライド処理された化合物層の
硬さは、炭素鋼あるいは低合金鋼においては、ガス窒化
のような他の熱処理による硬さほど硬くはならない。
【００１２】図４に示すグラフは耐蝕性を示すものであ
り、塩水噴霧（Ｎａｃｌ：５％）による防錆テストを行
い、図中符号Ａは低炭素鋼Ｓ15Ｃにタフトライド処理を
施したものであり、符号ＣはＳ15Ｃにニッケルメッキを
施したものを示す。なお、ステンレス鋼のようにＣｒを
多く含んでいる鋼はタフトライド処理をすることによっ
て耐蝕性は悪くなることが判明した。従って、Ｃｒを多
く含まない鋼材が好適に用いられる。このように、ニッ
ケルメッキやニッケルクロムメッキを施したものに比べ
て、タフトライド処理を施したものは、メッキ処理を施
さなくても耐蝕性が同等以上であることがわかる。
り、塩水噴霧（Ｎａｃｌ：５％）による防錆テストを行
い、図中符号Ａは低炭素鋼Ｓ15Ｃにタフトライド処理を
施したものであり、符号ＣはＳ15Ｃにニッケルメッキを
施したものを示す。なお、ステンレス鋼のようにＣｒを
多く含んでいる鋼はタフトライド処理をすることによっ
て耐蝕性は悪くなることが判明した。従って、Ｃｒを多
く含まない鋼材が好適に用いられる。このように、ニッ
ケルメッキやニッケルクロムメッキを施したものに比べ
て、タフトライド処理を施したものは、メッキ処理を施
さなくても耐蝕性が同等以上であることがわかる。
【００１３】タフトライド処理を施した場合、その表面
被膜の剥離が無いことも判明している。耐摩耗性も向上
しかつ耐疲労性も著しく向上するとともに、耐蝕性もメ
ッキ処理と同等以上の向上が見られる。
被膜の剥離が無いことも判明している。耐摩耗性も向上
しかつ耐疲労性も著しく向上するとともに、耐蝕性もメ
ッキ処理と同等以上の向上が見られる。
【００１４】アイアンクラブのヘッドのように溝２が刻
まれたものでは、メッキ処理を施すとこの溝の角部が丸
みを帯びてしまうが、タフトライド処理を施したもので
はこの溝２の角部が鋭角な状態で残る。従って、メッキ
処理を施したものに比べてタフトライド処理を施したヘ
ッドの溝２は、最初に刻設されたと同一形状を保ち、そ
の結果ボールに対するスピン量の増大を図ることが可能
である。
まれたものでは、メッキ処理を施すとこの溝の角部が丸
みを帯びてしまうが、タフトライド処理を施したもので
はこの溝２の角部が鋭角な状態で残る。従って、メッキ
処理を施したものに比べてタフトライド処理を施したヘ
ッドの溝２は、最初に刻設されたと同一形状を保ち、そ
の結果ボールに対するスピン量の増大を図ることが可能
である。
【００１５】上述した実施例ではアイアンクラブのヘッ
ドを示したが、ウッドクラブのヘッドに適用することも
できるし、パターのヘッドに適用することも可能であ
る。また、少なくともヘッドのフェース部３を鋼材から
形成し、この鋼材にタフトライド処理を施せばよい。ま
た、２種以上の材料を用いた所謂コンポジットクラブに
おいても、フェース部３にタフトライド処理を施すこと
が可能である。
ドを示したが、ウッドクラブのヘッドに適用することも
できるし、パターのヘッドに適用することも可能であ
る。また、少なくともヘッドのフェース部３を鋼材から
形成し、この鋼材にタフトライド処理を施せばよい。ま
た、２種以上の材料を用いた所謂コンポジットクラブに
おいても、フェース部３にタフトライド処理を施すこと
が可能である。
【００１６】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、ヘッド本体の少なくともフェース部を鋼材から形成
し、この鋼材に軟窒化処理を施し、少なくともフェース
部にはメッキ処理を施さないので、表面が柔らかくな
り、打感も良くなる。また、メッキ処理を施していなく
ても、防蝕効果が同等若しくはそれ以上ある。また、メ
ッキ処理を施す作業に比べて短時間でかつ容易に行うこ
とができる。さらに、タフトライド処理は、多量生産条
件下で均一安定となる。
ば、ヘッド本体の少なくともフェース部を鋼材から形成
し、この鋼材に軟窒化処理を施し、少なくともフェース
部にはメッキ処理を施さないので、表面が柔らかくな
り、打感も良くなる。また、メッキ処理を施していなく
ても、防蝕効果が同等若しくはそれ以上ある。また、メ
ッキ処理を施す作業に比べて短時間でかつ容易に行うこ
とができる。さらに、タフトライド処理は、多量生産条
件下で均一安定となる。
【図１】アイアンクラブのヘッドを示す図。
【図２】耐摩耗試験の結果を示すグラフ。
【図３】タフトライド処理を施したものの硬さを示すグ
ラフ。
ラフ。
【図４】ニッケルメッキを施したものとタフトライド処
理を施したものとの耐蝕性を比較するグラフ。
理を施したものとの耐蝕性を比較するグラフ。
１ ヘッド本体 ３ フェース部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 蛭田 正臣 埼玉県秩父市大野原20番地 ブリヂスト ンスポーツ株式会社内 (72)発明者 三瓶 大輔 埼玉県秩父市大野原20番地 ブリヂスト ンスポーツ株式会社内 (72)発明者 石井 伸治 埼玉県秩父市大野原20番地 ブリヂスト ンスポーツ株式会社内 (56)参考文献 実開 平２−130662（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.6，ＤＢ名) A63B 53/04 C23C 8/26
Claims (2)
- 【請求項１】 ヘッド本体の少なくともフェース部を鋼
材から形成し、この鋼材に軟窒化処理を施し、少なくと
もフェース部にはメッキ処理を施さないことを特徴とす
るゴルフクラブヘッド。 - 【請求項２】 前記鋼材が、Ｓ１０Ｃ、Ｓ１２Ｃ、Ｓ１
５Ｃ、Ｓ１７Ｃ、Ｓ２０Ｃ、Ｓ２２Ｃ、Ｓ２５Ｃなどの
炭素鋼又は低合金鋼であることを特徴とする請求項１に
記載のゴルフクラブヘッド。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7287919A JP2926702B2 (ja) | 1995-10-09 | 1995-10-09 | ゴルフクラブヘッド |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7287919A JP2926702B2 (ja) | 1995-10-09 | 1995-10-09 | ゴルフクラブヘッド |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0999120A JPH0999120A (ja) | 1997-04-15 |
| JP2926702B2 true JP2926702B2 (ja) | 1999-07-28 |
Family
ID=17723434
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7287919A Expired - Fee Related JP2926702B2 (ja) | 1995-10-09 | 1995-10-09 | ゴルフクラブヘッド |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2926702B2 (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7819756B2 (en) | 2008-04-01 | 2010-10-26 | Bridgestone Sports Co., Ltd. | Golf club head |
| US8113965B2 (en) | 2009-06-16 | 2012-02-14 | Bridgestone Sports Co., Ltd. | Golf club head |
| US8758162B2 (en) | 2010-04-30 | 2014-06-24 | Bridgestone Sports Co., Ltd. | Golf club head |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2005319019A (ja) * | 2004-05-07 | 2005-11-17 | Bridgestone Sports Co Ltd | ゴルフクラブヘッド |
| JP5170992B2 (ja) | 2006-07-24 | 2013-03-27 | ブリヂストンスポーツ株式会社 | ゴルフクラブヘッド |
| JP5176774B2 (ja) * | 2008-08-20 | 2013-04-03 | 株式会社デンソー | グロープラグ |
| US9844709B2 (en) | 2015-09-24 | 2017-12-19 | Acushnet Company | Golf club striking surface |
-
1995
- 1995-10-09 JP JP7287919A patent/JP2926702B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7819756B2 (en) | 2008-04-01 | 2010-10-26 | Bridgestone Sports Co., Ltd. | Golf club head |
| US8113965B2 (en) | 2009-06-16 | 2012-02-14 | Bridgestone Sports Co., Ltd. | Golf club head |
| US8758162B2 (en) | 2010-04-30 | 2014-06-24 | Bridgestone Sports Co., Ltd. | Golf club head |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0999120A (ja) | 1997-04-15 |
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Legal Events
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