JP2926616B2 - イソチオシアン酸エステルを含むスプレー溶液及びそれを含む噴射装置 - Google Patents
イソチオシアン酸エステルを含むスプレー溶液及びそれを含む噴射装置Info
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Description
溶液及びそれを含む噴射装置に関するものである。
止作用を有することは経験上知られている。しかし、わ
さびの主成分であるイソチオシアン酸エステルを有効成
分として含む抗菌剤や、防カビ剤、鮮度保持剤等の産業
的薬剤は未だ開発されていない。これは、イソチオシア
ン酸エステルが強い刺激臭を与える取扱い困難な物質で
あるとともに、その揮散性が大きいことによるものと考
えられる。
易なものとするために、イソチオシアン酸エステルをセ
ピオライト等の繊維状結晶構造を持つ粘土鉱物に含浸さ
せた薬剤を提案した(特願昭63−267661号)。この薬剤
は、その粘土鉱物の持つ繊維状結晶構造のために、イソ
チオシアン酸エステルの揮散性の抑制されたもので、長
時間にわたってイソチオシアン酸エステルを徐々に揮散
し、その揮散したイソチオシアン酸エステルの蒸気を対
象物と接触させることにより、抗菌作用や防カビ作用、
腐敗防止用等を得るものである。
の蒸気を利用するものであることから、密閉系内におい
て使用しないと十分な効果を得ることができない。
テルの液滴粒子を接触させてその抗菌作用、防カビ作
用、鮮度保持作用、脱臭作用を得るためのスプレー溶液
及び噴射装置を提供することをその課題とする。
重ねた結果、本発明を完成するに至った。
含む抗菌剤、防カビ剤、鮮度保持剤又は脱臭剤のスプレ
ー溶液であって、イソチオシアン酸エステルを濃度0.01
〜5重量%の割合でエタノール又は水含有量が50重量%
以下の水性エタノールに溶解させた溶液からなりことを
特徴とするスプレー溶液が提供される。
ともに噴射ノズルを備えた密閉性容器に加圧封入してな
る噴射装置が提供される。
の各種細菌に対する殺菌作用、静菌作用、防菌作用等を
意味する。抗菌剤はこのような作用を示す薬剤である。
防カビ作用は、食品に対するカビの他、ガラスやコンク
リート壁面等の各種固体表面に増繁殖するカビの発生を
防止する作用を意味する。防カビ剤はこのような作用を
示す薬剤である。鮮度保持作用は、食品に対するカビの
発生を防止したり、食品の腐敗や発酵を防止し、鮮度の
劣化を防止する作用を意味する。鮮度保持剤はこのよう
な作用を示す薬剤である。さらに、脱臭作用は、食品の
腐敗等によって生じる悪臭(アミン臭)や、脂質のバク
テリア分解によって生じる悪臭(イソ吉草酸等の低級脂
肪酸臭や、インドール等のイオウ化合物臭等)等の悪臭
に対する消臭作用や防臭作用を意味する。脱臭剤はこの
ような作用を示す薬剤である。イソチオシアン酸エステ
ルが悪臭に対して脱臭作用を有することは、本発明者ら
が見出した意外な事実である。
イソチオシアン酸の各種エステルが用いられるが、好ま
しくは、イソチオシアン酸アリルエステル(CH2=CHCH2
NCS)や、イソチオシアン酸アルキルエステル(RNCS、
R:アルキル基)が用いられる。本発明においては、カラ
シ油をそのまま用いることができる。
プレー溶液とするために、エタノール又は水性エタノー
ルに溶解させる。この場合、スプレー溶液中のイソチオ
シアン酸エステルの濃度は通常0.01〜5重量%である。
このような低濃度の溶液とすることにより、イソチオシ
アン酸エステルの揮散が抑制されて取扱いが容易になる
とともに、この溶液をスプレーした時にイソチオシアン
酸エステルによる強い刺激臭が周囲環境に放散されるこ
とが防止される。
することから、その使用は非常に好ましいものである。
水性エタノールの場合、イソチオシアン酸エステルの溶
解性を考えて、その含水量は50重量%以下とする。
テルを溶解させる場合、溶液を対象物にスプレーして付
着させた時に、その付着溶液の蒸散性をコントロールす
るために、難揮発性液体を好ましく添加混合することが
できる。このような難揮発性液体としては、150℃以
上、好ましくは180℃以上の沸点を有するものが用いら
れる。このような難揮発性液体としては、多価アルコー
ルや油性液体を挙げることができる。難揮発性液体の添
加量は、エタノール100重量部に対し、10〜100重量部の
割合が一般的であるが、特に制約されるものではない。
プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール、グリセリン等が挙げられる。
ー油、大豆油、ツバキ油、トウモロコシ油、ナタネ油、
ヒマシ油、ヒマワリ過、綿実油、落花生油、カカオ脂、
パーム油、チョウジ油、ヤシ油、牛脂、魚油、硬化油、
タートル油、卵黄油等の油脂類;液状ラノリン等のロウ
類;流動パラフィン、流動ポリイソブチレン、スクラワ
ン等の炭化水素油;オレイン酸、リノール酸、リシノー
ル酸等の高級脂肪酸油;酢酸ラノリン、ラウリン酸ヘキ
シル等のエステル油等が挙げられる。油性液体として
は、無臭ないし無臭に近いものの使用が好ましい。
剤、高分子物質、粘度調節剤、酸化防止剤、微粉末状吸
着剤粒子等の補助成分を添加することができる。
れ、そのノズルから液滴粒子を噴出するようにして使用
される。本発明において用いる好ましいスプレー装置
は、噴射剤を用いるエアゾール型のものである。即ち、
本発明のスプレー溶液を用いてエアゾール型噴射装置を
得るには、噴射ノズルを備えた密閉性容器にスプレー溶
液を入れた後、噴射剤を圧入すればよい。噴射剤として
は従来公知のもの、例えば、液化炭化水素ガス、例え
ば、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタ
ン、イソペンタン又はそれらの混合物が用いられる。一
般には、液化石油ガス又は液化天然ガスが好ましく用い
られる。また、フロロジクロルメタン等のフロンガスを
用いることができる。
ー溶液は、これを対象物に液滴粒子として噴霧させるこ
とによって使用される。この場合、イソチオシアン酸エ
ステルは、低濃度の溶液状態で噴霧されるので、イソチ
オシアン酸エステルによる強い刺激臭は抑制され、周囲
環境を特に悪化させるようなことはない。また、イソチ
オシアン酸エステルは、対象物に対して液状で接触する
ことから、蒸気状で接触させる場合に比べて、非常に速
効的である。
の持つ抗菌性、防カビ性、鮮度保持性、脱臭性等を利用
して食品分野をはじめとして、有害微生物の増繁殖が問
題となる各種分野及び悪臭が問題となる各種分野におい
て広く利用される。また、イソチオシアン酸エステル
は、自癬菌等の細菌に対して抗菌作用を有することが本
発明者らにより見出されているが、本発明のスプレー溶
液は、このような作用を利用して皮膚病の治療(例え
ば、水虫治療)等の目的に使用することができる。
テルを0.5重量%の割合で溶解してスプレー溶液を得
た。
充填し、さらに噴射剤(液化ブタン)を80g充填して噴
射装置を得た。このようにして得た噴射装置から溶液を
噴射したところ、溶液は霧状の粒子となってきれいに噴
霧されることが確認された。また、この噴霧に際して、
イソチオシアン酸アリルエステルによる強い刺激臭は著
しく抑制され、周囲環境を特に悪化させるものでないこ
とが確認された。
性容器内に、溶液を噴射し、蓋を閉じたところ、1カ月
間にわたっても、カビの発生は何ら見られなかった。比
較のために行った溶液を噴射しない実験では3日間で切
もちの表面にはすでにカビの発生が見られた。
ル溶液100重量部に対して、大豆油100重量部を添加混合
してスプレー溶液を得た。この溶液を実施例1と同様に
してエアゾール缶に充填し、さらに噴射剤を充填して噴
射装置を得た。このようにして得た噴射装置を用いて溶
液を噴射したところ、溶液は良好に噴射し得ることが確
認された。また、この噴射に際しては、イソチオシアン
酸アリルエステルによる刺激臭は、実施例1の場合に比
べてさらに抑制されたものであった。
Claims (3)
- 【請求項1】イソチオシアン酸エステルを含む抗菌剤、
防カビ剤、鮮度保持剤又は脱臭剤のスプレー溶液であっ
て、イソチオシアン酸エステルを濃度0.01〜5重量%の
割合でエタノール又は水含有量が50重量%以下の水性エ
タノールに溶解させた溶液からなることを特徴とするス
プレー溶液。 - 【請求項2】難揮発性液体を含有する請求項1のスプレ
ー溶液。 - 【請求項3】請求項1又は2のいずれかのスプレー溶液
を噴射剤とともに噴射ノズルを備えた密閉性容器に加圧
封入してなる噴射装置。
Priority Applications (11)
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---|---|---|---|
JP9477089A JP2926616B2 (ja) | 1989-04-14 | 1989-04-14 | イソチオシアン酸エステルを含むスプレー溶液及びそれを含む噴射装置 |
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US07/826,872 US5246663A (en) | 1989-04-07 | 1992-01-28 | Isothiocyanate vapor-generating agent, germ-destroying treatment method using isothiocyanate vapors and apparatus therefor |
KR1019980702994A KR0153130B1 (en) | 1989-04-07 | 1998-04-24 | Generator of isothiocyanic ester vapor, method of sterilizing with isothiocyanic ester vapor, and apparatus therefor |
KR1019980702995A KR0153131B1 (en) | 1989-04-07 | 1998-04-24 | Generator of isothiocyanic ester vapor, method of sterilizing with isothiocyanic ester vapor, and apparatus therefor |
Applications Claiming Priority (1)
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JP9477089A JP2926616B2 (ja) | 1989-04-14 | 1989-04-14 | イソチオシアン酸エステルを含むスプレー溶液及びそれを含む噴射装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02273603A JPH02273603A (ja) | 1990-11-08 |
JP2926616B2 true JP2926616B2 (ja) | 1999-07-28 |
Family
ID=14119331
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP9477089A Expired - Lifetime JP2926616B2 (ja) | 1989-04-07 | 1989-04-14 | イソチオシアン酸エステルを含むスプレー溶液及びそれを含む噴射装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
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Families Citing this family (3)
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---|---|---|---|---|
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JP5340238B2 (ja) * | 2010-08-05 | 2013-11-13 | 長谷川香料株式会社 | 酸味・酸臭抑制剤 |
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-
1989
- 1989-04-14 JP JP9477089A patent/JP2926616B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
「栄養と食糧」(1982),VOL.35,No.3,207−211頁 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02273603A (ja) | 1990-11-08 |
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