JP2926485B2 - 海洋構造物の基礎となる捨石の均らし工法 - Google Patents

海洋構造物の基礎となる捨石の均らし工法

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JP2926485B2 JP15565097A JP15565097A JP2926485B2 JP 2926485 B2 JP2926485 B2 JP 2926485B2 JP 15565097 A JP15565097 A JP 15565097A JP 15565097 A JP15565097 A JP 15565097A JP 2926485 B2 JP2926485 B2 JP 2926485B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】海洋構造物の基礎となる海底
に投入された捨石の均らし工法。
【0002】
【従来技術】海洋構造物の構築の施工段階で、ケーソン
が沈設されることが多い。このケーソンの基礎として捨
石が海底に落し込まれる。この捨石は水面上から落下さ
せるため表面に凹凸が生ずる。従来は、この捨石の凹凸
を均らすために、潜水夫が手作業していた。しかし、大
水深のため、危険度が高く、かつ、長時間の作業は法的
にも規制されている。また、天候に左右され、作業ので
きない日が多く、結果的に、捨石の均らし作業に莫大な
経費を要していた。
【0003】
【発明の解決しようとする課題】経済的、かつ、安全に
かつ大量の捨石均らし作業を行なうこと。
【0004】
【技術的手段】
(第1発明)均らし母船1にスパット2を昇降可能にと
りつけ、かつ、スパット2は降下時点においてユニバー
サルジョイント1aにその上端が取り付けられるととも
に、スパット2の下端にはスパット2に対して上下動、
回転可能のジェットノズル3を設け、均らし母船1には
海水揚水用ポンプ1bを備え、海水揚水用ポンプ1bで
揚水した海水はスパット2と併設された通水管2aを通
り、ジェットノズル3に供給されるように構成されてお
り、
【0005】第1に、海洋構造物構築箇所に捨石を落し
込み、その凹凸をコンピュータで検出し、どの方向に押
動するか決定する。
【0006】第2にスパット2を母船1から降下して、
スパット2下端を捨石4に刺し込んで固定した後、スパ
ット2上端はユニバーサルジョイント1aで母船1に垂
直に保持し、
【0007】第3に、海水揚水用ポンプ1bで海水を揚
水して、スパット2と併設された通水管2aを通ってジ
ェットノズル3に海水を供給し、
【0008】第4にジェットノズル3から捨石4の凸部
4aに向けてジェットノズル3をスパット2に対して上
下動および回動しながら、海水をジェットして凸部4a
の捨石を凹部4bに向けて押動し、捨石4を均らす、海
洋構造物の捨石均らし工法。
【0009】(第2発明)第1発明において、ジェット
ノズル3のジェット水流を囲んでゴムスリーブ3bを伸
縮自在に設け、ジェット水流の拡散を防止する捨石均ら
し工法。
【0010】(第1発明の効果) ▲a▼均らし母船1に設けた海水揚水用ポンプ1bから
の水圧がジェットノズル3を介してジェット水流として
加圧されるため、捨石4の凸部4aの捨石を移動でき
る。
【0011】▲b▼海水は無尽蔵で調達が安易であり、
天候に左右されることなく、しかも環境に問題がなく安
全かつ経済的に移動できる。
【0012】(第2発明の効果)ジェットノズル3のノ
ズル3aのジェット水流の延長方向にゴムスリーブ3b
を伸縮自在に設けることにより、ジェット水流の減衰を
防止できる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。 図1〜4:図1〜4において1は均らし母船で、1aは
スパット2を取り付けるユニバーサルジョイント、1b
は海水揚水用ポンプ、2は母船1にユニバーサルジョイ
ント1aで取り付けられるスパットで、下端にジェット
ノズル3は上下動管5を囲みスパット2に対して回転、
上下動可能に取り付けてある(図3)。ユニバーサルジ
ョイント1aは空気または油圧シリンダー1cとヒンジ
1hで形成される(図2)。ジェットノズル3のノズル
3aは、海水揚水用ポンプ1bから、スパット2と併設
された通水管2aを通って供給される海水を噴射する。
4は捨石で、4aは凸部、4bは凹部である。
【0014】図1〜4に示すように、本発明工法は次の
順序に行なわれる。 a.捨石完了 捨石を落し込み、後述するように捨石は自然の岩石を破
砕したものが使用されるため表示も50kg/個以下の
仕様になる、捨込み前に目視で確認する程度である。
【0015】b.深浅測量:捨石完了時点に均らしが完
了した場合求むる断面に整形されるべく捨石総量の確認
をする。
【0016】c:コンピュータ図作製 捨石4の凹凸4a,4bを図化して、凸部4aの位置と
押動方向の確認を行なう。
【0017】d.施工計画:凸部4aの均らしのため
の、スパット2の吊下し位置、ジェットノズル3の方
向、位置を決定する。
【0018】e.スパットの跡均らし:スパット2を引
き抜いた跡を潜水夫によって均らすための計画を決定す
る。 f.完了検収
【0019】つぎに、本発明工法の詳細について説明す
る。(すなわち、前記d.施工計画について)
【0020】イ.スパット2の吊下:まづスパット2を
母船1から吊り下ろし、捨石4にその下端を突き刺し固
定する。そして上端は母船1にユニバーサルジョイント
1aで結合する。このようにして、波浪によるスパット
2の揺動をユニバーサルで吸収する。したがって、下端
に取り付けたジェットノズル3はその位置が安定した状
態を保つ。
【0021】ロ.ジェットノズル3のジェット:つぎに
ジェットノズル3のノズル3aを捨石4の凸部4aに向
け、海水を噴射する。海水は海水揚水用ポンプ1bか
ら、図3,図4に示すように、スパット2と併設された
通水管2aを通り、上下動管内を経てノズル3aから噴
射される。かくして図1のように捨石4の凸部4aの5
0Kg以下(この点については後述する。)の捨石はジ
ェット水流に押動され、凸部4aの捨石は凹部4bに落
ち込み平坦化される。
【0022】ジェットノズル3は図3,図4のように上
下動管5に対して左右回動が可能であるので、計画高さ
を割出し、ノズル高さ.回動方向を決定した後、母船1
から遠隔制御する。図3,図4において上下動管5はス
パット2を囲み、通水管2aから海水は上下動管5に入
り、さらにジェットノズル3から噴射される。ジェット
ノズル3は上下動管5を囲み、かつ駆動モーター6に固
定一体化される。
【0023】したがって、駆動モータ6の駆動ギヤ6g
が、上下動管5の被駆動ギヤ5gに歯合すると、モータ
ー6と一体のジェットノズル3は上下動管5の周りを回
動する。上下動管5に導入された海水はジェットノズル
3に導入されて噴射される。図7のように上下動管の外
壁には窓5hが設けられ、ジェットノズル3が上下動管
5の周りを回動中、その窓5hを常時数個重なるように
しておく。
【0024】図3,図4において、5aはジェットノズ
ル3の基台で、上下動管5は機械室Mに設けられたウイ
ンチWにより、ワイヤーロープrを上下動することによ
り、上下駆動される。grはワイヤーロープrのガイド
ローラーである。このようにして、ジェット水流は任意
の深さ、任意回動角度において噴射される。図1のよう
に通水管2aの一部は可撓管2arとなっていて、上下
動管5の上下動を許容する。図1においてeLは電線で
ある。
【0025】ジェットノズル3のノズル3aは図5に示
すように、捨石と捨石の摩擦を極力避け、ジェット流に
よる捨石への押動を容易にするため、ノズル先端開口の
下面を水平に上面を先上りにし、捨石に上向き分力を作
用させる。
【0026】ジェットノズル3のジェット水流は表2に
示すようにノズル3aから遠ざかるにしたがい、水中拡
散の影響を受け流速が低下する。表2は放水口から水中
に自由放水した場合に放水口からだんだん離れて行くに
したがって拡散により、初速がどれだけ減衰するかを示
したものである。初速12m/secの場合、放水口か
ら1m離れた場合≒5.4m/sec、2m離れた場合
≒3.7m/secに減衰する。3.7m/secは表
1のとおり、100kg/個の石を押動する流速であ
る。この減衰をゼロとすることが効率の良い装置である
ため、拡散をおさえ、直接初速を石に作用させるため、
ゴムスリーブの必要性が生まれるものである。表2にお
いて縦軸は流速(m/sec)、横軸はノズル3aの先
端からのジェット水流がどれだけ離れたかをm単位で示
す。
【表2】 表2は海中の一般の状態において計算したものである。
またこの計算の諸条件は次の通りである。 1.φ=200m/mの放水穴 2.対象捨石の重量は30〜100Kg/個 3.石に当たる流速2.5〜3.5m/sec 4.放水口で12m/secの流速が3.0m離れると
3.25m/secに減速する動く石の重さは表より5
8Kg/個となる。
【0027】上記のようなジェット水流の減衰を極力避
けるため、ゴムスリーブ3bを図5のように設けて直
接、ジェット水流を捨石に作用させるようにすることが
望ましい。なおゴムスリーブ3bはノズル3aに対して
伸縮可能としておく。この伸縮は母船1から遠隔制御す
る。
【0028】表1は捨石の重さ別に押動するに必要な流
速との関係を示したものである。普通海洋構造物の基礎
面均しに用いられる均し石(目潰し石)は50kg/個
以下が使用されることから先ず対象重量を想定し、これ
を押動するに必要な流速を保持しなければならない。余
裕を見込み100kg/個の石が混入したと仮定しても
3.5m/secの流速が得られれば押動可能と判断さ
れる。
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明工法を実施する装置の斜視図、
【図2】 スパット2の垂直保持装置の平面図、
【図3】 上下動管5の正面図、
【図4】 ジェットノズル3の正面図、
【図5】 ゴムスリーブ3bの説明図、
【図6】 上下動管とジェットノズルの関連正面図、
【符号の説明】 1:母船、1a:揚水ポンプ、1c:シリンダー、1
h:ヒンジ、2:スパット、2a:通水管、2ar:可
撓管、3:ジェットノズル、3a:ノズル、3b:ゴム
スリーブ、4:捨石、4a:凸部、4b:凹部、5:上
下動管、5a:基台、5g:被駆動ギヤ、5h:窓、
6:駆動モータ、6g:駆動ギヤ、W:ウインチ、r:
ワイヤロープ、eL:電線、M:機械室、gr:ガイド
ローラー、la:ユニバーサルジョイント。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 均らし母船1にスパット2を昇降可能に
    とりつけ、かつ、スパット2は降下時点においてユニバ
    ーサルジョイント1aにその上端が取り付けられるとと
    もに、スパット2下端にはスパット2に対して上下動、
    回転可能のジェットノズル3を設け、均らし母船1には
    海水揚水用ポンプ1bを備え、海水揚水用ポンプ1bで
    揚水した海水はスパット2と併設された通水管2aを通
    り、ジェットノズル3に供給されるように構成されてお
    り、 第1に、海洋構造物構築箇所に捨石を落し込み、その凹
    凸をコンピュータで検出し、 第2にスパット2を母船1から降下して、スパット2下
    端を捨石4に刺し込んで固定した後、スパット2上端は
    ユニバーサルジョイント1aで母船1に垂直に保持して
    供給し、 第3に、海水揚水用ポンプ1bで海水を揚水して、スパ
    ット2と併設された通水管2aを通ってジェットノズル
    3に海水を供給し、 第4にジェットノズル3から捨石4の凸部4aに向けて
    ジェットノズル3をスパット2に対して上下動および回
    動しながら、海水をジェットして凸部4aの捨石を凹部
    4bに向けて押動し、捨石4を均らす、海洋構造物の捨
    石均らし工法。
  2. 【請求項2】 ジェットノズル3のジェット水流を囲ん
    でゴムスリープ3bを伸縮自在に設け、ジェット水流の
    拡散を防止する請求項1記載の捨石均らし工法。
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