JP2926096B2 - 縫製品の制菌・抗菌加工方法とその装置 - Google Patents

縫製品の制菌・抗菌加工方法とその装置

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JP2926096B2 JP10088061A JP8806198A JP2926096B2 JP 2926096 B2 JP2926096 B2 JP 2926096B2 JP 10088061 A JP10088061 A JP 10088061A JP 8806198 A JP8806198 A JP 8806198A JP 2926096 B2 JP2926096 B2 JP 2926096B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、衣服等の縫製品に特
に適する制菌・抗菌加工方法とその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、衣服の生地にむらなく制菌・抗菌
処理を施そうとすれば、制菌・抗菌処理を施した糸を用
いた生地を採用するか、制菌・抗菌処理を施した生地を
採用して、衣服を縫製していた。ところが、何れの場合
も、縫製前に制菌・抗菌処理を行うことになるため、縫
製時に即ち制菌・抗菌処理後に、衣服に取り付けられる
縫製用の糸、織りネーム、ファスナー、ボタンやボタン
穴などの細部には、制菌・抗菌処理が全く行き届かない
ものであった。しかし細部とはいえ、例えばズボンのフ
ァスナーが設けられる位置は、局部に最も近いものであ
り、他の位置よりも、制菌・抗菌処理が必要とされるも
のである。
【0003】近年、このような現状を改善し、隅々まで
制菌・抗菌処理を行き渡らせようとして、衣服の縫製後
に、制菌・抗菌処理を施すものが、提案がされつつあ
る。例えば、ベルトコンベアに縫製後の衣服を載せて、
順次移動させ、移動途中に設けられた噴射ノズルにて制
菌・抗菌剤を衣服に噴射して塗布し、その後、コンベア
の更に先に設けられた乾燥装置にて熱風を送りコンベア
上の衣服の乾燥を行い、制菌・抗菌処理工程を完了する
ものが提案されている。上記のコンベアには、薬剤や薬
剤を浸透させるために行われる加湿によって生じる水分
を切るために、ネット状のものを用いる。
【0004】しかし、このような工夫がなされているに
も拘らず、完成した衣服の生地へ、簡便に且つむらな
く、確実に制菌・抗菌剤を定着させるのは、困難であっ
た。これは、ネット状のコンベアであっても、コンベア
との接触によって噴射された制菌・抗菌剤が衣服の隅々
まで充分且つ適切に浸透しなかったり、又、コンベアと
の接触によって逆に過剰に付着した制菌・抗菌剤を滴下
・排除することが困難だからである。
【0005】従って、縫製済みの衣服を大量に制菌・抗
菌処理しようとする要請の下、一度の処理にてファスナ
ーなどの細部についても制菌・抗菌処理を行き届かせよ
うとするのであれば、このようなむらの発生をやむない
ものとする他なかった。又、制菌・抗菌剤を確実に定着
させることが困難であるため、発汗や数回の洗濯によっ
て簡単に制菌・抗菌剤が落ちたりするが、この点につい
ても、不可避なものとして、受入れざるを得なかった。
【0006】このような状況は、一般の衣服などの縫製
品の場合において好ましくないのは、勿論であるが、医
療用に用いられる縫製品については、院内感染などの問
題があり、極めて深刻である。具体的に説明すると、M
RSAと呼ばれる細菌性院内感染は、メチシリン耐性ブ
ドウ球菌が原因となっている。抗生物質を投与されてい
る人や、手術後の患者、免疫力の弱い高齢者や子供など
は、感染症にかかりやすく、抗生物質が効かなくなり、
上記の細菌に一度感染すると、その治療方法はない。感
染経路は、粘膜や皮膚の障害部から直接病原菌が体内へ
進入するというものである。このような病原菌の進入
は、化膿性汗腺炎、肛門周囲膿症、リンパ節炎、化膿性
節炎等の皮膚軟部組織感染症を起こし、患部が深部に波
及すると化膿性関節炎や骨髄症になり、更に、手術後呼
吸器感染症、尿路感染症、全身感染症として敗血症や感
染症心内膜炎の原因となり死亡に到る難治性伝染病を招
く。従って、このような院内感染は、見過ごし得ない恐
ろしい問題である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本願発明は、
縫製後の衣服に制菌・抗菌処理を行うものについて、む
らなく且つ確実に制菌・抗菌剤の定着を行うことを可能
とする手段を提供し、上記課題の解決を図るものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】しかして、本願発明の特
徴は、縫製後の衣服等の縫製品に、制菌・抗菌剤を付着
或いは浸透させる制菌・抗菌剤付与工程を経た後、この
繊維製品を空中に配位した状態にして加熱する加熱処理
工程を行うことにより制菌・抗菌剤を縫製品に定着させ
ることにある。
【0009】そして、本願の第1の発明は、上記の加熱
処理工程が、少なくとも加熱室内を通過して被搬送物を
搬送する搬送部材にハンガーを支持させて、このハンガ
ーに吊るした状態で縫製品を加熱室中を移動させること
により、縫製品を加熱するものであり、ハンガーがフッ
クを備えた中央部と、この中央部から左右に延びる左右
の腕部と、左右の腕を開閉する開閉手段とを備えたもの
であり、縫製品をハンガーに吊るす際に、左右の腕部を
閉じて縫製品中に左右の腕部を入れた後、左右の腕部を
開いて、ハンガーに縫製品を吊るようにしたことを特徴
とする縫製品の制菌・抗菌加工方法を提供する。
【0010】本願の第2の発明は、上記の第1の発明に
おいて、制菌・抗菌剤付与工程が、制菌・抗菌剤中に縫
製品を浸漬する一次浸漬と、一次浸漬された縫製品を脱
液する一次絞りと、一次絞りされた縫製品を再び制菌・
抗菌剤中に浸漬する二次浸漬と、二次浸漬された縫製品
を脱液する二次絞りの工程を備えたものであることを特
徴とする加工方法を提供する。
【0011】本願の第3の発明は、上記の第1又は第2
の発明において、加熱処理工程が、低温加熱工程と、こ
の低温加熱工程より高い温度で加熱する高温加熱工程を
備え、低温加熱工程用の低温加熱室から、高温加熱工程
用の高温加熱室にかけて連続的に縫製品を移動させるこ
とにより、縫製品を加熱するものであることを特徴とす
る縫製品の制菌・抗菌加工方法を提供する。
【0012】本願の第4の発明は、上記の第1又は第2
又は第3の発明において、上記のハンガーと、布製のテ
ープにネーム刺繍を複数施した織りネーム用テープ等の
長尺状体の縫製品を移動可能に支持する長尺状体支持体
とを準備し、布製のテープにネーム刺繍を複数施した織
りネーム用テープ等の長尺状体の縫製品を処理するに際
しては、熱処理工程において、上記のハンガーを長尺状
体支持体に取り替えて、長尺状体の縫製品を加熱室中の
空中に配位した状態で搬送させることを特徴とする縫製
品の制菌・抗菌加工方法を提供する。
【0013】本願の第5の発明は、上記の第2の発明に
おいて、上記の長尺状体の加熱処理工程に際して、長尺
状体を移動可能に支持する長尺状体用支持体を、少なく
とも加熱室内に配位された搬送部材に支持させて移動さ
せることにより、適宜間隔で長尺状体用支持体を加熱室
中に配位した状態で搬送部材による搬送を停止させ、停
止状態の長尺状体用支持体に長尺状体を支持させて、加
熱室中の空中に長尺状体を配位した状態で長尺状体を移
動させることを特徴とする縫製品の制菌・抗菌加工方法
を提供する。
【0014】本願の第6の発明は、縫製後の衣服等の縫
製品に、制菌・抗菌剤を付着或いは浸透させる制菌・抗
菌剤付与手段と、制菌・抗菌剤を付与した縫製品を空中
に配位した状態にして加熱する加熱処理手段とを備え、
上記の加熱処理手段が、少なくとも加熱室内を通過して
被搬送物を搬送する搬送部材にハンガーを支持させて、
このハンガーに吊るした状態で縫製品を加熱室中を移動
させることにより、縫製品を加熱するものであり、上記
のハンガーが、フックを備えた中央部と、この中央部か
ら左右に延びる左右の腕部と、左右の腕を開閉する開閉
手段とを備えたものであり、縫製品をハンガーに吊るす
際に、左右の腕部を閉じて縫製品中に左右の腕部を入れ
た後、左右の腕部を開いて、ハンガーに縫製品を吊るよ
うにしたことを特徴とする縫製品の制菌・抗菌加工装置
を提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】図面に基づき本願発明の実施の形
態を説明する。図1及び図2へ本願発明の一実施の形態
を示す(図1は本実施の形態の加工方法のブロック図で
あり、図2(A)は図1の低温加熱工程及び高温加熱工
程に使用する加熱装置の略側面図であり、図2(B)は
図2(A)に示す装置の略正面図であり、図2(C)は
図2(A)に示す装置の略平面図である。
【0016】本願発明に係る制菌・抗菌加工方法は、縫
製後の衣類等縫製品に、制菌・抗菌剤を浸透させ付着さ
せた後、脱水し、ハンガーに吊るす等して空中に配位し
た状態で、温風加熱することにより乾燥させることを特
徴とする。尚、制菌・抗菌加工方法は、菌の増殖を防止
できるものであればよく、制菌加工、抗菌加工等の呼称
は問わない。以下、本願発明に係る制菌・抗菌加工方法
の一実施の形態について具体的に説明する。先ずこの制
菌・抗菌加工方法は、図1へ示す通り、縫製後の衣服に
対して、制菌・抗菌剤付与工程1と低温加熱工程2と高
温加熱工程3と仕上げ工程4とによる処理を、この順番
で施すものである。
【0017】制菌・抗菌剤付与工程1は、一次浸漬10
0と、この一次浸漬100後に行われる一次絞り110
と、一次絞り110後に行われる二次浸漬120と、二
次浸漬120後に行われる二次絞り130とにより構成
される。
【0018】上記の一次浸漬100は、上記衣服を制菌
・抗菌剤液(溶液)の入った浸漬槽(図示しない。)に
投入し、制菌・抗菌剤液をこの衣服に浸透させる処理で
ある。一次絞り110とは、一次浸漬100後、上記の
浸漬槽から取り出した衣服を、絞り機にて絞る等して、
脱液する処理である。この絞り機は、家庭用の周知の洗
濯機の脱水装置と同様の構造の装置、即ち衣服を収容す
る槽とこの槽を回転させて水切りを行う構造を有する機
構を備えた装置(図示しない)である。一次絞り110
は、このような絞り機にて、衣服に浸透した余分な制菌
・抗菌剤液を絞る作業である。一次絞り110によっ
て、制菌・抗菌剤液が浸透した衣服から、余分な制菌・
抗菌剤液が取り除がれる。又一次絞り110において、
上記の方法で衣服を強く絞ることにより、制菌・抗菌剤
の繊維への定着が促される。
【0019】上記の二次浸漬120は、一次絞り110
を経た衣服を再度制菌・抗菌剤液の入った浸漬槽に投入
して、衣服を再度制菌・抗菌剤液に漬け、溶液をこの衣
服に浸透させる処理である。二次絞り130とは、二次
浸漬120後、浸漬槽から取り出した衣服を絞る処理で
ある。二次絞り130は、上記一次絞り110と同様の
方法によって実施される。二次絞り130によって、最
終的に、制菌・抗菌剤液が浸透した衣服から、余分な制
菌・抗菌剤液が取り除かれる。又二次絞り130におい
て、上記の方法で衣服を強く絞ることにより、より一
層、制菌・抗菌剤の繊維への定着が促される。この二次
絞り130により、処理後の衣服を洗浄しても、制菌・
抗菌剤の繊維への定着状態が極めて良好に維持されるの
である。二次絞り130は、二次絞り130が完了した
際に、衣服の重量が制菌・抗菌剤付与工程1前の約2倍
となるように行われるのが望ましい。以上、この実施の
形態では、上記の一次絞り110及び二次絞り130と
いった絞り工程によって脱液されるものである。
【0020】上記の制菌・抗菌剤付与工程1の一次浸漬
100と二次浸漬120とにおいて使用する制菌・抗菌
剤液には、主成分がフェニルアミド系の薬剤、例えば大
和化学工業株式会社製の「アモルデンMCM−400」
(商品名)か、主成分が複合カチオン系抗菌剤、例えば
同社製の「アモルデンCHI−500」(商品名)を用
いる。前者の「アモルデンMCM−400」は一般向け
の薬剤であり、後者の「アモルデンCHI−500」は
医療用の薬剤である。処理の用途に応じて、適切な薬剤
を選択して用いる。但し、「アモルデンMCM−40
0」と「アモルデンCHI−500」とは、混合するの
は適切ではなく、夫々別個に用いられることが望まし
い。特に、上記の医療用の薬剤については、繊維上に耐
洗濯持続性とMRSA抑制作用を有するものであり、こ
のような薬剤を用いることにより、本願発明を手術衣
や、下着、寝巻きなどに実施すれば、院内感染を抑える
効果を長期に得ることができ、更に、黄色ブトウ球菌、
大腸菌、肺炎かん菌、緑膿菌(床ずれ、おむつ擦被れを
招く。)、枯草菌(結膜炎の原因となる。)、肺炎菌
(肺炎の原因となる。)等の病原菌についても、その繁
殖を抑え、感染を予防することができ、病院や老人ホー
ム向けにMRSA菌の対策にも有効である。上記以外の
薬剤を用いる場合も、上記の点から、繊維上に耐洗濯持
続性とMRSA抑制作用を有するものを使用するのが望
ましい。又、上記の一般向けの薬剤は、制菌・抗菌並び
に防臭の作用を有するものである。通常、衣類や皮膚に
生息する細菌は、汗や汚れを栄養源として増殖する。こ
のような増殖時に、上記栄養源の分解物が「いやな臭
い」の原因となる。上記の一般向けの薬剤は、細菌の繁
殖を抑え、このような臭いの発生を防ぐ。そしてこの一
般向けの薬剤も、大腸菌、緑膿菌、枯草菌等病原菌の繊
維上での発育を抑制し、防臭効果を奏する。従って、一
般向けの薬剤について、上記以外のものを用いる場合で
あっても、制菌・抗菌並びに防臭の作用を有するものを
使用するのが望ましい。又、上記の薬剤に代えて、主成
分がキトサン誘導体の薬剤、例えばユニオン化学工業株
式会社製の「UNIKA CM−117」(商品名)な
ども、使用可能である。更に、上記以外の制菌・抗菌剤
を採用することも可能である。
【0021】低温加熱工程2と高温加熱工程3とは、夫
々、上記の制菌・抗菌剤付与工程1を経た後の衣服に対
して、行われる加熱処理の工程である。図2は、低温加
熱工程2及び高温加熱工程3を行うのに用いられる加熱
装置20を示している。
【0022】加熱装置20は、図2(A)及び図2
(C)へ示す通り、低温加熱工程2を行う低温加熱機2
1と、高温加熱工程3を行う高温加熱機31と、低温加
熱室機21及び高温加熱機31内に設けられた搬送装置
30とを備える。
【0023】低温加熱機21は、内部が衣服の移送通路
を形成する低温加熱室22と、低温加熱室22と別体に
形成された蒸気ヒータ23と、蒸気ヒータ23と低温加
熱室22の上部との間に介され両者を接続する導入管2
4(図2(A)(B)(C))と、同様に蒸気ヒータ2
3と低温加熱室22下部側面との間に介され両者を接続
する排出管25(図2(C))とを有する。
【0024】低温加熱室22は、約12.4メートルの
前後幅L1を有し、約2.5メートルの高さを有するハ
ウジングである。蒸気ヒータ23は、蒸気の利用によっ
て1時間当たり約3万キロカロリーの熱を発生すること
が可能であり、このような熱風を導入管24にて、低温
加熱室22内へ送るものである。導入管24は、図2
(A)へ示すように、低温加熱室22側で、複数の枝管
24a…24aに分枝する。この枝管24a…24aが
夫々低温加熱室22の上部に接続され、上記の熱風は枝
管24a…24aにより低温加熱室22内へ導入され
る。そして低温加熱室22内に導入された熱風は、排出
管25にて蒸気ヒータ23に向けて低温加熱室22から
排出される。
【0025】図2(B)へ示すように、低温加熱室22
の前面には、衣服を低温加熱室22内へ導入するための
入口22aが形成されている。この入口22aの上部に
は、エアノズル22bが設けられている。エアノズル2
2bは、下方に向け空気を噴出してエアーカーテンを形
成し入口22aを閉ざすものである。このエアカーテン
によって、低温加熱室22内部は、外気から遮断され
る。
【0026】高温加熱機31は、低温加熱機21の低温
加熱室22の後部に延設され且つ内部が衣服の移送通路
を形成する高温加熱室32と、高温加熱室32と別体に
形成されたエアヒータ33と、エアヒータ33と高温加
熱室32上部との間に介され両者を接続する導入管34
と、同様にエアヒータ33と高温加熱室32下部側面と
の間に介され両者を接続する排出管35(図2(C))
とを有する。
【0027】高温加熱室32は、低温加熱室22と一体
に形成されたものであり、約6.2メートルの前後幅L
2を有する。高温加熱室32の高さは、低温加熱室22
と同じである。エアヒータ33は、灯油を燃料として利
用することによって2000Cの熱風を発生することが可
能であり、発生した熱風を導入管34にて、高温加熱室
32内へ送るものである。導入管34は、図2(A)へ
示すように、高温加熱室32側で、複数の枝管34a…
34aに分枝する。この枝管34a…34aが夫々高温
加熱室32の上部に接続され、上記の熱風は枝管34a
…34aにより高温加熱室32内へ導入される。そして
高温加熱室32内に導入された熱風は、排出管35にて
エアヒータ33に向けて高温加熱室32から排出され
る。
【0028】図2(B)へ示すように、高温加熱室32
の後面には、衣服を高温加熱室32外へ搬出するための
出口32aが形成されている。この出口32aの上部に
は、エアノズル32bが設けられている。エアノズル3
2bは、下方に向け空気を噴出してエアーカーテンを形
成し出口32aを閉ざすものである。このエアカーテン
によって、高温加熱室32内部は、外気から遮断され
る。
【0029】次に、搬送装置30は、複数のハンガーを
吊り下げることが可能な搬送チェーン30aと、搬送チ
ェーン30aを循環させる保持駆動部30bとを備える
ものである。保持駆動部30bは、搬送チェーン30a
を保持し、搬送チェーン30aを循環させる。搬送チェ
ーン30aは、環状に形成されており、低温加熱室22
の入口22aから低温加熱室22内へ入り高温加熱室3
2内を経て、高温加熱室32の出口32aから外部へ
出、両ハウジング22,32の上方を通って再び低温加
熱室22の入口22aに到る。搬送チェーン30aは、
このような経路を循環する。この搬送チェーン30aに
代えて、搬送用の棒状スクリューを用いることもでき
る。この搬送用の棒状スクリューは、外周にねじ山が形
成されており、ハンガーを掛けた状態でねじの進行方向
に回転させることによって、ハンガーが前方に送られる
ものであり、逆方向に回転させることによって、ハンガ
ーが後退するものである。尚、以降の説明における各搬
送チェーンについても、搬送用の棒状スクリューに変更
することが可能であり、両者を組み合わせて用いること
も可能である。
【0030】制菌・抗菌剤付与工程1を経た後の衣服
は、順次ハンガーに掛けられ、加熱装置20の低温加熱
室22の入口22aの手前で、搬送チェーン30aに吊
るされる。このようにして、ハンガーに掛けられ搬送チ
ェーン30aに吊るされた衣服は、進行方向Xに沿っ
て、低温加熱室22及び高温加熱室32の内部を進行す
る。衣服を吊るすのに用いられるハンガーは、加熱温度
に耐えることを条件に適宜その材質を選択し得るが、例
えば、ステンレス製のものが適当である。
【0031】低温加熱工程2は、ハンガーに掛けられた
衣服を、搬送チェーン30aにより、上記低温加熱室2
2内で進行させることにて、加熱乾燥させる工程であ
る。低温加熱室22の内部は、既述の蒸気ヒータ23か
らの熱風により、摂氏約70度乃至80度の温度(低温
加熱室22内の温度)で、上記衣服を低温加熱させる。
ハンガーに掛けられた衣服は、上記温度に保たれた低温
加熱室22内を約10分前後かけて移動した後、高温加
熱室32内へ移行する。上記の加熱温度と時間は、処理
の対象となる衣服の質等の変更に応じて変更可能であ
る。
【0032】高温加熱工程3は、低温加熱室22から移
行してきた上記の衣服を、搬送チェーン30aにより、
更に高温加熱室32内で進行させることにて、温風加熱
させて加熱乾燥させる工程である。高温加熱室32の内
部では、既述のエアヒータ33からの熱風により、通常
摂氏約120度乃至180度程度の温度(高温加熱室3
2内の温度)で、約2分乃至8分かけて温風加熱により
上記衣服を乾燥させる。即ち、ハンガーに掛けられた衣
服は、上記温度に保たれた高温加熱室32内を約2分乃
至8分前後かけて移動した後、出口32aから外部へ搬
出される。この場合も加熱温度と時間は、処理の対象と
なる衣服の質等の変更に応じて変更可能である。このよ
うに、衣服の素材、品質により異なるが、特に衣服の繊
維に対する制菌・抗菌剤の定着率を高めるためには、上
記の通り、高温加熱工程3において、摂氏約120度乃
至180度で約2分乃至8分の温風加熱を行うのが望ま
しい。
【0033】上記両乾燥工程2,3において、衣服は、
ハンガーに吊された状態にて加熱装置20の中を移動す
るものであるため、その表面全体をむらなく熱風に曝す
ことができ、又、この一方で余分な制菌・抗菌剤液を偏
らせることなく、下方に滴下することができる。従っ
て、衣服は、制菌・抗菌剤が偏ることなく乾燥させられ
る。又、衣服表面が他と接触して制菌・抗菌剤液が偏る
ということがないので、衣服に対しむらなく制菌・抗菌
剤が定着する。
【0034】仕上げ工程4は、皺取り400と、皺取り
400後に行われる包装処理410とにより構成され
る。上記の皺取り400は、上記低温加熱工程2及び高
温加熱工程3を経た衣服を、搬送チェーン30aから外
して、蒸気アイロンにて皺を伸ばす処理である。包装処
理410は、衣服を畳んで袋へ収容し或いは再びハンガ
ーに掛ける工程である。この仕上げ工程4を終えること
にて、この制菌・抗菌加工の全工程が完了する。
【0035】この実施の形態において、特に、二次絞り
130で、余分な制菌・抗菌剤を絞り落とし、衣服を制
菌・抗菌剤が付与される前の約2倍の重量にすると共
に、低温加熱工程2にて低温加熱を行った後、高温加熱
工程3を行うことにより、制菌・抗菌剤の定着率を著し
く向上した。具体的には、衣服の購入後衣服に対し10
0回以上の洗濯を行っても、制菌・抗菌効果を得る充分
な量の制菌・抗菌剤が繊維に残っていることが、日本紡
績検査協会の試験検査で確認された。又、上記と共に高
温加熱工程3中、衣服をハンガーに吊るして乾燥させる
ことにより、処理後の衣服に関し、むらなく上記定着率
を向上することができる。
【0036】又、上記の実施の形態では、制菌・抗菌薬
剤液の衣服に対する付与は、制菌・抗菌薬剤液へ直接衣
服を漬けて行うものとしたが、この他、衣服に噴き付け
るものであっても実施可能である。但し、上述の実施の
形態のように、浸漬した後絞るという手段を採る方が、
上記の噴き付ける方法を採る場合よりも、定着率が著し
く良い。従って、この点において、浸漬した後絞るとい
う上述の実施の形態の方が望ましい。又衣服に付与する
薬剤は、制菌・抗菌性のみを示すものに限定するもので
はなく、例えば、挑撥水性、防虫効果、防炎効果、芳香
性、帯電防止効果、形態安定等の各種効果を奏する薬剤
を併用することも可能である。
【0037】制菌・抗菌剤付与工程1の一次絞り110
及び二次絞り130について、既述の装置の代わりに、
並べて配置された二つのローラ間へ衣服を通すことによ
って、絞りを行う装置を用いるものであっても実施可能
である(図示しない)。
【0038】更に、衣服を処理の対象物として説明して
きたが、ハンガーに吊るすことが可能な縫製品であれば
衣服以外のものについても実施可能である。例えば、タ
オル、シーツやその他の寝具、ハンカチ、スカーフ、カ
ーシート、枕カバー、テーブルクロス、キッチンクロ
ス、その他、帽子、布製靴、布製鞄、下着、白衣、手術
衣、看護衣、寝巻き、シュラフ、カッパなどの雨具、タ
オルやバスローブなどに、実施することも可能である。
【0039】上記の加熱装置20の他の実施の形態につ
いて図3を用いて説明する。図3(A)はこの加熱装置
20の低温加熱機21の略側面図を示し、図3(B)は
その高温加熱機31の略側面図を示している。この加熱
装置20は、低温加熱機21と、高温加熱機31とが、
図2へ示すものと異なり、別体に形成されたものであ
る。
【0040】図3(A)へ示すように、低温加熱機21
の加熱室22は、後部を備え、この後部に出口22cが
設けられている。この出口22cの上部には、ハウジン
ク22内をエアーカーテンで外気と遮断するエアーノズ
ル22dが設けられている。又低温加熱機21は、図2
のものと同様の搬送装置30を備える。即ち、搬送装置
30は、複数のハンガーを吊り下げることが可能な搬送
チェーン30aと、搬送チェーン30aを循環させる保
持駆動部30bとを備える。保持駆動部30bは、搬送
チェーン30aを保持し、搬送チェーン30aを循環さ
せる。搬送装置30の搬送チェーン30aは、環状に形
成されており、加熱室22の入口22aから加熱室22
内へ入り、上記出口22cから外部へ出、加熱室22の
上方を通って再び加熱室22の入口22aに到る。搬送
チェーン30aは、このような経路を循環する。
【0041】この低温加熱機21は、上記の通り高温加
熱機31と別体に形成され、低温加熱機21の加熱室2
2が後部を持ち、この後部に出口22cとエアーノズル
22dとが設けられ、搬送チェーン30aが低温加熱機
21の加熱室22のみを循環するという点で、図2に示
す低温加熱機21と異なる。しかし、これ以外の構成に
ついて、図3(A)に示す低温加熱機21は、図2へ示
す低温加熱装置21と同一である。
【0042】図3(B)へ、上記低温加熱機21と、別
体に形成された高温加熱機31を示す。図3(B)へ示
すように、高温加熱機31の加熱室32は、前部を有
し、この前部に入口32cが設けられている。この入口
32cの上部には、ハウジンク32内をエアーカーテン
で外気と遮断するエアーノズル32dが設けられてい
る。
【0043】又、この高温加熱機31は、上記低温加熱
機21の備える搬送装置30と別個の搬送装置36を備
える。この搬送装置36は、低温加熱機21の備える搬
送装置30と同様、複数のハンガーを吊り下げることが
可能な搬送チェーン36aと、搬送チェーン36aを循
環させる保持駆動部36bとを備える。保持駆動部36
bは、搬送チェーン36aを保持し、搬送チェーン36
aを循環させる。搬送装置36の搬送チェーン36a
は、環状に形成されており、加熱室32の入口32cか
ら加熱室32内へ入り、上記出口32aから外部へ出、
加熱室32の上方を通って再び加熱室32の入口32c
に到る。搬送チェーン36aは、このような経路を循環
する。
【0044】この高温加熱機31は、上記の通り低温加
熱機21と別体に形成され、高温加熱機31の加熱室3
2が前部を持ち、この前部に入口32cとエアーノズル
32dとが設けられ、搬送装置36を別途備え、この搬
送装置36の搬送チェーン36aが高温加熱機21の加
熱室32のみを循環するという点で、図2に示す高温加
熱機31と異なる。しかし、これ以外の構成について、
図3(A)に示す高温加熱機31は、図2へ示す高温加
熱装置31と同一である。低温加熱機21を出た衣服の
ハンガーは、一旦搬送チェーン30aから外され、高温
加熱機31へ運ばれた後、その搬送チェーン36aに吊
るされる。
【0045】このように低温加熱機21と高温加熱機3
2とが別々に形成された加熱装置20を採用することに
より、省スペースを図ることができる。具体的には、図
2に示す加熱装置20の場合、低温加熱機21と高温加
熱機31とが一体となっているため、両者の長手幅L
1,L2を合計した約18.6メートル以上の直線的な
スペースが必要となる。これに対して、図3へ示す加熱
装置20の場合、別々の場所に、低温加熱機21と高温
加熱機32とを配置することができるので、直線的なス
ペースとして上記のような18メートル以上もの大きな
スペースを必要としないのである。
【0046】但し、図2へ示す加熱装置20を用いる方
が、低温加熱機21で低温加熱工程2が終わった後に、
ハンガーを搬送装置30から外さずに、次の高温加熱機
31での高温加熱工程3へ移行することができ、ハンガ
ーの掛け直しの手間がかからない。尚、低温加熱機21
と高温加熱機31とを別体とする一方、搬送装置を、こ
れらの装置21,31に連続して配設してもよい。
【0047】図4を用いて、制菌・抗菌加工方法につい
て、さらに第3の実施の形態を説明する。図4は、この
実施の形態の処理方法のブロック図を示す。この実施の
形態の制菌・抗菌加工方法は、図4へ示す通り、縫製後
の衣服に対して、制菌・抗菌剤付与工程1と高温加熱工
程3と仕上げ工程4とによる処理を、この順番で施すも
のである。
【0048】この制菌・抗菌剤付与工程1は、一次浸漬
100と、この一次浸漬100後に行われる一次絞り1
10とにより構成される。
【0049】上記の一次浸漬100は、図1に示す実施
の形態と同様、衣服を制菌・抗菌剤液(溶液)の入った
浸漬槽(図示しない。)に投入し、制菌・抗菌剤液をこ
の衣服に浸透させる処理である。又一次絞り110も、
図1に示す実施の形態と同様、一次浸漬100後、上記
の浸漬槽から取り出した衣服を、絞り機にて、絞る処理
である。絞り機も、図1に示す実施の形態で用いるもの
と同じものを用いる。一次絞り110によって、最終的
に、制菌・抗菌剤液が浸透した衣服から、余分な制菌・
抗菌剤液が取り除かれ、制菌・抗菌剤の繊維への定着が
促される。この実施の形態において、一次絞り110が
完了した際に、衣服の重量が制菌・抗菌剤付与工程1前
の約2倍となるように行われるのが望ましい。
【0050】この図4へ示す実施の形態において、制菌
・抗菌剤付与工程1後は、高温加熱工程3を経ずに、直
接高温加熱工程3に移行する。高温加熱工程3とその後
に行われる仕上げ工程4とは、図1の実施の形態と同じ
内容の処理工程である。この高温加熱工程3は、図3
(B)の装置にて、実施するのが適当である。図4に示
す実施の形態は、制菌・抗菌剤付与工程1が一次浸漬1
00と一次絞り110のみにて完了すること、及び高温
加熱工程3が設定されていないこと以外については、図
1に示す実施の形態と同様である。
【0051】図1へ示す実施の形態のように、制菌・抗
菌剤付与工程1で一次浸漬100と一次絞り110の後
に二次浸漬120と二次絞り130とが行われる方が、
(図4に示す実施の形態のように)これを行わない場合
よりも、格段に、制菌・抗菌処理後の衣服に対する制菌
・抗菌剤の定着率が良い。従って、制菌・抗菌剤の定着
率の向上のために、図1に示す実施の形態のように、二
次浸漬120と二次絞り130とを実施するのが望まし
い。
【0052】又、図4へ示す実施の形態のように、低温
加熱工程2は、行わずに実施することも可能であるが、
図1へ示す実施の形態のように、低温加熱工程2を経る
ことによって、高温加熱工程3の処理時間の短縮を図る
ことができ、乾燥のために発生させる熱エネルギーを低
く押さえることができ、コスト面で有利である。一方、
高温加熱工程3終了までのトータルの時間短縮の点で
は、低温加熱工程2を経ずに、高温加熱工程3のみを行
う図4の実施の形態の方が有利である。衣服の素材、品
質により異なるが、このように低温加熱工程2を省く場
合であっても、高温加熱工程3で、摂氏約120度乃至
180度で約2乃至8分の温風加熱を行うのが、適切で
ある。
【0053】次に、各搬送装置に用いられるハンガー5
の好ましい形態について、図5を参照しつつ説明する。
この例のハンガー5は、衣服の着脱の際に、腕が折り畳
みできるもので、これにより、衣服の迅速な着脱を実現
するものである。このハンガー5は、各加熱装置の加熱
温度に耐えるものであることを条件に適宜素材で制作し
得るが、この例では、ステンレスを用いている。このハ
ンガー5は、フック51を備えた中央部52と、この中
央部52から左右に延びる左右の腕部53,53とを備
える。このフック51は、搬送チェーン30,36aに
引っ掛けて搬送できるように湾曲したものであるが、搬
送チェーン30,36a等の搬送手段に対して着脱可能
であれば、その具体的形状は適宜変更し得る。そして、
中央部には、左右の腕部53,53を開閉する開閉手段
が設けられている。より詳しくは、中央部52は、フッ
ク51の基端に上端が回動可能に取り付けられた左右の
握り部54,54から構成され、この左右の握り部5
4,54が腕部53,53の基端寄りに回動可能に接続
されている。左右の腕部53,53は、その基端が接続
部材55に回動可能に接続されており、左右の握り部5
4,54と左右の腕部53,53と接続部材55とによ
って、リンクが構成されている。即ち、図5(B)に示
すように、左右の握り部54,54を握って、互いに接
近させることによって、左右の腕部53,53が閉じ
る。そして、この左右の握り部54,54間には、常時
握り部54,54同士を離反させる方向に付勢する線バ
ネ56等の弾性体が配位され、これによって、左右の腕
部53,53を開かさせている。
【0054】さらに、この腕部53が開いた状態を確実
に保持できるように、接続部材55には、図6の構成が
採用されている。接続部材55には、接続軸57,57
が設けられ、腕部53,53と接続されているが、この
接続は、腕部53,53が開いた状態では、回動不能と
なり、腕部53,53が閉じた状態では、回動可能とな
る。より詳しくは、腕部53,53には、回動軸57,
57が通される軸挿通孔58が設けられているが、この
軸挿通孔58は、回動不能部58aと回動可能部58b
との2つの部分が連設されている。回動不能部58a
は、接続軸57と係合して接続軸57に対して回動不能
とするもので、回動可能部58bは、接続軸57と係合
せずに接続軸57に対して回動可能とするものである。
図では、接続軸57を断面矩形とし、回動不能部58a
を同じく矩形とすることにより回動不能とするもので、
回動可能部58bは接続軸57より大きな円形とするこ
とにより、回動可能とするものであるが、これ以外に
も、接続軸57を、切欠のある断面円形とし、この切欠
に係合する突起を回動不能部58aに設けて回動不能と
し、回動可能部58bには、この突起を設けないことに
より回動可能とする等、適宜変更し得る。回動不能部5
8aを回動可能部58bより先端側に配設することによ
って、腕部53,53が開いた状態では、回動不能部5
8aに接続軸57が位置して回動不能となる。そして、
左右の握り部54,54を握って互いに接近させると、
左右の腕部53,53も互いに接近して、接続軸57が
回動不能部58aから回動可能部58bへと移行し、回
動可能状態となる。さらに、握り部54,54を握って
接近させることにより、腕部53が回動して、閉じる。
開状態に戻すには、握った手を放すことにより、線バネ
56等の弾性体の作用によって、元の状態に自然に復帰
して、回動不能状態で腕部53,53が開くこととな
る。従って、衣服の装着に際しては、左右の腕部53,
53を閉じて衣服中に入れた後、握り部54,54から
手を放して左右の腕部53,53を開くことにより簡単
に装着でき、外す時には、その逆を行えばよい。
【0055】次に、本願発明の方法は、布製のテープに
ネーム刺繍やネーム表示のプリントを複数施した織りネ
ーム用テープ等の長尺状体についても適用できる。この
方法の実施の形態について図7及び図8を参照して説明
する。
【0056】一般に織りネームは、短幅の織り布製のテ
ープに、ネーム刺繍やプリントを多数、断続的に施し
て、これを一つのネーム毎に切り離して用いられる。そ
のため、テープと糸とを別々に制菌・抗菌加工すると、
加工工程並びに加工時間が多く必要となるが、ネーム加
工を複数施した織りネーム用テープの状態で加工するこ
とによって、能率的な加工が可能となる。ここで、ネー
ムは、商標を表示するネームであってもよく、品質や洗
濯方法等を表示するネームであってもよい。
【0057】図7はこの加工方法の全工程を示す略図で
ある。この例では、織り布に刺繍を施した織りネーム用
テープ等の長尺状体tを、巻芯mに巻回しておき、これ
を繰り出して、連続的に制菌・抗菌剤付与工程1と低温
加熱工程2と高温加熱工程3との各工程を行った後、巻
芯nに巻回するものである。
【0058】第1の実施の形態と同様、制菌・抗菌剤付
与工程1は、一次浸漬100と、この一次浸漬100後
に行われる一次絞り110と、一次絞り110後に行わ
れる二次浸漬120と、二次浸漬120後に行われる二
次絞り130とにより構成される。一次浸漬100と二
次浸漬120は、一次二次の各浸漬槽101,121に
満たされた制菌・抗菌剤液中に、長尺状体tを潜らせる
ものである。潜らせる方法としては、ガイドローラ10
2,122で長尺状体tで制菌・抗菌剤液中に長尺状体
tを案内すればよい。制菌・抗菌剤液としては、先の実
施の形態のものと同様のものを利用し得る。
【0059】一次絞り110と二次絞り130は、余剰
の制菌・抗菌剤液を絞り機にて絞る等して、脱液する処
理であり、この例では、一次、二次の各浸漬槽101,
121の出口付近に、一次、2次の各絞り用ローラ11
1,131を配位し、圧接状態の各絞り用ローラ11
1,131間に長尺状体tを通して脱液するものであ
る。
【0060】尚、二次浸漬並びに二次絞りは省略して実
施することができることは、先の例と同様である。ま
た、繰り出した長尺状体を連続式に処理するのではな
く、先の実施の形態と同一の装置を用いて、繰り出した
長尺状体を一度に浸漬し、遠心脱水機を用いて脱液する
ようにしてもよい。
【0061】次に、低温加熱工程2と高温加熱工程3
は、第1の実施の形態と同様の加熱室22,33を備え
た加熱装置20を用いるものである。即ち、低温加熱工
程2を行う低温加熱機21と、高温加熱工程3を行う高
温加熱機31と、低温加熱室機21及び高温加熱機31
内に設けられた搬送装置30とを備える。搬送装置30
としては、搬送チェーンを用いることができるが、この
実施の形態では、搬送用の棒状スクリューを採用した。
この搬送用の棒状スクリュー30cは、低温加熱室22
内から高温加熱室32内を通過するように配位され、そ
の両端が軸受30dによって回動可能に支持され、電動
機等の回転駆動手段(図示せず)によって回転させられ
るものである。
【0062】そして、この搬送棒状スクリュー30c
に、長尺状体を支持する長尺状体支持体6を取り付け
て、この長尺状体支持体6に長尺状体tを案内させるも
のであるが、長尺状体tの送りに関しては、この搬送棒
状スクリュー30cは作動せず、長尺状体支持体6を取
り付けるためにのみ機能する。
【0063】図8を参照しつつ長尺状体支持体6をより
詳しく説明すると、この長尺状体支持体6は、搬送棒状
スクリュー30c等の搬送装置に支持されるフック61
と、このフック61に支持されたガイド部62とを備え
る。ガイド部62には、適当な案内ローラ63を設け、
この案内ローラ63に長尺状体tを支持させて案内す
る。案内ローラ63間には、長尺状体tの横ずれを防止
する横ガイド64が配位されている。この例では、ガイ
ド部62の一端とフック61とを連絡部65によって結
ぶことによって、横から長尺状体tを案内ローラ63上
に乗せることができるようにしているが、通常のハンガ
ーのように、ガイド部62の両端とフック61とを左右
の連絡部65を介して結ぶようにしてもよい。また、逆
T字状になるように、ガイド部62の中央からフック6
1を上方へ伸ばし、フック61の左右に振り分けるよう
にして、案内ローラ63を配位してもよい。
【0064】この長尺状体支持体6は、停止している搬
送棒状スクリュー30cに所定の間隔で引っ掛けて取り
付けることができる。その際、人が、実際の取り付け箇
所に行って取り付けることもできるが、人が低温加熱工
程2の入口等の一定の位置に居る状態で、搬送装置を作
動させ、搬送棒状スクリュー30cに適宜間隔で長尺状
体支持体6を引っ掛ける等して取り付け、適宜間隔で長
尺状体用支持体を加熱室中に配位した状態で搬送棒状ス
クリュー30cの回転駆動を停止させるようにすれば、
能率的に、長尺状体支持体6を配位することができる。
このように、ハンガーを長尺状体支持体6に取り替える
だけで、衣服用に用いた低温加熱機21と高温加熱機3
1を、そのまま、長尺状体用のものとしても使用でき
る。また、長尺状体支持体6を加熱室22,32内に配
位せずに、長尺状体tを、加熱室22,32の外に配位
された案内ローラ間に渡して送るようにしてもよい。い
ずれにしても、加熱室中の空中に長尺状体tを配位した
状態で長尺状体を移動させることによって、長尺状態の
全体に渡ってむらなく、能率的に加熱することができる
ものである。
【0065】尚、この例では、長尺状体用にも、第1の
実施の形態の加熱装置を用いたが、第2の実施の形態の
ものを用いることもできる。その際、低温加熱機21と
高温加熱機31を分離して設けた場合にも、長尺状体は
連続して送った方が能率的である。但し、制菌・抗菌剤
付与工程1と低温加熱工程2と高温加熱工程3中の適宜
の区間において、長尺状体を巻き取る等して、各工程を
分離して実施することもできる。また、仕上げ工程4に
ついては、説明を省略したが、先の実施の形態と同様
に、付加することができる。さらに、先の各実施の形態
にて示した変更例についても、特許請求の範囲の趣旨を
逸脱しない範囲で、各実施の形態の間で適宜組み合わせ
ては実施することができる。
【0066】
【発明の効果】本願第1の発明は、縫製後に、制菌・抗
菌剤が付けられた衣服等縫製品について、従来生じてい
た制菌・抗菌剤の浸透のむらを排除する方法を提供し得
たものであり、衣服等の縫製品の生地について、むらな
く制菌・抗菌剤を付与することができると共に、縫製品
の縫い糸やファスナー、ボタン等の細部の隅々にまで制
菌加工、抗菌防臭加工を施すことができ、洗濯100回
後も持続効果がある方法を提供し得たものである。しか
も、ハンガーの腕部の開閉によって、ハンガーから能率
的に衣服を着脱することができ、加工工程の能率化を図
ることができる方法を提供し得たものである。
【0067】本願の第2の発明は、上記の第1の発明の
効果に加えて、制菌・抗菌剤がより確実に且つ満遍なく
衣服に付着し、多数回の洗濯によっても制菌・抗菌効果
が低下することを防止し得る方法を提供し得たものであ
る。
【0068】本願の第3の発明は、上記の各発明の効果
に加えて、低温と高温の2段階の加熱工程を行うことに
よって、良好な加熱乾燥を実現し、制菌・抗菌剤の定着
率をさせることができた方法を提供し得たものである。
【0069】本願の第4の発明は、上記の各発明の効果
に加えて、布製のテープにネーム刺繍を複数施した織り
ネーム用テープ等の長尺状体の縫製品を処理するに際し
ては、熱処理工程において、上記のハンガーを長尺状体
支持体に取り替えて加工を行うことができ、織りネーム
等の中間部材に関しても、布製のテープとネーム刺繍用
の糸とを別々に制菌・抗菌加工するよりも、能率的に制
菌・抗菌処理を施すことができる方法を提供し得たもの
である。
【0070】本願の第5の発明は、上記の第4の発明の
効果に加えて、通常の衣服用の加工と長尺状体の加工と
の切替えを容易に行うことができる方法を提供し得たも
のである。
【0071】本願の第6の発明は、制菌・抗菌剤を付け
た後乾燥するまでの間に、他との接触によって従来生じ
ていた制菌・抗菌剤の浸透のむらを排除することがで
き、しかも、ハンガーの腕部の開閉によって、ハンガー
から能率的に衣服を着脱することができ、加工工程の能
率化を図ることができる制菌・抗菌加工装置を提供し得
たものである。
【0072】
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係る方法の一実施の形態を示すブロ
ック図である。
【図2】(A)は本願発明に係る加熱装置の略側面図で
あり、(B)はこの加熱装置の略正面図であり、(C)
はこの加熱装置の略正面図である。
【図3】(A)は上記他の実施の形態に係る加熱装置の
低温加熱機の略側面図であり、(B)はこの加熱装置の
高温加熱機の略側面図である。
【図4】本願発明の更に他の実施の形態を示すブロック
図である。
【図5】(A)は本願発明に係るハンガーの開状態の正
面図であり、(B)は同閉状態の正面図である。
【図6】(A)は本願発明に係るハンガーの接続部材の
平面図であり、(B)と同VI−VI線断面図である。
【図7】本願発明の更に他の実施の形態を示す工程説明
図である。
【図8】同実施の形態に係る長尺状体支持体の斜視図で
ある。
【符号の説明】
1 制菌・抗菌剤付与工程 2 低温加熱工程 3 高温加熱工程 4 仕上げ工程 5 ハンガー 6 長尺状体支持体 30 搬送装置 30a 搬送チェーン 30c 搬送用の棒状スクリュー 36 搬送装置 36a 搬送チェーン 51 フック 52 中央部 53 腕部 100 一次浸漬 110 一次絞り 120 二次浸漬 130 二次絞り

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】縫製後の衣服等の縫製品に、制菌・抗菌剤
    を付着或いは浸透させる制菌・抗菌剤付与工程を経た
    後、この繊維製品を空中に配位した状態にして加熱する
    加熱処理工程を行うことにより制菌・抗菌剤を縫製品に
    定着させる加工を行うに際して、 上記の加熱処理工程が、少なくとも加熱室内を通過して
    被搬送物を搬送する搬送部材にハンガーを支持させて、
    このハンガーに吊るした状態で縫製品を加熱室中を移動
    させることにより、縫製品を加熱するものであり、 ハンガーがフックを備えた中央部と、この中央部から左
    右に延びる左右の腕部と、左右の腕を開閉する開閉手段
    とを備えたものであり、縫製品をハンガーに吊るす際
    に、左右の腕部を閉じて縫製品中に左右の腕部を入れた
    後、左右の腕部を開いて、ハンガーに縫製品を吊るよう
    にしたことを特徴とする縫製品の制菌・抗菌加工方法。
  2. 【請求項2】 制菌・抗菌剤付与工程が、制菌・抗菌剤
    中に縫製品を浸漬する一次浸漬と、一次浸漬された縫製
    品を脱液する一次絞りと、一次絞りされた縫製品を再び
    制菌・抗菌剤中に浸漬する二次浸漬と、二次浸漬された
    縫製品を脱液する二次絞りの工程を備えたものであるこ
    とを特徴とする請求項1記載の縫製品の制菌・抗菌加工
    方法。
  3. 【請求項3】 加熱処理工程が、低温加熱工程と、この
    低温加熱工程より高い温度で加熱する高温加熱工程を備
    え、低温加熱工程用の低温加熱室から、高温加熱工程用
    の高温加熱室にかけて連続的に縫製品を移動させること
    により、縫製品を加熱するものであることを特徴とする
    請求項1又は2記載の縫製品の制菌・抗菌加工方法。
  4. 【請求項4】 上記のハンガーと、布製のテープにネー
    ム刺繍を複数施した織りネーム用テープ等の長尺状体の
    縫製品を移動可能に支持する長尺状体支持体とを準備
    し、布製のテープにネーム刺繍を複数施した織りネーム
    用テープ等の長尺状体の縫製品を処理するに際しては、
    熱処理工程において、上記のハンガーを長尺状体支持体
    に取り替えて、長尺状体の縫製品を加熱室中の空中に配
    位した状態で搬送させることを特徴とする請求項1又は
    2又は3記載の縫製品の制菌・抗菌加工方法。
  5. 【請求項5】 長尺状体の加熱処理工程に際して、長尺
    状体を移動可能に支持する長尺状体用支持体を、少なく
    とも加熱室内に配位された搬送部材に支持させて移動さ
    せることにより、適宜間隔で長尺状体用支持体を加熱室
    中に配位した状態で搬送部材による搬送を停止させ、停
    止状態の長尺状体用支持体に長尺状体を支持させて、加
    熱室中の空中に長尺状体を配位した状態で長尺状体を移
    動させることを特徴とする請求項4記載の縫製品の制菌
    ・抗菌加工方法。
  6. 【請求項6】 縫製後の衣服等の縫製品に、制菌・抗菌
    剤を付着或いは浸透させる制菌・抗菌剤付与手段と、制
    菌・抗菌剤を付与した縫製品を空中に配位した状態にし
    て加熱する加熱処理手段とを備え、 上記の加熱処理手段が、少なくとも加熱室内を通過して
    被搬送物を搬送する搬送部材にハンガーを支持させて、
    このハンガーに吊るした状態で縫製品を加熱室中を移動
    させることにより、縫製品を加熱するものであり、 上記のハンガーが、フックを備えた中央部と、この中央
    部から左右に延びる左右の腕部と、左右の腕を開閉する
    開閉手段とを備えたものであり、縫製品をハンガーに吊
    るす際に、左右の腕部を閉じて縫製品中に左右の腕部を
    入れた後、左右の腕部を開いて、ハンガーに縫製品を吊
    るようにしたことを特徴とする縫製品の制菌・抗菌加工
    装置。
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