JP2924476B2 - 多空胴形クライストロン - Google Patents
多空胴形クライストロンInfo
- Publication number
- JP2924476B2 JP2924476B2 JP20768092A JP20768092A JP2924476B2 JP 2924476 B2 JP2924476 B2 JP 2924476B2 JP 20768092 A JP20768092 A JP 20768092A JP 20768092 A JP20768092 A JP 20768092A JP 2924476 B2 JP2924476 B2 JP 2924476B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- metal wire
- cavity
- klystron
- support
- tuning element
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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- Microwave Tubes (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は多空胴形クライストロ
ン、特に弾性を有する周波数調整用可動同調素子をもつ
空胴共振器を備えた多空胴形クライストロンに関する。
ン、特に弾性を有する周波数調整用可動同調素子をもつ
空胴共振器を備えた多空胴形クライストロンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より多空胴形クライストロンは、電
力利得、効率が高く取り扱いが容易等の理由からテレビ
放送や通信用の送信機の最終段増幅管として幅広く使用
されている。このような多空胴形クライストロンを動作
させるには、一般に各空胴共振器の共振周波数を動作周
波数と同じ周波数に合わせるかまたは動作周波数から少
し離調した周波数に合わせるいわゆるスタガー同調を行
なうのが普通である。この場合各空胴共振器は、動作周
波数の可変範囲が広く、かつこの動作周波数可変範囲内
で電気的にもまた機械的にも安定した同調操作の行なえ
る同調機構を具備していることが重要である。
力利得、効率が高く取り扱いが容易等の理由からテレビ
放送や通信用の送信機の最終段増幅管として幅広く使用
されている。このような多空胴形クライストロンを動作
させるには、一般に各空胴共振器の共振周波数を動作周
波数と同じ周波数に合わせるかまたは動作周波数から少
し離調した周波数に合わせるいわゆるスタガー同調を行
なうのが普通である。この場合各空胴共振器は、動作周
波数の可変範囲が広く、かつこの動作周波数可変範囲内
で電気的にもまた機械的にも安定した同調操作の行なえ
る同調機構を具備していることが重要である。
【0003】各空胴共振器の共振周波数を変化させる従
来の同調機構は、図2(a),(b)に示すごとく空胴
外囲器1とドリフト管2とで形成された共振空胴3の内
部に同調素子支持体7に保持され連結棒8により移動さ
せられる可動同調素子5を配設して構成されている。可
動同調素子5は対向する両側面を軸方向に並行に切落し
た両側平面部を有する円柱状の金属線支持体4の周囲に
螺旋状に細い溝4aを設け、かつ金属線収容溝4aの中
に弾性を有する金属線10(従来タングステン線などが
使われている)を捲きつけた構造を有し、金属線支持体
4の側平面部で金属線支持体4から浮上している金属線
10の一部分が共振空胴3の上下内壁面6にそれぞれ接
触している。金属線支持体4は同調素子支持体7にねじ
で止められて、更に同調素子支持体7は連結棒8、ベロ
ーズ9等に接続された構造となっている。この様な空胴
共振器において、連結棒8をその軸方向に動かしこれに
よって可動同調素子5を共振空胴3の上下内壁面6を摺
動させ、共振空胴3の体積すなわちインダクタンス量を
変化させることにより空胴共振器の共振周波数を変化さ
せている。
来の同調機構は、図2(a),(b)に示すごとく空胴
外囲器1とドリフト管2とで形成された共振空胴3の内
部に同調素子支持体7に保持され連結棒8により移動さ
せられる可動同調素子5を配設して構成されている。可
動同調素子5は対向する両側面を軸方向に並行に切落し
た両側平面部を有する円柱状の金属線支持体4の周囲に
螺旋状に細い溝4aを設け、かつ金属線収容溝4aの中
に弾性を有する金属線10(従来タングステン線などが
使われている)を捲きつけた構造を有し、金属線支持体
4の側平面部で金属線支持体4から浮上している金属線
10の一部分が共振空胴3の上下内壁面6にそれぞれ接
触している。金属線支持体4は同調素子支持体7にねじ
で止められて、更に同調素子支持体7は連結棒8、ベロ
ーズ9等に接続された構造となっている。この様な空胴
共振器において、連結棒8をその軸方向に動かしこれに
よって可動同調素子5を共振空胴3の上下内壁面6を摺
動させ、共振空胴3の体積すなわちインダクタンス量を
変化させることにより空胴共振器の共振周波数を変化さ
せている。
【0004】上述した従来の空胴共振器では、動作周波
数可変範囲を広くすることは可能であるが電気的に高出
力な多空胴クライストロンに使用する場合、ある一定以
上の高周波電流が共振空胴3に流れると金属線10およ
び金属線支持体4が溶けてしまうという不具合があっ
た。すなわち、空胴共振器の共振空胴3に流れる高周波
電流のうち可動同調素子5に流れる高周波電流がI
(A)の時、金属線支持体4から空胴上下内壁面6間の
高周波電流ΔI(A)、金属線10の体積抵抗率ρ(Ω
・m)、金属線支持体4から空胴上下内壁面6間の金属
線10の流さl(mm)、金属線10の半径a(m
m)、金属線10のスキンデプスδ(mm)、金属線の
比透磁率μr 、金属線10の熱伝導率k(W/m・de
g)とした場合、実験より求めた金属線10および金属
線支持体4の溶ける限界点は(ただし金属線支持体4の
融点が金属線10よりも低い場合:通常は金属線支持体
4は銅である)、熱抵抗Rt (deg/W)および損失
電力ΔP(W)で決定されるので次式に従う。
数可変範囲を広くすることは可能であるが電気的に高出
力な多空胴クライストロンに使用する場合、ある一定以
上の高周波電流が共振空胴3に流れると金属線10およ
び金属線支持体4が溶けてしまうという不具合があっ
た。すなわち、空胴共振器の共振空胴3に流れる高周波
電流のうち可動同調素子5に流れる高周波電流がI
(A)の時、金属線支持体4から空胴上下内壁面6間の
高周波電流ΔI(A)、金属線10の体積抵抗率ρ(Ω
・m)、金属線支持体4から空胴上下内壁面6間の金属
線10の流さl(mm)、金属線10の半径a(m
m)、金属線10のスキンデプスδ(mm)、金属線の
比透磁率μr 、金属線10の熱伝導率k(W/m・de
g)とした場合、実験より求めた金属線10および金属
線支持体4の溶ける限界点は(ただし金属線支持体4の
融点が金属線10よりも低い場合:通常は金属線支持体
4は銅である)、熱抵抗Rt (deg/W)および損失
電力ΔP(W)で決定されるので次式に従う。
【0005】
【0006】上式において金属線10からの熱放射は熱
伝導にくらべて十分小さいので熱抵抗として考慮しな
い。なお、スキンデプスδは次の式で与えられる。ここ
でfは周波数である。
伝導にくらべて十分小さいので熱抵抗として考慮しな
い。なお、スキンデプスδは次の式で与えられる。ここ
でfは周波数である。
【0007】
【0008】上記の限界点をこえた場合に金属線10お
よび金属線支持体4が溶けるのである。
よび金属線支持体4が溶けるのである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】この従来の空胴共振器
では、高周波電流は空胴の上下内壁面6から金属線10
の表面を流れるのであるが、多空胴形クライストロンの
周波数が高くなると共振空胴3の形状が小さくなるた
め、金属線10の1ターンあたりの損失電力が増加し、
また他方金属線10は弾性を有していなければならない
ため、熱抵抗はそれほど顕著には下がらず、クライスト
ロンの高出力を図る時、前記限界点をこえてしまい、本
構造の可動同調素子5は使用できないという不具合があ
った。
では、高周波電流は空胴の上下内壁面6から金属線10
の表面を流れるのであるが、多空胴形クライストロンの
周波数が高くなると共振空胴3の形状が小さくなるた
め、金属線10の1ターンあたりの損失電力が増加し、
また他方金属線10は弾性を有していなければならない
ため、熱抵抗はそれほど顕著には下がらず、クライスト
ロンの高出力を図る時、前記限界点をこえてしまい、本
構造の可動同調素子5は使用できないという不具合があ
った。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、空胴外囲器と
ドリフト間で形成された共振空胴内で、金属線支持体の
外周溝に弾性を有する金属線を共振空胴上下内壁面に接
触するように捲いた可動同調素子を配置した空胴共振器
を備えた多空胴形クライストロンにおいて、金属線支持
体と内壁面との間の金属線の損失電力(W)と熱抵抗
(deg/W)の積が0.143(deg)をこえ、金
属線の体積抵抗率および比透磁率より小さい体積抵抗率
および比透磁率をもつ金属膜を金属線の表面に使用する
金属膜のスキンデプス以上の厚さでメッキもしくはスパ
ッタまたはクラッドによって設け金属線の損失電力を下
げて前記の限界点をこえないようにしたことを特徴とし
ている。
ドリフト間で形成された共振空胴内で、金属線支持体の
外周溝に弾性を有する金属線を共振空胴上下内壁面に接
触するように捲いた可動同調素子を配置した空胴共振器
を備えた多空胴形クライストロンにおいて、金属線支持
体と内壁面との間の金属線の損失電力(W)と熱抵抗
(deg/W)の積が0.143(deg)をこえ、金
属線の体積抵抗率および比透磁率より小さい体積抵抗率
および比透磁率をもつ金属膜を金属線の表面に使用する
金属膜のスキンデプス以上の厚さでメッキもしくはスパ
ッタまたはクラッドによって設け金属線の損失電力を下
げて前記の限界点をこえないようにしたことを特徴とし
ている。
【0011】
【実施例】次に本発明について図面を参照して説明す
る。図1(a),(b)はそれぞれ本発明の一実施例の
横断面図及び縦断面図である。空胴共振器は空胴外囲器
1とドリフト管2とで形成された共振空胴3の内部に同
調素子支持体7で保持された可動同調素子5を有してい
る。螺旋状に細い金属線支持体4の収容溝4aには金属
線10が巻き付けられており、金属線10の表面には体
積抵抗率および比透磁率の小さい金属膜11(通常は
銅)が金属膜11のスキンデプス以上の厚さでメッキさ
れている。金属線10は、共振空胴3の上下内壁面6に
接触している。金属線支持体4は同調素子支持体7にね
じで固定されている。なお、金属膜11はメッキでなく
ともスパッタやクラッドにより金属線10に付着させる
構造もある。
る。図1(a),(b)はそれぞれ本発明の一実施例の
横断面図及び縦断面図である。空胴共振器は空胴外囲器
1とドリフト管2とで形成された共振空胴3の内部に同
調素子支持体7で保持された可動同調素子5を有してい
る。螺旋状に細い金属線支持体4の収容溝4aには金属
線10が巻き付けられており、金属線10の表面には体
積抵抗率および比透磁率の小さい金属膜11(通常は
銅)が金属膜11のスキンデプス以上の厚さでメッキさ
れている。金属線10は、共振空胴3の上下内壁面6に
接触している。金属線支持体4は同調素子支持体7にね
じで固定されている。なお、金属膜11はメッキでなく
ともスパッタやクラッドにより金属線10に付着させる
構造もある。
【0012】
【発明の効果】以上の説明からあきらかなように、本発
明に於いては可動同調素子を構成している金属線の表面
に体積抵抗率および比透磁率の低い金属膜が付着してい
るので金属線1ターンあたりの損失電力が下がり多空胴
形クライストロンの高出力化が図れるようになる。
明に於いては可動同調素子を構成している金属線の表面
に体積抵抗率および比透磁率の低い金属膜が付着してい
るので金属線1ターンあたりの損失電力が下がり多空胴
形クライストロンの高出力化が図れるようになる。
【図1】(a),(b)はそれぞれ本発明の一実施例を
示す横断面図及び縦断面図である。
示す横断面図及び縦断面図である。
【図2】(a),(b)はそれぞれ従来の多空胴形クラ
イストロンの同調機構を示す横断面図及び縦断面図であ
る。
イストロンの同調機構を示す横断面図及び縦断面図であ
る。
1 空胴外囲器 2 ドリフト管 3 共振空胴 4 金属線支持体 4a 金属線収容溝 5 可動同調素子 6 上下内壁面 7 同調素子支持体 8 連結棒 9 ベローズ 10 金属線 11 金属膜 12 高周波電流
Claims (1)
- 【請求項1】 空胴外囲器とドリフト管で形成された共
振空胴内で、金属線支持体の外周溝に弾性を有する金属
線を前記共振空胴上下内壁面に接触するように捲いた可
動同調素子を配置した空胴共振器を備えた多空胴形クラ
イストロンにおいて、前記金属線支持体と前記内壁面と
の間の前記金属線の損失電力と熱抵抗の積が0.143
をこえ、前記金属線の体積抵抗率および比透磁率より小
さい体積抵抗率および比透磁率をもつ金属膜を前記金属
線の表面に前記金属膜のスキンデプス以上の厚さで設け
たことを特徴とする多空胴形クライストロン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20768092A JP2924476B2 (ja) | 1992-08-04 | 1992-08-04 | 多空胴形クライストロン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20768092A JP2924476B2 (ja) | 1992-08-04 | 1992-08-04 | 多空胴形クライストロン |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0660818A JPH0660818A (ja) | 1994-03-04 |
JP2924476B2 true JP2924476B2 (ja) | 1999-07-26 |
Family
ID=16543797
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20768092A Expired - Lifetime JP2924476B2 (ja) | 1992-08-04 | 1992-08-04 | 多空胴形クライストロン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2924476B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3537194B2 (ja) * | 1994-10-17 | 2004-06-14 | オリンパス株式会社 | 光学顕微鏡 |
-
1992
- 1992-08-04 JP JP20768092A patent/JP2924476B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0660818A (ja) | 1994-03-04 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 19990406 |