JP2922663B2 - 超電導電流リード - Google Patents

超電導電流リード

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JP2922663B2 JP7950491A JP7950491A JP2922663B2 JP 2922663 B2 JP2922663 B2 JP 2922663B2 JP 7950491 A JP7950491 A JP 7950491A JP 7950491 A JP7950491 A JP 7950491A JP 2922663 B2 JP2922663 B2 JP 2922663B2
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Description

【発明の詳細な説明】
[発明の目的]
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各超電導体の分流比を
最適にできる超電導電流リードに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の超電導電流リードを図5に示す。
図6において、常温領域と液体ヘリウム温度(4.2
K)領域との間に液体窒素(77K)温度領域を設け
て、77Kと4.2K領域間を例えば液体窒素温度以上
で超電導となる酸化物超電導体11bで接続する。この
超電導体11bは酸化物のため熱伝導率が低く、金属製
の電流リードに比較した場合、77Kから4.2K領域
への伝導熱侵入量を大幅に低減することができる。また
超電導体故に導体抵抗が無いことから、従来の金属製電
流リードのように通電によるジュール損失も生じない等
の利点を持つ。従って、酸化物高温超電導体は、特に液
体ヘリウムレベルの超電導機器用電流リードに応用する
ことにより、4.2K領域への熱侵入量を抑制して冷凍
機等冷却補機のコンパクト化と省電力化を図ることがで
きる。
【0003】このような酸化物超電導電流リードを実用
化する場合、2つの主要な問題がある。その第1は、超
電導体を銀等の金属シースで覆うとその部分でリードの
断熱性が損われる為、この種の電流リードは基本的には
酸化物のバルク材でなければならない。第2は数kA級
以上の大電流電流リードを得ようとする場合、その直径
を大きくして目標の臨界電流値(以下、IC値と言う)
を達成するより、比較的小さい径のバルクを複数並列に
構成する方が技術的にもまた性能及び信頼性の点からも
容易且つ有利となる。すなわち、大きな直径のバルクを
得るには設備も大規模なものが必要となると同時に、バ
ルクの径が大きくなるほど全体にわたって均質な超電導
体を得にくくなるため単位断面積当たりの臨界電流値
(以下、臨界電流密度JCと言う)を維持することが技
術的に困難となる。このことは一定のIC値を得るの
に、より大きな断面積の電流リードが必要となること意
味しており、断面積増加によって77Kから4.2K間
の熱抵抗が減少して断熱性能も低下することになる。従
ってこの様な事情を勘案すると、大容量の超電導電流リ
ードの実際的な構成としては例えば図7のようになる。
すなわち、図8のような比較的直径の小さい複数の酸化
物超電導体(本例では22,23,24の3本)を用い
て、常温側(77K)端子21aと低温側(4.2K)
端子21b間を接続するような構造とする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上、従来の技術とそ
れを応用した大容量電流リードの望ましい構造について
説明してきたが、図7のような構造の超電導電流リード
にした場合においても、次のような課題が残されてい
る。
【0005】その第1は、超電導バルクの両端部と端子
間に生じる接合抵抗のばらつきである。周知の通り、酸
化物超電導バルクの共通の課題として電極付けの難しさ
がある。すなわち超電導バルクと端子との電気的な接続
を行う場合には、図8に示すように超電導母材22の両
端部に何等かの金属を蒸着して電極22a,22bを構
成した上で、その電極部と端子21a,21bとを半田
付けするか、ろう付けする方法が用いられる。この時、
半田接合部分の抵抗値は無視できる程度に小さいが、問
題となるのが電極と超電導バルクとの間に生じる抵抗で
ある。一例として、直径10mmのBi系超電導バルク
材の両端表面に10mm長さの全周銀蒸着を施した時の
液体窒素中(77K)における電極はバルク間と接合抵
抗値を数サンプル評価したところ、10-6〜10
-9(Ω)の範囲で“ばらつき”が見られた。この原因
は、蒸着の良否に起因するものと考えられ分類上は酸化
物超電導体と蒸着金属膜間の境界抵抗と推測される。こ
のような10-9(Ω)オーダーと言った極めて小さいレ
ベルの境界抵抗値の“ばらつき”を無くすことは、現状
の技術では困難な状況である。しかし、このような接続
抵抗値のばらつきを許容したまま、図7に示す電流リー
ドを製作した場合、各超電導体22,23,24を流れ
る電流の比は102 オーダーにもおよび、実質的には最
も接合抵抗値の小さい超電導体のみに電流が集中して並
列化した効果が無くなる。
【0006】第2の問題点としては、超電導体のIC値
のばらつきである。この種の超電導バルクは未だ理論的
解明も十分で無く、一定形状に成形し且つ同様の超電導
化処理を行ったとしても、それらのIC値を同程度にコ
ントロールすることは現状において困難である。すなわ
ち、仮に前述の接合抵抗値がほぼ一定の値に揃ったとし
ても、超電導バルクのIC値にばらつきがあった場合に
は、3本の超電導体22,23,24の内の最も低いI
C値の3倍の電流値までしか実際には電流を流せないと
いう不合理が生じる。
【0007】以上のように、複数の酸化物超電導体を並
列に構成した従来の超電導電流リードにおいては、超電
導体と電極間の接合抵抗値や超電導体自身のIC値のば
らつきにより、並列に構成しても効率的に大容量化が図
れなかった。本発明の目的は、並列に構成された超電導
体から構成される電流リードの大容量化が可能になる超
電導電流リードを提供することにある。 [発明の構成]
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、常温側端子と
低温側端子を有し、これらの端子間に前記常温側端子へ
一端が接続され前記低温側端子へ他端が接続される超電
導体を複数設けた超電導電流リードの、前記超電導体と
直列に、設定可能なインダクタンスを有する超電導イン
ダクタを接続したものである。
【0009】
【作用】本発明は以上の構成により、接合抵抗値がばら
ついたり各超電導体のIC値が相違する場合でも、超電
導体と直列に接続された超電導インダクタのインダクタ
ンス値を調整することにより、分流を最適にして、大容
量化が可能になる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。なお図7及び図8と同様な部分については説明を
省略する。図1は本発明の超電導電流リードの構成図、
図2は本発明の超電導電流リードの各超電導体の構成
図、図3は本発明の超電導電流リードの等価回路であ
る。
【0011】本発明は、超電導体22,23,24の電
極22b,23b,24bと低温側端子21bとの間
に、そのインダクタンスを任意に設定できる超電導イン
ダクタ22c,23c,24cを直列に設けたことを特
徴とする。従って、この超電導電流リードは超電導体2
2,23,24内部の抵抗及びインダクタンスや各電極
と端子間と言ったいわゆる金属間接合抵抗を零と考える
と、その等価回路は図3に示すように、各超電導バルク
と常温側電極22a,23a,24aとの接合抵抗R2
2a,R23a,R24aと、低温側電極22b,23
b,24b部の接合抵抗R22b,R23b,R24
b、及び超電導インダクタのリアクタンスX22,X2
3,X24の直列回路となっている。尚、超電導インダ
クタ22c,23c,24cは、金属系の超電導線を用
いた任意形状及び任意インダクタンス値を有する超電導
コイルとなっており、金属または高熱伝導性のセラミッ
クコイルボビン22d,23d,24dに各々巻装、保
持されると同時に、その一端は各超電導体電極22b,
23b,24bにまた他端は低温側端子21bに各々半
田付け等の方法により接合されている。また超電導イン
ダクタ22c,23c,24cは所定のピッチで巻かれ
ており、そのインダクタンス値を必要な値に設定する場
合には、ターン間を超電導線で必要数短絡する等の手段
により容易に調整できるような構造となっている。
【0012】図4は、本超電導電流リードの仕上がり特
性の一例を示す等価回路である。本例では、超電導体2
2及び23の電極部境界抵抗R22a,R23a,R2
2b,R23bが、1箇所当たり1×10-6(Ω)、超
電導体24の電極部境界抵抗R24a,R24bが各々
1×10-9(Ω)、超電導体22,23,24のIC値
としては、条件を簡略化するため各々1000A,10
00A,1500Aとなっているものとする。また、本
発明の特徴である超電導インダクタ22c,23C,2
4cは、有効巻き数20回でそのインダクタンスは各々
0.5(μH)になっているものとする。また、インダ
クタンスL22,L23,L24は、コイルターン数N
の2乗に比例して変化するものとする。 L22=L23=L24=k0 ・N2 (H) k0 :比例定数=0.5 ×10-6/202 =1.25×10-9
【0013】本例では、超電導体22,23のIC値が
24のIC値の1/1.5となっていることから、超電
導体22,23の回路インピーダンスZ22,Z23
は、超電導体24の回路インピーダンスZ24の1.5
倍にする必要がある。こうすることによって、各超電導
体のクエンチが同期して電流リードの通電容量が最大と
なる。
【0014】次に、超電導インダクタの設定値について
説明する。前述の臨界電流値の比から、各回路インピー
ダンスZ22,Z23,Z24の関係は下記の等式で表
される。 Z22=Z23=k1 ・Z24 …(1) ここに、 (1)式から超電導インダクタ24cの必要リアクタン
スを求める。 (2)式において、挿入するリアクタンス分を最小にす
る(X22=X23=0)と 超電導インダクタ24cの必要インダクタンス値L24
は ∴L24=X24/(2・π・f) =4.23×10-9(H) 但し、f=50Hz となる。 従って、本例においては、超電導インダクタ24の必要
ターン数N24は となる。
【0015】本実施例では、以上のように超電導インダ
クタL22,L23を全短絡し、L24のみを約2ター
ン残して短絡することにより、各超電導体22,23,
24の最適な分流が行われる。
【0016】図5に、従来の電流リードと本案による電
流リードの電流分布及び許容通電電流値を示す。従来技
術においては、超電導体22,23,24が超電導状態
にある時、超電導体24に最大1500Aの電流が流れ
る。しかし、他の超電導体22,23には各々1.5A
の電流しか流れない。この電流アンバランスは、前述の
電極部境界抵抗のばらつきによるものであり、その結果
電流リードとしての全電流は1503Aとなる(従来ケ
ース1)。
【0017】次に、その全電流がわずかでも上昇する
と、まず超電導体24の超電導性が消失(以下、クエン
チと言う)して超電導体24は数mΩの高抵抗体に相転
移する。その結果、全電流は他の超電導体22,23へ
転流し、ほぼ均等に分流する。超電導体22,23は、
各々1000AのIC値を有しているため、全電流が2
000A以内であれば電流リードとしての機能を果たす
ことができる(従来ケース2)。しかし、超電導体がク
エンチすると大きなジュール損失が発生し、様々な弊害
を引き起こすため、一般的には前述のケース1の使い方
を守るのが基本である。
【0018】これに対し、本電流リードは、前述の超電
導インダクタ22c,23c,24cの作用によって超
電導体22,23,24のクエンチがほぼ同時に起きる
ように設定されている。すなわち、超電導体22,2
3,24が共に超電導状態にある時、電流リードへの通
電電流を増やしていくと、超電導体22,23の分流電
流値が各々1000Aに、また超電導体24の分流電流
値が1500Aとなるところまで電流リードは超電導を
維持する。従って、本案電流リードは、全電流値が、3
500Aまでその機能を果たすことができる(本発
明)。
【0019】以上、各超電導体のIC値が相異する場合
について説明してきたが、超電導体22,23,24の
内部抵抗がそれぞれ不規則に異なる場合においても、同
様の考え方に基き超電導インダクタ22c,23c,2
4cを各々所定の値に設定すれば良い。
【0020】
【発明の効果】以上説明した通り本発明は、常温側端子
と低温側端子を有し、これらの端子間に前記常温側端子
へ一端が接続され前記低温側端子へ他端が接続される超
電導体を複数設けた超電導電流リードの、前記超電導体
と直列に、設定可能なインダクタンスを有する超電導イ
ンダクタを接続することにより、接合抵抗値がばらつい
たり各超電導体のIC値が相違する場合でも、超電導体
と直列に接続された超電導インダクタのインダクタンス
値を調整することにより、分流を最適にして、大容量化
が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の超電導電流リードの構成図。
【図2】本発明の超電導電流リードの超電導体の構成
図。
【図3】本発明の超電導電流リードの等価回路。
【図4】本発明の超電導電流リードの一例を示す等価回
路。
【図5】超電導電流リードの通電容量の特性図。
【図6】超電導機器の構成図。
【図7】従来の超電導電流リードの構成図。
【図8】従来の超電導電流リードの超電導体の構成図。
【符号の説明】
21a…常温側端子 21b…低温側端子 22,23,24…超電導体 22c,23c,24c…超電導インダクタ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 常温側端子と低温側端子を有し、これら
    の端子間に前記常温側端子へ一端が接続され前記低温側
    端子へ他端が接続される超電導体を複数設けた超電導電
    流リードにおいて、前記超電導体と直列に、設定可能な
    インダクタンスを有する超電導インダクタを接続した
    とを特徴とする超電導電流リード。
JP7950491A 1991-04-12 1991-04-12 超電導電流リード Expired - Lifetime JP2922663B2 (ja)

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