JP2922492B1 - フィルター部材、およびこれを用いたフィルター - Google Patents

フィルター部材、およびこれを用いたフィルター

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JP2922492B1
JP2922492B1 JP8813698A JP8813698A JP2922492B1 JP 2922492 B1 JP2922492 B1 JP 2922492B1 JP 8813698 A JP8813698 A JP 8813698A JP 8813698 A JP8813698 A JP 8813698A JP 2922492 B1 JP2922492 B1 JP 2922492B1
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晃正 山本
巌 坪根
喜久 浦久保
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考 池田
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Abstract

【要約】 【解決手段】 主としてシート状膨張黒鉛シートからな
る、特に折り曲げ構造や溝形状等の凹凸形状を表面に有
するフィルター部材、あるいは細片状の膨張黒鉛シート
であるフィルター部材、およびこれらを用いたフィルタ
ー。 【効果】 ガス成分、粉塵、油分等のいずれも捕集可能
であり、耐熱性に優れ、該フィルター部材からなるフィ
ルターは高温下でも安定的に使用することができる。ま
た、主に焼却可能な素材から形成されるため、、廃棄処
理が簡単であり、低ランニングコストである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、気体中のガス成
分、粉塵、油分を除去するためのフィルター部材、およ
びこれを用いたフィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、上記分野で用いられるフィルター
としてバグフィルターが用いられているが、バグフィル
ターは樹脂材であるテフロン製のメッシュ材をフィルタ
ー部材とするため、耐熱性が低く(250℃程度が限
界)、価格も高い。さらにガス成分の除去は期待できな
い。また、不燃性のテフロンは、廃棄処理が困難であ
り、再生する場合は、粉塵を頻繁にふるい落とす必要が
あるなど、ランニングコストが高い点も問題である。
【0003】他に、電気集塵器、活性炭や活性コークス
製のフィルター部材からなるフィルターもあるが、電気
集塵機は、バグフィルターと同様に、高価格、高ランニ
ングコストの上、耐熱性が低く、またガス成分の除去は
できない。活性炭、活性コークス製のフィルター部材も
廃棄処理や、除去性能(粉塵の除去は期待できない)、
取り扱い性等をバランスよく満足しない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐熱性に優
れ、低価格、低ランニングコストで、廃棄処理が簡単で
あり、かつガス成分、粉塵、油分等のいずれも捕集可能
なフィルター、およびそれを形成するフィルター部材を
提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1にかか
るフィルター部材は、主としてシート状膨張黒鉛シート
からなる。
【0006】膨張黒鉛は、比表面積が20〜22m2
gと大きく、接触した気体中のガス成分、粉塵、油分等
の不純物を容易に物理吸着により捕捉する。また、膨張
黒鉛は、層間化合物であるので、分子ふるい機能も有す
る。従って、気体中の不純物ガス成分を分子レベルで捕
捉できる。特に、表面活性度が高く親油性表面であるた
め、油分等の微粒子あるいは煤等の親油性表面を有する
微粒子の吸着性に優れる。
【0007】膨張黒鉛は、耐熱性・耐薬品性に優れるた
め、焼却ガス等による高温領域(450℃)においても
安定した形状保持性および不純物捕捉機能を維持する。
【0008】一方、膨張黒鉛製であることにより、焼却
により完全に消失するため、使用後は焼却炉等で簡単に
廃棄することができる。
【0009】また、膨張黒鉛は柔軟性・加工性を有する
ため、任意の形状への加工が容易であり、取り扱い性に
も優れ、さらにテフロン等に比べて低価格である点も有
利である。
【0010】従って、上記フィルター部材を用いて、膨
張黒鉛シートの表面に気体が接触するようフィルターを
形成することにより、上述の作用、効果を備えたフィル
ターを得ることができる。
【0011】本発明のフィルター部材は、表面に凹凸形
状を有する、および/または表面に貫通孔および/また
は窪みを有するのがよい。
【0012】このような構造とすることにより、気体に
接触するフィルター部材の表面積が増加し、不純物の捕
捉性が増大する。
【0013】さらに好ましくは、凹凸形状が、折り曲げ
構造である、および/またはシート状膨張黒鉛シート表
面に溝形状を形成してなるのがよい。
【0014】このような形状とすることにより、凹凸形
状を簡単に形成することができ、また、フィルターを形
成した際に気体流路を確保しやすい。
【0015】本発明のフィルター部材は、請求項1に記
載するように、少なくとも主面側の表面の、全面あるい
は一部の高配向部分を除去してなる、および/または全
面あるいは一部に起立して拡開した薄葉状黒鉛部を形成
してなる。
【0016】膨張黒鉛をシート状に形成する際の加圧に
より、シート表面では、膨張黒鉛粒子が高密度で高配向
した状態が発生し、その部位の結晶面は表面にほぼ平行
に加圧密着された状態となっている。上記のような表面
処理を行うことにより、膨張黒鉛粒子の高配向状態がな
くなり、比表面積が25〜27m2/gと増大して、気
体中の不純物捕捉性、特に微粒子の捕捉性が増大する
上、層間部分が表面に露出し、分子篩機能も向上する。
また、上記高配向状態においては表面に割れ等が発生し
やすく、折り曲げ構造とするのは困難であるが、高配向
状態がなくなることにより、表面が柔軟になり、種々の
形状への加工が容易になる。さらに、後述のように表面
にコーティング等を行う際、高配向状態では、黒鉛粒子
間に接着剤等が侵入しにくく、コーティング層の剥離が
起りやすいが、表面処理によりなじみ性が向上し、剥離
等も起りにくくなる。
【0017】本発明のフィルター部材は、請求項2に記
載するように、少なくとも主面側の表面の、全面あるい
は一部に活性炭および/または消石灰等の他の不純物捕
捉機能を有する素材をコーティングしてなるようでもよ
い。
【0018】コーティング層を設けることにより、より
多種の不純物の捕捉を行うことが可能になる。
【0019】本発明にかかるフィルターは、表面に凹凸
形状を有しない膨張黒鉛からなるシート状フィルター部
材と、上述に記載のフィルター部材とを重ねて形成され
る空隙部を気体流路とするようであってもよい。
【0020】上述のような構造とすることにより、気体
流路を簡単に形成することができ、さらに、気体流路の
サイズ、数等を任意に設定することができる。また、付
帯設備がないため、ランニングコスト的にも有利であ
る。
【0021】膨張黒鉛は、柔軟性・加工性に優れるた
め、上述の構成を有しつつ、フィルターを種々に形状に
形成することができ、例えば全体形状を円筒形あるいは
直方体状のようなコンパクトな形状とすることができ
る。
【0022】本発明にかかるフィルター部材は、細片状
の膨張黒鉛シートであってもよい。
【0023】フィルター部材を細片状の膨張黒鉛とする
ことにより、前述の膨張黒鉛の利点を有し、かつ気体に
接触するフィルター部材の表面積が増加し、不純物の捕
捉性が増大する。また、後述のように該フィルター部材
を、所定形状の容器に充填してフィルターを形成するこ
とにより、任意の形状、サイズを有するフィルターを簡
単に形成できる。
【0024】細片状の膨張黒鉛シートからなるフィルタ
ー部材は、表面に凹凸形状を有する、および/または表
面に貫通孔および/または窪みを有するのがよい。
【0025】このような構造とすることにより、気体に
接触するフィルター部材の表面積が増加し、不純物の捕
捉性が増大する。
【0026】さらに好ましくは、凹凸形状が、折り曲げ
構造である、および/または膨張黒鉛シート表面に溝形
状を形成してなるのがよい。
【0027】このような形状とすることにより、凹凸形
状を簡単に形成することができ、また、フィルターを形
成した際に気体流路を確保しやすい。
【0028】細片状の膨張黒鉛シートからなるフィルタ
ー部材は、表面の、全面あるいは一部の高配向部分を除
去してなる、および/または全面あるいは一部に起立し
て拡開した薄葉状黒鉛部を形成してなるようであっても
よい。
【0029】上記のような表面処理を行うことにより、
請求項1記載のフィルター部材と同様に、膨張黒鉛粒子
の高配向状態がなくなり、気体中の不純物捕捉性、分子
ふるい機能が増大する。また、高配向状態においては表
面に割れ等が発生しやすく、折り曲げ構造とするのは困
難であるが、高配向状態がなくなることにより、表面が
柔軟になり、種々の形状への加工が容易になる。さら
に、後述のように表面にコーティング等を行う際、高配
向状態では、黒鉛粒子間に接着剤等が侵入しにくく、コ
ーティング層の剥離が起りやすいが、表面処理によりな
じみ性が向上し、剥離等も起りにくくなる。
【0030】細片状の膨張黒鉛シートからなるフィルタ
ー部材は、表面の、全面あるいは一部に活性炭および/
または消石灰等の他の不純物捕捉機能を有する素材をコ
ーティングしてなるようであってもよい。
【0031】コーティング層を設けることにより、より
多種の不純物の捕捉を行うことが可能になる。
【0032】本発明にかかるフィルターは、上述に記載
のフィルター部材を、所定形状の容器に充填してなるよ
うであってもよい。
【0033】上述のような構造とすることにより、フィ
ルターの比表面積が増大し、任意の形状、サイズを有す
るフィルターを簡単に形成できる。また、付帯設備がな
いため、ランニングコスト的にも有利である。
【0034】本発明にかかるフィルターは、膨張させた
黒鉛粒子を加圧により所定形状に一体成形してなるフィ
ルターであって、密度が0.1〜1.0g/cm3であ
ってもよい。
【0035】上述のような構造とすることにより、フィ
ルターの比表面積が増大し、任意の形状、サイズを有す
るフィルターを簡単に形成できる。また、付帯設備がな
いため、ランニングコスト的にも有利である。
【0036】本発明の請求項3にかかるフィルターは、
膨張させた黒鉛粒子と、活性炭および/または消石灰
等の他の不純物捕捉機能を有する素材との混合物を加圧
により所定形状に一体成形してなる。
【0037】他の不純物捕捉機能を有する素材を含むこ
とにより、膨張黒鉛粒子による捕捉機能に加えて、より
多種の不純物の捕捉を行うことが可能になる。
【0038】
【発明の実施の形態】以下に図面を用いて本発明をさら
に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。図1は、本発明の実施形態の一つである膨張
黒鉛からなるフィルター部材の形状を示す斜視図であ
る。図1のフィルター部材はシート状膨張黒鉛シートか
らなり、表面に凹凸形状を有するよう、連続した山型の
折り曲げ構造を有する。折り曲げ構造の、サイズ(山部
即ち凸部、あるいは谷部即ち凹部の、幅、高さ)、間
隔、は表面に凹凸形状を有しないシート状フィルター部
材と、上記フィルター部材とを重ねてフィルターを形成
した際に、所望の空隙部が形成されるようであれば特に
限定されない。さらに、明確な折り曲げ構造でなく、皺
状の形状であっても良い。
【0039】また、折り曲げ構造は、上記のようなフィ
ルターを形成した際に所望の空隙部が形成されるようで
あれば、各凸部2(凹部3)が互いに平行でなくてもよ
い。
【0040】本発明のフィルター部材の平面形状および
サイズは、該フィルター部材を用いて形成されるフィル
ターの形状、サイズにより適宜設定すればよい。
【0041】例えば、図1に示される様な形状で、20
0mm×300mmのフィルター部材の場合、図中凹凸
部の幅x=15mm 、凹凸部の高さの差y=10mm
程度であるのがよい。
【0042】膨張黒鉛シートは、黒鉛結晶を膨張させた
膨張黒鉛粒子をシート状に一体に加圧成形したものが用
いられ、一般に市販されているものであってもよい。
【0043】上記折り曲げ構造の形成方法は、特に限定
されず、例えば平板状の膨張黒鉛シートを折り曲げるこ
とにより形成することができる。また、折り曲げの方法
としては、歯車またはくせ付けローラを用いる方法等の
一般に用いられる方法を使用することができる。
【0044】さらに、本発明のフィルター部材の別実施
形態を以下に示す。 [別実施形態1]図2は、本発明の実施形態の他の例で
ある膨張黒鉛からなるフィルター部材の形状を示す斜視
図である。図2のフィルター部材は、図1のフィルター
部材の主面側表面の、全面に起立して拡開した薄葉状黒
鉛部を形成して、高配向部分がない状態としたものであ
る。
【0045】上記拡開した薄葉状黒鉛部を形成させる手
段としては、例えばマイクロブラスト加工、超音波照
射、レーザー光照射等が挙げられる。マイクロブラスト
加工を採用するには、以下の条件を満足させるとよい。
即ち、膨張黒鉛は、商業的に生産されているものであれ
ば、幅方向(積層方向と垂直な方向)の寸法は1mm以
下であり、この点から上記マイクロブラスト加工に使用
する粒子としては、粒子径が1mm以下のものが好適で
ある。膨張黒鉛粒子積層方向のすきまを考慮すれば、マ
イクロブラストには、粒子径が10〜20μmのものを
使用するのが良い。マイクロブラスト加工時の粒子とし
ては、SiC、ガラスビーズ、鉄粉、クルミ粉、プラス
チックビーズなどを挙げることができる。
【0046】[別実施形態2]あるいは、図1のフィル
ター部材の主面側表面の、全面あるいは一部の高配向部
分を除去したものでもよい。
【0047】高配向成分を除去する方法としても、例え
ばマイクロブラスト加工、超音波照射、レーザー光照射
等が挙げられる。詳しくは、例えば粒径が50〜100
μmのクルミ粉などの粒子を用いてマイクロブラスト加
工を施して、膨張黒鉛基材の重量が好ましくは0.5〜
3%の範囲で減量されるべく除去処理し、該除去処理に
より露出する膨張黒鉛基材の表層部のX線回析による回
析ピーク値を26.52゜〜26.48゜の範囲とする
ことにより、表層部も内層部と、ぼほ同じ大きさで、厚
みの大きい圧縮黒鉛粒子がランダムに配置された構成と
なる。
【0048】なお、起立して拡開した薄葉状黒鉛部の形
成、あるいは高配向部分の除去といった表面処理状態は
混在していてもよく、マイクロブラスト加工の場合、両
方の状態が現出する。
【0049】なお、起立して拡開した薄葉状黒鉛部の形
成、あるいは高配向部分の除去といった表面処理は、少
なくともフィルターを形成した際に気体流路側となる主
面側表面に施せばよいが、それ以外の面に施されていて
もよく、また全面でなく、一部であってよい。
【0050】[別実施形態3]図3は、本発明の実施形
態の他の例である膨張黒鉛からなるフィルタ部材の形状
を示す斜視図である。図3のフィルター部材は、図1の
フィルター部材と同様の形状であって、さらに表面に貫
通孔および/または窪みを有する。また、貫通孔のみ、
または窪みのみ、あるいはこれらが組み合わされていて
も良い。
【0051】上記貫通孔のサイズ(孔径)、断面形状、
形成する数、配置等は特に限定はなく、本発明の作用を
阻害しない範囲で適宜設定される。
【0052】上記貫通孔または窪みの形成手段として
は、例えば穴あけ加工またはエンボス加工が挙げられ
る。
【0053】[別実施形態4]上記の様な表面改質およ
び貫通孔の形成は組合せても良い。図4は、本発明の実
施形態の他の例である膨張黒鉛からなるフィルタ部材の
形状を示す斜視図であって、図2のフィルター部材に、
さらに表面に貫通孔および/または窪みを形成したもの
である。
【0054】[別実施形態5]図5は、本発明の実施形
態の他の例である膨張黒鉛からなるフィルタ部材の形状
を示す斜視図である。図5のフィルター部材は、図4の
フィルター部材の主面側表面の全面に活性炭等をコーテ
ィングしたものであって、表面に活性炭粒子が付着した
状態を有する。
【0055】コーティングする素材としては、活性炭の
他に消石灰など、膨張黒鉛表面の有する不純物捕捉機能
にさらに他の不純物捕捉機能等の機能を附与する素材で
あれば、本発明の作用を阻害しない範囲で特に限定され
ない。
【0056】活性炭、消石灰等のコーティング方法とし
ては、接着剤を介する方法、両面粘着テープを介する方
法(図8に示される)、圧着法等が挙げられる。いずれ
の方法も、通常一般に用いる方法で行うことができる。
【0057】[別実施形態6]本発明のフィルター部材
の表面凹凸形状としては、折り曲げ構造以外でもよい。
図6(a)、(b)は、本発明の実施形態の他の例であ
るフィルター部材の形状を示す斜視図である。図6のフ
ィルタ部材はそれぞれシート状膨張黒鉛シートからな
り、表面に溝形状を有する。溝形状の、サイズ(凹部、
あるいは凸部の、幅、高さ)、間隔、は表面に凹凸形状
を有しないシート状フィルター部材と、上記フィルター
部材とを重ねてフィルターを形成した際に、所望の空隙
部が形成されるようであれば特に限定されない。
【0058】また、溝形状は、上記のようなフィルター
を形成した際に所望の空隙部が形成されるようであれ
ば、各凸部2(凹部3)が互いに平行でなくてもよい。
さらに、各凸部(凹部)は、図6(a)に示すように凸
部と凹部が対応していてもよいし、図6(b)に示すよ
うにフィルター部材の一方の面と他方の面で、独立して
いても良い。
【0059】上記フィルター部材の平面形状およびサイ
ズは、該フィルター部材を用いて形成されるフィルター
の形状、サイズにより適宜設定すればよい。
【0060】例えば、図6(a)に示される様な形状
で、200mm×300mmのフィルター部材の場合、
図中凸部の幅x’=5mm、凹部の幅x’’=5mm、
凹凸部の高さの差y’=5mm程度であるのがよい。
【0061】上記溝形状の形成方法は、特に限定され
ず、例えば平板状の膨張黒鉛シート表面を切削加工によ
り溝形状を形成しても良いし、シートを所望の溝形状を
有するよう予め成形しても良い。
【0062】上述の本発明のフィルター部材は、該フィ
ルター部材と、表面に凹凸形状を有しない膨張黒鉛から
なるシート状フィルター部材とを重ねて形成される空隙
部を気体流路とするフィルターとして用いられる。
【0063】図7は、本発明の実施形態の一つであるフ
ィルターの形状を示す斜視図である。図7のフィルター
は、図5に示されるようなフィルター部材と平板状の膨
張黒鉛シートを図8に示されるように重ねたものを、上
記フィルターの表面間に形成される空隙が気体流路とな
るよう、うず巻き状に捲き回した円筒形の全体形状を有
する。
【0064】上記フィルターの全体形状、サイズは、所
望の気体流量が得られれば特に限定されず、全体形状は
直方体状等の他の形状であってもよい。また、表面に凹
凸形状を有するフィルター部材と平板状のフィルター部
材を外周方向へ同心円状あるいはそれに類する形状に重
ねて形成しても良い。さらに、表面に凹凸形状を有する
フィルター部材と平板状のフィルター部材を積重ねたも
のを一層として、フィルターの外周方向へ重ねる層数も
特に限定されない。
【0065】表面に凹凸形状を有するフィルター部材と
平板状のフィルター部材を積重ねたものを円筒形あるい
は直方体状に成形する方法としては、接着剤あるいは接
着テープによる接着、あるいは治具等を用いて固定する
方法等が挙げられる。
【0066】上記フィルターにおいて、平板状の膨張黒
鉛シートにも、起立して拡開した薄葉状黒鉛部の形成、
あるいは高配向部分の除去といった表面改質、活性炭、
消石灰等の他の不純物捕捉機能等の機能を附与する素材
のコーティング、貫通孔の形成等の処理を行ってもよ
い。(ただし、フィルターの最外周面への貫通孔の形成
は除く)
【0067】本発明はさらに細片状の膨張黒鉛シートで
あるフィルター部材を提供する。図9は、その実施形態
である細片状の膨張黒鉛シートの形状を示す。
【0068】[別実施形態7]上記細片状の膨張黒鉛シ
ートであるフィルター部材は、表面に、先の実施形態あ
るいは[別実施形態6]と同様の折り曲げ構造や溝形状
等の凹凸形状を有していてもよい。
【0069】[別実施形態8]さらに、上記細片状の膨
張黒鉛シートであるフィルター部材は、図10に示され
るように[別実施形態1]あるいは[別実施形態2]と
同様の表面改質を施してあってもよい。
【0070】[別実施形態9]さらに、上記細片状の膨
張黒鉛シートであるフィルター部材は、図11に示され
るように[別実施形態3]と同様に、表面に貫通孔およ
び/または窪みを有していてもよい。
【0071】[別実施形態10]上記の様な表面改質お
よび貫通孔および/または窪みの形成は組合せても良
い。図12は、図10のフィルター部材に、さらに表面
と垂直な方向に貫通孔を形成したものである。
【0072】[別実施形態11]また、上記細片状の膨
張黒鉛シートであるフィルター部材は、[別実施形態
5]と同様に、表面の、全面あるいは一部に活性炭、消
石灰等の不純物捕捉機能等の機能を附与する素材をコー
ティングしてもよい。
【0073】上記のような細片状の膨張黒鉛シートであ
るフィルター部材は、平板状の膨張黒鉛シートを裁断す
ることによって得られる。また、上記別実施形態7〜1
1のようなフィルター部材は、裁断により得られたフィ
ルター部材にさらに別実施形態1〜6と同様の処理を施
す、あるいは別実施形態1〜6のフィルター部材を裁断
することにより得ることができる。
【0074】上記細片状のフィルター部材のサイズとし
ては、後述の様なフィルターを形成する際に、所望の不
純物捕捉機能および気体処理量が得られるのであれば特
に限定されない。
【0075】上記細片状のフィルター部材の裁断方法と
しては、特に限定されず一般的にシート類を裁断する方
法を用いることができる。
【0076】本発明の細片状のフィルター部材は、該フ
ィルター部材と、所定形状の容器に充填して形成される
任意の空隙部を気体流路とするフィルターとして用いら
れる。図14は、本発明の実施形態の一つであるフィル
ターの形状を示す斜視図であって、図9のフィルター部
材を円筒形の容器に充填して形成される。
【0077】上記細片状のフィルター部材から形成され
るフィルターにおいて、フィルター部材を収容する容器
は、少なくとも気体流入口および気体留出口を有するも
のであって、例えば網状の素材からなる容器が挙げられ
る。また、その形状は所望の気体処理量が得られるよう
であれば特に限定されず、円筒形あるいは直方体状の形
状等が挙げられる。
【0078】本発明はさらに膨張させた黒鉛粒子を加圧
により所定形状に一体成形してなり、かつ密度が0.1
〜1.0g/cm3のフィルターを提供する。図15
は、その実施形態であるフィルターを示す。
【0079】上記フィルターを形成する黒鉛粒子として
は、図13に示すような膨張黒鉛粒子が挙げられる。
【0080】また、図13に示すような膨張黒鉛粒子と
活性炭、消石灰等の不純物捕捉機能等の機能を附与する
素材と混合し、図15に示されるフィルターと同様加圧
により所定形状に一体成形してフィルターを形成しても
良い。膨張黒鉛粒子と不純物捕捉機能等の機能を附与す
る素材との混合比率、およびフィルターの密度は、所望
の不純物捕捉機能および気体処理量が得られるようであ
れば特に限定されない。
【0081】上記フィルターの成形は、加圧成形等の一
般的な方法を用いて行うことができる。
【0082】本発明の図7、図14、図15に示すよう
なフィルターは、同種あるいは異種のものを相互に組合
せて使用することができ、また、他の活性炭フィルター
等と組合せて使用することもできる。
【0083】以下に、試験例、実施例を用いて本発明の
効果を詳細に説明する。 試験例1 厚み0.38mm、幅30mm の長尺状膨張黒鉛シー
ト(ピラーフォイルR:日本ピラー工業(株)製)の片
面に粒子径10〜20μmのSiC粉を用いて、エアー
圧2kg/cm2でマイクロブラスト加工したものの
(サンプルB〜D、サンプルAは 加工無しのもの)マ
イクロブラスト加工前後の表面状態を図17に示す。 サンプルA:マイクロブラスト加工前 サンプルB:マイクロブラスト加工10秒 サンプルC:マイクロブラスト加工20秒 サンプルD:マイクロブラスト加工60秒
【0084】試験例2 実施例1のフィルターを、直径390mmの蓋付きカゴ
に収容し、焼却炉の実廃ガスの流路中に設置して、煤塵
およびダイオキシン類の吸着性を測定した。表1にその
結果を示す。
【0085】
【表1】
【0086】試験例3 実施例3のフィルター(実施例1のフィルター+活性炭
フィルター)を焼却炉の実廃ガスの流路中に設置(、実
施例1のフィルターが上流側となる)して、煤塵および
ダイオキシン類の吸着性を測定した。表2にその結果を
示す。
【0087】
【表2】
【0088】
【実施例】実施例1 厚み0.38mm、幅30mm の長尺状膨張黒鉛シー
ト( ピラーフォイルR:日本ピラー工業(株)製)の
片面に粒子径10〜20μmのSiC粉を用いて、エア
ー圧2kg/cm2でマイクロブラスト加工し、一部に
起立して拡開した薄葉状黒鉛部を形成する。該膨張黒鉛
シートの長尺方向に膨張黒鉛シートよりも幅の小さい両
面粘着テープを粘着し、残りの粘着面に市販の粉末活性
炭(MA印:太平化学産業(株))を均一に散在させて
コーティングする。さらに該膨張黒鉛シートを2つの歯
車の間を通すことにより折り曲げ加工して、図1に示さ
れるような凹凸部の幅x=5mm、凹凸部の高さの差y
=2mmのフィルター部材を作成した。該フィルター部
材と平板状の厚み0.38mm、幅30mm の長尺状
膨張黒鉛シート(ピラーフォイルR:日本ピラー工業
(株)製)を図8に示すように重ね合わせ、これをうず
巻き状に捲き回して図7に示されるような直径240m
mの円筒形フィルターを形成した。該フィルターを気体
の流路方向に5段重ね実施例1のフィルターとした。
【0089】実施例2 実施例1と同様に、マイクロブラスト加工し、一部に起
立して拡開した薄葉状黒鉛部を形成した膨張黒鉛シート
を任意の1mm〜20mmのサイズに裁断し、得られた
細片を直径390mm、高さ50mmの蓋付きカゴに約
1kg収容し、図14に示されるようなフィルターを形
成し、実施例2とした。
【0090】実施例3 実施例1のフィルターと、市販の活性炭フィルター(ダ
イヤホープ:三菱化学(株)製)とを組合せ、実施例1
のフィルターが上流側となるようにしたものを実施例3
とした。
【0091】
【発明の効果】本発明のフィルター部材は、ガス成分、
粉塵、油分等のいずれも捕集可能であり、耐熱性に優
れ、該フィルター部材からなるフィルターは高温下でも
安定的に使用することができる。また、主に焼却可能な
素材から形成されるため、、廃棄処理が簡単であり、低
ランニングコストである。
【0092】本発明のフィルター部材を特定の形状とす
ることにより比表面積が増大し、不純物捕捉機能を高め
ることができる。
【0093】さらに、表面改質や、活性炭、消石灰等の
他の不純物捕捉機能等の機能を附与する素材のコーティ
ング、貫通孔の形成等の処理とうにより、さらに不純物
捕捉機能を高めることができる。
【0094】本発明のフィルターは、付帯設備を必要と
せず、価格的にも有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施形態の一つである膨張黒
鉛からなるフィルター部材の形状を示す斜視図である。
【図2】図2は、本発明の実施形態の他の例である膨張
黒鉛からなるフィルター部材の形状を示す斜視図であ
る。
【図3】図3は、本発明の実施形態の他の例である膨張
黒鉛からなるフィルター部材の形状を示す斜視図であ
る。
【図4】図4は、本発明の実施形態の他の例である膨張
黒鉛からなるフィルター部材の形状を示す斜視図であ
る。
【図5】図5は、本発明の実施形態の他の例である膨張
黒鉛からなるフィルター部材の形状を示す斜視図であ
る。
【図6】図6(a)、(b)はそれぞれ、本発明の実施
形態の他の例である膨張黒鉛からなるフィルター部材の
形状を示す斜視図である。
【図7】図7は、本発明の実施形態の一つであるフィル
ターの形状を示す斜視図である。
【図8】図8は、表面に凹凸を有するフィルター部材と
平板状の膨張黒鉛シートを重ねた状態を示す図である。
【図9】図9は、細片状の膨張黒鉛シートであるフィル
ター部材の形状を示す図である。
【図10】図10は、本発明の細片状膨張黒鉛シートで
あるフィルター部材における実施形態の他の例の形状を
示す図である。
【図11】図11は、本発明の細片状膨張黒鉛シートで
あるフィルター部材における実施形態の他の例の形状を
示す図である。
【図12】図12は、本発明の細片状膨張黒鉛シートで
あるフィルター部材における実施形態の他の例の形状を
示す図である。
【図13】図13は、膨張させた黒鉛粒子の一例の形状
を示す図である。
【図14】図14は、細片状膨張黒鉛シートを所定形状
の容器に充填して形成されるフィルターの実施形態の一
例を示す図である。
【図15】図15は、膨張させた黒鉛粒子を加圧により
所定形状に一体成形してなり、かつ密度が0.1〜1.
0g/cm3のフィルターの実施形態の一例を示す図で
ある。
【図16】図16は、起立して拡開した薄葉状黒鉛部の
状態を説明する図である。
【図17】図17は、図面に代用する写真であって、
図17(a)は、マイクロブラスト加工前の膨張黒鉛シ
ート表面状態を示すSEM写真像、図17(b)〜
(d)はマイクロブラスト加工後の状態を示すSEM写
真像である。
【符号の説明】
1 フィルター部材 2 凸部 3 凹部 4 表面処理部 5 貫通孔 6 活性炭粒子 7 フィルター 8 コーティング部 9 両面テープ 10 空隙部(気体流路) 12 フィルター部材 13 膨張させた黒鉛粒子 14、15 フィルター 16 保持容器 17 平板状フィルター部材 18 膨張黒鉛 19 薄葉状黒鉛部 20 膨張黒鉛シート 20a 膨張黒鉛シート主面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 保子 進 兵庫県三田市下内神字打場541番地の1 日本ピラー工業株式会社 三田工場内 (72)発明者 池田 考 兵庫県三田市下内神字打場541番地の1 日本ピラー工業株式会社 三田工場内 (72)発明者 上内 公仁 兵庫県三田市下内神字打場541番地の1 日本ピラー工業株式会社 三田工場内 (56)参考文献 特開 平4−219307(JP,A) 実開 平3−56622(JP,U) 実公 昭8−17323(JP,Y1) 実公 昭9−6109(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B01D 39/20,45/08

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主としてシート状膨張黒鉛シートからな
    り、少なくとも主面側の表面の、全面あるいは一部の高
    配向部分を除去してなる、および/または全面あるいは
    一部に起立して拡開した薄葉状黒鉛部を形成してなるこ
    とを特徴とするフィルター部材。
  2. 【請求項2】 少なくとも主面側の表面の、全面あるい
    は一部に活性炭および/または消石灰をコーティングし
    てなることを特徴とする請求項1に記載のフィルター部
    材。
  3. 【請求項3】 膨張させた黒鉛粒子と、活性炭および/
    または消石灰との混合物を加圧により所定形状に一体成
    形してなることを特徴とするフィルター。
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