JP2921665B2 - プラスチック廃棄物の処理方法 - Google Patents

プラスチック廃棄物の処理方法

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JP2921665B2 JP5235096A JP5235096A JP2921665B2 JP 2921665 B2 JP2921665 B2 JP 2921665B2 JP 5235096 A JP5235096 A JP 5235096A JP 5235096 A JP5235096 A JP 5235096A JP 2921665 B2 JP2921665 B2 JP 2921665B2
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  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)
  • Coke Industry (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭化水素系プラス
チックと異炭化水素系プラスチックからなるプラスチッ
ク廃棄物の処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロ
ピレン)、PS(ポリスチレン)、PVC(ポリ塩化ビ
ニル)、PET(ポリエチレンテレフタレート)及びA
BS樹脂(アクリロニトリル/ブタジェン/スチレン共
重合体)は汎用プラスチックとして広く用いられてい
る。従って、プラスチック廃棄物の大部分はこれらのプ
ラスチックからなる。現在のところ、プラスチック廃棄
物の大部分は、再利用されることなく、焼却処理や埋立
て処理されているが、このような処理は、省資源の点か
ら望ましいものではない。これまでにも、プラスチック
廃棄物を再利用するために各種の方法が提案されてお
り、その代表的方法の1つとして、熱分解して油化する
方法(熱分解油化法)が知られている。この方法は、プ
ラスチック廃棄物を450℃程度の高温に加熱すること
により、分解生成油を生成させる方法である。この熱分
解油化法においては、被処理原料としてのプラスチック
廃棄物が、PEや、PP、PS等の炭化水素系プラスチ
ックのみからなる場合には、プラントや配管の閉塞トラ
ブル及び腐蝕等の問題を生じることなく、容易に実施す
ることができる。しかしながら、被処理原料がPE、P
P、PS等の炭化水素系プラスチックとPVC、PE
T、ABS樹脂等の異炭化水素系プラスチックとの混合
物からなる場合には、各種の問題を生じるため、安全か
つ安定的に実施することが困難になる。例えば、PVC
が混入すると、腐蝕性の高い塩化水素が発生し、装置や
配管の腐蝕を引起す。PETが混入すると、その熱分解
によりフタル酸類が生成し、このものは配管閉塞トラブ
ルを引起す。ABS樹脂が混入すると、その熱分解によ
り有毒性のシアン化水素が発生する。このように、プラ
スチック廃棄物を熱分解油化する場合には、その廃棄物
からは、異炭化水素系プラスチックをあらかじめ除去し
ておくことが望ましいが、現在のところ、炭化水素系プ
ラスチックと異炭化水素系プラスチックとを分別するた
めの工業的に有利な方法は知られておらず、炭化水素系
プラスチックと異炭化水素系プラスチックを含むプラス
チック廃棄物を熱分解油化する方法の実用化には多くの
困難が生じている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、炭化水素系
プラスチックと異炭化水素系プラスチックからなるプラ
スチック廃棄物の処理方法において、それらの2つの種
類のプラスチックを分別する工程を含む工業的に有利な
方法を提供することをその課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。即ち、本発明によれば、炭化水素系プラスチ
ックと異炭化水素系プラスチックからなり、該炭化水素
系プラスチックが芳香族プラスチックとポリオレフィ
ン系プラスチックを含み、該異炭化水素系プラスチック
が少なくともポリ塩化ビニルとポリエチレンテレフタレ
ートとABS樹脂を含むプラスチック廃棄物の処理方法
において、 (i)該廃棄物を、芳香族系炭化水素の割合が5〜70
%及びパラフィン系炭化水素の割合が5〜85%の炭化
水素混合物からなる分別溶剤と80〜180℃の温度で
接触させて該廃棄物中に含まれている炭化水素系プラス
チックのみを選択的に溶解させる溶解工程、 (ii)該溶解工程で得られた溶解生成物を、80〜18
0℃の温度で炭化水素系プラスチックを溶解した分別溶
剤溶液と、固体状の異炭化水素系プラスチックとに分離
する固液分離工程、 (iii)該固液分離工程で得られた炭化水素系プラスチ
ックの分別溶剤溶液を350〜500℃の温度で分解さ
せて、分解生成油を得る分解工程、 (iv)該分解生成油を蒸留して蒸留油を得る蒸留工程、 ()該蒸留油から100〜400℃の沸点を有する炭
化水素を主成分とし、芳香族炭化水素の割合が5〜7
0%及びパラフィン系炭化水素の割合が5〜85%の分
別溶剤用留分を得る工程、 (vi)該分別溶剤用留分を前記溶解工程に循環する循環
工程、を包含するとともに、該炭化水素系プラスチック
中の芳香族系プラスチックの割合が10〜90重量%で
あることを特徴とするプラスチック廃棄物の処理方法が
提供される。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明で被処理原料として用いる
プラスチック廃棄物は、炭化水素系プラスチックと異炭
化水素系プラスチックからなるものである。炭化水素系
プラスチックには、PE、PP等のポリオレフィン系プ
ラスチック及びPS等の芳香族系プラスチックが包含さ
れ、異炭化水素系プラスチックには、PVC、PET及
びABS樹脂等が包含される。これらのプラスチックは
いずれも大量に生産される汎用プラスチックであり、プ
ラスチック廃棄物の大部分はこれらのプラスチックから
なる。もちろん、プラスチック廃棄物は前記したプラス
チック以外の炭化水素系プラスチック及び異炭化水素系
プラスチックを含有することができるが、その割合は、
通常、25重量%以下である。一般のプラスチック廃棄
物においては、炭化水素系プラスチックの割合は、通
常、50重量%以上であり、場合によっては75重量%
以上である。
【0006】本発明で用いる分別溶剤は、芳香族系炭化
水素とパラフィン系炭化水素を含有する液状炭化水素混
合物からなり、炭化水素系プラスチックのみを選択的に
溶解し、異炭化水素系プラスチックは実質的に溶解しな
いものである。このような混合物溶剤はプラスチック廃
棄物の分別溶剤としてすぐれた効果を示すことは、本発
明者らによって初めて見出されたことである。しかも、
このような混合物溶剤は、プラスチック廃棄物中に含ま
れている炭化水素系プラスチックを熱分解して得られる
生成油を用いて容易に調製し得ることから、安価である
という利点を有する。
【0007】前記分別溶剤中に含まれる芳香族系炭化水
素の割合は、5〜70%、好ましくは8〜65%であ
る。芳香族系炭化水素の割合が前記範囲を超えるように
なると、異炭化水素系プラスチック、特にPVCの実質
的量が溶解するようになり、一方、前記範囲より少なく
なると、炭化水素系プラスチック、特にPSが実質的に
溶解しなくなる。パラフィン系炭化水素の割合は、5〜
85%、好ましくは10〜80%である。パラフィン系
炭化水素の割合が前記範囲を超えるようになると、炭化
水素系プラスチック、特にPSが実質的に溶解しなくな
り、一方、前記範囲より少なくなると、異炭化水素系プ
ラスチック、特にPVCの実質的量が溶解するようにな
る。混合物中のオレフィン系炭化水素の割合は、混合物
中の芳香族系炭化水素とパラフィン系炭化水素を差引い
た残量であり、通常、0〜25%である。
【0008】本明細書において前記分別溶剤に関して言
う芳香族系炭化水素、パラフィン系炭化水素及びオレフ
ィン系炭化水素の各割合は、通常の重量%とは異なり、
13C−NMRスペクトルに基づいて求められたもの
で、その13C−NMRスペクトルの測定装置、測定条
件、スペクトルの帰属及び各成分割合の求め方について
は、以下の通りである。
【0009】(1)装置 測定に用いた核磁気共鳴分光(以下NMRとする)装置
は、日本電子(株)製GX270−FTNMR装置であ
る。 (2)測定条件 試料は、溶媒兼NMRロック剤としての重クロロホルム
(CDCl:ISOTECINC.製 99.96a
tom%D)に溶解させ、13C−NMR測定に対して
30wt%濃度とした。化学シフトはテトラメチルシラ
ン(TMS)を内部基準(0.0ppm)とし、5mm
φパイレックス製試料管を用い、回転数15Hzで測定
した。主な測定条件は、13C−NMRにおいては、定
量的な測定のために、核オーバーハウザー効果(NO
E)を消去したゲート付きHデカップリング測定(N
NE)を行い、パルス繰り返し時間6.9秒、データポ
イント32K、積算回数4000回とした。 (3)スペクトルの帰属と各炭化水素成分の百分率の求
め方13C−NMRスペクトルは、 の文献に基づき帰属を行い、それぞれの積分値を算出し
て、各結合型炭素(パラフィン系炭化水素:Cp、オレ
フィン系炭化水素:Co、芳香族系炭化水素:Ca)の
百分率を求めた。 パラフィン系炭化水素(Cp)の化学シフト: 14.2〜46.2ppm オレフィン系炭化水素(Co)の化学シフト: 111.5〜114.2ppm、 137.0〜145.0ppm 芳香族系炭化水素(Ca)の化学シフト: 125.5〜136.9ppm なお、13C−NMRのスペクトルに基づく各炭化水素
成分の百分率の算出方法では、パラフィン系炭化水素基
の結合した芳香族系炭化水素は、パラフィン系炭化水素
と芳香族系炭化水素とに分割して算出され、オレフィン
系炭化水素基の結合した芳香族系炭化水素は、オレフィ
ン系炭化水素と芳香族系炭化水素とに分割して算出され
ている。
【0010】次に本発明を図面を参照して説明する。図
1は本発明の方法を実施する場合のフローシートの1例
を示す。この図において、1は溶解工程、2は固液分離
工程、3は分解工程及び4は分別溶剤用留分分取工程を
示す。図1において、プラスチック廃棄物はライン5を
通って溶解工程1に導入され、ここでライン13を通っ
て循環される分別溶剤用留分と接触し、溶解処理され
る。この溶解工程1においては、プラスチック廃棄物中
に含まれる炭化水素系プラスチックのみが選択的に溶解
され、異炭化水素系プラスチックは実質的に溶解され
ず、固体状に保持される。ライン13を通って溶解工程
1に循環される分別溶剤用留分は、芳香族系炭化水素と
パラフィン系炭化水素を含有する液状炭化水素混合物で
ある。この留分は、通常、前記において示した分別溶剤
に適した成分組成、即ち、芳香族系炭化水素の割合が5
〜70%及びパラフィン系炭化水素の割合が5〜85%
の組成を有するもので、プラスチック廃棄物中の炭化水
素系プラスチックのみを選択的に可溶化させる作用を示
す。被処理原料として用いるプラスチック廃棄物の成分
組成が変化するとそれに応じて循環留分の成分組成も変
化する。従って、この循環留分の成分組成が前記した分
別溶剤に適した成分組成範囲から逸脱する場合もある
が、このような場合には、分別溶剤に適した成分組成に
なるように、適当な炭化水素成分をライン14を通して
添加する。一般的には、芳香族系プラスチックの割合が
10〜90重量%、好ましくは15〜80重量%の炭化
水素系プラスチックを熱分解して得られる。分解生成油
を蒸留して得られる蒸留油を本発明の分別溶剤として使
用することができる。本発明においては、特に、後記参
考例1及び実施例1で示すように、100〜400℃の
沸点を有する炭化水素を主体とする蒸留留分又は150
〜350℃の沸点を有する炭化水素を主体とする蒸留留
分を分別溶剤として溶解工程へ循環するのが好ましい。
溶解工程における溶解操作開始時には、工業薬品として
市販されている芳香族系炭化水素、パラフィン系炭化水
素及び必要に応じてのオレフィン系炭化水素を適量混合
することにより、あるいは前記の特性を有する石油系炭
化水素の熱分解油を分別溶剤として用いることができ
る。溶解工程において、その操作温度は、炭化水素系プ
ラスチックが可溶化する温度であり、通常、加温条件が
採用され、一般的には、50〜200℃、好ましくは8
0〜180℃である。操作圧力は、その加温条件下で、
分別溶剤を液相に保持するのに充分な圧力であればよ
く、通常、0〜5kg/cmG、好ましくは0〜2k
g/cmGである。接触時間は、炭化水素系プラスチ
ックが溶解するのに必要な時間であり、通常、5分以
上、好ましくは10〜60分である。分別溶剤の使用割
合は、プラスチック廃棄物1重量部当り、0.5〜10
重量部、好ましくは1〜5重量部の割合にするのがよ
い。プラスチック廃棄物は、その溶解処理に先立って、
その表面に付着する汚物を除去したり、適度に破砕する
のが好ましい。これにより円滑な溶解処理を行うことが
できる。
【0011】前記溶解工程1で得られた溶解生成物はラ
イン6を通って固液分離工程2に送られ、ここで固液分
離される。固液分離方法としては、従来公知の各種の方
法、例えば、濾過分離、遠心分離、沈降分離等が採用さ
れる。この場合の操作温度は、一般的には、50〜20
0℃、好ましくは80〜180℃であるが、通常、溶解
工程における溶解温度付近の温度である。この固液分離
工程において、炭化水素系プラスチックを溶解する分別
溶剤溶液と、固体状異炭化水素系プラスチックとが得ら
れる。この分別溶剤溶液中の炭化水素系プラスチック濃
度は、7〜50重量%、好ましくは10〜40重量%で
ある。この炭化水素系プラスチックの濃度は、溶解工程
において用いる分別溶剤の使用量により調節することが
できる。
【0012】前記のようにして得られた炭化水素系プラ
スチックの分別溶剤溶液は、ライン7を通って分解工程
3に送られ、ここで分解処理され、分解生成油が得られ
る。この場合の分解方法としては、従来公知の各種の方
法を採用することができる。一般的には、その分解温度
は、350〜500℃、好ましくは380〜450℃で
ある。一方、前記固液分離工程で得られた固体状異炭化
水素系プラスチックは、ライン11を通して排出され、
消石炭、木粉、紙、繊維等と混合し、固形燃料化して再
利用することができる。
【0013】分解工程3で得られた分解生成油は、ライ
ン8を通して分別溶剤用留分分取工程4に送られ、ここ
で溶解工程1で用いる分別溶剤用の留分が分取される。
この分解生成油から分取された留分の一部はライン9及
びライン13を通して溶解工程1に循環され、残部はラ
イン12を通して排出される。また、分別溶剤用留分を
分取された後の留分はライン10を通して排出される。
分解生成油から分別溶剤用に分取される留分は、分解生
成油に含まれる100〜400℃の沸点を有する炭化水
素を主体とする蒸留留分、好ましくは150〜350℃
の沸点を有する炭化水素を主体とする蒸留留分である。
分別溶剤用留分分取工程4は、通常、1つ又は複数の蒸
留塔から構成される。この分別溶剤用留分分取工程4は
種々の形態において実施することができる。例えば、分
解工程3で得られた分解生成油からあらかじめ沸点が4
00℃より高い、好ましくは350℃より高い重質油留
分を除き、得られた軽質油留分をそのまま分別溶剤用留
分として用いることができるし、また、この軽質油留分
をさらに蒸留して沸点が100℃より低い軽質留分を除
いて分別溶剤用留分とすることができる。さらに、分解
生成油を蒸留処理して分別溶剤用留分を含む複数の留分
に分けることができる。
【0014】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明
する。
【0015】参考例1 プラスチック廃棄物モデルとして、PE:35重量%、
PP:30重量%、PS:20重量%、PVC:5重量
%、PET:5重量%及びABS樹脂:5重量%からな
るプラスチック混合物を細片状に破砕した。次に、表1
に示す各種の溶剤100gに前記破砕物10gを投入
し、撹拌下で130℃で30分間加熱して、プラスチッ
クの溶解試験を行った。その結果を表2に示す。表2に
おいて、プラスチック成分が溶剤中に溶解した場合には
「〇」で示し、溶解しなかった場合には「×」で示し
た。
【0016】なお、表1に示した熱分解油の具体的内容
は以下の通りである。 熱分解油A:PEの熱分解油 熱分解油B:PSの熱分解油とPEの熱分解油との混合
油 (混合重量比=0.95/0.05) 熱分解油C:PEの熱分解油とPPの熱分解油とPSの
熱分解油との混合油(混合重量比=1/1/1) 熱分解油D:PEの熱分解油の沸点280℃以下の留分 熱分解油E:熱分解油Cの沸点150〜350℃の留分 熱分解油F:熱分解油Cの沸点280℃以下の留分 熱分解油G:PEの熱分解油の沸点280℃以下の留分
とPPの熱分解油の沸点280℃以下の留分とPSの熱
分解油の沸点280℃以下の留分の混合油(混合重量比
=8/8/84) 熱分解油H:PEの熱分解油の沸点280℃以下の留分
とPPの熱分解油の沸点280℃以下の留分とPSの熱
分解油の沸点280℃以下の留分の混合油(混合重量比
=44/45/11)
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】参考例2 参考例1で示したプラスチック混合物のうちの炭化水素
系プラスチック混合物(PE:41重量%、PP:35
重量%、PS:24重量%)20gを溶剤F100g中
に溶解して溶液とし、この溶液を、常法により、400
℃の温度及び常圧の条件下で熱分解して、分解生成油を
得た。次に、この分解生成油を蒸留して、沸点100〜
400℃の留分Aを得た。次に、この留分Aを分別溶剤
として用いた以外は参考例1と同様にしてプラスチック
混合物の溶解試験を行った。その結果、PE、PP及び
PSはいずれも溶解することが確認された。また、PV
C、PET及びABS樹脂はいずれも実質的に非溶解
で、溶剤中に固体状を保持していることが確認された。
また、前記留分Aに含まれる芳香族系炭化水素、パラフ
ィン系炭化水素及びオレフィン系炭化水素の割合を13
C−NMRのスペクトルに基づいて調べたところ、芳香
族系炭化水素:35%、パラフィン系炭化水素:50%
及びオレフィン系炭化水素:15%の結果が得られた。
【0020】実施例1 参考例1でプラスチック廃棄物モデルとして示したプラ
スチック混合物の粉砕物を図1に示したフローシートに
従って処理した。 (1)溶解工程 分別溶剤として参考例2に示した留分Aを用い、この留
分A300重量部中に前記プラスチック混合物100重
量部を投入し、温度130℃、常圧の条件下で30分間
保持し、プラスチック混合物中の炭化水素系プラスチッ
クのみを選択的に溶解させた。 (2)固液分離工程 前記溶解工程で得た溶解生成物を温度130℃において
濾過により固液分離し、炭化水素系プラスチックを濃度
20重量%で含む溶液375重量部と、固体状の異炭化
水素系プラスチック25重量部を得た。 (3)分解工程 前記固液分離工程で得た炭化水素系プラスチックを含む
溶液100重量部を、温度400℃、常圧の条件で30
分間熱分解処理して、分解生成油98重量部を得た。 (4)分別溶剤用留分分取工程 前記分解工程で得た分解生成油を蒸留し、沸点400℃
以上の重質油留分0.7重量部と、沸点150℃以下の
軽質留分5.4重量部と、その中間の沸点150〜40
0℃の中質留分93.9重量部とに分離した。このよう
にして得た中質油留分は、13C−NMRのスペクトル
に基づいて求めた組成分析の結果、芳香族系炭化水素:
35%、パラフィン系炭化水素:50%及びオレフィン
系炭化水素:15%からなるものであった。この中質油
留分を分別溶剤として用いて、前記溶解工程と同様にし
てプラスチック混合物の溶解処理を行った結果、炭化水
素系プラスチックはいずれも溶解されたが、異炭化水素
系プラスチックはいずれも溶解されず、固体状に保持さ
れていることが確認された。
【0021】
【発明の効果】本発明のプラスチック廃棄物処理方法に
おいては、プラスチック廃棄物中に含まれる異炭化水素
系プラスチックは、溶解工程及び固液分離工程を経由す
ることにより、プラスチック廃棄物から除去され、分解
工程には導入されない。従って、本発明の場合は、異炭
化水素系プラスチックの分解生成物が原因となって生じ
た装置の腐蝕及び閉塞のトラブルや、有毒性ガスの発生
等の問題を何ら生じない。しかも、本発明の場合、分解
生成油から分取された留分をそのまま溶解工程における
分別溶剤として使用し得ることから、プロセス効率の非
常に高いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施する場合のフローシートの
1例を示す。
【符号の説明】
1 溶解工程 2 固液分離工程 3 分解工程 4 分別溶剤用留分分取工程
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C10G 1/10 B09B 3/00 C08J 11/02 C08J 11/08 C10B 53/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化水素系プラスチックと異炭化水素系
    プラスチックからなり、該炭化水素系プラスチックが芳
    香族プラスチックとポリオレフィン系プラスチックを
    含み、該異炭化水素系プラスチックが少なくともポリ塩
    化ビニルとポリエチレンテレフタレートとABS樹脂を
    含むプラスチック廃棄物の処理方法において、 (i)該廃棄物を、芳香族系炭化水素の割合が5〜70
    %及びパラフィン系炭化水素の割合が5〜85%の炭化
    水素混合物からなる分別溶剤と80〜180℃の温度で
    接触させて該廃棄物中に含まれている炭化水素系プラス
    チックのみを選択的に溶解させる溶解工程、 (ii)該溶解工程で得られた溶解生成物を、80〜18
    0℃の温度で炭化水素系プラスチックを溶解した分別溶
    剤溶液と、固体状の異炭化水素系プラスチックとに分離
    する固液分離工程、 (iii)該固液分離工程で得られた炭化水素系プラスチ
    ックの分別溶剤溶液を350〜500℃の温度で分解さ
    せて、分解生成油を得る分解工程、 (iv)該分解生成油を蒸留して蒸留油を得る蒸留工程、 ()該蒸留油から100〜400℃の沸点を有する炭
    化水素を主成分とし、芳香族炭化水素の割合が5〜7
    0%及びパラフィン系炭化水素の割合が5〜85%の分
    別溶剤用留分を得る工程、 (vi)該分別溶剤用留分を前記溶解工程に循環する循環
    工程、を包含するとともに、該炭化水素系プラスチック
    中の芳香族系プラスチックの割合が10〜90重量%で
    あることを特徴とするプラスチック廃棄物の処理方法。
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