JP2919103B2 - 嫌気性接着剤の改良 - Google Patents

嫌気性接着剤の改良

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JP2919103B2
JP2919103B2 JP3053379A JP5337991A JP2919103B2 JP 2919103 B2 JP2919103 B2 JP 2919103B2 JP 3053379 A JP3053379 A JP 3053379A JP 5337991 A JP5337991 A JP 5337991A JP 2919103 B2 JP2919103 B2 JP 2919103B2
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    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09JADHESIVES; NON-MECHANICAL ASPECTS OF ADHESIVE PROCESSES IN GENERAL; ADHESIVE PROCESSES NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE; USE OF MATERIALS AS ADHESIVES
    • C09J4/00Adhesives based on organic non-macromolecular compounds having at least one polymerisable carbon-to-carbon unsaturated bond ; adhesives, based on monomers of macromolecular compounds of groups C09J183/00 - C09J183/16

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は嫌気性接着剤の改良に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】接着剤が空気との接触を断つた時に接着
剤の硬化が起こるように配合されたジメタクリレートを
ベースとした接着剤を用いて各種の材料、特に金属材料
を接合することは公知である。この接着剤の場合には、
被接合面に接着剤を塗ってから互いに密着させるだけで
接着剤の重合が起こり、最終的に接合される。この種の
接着剤は「嫌気性樹脂(Resines Anaerobies)」と呼ば
れ、ネジ、ナット、ボルト、植込みボルト等のネジ切り
された部品の固定および密閉用に機械分野で広く用いら
れている。この接着剤はさらに、平滑部品を嵌合によっ
て組み立てる場合(例えば、車輪やプーリーの固定また
はボール軸受のシャフトへ固定)に重要で、これらに応
用した場合には、従来必要であった圧力嵌め、焼嵌め、
ロー付け等が不要になり、追加の組立て部品(ピン、キ
ー、座金、固定ネジ等)が不要になるという利点があ
る。嫌気性接着剤と呼ばれる接着剤の極めて典型的な組
成は、室温でラジカル重合可能な多価アクリル酸エステ
ルまたはその混合物、例えばテトラエチレングリコール
のジメタクリレートと、この混合物に対する酸素の作用
を断った時点から遊離ラジカルが発生して上記の多価ア
クリル酸エステルのラジカル重合を開始させ、重合を維
持または促進させる物質とを組み合わせたもので、一般
には、有機過酸化物またはヒドロペルオキシド、例えば
クミルヒドロペルオキシドと、ジメチルパラトルイデン
とを組み合わせたものである。この基本配合はアメリカ
合衆国特許第 3,218,305号に記載されている。その後、
この基本配合を改良するために抗酸化剤、金属錯体生成
剤、増粘剤等が添加されるようになっている。この基本
配合は硬化するのが比較的遅いため、適当な促進剤を用
いてこの欠点を解決する方法が種々提案されてきた。こ
の促進剤としては種々の窒化合物、特にヒドラジン誘導
体、例えばエチルカルバゼート(carbazate d'ethyle)ま
たはN−アミノルホダニン(N-aminorhodanine)(フラン
ス国特許第 1,580,572号)、アセチルフェニルヒドラジ
ン(フランス国特許第 2,311,832号)、p−ニトロフェ
ニルヒドラジン(フランス国特許第 2,283,191号)また
はp−トリルスルホニルヒドラジド(フランス国特許第
2,283,190号)等が提案されている。しかし、最も一般
的に得られた結果は、鉄製材料への硬化速度は明らかに
速くなるが、その代わりに製品の貯蔵安定性が大幅に低
下することが多く、しかも、鉄以外の表面または表面処
理した面、例えばメッキや重クロム酸塩処理した鋼の表
面上では接着剤を重合させるのが難しいというものであ
った。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的はこれら
の問題点を解決することにある。本発明者は、アルキル
スルホニルフェニルヒドラジン(alkylsulfonylphenylhy
drazine)をベースとした促進剤を用いることによって、
貯蔵安定性が極めて良く、公知の配合と同等もしくはそ
れ以上の接合力を発揮し、しかも、鋼だけでなく、その
他の金属さらにはガラスの表面上にも驚くほど反応性が
高い嫌気性接着剤配合物を得ることができるということ
を発見した。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、室温でラジカ
ル重合可能な多価アクリル酸エステルまたはその混合物
と、この混合物に対する酸素の作用を断つた時点から遊
離ラジカルを発生して上記の多価アクリル酸エステルの
ラジカル重合を開始させ、重合を維持または促進させる
物質とを組み合わせた嫌気性接着剤組成物において、ア
ルキルスルホニルフェニルヒラジンを含むことを特徴
とする組成物を提供する。
【0005】本発明の嫌気性接着剤組成物に含まれる多
価アクリル酸エステルは少なくとも二つのアクリル酸エ
ステル基を有する下記一般式〔化1〕:
【化1】 (ここで、Rは水素またはC1 〜C3 のアルコイル基、
特にメチルを表し、An は少なくとも2つの炭素原子を
有しするn価(二価以上)の有機残基である)の分子で
ある。
【0006】本発明に特に適した多価アクリル酸エステ
ルは、テトラメチレンまたはヘキサメチレングリコール
のジアクリレートおよびジメタクリレート、ジ−、トリ
−またはテトラ−エチレングリコールまたはジプロピレ
ングリコールのジアクリレートおよびジメタクリレート
であるが、モノ(メタ)アクリレートを脂肪族ジオール
に縮合したアクリル系ポリエステル(上記のもの)や芳
香族ジオール(例えばビス−フェノールAの誘導体)に
縮合したポリエステルあるいは分子量が一般に200 〜10
000 のポリエーテル−、ポリエステル−またはポリウレ
タン−ポリオールに縮合して得られるアクリル系ポリエ
ステルを用いることができる。これらの多価アクリレー
トまたはポリメタクリレートは対応するポリオールとア
クリル酸またはメタクリル酸とを直接エステル化する
か、ヒドロキシアルコイルのアクリレートまたはまたは
メタクリレートを、予め過剰量のジイソシアネートとの
反応でイソシアネート基で「被った」ポリオールと反応
させて間接的に得ることができる。これらの多価ポリア
クリル酸エステルは嫌気性接着剤の分野では当業者には
周知のものである。
【0007】本発明の組成物は、上記分子の非アクリル
部分に特定の特性、例えば基体に対する接着性を改善
し、重合時の収縮を減少させ、嫌気性接着剤組成物の各
成分間の相溶性や可溶性を改善させることができる化学
的機能を有する一官能性のアクリルレートおよびメタク
リルレートをさらに含んでいてもよい。その例としては
アクリル酸およびメタクリル酸メチル、エチル、ブチ
ル、エチルヘキシル、ラウリル、2−ヒドロキシエチ
ル、2−ヒドロキシプロピル、テトラヒドロフルフリ
ル、ジシクロペンタジエニル、ジシクロペンタジエニル
−オキシエチル、フェニル、シクロヘキシル、2−フェ
ノキシエチルを挙げることができるが、これらに限定さ
れるものではない。これらは当業者が通常用いているモ
ノマーである。
【0008】本発明で用いられる有機過酸化物およびヒ
ドロペルオキシドは、上記多価アクリル酸エステルに可
溶な化合物で、遊離ラジカルの発生源の役目をするが、
その作用は酸素の存在によって抑制されるものである。
一般にはジアルコイルの過酸化物、例えばジクミルペル
オキシド、ジtertブチルペルオキシド、ジラウロイルペ
ルオキシドや、クミルヒドロペルオキシド、第三ブチル
ヒドロペルオキシド、イソプロピルヒドロペルオキシ
ド、シクロヘキシルヒドロペルオキシド、メチルエチル
ケトンヒドロペルオキシドが用いられる。これらの化合
物も当業者には周知である。
【0009】重合促進剤は活性化剤とも呼ばれ、一般に
は窒化物である。古くから第三アミン、特に芳香族第三
アミンで構成される促進剤が知られており、これに、各
種の共促進剤、一般には電子「受容体」としての特性を
有する化合物、例えば芳香族スルフィミドとを組み合わ
せて用いられてきた。特に、同一配合において、第三芳
香族アミン(例えばジメチルアニリンまたはジメチルト
ルイジン)等の電子「供与体」特性を有する窒化物と、
安息香酸スルフィミド(サッカリン)とを組み合わせた
場合には、空気中で保存した際の安定性を損なうことな
く、嫌気性接着剤組成物の反応性を大幅に大きくさせる
ことができる。
【0010】本発明の特徴であるアルキルスルホニルフ
ェニルヒドラジンの中では 4-(メチルスルホニル)フェ
ニルヒドラジン〔877-66-7〕が好ましいが、下記のもの
を用いることもできる: 4-(ブチルスルホニル)フェニルヒドラジン〔536542-21
-0 〕 4-(セチルスルホニル)フェニルヒドラジン〔1590-67-6
〕 4-(ジフルオロ−メチルスルホニル)フェニルヒドラジ
ン〔4837-28-9 〕 4-(トリフルオロ−メチルスルホニル)フェニルヒドラ
ジン〔4837-29-0 〕 4-(2-プロペニルスルホニル)フェニルヒドラジン〔624
53-93-4〕 4-(2-ブテニルスルホニル)フェニルヒドラジン〔62453
-95-6〕 4-(フェニルスルホニル)フェニルヒドラジン〔707114-
83-9 〕 さらに、下記のオルトまたはパラ置換誘導体を用いるこ
ともできる: 4'-メチルフェニル-4-(フェニルスルホニル)-フェニル
ヒドラジン〔80912-28-3〕 4'-メトキシフェニル-4-(フェニルスルホニル)-フェニ
ルヒドラジン〔118316-89-5 〕 4'-フェノキシフェニル-4-(フェニルスルホニル)-フェ
ニルヒドラジン〔118316-91-9 〕 4'-クロロフェニル-4-(フェニルスルホニル)-フェニル
ヒドラジン〔100062-12-2 〕 2'-メトキシフェニル-4-(フェニルスルホニル)-フェニ
ルヒドラジン〔118316-88-4 〕 2', 5'-ジメチルフェニル-4-(フェニルスルホニル)-フ
ェニルヒドラジン〔118316-92-0 〕
【0011】本発明の対象であるスルホニルフェニルヒ
ドラジンには上記化合物のオルト置換誘導体、特に下記
の化合物が含まれる: 2-クロロ-4-(メチルスルホニル)-フェニルヒドラジン
〔85634-77-1〕 2-クロロ-4-(セチル−スルホニル)-フェニルヒドラジン
〔1590-66-5 〕 さらには、 2-ニトロ-4-(フェニルスルホニル)-フェニルヒドラジン
〔85634-77-1〕および2, 6- ジクロロ-4-(メチルスルホ
ニル)-フェニルヒドラジン〔111245-85-3 〕 が含まれる。この類には下記のジスルホニル誘導体も含
まれる: 2, 4- ジ(メチルスルホニル)-フェニルヒドラジン〔57
396-91-5〕 さらには、 2, 4- ビス-(ジフルオロメチル)-フェニルヒドラジン
〔27696-61-3〕 が含まれる。
【0012】従来法の嫌気性接着剤の配合で行われてい
るように、本発明の配合でも抗酸化剤、一般には、アク
リルモノマーまたはビニルモノマーが予定の時間以前に
重合するのを防止するための抗酸化剤を用いる。この抗
酸化剤としてはキノン、ハイドロキノンおよび立体障害
性フェノール誘導体、例えば 2, 6-第三ブチル -4-メチ
ルフェノール等がある。さらに、嫌気性接着剤組成物中
に入り込む不純な金属イオン、特に、製造時、取り扱い
時および貯蔵時に配合成分と金属部品とが接触した時に
入り込む不純金属イオンの有害な影響を防ぐための錯体
生成剤を必要に応じて使用することができる。この例と
してはキレート化剤、例えばアミノカルボキシレート、
特に、エチレンジアミンテトラ酢酸アルカリン塩、サリ
シルアルデヒド、アミノフェノール、ビピリジルおよび
その誘導体、オルトフェナントロリン、8-ヒドロキシキ
ノレイン、 N, N'- エチレン−ビス(ピリジン-2- カル
バルジミン)等を挙げることができるが、これらに限定
されるものではない。本発明の嫌気性接着剤配合物に
は、この他、濃化剤(epaissisants)、チキソトロピー
剤、可塑剤、着色剤等の添加剤が含まれる。これらの添
加剤は全て当業者に周知のものである。以下の実施例の
説明から明らかなように、本発明の接着剤は種々の利点
があるが、特に、表面処理された鋼に対する本発明接着
剤の嫌気反応性の大きさと、その結果得られる組立体ト
ルクの向上に注目されたい。本発明の接着剤は特に、ネ
ジ−ボルト系を固定する際と、表面が平滑な通常鋼およ
び表面処理鋼のシャフトを嵌合によってトルク伝達する
際に優れた解決策を与えるものである。
【0013】
【実施例】以下に示す実施例では、配合の主成分を下記
のような通常用いられている略称で表示してある: TEGDMA: テトラエチレングリコール ジメタク
リレート HPC : クミル ヒドロペルオキシド DMpT : ジメチル パラトルイジン APH : アセチルフェニルヒドラジン NPH : 4-ニトロフェニルヒドラジン DNPH : 2, 4- ジニトロフェニルヒドラジン MSPH : 4- (メチルスルホニル)フェニルヒド
ラジン BSI : サッカリン(安息香酸スルフィミドの
略称)
【0014】以下の操作方法に従ってネジ−ボルト組立
体のネジ部での嫌気性重合による接着剤の能力を測定す
る。すなわち、予め脱脂したネジに被試験接着剤を数滴
塗布し、締付けない状態で対応するナットに螺合する。
所定時間後にボルトを手で外すことができるかどうかを
調べる。他のボルトにも同じ操作を行って、組立体を手
で外せなくなるまで接着剤が硬化するのに要した経過時
間 (この時間を「硬化時間」という) を1分単位で測定
する。こうして得られた組立体の質の定量的評価は、こ
の硬化のために選択した温度における所定の嫌気性硬化
時間後に、ネジ−ボルト組立体を外すのに要する固定ト
ルク (couple de freinage, CFD)で測定する。この測
定はNF T 76-124 規格に従って実施する。
【0015】ガラス表面間の嫌気性重合能力は、以下の
ようにして評価する。すなわち、薄いガラス板(光学顕
微鏡の観測用ガラス板)上に溶液を一滴だけ塗布する。
第二のガラス板を最初のガラス板に重ね、2枚のガラス
板が約2cmの長さだけ部分的に重なり合うようにする。
液滴が2枚のガラス板の間で薄い均等な層に分布した
後、これらの上に50gの重りを乗せる。2枚のガラス板
が互いに滑るかどうかを一定の時間間隔で調べる。こう
して、2枚のガラス板の一方の端を鉛直方向に維持した
ときに他方のガラス板がその自重では動かなくなるまで
嫌気性組成物が充分に硬化するのに要する時間 (これを
「ガラス上での硬化時間」という) を測定する。
【0016】貯蔵時の嫌気性組成物の安定性を評価する
のに用いる方法は、内容量 60 mlのポリエチレン製フラ
スコ中に30gの溶液を入れ、接着剤が液体上の同容積の
空気と接触するようにする。フラスコに栓をして、82℃
の乾燥器内に置き、組成物が液体状態を維持する時間を
測定する。この経過時間 (これを「82℃での安定性」と
いう) が、空気の存在下で貯蔵した時に組成物が自発的
に重合しない能力を表す。この82℃での安定性と接着剤
を室温で貯蔵した時の接着剤組成物の実際の安定性との
間には単純な関係はないが、82℃での安定性が30〜60分
である安定性に優れた配合物は商業的に十分安定なもの
であり、室温で約1年貯蔵した後でも使用可能である。
しかし、82℃での安定性は数時間以上であることが望ま
しく、そうすることによって、かなり悪い貯蔵条件下で
も、組成物の特性が損なわれることがない。
【0017】実施例1 約 100 ppmのパラメトキシフェノールで安定化したトリ
エチレングリコールのジメタクリレート 100gを含む基
準溶液を製造し、これに、4gと75%のクミルヒドロペ
ルオキシドと、0.5 gのヒドロキノン20重量部およびメ
タノール80部中の N, N'- エチレン−ビス(ピリジン−
2−カルバルジミン)0.2 部から成る安定化溶液を添加
する。この母溶液を4つの部分に分け、各々に下記の化
合物の1つを0.3 %加える: ジメチルパラトルイジン(DMpT)、(4- メチルスル
ホニル)フェニルヒドラジン(MSPH)、1-アセチル
-2- フェニルヒドラジン(APH)および(2, 4-ジニト
ロフェニル)ヒドラジン(DNPH) 注いで、各溶液を空気の存在下で約24時間撹拌して4つ
の嫌気性接着剤配合物を製造する。これら四つの嫌気性
接着剤配合物を、予めトリクロロエチレンで脱脂したM
8x30−クラス6.8 (NF E 25-100 および25-112規格)
の普通鋼のネジ/ボルト組立体での硬化時間と、室温で
2時間および24時間嫌気性硬化した後のこのネジ/ボル
ト組立体での固定トルク(CFD)を測定した。結果は
〔表1〕に示した。
【表1】 この結果から、共促進剤が存在しない場合でも、(メチ
ルスルホニル)フェニルヒドラジンは嫌気性重合を速や
かに開始させることができ、その場合の嫌気性接着剤組
成物は、硬化後2時間で既に、ネジを外すトルクが大き
くなるということが理解できよう。
【0018】実施例2 測定可能な固定トルクを示す二つの化合物に対して実施
例1と同じ操作を行うが、各促進剤を 0.3%重量ではな
く1%重量だけ基本配合物に加えた。さらに、各組成物
の網状化が完了したときに得られるであろうネジを外す
のに要する最大トルクを求めるために、トルクの測定は
100℃に加熱した後に実施した。その結果は下記の〔表
2〕に示してある。
【表2】 MSPHを用いた場合には硬化時間が大幅に短縮され、
嫌気性硬化サイクルとは無関係に、ネジを外すのに要す
るトルクも大きくなった。
【0019】実施例3 実施例1と同じ基準溶液を製造する。この母溶液を五つ
に分け、各溶液に下記の化合物の一つを 0.1重量%添加
して五つの嫌気性接着剤配合物を製造する: ジメチルパラトルイジン(DMpT) (4- メチルスルホニル)フェニルヒドラジン(MSP
H) 1-アセチル-2- フェニルヒドラジン(APH) 4-ニトロフェニルヒドラジン(NPH) (2, 4-ジニトロフェニル)ヒドラジン(DNPH) 各溶液を空気の存在下で約24時間撹拌する。上記の方法
に従って通常鋼と、重クロム酸塩処理した亜鉛めっき鋼
(Z5F)とのボルト(M8x30クラス6.8)に対する接
着組成物の硬化時間を測定した。その結果は下記の〔表
3〕に示してある。
【表3】 促進剤を0.1 %しか含んでいないこのタイプの配合物で
は、従来用いられていた化合物のほとんどは合理的な時
間内に嫌気性硬化しないということがあきらかで、(メ
チルスルホニル)フェニルヒドラジンと4-ニトロフェニ
ルヒドラジンは通常鋼上で速やかに重合を開始できた。
しかし、重クロム酸亜鉛の不動態層で覆われているボル
トを使用した場合には、室温で24時間以内に硬化するの
は上記5つの嫌気性組成物のうちただ1つ、すなわちメ
チルスルホニルフェニルヒドラジンを含む溶液のみであ
った。従って、この化合物から、従来法の製品よりも基
材に対する感度が低い嫌気性接着剤が得られる。さら
に、別の一連の通常鋼のボルト (M8x30クラス6.8)に
対して、100 ℃で1時間加熱後にねじを外すのに要する
固定トルクを上記の5つの配合物に対して測定した。そ
の結果は〔表4〕にまとめて示してある。
【表4】 最も高いトルクはMSPHを含む配合物で得られた。
【0020】実施例4 下記組成を有する基準溶液を製造する: トリエチレングリコールのジメタクリレート 100g パラメトキシフェノール 0.01 g 75%クミルヒドロペロキシド 4g 安定化溶液(実施例1参照) 0.5g 安息香酸スルフィミド 0.4g この組成が実施例1の組成と異なる点は共促進剤として
安息香酸スルフィミド(サッカリン)を含む点である。
この母溶液を5つの部分に分け、各々に下記化合物の1
つを0.3 %加えて5つの嫌気性配合物を製造した: ジメチルパラトルイジン(DMpT)、 (4- メチルスルホニル)フェニルヒドラジン(MSP
H) 1-アセチル-2- フェニルヒドラジン(APH) 4-ニトロフェニルヒドラジン(NPH) (2, 4-ジニトロフェニル)ヒドラジン(DNPH) 化溶液を空気の存在下で約24時間撹拌する。4-ニトロフ
ェニルヒドラジン(NPH)を含む溶液は液体上に空気
が存在するにもかかわらず自発的に重合した。実験を繰
り返したが、同じ結果を得た。これは 4- ニトロフェニ
ルヒドラジンとサッカリンとを併用した場合には不安定
な組成ができるため、空気が存在しても重合を抑制し得
ないということを示している。従って、この組成は以下
の試験では除外した。残った4つの組成物の硬化時間
を、通常鋼 (クラス6.8)、鋼 (クラス 8.8、NFE 25-100
および25-112規格)および重クロム酸塩処理した亜鉛メ
ッキ鋼Z5Fで作られた3種のボルトについて上記方法
に従って測定した。結果は〔表5〕に示した。
【表5】 MSPHと共促進剤としてのサッカリンとを同時に用い
ることによって、通常の基材(6.8 鋼および8.8 鋼) の
場合と同様に、不動態化された基材 (通常、ネジを外す
のに要するトルクは数時間嫌気性硬化した後でしか得ら
れない) 上でも非常に高い性能を有する嫌気性接着剤組
成物を得ることができる。
【0021】実施例5 共促進剤として電子「供与体」の性質を有する窒素化合
物、一般にはジメチルパラトルイジン等の芳香族第三ア
ミンを用いることによって反応性を改善し得るというこ
とが既に知られている。この実施例では、この種の系で
の本発明促進剤の比較試験を行った。そのために以下の
組成を有する基準溶液を製造した: トリエチレングリコールのジメタクリレート 100g パラメトキシフェノール 0.01 g 75%クミルヒドロペルオキシド 4g 安定化溶液(実施例1参照) 0.5g ジメチルパラトルイジン(DMpT) 0.4g この五つの母溶液の各々に下記化合物の1つを 0.3重量
%加えて5つの嫌気性接着剤配合物を製造した: 安息香酸スルフィミド (サッカリン) (BS) (4- メチルスルホニル)フェニルヒドラジン(MSP
H) 1-アセチル-2- フェニルヒドラジン(APH) 4-ニトロフェニルヒドラジン(NPH) (2, 4-ジニトロフェニル)ヒドラジン(DNPH) 各溶液を空気の存在下で約24時間撹拌した。クラス 6.8
およびクラス 8.8の鋼のボルトM8x30に対する五つの
嫌気性接着剤配合物の硬化時間と、室温で2時間および
24時間嫌気性硬化した後に得られるクラス 6.8のボルト
M8x30でのネジを外すのに要するトルクとを上記方法
で測定した。結果は〔表6〕に示されている。
【表6】 嫌気性硬化の補助促進剤として第三アミン等の窒素化物
を用いることは公知であり、主促進剤がサッカリン(例
えば合衆国特許第 3,218,305号参照)またはニトロフェ
ニルヒドラジン(例えばフランス国特許第 2,283,191号
参照)で組成物の場合には特に有効であるが、MSPH
を用いた結果は、この種の共促進剤を添加しないでもす
むことを示している。事実、本実施例と実施例1の結果
とを比較することによって、MSPHを用いた場合に
は、本実施例で得られた硬化時間と固定トルクが、同じ
条件下で補助促進剤を全く用しないで得られた場合より
劣っていることが分かる。サッカリンまたはニトロフェ
ニルヒドラジン等の公知の嫌気性硬化用促進剤とは逆
に、本発明の (4-メチルスルホニル)フェニルヒドラジ
ンの場合には芳香族アミン等の補助促進剤を添加する必
要なしに性能の高い嫌気性組成物を製造することができ
る。
【0022】実施例6 本実施例では、サッカリンと、アミン系共促進剤(その
1つは本発明の4-メチルスルホニルヒドラジンである)
とを組み合わせた3つの促進剤の効果を比較した。その
ために、下記組成の母溶液を3つ製造した: トリメチレングリコールのジメタクリレート 100 g 安定化溶液(実施例1参照) 0.5 g 75%クミルヒドロペルオキシド 4 g その各々にを下記を添加した: サッカリン 0.4 g 共促進剤 0.3 g この共促進剤はそれぞれ下記のものである: ジメチルパラトルイジン(DMpT) 1-アセチル-2- フェニルヒドラジン(APH) (4- メチルスルホニル)フェニルヒドラジン(MSP
H)。 試験した配合物の組成およびその特性は下記 [表7] に
まとめてある。∞は硬化時間が2時間以上であることを
意味する。これ以上の長時間の測定はしなかった。鋼M
6.8 のボルトでのトルクは、室温で2時間重合した後に
測定したものである。
【表7】 最も高い安定性(82℃で) と反応性とを同時に与える促
進剤はMSPHであることが容易に確かめられた。これ
を含む組成物のみがガラス板間で硬化する。MSPH/
サッカリン系の安定性は優れており(82℃で80時間以
上)、室温で2時間後に得られたトルクはAPHと同じ
反応性を示し、DMpTをベースとする系よりも高い。
【0023】実施例7 基本配合は実施例6と同じでであるが、これにサッカリ
ンを除いたジクロロ酢酸を含む促進剤を 6.3g加えた。
この配合物の組成は下記の通りである: 75%クミルヒドロペルオキシド 4g ジクロロ酢酸 2g 促進剤 0.3g この促進剤はそれぞれ下記のものである: ジメチルパラトルイジン(DMpT) 1-アセチル-2- フェニルヒドラジン(APH) (4- メチルスルホニル)フェニルヒドラジン(MSP
H)。 実施例6と同じ条件で得られた結果を [表8] に示す。
【表8】
【0024】実施例8 実施例4の4つの配合物を用いて「ガラス上での硬化時
間」を決める試験を行った。促進剤として (4-メチルス
ルホニル)フェニルヒドラジン(MSPH)を含む接着
剤組成物で得られた硬化時間は2時間であった。他の三
つの配合物では、ガラス板は24時間後でも接着しなかっ
たので試験を中断した。従って、MSPHは硬化速度が
基材の種類によってほとんど影響されない嫌気性接着剤
組成物を作る上で極めて優れているということが確認さ
れた。
【0025】以上の結果から、4-(メチルスルホニルフ
ェニル)ヒドラジンを嫌気性接着剤組成物の促進剤とし
て、あるいはサッカリンの共促進剤として用いることに
よって、各種の金属材料および非金属材料(ガラス)に
対する硬化速度が速くなり、しかも長時間の貯蔵でも安
定するという顕著な利点が明らかにされた。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】室温でラジカル重合可能な多価アクリル酸
    エステルまたはその混合物と、この混合物に対する酸素
    の作用を断つた時点から遊離ラジカルを発生して上記の
    多価アクリル酸エステルのラジカル重合を開始させ、重
    合を維持または促進させる物質とを組み合わせた嫌気性
    接着剤組成物において、 アルキルスルホニルフェニルヒラジンを含むことを特
    徴とする組成物。
  2. 【請求項2】組成物全体に対するアルキルスルホニルフ
    ェニルヒロラジンの比率が0.1 〜3重量%である請求項
    1に記載の組成物。
  3. 【請求項3】アルキルスルホニルフェニルヒラジンが
    4-(メチルスルホニル)フェニルヒドラジンである請求
    項1または2のいずれか一項に記載の組成物。
  4. 【請求項4】0.1〜5重量%の有機ヒドロペルオキシド
    を含む請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. 【請求項5】共促進剤として0.05〜3%の比率の有機ス
    ルフィミドを含む請求項1〜4のいずれか一項に記載の
    組成物。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成
    物を用いた亜鉛メッキまたは重クロム酸塩処理をした鋼
    のネジ部品を固着および密封する方法。
  7. 【請求項7】請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成
    物を用いた亜鉛メッキまたは重クロム酸塩処理をした鋼
    の平滑嵌合部品を固着および密封する方法。
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