JP2917975B2 - 半導体レーザ - Google Patents

半導体レーザ

Info

Publication number
JP2917975B2
JP2917975B2 JP17035597A JP17035597A JP2917975B2 JP 2917975 B2 JP2917975 B2 JP 2917975B2 JP 17035597 A JP17035597 A JP 17035597A JP 17035597 A JP17035597 A JP 17035597A JP 2917975 B2 JP2917975 B2 JP 2917975B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
quantum
layer
semiconductor laser
box
wire
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP17035597A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1117271A (ja
Inventor
善浩 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NEC Corp
Original Assignee
Nippon Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Electric Co Ltd filed Critical Nippon Electric Co Ltd
Priority to JP17035597A priority Critical patent/JP2917975B2/ja
Publication of JPH1117271A publication Critical patent/JPH1117271A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2917975B2 publication Critical patent/JP2917975B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Semiconductor Lasers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信、光計測器
用光源、ファイバアンプや固体レーザの励起用光源、光
情報処理などに用いられる半導体レーザに関する。
【0002】
【従来の技術】最近の光通信や光情報処理に用いられる
半導体レーザの活性層には、多重量子井戸構造が使用さ
れることが多くなっている。これは分子線エピタキシャ
ル法や有機金属気相成長法などの発展にともない、膜厚
方向での1原子層のスケールで膜厚の制御とへテロ界面
の急峻性の制御が可能になったためである。このことに
よってデバイス特性は飛躍的に向上した。理論的には、
活性層として量子箱や量子細線を用いればさらに特性が
向上することが期待されている。
【0003】そこで、例えば量子箱を活性層に用いた面
発光型半導体レーザが提案されている(特開平8−17
2217号公報)。以下、この発明を図面を参照して説
明する。図7は、活性層に量子箱を用いた従来の面発光
型半専体レーザの断面図である。n−GaAs基板20
1上にMBE(モレキュラービームエピタキシー)によ
って22.5周期のn−GaAs層/n−AlAs層か
らなるn側多層反射膜202を成長し、その上にn−G
aAsスペーサ層203を成長する。そしてこのn−G
aAsスペーサ層203上にInAs層を2.5原子層
分成長する。するとInAsとGaAsの格子定数の差
に起因して厚さが数原子層程度で直径が数十ないし数百
原子層程度に凝集した島状のInGaAsからなる量子
箱が形成される。続いて、バリア層となるGaAsを量
子箱に被せるように成長する。このようにして量子箱を
含む活性層204を形成する。さらに、p−GaAsス
ペーサ層205を成長し、その上に22.5周期のp−
GaAs層/p−AlAs層からなるp側多層反射膜2
06を成長し、その上にp−GaAsキャップ層207
を成長する。続いて、電流の狭窄化を行うために、ウェ
ットエッチングによって活性領域の周囲に溝を形成し、
SiO2絶縁膜208で被服した後、コンタクト用の窓
をあけてp側電極209を形成する。さらに、n−Ga
As基板201の下面に、光を放射するための開口を有
するn側電極210を形成し、次いでその開口部にSi
N反射防止膜211を形成する。
【0004】上記従来の発明は、複数の量子箱のサイズ
や形状のバラツキにより発光スペクトル幅を狭くするこ
とが困難であるというこれまでの問題を解決するもので
あり、量子箱間でキャリアがトンネルできるようなバリ
ア層厚にし、相対的にエネルギーが低い量子箱にキャリ
アを順次トンネルさせて、相対的にエネルギーが低い量
子箱で発光させ、発光スペクトル幅を狭くする構成とな
っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、量子箱
間をキャリアがトンネルするということは各量子箱間で
電子もしくはホールの波動関数が結合していることを意
味するため、純粋な量子箱の状態密度関数にはならず、
低次元化した量子効果による、低閾値化、高速化、狭線
幅などのメリットを十分に受けられないという問題があ
る。
【0006】また、たとえ量子箱間の距離を離して各量
子箱間の波動関数の結合を切ったとしても、バリア層で
あるGaAs層と量子箱であるInGaAsとの体積の
割合はGaAs層の方が大きくなるため、n及びp−G
aAsスペーサ層から活性層に注入されたキャリアがバ
リア層であるGaAs層で発光再結合し、量子箱に効果
的に注入されず、効率が低下するという問題があった。
【0007】また、電流注入励起の困難をさけるために
光励起を用いる場合は、励起用の光源が必要となるた
め、装置が大型化し、半導体素子の大きなメリットであ
る小型化が犠牲になるという問題もある。
【0008】そこで本発明の目的は、閾値が低く、高速
で、発光スペクトル幅が狭く、効率の高い半導体レーザ
を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の目的
を達成するために種々の検討を重ねた結果、本発明を完
成した。
【0010】本発明は、量子細線または量子箱、及び量
子井戸を活性層に有する半導体レーザであって、該量子
細線または量子箱を電流注入により励起するとともに、
該量子井戸を電流注入により発光させ、この光で該量子
細線または量子箱の高次の準位にキャリアを光励起し、
該量子細線または量子箱の第1準位間での再結合により
発する光をレーザ光として利用することを特徴とする半
導体レーザに関する。
【0011】本発明の半導体レーザにおいては、上記の
構成にすることにより、一つのチップ内で電流注入励起
と光励起を実現している。
【0012】また本発明の半導体レーザは、量子細線ま
たは量子箱を、量子井戸から発する光のフィールドのほ
ぼ中央に配することで、極めて効果的に量子細線または
量子箱を光励起できる。
【0013】さらに本発明の半導体レーザは、誘電体多
層膜からなるバンドパスフィルタや回折格子によって量
子細線または量子箱から発する光を選択的に反射する機
構を設けることで、量子細線または量子箱から発する光
で容易に発振する。また、量子細線または量子箱を共振
器方向に周期的に配列することでも同様な効果が得られ
る。
【0014】本発明の半導体レーザにおいて、電極か
ら、量子井戸および量子細線または量子箱を含む活性領
域に注入されたキャリアは、ほとんどが量子井戸または
量子細線もしくは量子箱に注入される。このうち量子井
戸に注入されたキャリアは再結合を起こして発光し、こ
の光が導波路を導波していく。しかしこの光は、導波す
る光のフィールドの中央に位置する量子細線または量子
箱の高次の準位にキャリアを励起して吸収されてしま
う。その結果、活性層領域に注入されたキャリアは、そ
の大部分が量子細線または量子箱に注入されることにな
る。
【0015】また、誘電体多層膜からなるバンドパスフ
ィルタを端面に形成して、量子細線または量子箱の基底
準位から発する光を選択的に反射させることにより、共
振器内の量子細線または量子箱から発する光の密度を上
げることができ、低次元の状態密度を反映したレーザが
実現できる。量子細線または量子箱の基底準位から発す
る光は、回折格子を用いることによっても選択的に反射
させることができ、同様な効果が得られる。さらに、量
子細線または量子箱を共振器方向に周期的に配列するこ
とによっても、同様な効果が得られる。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0017】第1の実施の形態 図1(a)は本発明の半導体レーザの活性層の断面図で
ある。第1導電型化合物半導体基板1上に第1導電型化
合物半導体SCH(separate confinement heterostr
ucture)層2を配し、その上に、化合物半導体からなる
バリア層3で分離された化合物半導体からなる量子井戸
層4を配する。さらにその上に、化合物半導体からなる
バリア層5で波動関数の結合がないように空間的に分離
された化合物半導体からなる量子細線6を配する。その
上にバリア層3で分離された量子井戸層4を配する。最
後に、第2導電型化合物半導体SCH層7と第2導電型
化合物半導体クラッド層8を配することで光導波路を形
成する。
【0018】本発明における化合物半導体としては、II
I-V族、II-VI族化合物半導体が好ましい。このときク
ラッド層、SCH層、量子井戸の障壁層(バリア層)、
量子井戸層、量子細線のバリア層、及び量子細線の化合
物半導体のバンドギャップをそれぞれEg1、Eg2、Eg
3、Eg4、Eg5、Eg6とすると、 Eg1≧Eg2≧Eg3≧Eg5>Eg4>Eg6 が成り立っている必要がある。さらに、前記量子井戸に
形成される電子とホールの第1準位間のエネルギー差を
E1、前記量子細線に形成される電子とホールの第2準
位間のエネルギー差をE2、第1準位間のエネルギー差
をE3とした場合、 E1≒E2>E3 である必要がある。
【0019】上述の構成をとることにより、量子井戸の
電子およびホールの第1準位13、12間で再結合して
発光した光16は光導波路層を基本横モードで伝搬する
(図1(c))。このとき、量子細線6がこの光16の
フィールド9のほぼ中央に位置しているため(図1
(b))、量子井戸の電子およびホールの第1準位間で
再結合し伝搬している光は、量子細線の第2量子準位1
4、15間に電子とホールを励起して吸収されてしまう
(図1(d))。励起された量子細線の電子とホール
は、それぞれの第1準位13、12に緩和し、再結合発
光し、その光17が光導波路を吸収ロス無しに伝搬する
(図1(d))。
【0020】反射横構に関しては、少なくとも一つの端
面には誘電体多層膜からなるバンドパスフィルタを備え
ており、前記量子細線の基底準位からの光のみを選択的
に反射する構造になっている。
【0021】したがって、量子井戸からの光は、導波路
内に大きな吸収ロスがあることに加え、端面におけるミ
ラーロスも大きいことから発振し得ない。これに対し、
量子細線からの光は、導波路内に吸収ロスがなく、端面
のミラーロスも小さいことから容易に発振する。
【0022】第1の実施の形態はその変形として、端面
に誘電体多層膜からなるバンドパスフィルタを設ける代
わりに、第1導電型化合物半導体基板1と第1導電型化
合物半導体SCH層2との間、もしくは第2導電型化合
物半導体SCH層7と第2導電型化合物半導体クラッド
層8との間に、回折格子を設けて、量子細線の基底準位
間からの光を選択的に反射する構造、すなわち屈折率結
合型分布帰還型レーザ構造にしてもよい。
【0023】以上の実施の形態において量子細線を量子
箱に置き換えても同様の結果が得られる。
【0024】第2の実施の形態 図4は、本発明の半導体レーザの活性層の光の出射方向
から見た断面図であり、図5及び図6はそれぞれ図4の
A−A線およびB−B線断面図である。量子井戸と量子
箱のそれぞれの量子準位間の波長の関係は第1の実施の
形態と同様である。
【0025】この第2の実施の形態において重要なこと
は、共振器方向での量子箱のピッチΛが実効的な屈折率
Neffと量子箱の基底準位間の波長λと次のような関係
にあることである。
【0026】λ≒2NeffΛ すなわち、利得結合型の分布帰還型レーザダイオード
(DFBLD:Distributed Feed Back LD)になっているこ
とである。
【0027】この第2の実施の形態の変形例は、量子細
線を、導波路に、その垂直方向に同様の上述の関係式
(Λは垂直方向での量子細線のピッチを示す。)を満た
しながら並べた構成を有するものである。これにより、
光閉じ込め係数が上がり、閾値が下がる。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに説明する
が、本発明はこれらに限定するものではない。
【0029】実施例1 図2は、本発明の半導体レーザの斜視図である。n−I
nP基板101上に、量子井戸および量子細線を含む活
性層100を形成し、その上にp−InPクラッド層5
1(厚さ0.6μm、濃度7×1017cm-3)を形成し
た。導波路の形成のために2本の溝58を形成し(この
とき溝間の活性層幅は1.5μmにする。)、電流狭窄
のために、p−InPブロック層52(厚さ0.6μ
m、濃度3×1017cm-3)及びn−InPブロック層
53(厚さ0.6μm、濃度1×1018cm-3)で活性
層直上以外の部分を埋め込んで、次いでp−InP埋め
込み層54(厚さ3μm、濃度7×1017cm-3)で全
体を埋め込んだ。その後、コンタクト用にp−InGa
Asキャップ層55(厚さ1μm、濃度3×1018cm
-3)を形成した。このような構成をとることで、電流ブ
ロック構造にいわゆるDC−PBH構造(Double Chann
el-Planar Buried Heterostructure)を有する半導体レ
ーザとなる。
【0030】n側およびp側に電極56を形成した後、
長さ300mmに劈開し、両端面にα−Si(アモルフ
ァスシリコン)(屈折率3.5)及びSiN(屈折率
1.8)からなる誘電体多層膜(バンドパスフィルタ)
57を形成した。半導体側からSiNを180.6n
m、α−Siを92.9nm、SiNを361.2n
m、α−Siを92.9nm、SiNを361.2nm
の膜厚とすることで、波長1.3μmに対しては0.2
%の反射率、波長1.55μmに対しては84%の反射
率を有するフィルタになる。
【0031】図3は、本発明の半導体レーザの活性層の
光の出射方向から見た断面図である。n−InP基板1
01上にn−InGaAsP−SCH層102を配し、
その上に、InGaAsPバリア層103で分離された
InGaAsP量子井戸層104を配した。さらにその
上に、InGaAsPバリア層105で波動関数の結合
がないように空間的に分離させられたInGaAsP量
子細線106を配した。その上に、InGaAsPバリ
ア層103で分離されたInGaAsP量子井戸層10
4を配した。最後に、InGaAsP−SCH層107
とp−InPクラッド層51を配することで光導波路を
形成する。SCH層は、波長組成1.05μmで厚さ4
0nmであり、n側のSCHの濃度は1×1018cm-3
である。
【0032】量子井戸層104は、格子整合時の波長組
成1.29μmのInGaAsPに0.7%の圧縮歪を
加えたもので厚さ約5nmであり、この量子井戸層を分
離しているバリア層103は、波長組成1.13μmで
厚さ10nmである。このような量子井戸層とバリア層
の構成をとることで量子井戸の基底準位間の波長は約
1.3μmとなる。
【0033】量子細線106は、格子整合時の波長組成
1.5μmのInGaAsPに1%の圧縮歪を加えたも
のであり、この量子細線を分離しているバリア層は波長
組成1.2μmである。量子細線間の間隔は、エピ積層
方向で10nm、横方向で150nmである。量子細線
の厚さ及び幅は、量子細線の第1準位間の波長が1.5
5μm、第2準位間の波長が約1.3μmになるように
調整する。
【0034】以上のような構成において、量子井戸およ
び量子細線を含む活性層に注入されたキャリアは、量子
井戸または量子細線に注入される。このうち量子井戸に
注入されたキャリアは、第1準位間で再結合し、波長
1.3μmの光を出し、その光が導波路を伝搬しようと
するが、その光のフィールドのほぼ中心に量子細線があ
り、量子細線の第2量子準位間のエネルギー差が1.3
μmになっているため、ほとんどの光が量子細線の第2
量子準位に電子とホールを励起して吸収されてしまう。
その結果、量子細線は、もともとの電流注入励起と量子
井戸の発光を介した光励起とで効果的に励起され、その
第1準位間(波長1.55μm)からの発光が効果的に
起こる。さらに、端面の反射率は、波長1.55μmに
対しては84%の反射率を有しているため、ミラーロス
も少ない。このように、量子細線にしたことによる状態
密度の変化を受けた低閾値化が可能となる。
【0035】実施例2 図4は、本実施例の半導体レーザの活性層の光の出射方
向からみた断面図である。n−InP基板101上にn
−InGaAsP−SCH層102を配し、その上に、
InGaAsPバリア層103で分離されたInGaA
sP量子井戸層104を配した。さらにその上に、In
GaAsPバリア層105で波動関数の結合がないよう
に空間的に分離されたInGaAsP量子箱108を配
した。その上に、InGaAsPバリア層103で分離
されたInGaAsP量子井戸層104を配した。最後
に、InGaAsP−SCH層107とp−InPクラ
ッド層51を配することで光導波路を形成した。
【0036】図5及び図6はそれぞれ図4におけるA−
A線およびB−B線断面図である。図5において量子箱
108は共振器方向に240nmピッチで並んでいる。
【0037】SCH層は、波長組成1.05μmで厚さ
40nmであり、n側のSCH層の濃度は1×1018
-3である。
【0038】量子井戸層104は、格子整合時の波長組
成1.29μmのInGaAsPに0.7%の圧縮歪を
加えたもので厚さ約5nmであり、この量子井戸層を分
離しているバリア層103は波長組成1.13μmで厚
さ10nmである。このような量子井戸層とバリア層の
構成をとることで、量子井戸の基底準位間の波長は約
1.3μmとなる。
【0039】量子箱108は、格子整合時の波長組成
1.5μmのInGaAsPに1%の圧縮歪を加えたも
のであり、この量子箱を分離しているバリア層は波長組
成1.2μmである。量子箱間の間隔はエピ積層方向で
10nm、横方向で150nmである。量子箱の厚さ、
幅および共振器方向への奥行きは、量子箱の第1準位間
の波長が1.55μm、第2準位間の波長が約1.3μ
mになるように調整した。
【0040】電流ブロック構造は、実施例1と同様にい
わゆるDC−PBH構造である。
【0041】長さ300mmに劈開し、前方端面にSi
N(屈折率1.8)の単層膜(厚さ197.9nm)を
形成し、後方端面にα−Si(屈折率3.5)及びSi
N(屈折率1.8)からなる誘電体多層膜(バンドパス
フィルタ)57を形成する。この誘電体多層膜からなる
後方のフィルタは実施例1と同じ構成であり、波長1.
3μmに対しては0.2%の反射率、波長1.55μm
に対しては84%の反射率になっており、前方の反射膜
は波長1.3μmに対しては1.1%の反射率、波長
1.55μmに対しては0.9%の反射率を有してい
る。
【0042】このような構成をとることで、量子箱の基
底準位間からの発光である1.55μmの波長光に対し
ては前方で0.9%、後方で84%の反射率を有する利
得結合型の分布帰還型レーザになっており、単一軸モー
ドで発振する。量子箱の状態密度がδ関数的であること
を反映して、極めて大きな微分利得とそれにともなう高
速応答が得られる。一方、量子箱の近傍に配された量子
井戸の基底準位間からの発光である1.3μmの波長光
に対しては、量子箱の第2量子準位間に吸収され、且
つ、端面の反射率がそれぞれ0.2%と1.1%である
ためファブリペローモードでも発振することはない。
【0043】
【発明の効果】以上に述べたように本発明の半導体レー
ザは、電流注入励起の困難な量子細線や量子箱を効率よ
く励起することができ、低次元化した量子効果による低
閾値化、高速化、狭線幅などのメリットを十分に受ける
ことができる。
【0044】その理由は次の通りである。量子井戸およ
び量子細線または量子箱を含む活性層に注入されたキャ
リアは、ほとんどが量子井戸や量子細線または量子箱に
注入される。このうち量子井戸に注入されたキャリアは
再結合を起こし発光して、その光が導波路を伝搬してい
く。しかし、この光は、伝搬する光のフィールドの中央
に位置する量子細線または量子箱の高次の準位間にキャ
リアを励起して吸収されてしまう。その結果、活性層領
域に注入されたキャリアは大部分が量子細線または量子
箱に注入されることになる。また、共振器を形成する反
射膜や回折格子は選択的に量子細線または量子箱の基底
準位からの光のみを反射するので量子井戸からの発光で
は発振し得ないため、量子井戸からの光によって共振器
外に放射されるエネルギーは小さい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体レーザの説明図である。
【図2】本発明の半導体レーザの斜視図である。
【図3】本発明の半導体レーザの活性層の断面図であ
る。
【図4】本発明の半導体レーザの活性層の断面図であ
る。
【図5】本発明の半導体レーザの活性層の断面図(図4
のA−A線断面図)である。
【図6】本発明の半導体レーザの活性層の断面図(図4
のB−B線断面図)である。
【図7】従来の面発光半導体レーザの断面図である。
【符号の説明】
1 第1導電型化合物半導体基板 2 第1導電型化合物半導体SCH層 3 バリア層 4 量子井戸層 5 バリア層 6 量子細線 7 第2導電型化合物半導体SCH層 8 第2導電型化合物半導体クラッド層 9 量子井戸の基底準位から発する光のフィールド 10 荷電子帯 11 電導帯 12 ホールの基底準位 13 電子の基底準位 14 ホールの第2量子準位 15 電子の第2量子準位 16 量子井戸の第1量子準位間での発光 17 量子細線の第1量子準位間での発光 51 p−InPクラッド層 52 p−InPブロック層 53 n−InPブロック層 54 p−InP埋め込み層 55 p−InGaAsキャップ層 56 電極 57 誘電体多層膜 58 溝 59 SiN反射防止膜 100 活性層 101 n−InP基板 102 n−InGaAsP−SCH層 103 InGaAsPバリア層 104 InGaAsP量子井戸層 105 InGaAsPバリア層 106 InGaAsP量子細線 107 InGaAsP−SCH層 108 量子箱 201 n−GaAs基板 202 n側多層反射膜 203 n−GaAsスペーサ層 204 量子箱を含む活性層 205 p−GaAsスペーサ層 206 p側多層反射膜 207 p−GaAsキャップ層 208 SiO2絶縁膜 209 p側電極 210 n側電極 211 SiN反射防止膜

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 量子細線または量子箱、及び量子井戸を
    活性層に有する半導体レーザであって、該量子細線また
    は量子箱を電流注入により励起するとともに、該量子井
    戸を電流注入により発光させ、この光で該量子細線また
    は量子箱の高次の準位にキャリアを光励起し、該量子細
    線または量子箱の第1準位間での再結合により発する光
    をレーザ光として利用することを特徴とする半導体レー
    ザ。
  2. 【請求項2】 量子細線または量子箱が、その近傍に配
    された量子井戸から発する光のフィールドのほぼ中央に
    位置する請求項1記載の半導体レーザ。
  3. 【請求項3】 量子細線または量子箱から発する光を選
    択的に反射する機構を有する請求項1記載の半導体レー
    ザ。
  4. 【請求項4】 反射する機構が誘電体多層膜からなるバ
    ンドパスフィルタを用いて構成される請求項3記載の半
    導体レーザ。
  5. 【請求項5】 反射する機構が回折格子を用いて構成さ
    れる請求項3記載の半導体レーザ。
  6. 【請求項6】 反射する機構が、共振器方向に周期的に
    配列された量子細線または量子箱で構成される請求項3
    記載の半導体レーザ。
  7. 【請求項7】 反射する機構が、誘電体多層膜からなる
    バンドパスフィルタと回折格子とを組み合わせて、また
    は誘電体多層膜からなるバンドパスフィルタと共振器方
    向に周期的に配列された量子細線もしくは量子箱とを組
    み合わせて構成される請求項3記載の半導体レーザ。
JP17035597A 1997-06-26 1997-06-26 半導体レーザ Expired - Fee Related JP2917975B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17035597A JP2917975B2 (ja) 1997-06-26 1997-06-26 半導体レーザ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17035597A JP2917975B2 (ja) 1997-06-26 1997-06-26 半導体レーザ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1117271A JPH1117271A (ja) 1999-01-22
JP2917975B2 true JP2917975B2 (ja) 1999-07-12

Family

ID=15903405

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17035597A Expired - Fee Related JP2917975B2 (ja) 1997-06-26 1997-06-26 半導体レーザ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2917975B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5105738B2 (ja) * 2005-11-24 2012-12-26 昭和電工株式会社 窒化ガリウム系化合物半導体積層物の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH1117271A (ja) 1999-01-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4993036A (en) Semiconductor laser array including lasers with reflecting means having different wavelength selection properties
US4817110A (en) Semiconductor laser device
US5052016A (en) Resonant-periodic-gain distributed-feedback surface-emitting semiconductor laser
US7450624B2 (en) Grating—outcoupled surface-emitting lasers
US6760359B2 (en) Grating-outcoupled surface-emitting lasers with flared gain regions
JP3153727B2 (ja) スーパールミネッセントダイオード
US4622674A (en) Single longitudinal mode semiconductor laser
JP4829119B2 (ja) 側方に取り付けられたエッジ発光体を有するモノリシック光学的ポンピングvcsel
US4930132A (en) Second harmonic wave generating device having active layer and second harmonic wave generating layer on same substrate
JP2002064244A (ja) 分布帰還型半導体レーザ素子
KR100503939B1 (ko) 반도체 레이저
US6888874B2 (en) Single-wavelength, unequal-length-multi-cavity grating-outcoupled surface emitting laser with staggered tuned distributed Bragg reflectors
US20050123018A1 (en) Ridge type distributed feedback semiconductor laser
US6647048B2 (en) Grating-outcoupled surface-emitting lasers using quantum wells with thickness and composition variation
JP2917975B2 (ja) 半導体レーザ
US6636547B2 (en) Multiple grating-outcoupled surface-emitting lasers
JP2002111125A (ja) 分布帰還型半導体レーザ
JPH0770785B2 (ja) 分布反射型半導体レーザ
US5556795A (en) Quantum well superluminescent diode
JPS63228795A (ja) 分布帰還型半導体レ−ザ
JPH05283806A (ja) 選択的に設置された損失部を有する分布帰還型レーザーダイオード
US5182758A (en) Periodic gain-type semiconductor laser device
JP2875929B2 (ja) 半導体レーザ素子およびその製造方法
JP2941463B2 (ja) 半導体レーザ装置
JPS6250074B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080423

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 10

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090423

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 11

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100423

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110423

Year of fee payment: 12

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 12

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110423

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120423

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120423

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 14

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130423

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees