JP2917118B2 - 油圧式グラブバケットの荷掴み運転操作方法およびその方法に用いる油圧式グラブバケットの油圧制御回路 - Google Patents
油圧式グラブバケットの荷掴み運転操作方法およびその方法に用いる油圧式グラブバケットの油圧制御回路Info
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Description
バケット等の油圧式グラブバケットの荷掴み運転操作方
法に係り、詳しくは、バケットを閉じ都市ゴミ等のゴ
ミ、燃焼灰等の掴み物(荷)の掴み動作中の、当該バケ
ットの開閉を司る油圧シリンダ駆動用の作動油の温度上
昇を著しく、かつ、効果的に抑制することのでき、ま
た、掴み物の掴み操作を容易確実にかつ能率化し得る油
圧式グラブバケットの荷掴み運転操作方法及びその方法
に用いる油圧式グラブバケットの油圧制御回路に関す
る。
ある油圧ポンプの回転駆動源として電動機を用いる電動
油圧式、或いはエンジンを用いるエンジン油圧式等の油
圧式グラブバケットは、都市ゴミ等のゴミ、粉粒体、燃
焼灰、ヘドロ等、種々の掴み物に対して用いられ、その
用途も種々の用途に用いられる。例えば、都市ゴミ焼却
工場等のゴミ処分場においては、ゴミをゴミピットから
移動させて焼却ホッパへ投入する作業、該ゴミピット内
で紙のような燃え易いゴミと水分を多く含んだ燃え難い
ゴミを混ぜ合わせるゴミの混合・攪拌作業、或いは、塵
芥収集車から複数個所設けられた投入口を通してゴミピ
ット内の或る一点に落とされたゴミをそのゴミピット内
で移動させて全体に隈なく広げて貯めるための移動作業
に用いられている。
えば電動油圧式グラブバケットは例えば左右一対のバケ
ットを油圧シリンダの作動により開閉自在に設けて構成
されるが、該電動油圧式グラブバケットをクレーン等の
揚重機器によって巻き上げ(下げ)可能に吊り下げて前
記ゴミ貯留ピット等の所定の掴み場所に位置させ、該ク
レーンの操作により油圧式グラブバケットのバケットを
開いた状態でそのまま巻き下げてゴミの上に着地させ、
電動機で駆動される油圧ポンプの作動油をポンプ吐出管
に取付けられ閉じ側に入れられた切換弁(方向制御弁)
を通して油圧シリンダに供給してバケットを閉じゴミを
掴む。そして、該クレーンにより、該グラブバケットを
巻き上げて前記の焼却ホッパ等の所定の荷降ろし位置に
移動させ、今度は切換弁を開き側に入れることにより油
圧シリンダを開方向に作動させてバケットを開き、ゴミ
を放出する。
作業中において、例えばバケットが閉じられる途中で荷
を掴み過ぎて閉じきれなくなったような場合は、過負荷
となって油圧回路に設けられた圧力制御弁としてのリリ
ーフ弁がリリーフして作動油の温度(以下、油温ともい
う)が上昇する。そのような掴み作業を荷を移送させる
のに支障のない程度までほぼ又は完全に閉じられる状態
になるまで長時間又は何回も繰り返すと油温は益々上昇
する。そうなると、油圧ポンプ、切換弁、圧力制御弁、
油圧シリンダ、油圧配管などの油圧機器の寿命が著しく
低下する。例えば、油温が上がればゴム製品であるオイ
ルシール等のシール部材の劣化が激しくなり、そのため
に油漏れが生じてポンプ等のトラブルの原因となり連続
運転の支障となる。また、油圧式グラブバケットが電動
式油圧グラブバケットである場合ではリリーフを長時間
或いは頻繁に繰り返すと電動機の発熱も大きくなり、当
該発熱による電動機の平均出力不足となり出力の大きい
電動機を採用せねばならないという不都合もある。
機器に吊り下げられるものであるので軽量でコンパクト
な構成とすることが大前提であり、グラブバケットに内
蔵されるオイルタンクの容量を大きくすることは困難で
であり限度があり、また、オイルクーラ等の冷却器を設
置するスペースを確保するのは困難であり、かつ、グラ
ブバケットには衝撃荷重が頻繁に加わる状況から実用的
なクーラがない。
油圧式グラブバケットにおいては荷掴み時の作動油の温
度上昇抑制対策は重要であり、特に24時間といった連
続使用される油圧式グラブバケットでは油温の上昇防止
を確実に図る必要がある。なお、油温上昇の原因として
は油圧ポンプの圧縮作用による発熱や、例えばバケット
の開閉動作停止時など、タンデムセンター形とした切換
弁を中立状態として切換弁を通してポンプ吐出油をタン
クに戻して循環させる、所謂、作動油の遊休循環中の油
の発熱による油温上昇もあるが、前記のようにバケット
で荷を掴む作業中において高圧を作用させてバケットを
閉じ動作させるとき、リリーフ弁による加圧油のリリー
フ作動による熱発生の影響が最も大きいものとなる。
作時の油温上昇防止方法についてより具体的に説明す
る。先ず、電動油圧式グラブバケットに適用されている
従来の油圧制御回路について説明する。図8は油圧制御
回路の第1の従来例であり、図9は油圧制御回路の第2
の従来例、図10は油圧制御回路の第3の従来例であ
る。
の電動油圧式グラブバケットに用いられるものである。
図8において、1は油タンク、2は吸込管、3は電動機
Mで回転駆動される油圧ポンプ、4は油圧ポンプに接続
された吐出管、5は吐出管4から分岐されて末端をタン
ク1に連絡された回路圧設定用のリリーフ弁である。6
は該吐出管4の末端に接続されバケット開閉用油圧シリ
ンダ9の閉じ側、即ち、ヘッド側室9aと開き側、即
ち、ロッド側室9bへ作動油を切り換え供給する切換弁
であり、この切換弁はそのセンター部分6cは中立位置
でポンプポートPとタンクポートTが連通状態とされる
タンデムセンター形電磁切換弁とされている。7は油圧
シリンダ9の閉じ側9aへ連絡した圧油供給管、8は油
圧シリンダ9の開き側9bへ連絡した圧油供給管であ
る。
の電動油圧式グラブバケットに適用されるものであり、
図9において図8と同一又は相当する部分は同一符号を
付した。第1従来例に比べて、リリーフ弁5の代わりに
逆止弁(チェック弁)11Aを内蔵した逆止弁付リリー
フ弁5Aが用いられており、また、タンデムセンター形
電磁切換弁6の代わりに電磁パイロット切換弁6Aが設
けられ、該弁6Aにポンプ吐出管4から分岐したパイロ
ット圧供給管4aが接続されている。該逆止弁11Aは
該パイロット圧供給管4aに所定のパイロット圧を立た
せるためのものである。
用の電動油圧式グラブバケットに適用されるものであ
り、図10において図8又は図9と同一又は相当する部
分は同一符号を付した。この従来例では油圧ポンプが2
ポンプ型(主ポンプ3、補助ポンプ3a)とされ、切換
弁は第2従来例と同様に電磁パイロット切換弁6Aとさ
れ、逆止弁3cを介装した該補助ポンプの吐出管3bか
ら分岐したパイロット圧供給管3dが該切換弁6Aに接
続されている。逆止弁3cはパイロット圧供給管3dに
所定のパイロット圧を立たせるためのものである。ま
た、圧油供給管8にはカウンタバランスモジュラー弁8
Aが介装されている。この弁8Aはバケットを開状態か
ら閉じるとき、油圧をシリンダ9のヘッド側室9aに供
給しロッド側室9bの油を管8を通してタンク1に逃が
すときにこのタンク1への逃げ油に抵抗を与えることに
よりバケットの重量が重い場合でもバケットが自重で急
激に閉じるのを防ぐためのものである。リリーフ弁は第
1従来例と同様なリリーフ弁5が用いられている。
用した圧力制御弁としてのリリーフ弁の構造を示してい
る。図11はリリーフ弁の原理を示した縦断面図であ
り、該リリーフ弁はバランスピストン形リリーフ弁(パ
イロット操作形リリーフ弁とも言われる)とされてい
る。13はポンプ吐出管4から分岐して接続された油流
入口、15はタンク接続口、20は回路圧を設定するパ
イロット弁であり21はその先端に取付けられたポペッ
ト、22は該ポペット21を弁座に押し付けているスプ
リング、23は設定圧調整ハンドルである。30はバラ
ンスピストン、31は該バランスピストンの先端を弁座
34に軽く押し付けているスプリング、32は該ピスト
ン30の油流入口13側とパイロット弁20側を連通す
る細孔(チョーク又はタンカンとも呼ばれる)、33は
該ピストン30中心部に貫通して設けられた油逃がし孔
でありパイロット弁側からタンク接続口15へ油を逃が
す細孔である。なお、図9の油圧制御回路のリリーフ弁
5Aは逆止弁11Aを内蔵したものであるが、パイロッ
ト弁20、バランスピストン30等からなる回路圧設定
部の構造原理は図11に示す構造と全く同様である。
路の作動を説明すると、第1従来例の回路の電動式グラ
ブバケットにおいては、電動油圧式グラブバケットのバ
ケットを全開としてクレーンで掴み荷であるゴミの上に
吊り降ろして着地させ、電磁切換弁6のsol.b を励磁さ
せて該切換弁6を閉じ側6aに入れると、油圧ポンプの
圧油がその吐出管4、切換弁6の閉じ側6a及び圧油供
給管7を介してバケット開閉用の油圧シリンダ9の閉じ
側(ヘッド側)9aに作用し、油圧シリンダ9のピスト
ンロッドが伸長してバケットが閉まり始め、その先端の
爪がゴミに食い込んで荷を掴み開始する。
ゴミがバケットによって掴まれる。その掴み量が適量で
あればバケットはリリーフ弁5で設定された油圧で閉じ
られ、そのままクレーンでグラブバケットを吊り上げて
所定の荷降ろし地点に移動させて電磁切換弁6のsol.a
を励磁させて今度はポンプ3の圧油を圧油供給管8を介
して油圧シリンダ9の開き側(ロッド側)9bに作用さ
せ、そのピストンロッドを縮めてバケットを開くとゴミ
が開放されて落とされ荷降ろしは完了する。しかし、グ
ラブバケットによる荷の掴みは高所からクレーン作業者
が盲運転で行うことが多く、このような場合では特に、
前記の如くバケットに適量の量を一度で掴めることは極
めて稀であり、殆どの場合掴み量がオーバーし掴み過ぎ
となる。
(オーバーロード)となり、ポンプから吐出される圧油
はリリーフ弁5の設定圧の範囲を越えることにより、パ
イロット弁20のポペット21が弁座から離れ始め、ポ
ペット21の前に位置する油室Wの油は油逃がし孔33
を通って徐々に油タンク1に逃げ始め、細孔(チョー
ク)32の作用で前記油室Wに通じたバランスピストン
30の上室Yの油圧に圧力低下を生じてバランスピスト
ン30の圧力平衡が崩れ、該ピストン30は図示で上方
に持ち上げられピストン下部の弁体が弁座34から僅か
に離れることにより、ポンプ吐出油がリリーフし、リリ
ーフした油はタンク接続口15から油タンク1に返され
る。
で僅かな量、吊り上げてゴミを少しづつ落とすことによ
り掴み過ぎを解消させるが、このようなグラブバケット
による荷掴み時の荷の掴み過ぎによる解消は短時間でな
かなか解消されることは少なく、リリーフ弁5はリリー
フを長時間続けることとなる。そうなると、油温が上昇
が激しくなりオーバーヒートする。なお、前記の通り油
圧式グラブバケットはクレーンの吊具であるのでコンパ
クトで重量が軽くかつ衝撃荷重に強いものが望まれる。
このような観点から油タンク1の容積は必要以上大きく
することができず限度があり、またオイルクーラの設置
も不可能である。また掴み過ぎがうまく解消されず、バ
ケットをまた開いて荷掴みをやり直すことにもなり、そ
うなるとリリーフ弁のリリーフ作用がさらに多くなり、
油温上昇がさらに激しくなる。
出願人の特許第1203532号(特公昭58−346
23号公報)で開示されている方法が更に採用されてい
る。この方法は荷掴み過ぎ時のリリーフ弁5のリリーフ
時間を電気回路で制限する方法であり、これを都市ゴミ
焼却工場での操作例を一例として、図8〜図9の回路図
及び図12に示した油圧ポンプ吐出圧変化を示すグラフ
とともに説明する。荷掴み運転操作は、ゴミの貯留ピッ
ト上での遠隔運転となる。グラブバケットは真上から見
て30乃至40m(メートル)下の位置で開閉するた
め、掴みの状況は見にくく勘に頼った操作となる。クレ
ーンを操作してバケットを開きそのまま巻き下げゴミの
上に着地させる。掴みを良くするために山盛りの上に着
地させるのがコツとなる。それより掴み操作となる。
させて該切換弁6を閉じ側6aに入れバケット閉じの操
作をし荷掴みを開始すると、大抵の場合、掴み過ぎとな
って途中で閉じきれなくなり油圧シリンダ閉じ側圧力は
リリーフ弁5、5Aの設定圧力(例えば175kg/cm2)とな
りリリーフ弁5より油がリリーフする。即ち、図12の
グラフの時刻t1 で該操作による荷掴みを開始するとゴ
ミを掴むにしたがってポンプ吐出圧、即ちシリンダ閉じ
側圧力は次第に上昇して行きゴミを掴み過ぎて閉じきら
なくなる(時刻t2 )と弁5、5Aの設定圧力PS でリ
リーフ弁5がリリーフする。そうすると、その時の油圧
ポンプ駆動用電動機Mの過電流を検知してタイマー計時
が開始されリリーフする時間tを所定時間(例えばt=
2〜5秒)内に制限する。そして該タイマー計時が終了
したら自動的に電磁切換弁6のsol.b の励磁を解き電磁
切換弁6を中立(図示の状態)とする(時刻t3 )。
油は該切換弁6のセンターバイパスを通って油タンク1
に戻され遊休循環状態とされる。そして、該リリーフ動
作の制限が解除され電磁切換弁6が中立に入れられると
ほぼ同時か、少し前にクレーンによりグラブバケットを
インチング巻き上げ(僅かな距離持ち上げる)し、ゴミ
をバケットから少しずつ落とす。バケットを少し持ち上
げてゴミを落とすことによりバケットにかかる負荷が少
なくなり、或いは、該切換弁6のスプールや油圧シリン
ダ9のピストンのパッキンからの漏れによって、該切換
弁6が中立にされた後に該切換弁6と油圧シリンダ9の
閉じ側室9aの間の管7に保持されている油圧(油圧ロ
ック)は徐々に降下し、所定時間後(時刻t4 )に電磁
切換弁6のsol.b の励磁して閉じに入れ再度バケットの
閉じ動作を行わせる。
3の油圧力は油圧シリンダ9の閉じ側室9aに入り油圧
ポンプ3の油圧力は少し経って油圧シリンダ9の閉じ側
圧力と同一になる。なお、図12のグラフにおいて点線
は油圧シリンダ9の閉じ側圧力の変化を示す。以降、バ
ケットが荷降ろし地点へ移動可能な状態の、ほぼ又は完
全に閉じられる迄(時刻tn )、同様な掴み操作を行い
荷掴みを完了する。荷掴みを完了後は電磁切換弁6は中
立に戻され遊休循環状態とされる。このように時刻t1
から時刻tn に至る間にバケットによるゴミの掴み過ぎ
による掴み直しを何回も行う。
ケットを所定距離上方に巻き上げてゴミ貯留ピットより
逃がし、焼却ホッパ等の荷降ろし地点へ移動させたり、
又はゴミ貯留ピット内での他の種類のゴミとの混合、攪
拌のため当該ゴミ貯留ピット内の他の地点に移動させ、
電磁切換弁6のsol.を励磁させて該切換弁6を開き側6
bに入れバケットを開いてゴミを排出し荷降ろしを完了
する。
回路及びそれを用いた荷掴み操作方法では、荷掴み過ぎ
時のリリーフ弁5のリリーフ時間は制限されリリーフに
よる油の発熱、所謂、油温上昇は抑える試みが成されて
はいるものの、荷掴み操作が一定化し難く、即ち、ゴミ
を掴み過ぎて過負荷になりリリーフ弁がリリーフすると
クレーンのインチング巻上操作でグラブバケットを僅か
に少し持ち上げてバケットからゴミを少しずつ落としな
がら負荷を調整するのであるが運転に慣れないとゴミを
落とし過ぎ掴みを最初からやり直すことがしばしば起き
るため、荷掴み操作が不確実である。このため、このよ
うな掴み過ぎによる掴み直しに起因する図12に示すよ
うなリリーフ動作を何回も繰り返さざるを得ない。この
ため、油温上昇を抑えきれず連続運転に支障となってい
た。
で矩形状にハッチングした部分の油のもつエネルギーは
ほとんど熱に変わる。リリーフ弁5、5Aはリリーフ時
に油流入口13室の圧力を設定圧力に保持できる程度に
そのピストン30下部の弁体が弁座(シート)34から
僅かに離れた状態となり、加圧油はここの絞り抵抗を受
けてタンク接続口15へ戻されるので、油の持つエネル
ギーが殆ど熱に変化して油温を上昇させる。このような
リリーフ作動は油温を上げる最も大きい要因となる。
0mの高所でのバケット操作となるため掴みの状況は見
にくく勘に頼った運転となるため、該リリーフ動作を、
例えばゴミを掴んで荷降ろし地点へ移動させて元の掴み
位置に帰り掴み動作するまでの1サイクル〔例えば90
〜150秒。なお、この時間はゴミピット内での移動、
混合・攪拌の有無など経る工程で上下する。〕の間に1
0〜15回というように多数回繰り返し行わざるを得
ず、しかも、そのような掴み操作による運転を24時間
連続して行わねばならないという状況にあり、従って油
温上昇が激しく、オーバーヒートすることがしばしば起
こる。なお、このような作動油のオーバーヒートは不慣
れな掴み操作運転ではなお一層頻繁に起こる。このよう
なリリーフ作動による作動油の発熱は使用状況、機種等
により差はあるが発生熱量の60乃至70%を占めてい
る。
熱を防ぐために、リリーフ弁5、5AのベントポートV
に油タンク1とリリーフ弁のベントポートVを連通又は
遮断可能にする電磁切換弁を接続して設けると共に、圧
力スイッチを油圧シリンダの閉じ側9aに接続して設
け、閉じ側9aの回路圧が設定値以上になると圧力スイ
ッチの検知により電磁切換弁入れてベントポートVを油
タンク1に連通させて大気開放させてリリーフ弁のピス
トン30の弁体を弁座から離させ、所謂、リリーフ弁を
アンロードさせる方法もあるが、この方法は電気配線工
事、電線が追加となる、作動のタイムラグが出てリリー
フする、電気回路での制御であるので信頼性が落ちるな
どの問題があり好ましくない。
操作方法の問題点に鑑みてなされたものであり、ゴミ、
燃焼灰等の掴み物(荷)の掴み動作中の作動油の温度上
昇を著しく、かつ、効果的に抑制することができ、ま
た、掴み物の掴み操作を容易確実にかつ能率化し得る油
圧式グラブバケットの荷掴み運転操作方法及びその方法
に用いる油圧式グラブバケットの油圧制御回路を提供す
ることを目的とする。
に本発明は、
操作方法として、油圧ポンプの吐出管に接続されバケッ
トを閉じ側と開き側に切り換える切換弁を介し圧力制御
弁によって所定圧力を設定された状態で作動油を油圧シ
リンダに作用させてバケットを閉じることによりゴミ等
の荷を掴む油圧式グラブバケットの荷掴み運転操作方法
であって、前記圧力制御弁としてアンロード弁形の圧力
制御弁を用い、バケットを荷上に着地させた後、前記切
換弁を閉じ側に入れてバケットの閉じ動作を開始させて
荷掴みを開始し、バケットが荷を掴んだ後、バケットを
揚重機で吊り上げ開始するようにし、かつ、該切換弁は
バケットがほぼ又は完全に閉じるまでは閉じ側に入れた
状態を保持し、該アンロード弁形の圧力制御弁は、当該
バケットが荷を掴み開始してほぼ又は完全に閉じるまで
の間のバケット閉じ動作中において、荷の掴み過ぎによ
り油圧シリンダ閉じ側圧力が上昇して該弁の所定のカッ
トアウト圧力に達したら自動的にポンプ吐出油を油タン
クに逃がしてポンプをアンロードさせ、その後、バケッ
ト吊り上げによる荷こぼれによるバケット閉じ負荷の減
少により油圧シリンダの閉じ側圧力が低下して該弁の所
定のカットイン圧力に低下したら自動的にポンプ吐出油
を油圧シリンダの閉じ側に供給させてポンプをオンロー
ドさせるように作用させるようにして、該アンロード動
作と該オンロード動作をバケットの閉じ動作中にポンプ
に繰り返し行わせることによりバケットを閉じさせるよ
うにし、バケットがほぼ又は完全に閉じたら該切換弁を
中立に戻して荷掴みを完了する構成とした。
圧制御回路として、油圧ポンプと、該油圧ポンプの吐出
管に連結されバケット開閉用油圧シリンダへ該油圧ポン
プの吐出油を該油圧シリンダのバケットを閉じる側と開
く側に切り換え供給する切換弁と、該油圧ポンプの吐出
管に接続され該油圧シリンダの作動圧を設定する圧力制
御弁とを備え、該圧力制御弁が、油流入口よりも下流位
置で該切換弁との間のポンプ吐出管に介装されるように
設けられ油圧シリンダ閉じ側の作動油の逆流を防止する
逆止弁と、先端にポペット弁を有しシリンダ閉じ側のア
ンロード圧力を設定するパイロット弁と、一端側が該逆
止弁より下流位置のポンプ吐出管と連通する細孔通路の
端部の油室に臨まされ他端側が該ポペット弁と当接可能
なようにポペット弁と同軸的に配置され弁体に摺動自在
に嵌装されたプランジャーと、一端側が該油流入口に臨
まされて端部に該油流入口とタンク接続口とを連通又は
遮断させる弁部を有し他端側が該ポペット弁と該プラン
ジャーの間の油室に連通した油室に臨まされ、該パイロ
ット弁と該タンク接続口を連通するように中心部に貫通
して設けた油通路を有し、該ポペット弁と該プランジャ
ーの間の油室に連通した油室と該油流入口を連通する細
孔を備え、弁体に摺動自在に嵌装されたバランスピスト
ン、とから構成されるアンロード弁形の圧力制御弁であ
る油圧式グラブバケットの油圧制御回路であって、該切
換弁はバケットが荷上に着地された後に閉じ側に入れら
れてバケット閉じ動作を開始させ荷掴みを開始させると
共に、バケットがほぼ又は完全に閉じるまでの間はバケ
ット閉じ側に入れた状態を保持される構成とし、バケッ
トは荷を掴んだ後吊り上げ開始され、該バケットがほぼ
又は完全に閉じるまでの間は該アンロード弁形圧力制御
弁は、荷の掴み過ぎにより油圧シリンダ閉じ側圧力が上
昇してその所定のカットアウト圧力に達したら自動的に
ポンプ吐出油を油タンクに逃がしてポンプをアンロード
させ、その後、バケット吊り上げによる荷こぼれによる
バケット閉じ負荷の減少により油圧シリンダ閉じ側圧力
が低下して所定のカットイン圧力に低下したらポンプ吐
出油を自動的に油圧シリンダ閉じ側に供給させてポンプ
をオンロードさせるようにして、該アンロード動作と該
オンロード動作をバケットの閉じ動作中にポンプに繰り
返し行わせてバケットを閉じさせるようにし、バケット
がほぼ又は 完全に閉じたら該切換弁を中立に戻して荷掴
みを完了する構成とした。
圧式グラブバケットの実施例の正面図、図2は電動油圧
式グラブバケットの右側面図、図3は電動油圧式グラブ
バケットに適用される油圧制御回路の第1実施例、図4
は電動油圧式グラブバケットに適用される油圧制御回路
の第2実施例、図5は電動油圧式グラブバケットに適用
される油圧制御回路の第3実施例、図6は図3〜図5の
回路に適用されるアンロード弁形圧力制御弁としてのア
ンロードリリーフ弁の原理及び構造を示した縦断面図、
図7は本発明による荷掴み操作方法による荷掴み時の油
圧ポンプの吐出油の圧力変化状態を示すグラフである。
れる油圧式グラブバケットとしての電動油圧式グラブバ
ケットの全体構造について説明すると、電動油圧式グラ
ブバケット50は、ガーダ51の下部に支持固定された
軸52に上端を回転自在に枢支されて取付けられた左右
一対のバケット53と、該バケット53の該軸枢支点よ
りも上位置のバケット53の上端部において左右のバケ
ットの間に両端をピンにより回動自在に枢支されて掛け
渡たされた油圧シリンダ9と、ガーダ51の上部に設置
された油圧ポンプユニット60、から主要部が構成され
ている。61は油タンクに取付けた温度計付油面計、5
7は左右のバケットの間に両端をピンで回動自在に枢支
されて取付けられ一対のバケットを中心線CLに対して
対称的に開閉させるための連結バーである。バケット5
3は底部に爪54を複数本(本実施例では4本)間隔を
おいて有して正面視で外形をほぼL字型に形成され、そ
の略中間高さ位置の外側に補助爪(側部ストッパ)56
有している。
性体で構成されたバッファ55が回転可能に取付けられ
ており、グラブバケット50が壁等に衝突したときでも
衝撃を吸収可能なように構成されている。58はガーダ
51に固着されて設けられた吊下材であり、該吊下材5
8のピン部にチェーンが連結されてクレーンによってグ
ラブバケット50が吊り上げられ、又は、吊り下げられ
る。59は油圧ポンプユニット60に内蔵された油圧ポ
ンプ等の電動機、その他の油圧機器の制御器等の電気機
器へ電気を供給するためのキャブタイヤケーブルであ
る。
は油圧シリンダ9を作動させることにより左右一対のバ
ケット53、53がそれぞれ軸52、52を回動中心と
して中心線CLに対して対称的に回動されることにより
開閉される。図1では全閉位置(状態)を実線で示し全
開位置(状態)を2点鎖線で示している。バケット5
3、53が完全に閉じられた状態では爪54の先端の間
に所要の間隔Dが持たれている。
されるバケット53開閉用の油圧制御回路について説明
する。図3は油圧制御回路の第1実施例を示し、前記図
8の第1従来例に対応する回路であり、小型の電動油圧
式グラブバケット50に適用するものである。本図にお
いて図8と同一又は相当する部分には同一符号を付しそ
の説明は省略する。
には、詳細を図6等において後記するバランスピストン
30及びパイロット弁20で構成される圧力制御弁本体
部5の油流入口13への接続点と電磁切換弁6との間の
部分に、逆止弁(チェック弁)11が介装されて設けら
れ、さらに該逆止弁11の下流位置には、即ち逆止弁1
1と電磁切換弁6の間のポンプ吐出管4には、パイロッ
ト弁20のポペット21と同軸的に設けられるアンロー
ド用プランジャー16の一端側の頭部(X室)に回路圧
を作用させるためのパイロットライン12の一端が接続
されている。なお、図3において2点鎖線で囲んで符号
5で示す部分は前記圧力制御弁本体部5を構成するもの
で図8におけるリリーフ弁5に相当する部分を示してい
る。
弁11、及び、アンロード用プランジャ16を内蔵した
パイロットライン12はアンロード弁型圧力制御弁とし
てのアンロードリリーフ弁10を構成する。図3におい
て該アンロードリリーフ弁10に相当する部分を1点鎖
線で囲んで示した。図6にそれらを一体的に組み合わせ
た弁としての構成を示している。なお、この図3の実施
例ではアンロードリリーフ弁10をポンプ吐出管4に取
付けた以外は図8の油圧回路と同様の構成とされてい
る。
弁10について説明する。なお、前記図11のリリーフ
弁5と同一又は相当する部分には同一符号を示し説明を
省略する。アンロードリリーフ弁10の弁体には、先端
にポペット21を備えたパイロット弁20とバランスピ
ストン30が圧力制御弁本体部として備えられておりこ
の部分は前記図11のリリーフ弁5と同様な構成とされ
ている。そして、ポンプ吐出管4に接続される油流入口
13と、該油流入口13と電磁切換弁6との間のポンプ
吐出管4に接続される油圧回路接続口14との間には、
スプリング11aを内装した逆止弁11(11A)が設
けられ、さらに前記パイロット弁20の先端のポペット
21と対向しかつ該ポペット21と油室Wにおいて当接
可能なようにアンロード用のプランジャー16が該ポペ
ット21と同軸的に弁体に摺動可能に内装され、かつ該
プランジャー16の該ポペット21と反対側の一端側に
は油室Xが形成され、該油室Xにはパイロット圧導入通
路12(図3におけるパイロットライン12に相当す
る)が連通して接続されている。該パイロット圧導入通
路12の弁体端部はパイロット圧導入口12Aとされ
る。
0の作動を説明すると、アンロード圧力はパイロット弁
20でそのハンドル23の回転によりポペット21を弁
座に押し付ける力を調整することにより設定される。図
6の状態は、未だ回路圧が弁の設定圧力に達していな
い、いわば、バケット53が、荷を掴んでいる途中、或
いは荷を開放するときの、正常に開閉するときの状態を
示し、逆止弁11が開いて、油流入口13(即ち、油圧
ポンプ3)より回路接続口14側(即ち、切換弁6側、
油圧シリンダ9側等)へ圧油が流れ込んでいる状態を示
している。このときは油室X、Z、Y、Wの圧力は同等
であり、パイロット弁20のポペット21及びバランス
ピストン30はそれぞれ弁体を弁座に着座しており、ま
たプランジャー16は圧力平衡状態となっておりポペッ
ト21から離れて位置している。
ト53の荷掴み負荷が増大して油圧シリンダ9の閉じ側
圧力が増大し、Z室、Y室及びW室の圧力が上昇し(な
おY室とW室の圧力は等しい)て制御弁の設定圧力(カ
ットアウト圧力)となると、ポペット21はスプリング
22の力に抗して弁座から押し離されZ室の油はチョー
ク32を通ってY室に流入し、さらにポペット21とそ
の座の間に形成された開口を通ってピストン30の中央
部の細孔33を通ってタンク接続口15側へ流れ油タン
ク1に戻される。このとき、ピストン30はY室がチョ
ーク32の作用で圧力低下を生じることによりY室の上
方に押し上げられその弁体が座34から離されて油流入
口13とタンク接続口15が連通され油流入口13の油
はタンク接続口15へと流される。
入口13)と油室Y(W)の圧力はさらに降下し、油室
Xの圧力(即ち回路接続口14側圧力)が油室Y(W)
の圧力よりも高くなった時点で逆止弁11は閉じられ回
路側の圧力は保持される。これと同時に油室Xと油室W
においてそれぞれプランジャー16の端面に作用する圧
力の平衡状態が崩れ、プランジャー16に図示で右方向
の推力が作用してプランジャー16はさらにスプリング
22の力に抗してポペット21を押しポペット21は座
から更に離される。これにより、Y室の圧力はさらに低
下し、同時にピストン30はその弁体が座34から大き
く離され、該弁体はその座34に対して大きく開口す
る。これにより、ポンプ吐出油は抵抗なく油タンク1へ
返されポンプ3はアンロード状態(無負荷運転)とされ
る。
に作用している回路側圧力(回路接続口14及びパイロ
ット圧導入口12A側の圧力)が次第に降下してきてカ
ットイン圧力になるまで続けられる。なおこのカットイ
ン圧力はカットアウト圧力の略80〜85%となるよう
にポペット21の座面積、プランジャー16の断面積等
が決められる。回路側圧力がカットイン圧力まで降下す
ると、プランジャー16はパイロット弁20のスプリン
グ22の圧縮力により図中左方向に押し戻されると共に
該パイロット弁20のポペット21も着座し、油室Y、
Zの圧力はチョーク32により同圧になる。そしてピス
トン30はその弁体がスプリング31の作用で弁座34
に着座されると共に逆止弁11が開かれて図6に示した
状態に自動的に復帰し、油圧ポンプ吐出油は油流入口1
3より回路接続口14側へ供給され油圧ポンプ3はオン
ロード状態とされる。以降、以上の作動を繰り返す。
リーフ弁5に比してポペット21を押し下げるアンロー
ド用プランジャー16が内装されていることにより、カ
ットアウト圧力に達するとピストン30の弁体が座34
から大きく離れて油流入口13がタンク接続口15に対
して大きく開口して油圧ポンプ3はアンロード状態とさ
れ、油タンク1への戻り抵抗は殆どなく、リリーフ弁5
がリリーフ動作するときのように加圧油が絞り抵抗を受
けて弁体からタンク側へ戻されることがないので、油の
発熱は殆ど起こることがなく油温上昇は問題とならな
い。
御回路を用いた電動油圧式グラブバケット50による荷
掴み運転操作方法を図7の荷掴み時の油圧ポンプの吐出
油の圧力変化状態を示すグラフとともに説明する。なお
この運転操作方法は前述の従来の方法と同様に都市ゴミ
焼却工場におけるゴミを掴む場合について説明する。
あり、この状態で電動機Mを始動し油圧ポンプ3を駆動
すると、油圧ポンプ吐出油は吐出管4を通り切換弁6を
通ってタンク1に戻り遊休循環される。そして、クレー
ンを高さ30乃至40mのゴミ貯留ピット上で操作しグ
ラブバケット50を吊り下げて来てゴミ貯留ピットのゴ
ミの上にバケット53を全開の状態で着地させる。そう
するとバケットの爪54の先端がゴミの中に食い込みバ
ケットは沈み込むようになる。そして、電磁切換弁6の
sol.b を励磁させて切換弁6を閉じ側6aに入れる(図
7のグラフの時刻t1 )と、ポンプ吐出油は管7を通り
油圧シリンダ9の閉じ側室9aに送られてバケット53
は閉じ始め、ゴミの掴みが開始される。
力)は上昇して行き、大抵の場合はバケット53が閉じ
る途中で掴み過ぎとなり閉じきれなくなる。このとき、
閉じ側回路圧力がアンロードリリーフ弁10の設定圧の
カットアウト圧力Pout (例えば例えば210kg/cm2)に達
する(時刻t2 )とアンロードリリーフ弁10が前述の
ようにカットアウトし、即ち、バランスピストン30の
弁体がその弁座34から大きく離されポンプ3の吐出油
は抵抗なくタンク1に戻されてポンプ3はアンロードさ
れる。しかして、該電磁切換弁6は前記荷掴み開始時
(時刻t1 )に閉じ側6aに入れられた後はバケット5
3、53が吊り上げられてゴミ降ろし点まで移動可能な
状態のほぼ又は完全に閉じるまでの荷掴み動作が完了す
るまで(時刻tn まで)はその閉じ側に入れた状態が保
持される。それによって、油圧シリンダ9の閉じ側室9
aと逆止弁11との間の管路7、4は圧油が保持された
状態、即ち、油圧ロック状態とされる。
ゴミ掴みを開始してバケットがゴミを掴んだ後、時刻t
2 に至る間においてクレーンを巻き上げ操作してグラブ
バケット50を吊り上げ開始する。そうすると、掴み過
ぎたゴミの一部がバケット53、53から落ちる。それ
によりバケットの閉じ負荷が少なくなり、或いは、該切
換弁6のスプールや油圧シリンダ6のピストンのパッキ
ンからの漏れがあれば、図7のグラフに点線で示すよう
に、前記シリンダ閉じ側圧力である管路7、4の油圧ロ
ックの圧力が下がり、アンロードリリーフ弁10のカッ
トイン圧力Pin(例えば175kg/cm2)になる(時刻
t3 )。そうすると、該弁10が前述のような作動によ
り自動的にカットインし、油圧ポンプ3はオンロードに
なりポンプ吐出油は油圧シリンダ9の閉じ側室9aに供
給されて流れ込み、バケット53を再度閉じようとす
る。
としてほぼ又は完全に閉じきらないときには、アンロー
ドリリーフ弁10はまたカットアウトしポンプ3はアン
ロード状態となり、以下、同様な作動を自動的に繰り返
し、この間にバケット53のゴミは徐々に少なくなって
いき、最終的に時刻tn でバケット53は、該バケット
53を吊り上げて移動できる状態の、ほぼ又は完全に、
閉じられて掴み完了とされる。その後、グラブバケット
50をクレーンである距離巻き上げてそこで切換弁6を
中立に戻して掴み動作は最終的に完了となる。該切換弁
6を中立に戻した後はポンプ3の吐出油は切換弁6の中
立位置6cのセンターバイパスを通ってタンク1に返さ
れて遊休循環される。
いるときの管路7、4の油圧ロック圧力、即ち、アンロ
ード圧力は、アキュムレータ(蓄圧器)が無くても急激
に降下したり早く降下したりすることはなく、アンロー
ドリリーフ弁10のカットイン圧力にすぐ下がってアン
ロードリリーフ弁10がオン、オフを繰り返してハンチ
ングを起こすようなことは防がれる。即ち、掴み物が本
実施例のようにゴミである場合や燃焼灰等である場合は
圧縮性があり、また、掴み物が重い場合は、バケット5
3やその爪54に反力が作用することにより、それがバ
ケットを開く方向に作用する。従って、シリンダ閉じ側
にロックされた圧油はシリンダ9のピストンにより圧縮
されるので蓄圧器の作用をし、圧力降下が少なくされ
る。
び、それを用いたゴミ掴み運転操作方法によると、バケ
ット53がほぼ又は完全に閉じるまでの間において、切
換弁6を閉じ側にいれた状態を維持し、かつ、アンロー
ドリリーフ弁10のカットアウト、カットイン動作を利
用することにより、ゴミ掴み操作を自動的に行わせるこ
とができる。従って、掴み操作が容易になり、熟練もさ
ほど必要とせず、作業能率が著しく向上する。即ち、従
来の掴み操作のように、そのリリーフ作動時間の制限工
程、切換弁を中立に戻す工程、さらにその後の切換弁を
閉じ位置に入れる工程に代えてアンロードリリーフ弁に
自動的に掴み操作をさせるので掴み操作が著しく容易に
なり、掴み効率の向上が計られ、掴み工程が大幅に短縮
される。
熱量の60〜70%を占めていたリリーフ作用がなくな
り油温上昇の最大の要因をなくすることができ、従来の
リリーフ弁を採用した掴み方法に比べてリリーフに依る
熱発生をなくして油温上昇を大幅に減少することがで
き、24時間といった連続運転をさせることが容易に可
能になる。なお、従来の掴み操作においてサイクル時間
が約80秒の場合で、リリーフ時間tを2秒としリリー
フ回数を10回繰り返す場合、大気温度0℃の場合での
油温の一例は、約103℃となる。これに対して本発明
のリリーフ作動のない掴み操作の場合では、サイクル時
間は約60秒となり、油温は約24℃となり、従来の操
作方法に比べて油上昇温度を約四分の一に抑えることが
できる。
短縮される。また、リリーフ作動時間を制限したり、リ
リーフ弁のベント回路を電磁弁でオン、オフさせてアン
ロード、オンロードする方法のように電気回路を用いる
ものでなく、油圧式でアンロード、オンロードを繰り返
す方法であるので装置的に信頼性が高い。さらに、掴み
勝手も従来の方法よりも良くなる。電磁切換弁6を閉じ
に入れたままでも圧力がアンロードリリーフ弁10のカ
ットアウト圧力とカットイン圧力では約15〜20%で
あり、210kg/cm2 でカットアウト、約175kg/cm2 でカッ
トインとなり、従来のように繰り返し閉じの操作をしな
くても良く、また連続リリーフさせながら使用するのと
ほとんど同一に使用することができる。
ので、従来のような掴み時のクレーンのインチング巻き
上げ操作は必要なく、バケット閉じと同時にクレーンを
巻き上げ一度の操作でゴミの掴みをすることができる。
このことも掴みの効率向上、時間の短縮にもつながる。
また、油温度が下がるので油圧機器の寿命が延び、油漏
れも無くなるので連続使用、運転が十分に行える。そし
て、グラブバケット50はクレーンに吊るため軽量でコ
ンパクトが大前提であるが、オイルクーラ等の冷却器を
取付ける必要性は無く、また、油圧タンクも小さくする
ことができる。バケット53に対しても従来の操作では
1回の掴みに対して何度かの掴み直しを行うのでその分
バケットに加わる荷重回数も何回にもなり疲れ限度が低
下する。その分、バケット構成素材の鉄板等の厚みが厚
くなり重量も重くなる。しかし、本発明ではそれを解消
することができる。以上によりグラブバケット50をコ
ンパクトにし軽量化することができる。
省エネにつなげることができる。即ち、油圧ポンプの電
動機Mの熱発生も少なくなり、電動機の平均出力も少な
くてすみ、電動機の大きさを一段下げられるようにな
る。また、それにより細いキャブタイヤケーブル59、
小型のケーブルリール等が使用できる。
は従来公知の弁であるが、本発明では、この弁10と、
掴み動作中は切換弁6を閉じに入れた状態に維持して掴
み動作を継続させる構成とを組み合わせた構成とし、か
つ、該弁10の自動的に行われるカットアウト、カット
イン動作をバケットの掴み動作に組み入れた構成を特徴
とするものであり、非常に簡単な構成の油圧制御回路を
もって上記のように優れた作用効果を奏するゴミ掴み操
作方法を実施することができる。
したリリーフ弁5を備えた従来の油圧回路に逆止弁1
1、アンロード用プランジャ16を内蔵したパイロット
ライン12を付設して改造することにより本発明を容易
に構成することができる。即ち、図6に2点鎖線で境界
を示すように、バランスピストン30部及びパイロット
弁20部で構成される圧力制御弁本体部5からなる既設
のリリーフ弁ブロックR(5)にパイロット圧導入通路
及びプランジャ16を内蔵したブロックPを一体的に取
付けると共に、逆止弁11をポンプ吐出管4に介装させ
るか、又は、ブロックC(11)として該ブロックC、
ブロックRと一体的に取付けることで行える。
ときなどには、図6に示すような一体型に形成されたア
ンロードリリーフ弁10を採用することができる。な
お、一体型のアンロードリリーフ弁10にあっては図6
の二点鎖線で示すようにパイロット圧導入通路12はそ
のパイロット圧導入口12Aを盲とし弁体の内部に通路
12a又は12bを形成したものであってもよい。
前記図9の第2従来例に対応する回路であり、中型の電
動油圧式グラブバケット50に適用するものである。本
図において図9と同一又は相当する部分には同一符号を
付しその説明は省略する。この実施例では従来既設の逆
止弁付きリリーフ弁5Aの逆止弁11Aおよびバランス
ピストン30部及びパイロット弁20部で構成された圧
力制御弁本体部5をそのまま流用し、アンロード用プラ
ンジャー16を内装したパイロットライン12だけを追
加設置してアンロードリリーフ弁10を構成するように
したものである。即ち、この実施例では図6において既
設のバランスピストン30部及びパイロット弁20部で
構成された圧力制御弁本体部5にパイロット圧導入路及
びプランジャ16を内蔵したブロックPを一体的に取付
けるだけでよく、本発明を容易に実施することができ
る。
前記図10の第3従来例に対応する回路であり、大型の
電動油圧式グラブバケット50に適用するものである。
本図において図10と同一又は相当する部分には同一符
号を付しその説明は省略する。この実施例はアンロード
リリーフ弁10は図3の実施例と同様に既設のリリーフ
弁5に逆止弁11とパイロットライン12を追加設置す
ることにより、本発明を実施することができる。即ち、
図6においては既設の圧力制御弁本体部5にパイロット
圧導入路及びプランジャ16を内蔵したブロックPと、
逆止弁ブロックCを取付ければよい。
制御弁がアンロードリリーフ弁10である場合について
説明したが、本発明ではアンロードリリーフ弁10の代
わりに一般のアンロード弁、又は、シーケンス弁を適用
することもできる。
1、2に示されるものについて説明したが、本発明はこ
のものに限らずあらゆる形式のバケットを備えた油圧式
グラブバケットに適用することができる。また、油圧式
グラブバケットが油圧ポンプ駆動用原動機が電動機であ
る電動油圧式グラブバケットである場合について説明し
たが、本発明は、該原動機をディーゼルエンジン或いは
ガソリンエンジン等のエンジンとしたエンジン油圧式グ
ラブバケットである場合であってもよい。さらに、掴み
物(荷)としては都市ゴミについて説明したが、この掴
み物に限られるものでなく、燃焼灰、粉粒体、燃焼灰、
ヘドロ等、その他種々の掴み物に対して適用することが
できる。
特許請求の範囲に記載したような構成としたので、ゴミ
や燃焼灰等の掴み物(荷)の掴み動作中において、リリ
ーフ作動がなくなるため、従来のように油がオーバーヒ
ートするようなことはなく、作動油の温度上昇を著し
く、かつ、効果的に抑えることができる。これにより2
4時間といった連続操業であっても、また、使用頻度が
激しくても支障なく荷掴み運転を行うことができる。
となり、掴み作業能率が著しく向上し、また、掴み運転
のサイクル時間が著しく短縮される。即ち、従来のよう
にリリーフによる熱発生がなくなるので、掴み時のクレ
ーン等の揚重機器によるインチング巻き上げ操作でな
く、高さが30〜40mもあるゴミ貯留ピットでその上
部で揚重機器を盲運転同然に操作してゴミ等の掴み運転
をせざるを得ない場合でもバケット閉じと同時に揚重機
器で巻き上げ、一度操作するだけ(切換弁を掴み操作位
置に入れるだけ)で掴みが行え、グラブバケットの使い
勝手が著しく向上する。また、従来の操作のように特に
熟練は必要とせず、掴み操作が容易に行われる。
等の油圧機器の寿命が延び、配管接続部、シリンダ等の
シール部からの油漏れが起こらず、油圧ポンプ等のトラ
ブルの原因もなくなる。また、油タンクを小さくするこ
とができ、オイルクーラ等の冷却器も必要でなく、油圧
式グラブバケットを軽量でかつコンパクトに構成するこ
とができる。グラブバケットはクレーンの吊具であるの
でコンパクトで重量が軽く衝撃荷重に強いものが望ま
れ、油圧式の場合はバケット開閉のための油圧源を電動
機、エンジン等をグラブバケット本体に内蔵して駆動回
転させるので特にその特性を要求されるものであるが、
これを十分に満たすことができる。
く、アンロード弁形圧力制御弁自体による油圧制御であ
るので制御信頼性は高く、かつ、非常に簡潔かつ簡単な
油圧制御回路構成をもって、また、リリーフ弁を備えた
既設の油圧回路では逆止弁とアンロード用プランジャー
を取付けて改造するだけで、また、逆止弁付きリリーフ
弁を備えた既設の油圧回路ではアンロード用プランジャ
ーを取付けて改造するだけで、容易に本発明を実施する
ことができ、上記のように荷掴み時の従来の欠点を改善
して多大の効果を奏するようにすることができる。この
ため経済的な効果も大きい。
の実施例の正面図である。
御回路の第1実施例である。
御回路の第2実施例である。
御回路の第3実施例である。
ード弁形圧力制御弁としてのアンロードリリーフ弁の原
理及び構造を示した縦断面図である。
出油の圧力変化状態を示すグラフである。
御回路の第1の従来例である。
御回路の第2の従来例である。
制御回路の第3の従来例である。
制御弁としてのリリーフ弁の原理及び構造を示した縦断
面図である。
出油の圧力変化状態を示すグラフである。
通路) 13 油流入口 14 油圧回路接続口 15 タンク接続口 16 プランジャー 20 パイロット弁 21 ポペット 30 バランスピストン 34 弁座(バランスピストン) W、X、Y、Z 油室 50 電動油圧式グラブバケット 53 バケット 54 爪(つめ)
Claims (2)
- 【請求項1】 油圧ポンプの吐出管に接続されバケット
を閉じ側と開き側に切り換える切換弁を介し圧力制御弁
によって所定圧力を設定された状態で作動油を油圧シリ
ンダに作用させてバケットを閉じることによりゴミ等の
荷を掴む油圧式グラブバケットの荷掴み運転操作方法で
あって、前記圧力制御弁としてアンロード弁形の圧力制
御弁を用い、バケットを荷上に着地させた後、前記切換
弁を閉じ側に入れてバケットの閉じ動作を開始させて荷
掴みを開始し、バケットが荷を掴んだ後、バケットを揚
重機で吊り上げ開始するようにし、かつ、該切換弁はバ
ケットがほぼ又は完全に閉じるまでは閉じ側に入れた状
態を保持し、該アンロード弁形の圧力制御弁は、当該バ
ケットが荷を掴み開始してほぼ又は完全に閉じるまでの
間のバケット閉じ動作中において、荷の掴み過ぎにより
油圧シリンダ閉じ側圧力が上昇して該弁の所定のカット
アウト圧力に達したら自動的にポンプ吐出油を油タンク
に逃がしてポンプをアンロードさせ、その後、バケット
吊り上げによる荷こぼれによるバケット閉じ負荷の減少
により油圧シリンダの閉じ側圧力が低下して該弁の所定
のカットイン圧力に低下したら自動的にポンプ吐出油を
油圧シリンダの閉じ側に供給させてポンプをオンロード
させるように作用させるようにして、該アンロード動作
と該オンロード動作をバケットの閉じ動作中にポンプに
繰り返し行わせることによりバケットを閉じさせるよう
にし、バケットがほぼ又は完全に閉じたら該切換弁を中
立に戻して荷掴みを完了することを特徴とする油圧式グ
ラブバケットの荷掴み運転操作方法。 - 【請求項2】 油圧ポンプと、該油圧ポンプの吐出管に
連結されバケット開閉用油圧シリンダへ該油圧ポンプの
吐出油を該油圧シリンダのバケットを閉じる側と開く側
に切り換え供給する切換弁と、該油圧ポンプの吐出管に
接続され該油圧シリンダの作動圧を設定する圧力制御弁
とを備え、該圧力制御弁が、油流入口よりも下流位置で
該切換弁との間のポンプ吐出管に介装されるように設け
られ油圧シリンダ閉じ側の作動油の逆流を防止する逆止
弁と、先端にポペット弁を有しシリンダ閉じ側のアンロ
ード圧力を設定するパイロット弁と、一端側が該逆止弁
より下流位置のポンプ吐出管と連通する細孔通路の端部
の油室に臨まされ他端側が該ポペット弁と当接可能なよ
うにポペット弁と同軸的に配置され弁体に摺動自在に嵌
装されたプランジャーと、一端側が該油流入口に臨まさ
れて端部に該油流入口とタンク接続口とを連通又は遮断
させる弁部を有し他端側が該ポペット弁と該プランジャ
ーの間の油室に連通した油室に臨まされ、該パイロット
弁と該タンク接続口を連通するように中心部に貫通して
設けた油通路を有し、該ポペット弁と該プランジャーの
間の油室に連通した油室と該油流入口を連通する細孔を
備え、弁体に摺動自在に嵌装されたバランスピストン、
とから構成されるアンロード弁形の圧力制御弁である油
圧式グラブバケットの油圧制御回路であって、該切換弁
はバケットが荷上に着地された後に閉じ側に入れられて
バケット閉じ動作を開始させ荷掴みを開始させると共
に、バケットがほぼ又は完全に閉じるまでの間はバケッ
ト閉じ側に入れた状態を保持される構成とし、バケット
は荷を掴んだ後吊り上げ開始され、該バケットがほぼ又
は完全に閉じるまでの間は該アンロード弁形圧力制御弁
は、荷の掴み過ぎにより油圧シリンダ閉じ側圧力が上昇
してその所定のカットアウト圧力に達したら自動的にポ
ンプ吐出油を油タンクに逃がしてポンプをアンロードさ
せ、その後、バケット吊り上げによる荷こぼれによるバ
ケット閉じ負荷の減少により油圧シリンダ閉じ側圧力が
低下して所定のカットイン圧力に低下したらポンプ吐出
油を自動的に油圧シリンダ閉じ側に供給させてポンプを
オンロードさせるようにして、該アンロード動作と該オ
ンロード動作をバケットの閉じ動作中にポンプに繰り返
し行わせてバケットを閉じさせるようにし、バケットが
ほぼ又は完全に閉じたら該切換弁を中立に戻して荷掴み
を完了する構成としたことを特徴とする油圧式グラブバ
ケットの油圧制御回路。
Priority Applications (1)
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JP767396A JP2917118B2 (ja) | 1996-01-19 | 1996-01-19 | 油圧式グラブバケットの荷掴み運転操作方法およびその方法に用いる油圧式グラブバケットの油圧制御回路 |
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JP767396A JP2917118B2 (ja) | 1996-01-19 | 1996-01-19 | 油圧式グラブバケットの荷掴み運転操作方法およびその方法に用いる油圧式グラブバケットの油圧制御回路 |
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