JP2915400B1 - 土壌改良材およびこの土壌改良材を用いた舗装方法 - Google Patents

土壌改良材およびこの土壌改良材を用いた舗装方法

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Abstract

【要約】 【課題】上水汚泥を用いた土壌改良材およびこの土壌改
良材を用いた土舗装方法において、土舗装面の耐酸性を
向上させたものを提供する。 【解決手段】 凝集処理が施された上水汚泥に、有機物
および凝集剤からなる耐酸性向上剤を混合し、全体にお
ける有機物含有量が10重量%以上であり土壌改良材を
得る。そして、この土壌改良材と一般の舗装用土材料
を、土壌改良材の容積比が20〜80%となるように混
合し、この混合物で土舗装面3を形成する。土舗装面3
においては、土材料の土粒子2は、土壌改良材からなる
防酸薄膜1で覆われるとともに、防酸薄膜1を介して強
く結合する結果、土舗装面3は高い耐酸性を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、浄水場から採取さ
れる上水汚泥から生成される土壌改良材およびこの土壌
改良材を用いた舗装方法に関し、特に土舗装面の耐酸性
を向上させる改良に関する。
【0002】
【従来の技術】各種競技施設や遊歩道などの土舗装を行
う舗装方法として、浄水場から採取される上水汚泥を用
いた舗装方法が、本出願人による特公平1−41762
号公報などに提案されている。
【0003】この舗装方法においては、浄水場の沈殿池
やろ過池で分離された河川中の不純物(粘度コロイド、
藻類、微生物など)である上水汚泥に、高分子凝集剤を
添加する凝集処理を施し、さらに細砂以下の粒状に粉砕
して、土舗装材を得る。そして、この土舗装材を一般の
舗装用土材料(少なくともシルト質または粘土質を有す
る土材料)と混合し、この混合物を用いて舗装用基礎上
に土舗装面を形成する。
【0004】このような舗装方法により、土舗装面を形
成する土粒子は、上水汚泥中の凝集剤により被覆され、
適度な間隔をもって強固に粘着する。したがって、土舗
装面は、高い耐水性、透水性、耐久性を持ち、降雨など
によっても泥濘化することはない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、いわ
ゆる酸性雨が頻繁に発生するようになり、土舗装面にお
いても酸性雨に対する抵抗力(耐酸性)が求められるよ
うになって来ている。しかしながら、上述した上水汚泥
を用いた舗装方法による土舗装面は、必ずしも強い耐酸
性を備えている訳ではない。
【0006】すなわち、舗装面が長期間にわたって酸性
雨にさらされると、舗装面の土粒子を結合していた上水
汚泥が徐々に酸に侵食され、土粒子間の結合が崩壊して
しまう。さらには、酸による侵食が土粒子自体にまで進
めば、土粒子内部からAlイオンのような有害成分が溶
け出してしまう恐れがある。
【0007】また、舗装面中のクレイ(粘土)は特に劣
悪化しやすく、その細粒が雨水に溶けて沈下し、舗装面
下層上部に糊状の遮断層を形成する。このような遮断層
が形成されると、舗装面下層部に水を透過することがで
きなくなるので、結果として、表層面が降雨のたびに軟
弱となり、また乾燥した後には土埃となりやすくなって
しまう。
【0008】このため、土舗装面を良好に維持するため
には、一定期間毎に舗装面上部の舗装材を掘り起こして
新たな舗装用土材料と入れ替える改修作業が必要とな
り、多大な手間およびコストがかかってしまっていた。
【0009】本発明は、このような問題点に着目してな
されたもので、上水汚泥を用いた土壌改良材およびこの
土壌改良材を用いた土舗装方法において、土舗装面の耐
酸性を向上させたものを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】第1の発明では、凝集剤
の添加処理が施された上水汚泥に、耐酸性向上剤を混合
し、全体における有機物含有量を10重量%以上とし
て、土壌改良材を生成する。
【0011】第2の発明では、前記耐酸性向上剤は、有
機物および凝集剤からなる。
【0012】第3の発明では、第1または第2の発明の
土壌改良材を、全体における容積比が20〜80%とな
るようにシルト質および/または粘土質を有する舗装用
土材料に混合して撹拌し、この混合物を舗装用基礎上に
て整地、転圧して舗装面を形成する。
【0013】第4の発明は、第1または第2の発明の土
壌改良材を30〜60%の水分を含ませた状態で舗装用
基礎上に敷設し、この敷設された土壌改良材の所定の深
さまで、シルト質および/または粘土質を有する舗装用
土材料をその容積比が20〜80%となるように混合、
撹拌し、転圧して舗装面を形成する。
【0014】
【発明の作用および効果】本発明では、所定の処理がな
された上水汚泥に、有機物および凝集剤からなる耐酸性
向上剤を混合することにより、全体における有機物含有
量が10重量%以上である土壌改良材を得る。これによ
り、土壌改良材は、十分な割合で有機物成分を含有する
ものとなり、この有機物成分の働きによって高い耐酸性
(酸に溶け出さない性質)を持つものとなる。
【0015】さらに本発明では、この土壌改良材と舗装
用土材料とを、全体に対する土壌改良材の容積比が20
〜80%となるように混合して、土舗装面を形成する。
これにより、舗装用土材料の土粒子は、土壌改良材から
なる薄膜により覆われ、この薄膜を介して土粒子同士で
強く結合される。したがって、舗装面を構成する土粒子
は、酸性降雨などの酸に対しても溶け出してしまうこと
はなく、舗装面は、高い耐水性、透水性、耐久性に加え
て、高い耐酸性を備えたものとなる。また、酸による侵
食が土粒子内に進行することはないので、Alイオンの
ような有害元素の溶出も有効に防止できる。
【0016】なお、この場合、土舗装面全体に対する土
壌改良材の容積比は20%以上であるので、舗装用土材
料の土粒子全部を覆いきるのに十分な量が確保されてい
る。また、土舗装面全体に対する土壌改良材の容積比は
80%以下であるので、土舗装面には上水汚泥を多量に
含み過ぎることよる収縮やひび割れが生じてしまうこと
もない。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0018】本発明では、まず、浄水場から採取された
上水汚泥、または有機物を含む自然土を用いて、耐酸性
向上剤を生成する。具体的には、浄水場から採取された
上水汚泥、または有機物を含む自然土を、アルカリ浸漬
することにより有機物を抽出する。そして、この抽出物
に凝集剤(例えば、ポリ塩化アルミニウム(PAC)、
硫酸バンド等)を添加して凝集処理を行うことにより、
有機フロックを形成する。このように形成された有機フ
ロックを濃縮、脱水し、含水率を50〜90%に調整す
ることにより、耐酸性向上剤とする。
【0019】なお、上水汚泥としては、凝集処理、およ
び薬剤注入処理または無薬剤注入処理のいずれかが施さ
れた沈殿池の上水汚泥を、濃縮槽処理または天日乾燥処
理したものを用いればよいが、特に有機物を多量に含ん
だものを選択するとよい。
【0020】また、有機物を含む自然土としては、例え
ば有機質粘性土、有機質粘土、有機質火山灰土、高有機
質土のうち黒泥などが用いられるが、特に有機物の分解
が進み、無定形の腐植に富んだものを用いるとよい。
【0021】このようにして得られた耐酸性向上剤を、
例えばプラント混合によって、上水汚泥から生成された
土舗装材と混合して、土壌改良材を生成する。ここで、
上水汚泥からなる土舗装材とは、凝集処理を施した上水
汚泥を、細砂以下の粒状に粉砕して生成されたものであ
る。
【0022】この場合、耐酸性向上剤は、混合後の土壌
改良材全体における有機物含有量が10重量%以上とな
るようにする。なお、混合後の土壌改良材全体に対する
耐酸性向上剤の容積比は、通常、10〜50%となる。
【0023】つぎに、この土壌改良材を用いて、次の第
1、第2のいずれかの舗装方法により、土舗装(土舗装
面の形成)を行う。
【0024】第1の舗装方法では、耐酸性向上剤により
有機物濃度が高められた土壌改良材を、一般の舗装用土
材料(少なくともシルト質または粘土質を有する土材
料)に混合し、この舗装用土材料と土壌改良材の混合物
を舗装用基礎上にて整地、転圧して舗装面を形成する。
この混合は、例えばプラント混合により行われ、土壌改
良材の容積比が、混合物全体に対して20〜80%とな
るようになされる。なお、土壌改良材と舗装用土材料の
混合割合は、この範囲内で、土壌改良材の有機物の含有
割合、舗装面に要求される物理的性質などに応じて適宜
調整される。
【0025】また、第2の土舗装方法では、土壌改良材
を30〜60%の水分を含む状態で舗装用基礎上に敷設
し、これに、全体における容積比が20〜80%となる
ように、一般の舗装用土材料を所定の深さ(例えば5〜
10cm程度)まで混合撹拌し、転圧して舗装面を形成
する。この場合にも、土壌改良材と舗装用土材料の混合
割合は、土壌改良材の有機物の含有割合、舗装面に要求
される物理的性質などに応じて、上記範囲内で適宜調整
される。
【0026】このようにして形成された土舗装面は、従
来からの高い耐水性、透水性、耐久性に加えて、高い耐
酸性を備えたものとなる。
【0027】つぎに、本発明の土壌改良材およびこの土
壌改良材を用いた土舗装方法における耐酸性向上の作用
について説明する。
【0028】本発明において耐酸性向上材の原料となる
自然土は、主として腐植(腐植酸(フミン酸)、フルボ
酸、ビチューメン)からなる有機物成分を含んでいる。
この有機物成分(主として腐植酸)は金属イオンと結合
する官能基を持ち、凝集過程において凝集剤(例えばP
AC)と結び付いて、高分子量物質を含む混合物(有機
錯体)を形成する。
【0029】また、同じく耐酸性向上剤の原料となる上
水汚泥も、浄水場における浄水処理の過程において河川
水中に含まれる有機物成分が凝集されており、この有機
物成分が凝集剤および粘土コロイド類と結び付いて有機
錯体を形成している。
【0030】このような有機錯体は、高い耐酸性(酸に
溶けない性質)を持っている。そして、このような有機
錯体を含む耐酸性向上剤を、上水汚泥からなる土舗装材
に混合し、全体に対する有機物含有量が10重量%以上
となるようにすると、上水汚泥の粒子は耐酸性向上剤で
均一に被覆される。この結果、土舗装材に耐酸性向上剤
を添加して形成した土壌改良材の耐酸性は著しく高いも
のとなる。
【0031】さらに、この土壌改良材を一般の舗装用土
材料に混合すると、図1に示すように、土壌改良材は防
酸薄膜1となって舗装用土材料の各土粒子2の表面を覆
うとともに、これらの土粒子2を互いに結合する作用
(図の黒い部分で示す)をもたらす。すなわち、舗装用
土材料の土粒子2は、高い耐酸性を備えた土壌改良材の
防酸薄膜1を介して強く結合され、水壊しないとともに
酸に対しても溶け出さない。したがって、この土壌改良
材および舗装用土材料の混合物からなる土舗装面3は、
酸性雨によっても侵食されることはない。また、土粒子
2の内部に酸による侵食が進むことがないため、Alイ
オンのような有害元素の溶出も有効に防止できる。
【0032】なお、この土壌改良材と舗装用土材料との
混合においては、土壌改良材は全体に対する容積比が2
0〜80%とされるので、舗装面を構成する土粒子2全
部を覆いきるのに十分な量が確保される。また、土舗装
面における上水汚泥の割合が多くなり過ぎて土舗装面の
収縮やひび割れが生じてしまうこともない。
【0033】つぎに、本発明の土壌改良材およびこの土
壌改良材を用いた土壌改良材料による舗装面の耐酸性向
上を裏付ける実験結果について説明する。
【0034】図2には、上水汚泥からなる土舗装材につ
いての試験結果を図表で示す。
【0035】ここで試料として用いられた上水汚泥1〜
5は、日本各地(関東、東北、北海道、九州)の浄水場
から採取されたもので、図表の右端欄に示すような重量
%で有機物を含有している。なお、この有機物含有量C
o(重量%)は、採取された試料の強熱減量の値Li
(%)から、 Co=(Li−4.7)/1.3 … (1) に基づき計算した。
【0036】これらの各試料(上水汚泥1〜5)につ
き、水浸試験および酸浸試験を行い、24時間後および
48時間後の変化を観察した。なお、試験用酸性液とし
ては、3重量%のHCl液を用いた。
【0037】この試験によれば、図表に示されるよう
に、上水汚泥1〜5はいずれも48時間後においても水
(H2O)に対しては溶けることはないが、酸に対して
は有機物含有量が少なくなるにしたがって、より容易に
溶け出すことが確認された。
【0038】具体的には、有機物含有量が21.32重
量%である上水汚泥1については、48時間経過時点で
も酸に溶け出すことはないが、有機物含有量が13.4
2重量%である上水汚泥2については、48時間経過時
点で少し軟弱化していることが観察された。さらに、有
機物含有量がそれぞれ10重量%以下の8.9重量%、
7.4重量%、6.58重量%の上水汚泥3、4、5に
ついては、24時間経過時点で既に少し軟弱化して来る
ことが観察され、48時間経過時点では、相当部分が軟
弱化して酸に溶け出してしまっていることが観察され
た。
【0039】この観察結果から、有機物含有量が10重
量%以下の上水汚泥は、十分な耐酸性を備えているとは
言えず、耐酸性向上剤の添加による有機物含有量の向上
が必要であると結論できる。
【0040】図3〜図5には、図2に示した実験結果に
おいて十分な耐酸性を示さなかった上水汚泥3〜5に対
して耐酸性向上剤を添加したうえで酸浸試験を行った実
験結果を図表で示す。
【0041】各図表に示すように、上水汚泥3〜5に、
耐酸性向上材を、全体に対する容積比が10%、20
%、30%、40%、50%となるように添加し、上水
汚泥3〜5と耐酸性向上剤の混合物(土壌改良材に相当
する)として、有機物含有量が種々の値を採るものを得
た。なお、図表の右端欄には、各混合物について、全体
に対する有機物含有量の重量%を示してある。
【0042】これらの各混合物について、酸性液に浸し
てから24時間経過後の状態を観察する。なお、試験用
酸性液としては、酸性降雨の成分を模擬して、H2SO4
とHNO3の混合液でpH=1.74に調整したものを
使用した。
【0043】この実験によると、混合物の有機物含有量
の重量%が10重量%を超えた辺りから、耐酸性向上の
効果が得られることが観察された。
【0044】詳しく説明すると、図3に示した上水汚泥
3の場合には、耐酸性向上剤の添加がないときには有機
物含有量は8.90重量%であり、酸浸試験後には少し
膨張したうえ、一部が酸に溶け出してしまう。一方、耐
酸性向上剤を容積比で10%添加すると有機物含有量は
11.53重量%となり、酸浸試験後においても、混合
物は少し膨張するだけで、酸に溶け出すことがなくな
る。さらに、耐酸性向上剤の添加割合を20%、30
%、40%、50%と増やして行くと、有機物含有量は
それぞれ14.16重量%、16.79重量%、19.
42重量%、22.05重量%となり、酸浸試験後にお
いても特に変化が見られないようになる。
【0045】また、図4に示した上水汚泥4の場合に
は、耐酸性向上剤の添加がないときには有機物含有量は
7.40重量%であり、酸浸試験後には少し膨張したう
え、一部が酸に溶け出してしまう。一方、耐酸性向上剤
を容積比で10%添加すると有機物含有量は10.03
重量%となり、酸浸試験後においても、混合物は少し膨
張するだけで、酸に溶け出すことがなくなる。さらに、
耐酸性向上剤の添加割合を20%、30%、40%、5
0%と増やして行くと、有機物含有量はそれぞれ12.
66重量%、15.29重量%、17.92重量%、2
0.55重量%となり、酸浸試験後においても特に変化
が見られないようになる。
【0046】また、図5に示した上水汚泥5の場合に
は、耐酸性向上剤の添加がないときには有機物含有量は
6.58重量%であり、酸浸試験後には少し膨張したう
え、一部が酸に溶け出してしまう。一方、耐酸性向上剤
を容積比で10%、20%添加すると、有機物含有量は
それぞれ9.21重量%、11.84重量%となり、酸
浸試験後においても混合物は少し膨張するだけで、酸に
溶け出すことがなくなる。さらに、耐酸性向上剤の添加
割合を30%、40%、50%と増やして行くと、有機
物含有量はそれぞれ14.47重量%、17.10重量
%、19.73重量%となり、酸浸試験後においても特
に変化が見られないようになる。
【0047】このように耐酸性向上剤と上水汚泥の混合
物(土壌改良材)は、有機物含有量が10重量%を超え
ると、十分な耐酸性を示すようになる。
【0048】図6〜図8には、土舗装面に相当する供試
体について、図3〜図5と同様な耐酸性試験を行った結
果を示す。
【0049】具体的には、図2の試験において有機物含
有量が10重量%以下であった上水汚泥3〜5に対して
耐酸性向上剤を種々の割合で混合して土壌改良材を形成
し、この土壌改良材と舗装用土材料(荒木田土または真
砂土)を種々の配合割合で混合して形成した供試体につ
いて、酸浸試験を行う。
【0050】図6には、上水汚泥3についての実験結果
を示す。
【0051】試験番号2、3、4の供試体は、有機物含
有量が10重量%にわずかに足りない9.77重量%で
あるように調整された土壌改良材と荒木田土とを、全体
に対する荒木田土の容積比がそれぞれ95%、90%、
85%となるように混合して形成されたものである。こ
れらの供試体は、酸浸試験後には崩壊してしまい、十分
な耐酸性を示すことはない。
【0052】試験番号5の供試体は、有機物含有量が1
0.06重量%であるように調整された土壌改良材と荒
木田土とを、全体に対する荒木田土の容積比が85%と
なるように混合したものである。この供試体は、酸浸試
験後に一部崩壊してしまい、耐酸性は十分とは言えな
い。
【0053】また、試験番号6の供試体は、有機物含有
量が9.77重量%である土壌改良材と荒木田土とを、
全体に対する荒木田土の容積比が80%となるように混
合したものである。この供試体も、酸浸試験後に少し膨
張して軟弱化してしまい、耐酸性は十分とは言えない。
【0054】これに対して、試験番号7の供試体は、有
機物含有量が10.64%の土壌改良材と荒木田土と
を、全体に対する荒木田土の容積比が80%となるよう
に混合したものである。この供試体は、酸浸試験後にも
わずかに膨張するだけで崩壊することはなく、十分な耐
酸性を示す。
【0055】さらに、試験番号8〜17の供試体におい
ては、試験番号7の供試体よりも、土壌改良材の有機物
含有量をさらに増やすとともに、全体に対する荒木田土
の容積比も最小で20%に至るまで(土壌改良材の容積
比が最大で80%に至るまで)減らしていったものであ
る。これらの供試体は、酸浸試験後にも全く崩壊するこ
となく、高い耐酸性を示す。
【0056】また、試験番号18、19の供試体は、有
機物含有量が10重量%を超える土壌改良材と荒木田土
からなるものであり、全体に対する荒木田土の容積比が
20%未満(10%、0%)のものである。これらの供
試体は、酸浸試験後にも崩壊することはなく耐酸性は高
いが、試験後に収縮およびひび割れが生じてしまう。
【0057】このように、供試体は、試験番号7〜17
のように、有機物含有量が10重量%を超える土壌改良
材を、全体に対する容積比が20%を超えるように荒木
田土と混合したものであるときに、十分に高い耐酸性を
示すものとなる。なお、これは、土舗装面において舗装
用土材料(荒木田土)の土粒子を土壌改良材によって完
全に覆いきるためには、少なくとも20容積%以上の土
壌改良材が必要であるからと考えられる。また、試験番
号18、19の供試体のように、土壌改良材の混合割合
が80容積%以上となると、収縮およびひび割れが生じ
てしまい、土舗装面として使用するには適当でない。
【0058】したがって、十分な耐酸性を備え、かつ好
ましい特性を備えた土舗装面を形成するためには、土壌
改良材の全体に対する容積比は、20%〜80%である
ことが好ましいと結論できる。
【0059】図7は、図6と同様の試験を、上水汚泥4
(有機物含有量=7.40重量%)について行った結果
である。なお、この試験では、舗装用土材料として真砂
土を使用している。
【0060】試験番号20〜28に示すように、土壌改
良材の有機物含有量が10重量%以下であるか、または
土壌改良材の全体に対する容積比が20%以下(真砂土
の全体に対する容積比が80%以上)である供試体は、
十分な耐酸性を示すことなく、酸浸試験後には崩壊また
は軟弱化してしまう。
【0061】一方、試験番号29〜38に示すように、
土壌改良材の有機物含有量が10重量%以上であり、か
つ土壌改良材の全体に対する容積比が20%〜80%
(真砂土の全体に対する容積比が80%〜20%)であ
る供試体は、高い耐酸性を示し、酸浸試験後にも崩壊す
ることはない。
【0062】また、試験番号39、40に示すように、
土壌改良材の混合割合が80%を超えてしまうと、耐酸
性はあるが、収縮やひび割れが生じてしまう。
【0063】したがって、この試験からも、舗装用土材
料に対する土壌改良材の混合の容積比は、全体に対して
20%〜80%が適切であることが確認できる。
【0064】図8は、図7と同様の試験を、上水汚泥5
(有機物含有量=6.58重量%)について行った結果
である。なお、この試験でも、舗装用土材料として真砂
土を使用している。
【0065】図表に示すように、この試験においても、
供試体が高い耐酸性を示し、かつ収縮およびひび割れが
生じることがない好ましい特性を示すのは、土壌改良材
の有機物含有量が10重量%以上であり、かつ土壌改良
材の全体に対する容積比が20%〜80%の場合(試験
番号50〜57の場合)である。そして、土壌改良材の
有機物含有量が10重量%以下であるか、または土壌改
良材の全体に対する容積比が20%未満である供試体
(試験番号41〜49の供試体)は、十分な耐酸性を示
すことなく、酸浸試験後には崩壊または軟弱化してしま
う。また、土壌改良材の全体に対する容積比が80%を
超える供試体(試験番号59、60の供試体)は、酸浸
試験後に収縮やひび割れが生じてしまい、土舗装面とし
ては適当でない。したがって、この試験からも、土壌改
良材の混合の容積比は、全体に対して20%〜80%が
適切であることが確認できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す説明図である。
【図2】上水汚泥単独についての酸浸試験の結果を示す
図表である。
【図3】土壌改良材(耐酸性向上剤を添加した上水汚
泥)についての酸浸試験の結果を示す図表である。
【図4】土壌改良材についての酸浸試験の結果を示す図
表である。
【図5】土壌改良材についての酸浸試験の結果を示す図
表である。
【図6】土舗装面に相当する供試体(耐酸性向上剤を添
加した上水汚泥と荒木田土の混合物からなる供試体)に
ついての酸浸試験の結果を示す図表である。
【図7】土舗装面に相当する供試体(耐酸性向上剤を添
加した上水汚泥と真砂土の混合物からなる供試体)につ
いての酸浸試験の結果を示す図表である。
【図8】土舗装面に相当する供試体(耐酸性向上剤を添
加した上水汚泥と真砂土の混合物からなる供試体)につ
いての酸浸試験の結果を示す図表である。
【符号の説明】
1 土壌改良材からなる防酸薄膜 2 舗装用土材料の土粒子 3 舗装面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−121045(JP,A) 特開 平8−269451(JP,A) 特開 平7−34406(JP,A) 特開 平2−178385(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09K 17/50 E01C 13/06

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】凝集剤の添加処理が施された上水汚泥に、
    耐酸性向上剤を混合し、全体における有機物含有量を1
    0重量%以上としたことを特徴とする土壌改良材。
  2. 【請求項2】前記耐酸性向上剤は、有機物および凝集剤
    からなることを特徴とする請求項1に記載の土壌改良
    材。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2に記載の土壌改良
    材を、全体における容積比が20〜80%となるように
    シルト質および/または粘土質を有する舗装用土材料に
    混合して撹拌し、この混合物を舗装用基礎上にて整地、
    転圧して舗装面を形成することを特徴とする舗装方法。
  4. 【請求項4】請求項1または請求項2に記載の土壌改良
    材を30〜60%の水分を含ませた状態で舗装用基礎上
    に敷設し、この敷設された土壌改良材の所定の深さま
    で、シルト質および/または粘土質を有する舗装用土材
    料をその容積比が20〜80%となるように混合、撹拌
    し、転圧して舗装面を形成することを特徴とする舗装方
    法。
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