JP2912877B2 - Aromatic polyamide film and method for producing the same - Google Patents
Aromatic polyamide film and method for producing the sameInfo
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パラ配向性芳香族
ポリアミドからなるフィルムおよびその製造方法に関
し、さらに詳しくはフィルムの長尺方向(MD方向と称
する)および幅方向(TD方向と称する)ともに優れた
機械特性を示す、厚み斑の少ない、透明性の高い薄手の
パラ配向性芳香族ポリアミドフィルムに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】パラ配向性芳香族ポリアミドの代表であ
るポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)(以下、P
PTAと称する)は、特に優れた結晶性および高い融点
を有し、また剛直な分子構造のゆえに、耐熱性で高い機
械的強度を有しており、近年特に注目されている高分子
素材である。また、その光学異方性の示す濃厚溶液から
紡糸された繊維は高い強度およびモジュラスを示すこと
が報告され、既に工業的に実施されるに到っているが、
フィルムへの応用例の提案は少なく、実用化例もいまだ
知られていない。
【0003】PPTAの有する問題点としては、その有
用な高分子量のポリマーは有機溶媒に難溶であり、濃硫
酸等の無機の強酸が溶媒として用いられねばならないと
いうことが挙げられ、これを回避するために、例えば特
公昭56−45421号公報では、直線配位性芳香族ポ
リアミドの芳香族にハロゲン基を導入したものと、PP
TA以外の芳香族に置換基を持たない芳香族ポリアミド
を共重合することにより有機溶媒に可溶とし、それから
フィルムを得ようとする試みがなされている。しかし、
これはモノマが高価なためコストが高くなる上に、折角
の直線配位性芳香族ポリアミドの耐熱性や結晶性を損な
う欠点がある。
【0004】一方、特公昭59−14567号公報には
光学異方性を有する芳香族ポリアミド溶液をスリットか
ら短い空気層を介して凝固浴中に押出す方法が開示され
ているが、この方法ではMD方向の機械的強度のみ強
く、それと直交するTD方向の機械的強度は極端に弱
く、避け易いものしか得られなかった。このように単に
芳香族ポリアミドの光学異方性ドープを押出し、そのま
ま凝固させただけでは吐出方向に過度に配向するために
フィブリル化し易く、TD方向に弱いものとなってしま
うため、これを改良しようとするフィルム製造方法が種
々検討された。
【0005】例えば特公昭57−35088号公報に
は、光学異方性を有する芳香族ポリアミド溶液をリング
ダイから押出し、インフレーション法を用いてドープの
状態で2軸方向に同時流延させた後、湿式凝固させるこ
とにより等方性のフィルムが得られるとしている。しか
し、この方法では均一な厚みの透明フィルムを得るのは
難しく、機械的強度、特に引裂き強度が低いという欠点
がある。
【0006】また、特公昭59−5407号公報、特開
昭54−132674号公報では、直線配位性芳香族ポ
リアミドの光学異方性または光学等方性のドープを、ダ
イ中で押出し方向と直角の方向に機械的に剪断力を与え
ることにより、押出し時に押出し方向とその直角方向の
2軸方向に配向させる提案をしているが、ダイの構造が
複雑で工業的実施上の難点がある。また、配向を剪断力
で行う方法では高い引裂き強さのフィルムを得るのは難
しい。
【0007】さらに、J.Appl.Polym.Sc
i.vokl.27,No.8.P.2965〜298
6(1982)には、PPTAの光学異方性ドープをリ
ングダイより油塗布した円錐状のマンドレル上に押出す
ことにより、2軸配向したフィルムを得ることが提案さ
れているが、このフィルムは機械的強度が等方的である
ものの低く、ドラフトをかけた場合、MD方向の機械的
強度は高いが、TD方向のそれは著しく低いという欠点
があるばかりでなく、リングダイを用いる方法はフィル
ム厚みの斑を小さくするのが難しい。
【0008】特公昭57−17886号公報には、直線
配位性芳香族ポリアミドの光学異方性ドープを凝固直前
に光学等方性となるまで加熱した後、凝固させることに
よって、透明で機械的物性が等方的であるフィルムを得
ることが記載されている。この方法は従来の光学異方性
ドープの活用により高性能を得んとする大方の概念に逆
らった独創的なものであり、これにより光学異方性ドー
プの極端な1軸配向性の緩和と同時に、光学異方性ドー
プの液晶ドメイン構造がドープを押出した後も残り、そ
のまま凝固して不透明なフィルムとなってしまうことを
回避することに成功している。しかし、極薄にしてかつ
厚み斑の少ない透明フィルムについては具体的には開示
されていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、パラ
配向性芳香族ポリアミドを用いて、極薄で厚み斑の少な
い透明度の高い平面性に優れたフィルムを提供すること
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
に沿ったパラ配向性芳香族ポリアミドフィルムを得るべ
く鋭意研究を重ねた結果、次の知見を得た。すなわち、
特公昭57−17886号公報に開示された技術、すな
わちPPTAの光学異方性ドープを作成し、次いでこれ
を光学等方化して凝固し、透明性のある機械的性能に優
れたパラ配向性芳香族ポリアミドフィルムを製造する方
法において、前記ドープがダイを離れた後、なるべく短
い距離で支持面に接着させた後、光学等方化して特定の
条件で凝固、洗浄した後、乾燥工程において起こる収縮
を制限して行うことにより、極薄で厚み斑の少ない新規
なフィルムが、きわめて高い透明性と平面性をもって得
られることを見出し、さらに研究の結果、本発明を完成
した。
【0011】上記目的を達成するため本願で特許請求さ
れる発明は以下のとおりである。
(1)対数粘度が3.5以上の実質的にパラ配向性芳香
族ポリアミドよりなるフィルムであって、8μm以下の
厚みを持ち、かつフィルムの厚み斑が10%以下(但し
5%以下を除く)であることを特徴とする芳香族ポリア
ミドフィルム。
【0012】(2)対数粘度が3.5以上のパラ配向性
芳香族ポリアミドと95重量%以上の硫酸とから実質的
になる光学異方性ドープを、光学異方性を保ったままダ
イから移動する支持面上に流延し、吸湿または/および
加熱により該ドープを光学等方性に転化したのち凝固さ
せるフィルムの製造方法において、前記ドープをダイか
ら30mm以下(但し8mm以下を除く)の距離で前記支持
面上に接触させたのち光学等方性に転化し、次いで5℃
以下の凝固液中で凝固させ、洗浄したのち、これを延伸
することなしにフィルムの収縮を制限した状態で320
℃以上の温度で乾燥することを特徴とする芳香族ポリア
ミドフィルムの製造方法。
【0013】本発明に用いられるパラ配向性芳香族ポリ
アミドであるその代表的ポリマーとしてのPPTAは実
質的に
【0014】
【化1】
【0015】で表わされるポリマーであり、従来公知の
パラフェニレンジアミンとテレフタロイルクロライドか
ら、低温溶液重合法により製造するのが好都合である。
本発明のポリマーの重合度は、あまり低いと機械的性質
の良好なフィルムが得られなくなるため3.5以上、好
ましくは4.5以上の対数粘度ηinh(硫酸100ml
にポリマー0.3gを溶解して30℃で測定した値)を
与える重合度のものが選ばれる。ポリマーの重合度の上
限については工業的に製造可能なものであれば制限はな
い。
【0016】本発明のフィルムは、以下に述べる要件を
満たして初めて目的を達せられるものである。まず第1
に、本発明のフィルムとしてその厚みが8μm以下のも
のが選ばれる。8μmを超える厚みを持つフィルムは、
例えばコンデンサフィルムとして使ったとき、薄い厚み
のフィルムと同じ容量のコンデンサを作るためには、一
般に厚みの2乗に比例して電極面積を大きくする必要が
あるため、フィルムコンデンサの特徴である小型、軽量
でかつ静電容量大きいものが得られなくなる。フィルム
の厚みの下限は特にないが、あまり薄いフィルムではハ
ンドリング(取扱い)が難しくなる。
【0017】本発明のフィルムを例えばコンデンサに用
いる場合は、5μm以下の厚みがより好ましい。本発明
のフィルムは、第2にその厚み斑が10%以下(ただし
5%以下を除く)であることが必要である。この要件
は、前述のごとく例えばコンデンサフィルムの場合、同
一の静電容量のコンデンサを作るためには不可欠であ
る。フィルムの厚み斑が大きいものをコンデンサにした
場合、歩どまりが多く生産性が悪くなるばかりでなく、
コンデンサ中で空間が発生するため、交流電極印加によ
りフィルムの振動が発生し、周波数に対応する音が発生
することがある。
【0018】本発明にいう厚みおよび厚み斑は、例えば
静電容量式接触厚さ計(小野測器社製タイプCL−23
0型)を用いて、当該フィルムから任意に選んだ10点
の測定点における厚みの平均値と、(最大値−最小値)
/平均値×100で定義される。本発明のフィルムは、
高い透明性と平滑な平面性を有する。また、本発明のフ
ィルムは、好ましくは実質的にボイドを含まない。
【0019】さらに、本発明のフィルムは、通常その密
度が1370〜1420g/cm3 の範囲にある。この密
度の値は四塩化炭素−トルエンを使用した密度勾配管法
により30℃で測定されたものである。この密度の範囲
は、公知のPPTA繊維のそれが1.43g/cm2 から
1.46g/cm2 の範囲にあるのに較べてかなり小さい
値である。該密度が1370g/cm2 未満になると機械
的物性が低下し、1420g/cm2 を超えると面配向性
に従って機械的性質の等方性の損なわれたフィルムとな
る。いずれにしてもこのように密度が小さいことから、
軽くて高強度のフィルムが得られることになる。
【0020】本発明のフィルムは、以下に述べるX線回
折による結晶配向角で定義される面配向性を有すること
が好ましい。すなわち、フィルム表面に直角に入射した
X線による2θ≒23°のピークに関する結晶配向角が
30°以上であり、フィルム表面に並行に入射したX線
による2θ≒18°のピークに関する結晶配向角が60
°以下であるのが好ましい。
【0021】X線の入射は、フィルム表面に直角に入射
する場合(以下、TV方向と称する)と、表面に並行に
入射する場合(以下、SV方向と称する)とに分けられ
るが、本発明のフィルムはTV方向からのX線により2
θ≒23°に大きな回折ピークを持つが、この2θ≒2
3°における結晶配向角が30°以上であるのが好まし
い。さらに60°以上であるのがより好ましい。さらに
SV方向からの入射により2θ≒18°の大きな回折ピ
ークが赤道線上にあらわれるが、この2θ≒18°にお
ける結晶配向角が60°以下であるのが好ましい。これ
らの両方の結晶配向角が満たされたとき、本発明のフィ
ルムがいわゆる面配向の構造を持つということがいえ、
フィルムの引取り方向およびそれと直角な方向の双方と
もに高い機械的性質(例えば強度、伸度、ヤング率)を
有し、また大きい引裂き強度を有する上で非常に好まし
い。そしてこの点において、特公昭55−14170号
公報に開示されたフィルムと明確に区別できる。
【0022】結晶配向角の測定方法としては公知の方法
が採用でき、例えば次のような方法によって行われる。
所定の2θの角度に計数管を置き、フィルムを180°
回転することにより回折強度曲線を得る。なお、TVに
おいては最高強度を中心とし、前後90°間を回転させ
る。この曲線の最高強度の、最低強度点間に引いたベー
スラインに対する半分の強度を示す点に対応する、回折
写真における円弧長を度で表わした値(すなわち、最高
強度のベースラインに対する50%の点に対する角度)
を測定し、それを試料の結晶配向角とする。測定に際
し、フィルムは必要により何枚か重ねて回折強度をはか
ることができる。
【0023】このような薄手で、かつ厚み斑の少ないフ
ィルムは、下記の方法に従って製造することができる。
なお、フィルムの斑の少ないことについては、後述する
ように乾燥時の収縮を制限して行うことも関連してい
る。本発明の方法においては、まずPPTAの光学異方
性ドープを調整する必要がある。
【0024】本発明のPPTAフィルムの成型に用いる
ドープを調整するのに適した溶媒は、95重量%以上の
濃度の硫酸である。95%未満の硫酸では溶解が困難で
あったり、溶解後のドープが異常に高粘度になる。本発
明のドープにはクロル硫酸、フルオロ硫酸、五酸化リ
ン、トリハロゲン化酢酸などが少し混入されていてもよ
い。硫酸は100重量%以上のものも可能であるが、ポ
リマーの安定性や溶解性などの点から98〜100重量
%濃度が好ましく用いられる。
【0025】本発明に用いられるドープ中のポリマー濃
度は、常温(約20〜30℃)またはそれ以上の温度で
光学等方性を示す濃度以上が好ましく、具体的には約1
0重量%以上が好適である。常温またはそれ以上の温度
で光学異方性を示さないポリマー濃度では、成型された
PPTAフィルムが好ましい機械的性質を持たなくなる
ことが多い。ドープのポリマー濃度の上限は特に限定さ
れるものではないが、通常は20重量%以下、特に高い
ηinhのPPTAに対しては18重量%以下が好まし
く用いられ、さらに好ましくは16重量%以下である。
【0026】本発明のドープには普通の添加剤、例えば
増量剤、除光沢剤、紫外線安定化剤、熱安定化剤、抗酸
化剤、顔料、溶解助剤などを混入してもよい。ドープが
光学異方性か光学等方性であるかは公知の方法、例えば
特公昭50−8474号公報記載の方法で調べることが
できるが、その臨界点は溶媒の種類、温度、ポリマー濃
度、ポリマーの重合度、非溶媒の含有量等に依存するの
で、これらの関係をあらかじめ調べることによって光学
異方性ドープを作り、光学等方性ドープとなる条件に変
えることにより、光学異方性から光学等方性に変えるこ
とができる。
【0027】本発明に用いられるドープは、成型・凝固
に先立って可能な限り不溶性のゴミ、異物等を濾過等に
よって取除いておくこと、および溶解中に発生または巻
込まれる空気等の基体を取除いておくことが好ましい。
脱気は一旦ドープを調整した後に行うこともできるし、
調整のための原料の仕込み段階から一貫して真空(減
圧)下に行うことによっても達成し得る。ドープの調整
は連続または回分で行うことができる。
【0028】このようにして調整されたドープは、光学
異方性を保ったままダイ、例えばスリットダイから移動
している支持面上に流延されるが、本発明においてはダ
イより出たフィルム状のドープが支持面上に接するまで
の距離が重要であり、30mm以下(ただし8mm以下を除
く)でなければならない。この距離が大きすぎると、理
由は明らかではないが、粒状物が発生し厚み斑となるば
かりでなく、破れ等が発生する。この現象は、特にフィ
ルムを薄くする場合に顕著にあらわれることから、10
%以下(ただし5%以下を除く)の厚み斑の極めて少な
い薄いフィルムを得るには不可欠な要件である。なお、
ダイより出たフィルム状のドープが支持面上に接するま
での距離は、可能な限り短くしたほうがよい。
【0029】本発明において、流延およびそれに続く光
学等方性への転化、凝固、洗浄、延伸、乾燥などの工程
は好ましくは連続的に行われるが、もし必要ならばこれ
らの全部または一部を断続的に、つまり回分式に行って
もよい。本発明の機械的性質に優れた透明フィルムを得
るには、ドープを支持面上に流延した後、凝固に先立っ
てドープを光学異方性から光学等方性に転化する必要が
ある。
【0030】光学異方性から光学等方性にするには、具
体的には支持面上に流延した光学異方性ドープを凝固に
先立ち、吸湿させてドープを形成する溶剤の濃度を下
げ、溶剤の溶解能力およびポリマー濃度の変化により光
学等方性域に転移させるか、または加熱することにより
ドープを昇温し、ドープの相を光学等方性に転移させる
か、または吸湿と加熱とを同時または逐次的に併用する
ことにより達成できる。これらのうち、特に吸湿を利用
する方法は、加熱を併用する方法も含めて光学異方性の
光学等方化が効率よく、かつPPTAの分解を引起こす
ことなく行われるので有用である。
【0031】ドープを吸湿させるには、通常の温度およ
び湿度の空気でもよいが、好ましくは加湿または加温加
湿された空気を用いる。加湿空気は飽和蒸気圧をこえて
霧状の水分を含んでいてもよく、いわゆる水蒸気であっ
てもよい。ただし、約45°C以下の飽和水蒸気は大き
い粒状の凝縮水を含むことが多いので好ましくない場合
がある。通常、常温〜約180℃、好ましくは50〜1
50℃の加湿空気によって行われる。
【0032】加熱による方法の場合、加熱の手段は特に
限定されず、上記のごとき加湿された空気を流延ドープ
に当てる方法、赤外線ランプを照射する方法、誘電加熱
による方法などが挙げられる。支持面上で光学等方化さ
れた流延ドープは、次に凝固液と接触して凝固を受け
る。本発明において、ドープの凝固液として使用できる
のは、例えば水約70重量%以下の希硫酸、約20重量
%以下の水酸化ナトリウム水溶液およびアンモニア水、
約10重量%以下の硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム水
溶液および塩化カルシウム水溶液などである。
【0033】本発明において、凝固液の温度は5℃以下
が好適である。一般に凝固液濃度を低くしたほうがフィ
ルムが包含されるボイドが少なくなる傾向が見出され
た。凝固されたフィルムはそのままでは酸が含まれてい
るため、加熱による機械的物性の低下の少ないフィルム
を製造するには酸分の洗浄、除去をできるだけ行う必要
がある。酸分の除去は、具体的には約500ppm以下
まで行うことが望ましい。洗浄液としては水が通常用い
られるが、必要に応じて温水で行ったり、アルカリ水溶
液で中和洗浄した後、水などで洗浄してもよい。洗浄
は、例えば洗浄液中でフィルムを走行させたり、洗浄液
を噴霧する等の方法により行われる。
【0034】洗浄されたフィルムは、これを延伸するこ
となしに乾燥されるが、乾燥は緊張下または定長下にフ
ィルムの収縮を制限して行う必要がある。もし、洗浄液
(例えば水)の除去とともに収縮する傾向を有するフィ
ルムを、何らの収縮の制限を行うことなく乾燥した場合
には、ミクロに不均一な構造形成(結晶化など)が起こ
るためか、得られるフィルムの光線透過率が小さくなっ
てしまう。また、本発明の薄手フィルムの場合、機械的
性質が劣るフィルムしか得られないことが多いばかりで
なく、部分収縮等が起こるため厚み斑となったり、さら
にはフィルムの平面性が損なわれたり、カールしてしま
うこともある。収縮を制限しつつ乾燥するには、例えば
テンター乾燥機や金属枠に挟んでの乾燥などを利用する
ことができる。乾燥に係る他の条件は特に制限されるも
のではなく、加熱気体(空気、窒素、アルゴンなど)や
常温気体による方法、電気ヒータや赤外線ランプなどの
輻射熱の利用法、誘電加熱法などの手段から自由に選ぶ
ことができるが、乾燥温度は高温のほうが好ましく、3
20℃以上が特に好適である。乾燥の最高温度は特に限
定されるものではないが、乾燥エネルギーやポリマーの
分解性を考慮すれば500℃以下が好ましい。
【0035】本発明の方法において、全工程を通してフ
ィルムを連続的に走行させつつ製造することが好ましい
実施態様の1つであるが、望むならば部分的に回分式に
行ってもよい。また任意の工程で油剤、識別用の染料な
どをフィルムに付与しても差し支えない。なお、本発明
において透明性の優れた、すなわち光線透過率のきわめ
て大きいフィルムを得るために、ドープはむろんのこ
と、吸湿用気体、加熱用気体、支持面体、凝固液、洗浄
液、乾燥気体等のゴミやチリの含有量が可及的に少なく
なるようにすることが好ましく、この点、いわゆるクリ
ーンルームやクリーン水で本発明のフィルムを製造する
のも好ましい実施態様の1つである。
【0036】
【発明の実施の形態】
【0037】
【実施例】以下に、実施例および参考例(PPTA)の
製造例を示すが、これらの参考例および実施例は本発明
を説明するものであって、本発明を限定するものではな
い。なお実施例中、特に規定しない場合は重量部または
重量%を示す。対数粘度ηinhは98%硫酸100ml
にポリマー0.2gを溶解し、30℃で常法で測定し
た。ドープの粘度は、B型粘度計を用いて1rpmの回
転速度で測定したものである。フィルムの厚みは、静電
容量式非接触厚さ計(小野測器社製、タイプCL−23
0型)を用いて、フィルムから任意に選んだ10点の測
定点における厚みの平均値により求め、また厚み斑は
(最大値−最小値)/平均値×100から算出された。
強伸度およびモジュラスは、定速伸長型強伸度測定機に
より、フィルム試料を100mm×10mmの長方形に切取
り、最初のつかみ長さ30mm、引張り速度30mm/分で
荷重−伸長曲線を5回描き、これより算出したものであ
る。
【0038】参考例(PPTAの製造)
低温溶液重合法により、次のごとくPPTAを得た。特
公昭53−43986号公報に示された重合装置中でN
−メチルピロリドン1000部に無水塩化リチウム70
部を溶解し、次いでパラフェニレンジアミン48.6部
を溶解した。8℃に冷却した後、テレフタル酸ジクロラ
イド91.4部を粉末状で一度に加えた。数分後に重合
反応物はチーズ状に固化したので、特公昭53−439
86号公報記載の方法に従って重合装置より重合反応物
を排出し、直ちに2軸の密閉型ニーダに移し、同ニーダ
中で重合反応物を微粉砕した。次に、微粉砕物をヘキシ
エルミキサー中に移し、ほぼ等量の水を加え、さらに粉
砕した後濾過し、数回温水中で洗浄して110℃の熱風
中で乾燥した。ηinhが5.5の淡黄色のPPTAポ
リマー95部を得られた。なお、異なったηinhのポ
リマーは、N−メチルピロリドンとモノマ(パラフェニ
レンジアミンおよびテレフタル酸ジクロライド)の比、
または/およびモノマ間の比等を変えることによって容
易に得ることができる。
【0039】実施例1、比較例1
ηinhが5.3のPPTAポリマーを99.6%の硫
酸にポリマー濃度12.0%で溶解し、60℃で光学異
方性のあるドープを得た。このドープの粘度を常温で測
定したところ、10,200ポイズだった。製膜し易く
するために、このドープを約60℃に保ったまま、真空
下に脱気した。この場合も上記と同じく光学異方性を有
し、粘度は4000ポイズであった。タンクからフィル
タを通し、ギアポンプを経てダイに到る1.5mmの曲管
を約60℃に保ち、0.2mm×250mmのスリットを有
するダイから、鏡面に磨いたタンタル製のベルト(3〜
8m/分で移動)に、表1に示すダイと支持面の距離
(実施例1:21mm、比較例1:34mm)でベルト
にキャストし、相対湿度約15%の約90℃(絶対湿度
73g(水)/kg(乾燥空気))の空気を吹付け、流延
ドープを光学等方化し、ベルトとともに5℃の水の中に
導いて凝固させた。次いで、凝固フィルムをベルトから
引剥がし、約20℃の水中を走行させて洗浄した。
【0040】洗浄したフィルムを金枠に挟み、定長下に
320℃で乾燥した。ベルトの速度を変えて得られた厚
みの異なるフィルムをサンプリングした結果をまとめて
表1に示す。なお、比較例1のフィルムには一面に粒状
の凹凸があった。
比較例2
実施例1と同じ装置および方法で、ベルト速度4m/分
にしてダイより出たフィルム状のドープを40mmの距離
でベルトに接触させキャストしようとしたら、ドープが
切れてキャストできなかった。
【0041】
【表1】
【0042】
【発明の効果】本発明のフィルムは、実施例に示したよ
うに市販のフィルムでは見られない極薄で厚み斑が少な
く、高い光線透過率を有し、しかも長尺方向および幅方
向ともに高い強度と高いヤング率で表される良好な機械
的性質を有している。また、これらの機械的特性のみな
らず、優れた電気絶縁性、耐熱性、耐圧性、強酸以外の
耐薬品性、構造の緻密性を有する。このため本発明のフ
ィルムは、高速回転する電気機器の絶縁材料や磁気テー
プ、フレキシブルプリント配線基板、電線被覆材、濾過
膜等に好適に使用することができ、さらにもう1つの特
徴である透明性に優れていることから、包装材料、製版
材料、写真フィルム等にも有用なものである。
【0043】また、本発明のフィルムは、きわめて薄く
て厚み斑が少なく、高い透明性を有し、さらに耐熱性に
優れるため、コンデンサフィルムとして使用されたとき
軽量で超小型でありながら、溶解したハンダ浴に直接入
れてハンダ付けのできるコンデンサとなり得る。このた
め、有機フィルムでは例を見ないコンデンサ用フィルム
として有用である。Description: BACKGROUND OF THE INVENTION 1. Field of the Invention The present invention relates to a film comprising a para-oriented aromatic polyamide and a method for producing the same, and more particularly, to a longitudinal direction of the film (referred to as an MD direction). The present invention relates to a thin and highly transparent para-oriented aromatic polyamide film exhibiting excellent mechanical properties in both a width direction and a width direction (referred to as a TD direction) and having a small thickness unevenness and high transparency. [0002] Poly (p-phenylene terephthalamide) (hereinafter referred to as P
PTA) is a polymer material which has particularly excellent crystallinity and a high melting point, and has a high heat resistance and a high mechanical strength because of its rigid molecular structure. . Further, it has been reported that fibers spun from a concentrated solution showing its optical anisotropy exhibit high strength and modulus, and have already been industrially implemented.
There are few proposals for application examples to films, and practical examples have not yet been known. [0003] Problems with PPTA include that useful high molecular weight polymers are poorly soluble in organic solvents, and that strong inorganic acids such as concentrated sulfuric acid must be used as solvents. For example, JP-B-56-45421 discloses a linear coordinating aromatic polyamide obtained by introducing a halogen group into the aromatic group,
Attempts have been made to copolymerize an aromatic polyamide having no substituent on an aromatic other than TA to make it soluble in an organic solvent and obtain a film therefrom. But,
This is disadvantageous in that the cost is high because the monomer is expensive, and the heat resistance and crystallinity of the linear coordinating aromatic polyamide are degraded. On the other hand, JP-B-59-14567 discloses a method in which an aromatic polyamide solution having optical anisotropy is extruded from a slit through a short air layer into a coagulation bath. Only the mechanical strength in the MD direction was strong, and the mechanical strength in the TD direction orthogonal thereto was extremely weak, and only those that were easy to avoid were obtained. In this way, simply extruding the optically anisotropic dope of the aromatic polyamide and coagulating it as it is is likely to be excessively oriented in the discharge direction and easily fibrillated and weak in the TD direction. Various film production methods have been studied. [0005] For example, Japanese Patent Publication No. 57-35088 discloses that an aromatic polyamide solution having optical anisotropy is extruded from a ring die and is simultaneously cast in a biaxial direction in a dope state by an inflation method. It is stated that an isotropic film can be obtained by wet solidification. However, in this method, it is difficult to obtain a transparent film having a uniform thickness, and there is a drawback that mechanical strength, particularly tear strength, is low. In Japanese Patent Publication No. Sho 59-5407 and Japanese Patent Laid-Open Publication No. Sho 54-132677, an optically anisotropic or optically isotropic dope of a linear coordinating aromatic polyamide is formed in a die in the direction of extrusion. It has been proposed to mechanically apply a shearing force in a right angle direction to orient the material in the biaxial direction of the extrusion direction and the right angle direction at the time of extrusion. However, the structure of the die is complicated and there is a problem in industrial implementation. . Further, it is difficult to obtain a film having a high tear strength by a method in which orientation is performed by a shearing force. [0007] Further, J.I. Appl. Polym. Sc
i. vokl. 27, no. 8. P. 2965-298
6 (1982) proposes to obtain a biaxially oriented film by extruding an optically anisotropic dope of PPTA from a ring die onto a conical mandrel coated with oil. The mechanical strength is low, though isotropic, and when drafting, the mechanical strength in the MD direction is high, but the mechanical strength in the TD direction is remarkably low. Difficult to reduce spots. Japanese Patent Publication No. 57-17886 discloses that an optically anisotropic dope of a linear coordinating aromatic polyamide is heated immediately before coagulation until it becomes optically isotropic, and then coagulated, whereby a transparent and mechanically doped dope is obtained. It is described that a film having isotropic physical properties is obtained. This method is an original one against the general concept of obtaining high performance by utilizing the conventional optically anisotropic doping, thereby relieving extreme uniaxial orientation of the optically anisotropic doping. At the same time, the optically anisotropic doped liquid crystal domain structure remains after extruding the dope and succeeds in avoiding solidification to form an opaque film. However, there is no specific disclosure of a transparent film that is extremely thin and has little unevenness in thickness. SUMMARY OF THE INVENTION An object of the present invention is to provide a film which is extremely thin, has little unevenness of thickness, has high transparency and is excellent in flatness, using a para-oriented aromatic polyamide. . Means for Solving the Problems The present inventors have conducted intensive studies to obtain a para-oriented aromatic polyamide film meeting the above object, and have obtained the following findings. That is,
A technique disclosed in Japanese Patent Publication No. 57-17886, ie, an optically anisotropic dope of PPTA is prepared, and then this is optically isotropic and solidified to obtain a transparent para-oriented aromatic material having excellent mechanical performance. In the method for producing an aromatic polyamide film, after the dope is separated from the die, adhered to a support surface as short as possible, solidified under specific conditions by optical isotropy, washed, and shrinkage occurring in a drying process It was found that a novel film having an extremely thin thickness and a small thickness unevenness can be obtained with extremely high transparency and flatness by conducting the above process, and as a result of further studies, the present invention was completed. The invention claimed in the present application to achieve the above object is as follows. (1) A film made of a substantially para-oriented aromatic polyamide having a logarithmic viscosity of 3.5 or more, having a thickness of 8 μm or less, and having a thickness unevenness of the film of 10% or less (excluding 5% or less) A) an aromatic polyamide film; (2) An optically anisotropic dope consisting essentially of a para-oriented aromatic polyamide having a logarithmic viscosity of 3.5 or more and 95% by weight or more of sulfuric acid is added to a die while maintaining the optical anisotropy. A method for producing a film in which the dope is cast on a moving supporting surface, and the dope is optically isotropically converted by moisture absorption and / or heating and then solidified, wherein the dope is 30 mm or less (excluding 8 mm or less) from a die. After making contact on the support surface at a distance, converted to optically isotropic, then 5 ° C.
After coagulating in the following coagulating liquid, washing and stretching
320 with limited shrinkage of the film without
A method for producing an aromatic polyamide film, characterized by drying at a temperature of at least ℃. The para-oriented aromatic polyamide used in the present invention, PPTA as its representative polymer, is substantially: It is a polymer represented by the following formula, and is conveniently produced from a conventionally known paraphenylenediamine and terephthaloyl chloride by a low-temperature solution polymerization method.
If the polymerization degree of the polymer of the present invention is too low, a film having good mechanical properties cannot be obtained, so that the logarithmic viscosity ηinh of 3.5 or more, preferably 4.5 or more (100 ml of sulfuric acid)
Of a polymer having a degree of polymerization which gives 0.3 g of a polymer dissolved in water at 30 ° C.). The upper limit of the degree of polymerization of the polymer is not limited as long as it can be produced industrially. The film of the present invention can achieve the object only when the following requirements are satisfied. First,
Next, a film having a thickness of 8 μm or less is selected as the film of the present invention. Films with a thickness exceeding 8 μm
For example, when used as a capacitor film, in order to make a capacitor with the same capacity as a thin film, it is generally necessary to increase the electrode area in proportion to the square of the thickness. Lightweight and large capacitance cannot be obtained. Although there is no particular lower limit on the thickness of the film, handling is difficult if the film is too thin. When the film of the present invention is used for a capacitor, for example, the thickness is preferably 5 μm or less. Second, the film of the present invention has a thickness unevenness of 10% or less (however,
Excluding 5% or less) . This requirement is indispensable for producing a capacitor having the same capacitance, for example, in the case of a capacitor film as described above. If a capacitor with a large unevenness in film thickness is used as a capacitor, not only will the yield be high and productivity will deteriorate,
Since a space is generated in the capacitor, vibration of the film is generated by applying an AC electrode, and a sound corresponding to a frequency may be generated. The thickness and thickness unevenness referred to in the present invention can be measured, for example, by using a capacitance-type contact thickness meter (type CL-23 manufactured by Ono Sokki Co., Ltd.).
0), the average value of the thickness at 10 measurement points arbitrarily selected from the film, and (maximum value−minimum value)
/ Average value × 100. The film of the present invention,
It has high transparency and smooth flatness. Also, the film of the present invention is preferably substantially free of voids. Further, the film of the present invention generally has a density in the range of 1370 to 1420 g / cm 3 . This density value was measured at 30 ° C. by a density gradient tube method using carbon tetrachloride-toluene. Scope of this density is considerably smaller compared to that of known PPTA fiber is in the range of 1.43 g / cm 2 of 1.46 g / cm 2. If the density is less than 1370 g / cm 2 , the mechanical properties deteriorate, and if it exceeds 1420 g / cm 2 , the film loses the isotropy of the mechanical properties according to the plane orientation. In any case, since the density is so small,
A light and high strength film will be obtained. The film of the present invention preferably has a plane orientation defined by a crystal orientation angle by X-ray diffraction described below. That is, the crystal orientation angle related to the peak at 2θ ≒ 23 ° due to X-rays incident perpendicular to the film surface is 30 ° or more, and the crystal orientation angle related to the peak at 2θ ≒ 18 ° due to the X-rays incident parallel to the film surface. 60
° or less. The incidence of X-rays is classified into a case where the X-ray is incident on the film surface at a right angle (hereinafter referred to as TV direction) and a case where the X-ray is incident on the surface in parallel (hereinafter referred to as SV direction). Of the film was exposed to X-rays from the TV direction.
Although there is a large diffraction peak at θ ≒ 23 °, this 2θ ≒ 2
The crystal orientation angle at 3 ° is preferably 30 ° or more. More preferably, it is 60 ° or more. Further, a large diffraction peak of 2θ ≒ 18 ° appears on the equator line due to incidence from the SV direction, and the crystal orientation angle at 2θ ≒ 18 ° is preferably 60 ° or less. When both of these crystal orientation angles are satisfied, it can be said that the film of the present invention has a so-called plane-oriented structure,
It is highly preferred because it has high mechanical properties (eg, strength, elongation, Young's modulus) in both the film-drawing direction and the direction perpendicular thereto, and also has high tear strength. In this respect, it can be clearly distinguished from the film disclosed in Japanese Patent Publication No. 55-14170. As a method for measuring the crystal orientation angle, a known method can be employed, for example, the following method.
Place the counter tube at the specified 2θ angle and set the film at 180 °
By rotating, a diffraction intensity curve is obtained. In the case of a TV, the maximum strength is used as the center, and the TV is rotated by 90 ° before and after. The arc length in the diffractogram, in degrees, corresponding to the point at which the highest intensity of the curve is half the intensity relative to the baseline drawn between the lowest intensity points (ie, 50% of the maximum intensity baseline). Angle to point)
Is measured, and this is defined as the crystal orientation angle of the sample. In the measurement, the diffraction intensity can be measured by stacking several films as necessary. Such a thin film having a small thickness unevenness can be produced according to the following method.
In addition, the fact that the unevenness of the film is small is related to the fact that shrinkage during drying is limited as described later. In the method of the present invention, first, it is necessary to adjust the optically anisotropic doping of PPTA. A suitable solvent for adjusting the dope used for forming the PPTA film of the present invention is sulfuric acid having a concentration of 95% by weight or more. With less than 95% sulfuric acid, dissolution is difficult or the dope after dissolution becomes abnormally high in viscosity. Chlorosulfuric acid, fluorosulfuric acid, phosphorus pentoxide, trihalogenated acetic acid, and the like may be slightly mixed in the dope of the present invention. Sulfuric acid may be used in an amount of 100% by weight or more, but a concentration of 98 to 100% by weight is preferably used from the viewpoint of stability and solubility of the polymer. The concentration of the polymer in the dope used in the present invention is preferably not less than a concentration exhibiting optical isotropy at room temperature (about 20 to 30 ° C.) or higher.
0% by weight or more is preferred. At polymer concentrations that do not exhibit optical anisotropy at room temperature or higher, molded PPTA films often do not have favorable mechanical properties. Although the upper limit of the polymer concentration of the dope is not particularly limited, it is usually preferably 20% by weight or less, particularly preferably 18% by weight or less, particularly preferably 16% by weight or less for PPTA having a high ηinh. . The dope of the present invention may contain ordinary additives, for example, extenders, delusterants, ultraviolet stabilizers, heat stabilizers, antioxidants, pigments, and solubilizers. Whether the dope is optically anisotropic or optically isotropic can be determined by a known method, for example, a method described in Japanese Patent Publication No. 50-8474. The critical point is determined by the type of solvent, temperature, polymer concentration, It depends on the degree of polymerization of the polymer, the content of non-solvent, etc.Therefore, by examining these relationships in advance, an optically anisotropic dope is created, and by changing the condition to become an optically isotropic dope, It can be changed to optical isotropic. In the dope used in the present invention, insoluble dust and foreign matters are removed as much as possible prior to molding and solidification by filtration or the like, and a base such as air generated or entrained during melting is removed. It is preferable to remove them.
Degassing can be performed after adjusting the dope,
It can also be achieved by performing the process under vacuum (reduced pressure) from the stage of charging the raw materials for adjustment. Adjustment of the dope can be performed continuously or batchwise. The dope adjusted in this way is cast on a supporting surface moving from a die, for example, a slit die, while maintaining optical anisotropy. The distance until the dope contacts the support surface is important, and is 30 mm or less (excluding 8 mm or less).
) . If the distance is too large, the reason is not clear, but not only is a granular material generated, resulting in uneven thickness, but also breakage and the like. This phenomenon is particularly noticeable when the film is made thinner.
% Or less (excluding 5% or less) , which is an essential requirement for obtaining a thin film with extremely small thickness unevenness. In addition,
It is preferable that the distance until the film-shaped dope coming out of the die comes into contact with the support surface is as short as possible. In the present invention, the steps of casting and subsequent conversion to optical isotropic, coagulation, washing, stretching, drying and the like are preferably carried out continuously, but if necessary, all or some of them. May be performed intermittently, that is, in a batch manner. In order to obtain a transparent film having excellent mechanical properties according to the present invention, it is necessary to convert the dope from optically anisotropic to optically isotropic prior to solidification after casting the dope on the support surface. In order to make the optically isotropic from the optical anisotropy, specifically, the optically anisotropic dope cast on the support surface is absorbed prior to solidification to reduce the concentration of the solvent forming the dope. , The dope is transferred to the optically isotropic region by changing the solvent dissolving capacity and the polymer concentration, or the dope is heated by heating, and the dope phase is transferred to the optically isotropic, or the moisture absorption and heating are performed simultaneously. Alternatively, it can be achieved by using them sequentially. Among them, the method utilizing moisture absorption is useful because the optical anisotropy, including the method using heating, is efficiently performed without causing decomposition of PPTA. To dope the dope, air at normal temperature and humidity may be used, but preferably humidified or heated and humidified air is used. The humidified air may contain water in the form of mist exceeding the saturated vapor pressure, or may be so-called steam. However, saturated steam at about 45 ° C. or lower often contains large granular condensed water, which is not preferable in some cases. Usually, normal temperature to about 180 ° C, preferably 50 to 1
It is performed by humidified air at 50 ° C. In the case of the heating method, the heating means is not particularly limited, and examples thereof include a method of applying the humidified air to the casting dope, a method of irradiating an infrared lamp, and a method of dielectric heating. The casting dope optically isotropic on the support surface is then subjected to coagulation by contact with a coagulation liquid. In the present invention, the coagulating liquid of the dope can be, for example, diluted sulfuric acid of about 70% by weight or less, aqueous sodium hydroxide solution and ammonia water of about 20% by weight or less,
Sodium sulfate, sodium chloride aqueous solution and calcium chloride aqueous solution of about 10% by weight or less. In the present invention, the temperature of the coagulating liquid is preferably 5 ° C. or less. In general, it has been found that the lower the concentration of the coagulating liquid, the smaller the void containing the film. Since the solidified film containing that or until the acid, to produce a small film of reduction in mechanical properties by heating wash acid content, it is necessary to perform as much as possible removed. It is desirable that the removal of the acid content is specifically performed to about 500 ppm or less. Water is usually used as a washing liquid, but if necessary, washing may be performed with warm water, or after neutralizing and washing with an aqueous alkaline solution, washing with water or the like. The cleaning is performed by, for example, running the film in the cleaning liquid or spraying the cleaning liquid. The washed film can be stretched.
Dried without bets, but drying should be carried out to limit the contraction of full <br/> Irumu under tension or under a constant length. If a film having a tendency to shrink with the removal of a washing liquid (eg, water) is dried without any limitation on shrinkage, a non-uniform structure formation (e.g., crystallization) may occur on a microscopic basis. The light transmittance of the obtained film is reduced. In addition, in the case of the thin film of the present invention, not only a film having poor mechanical properties is often obtained, but also partial unevenness or the like occurs, resulting in uneven thickness, or further impairing the flatness of the film, It may curl. In order to dry while limiting shrinkage, for example, a tenter drier or drying by sandwiching between metal frames can be used. Other conditions relating to drying are not particularly limited, and include methods using a heating gas (air, nitrogen, argon, etc.) or a normal temperature gas, a method using radiant heat such as an electric heater or an infrared lamp, and a method using a dielectric heating method. The drying temperature can be freely selected, but the drying temperature is preferably high.
A temperature of at least 20 ° C. is particularly preferred. The maximum drying temperature is not particularly limited, but is preferably 500 ° C. or lower in consideration of drying energy and decomposability of the polymer. In the method of the present invention, it is one of the preferred embodiments that the film is produced by continuously running the film throughout the entire process. However, if desired, the film may be partially batchwise operated. Further, an oil agent, a dye for identification, or the like may be applied to the film in an optional step. In addition, in order to obtain a film having excellent transparency in the present invention, that is, an extremely large light transmittance, the dope is, of course, a gas for absorbing moisture, a gas for heating, a supporting body, a coagulating liquid, a cleaning liquid, a drying gas, and the like. It is preferable to reduce the content of dust and dirt as much as possible. In this regard, producing the film of the present invention in a so-called clean room or clean water is also one of the preferred embodiments. EXAMPLES Examples of the present invention and production examples of reference examples (PPTA) will be shown below, but these reference examples and examples explain the present invention. This does not limit the present invention. In the examples, unless otherwise specified, parts by weight or% by weight are indicated. Logarithmic viscosity ηinh is 98% sulfuric acid 100ml
0.2 g of the polymer was dissolved in the solution and measured at 30 ° C. by a conventional method. The viscosity of the dope was measured using a B-type viscometer at a rotation speed of 1 rpm. The thickness of the film is measured by a capacitance type non-contact thickness gauge (type CL-23, manufactured by Ono Sokki Co., Ltd.).
(Type 0), the thickness was determined from the average value of the thickness at 10 measurement points arbitrarily selected from the film, and the thickness unevenness was calculated from (maximum value−minimum value) / average value × 100.
For the elongation and modulus, a film sample was cut into a rectangle of 100 mm x 10 mm using a constant-speed elongation type elongation meter, and a load-elongation curve was drawn five times with an initial gripping length of 30 mm and a pulling speed of 30 mm / min. , Calculated from this. Reference Example (Production of PPTA) PPTA was obtained by a low-temperature solution polymerization method as follows. In a polymerization apparatus disclosed in JP-B-53-43986, N
-Anhydrous lithium chloride 70 in 1000 parts methylpyrrolidone
Were dissolved, followed by 48.6 parts of paraphenylenediamine. After cooling to 8 ° C., 91.4 parts of terephthalic acid dichloride were added at once in powder form. After a few minutes, the polymerization reaction product solidified in the form of cheese.
The polymerization reaction product was discharged from the polymerization apparatus according to the method described in JP-A-86-86, and was immediately transferred to a twin-screw closed kneader, and the polymerization reaction product was finely pulverized in the kneader. Next, the finely pulverized product was transferred into a Hexiel mixer, to which an approximately equal amount of water was added, further pulverized, filtered, washed several times in warm water, and dried in hot air at 110 ° C. 95 parts of a pale yellow PPTA polymer having an η inh of 5.5 were obtained. The polymers having different ηinh are the ratio of N-methylpyrrolidone to a monomer (paraphenylenediamine and terephthalic acid dichloride),
Alternatively, it can be easily obtained by changing the ratio between monomers and the like. Example 1, Comparative Example 1 A PPTA polymer having a η inh of 5.3 was dissolved in 99.6% sulfuric acid at a polymer concentration of 12.0% to obtain a dope having optical anisotropy at 60 ° C. The viscosity of this dope measured at room temperature was 10,200 poise. In order to facilitate film formation, the dope was degassed under vacuum while keeping the dope at about 60 ° C. Also in this case, it had the same optical anisotropy as above, and the viscosity was 4000 poise. A 1.5 mm curved tube extending from the tank to the die through the gear pump to the die is kept at about 60 ° C., and a die having a slit of 0.2 mm × 250 mm is passed through a mirror-polished tantalum belt (3 to 5 mm).
At a distance of 8 m / min) and cast on a belt at a distance between the die and the support surface shown in Table 1 (Example 1: 21 mm, Comparative Example 1: 34 mm), and a relative humidity of about 15%, about 90 ° C. (73 g absolute humidity) (Water) / kg (dry air)), and the casting dope was optically isotropic, and was introduced into water at 5 ° C. with a belt to solidify. Next, the coagulated film was peeled off from the belt and washed by running in water at about 20 ° C. The washed film was sandwiched between metal frames and dried at 320 ° C. under a fixed length. Table 1 summarizes the results of sampling films having different thicknesses obtained by changing the belt speed. The film of Comparative Example 1 had granular irregularities on one surface. COMPARATIVE EXAMPLE 2 With the same apparatus and method as in Example 1, when the belt-shaped dope coming out of the die was brought into contact with the belt at a distance of 40 mm at a belt speed of 4 m / min and tried to cast, the dope was cut and could not be cast. . [Table 1] As shown in the examples, the film of the present invention is extremely thin and has a small thickness unevenness, has a high light transmittance, is not found in a commercially available film, and has a long direction and width. One
On the other hand , it has good mechanical properties represented by high strength and high Young's modulus. In addition to these mechanical properties, it has excellent electrical insulation, heat resistance, pressure resistance, chemical resistance other than strong acid, and dense structure. For this reason, the film of the present invention can be suitably used as an insulating material or a magnetic tape for high-speed rotating electric equipment, a flexible printed wiring board, a wire covering material, a filtration membrane, and the like. It is useful for packaging materials, plate making materials, photographic films and the like. Further, the film of the present invention is extremely thin, has little unevenness in thickness, has high transparency, and is excellent in heat resistance. It can be a capacitor that can be put directly into a solder bath and soldered. For this reason, it is useful as a film for a capacitor which is not seen in an organic film.
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08J 5/00 - 5/02 C08J 5/12 - 5/22 B29C 41/12 ──────────────────────────────────────────────────続 き Continued on the front page (58) Field surveyed (Int. Cl. 6 , DB name) C08J 5/00-5/02 C08J 5/12-5/22 B29C 41/12
Claims (1)
ポリアミドよりなるフィルムであって、8μm以下の厚
みを持ち、かつフィルムの厚み斑が10%以下(但し5
%以下を除く)であることを特徴とする芳香族ポリアミ
ドフィルム。 2.対数粘度が3.5以上のパラ配向性芳香族ポリアミ
ドと95重量%以上の硫酸とから実質的になる光学異方
性ドープを、光学異方性を保ったままダイから移動する
支持面上に流延し、吸湿または/および加熱により該ド
ープを光学等方性に転化したのち凝固させるフィルムの
製造方法において、前記ドープをダイから30mm以下
(但し8mm以下を除く)の距離で前記支持面上に接触さ
せたのち光学等方性に転化し、次いで5℃以下の凝固液
中で凝固させ、洗浄したのち、これを延伸することなし
にフィルムの収縮を制限した状態で320℃以上の温度
で乾燥することを特徴とする芳香族ポリアミドフィルム
の製造方法。(57) [Claims] A film made of a substantially para-oriented aromatic polyamide having a logarithmic viscosity of 3.5 or more, having a thickness of 8 μm or less, and having a thickness unevenness of 10% or less (5% or less).
% Or less). 2. An optically anisotropic dope consisting essentially of a para-oriented aromatic polyamide having a logarithmic viscosity of 3.5 or more and 95% by weight or more of sulfuric acid is placed on a support surface that moves from a die while maintaining optical anisotropy. In a method for producing a film in which the dope is cast by optical absorption and / or heat absorption and / or heating and then solidified, the dope is placed on the supporting surface at a distance of 30 mm or less (excluding 8 mm or less) from a die. And then converted to optically isotropic, then coagulated in a coagulating liquid at 5 ° C or less, washed, and then without stretching
A method for producing an aromatic polyamide film, characterized in that the film is dried at a temperature of 320 ° C. or more while restricting shrinkage of the film.
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JP8206039A JP2912877B2 (en) | 1996-08-05 | 1996-08-05 | Aromatic polyamide film and method for producing the same |
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Publication Number | Publication Date |
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1996
- 1996-08-05 JP JP8206039A patent/JP2912877B2/en not_active Expired - Lifetime
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