JP2911323B2 - 金属地金の製造方法及び装置 - Google Patents

金属地金の製造方法及び装置

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JP2911323B2
JP2911323B2 JP4326017A JP32601792A JP2911323B2 JP 2911323 B2 JP2911323 B2 JP 2911323B2 JP 4326017 A JP4326017 A JP 4326017A JP 32601792 A JP32601792 A JP 32601792A JP 2911323 B2 JP2911323 B2 JP 2911323B2
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一夫 増田
豊 三田
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NITSUKO KINZOKU KK
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  • Casting Support Devices, Ladles, And Melt Control Thereby (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、亜鉛、アルミ
ニウム、鉛、鉄合金、金、銀その他種々の金属の溶解な
どに使用される金属地金の製造方法及び製造装置に関
し、特に、金属地金が鋳造により製造され、鋳型の底部
に凸部を設け、鋳型内の溶融金属が未だ固化していない
状態にて、鋳型の凸部と対向した位置にスリット形成部
材を内方へと突入して複数の地金に分割するための割り
溝を容易に形成し、且つ鋳造完了と同時に割り溝が完成
する金属地金の製造方法及び製造装置に関するものであ
る。従って、本発明にて製造される金属地金は、使用に
際して、非常に割り易い形状とされた点に特徴を有す
る。
【0002】
【従来の技術】例えば亜鉛地金のような金属地金は溶解
して使用されることが多いが、金属地金1個当たりの重
量は、溶解設備に応じてKgオーダーからTonオーダ
ーまで様々である。大きな溶解設備を有するところで
は、機械化されていることが多く、金属地金も1個当た
りの重量の重いものを使用している。一方、小さな溶解
設備を有するところでは機械化されていない場合が多
く、溶解設備への金属地金の投入は殆ど人手によってい
る。
【0003】人手による投入作業では、金属地金の重量
は20Kg程度が限界であり、又、生産効率及び出荷、
輸送の際の梱包費用の点からも、現状では1個当たり2
0Kg程度とされる。そのために、図2に示すように、
現在、使用時の金属地金1の1個当たりの重さを10〜
20Kgとなるように、金属地金1に溝2を設け、使用
時にこの溝2を利用して複数の、重さ20Kg以下の地
金1a、1b、1cに分割している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、金属地
金1は、軽ければ軽い程作業が楽になるので、最近では
1〜2Kg以下が要望されている。又、溶解設備が小さ
い場合、この設備に一度に多くの金属地金を投入すると
溶解設備の温度が急激に低下してしまうので温度管理上
好ましくない。この点からも、小さな溶解設備で使用さ
れる金属地金は、1個当たり1〜2Kgといった重量の
軽いものが要求される傾向にある。
【0005】使用時の1個当たりの金属地金1の重量を
小さくするために、図2の形状の金属地金1において、
溝2をより多くし、一つの金属地金1をより多数に分割
することも考えられる。しかしながら、このような従来
形状の金属地金1においては、本発明者らの実験の結果
によれば、一つの金属地金1から複数の地金1a、1
b、1cへと個々に分割するのが極めて困難であること
が分かった。勿論、溝2の深さを深くすることにより、
個々の分割を容易にすることができるが、従来の製造方
法及び装置によれば、溝2の深さを深くすることには限
界があった。
【0006】つまり、図2に示すような金属地金1は、
通常、重力鋳造法によって生産されている。図3を参照
して簡単に説明すれば、金属地金1の鋳造に使用される
鋳型Mは、上部が開放した箱形とされ、又その底部に
は、金属地金1の溝2を形成するための凸部Maが形成
される。
【0007】注湯装置100が傾動され、注湯装置10
0から金属溶湯Lが鋳型M内へと注入される(図3
(A))。
【0008】鋳型Mの上部開口注湯側の上方には、注湯
の際に鋳型Mの湯面に発生するドロスDを掻き取るため
のカス取り装置200が配置される。カス取り装置20
0は、鋳型M内へとそのカス取り板201を突入し(図
3(B))、次いで、カス取り板201を互いの方へと
駆動することにより、ドロスDを掻き取る(図3
(C))。その後、カス取り装置200は、上昇して、
カス取り板201を鋳型Mの側方へと移動し、カス取り
板201を開放することにより、ドロスDをカス溜めR
へと放出する(図3(D))。その後、カス取り装置2
00は初期位置(図3(B))へと復帰し、次のカス取
り作動の準備を行なう。
【0009】このように、重力鋳造の場合、鋳型Mへの
注湯の際に発生するドロスDを掻き取る必要がある。従
って、カス取り板201を作動させるために、鋳型Mの
底面に形成される凸部Maの高さを高くするには限界が
ある。
【0010】そのために、図2に示すような形状の金属
地金1によれば、溝2を深くして割れ易くすることは実
際上不可能である。
【0011】更に、近年、金属地金1はエンドレス型の
鋳型コンベアで生産されている。このような鋳造設備で
は、上述のように、機械式のカス取り装置200でドロ
スDの掻き取りを行なっており、そのために、鋳型凸部
Maが高いと、カス取り板201が鋳型凸部Maに当た
り、ドロス掻き取りがうまくできなかったり、カス取り
装置200を故障させたりする。このため、生産者とし
ては溝2が浅い、即ち鋳型凸部Maの低い鋳型Mで鋳造
する方が望ましい。
【0012】従って、本発明の目的は、出荷、輸送に際
しても簡単な梱包で済み、更に、使用する時はハンマー
のような工具で容易に小割ができる、割れ易い形状をし
た金属地金を生産効率良く製造するための金属地金の製
造方法及び製造装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的は本発明に係る
金属地金の製造方法及び製造装置にて達成される。要約
すれば、本発明によれば、複数の地金に分割するのを容
易とするための、下面及び上面に対向して内方へと突入
した溝を形成した金属地金が製造される。
【0014】つまり、本発明の第1の態様によれば、複
数の地金に分割するのを容易とするための、下面及び上
面に対向して内方へと突入した溝を形成した金属地金の
製造方法であって、 (a)底部に凸部を有し、且つ上部が開口した箱形の鋳
型を準備すること、 (b)前記鋳型に溶融金属を注入すること、 (c)前記鋳型の湯面に発生したドロスを掻き取るこ
と、 (d)前記鋳型内の溶融金属が未だ固化していない状態
にて、鋳型内にスリット形成部材を突入して、前記鋳型
の凸部と対向した位置に、複数の地金に分割するのを容
易とするための内方へと突入した溝を形成すること、 (e)前記スリット形成部材を鋳型より除去した後、前
記鋳型内の溶融金属を完全に冷却して固化すること、及
び (f)前記鋳型内から、固化し、且つ、下面及び上面に
対向して内方へと突入した溝が形成され分割容易とされ
た金属地金を取り出すこと、を特徴とする金属地金の製
造方法が提供される。
【0015】又、本発明の第2の態様によると、複数の
地金に分割するのを容易とするための、下面及び上面に
対向して内方へと突入した溝を形成した金属地金の製造
装置であって、鋳型を担持し搬送するエンドレス型鋳型
コンベアに沿って往復運動する注湯装置とカス取り装置
とを備え、更に、エンドレス型鋳型コンベアに沿って往
復運動するスリット装置を設け、前記スリット装置は、
前記エンドレス型鋳型コンベアに担持された鋳型の底部
に形成された凸部と協働して金属地金に、この金属地金
を複数の地金に分割するのを容易とするための内方へと
突入した溝を形成するためのスリット形成手段と、この
スリット装置を、前記鋳型内の金属が未だ固化していな
い状態にあるときに前記エンドレス型鋳型コンベアと同
調して駆動するための同調手段と、前記スリット装置を
所定の始発位置に復帰するための復帰駆動手段とを有
し、分割容易な金属地金を製造することを特徴とする金
属地金の製造装置が提供される。
【0016】
【実施例】次に、本発明に係る金属地金の製造方法及び
製造装置について更に詳しく説明する。本実施例では、
金属地金は亜鉛地金であるとして説明するが、本発明は
これに限定されるものではなく、他の種々金属にも適用
し得るものである。
【0017】図1は、本発明によって製造される金属地
金の一実施例を示す。本発明に従えば、金属地金1の下
面及び上面に、対向して、金属地金1を横断する方向に
溝2が形成される。溝2は、好ましくは図示するよう
に、内方へと尖った形状の、所謂、楔形とされるが、こ
れに限定されるものではなく他の形状とすることもでき
る。本実施例にて、金属地金1には、2組の溝2が形成
され、3個の金属地金1a、1b、1cに分割し得る態
様を示すが、溝2の個数は、これに限定されるものでは
なく、必要に応じて任意の個数とし得る。又、溝2の個
数、即ち、個々の地金1a、1b、1cの重量のみなら
ず、金属地金1の大きさに関しても、必要に応じて任意
の大きさにて、つまり、生産者にとって生産効率の良い
大きさにて、生産することができる。例えば、厚さ3.
0〜4.0×長さ40〜50×幅10〜30cmの亜鉛
地金においては、溝2の上面及び下面からの深さ(H)
は0.8〜2.5cm、頂角(θ)は45〜90゜とさ
れるのが好適である。ただ、この溝2の寸法、形状は、
地金の大きさ、或は、金属の種類によっても適当な値が
選択されるであろう。
【0018】このような形状とすることにより、金属地
金1は、使用に際して使用者はハンマーなどで容易に小
割りでき、又、梱包も、金属地金1を積み重ねてバンド
掛けする程度の簡単な梱包で済むことから経済的効果が
期待できる。
【0019】次に、本発明に係る金属地金の製造方法及
び装置について説明する。
【0020】図4に、金属地金製造装置の一実施例の全
体構成を示す。本実施例にて、金属地金製造装置は、エ
ンドレス型の鋳型コンベア10を有する。このエンドレ
ス型鋳型コンベア10は、従来使用されており、当業者
には周知の構造とされるので、全体構成の詳しい説明は
省略する。本実施例にて、エンドレス型鋳型コンベア1
0は、金属地金用鋳型Mを2個一組にて担持し、矢印方
向へと無端移動する。各鋳型Mは、図3を参照して説明
したように、上部が開放した箱形とされ、又その底部に
は、一方向に横断して且つ互いに平行に形成された、金
属地金1の溝2を形成するための凸部Maが形成されて
いる。なお、本実施例では、図8に示すように、凸部M
aは4個形成されている。
【0021】本実施例の金属地金製造装置は、注湯装置
100と、カス取り装置200と、スリット装置300
とを有する。注湯装置100とカス取り装置200は一
体として台車に取り付けられている。台車に取り付けら
れた注湯装置100とカス取り装置200の構成及び作
動は、従来、当業者には周知のものであり、次に簡単に
説明し、詳しい説明は省略する。
【0022】主として図5を参照すると、台車101
(図6)に、注湯装置100とカス取り装置200は一
体として設けられる。台車101は、エンドレス型鋳型
コンベア10に沿ってレール103(図6)上を往復運
動自在される。このとき、台車101は、鋳型コンベア
10の進行方向に対しては、同調手段の同調アーム10
4(図4)を鋳型コンベア10に設けた同調ダボ12に
係止することにより、鋳型コンベア10と同調して移動
し、所定距離移動した後は、この同調アーム104を同
調ダボ12より解除し、復帰シリンダ102の作動によ
り、元の初期位置(始発位置)へと復帰される。
【0023】注湯装置100は、図示してはいないが、
溶融金属を保持したポット、このポットを傾動するため
の傾動装置、ポットからの溶湯を鋳型Mへと案内するた
めのガイド、注湯計量装置などを備えており、鋳型コン
ベア10にて位置A、A’に搬送されてきた鋳型MA、
MA’に所定量の溶湯を注入する。
【0024】又、カス取り装置200は、カス取り板2
01が下方端部に取り付けられ昇降手段210、このカ
ス取り板201を互いの方へと或は互いに離間する方向
へと移動せしめる駆動手段220、前記昇降手段210
を、図4にて手前側へと移動しそして又元の位置へと復
帰するための移動手段230などを備えており、鋳型コ
ンベア10にて位置B、B’に搬送されてきた、溶湯を
有する鋳型MB、MB’に対して、図3に関連して説明
したと同様のカス取り作動を行なう。
【0025】上記構成の注湯装置100及びカス取り装
置200の作動を簡単に説明すると、上述したように、
台車101は、図5に示す状態にて、同調アーム104
(図4)が鋳型コンベア10に設けた同調ダボ12に係
止し、それによって、鋳型コンベア10と同調して移動
を開始する。この移動開始と同時に、注湯装置100
は、鋳型MA、MA’への注湯を開始する。同時に、カ
ス取り装置200は、鋳型MB、MB’に対してカス取
り作動を行なう。
【0026】この注湯及びカス取り作動は、鋳型MA、
MA’が位置B、B’に達する前に、そして又、鋳型M
B、MB’が位置C、C’に達する前に完了する。これ
ら、注湯及びカス取り作動が終了すると、直ちに、同調
アーム104の同調ダボ12に対する係止が解除され、
台車101は、復帰シリンダ102の作動により、元の
始発位置、即ち、図5に示す位置へと復帰される。そし
て、鋳型コンベア10により、次の鋳型MO 、MO ’が
位置A、A’に搬送されてきた時点にて、上記注湯及び
カス取り作動を繰り返す。即ち、注湯装置100は、鋳
型MO 、MO ’に対して注湯を行ない、カス取り装置2
00は、位置B、B’に搬送されてきた鋳型MA、M
A’に対してカス取り作業をなす。
【0027】次に、本発明の特徴をなすスリット装置3
00について説明する。
【0028】本実施例にて、スリット装置300は、図
6〜図8に最も良く図示されるように、上記カス取り装
置200に隣接して配置され、車輪303を有したフレ
ーム構造体(外枠)302とされる台車301を備えて
いる。台車301は、レール304上を往復動自在とさ
れる。
【0029】台車301のフレーム構造体302は、図
8にて理解されるように、概略逆U字形状、即ち、門型
とされ、その内部を、所定距離を以って平行に配置され
た鋳型コンベア10が貫通して通過する構造とされる。
即ち、レール304の内側に、鋳型コンベア10のため
のレール13が配置され、その上に鋳型コンベア10の
車輪14が転動する。鋳型コンベア10は、所定距離を
以って平行に配置され2組のコンベアからなり、各コン
ベアに取り付けられた支持部材15によって、上述した
ように、2個一組とされる金属地金用鋳型Mが担持さ
れ、所定速度にて搬送される。
【0030】特に図7、図8を参照すると、スリット装
置300は、スリット形成手段310を有する。このス
リット形成手段310は、本実施例によれば、4枚の互
いに離隔して平行に配置されたスリット形成部材312
と、これら各スリット形成部材312を一体に連結した
連結板313とを有する。スリット形成部材312は、
鋳型Mの凸部Maに対向して配置される楔形をしたスリ
ット板312aと、このスリット板312aの一端に接
続され、鋳型Mの外方へと延在した支持部312bとを
有する。この支持部312bには支持軸314が貫通し
て設けられ、この支持軸314は、その両端がフレーム
構造体302に軸受315(図6)を介して回転自在に
取り付けられる。従って、スリット形成部材312は、
この支持軸314を中心として揺動自在とされる。
【0031】又、スリット形成部材312の連結板31
3には、スリット駆動シリンダ320のピストン321
の先端が接続される。このスリット駆動シリンダ320
は、フレーム構造体302に取り付けられている。従っ
て、スリット駆動シリンダ320が作動することによ
り、スリット形成部材312を、支持軸314の回りに
揺動運動せしめ、それによって、スリット板312a
を、鋳型M内へと突入したり、或は鋳型Mから取り出す
ことができる。
【0032】更に、スリット装置300は、鋳型コンベ
ア10と同調して鋳型コンベアの進行方向へと移動する
ための同調手段330を有する。この同調手段330
は、従来、注湯装置100及びカス取り装置200の同
調手段と同様の構成とされ、同調アーム331と同調駆
動シリンダ332とを有する。更に説明すると、同調ア
ーム331は、ベルクランク状のアームとされ、本実施
例では、フレーム構造体302に軸受333(図6)を
介して回転自在に担持された支持軸334に取り付けら
れている。同調アーム331の一方のアームの先端は、
鋳型コンベア10に設けられた同調ダボ12に係止可能
に構成され、同調アーム331の他方のアームは同調駆
動シリンダ332のピストン335に接続される。同調
駆動シリンダ332も又フレーム構造体302に取り付
けられている。
【0033】従って、同調駆動シリンダ332を作動さ
せると、同調アーム331を、図7にて反時計方向へと
支持軸334の回りに回転させ、同調ダボ12との係止
が解除され、反対に、時計方向への回転により、同調ダ
ボ12との係止が達成される。同調アーム331が同調
ダボ12と係止しているときは、スリット装置300
は、鋳型コンベア10と同調して移動し、この同調アー
ム331を同調ダボ12より解除することにより、スリ
ット装置300の進行は停止する。
【0034】スリット装置300には、そのフレーム構
造体302に、復帰シリンダ350のピストン351の
一端が接続されている。従って、上述のように、同調ア
ーム331を同調ダボ12より解除することにより、ス
リット装置300の進行が停止した時点で、この復帰シ
リンダ350を作動させることにより、スリット装置3
00は、元の位置、即ち、始発位置へと復帰運動する。
【0035】上記構成のスリット装置300の作動を簡
単に説明する。溶湯を保持し、鋳型コンベア10にて担
持し搬送される鋳型が位置C、C’に搬送されてきた時
点にて、上述したように、台車301は、図6及び図7
に示す状態にて、同調駆動シリンダ332が作動し、同
調アーム331を鋳型コンベア10に設けた同調ダボ1
2に係止せしめる。それによって、鋳型コンベア10と
同調して移動を開始する。この移動開始と同時に、スリ
ット装置300のスリット駆動シリンダ320が作動
し、スリット形成部材312を、支持軸314の回りに
揺動運動せしめ、それによって、スリット板312a
を、図7に示すように、鋳型MC、MC’内へと突入せ
しめる。スリット板312aの鋳型MC、MC’への突
入は、位置D、D’に達する以前にできるだけ迅速に行
なうのが好ましい。鋳型MC、MC’が位置D、D’に
達する前に、所定距離移動した時点で、同調アーム33
1と同調ダボ12との係止状態が解除され、復帰シリン
ダ350が作動される。これによって、スリット装置3
00は、元の始発位置、即ち、図7に示す位置C、C’
へと復帰する。そして、鋳型コンベア10により、次の
鋳型MB、MB’が位置C、C’に搬送されてきた時点
にて、上記スリット形成作動を繰り返す。
【0036】なお、位置C、C’に搬送されてきた鋳型
MC、MC’及び位置D、D’に搬送されてきた鋳型M
D、MD’の金属は未だ溶融状態にあり、スリット形成
部材312の鋳型内への突入及び除去は容易に行なうこ
とができる。又、一方、スリット形成部材312を鋳型
M内に突入することにより、鋳型内の溶湯の溝形成領域
はこのスリット形成部材312により冷却され、位置
D、D’にてスリット形成部材312を鋳型MD、M
D’より除去しても、鋳型MD、MD’内の地金金属の
溝領域は固化状態とされ、その形状がスリット形成部材
312を除去することにより壊されることはない。
【0037】上述のようにして、スリット形成がなされ
た鋳型コンベア10上の鋳型Mは、引き続いて冷却工程
(鋳型ME、ME’、MF、MF’など)へと搬送さ
れ、鋳型内の溶融金属は完全に固化される。次いで、固
化された金属地金は、鋳型より除去される。鋳型Mは鋳
型コンベア10により、再度注湯位置へと搬送され、繰
り返し使用される。
【0038】本発明のスリットを入れた金属地金と従来
の金属地金とを抗析強度試験装置を用いて抗析強度を比
較した結果、スリットを入れた本発明に係る金属地金は
2.53t、従来のものは6.16tであり、両者の間
に大きな差があることが判った。
【0039】
【発明の効果】以上の如くに構成される本発明に係る金
属地金の製造方法及び製造装置によれば、複数の地金に
分割するのを容易とするための、下面及び上面に対向し
て内方へと突入した溝を形成した構成とされ、使用する
時はハンマーのような工具で容易に小割ができ、しか
も、出荷、輸送に際しても梱包が容易である種々の寸法
形状とされる金属地金を、従来の既存の設備を使用した
い場合には、少しの追加工事を行なうことによって、極
めて生産効率よく製造することができる。更に、本発明
によれば、金属地金は鋳造により製造され、鋳型の底部
に凸部を設け、鋳型内の溶融金属が未だ固化していない
状態にて、鋳型内にスリット形成部材を突入して、鋳型
の凸部と対向した位置に内方へと突入した溝を形成する
ことにより、複数の地金に分割するための割り溝を金属
地金に容易に形成することができ、しかも、溶融金属の
固化時には、既に金属地金に割り溝が形成されているよ
うに構成されるので、鋳造完了と同時に割り溝を完成す
ることができ、又、溝形成が極めて容易である、という
効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る金属地金の一実施例の斜視図であ
る。
【図2】従来の金属地金の斜視図である。
【図3】金属地金の製造方法の注湯及びカス取り工程を
説明する図である。
【図4】本発明に係る地金製造装置の全体構成図であ
る。
【図5】本発明に係る地金製造装置の注湯装置及びカス
取り装置を説明する一部断面側面図である。
【図6】本発明に係る地金製造装置のスリット装置を説
明する側面図である。
【図7】本発明に係る地金製造装置のスリット装置を説
明する、図8の線VII −VII に取った断面図である。
【図8】本発明に係る地金製造装置のスリット装置を説
明する、図6の線VIII−VIIIに取った断面図である。
【符号の説明】
1 金属地金 2 溝 10 鋳型コンベア 100 注湯装置 200 カス取り装置 300 スリット装置 M 鋳型 Ma 凸部
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−130749(JP,A) 特公 昭48−9697(JP,B1) 特公 昭37−2168(JP,B1) 特公 昭48−17416(JP,B1) 実公 昭48−20495(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B22D 3/00 - 5/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の地金に分割するのを容易とするた
    めの、下面及び上面に対向して内方へと突入した溝を形
    成した金属地金の製造方法であって、 (a)底部に凸部を有し、且つ上部が開口した箱形の鋳
    型を準備すること、 (b)前記鋳型に溶融金属を注入すること、 (c)前記鋳型の湯面に発生したドロスを掻き取るこ
    と、 (d)前記鋳型内の溶融金属が未だ固化していない状態
    にて、鋳型内にスリット形成部材を突入して、前記鋳型
    の凸部と対向した位置に、複数の地金に分割するのを容
    易とするための内方へと突入した溝を形成すること、 (e)前記スリット形成部材を鋳型より除去した後、前
    記鋳型内の溶融金属を完全に冷却して固化すること、及
    び (f)前記鋳型内から、固化し、且つ、下面及び上面に
    対向して内方へと突入した溝が形成され分割容易とされ
    た金属地金を取り出すこと、 を特徴とする金属地金の製造方法。
  2. 【請求項2】 複数の地金に分割するのを容易とするた
    めの、下面及び上面に対向して内方へと突入した溝を形
    成した金属地金の製造装置であって、 鋳型を担持し搬送するエンドレス型鋳型コンベアに沿っ
    て往復運動する注湯装置とカス取り装置とを備え、更
    に、エンドレス型鋳型コンベアに沿って往復運動するス
    リット装置を設け、 前記スリット装置は、前記エンドレス型鋳型コンベアに
    担持された鋳型の底部に形成された凸部と協働して金属
    地金に、この金属地金を複数の地金に分割するのを容易
    とするための内方へと突入した溝を形成するためのスリ
    ット形成手段と、このスリット装置を、前記鋳型内の金
    属が未だ固化していない状態にあるときに前記エンドレ
    ス型鋳型コンベアと同調して駆動するための同調手段
    と、前記スリット装置を所定の始発位置に復帰するため
    の復帰駆動手段とを有し、分割容易な金属地金を製造す
    ることを特徴とする金属地金の製造装置。
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