JP2910591B2 - 時計ケース構造 - Google Patents

時計ケース構造

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JP2910591B2
JP2910591B2 JP30799194A JP30799194A JP2910591B2 JP 2910591 B2 JP2910591 B2 JP 2910591B2 JP 30799194 A JP30799194 A JP 30799194A JP 30799194 A JP30799194 A JP 30799194A JP 2910591 B2 JP2910591 B2 JP 2910591B2
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英典 牧羽
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、腕時計等の時計ケース
構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の時計ケース構造の一例として特公
昭55−7194号公報が挙げられる。この公報による
時計ケース構造は図4に示す様なものである。
【0003】図において、21は時計ケース、22はム
ーブメント、23は中枠である。この中枠23は環状の
中枠本体24とその上方に複数個突出するムーブメント
固定片25及びケース固定片26とからなり、各々ム−
ブメント22と時計ケース21と係合している。下部に
は弾性突出体27が形成されていて、その弾性により中
枠23を時計ケース21に圧接固定している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の時計
ケース構造は、ケース固定片26の上端を内方へわずか
に押すことによってケース段部からケース固定片26の
凸部がはずれてしまう。そのため、時計ケース21に衝
撃・振動等の外乱を与えることにより、ケース固定片2
6の凸部がケース段部からはずれ、中枠付きのムーブメ
ント22が上方に飛び出してしまうという問題点があっ
た。
【0005】また、中枠付きのムーブメント22をケー
スに組み込む時に、複数個のケース固定片26のすべて
が確実に時計ケースに係合しているか判りにくい。この
ため、正しく時計ケース21と係合していなくても組立
を完了させることができてしまい、そのまま組み立てる
と中枠23が時計ケース21からはずれ易いという問題
点があった。
【0006】また、弾性突出体27が合成樹脂の為、一
定の応力を加えたまま長時間放置しておくと、時間の経
過とともに変形量が増大するクリープ現象が生じる。ま
た、変形量を一定にしておくと、この変形量を保つに必
要な応力が時間とともに減少してゆく応力緩和が生じ
る。そのために弾性突出体27は、長時間放置した後で
は弾性体の役割を果たさなくなるという問題点があっ
た。
【0007】そこで本発明はこのような問題点を解決す
るものであって、時計ケースに衝撃・振動等の外乱を与
えても、ケース固定片の凸部がケース段部からはずれな
い時計ケース構造を提供することを第1の目的としてい
る。
【0008】また、本発明は、組み込み時に複数個のケ
ース固定片が時計ケースに確実に係合しているか確認で
きる時計ケース構造を提供することを第2の目的として
いる。
【0009】また、本発明は、長期間にわたり弾性の役
割を果たす弾性体を有する時計ケース構造を提供するこ
とを第3の目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の時計ケース構造は、ムーブメントを組み込
んだ中枠をケースに係合させ、弾性保持部材により中枠
を保持するものであって、ムーブメントの外周と係合す
る凹部を有する複数のムーブメント固定片と、ケース胴
部の内周の段部と係合する凸部を有しムーブメント側に
変位可能な複数のケース固定片とを中枠に突設すると共
に、ムーブメントが組み込まれた中枠をケースに係合し
て弾性保持部材によって中枠を押し上げ保持すると共
に、ケースに中枠を係合した後の組み上がり状態で、ケ
ース固定片のムーブメント側への変位による中枠のケー
スからの係合外れを防止する倒れ込み防止手段を有する
ことを特徴とする。
【0011】また、ムーブメントの外周と係合する凹部
を有する複数のムーブメント固定片と、ケース胴部の内
周の段部と係合する凸部を有しムーブメント側に変位可
能な複数のケース固定片とを中枠に突設し、ムーブメン
トが組み込まれた中枠をケースに係合して弾性保持部材
によって中枠を押し上げ保持すると共に、ケースに中枠
を係合した後の組み上がり前の状態で、ケース固定片が
ケースと確実に係合しているかを判別する確認手段を有
することを特徴とする。
【0012】ここで、倒れ込み防止手段または確認手段
は、ケース固定片のムーブメント側に組み込まれるリン
グ状部材であることが望ましい。具体的には、文字板外
周部に位置し文字板見切り部を加飾構成するダイアルリ
ング、または、ケース胴に係合するガラス縁であること
が望ましい。
【0013】また、弾性保持部材は金属であることが望
ましい。
【0014】
【作用】本発明の作用は以下の通りである。
【0015】まず、請求項1記載の発明においては、ケ
ース固定片の不要な変位を防止することによりケース固
定片とケースとの係合が外れないようにしたものであ
る。通常、ムーブメントを組み込んだ中枠をケースに係
合するときにはケース固定片がムーブメント側に変位し
て容易にケースに組み込むことができる。ところが、時
計として組上がった後には、ケース固定片のムーブメン
ト側への変位を妨げる倒れ込み防止部材の存在によりケ
ース固定片はムーブメント側へわずかしか変位できな
い。従って、振動や衝撃があったとしてもケース固定片
とケースとの係合が外れることはない。また、時計を分
解するときは、中枠を取り外す前に倒れ込み防止部材を
取り外してしまうのでケース固定片はムーブメント側に
変位することができるようになる。
【0016】請求項2記載の発明においては、倒れ込み
防止手段を中枠形状に相似したリング状に形成すること
により、複数のケース固定片それぞれのムーブメント側
への変位(倒れ込み)を1つの部材のみで防止しようと
するものである。
【0017】請求項3記載の発明においては、ケース固
定片が正しくケースに係合しているかどうかを組み上が
り前に目視あるいは組み込み動作により容易に判別する
ことができる確認部材を設けたものである。ケース固定
片は中枠の複数箇所に突設しているので、例えばこれら
のケース固定片の一部のみが正しく係合していない場合
が考えられる。本発明の確認部材は、いずれのケース固
定片が正しく係合していない場合であってもその正しく
ない係合状態を組み上がり前に容易に示す働きを有する
ものである。
【0018】請求項4記載の発明においては、中枠形状
に相似した1つのリング状部材によりケース固定片がケ
ースに正しく係合しているかどうかを容易に判別しよう
とするものである。もしもすべてのケース固定片がケー
スに正しく係合していれば、リング状部材は中枠(ある
いはケース)とほぼ平行な所定の位置関係に保たれる。
しかし、ケース固定片のいずれかがケースに正しく係合
していない時は、このケース固定片の部位でリング状部
材が所定の位置とは異なる位置に偏って配置される。こ
のため、リング状部材が中枠(あるいはケース)に対し
て傾斜した状態に配置される。この状態を観察すること
によりケース固定片の一部がケースに正しく係合されて
いないことが容易に判別できる。なお、ケース固定片の
うちの多数の固定片が正しくケースに係合していない場
合は、リング状部材が正常に配置される位置から大きく
外れた位置に配置されるので、この場合もケース固定片
の一部がケースに正しく係合されていないことが容易に
判別できる。
【0019】そして、請求項5記載の発明においては、
本来は文字板の加飾の役割を有しているダイアルリング
を倒れ込み防止部材あるいは確認部材としても機能させ
ようとするものである。さらに、請求項6記載の発明に
おいては、時計の表面をカバーする役割を有するガラス
縁を倒れ込み防止部材あるいは確認部材としても機能さ
せることでより一層の部品の削減を図ろうとするもので
ある。また、これらの部材(ダイアルリングやガラス
縁)は堅牢に構成されているのでケース固定片の倒れ込
みを確実に防止することが可能なほか、外観部材である
のでその状態を目視で観察するのに適しており、倒れ込
み防止部材あるいは確認部材としては最適である。
【0020】請求項7記載の発明においては、弾性保持
部材を金属で構成することにより、弾性部材としての耐
久性を大幅に向上するものである。さらに、弾性力(撓
み量)を大きくとることができるので、中枠を取り外す
ときの中枠に対する押し上げ力を十分に確保することが
できるものである。
【0021】
【実施例】以下に本発明の時計ケース構造の実施例につ
いて図面に基づき説明する。
【0022】図1は本発明の時計ケース構造を構成する
部材の一つである中枠3の一実施例を示す正面図であ
る。図において、中空のリング形状を有する中枠本体4
には複数個のムーブメント固定片5とケース固定片6が
それぞれ重ならず、かつほぼ等間隔に散在配置されるよ
うに形成されている。それぞれの固定片の数は好ましく
は4個である。なお、固定片の数としては複数であれば
特に制限はない。3個以下であっても、通常使用状態に
おいては問題はない。ただし、ムーブメントの固定性や
時計ケースに対する固定性が若干不安定になる可能性も
ないとはいえないので、耐振動性・耐衝撃性を重視する
場合はそれぞれの固定片の数を4個以上にすることが望
ましい。一方、それぞれの固定片の数を増やしすぎる
と、中枠3の製造が難しくなっていく傾向にある。ま
た、中枠を時計ケースから取り外す動作やムーブメント
を中枠から取り外す動作が大変になってくる。従って、
それぞれの固定片の数を増やしすぎるのはあまり望まし
くない。
【0023】中枠3の材質としては、軽量・安価でかつ
変形可能な絶縁性のものが望ましく、合成樹脂が適して
いる。より好ましくはポリアセタールを用いる。そし
て、中枠3はムーブメント固定片5とケース固定片6と
を一体に成形することによって製作されている。
【0024】この中枠3の内側には後述するムーブメン
トが組み込まれ、さらにこのムーブメントが組み込まれ
た中枠3は時計ケースに係合するように構成される。ム
ーブメント固定片5はリング形状の内側に向かって突設
され、一方ケース固定片6はリング形状の外側に向かっ
て突設されている。なお、本実施例においては中枠3は
円形であるが、これは時計ケースの形状に合わせたもの
である。従って、時計ケースが楕円形や矩形であれば、
これに合わせて中枠3の形状も楕円形や矩形に変化す
る。本発明における”リング形状”とは円形に限らず、
楕円形や矩形などの閉じた形状のことを意味している。
【0025】次に、中枠3を組み込んだ時計ケース構造
の詳細について説明する。
【0026】図2は図1のA−A断面図、図3は図1の
B−B断面図である(いずれも中枠3を組み込んだ状態
の時計ケース構造の断面図である)。図2および図3に
おいて、1は時計ケースであり、その内周には第1段部
1aおよび第2段部1cが全周にわたって形成されてい
る。そして、この時計ケース1は裏ぶたに相当する部分
と側胴が一体となった、いわゆるワンピース構造となっ
ている。なお、本実施例では時計ケース1としてはワン
ピース構造で説明するが、裏ぶたと側胴が別体となった
いわゆるツーピース構造であってもよい。ただし、本発
明の時計ケース構造は、後述するように時計の表示部が
形成された面から中枠3等の部材を組み込むので裏ぶた
が必須の部材ではない。従って、時計ケース1としては
ワンピース構造の方が望ましい。
【0027】2は時計の駆動部であるムーブメントであ
る。なお、ここではムーブメントの詳細は説明しない
が、アナログ式、ディジタル式のどちらであってもよ
い。本実施例においてはアナログ式のムーブメントを想
定している。
【0028】図2に示すように時計ケース1の内周の径
は、第1段部1aの上部と下部とで異なっている。この
とき第1段部1a上部の内周径φAと下部の内周径φB
は、φA>φBの関係にあり径差Cを有している。この
径差Cは中枠3の時計ケース1への組み込みや取り外し
が図2の上方から容易にできるように設定されているも
のである。
【0029】ムーブメント固定片5は図2に示すよう
に、中枠本体4に連なり、その内側面に凹部7を有して
いて、ムーブメント2と係合するようになっている。ま
た、このムーブメント固定片5の内側端部には傾斜面8
と8aが形成されている。傾斜面8は、ムーブメント2
との組み込みを容易としている。また、傾斜面8aは、
ムーブメント2と中枠3それぞれの係合部の寸法公差を
吸収して、ムーブメント2と中枠3との係合を安定させ
る働きを持つものである。
【0030】また、中枠3はムーブメント固定片5の外
側面に外径がφDとなる突起5aを有していて、時計ケ
ース1の内周径φBとの間の締め代Eを形成するように
設定されている。この突起5aは、ムーブメント2と中
枠3の係合を安定させるとともに、時計ケース1と中枠
3のがたつきを抑えるものである。このとき、中枠3を
時計ケース1に組み込み易くさらに係合を安定させるに
は、内周径φAと内周径φBと突起5a外径φDの関係
をφA>φD>φBとすることが好ましい。
【0031】一方ケース固定片6は図3に示すように、
中枠本体4に連なり、その外側面に凸部9を有してい
て、時計ケース1の第1段部1aと係合するようになっ
ている。また、この凸部9の下部には傾斜面10が形成
されている。傾斜面10は、時計ケース1との組み込み
が容易となるように設けられたものである。更に、ケー
ス固定片6の上端部には突起部11を延在形成してい
る。
【0032】12は弾性保持部材であり、中枠3の中枠
本体4の下面と時計ケース1の底面である第2段部1c
との間に、所定の押し上げ力を得るようにたわみ量が設
定されて配置されている。この弾性保持部材12は第2
段部1cの形状に合わせて加工されており、第2段部1
c上に特に固定されずに載置されている。あるいは、弾
性保持部材12に突起等を設けて、第2段部1cに対し
て簡易固定してもよい。また、図示しないネジによって
時計ケースの第2段部1cに固定して取り付けられてい
てもよい。弾性保持部材12は中枠3を押し上げるため
のものであり、クリープや応力緩和の少ない金属製の板
ばねである。その形状は片持ちばね部あるいは両持ちば
ね部を有するもの、または波形形状等を有しているもの
等各種の形状を採用することができる。本実施例におい
てはステンレス性の片持ち板ばねを用いている。
【0033】片持ちばねあるいは両持ちばねの場合のば
ね部の平面位置(図示せず)は、中枠3の係合の安定及
び、分解時の外し易さのために、ケース固定片6の近傍
に配置することが好ましい。このとき、弾性保持部材1
2のたわみ量の設定によっては(たわみ量を大きくとる
ような設定によっては)、時計ケース1と中枠3のすき
間を大きく取る場合がある。その場合は、中枠3の下部
に時計ケース1の底面に向かう突起部(図示せず)を適
宜位置に散在させ、弾性保持部材12のたわみすぎを防
止する(たわみすぎによる中枠3の時計ケース1の底面
への接触を防止する)のが好ましい。
【0034】13は文字板16の外周部に位置し文字板
見切り部を加飾構成するダイアルリングである。このダ
イアルリング13はその下端に下方凸部14を有してい
る。この凸部14は、図3に示すように、ケース固定片
6及びこのケース固定片6の上端部に形成された突起部
11の内側に組み付けられるように配置されている。そ
してこの凸部14によりケース固定片6の内側(ムーブ
メント2側)への倒れ込みを防止している。ただし、図
2に示すように、ムーブメント固定片5と干渉しないよ
うに凸部の下方への長さは制限されている。
【0035】またこのとき、凸部14と突起部11の間
にはわずかなすき間を設ける。このすき間は、ケース固
定片6と時計ケースの第1段部1aとの係合量よりも少
ない量とすることが必要である。
【0036】あるいはこのとき、凸部14と突起部11
の間はすき間ではなく締め代をもたせても良い。この場
合凸部14の下部にはテーパ部が形成されているので、
ダイアルリング13を図の上方から押し込むと突起部1
1が時計ケース1の外周方向に押し出される。従って、
時計ケースの第1段部1aとの係合が更に確実となる構
造となる。
【0037】なお、15はケース胴に係合し時計表面の
ガラスを保持するガラス縁、16はムーブメント2の図
面上上方に配置されダイアルリング13によってその周
囲が加飾される文字板である。
【0038】次に、時計ケース1への中枠3やダイアル
リング13などの組み込み手順について説明する。
【0039】まず、中枠3にムーブメント2を組み込
む。中枠3にムーブメント2を押し込むと、中枠3の傾
斜部8はムーブメント2の外周に当たりムーブメント固
定片5は外側に押し拡げられる。そして、凹部7にムー
ブメント2の外周が挟み込まれて中枠3とムーブメント
2が係合する。
【0040】次に、上記のようにムーブメント2が組み
込まれた中枠3を時計ケース1に組み込む。ムーブメン
ト2が組み込まれた中枠3を時計ケース1の図面上の上
方から挿入すると、中枠3のケース固定片6の凸部9の
傾斜面10が時計ケース1の内周上端部1bに当たり、
ケース固定片6は内側(ムーブメント2側)に押し曲げ
られる。さらに中枠を押し込むと、時計ケース1の内周
第1段部1a内に凸部9が入り込み、時計ケース1と中
枠3が係合する。このとき、中枠3の中枠本体4の下面
と時計ケース1の胴底面である第2段部1cとの間に取
り付けられている弾性保持部材12は、そのばね部のた
わみにより中枠3を押し上げている。
【0041】次に、ダイアルリング13を組み込む。ダ
イアルリング13を、ムーブメント2が組み込まれた中
枠3が組み込み保持された時計ケース1の図面上の上方
からケース固定片6の内側に入り込むように挿入する。
すると、ダイアルリング13の凸部14がケース固定片
6の突起部11の内側(ムーブメント2側)に挿入され
る。このダイアルリング13により、ケース固定片6の
内側(ムーブメント2側)への倒れ込みを防止する。
【0042】このとき、もし時計ケースの内周第1段部
1a内にケース固定片6の凸部9が確実に入り込んでい
ない(係合していない)場合、ダイアルリング13は所
定の位置に正しく組み込むことができない。例えば、中
枠3あるいはムーブメント2に対して斜めの状態になっ
たり、あるいはまったく組み込めない状態になる。従っ
て、時計ケース1に中枠3が確実に組み込まれているか
どうかがチェック(判別)できる。
【0043】次に、ガラス縁15を時計ケース1に図面
上の上方より組み込む。なお、文字板16と針(図示し
ない)の組み込みは、ムーブメント2を中枠3に組み込
む前または後、もしくはムーブメント2が組み込まれた
中枠3を時計ケース1に組み込んだ後のいずれかであ
る。
【0044】次に、本発明の時計ケース構造の分解手順
について説明する。基本的には上述した組み込みと逆手
順である。
【0045】まず、ガラス縁15を外し、次にダイアル
リング13を外す。このダイアルリング13を外すこと
により、ケース固定片6を内側(ムーブメント2側)に
倒すことが可能となる。そこで、ケース固定片6をその
凸部9が時計ケース1の内周第1段部1aと係合しなく
なるまで内側に倒し込む。このとき、弾性保持部材12
の弾性力によりムーブメント2が組み込まれた中枠3が
押し上げられ、時計ケース1から簡単に取り出すことが
できる。
【0046】本実施例においては、ケース固定片6の内
側への倒れ込み防止手段の一つとして、ダイアルリング
を用いたがこれに限られるわけではない。その他の実施
例としては、単なるリング状のバックアップリングを別
体として組み込んでもよい。また、ガラス縁15の形状
を工夫して倒れ込み防止手段を構成してもよい。例え
ば、ダイアルリング13を廃止し、倒れ込み防止機能を
ガラス縁15に持たせることにより一層の部品点数削減
効果をもたらすことができる。
【0047】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を有する。
【0048】まず、請求項1記載の発明によれば、ケー
ス固定片のムーブメント側への変位を防止することによ
りケース固定片とケースとの係合が外れないようにする
ことができる。このことにより、時計ケースに衝撃・振
動等の外乱を与えてもケース固定片の凸部が時計ケース
の段部からはずれることがないので、中枠が安定してケ
ースに係合している状態を保持することができる。
【0049】請求項2記載の発明によれば、複数のケー
ス固定片それぞれのムーブメント側への変位(倒れ込
み)を1つの部材のみで簡単に防止することができる。
【0050】請求項3記載の発明によれば、確認部材に
よりケース固定片が正しくケースに係合しているかどう
かを目視により容易に判別することができる。このた
め、組み込み不良を事前にチェックして不良品の発生を
防止することができ、その結果時計の品質を向上させる
ことができる。
【0051】請求項4記載の発明によれば、中枠形状に
相似した1つのリング状部材を用いることにより、複数
のケース固定片のいずれかがケースに正しく係合してい
ない場合であっても簡単な部材によって容易に判別する
ことができる。
【0052】請求項5記載の発明によれば、本来は文字
板の加飾の役割を有しているダイアルリングを倒れ込み
防止部材あるいは確認部材としても機能させることがで
きる。これにより、部品点数の削減を図ることができ、
その結果コストダウンすることができる。
【0053】請求項6記載の発明によれば、時計の表面
をカバーする役割を有するガラス縁を倒れ込み防止部材
あるいは確認部材としても機能させることができる。こ
れにより、一層の部品点数の削減を図ることができる。
【0054】また、これらの部材(ダイアルリングやガ
ラス縁)は堅牢に構成されているのでケース固定片の倒
れ込みを確実に防止することが可能なほか、外観部材で
あるのでその状態を目視で観察するのに適しており、倒
れ込み防止部材あるいは確認部材としては最適である。
【0055】請求項7記載の発明によれば、弾性保持部
材を金属で構成することにより、弾性部材としての耐久
性を大幅に向上することができる。その結果、クリープ
現象や応力緩和の起きない、安定した時計ケース構造を
得ることができる。
【0056】また、弾性力(撓み量)を大きくとること
ができるので、中枠を取り外すときの中枠に対する押し
上げ力を十分に確保することができる。特に外した時に
ムーブメントの飛び出し量が多くなり時計ケースから取
り出し易くなるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の時計ケース構造の中枠の一実施例を示
す平面図。
【図2】中枠を組み込んだ時計ケース構造の一実施例を
示す図1のA−A断面図。
【図3】中枠を組み込んだ時計ケース構造の一実施例を
示す図1のB−B断面図。
【図4】従来の時計ケース構造の断面図。
【符号の説明】
1、21 時計ケース 1a 第1段部 1b 内周上縁部 1c 第2段部 2、22 ムーブメント 3、23 中枠 4、24 中枠本体 5、25 ムーブメント固定片 5a 突起 6、26 ケース固定片 7 凹部 8、8a、10 傾斜面 9、14 凸部 11 突起部 12 弾性保持部材 13 ダイアルリング 15 ガラス縁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特公 昭55−7194(JP,B2) 実公 昭50−17399(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G04B 37/05

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ムーブメントを組み込んだ中枠をケース
    に係合させ、弾性保持部材により前記中枠を保持する時
    計ケース構造において、 前記ムーブメントの外周と係合する凹部を有する複数の
    ムーブメント固定片と、前記ケース胴部の内周の段部と
    係合する凸部を有し前記ムーブメント側に変位可能な複
    数のケース固定片とを前記中枠に突設し、前記ムーブメ
    ントが組み込まれた前記中枠を前記ケースに係合して前
    記弾性保持部材によって前記中枠を押し上げ保持すると
    共に、前記ケースに前記中枠を係合した後の組み上がり
    状態で、前記ケース固定片の前記ムーブメント側への変
    位による前記中枠の前記ケースからの係合外れを防止す
    る倒れ込み防止手段を有することを特徴とする時計ケー
    ス構造。
  2. 【請求項2】 前記倒れ込み防止手段は、前記ケース固
    定片のムーブメント側に組み込まれるリング状部材であ
    ることを特徴とする請求項1記載の時計ケース構造。
  3. 【請求項3】 ムーブメントを組み込んだ中枠をケース
    に係合させ、弾性保持部材により前記中枠を押し上げ保
    持する時計ケース構造において、 前記ムーブメントの外周と係合する凹部を有する複数の
    ムーブメント固定片と、前記ケース胴部の内周の段部と
    係合する凸部を有し前記ムーブメント側に変位可能な複
    数のケース固定片とを前記中枠に突設し、前記ムーブメ
    ントが組み込まれた前記中枠を前記ケースに係合して前
    記弾性保持部材によって前記中枠を押し上げ保持すると
    共に、前記ケースに前記中枠を係合した後の組み上がり
    前の状態で、前記ケース固定片がケースと確実に係合し
    ているかを判別する確認手段を有することを特徴とする
    時計ケース構造。
  4. 【請求項4】 前記確認手段は、前記ケース固定片のム
    ーブメント側に組み込まれるリング状部材であることを
    特徴とする請求項3記載の時計ケース構造。
  5. 【請求項5】 前記リング状部材は、文字板外周部に位
    置し文字板見切り部を加飾構成するダイアルリングであ
    ることを特徴とする請求項2または4記載の時計ケース
    構造。
  6. 【請求項6】 前記リング状部材は、前記ケース胴に係
    合するガラス縁であることを特徴とする請求項2または
    4記載の時計ケース構造。
  7. 【請求項7】 前記弾性保持部材は金属であることを特
    徴とする請求項1記載の時計ケース構造。
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