JP2910399B2 - Qスイッチ - Google Patents

Qスイッチ

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JP2910399B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はレーザ共振器のQ値を
変化させてジャイアントパルスを得るためのQスイッ
チ、特に電気光学結晶により光の偏光状態を制御してQ
スイッチングを行うEO(Electrooptic)
Qスイッチに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図8は例えばW.Koechner著『Solid Sta
te Laser Engineering 2nd Ed.』,Springer-Verlag ,p
414〜431,(1988)に示された従来のQスイッチの構成図
であり、図において1は電気光学結晶、2a、2bは電
気光学結晶1の対向する略平行の第1及び第2の側面、
3a、3bは第1及び第2の側面2a、2b上に形成さ
れた第1及び第2の電極、4a、4bは第1の電極3
a、第2の電極3bに接続した第1及び第2の電圧印加
線、5はスイッチング電源、30a、30bはレーザ光
が入力あるいは出力される端面である。また図9はこの
Qスイッチを用いたレーザの構成図であり、6は全反射
鏡、7は出力鏡、8はレーザ媒質、9は偏光子である。
【0003】電気光学結晶1としてはKD* P,LiN
bO3 などがあるが、ここでは潮解性などがなく、低電
圧駆動が可能なため一般に良く用いられているLiNb
3について説明する。第1および第2の電極3a、3
bは一般的に研磨された一対の平行な側面2a、2b全
面にCrもしくはNiをベースとしAuをなどを蒸着し
て作製される。またレーザ光が通過する対向する端面3
0a、30bは通常略平行に研磨され、反射防止膜が施
される。LiNbO3 は一軸性の結晶であり電圧を印加
していない場合、x軸方向、y軸方向での屈折率はn
o、z軸方向の屈折率はneである。光の伝搬方向をz
軸、電圧の印加方向をx軸方向にとると、屈折率楕円体
は式(1)で与えられる。
【0004】 x2 /no2 +y2 /no2 −2γ22 ・Ex・xy=1 (1) γ22:電気光学テンソルの22成分 Ex:電圧印加により結晶内に発生する電界 式(1)は結晶軸x、yをz軸に関して45度回転した
結晶軸X、Yに変換し、すると式(2)のように変換さ
れる。
【0005】 X2 (1/no2 −γ22・Ex) +Y2 (1/no2 +γ22・Ex)=1 (2) 式(2)より、電圧を印加したときの結晶軸はX、Yで
あり、各結晶軸における屈折率の電界に対する依存性は
式(3)、式(4)になる。
【0006】 nX =no+0.5・no3 ・γ22・Ex (3)
【0007】 nY =no−0.5・no3 ・γ22・Ex (4)
【0008】x方向またはy方向の偏光方向の持つ光が
入射した場合、伝搬に応じてX方向成分とY方向成分に
伝搬位相差ができるため出射時において偏光状態が入射
偏光状態から変化する。すなわち電気光学結晶1は印加
電圧の値により通過する光の偏光状態を任意に制御でき
ることとなる。
【0009】電気光学結晶1と偏光子9を用いたEO
Qスイッチは多くの型のレーザ共振器構成で使用可能で
ある。ここでは便利のため、最も一般的に用いられる図
9のQスイッチレーザ共振器構成でQスイッチ動作につ
いて説明する。EO Qスイッチは偏光子9の通過偏光
方向と電気光学結晶1のx軸方向、もしくはy軸方向を
平行にするように構成される。電気光学結晶1に電圧を
印加しない条件では式(3)、式(4)より偏光状態は
変化しないため、偏光子9の通過偏光方向の光は全反射
鏡6、出力鏡7の間で共振可能である。電圧を印加した
場合は偏光子9を通過した直線偏光の光は、全反射鏡6
で折り返される間に電気光学結晶1を2度通過し偏光状
態が変化する。これにより、偏光子9に到達した光の一
部はレーザ共振器の外に放出される。特に電気光学結晶
1に印加する電圧が伝搬位相差がπ/2を与える電圧V
A (ただしA=λ/4、以下同様)の時、偏光子9到達
する光は偏光子透過偏光に対し直交した偏光となるため
すべての光を共振器外に放出する。
【0010】レーザ媒質8を励起している状態で、電気
光学結晶1にVA を与えれば、レーザ媒質8から生じる
自然放出光は共振器内で共振できないためレーザ発振は
抑止され励起エネルギーは反転分布の形でレーザ媒質8
に蓄積される。十分にエネルギーが蓄積された時に、ス
イッチング電源5により電圧をVA から0にスイッチン
グするとレーザ共振が起こり、急激な誘導放出によりレ
ーザ媒質8に蓄積されたエネルギーを光エネルギーに変
換する。このエネルギーの1部は出力鏡7からジャイア
ントパルスとして放出される。
【0011】実際の使用においては、式(1)に示した
電気光学定数γ22は、電気光学結晶1が圧電結晶であ
り、これで生じる歪みにより光弾性効果が屈折率変化を
おこすため式(5)に示すγ22´に置き換えられる。
【0012】 γ22´=γ22+p2k・d2k (5) p2k:光弾性定数 d2k:圧電定数
【0013】式(5)の第2項は負の値として加算され
るため、VA はγ22により定まる値に比べ通常30%程
度の高くなる。電気光学効果は電界による電子の分極を
誘起するものであり応答は極めてはやいが、圧電効果は
電子の分極により原子が移動する効果であるため応答速
度は原子と電子の質量比により決まり数万倍遅い。この
ためスイッチング電源5により10ns程度の速度で電
圧を0に変化させた瞬間は電気光学効果により変化を受
けていた偏光変化のみがスイッチされ、光弾性効果によ
る偏光変化の緩和時間はその後数100nsかかる。
【0014】さらにこの原子が近接していた状態からの
解放は第1の電極3aと第2の電極3bの位置が解放端
となっているため結晶内の原子間の振動(すなわち音
波)を発生させる。この音波の内、2電極間の共振条
件、すなわち2電極間の距離をdとして、 f=Vp・N/(2・d) (6) N=1,2,・・・ f :共振周波数 Vp:音波の速度(縦波・横波が2種類それぞれ異な
る) で決まる共振状態で定在波を生じる。これが光弾性効果
により屈折率変化を誘起し通過光の偏光状態を変調す
る。光の通過領域が電気光学結晶1の厚み方向の中心を
通過する場合、この部分が定在波の腹に相当するN=2
M−1(Mは整数)での変調度が著しく大きくなる。こ
の偏光状態の変調により電気光学結晶1通過光は偏光子
9を通過する偏光に垂直な偏光成分が生じ、偏光子9か
らそとに放出される。すなわちレーザ共振器内の損失が
式(6)に従って変調されることになる。縦波と横波の
3種類の音波の速度を〜5000m/sとすると、電極
間の距離を5mmとして変調周波数は500kHz・N
となる。またLiNbO3 の音波伝搬損失は0.1dB
/cm・GHz2 程度と小さいため電気光学結晶1の電
極間は音波に対し非常にQ値の高い共振器となってしま
う。
【0015】スイッチング電源5により電圧をVA から
0にスイッチングした後にジャイアントパルスはレーザ
媒質8の自然放出光から増大していくため、実際に誘導
放出が急激におこりパルスが生成される(ビルドアッ
プ)までの時間は、レーザ媒質8に蓄積されたエネルギ
ーにより数100ns〜数μsかかる。その後、数ns
〜数100ns程度のジャイアントパルスが生成され
る。このビルドアップ時、ジャイアントパルス生成時
に、図10のように上記音波の共振によるレーザ共振器
内の過渡的な損失が伴うため、レーザ発振効率は低下し
てしまう。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】従来のQスイッチは以
上のように構成されているので、電気光学結晶に印加す
る電圧のスイッチング時に結晶内に音波が誘起され、こ
の音波が電気光学結晶内で共振し定在波を生じるため、
光弾性効果に起因して偏光状態が変調され、ジャイアン
トパルス生成時に共振器内に過渡的に損失が発生してレ
ーザの発振効率が著しく低下するという問題点があっ
た。
【0017】この発明は上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、電気光学結晶内で発生する音波
の共振を押さえこれにより共振器内の過渡的な損失を低
減して発振効率の改善を行ったQスイッチを得ることを
目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係るQスイ
ッチは、電気光学結晶内で発生する音波の共振を押さえ
るようにしたものであり、以下の要素を有するものであ
る。 (a)光を透過させる電気光学部材、 (b)上記電気光学部材に対して電圧を印加する電圧印
加手段、 (c)上記電気光学部材内に生ずる音波の定在波を抑制
する抑制手段。
【0019】第2の発明に係るQスイッチは、電気光学
結晶の電極面のすくなくとも一方に、電気光学結晶と音
響インピーダンスの整合をとって音波拡散手段を設置す
るものであり、以下の要素を有するものである。 (a)一対の側面を有する電気光学部材、(b)上記電
気光学部材の一対の側面に対して電圧を印加する電源、
(c)上記電気光学部材の一対の側面の少なくとも一方
の側面に設けられ、上記電源による電圧の切り替えによ
って生ずる音波の進行方向を変更する音波拡散手段。
【0020】第3の発明に係るQスイッチは、電気光学
結晶の電極面の一方に同じ形状の第2の電気光学結晶を
音響インピーダンスの整合をとって設置するものであ
り、以下の要素を有するものである。 (a)形状を同一にした第1と第2の電気光学部材、
(b)上記第1と第2の電気光学部材の間に形成された
共通電極、(c)上記第1と第2の電気光学部材の外側
に形成された一対の個別電極、(d)上記個別電極に同
電圧を印加し、共通電極に個別電極に印加した電圧とは
異なる電圧とを印加する電源。
【0021】
【作用】第1の発明においては、抑制手段が電気光学結
晶に発生する音波の定在波を抑制する。
【0022】そして、その抑制手段の一例として、第2
の発明では、音波拡散手段が、媒質内で音波の方向をか
え共振を低減する。
【0023】さらに、第3の発明では、第2の電気光学
結晶で逆相の音波を発生させ電気光学結晶で発生する音
波を打ち消す。
【0024】
【実施例】実施例1.図1は第1及び第2の発明の一実
施例によるQスイッチの構成図である。図において1は
電気光学結晶、3a、3bは第1及び第2の電極、10
は対向する面のうち第1の電極3aとむかう面を第1の
側面2aと平行な平面としこれに対向する面を第1の側
面2aに対して角度をもたせた音波拡散手段(抑制手段
の一例)、31は音波拡散手段10の第1の電極3aと
対向する面に作製した反射面、11は接触層である。
【0025】音波拡散手段10は電気光学結晶1と音響
インピーダンスが近い材料で作製される。電気光学結晶
1をLiNbO3 とすると音響インピーダンスは約30
×10-5であり、銅、鉄、銀などの金属材料を用いるこ
とでインピーダンス整合がとれ80%以上の音波の透過
率が得られる。また接触層11は、インジウムシートや
導電性の接着剤などの材料で音波拡散手段10と電気光
学結晶1に十分な応力を与えて空気層を残さずに密着す
ることにより数μm程度とすることができ、これは音波
の波長に比べて十分小さいため反射や散乱等は無視でき
る。スイッチング電源5により音波拡散手段10と第2
の電極3bに印加する電位差をVA (A=λ/4、以下
同様)から0にスイッチングを行った場合に、電気光学
結晶1から発生する音波は電気光学結晶1から音波拡散
手段10に第1の電極3aに垂直(矢印Aの方向)に伝
搬していき、音波拡散手段10の第1の電極3aと対向
する面に作製した反射面31により方向が変化して矢印
Bの方向へ折り返される。このためこの反射成分は、第
2の電極3bと共振して定在波が生じることがなく光が
伝搬する領域において音波による屈折率変動が低減でき
る。以上のように、この実施例は、電気光学結晶と、上
記電気光学結晶に作製された略平行な一対の側面と、上
記電気光学結晶の端面の一方に入射し、他方から出射す
る光の光軸上に設置された偏光子からなるQスイッチに
おいて、上記略平行な一対の側面のすくなくとも一方に
音波拡散手段を設けたことを特徴とする。また、上記音
波拡散手段は、音波伝搬電極と、上記音波伝搬電極と上
記電気光学結晶の一対の側面の一方を音響インピーダン
スの整合をとって略全面の接触面で接触させる手段によ
り構成され、上記音波伝搬電極の接触面に対向する面を
接触面に対し傾斜させたことを特徴とする。
【0026】実施例2.なお、上記実施例1では、音波
拡散手段10は第1の電極3aと音響インピーダンス整
合をとって設置したが、図2に示すように、2つの音波
拡散手段10a、10bを第1の電極3a、第2の電極
3bとそれぞれ音響インピーダンス整合をとって設置す
ればさらに高い屈折率変動の低減が可能である。
【0027】実施例3.また、上記実施例1では、第1
の電極3aに接触層11を密着させたが、第1の電極3
aを作製せず、第1の側面2aに直接接触層11を密着
させても同様の効果が得られる。
【0028】実施例4.また、上記実施例1では、便利
のため音波拡散手段10として金属を用いこれを電極と
して用いたが音響インピーダンズの整合したものとして
例えば電気光学結晶1と等しい材料を用い第1の電極3
a、第2の電極3bにスイッチング電圧を与えても同様
の効果が得られる。
【0029】実施例5.また、上記実施例1では、光軸
方向に傾きをもった反斜面をもった音波拡散手段10を
用いてQスイッチを構成したが、図3に示すように、光
軸と垂直方向に傾きをもった反斜面をもった音波拡散手
段10cを用いても同様の効果が得られる。
【0030】実施例6.また、上記実施例1では第1の
電極3aに対して傾きをもった反斜面をもつ音波拡散手
段10dを用いてQスイッチを構成したが、図4に示す
ように散乱面を設けても同様の効果が実現できる。
【0031】以上のように、この実施例は、上記音波拡
散手段が、音波伝搬電極と、上記音波伝搬電極と上記電
気光学結晶の一対の側面の一方とを音響インピーダンス
の整合をとって略全面の接触面で接触させる手段により
構成され、上記音波伝搬電極の接触面に対向する面に音
波に対する拡散面が形成されていることを特徴とする。
【0032】実施例7.また、上記実施例1では第1の
電極3aに対して傾きをもった反射面をもつ音波拡散手
段10を用いてQスイッチを構成したが、図5に示すよ
うに回折格子をもうけた音波拡散手段10eを用いても
同様の効果が実現できる。すなわち、この実施例は、上
記音波拡散手段が、音波伝搬電極と、上記音波伝搬電極
と上記電気光学結晶の一対の側面の一方を音響インピー
ダンスの整合をとって略全面の接触面で接触させる手段
により構成され、上記音波伝搬電極の接触面に対向する
面に音波に対する反射型回折格子を形成したことを特徴
とする。
【0033】実施例8.上記実施例2では、同種の音波
拡散手段10a、10bを用いて、Qスイッチを構成し
たが、前述したような異種の音波拡散手段10、10
c、10d、10e等を組みあわせても同様の効果が期
待できる。
【0034】実施例9.図6は第1及び第3の発明の一
実施例によるQスイッチの構成図である。図において1
3は第1の電気光学結晶、16は第2の電気光学結晶、
14a、14bは第1の電気光学結晶13に略平行に作
製された一対の第1側面、15a、15bは一対の第1
側面14a、14bに略全面に形成された一対の第1電
極、17a、17bは第2の電気光学結晶16に略平行
に作製された一対の第2側面、18a、18bは一対の
第1側面17a、17bに略全面に形成された一対の第
2電極、19は共通電極、20aは第1電極15bと共
通電極19の間に空気層なく接触された第1の接触層、
20bは第2電極17aと共通電極19の間に空気層な
く接触された第2の接触層、スイッチング電源5は第1
電極15aと第2電極18bに共通な電位を与え、共通
電極19に異なる電位を与え、電位差をVAから0に変
化させる。
【0035】第1の電気光学結晶13と第2の電気光学
結晶16は結晶軸、電極、厚みを一致させてある。共通
電極19は厚み100μm以下の金属薄膜であり、第1
の接触層20a、第2の接触層20bはIn薄膜や導電
性接着材などを第1の電気光学結晶13、共通電極、第
2の電気光学結晶16の間に挿入し圧力を加えて接触さ
せて作製する。スイッチング電源5により共通電極19
の電位と、第1電極15aまたは第2電極18bに与え
る電位をスイッチングすると第1の電気光学結晶13ま
たは第2の電気光学結晶16に音波が発生する。発生し
たる音波は共通電極19を介して対向する結晶にむけて
伝搬する。このとき、両結晶間の音響インピーダンスが
十分とれているので定在波は図7に示すように立ちその
周波数は、式(6)と同様に両結晶の厚みをdとして、
共通電極19、接触層20の厚みを無視すると式(7)
となる。
【0036】 f=Vp・N/(4・d) (7)
【0037】ここで第1電極15aと第2電極18bに
同電位を与えスイッチングすると第1の電気光学結晶1
3で発生した音波の位相と第2の電気光学結晶16で発
生する音波の位相は逆相となり定在波は打ち消しあう
(抑制手段の一例)。これにより第1の電気光学結晶1
3を伝搬する光は偏光の変調度が低減される。
【0038】以上のように、この実施例は、第1の電気
光学結晶と、上記第1の電気光学結晶に作製された略平
行な一対の第1側面と、上記第1の電気光学結晶の端面
の一方に入射し、他方から出射する光の光軸上に設置さ
れた偏光子からなるQスイッチにおいて、上記第1の電
気光学結晶と結晶軸および形状を同一とした第2の電気
光学結晶と、上記第2の電気光学結晶に作製された略平
行な一対の第2側面と、上記一対の第1側面の一方と上
記一対の第2側面の間に設置された共通電極とにより構
成されることを特徴とする。
【0039】実施例10.また、上記実施例では、便利
のため第1電極15b、第2電極18aを第1の接触層
20a、第2の接触層20bを介して共通電極19に密
着させたが、電極15b、18aを作製せず、第1側面
14b、第2側面17aに直接第1の接触層20a、第
2の接触層20bを密着させても同様の効果が得られ
る。
【0040】実施例11.なお、上記実施例1〜10で
は、音波を電気光学結晶1内の原子間の振動として説明
したきたが、原子間の振動は、レーザ発振効率を低下さ
せてしまう信号の一例であり、ここでいう音波とは、原
子間の振動のみならず、外力、熱、摩擦等のその他の要
因によってレーザ発振効率を低下させてしまうその他の
信号も含むものとし、この発明は、これらその他の要因
によって生ずる音波に対しても有効に作用するものであ
る。
【0041】
【発明の効果】第1の発明によれば、抑制手段によりQ
スイッチング時に電気光学部材の内で発生する音波の定
在波を抑えることとしたので、偏光の変調を低減でき、
これによりこのQスイッチを用いれば高効率のQスイッ
チレーザを実現できる効果がある。
【0042】第2の発明によれば、Qスイッチング時に
電気光学部材の内で発生する音波の光路を音波拡散手段
により変化させ、定在波を抑えることとしたので、偏光
の変調を低減でき、これによりこのQスイッチを用いれ
ば高効率のQスイッチレーザを実現できる効果がある。
【0043】第3の発明によれば、Qスイッチング時に
電気光学結晶の内で発生する音波を、音響インピーダン
スを整合させた等価な電気光学結晶を同条件で駆動する
ことにより発生する音波により打ち消すことで定在波を
抑え、偏光の変調を低減でき、これによりこのQスイッ
チを用いれば高効率のQスイッチレーザを実現できる効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1、第2の発明の一実施例によるQスイッチ
の構成図である。
【図2】第1、第2の発明の他の一実施例によるQスイ
ッチの構成図である。
【図3】第1、第2の発明の他の一実施例によるQスイ
ッチの構成図である。
【図4】第1、第2の発明の他の一実施例によるQスイ
ッチの構成図である。
【図5】第1、第2の発明の他の一実施例によるQスイ
ッチの構成図である。
【図6】第1、第3の発明の一実施例によるQスイッチ
の構成図である。
【図7】第1、第3の発明の一実施例によるQスイッチ
の効果の説明図ある。
【図8】従来のQスイッチの構成図である。
【図9】従来のQスイッチレーザの構成図である。
【図10】従来のQスイッチレーザの課題の説明図であ
る。
【符号の説明】
1 電気光学結晶 2a,2b 側面 3a,3b 電極 4a,4b 電圧印加線 5 スイッチング電源 6 高反射鏡 7 出力鏡 8 レーザ媒質 9 偏光子 10 音波伝搬電極 11 接触層 13 第1の電気光学結晶 14a,14b 第1側面 15a,15b 第1電極 16 第2の電気光学結晶 17a,17b 第2側面 18a,18b 第2電極 19 共通電極 20a,20b 接触層 30a,30b 端面

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の要素を有するQスイッチ (a)光を透過させる電気光学部材、 (b)上記電気光学部材に対して電圧を印加する電圧印
    加手段、 (c)上記電気光学部材内に生ずる音波の定在波を抑制
    する抑制手段。
  2. 【請求項2】 以下の要素を有するQスイッチ (a)一対の側面を有する電気光学部材、 (b)上記電気光学部材の一対の側面に対して電圧を印
    加する電源、 (c)上記電気光学部材の一対の側面の少なくとも一方
    の側面に設けられ、上記電源による電圧の切り替えによ
    って生ずる音波の進行方向を変更する音波拡散手段。
  3. 【請求項3】 以下の要素を有するQスイッチ (a)形状を同一にした第1と第2の電気光学部材、 (b)上記第1と第2の電気光学部材の間に形成された
    共通電極、 (c)上記第1と第2の電気光学部材の外側に形成され
    た一対の個別電極、 (d)上記個別電極に同電圧を印加し、共通電極に個別
    電極に印加した電圧とは異なる電圧とを印加する電源。
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