JP2910269B2 - 総合制御ブレーキ装置 - Google Patents

総合制御ブレーキ装置

Info

Publication number
JP2910269B2
JP2910269B2 JP2863891A JP2863891A JP2910269B2 JP 2910269 B2 JP2910269 B2 JP 2910269B2 JP 2863891 A JP2863891 A JP 2863891A JP 2863891 A JP2863891 A JP 2863891A JP 2910269 B2 JP2910269 B2 JP 2910269B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
deceleration
target
wheel
brake
braking torque
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2863891A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04266560A (ja
Inventor
貴道 明石
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2863891A priority Critical patent/JP2910269B2/ja
Publication of JPH04266560A publication Critical patent/JPH04266560A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2910269B2 publication Critical patent/JP2910269B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両のブレーキ装置に
係り、特に、ブレーキ圧の制御において、ブレーキペダ
ルに対する操作力や操作ストローク等のブレーキ操作状
況に応じてブレーキ圧を制御する際、車輪の回転数や制
動トルク等、複数の制動状況を表す物理量を加味して総
合的に行うようにした総合制御ブレーキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の車両におけるブレーキ装置として
は、例えば実開昭61−203876号記載のものが知
られている。この従来装置は、運転者のブレーキ操作指
令が一度電気信号を介してマスターシリンダに伝達され
る方式のもので、運転者によってブレーキ操作される際
の操作力を検知し、その操作力を電気信号に変換する操
作スイッチを例えばブレーキペダルに設置しており、こ
の操作スイッチの出力信号はコントローラに供給され
る。コントローラは、その他の車速センサ,スイッチセ
ンサ,給電回路からの出力信号を受ける。本従来装置
は、また、操作スイッチが操作されると、給電回路から
の給電開始と同時に起動信号を出力する起動信号出力手
段を具備しており、コントローラは、信号処理の結果に
応じて電磁バルブに制御信号を送る。その結果、電磁バ
ルブの作動によりブースタ内の気圧が減圧調整され、こ
の調整された気圧に応じてマスターシリンダが作動し、
各輪のブレーキ圧を調整するものである。
【0003】このように構成される従来装置は、イグニ
ッションスイッチのオンと同時にブレーキ力が保持され
るので、坂道においてエンジンを始動させて発進すると
き、不注意によりブレーキを踏まずにサイドブレーキを
解除したとしても車が移動すること等の状態を回避でき
る。また、走行中において、アクセルスイッチがオフに
なり、操作スイッチからスイッチ信号が供給されると、
コントローラはそのスイッチ信号値に基づき運転者の操
作力を判断し、その判断に対応した制御信号を電磁バル
ブに送る。これにより、運転者の操作力が強いほどブ−
スタ内の減圧度が高められ、強いブレーキ力が得られ、
反対に、操作力が弱ければ減圧度が緩められ、弱いブレ
ーキ力となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の車両制
動システムは、イグニッションスイッチのオンに拠る給
電開始と同時にブレーキ力を保持して、坂道における発
進時の不注意な車の移動等を防止する点では一応、功を
奏するものであった。
【0005】しかしながら、走行中のブレーキ力の確保
に関しては、ブレーキの操作力の強弱に応じたブレーキ
力を一律に発生させる構成、即ち、換言すれば、運転者
の勘に頼ってブレーキ力に対応する目標減速度を掲げ、
この目標減速度に対するオープン制御の構成であること
から、積載条件の変化に因る車両重量の変化、路面μの
変化、ブレーキのフェード等に因る摩擦材のμ低下等が
考慮されておらず、それらの変化に伴ってブレーキ性能
や運動性能も変わってしまい、この変化を正すのは、専
ら運転者の技量に頼るしかないという状況にあった。
【0006】本発明は、このような従来装置の未解決の
問題に鑑みなされたもので、積載条件の変化に因る車両
重量の変化、路面μの変化、ブレーキのフェード等に因
る摩擦材のμ低下等が生じても、総合制御によって、ブ
レーキ性能をほぼ一定に保持することのできるブレーキ
装置を提供することを、目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1記載の発明は、図1(a)に示すように、
ブレーキ操作状況を検出するブレーキ状況検出手段と、
このブレーキ状況検出手段の検出情報に基づく車両減速
度の目標値を設定する目標減速度設定手段と、制動時の
実減速度を検出する実減速度検出手段と、この実減速度
検出手段の検出値と前記目標減速度設定手段の設定値と
を比較する減速度比較手段と、この減速度比較手段によ
り実減速度が目標減速度よりも小さいと比較判断された
ときに車輪のブレーキ圧を再増加させる再増圧指令手段
とを備え、ブレーキ操作に応じて車輪のブレーキ圧を高
めるようにした車両のブレーキ装置において、前記減速
度比較手段により実減速度が目標減速度よりも小さいと
比較判断されたときに、車輪の回転状況を検出する車輪
回転検出手段と、この車輪回転検出手段の検出情報に基
づき車輪がロック傾向又はロック状態であるか若しくは
非ロック傾向又は非ロック状態であるかを判定するロッ
ク判定手段とを設け、前記再増圧指令手段は、前記ロッ
ク判定手段がロック傾向又はロック状態であると判定し
たときには車輪のブレーキ圧を再増加させず、前記ロッ
ク判定手段が非ロック傾向又は非ロック状態であると判
定したときには車輪のブレーキ圧を再増加させるように
した。
【0008】また、請求項2記載の発明は、図1(b)
に示すように、ブレーキ操作状況を検出するブレーキ状
況検出手段と、このブレーキ状況検出手段の検出情報に
基づく車両減速度の目標値を設定する目標減速度設定手
段と、制動時の実減速度を検出する実減速度検出手段
と、この実減速度検出手段の検出値と前記目標減速度設
定手段の設定値とを比較する減速度比較手段と、この減
速度比較手段により実減速度が目標減速度よりも小さい
と比較判断されたときに車輪のブレーキ圧を再増加させ
る再増圧指令手段とを備え、ブレーキ操作に応じて車輪
のブレーキ圧を高めるようにした車両のブレーキ装置に
おいて、前記減速度比較手段により実減速度が目標減速
度よりも小さいと比較判断されたときに、車輪の回転状
況を検出する車輪回転検出手段と、この車輪回転検出手
段の検出情報に基づき車輪がロック傾向又はロック状態
であるか若しくは非ロック傾向又は非ロック状態である
かを判定するロック判定手段と、このロック判定手段が
非ロック傾向又は非ロック状態であると判定したときに
前記目標減速度設定手段の設定値に応じた目標制動トル
クを設定する目標制動トルク設定手段と、車輪の実制動
トルクを検出する実制動トルク検出手段と、この実制動
トルク検出手段の検出値と前記目標制動トルク設定手段
の設定値とを比較する制動トルク比較手段とを設け、前
記再増圧指令手段は、前記制動トルク比較手段により実
制動トルクが目標制動トルクよりも小さいと比較判断さ
れたときにのみ、実制動トルクと目標制動トルクとの差
に対応した量だけ車輪のブレーキ圧を再増加させるよう
にした。
【0009】さらに、請求項3記載の発明では、請求項
1又は2記載の発明の内、特に、前記目標減速度設定手
段は、車輪の輪荷重を検出する手段を含み、この手段の
検出値に応じた目標減速度を設定する。
【0010】
【作用】請求項1記載の発明では、ブレーキペダル等が
踏み込まれると、ブレーキ圧が増加されるが、その際、
ブレーキ状況検出手段によって検出された情報に基づ
き、目標減速度が目標減速度設定手段で設定される。そ
こで、減速度比較手段は、設定された目標減速度と実減
速度検出手段の検出値とを比較するが、その比較結果
が、「実減速度の方が目標減速度よりも小さい、即ち減
速度が足りない」状態であるとき、ロック判定手段は車
輪回転検出手段の検出情報に基づき、車輪がロック傾向
又はロック状態にあるか否かを判定する。これにより、
ロック傾向でもロック状態でも無いと判定されたときの
み、再増圧指令手段が作動してブレーキ圧が再増加され
る。このように、減速度が足りないとき、直ちに増圧す
ることなく、路面μ等に因る車輪ロックが判定され、ロ
ック傾向又はロック状態で無いときのみ、減速度を稼ぐ
ために増圧される。このため、ロック傾向又はロック状
態で無い、即ち、安定性の高い制動状態では常にほぼ一
定のブレーキ操作及び減速度の関係が得られる。
【0011】また請求項2記載の発明では、上述した作
用の内、とくに、ロック判定手段によりロック傾向でも
ロック状態でも無いと判定されたときのみ、目標制動ト
ルク設定手段において、目標減速度に応じて目標制動ト
ルクが設定される。そこで、制動トルク比較手段で、設
定した目標減速度と実制動トルク検出手段の検出値とが
比較され、実制動トルクが目標制動トルクを下回ると判
定されたときに、再増圧指令手段により、両者の差に対
応した量だけブレーキ圧を再増加させる。これにより、
ロック傾向でもロック状態でも無く且つ実際の制動トル
クが不足しているときのみ再増圧されるから、常にほぼ
一定のブレーキ操作及び減速度の関係が得られると共
に、フェード等によるブレーキの摩擦材のμ低下があっ
ても、的確量の増圧によりタイヤ,路面間の摩擦力を最
大限に利用した制動がなされる。
【0012】さらに、請求項3記載の発明では、車輪の
輪荷重を考慮して目標減速度が設定されるから、積載条
件が変化しても、ブレーキ性能が殆ど変化しない。
【0013】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図2乃至図11に
基づいて説明する。本実施例は、ブレーキ操作に対する
指令を電気回路を介して液圧発生用のアクチュエータに
伝達し、アクチュエータが各輪のブレーキに液圧を伝達
する方式の車両ブレーキ装置に適用したものである。本
実施例は、請求項2,3記載の発明に相当する。
【0014】図2において、2FL〜2RRは前左〜後右車
輪を,4は総合制御ブレーキ装置を各々示す。総合制御
ブレーキ装置4は、各輪2FL〜2RRに個別に設置された
ブレーキ10FL〜10RRと、この各ブレーキ10FL〜1
0RRにブレーキ圧を供給する4チャンネルのアクチュエ
ータ12とを液圧系として備えると共に、各輪2FL〜2
RRの回転数を検出する車輪速センサ14FL〜14RR、輪
荷重を検出する輪荷重センサ16FL〜16RRと、各ブレ
ーキ10FL〜10RRの制動トルクを検出する制動トルク
センサ18FL〜18RRと、操舵角を検出する舵角センサ
20と、ブレーキペダル22の踏力を検出する踏力セン
サ24と、車両に作用する前後加速度を検出する前後加
速度センサ26と、車速を検出する車速センサ28と、
ヨーレートを検出するヨーレートセンサ30と、各セン
サ信号を入力してアクチュエータ12を制御するコント
ローラ32とを制御系として備えている。
【0015】この内、アクチュエータ12は、コントロ
ーラ32から供給される液圧制御信号CSに応じて作動
する電磁バルブと、この電磁バルブによって気圧が減圧
調整されるブースタと、このブースタの内部圧に応じて
駆動するマスターシリンダとを4チャンネルずつ有し、
マスターシリンダが配管34を介して図示の如く各ブレ
ーキ10FL〜10RRのホイールシリンダに夫々接続され
ている。このため、アクチュエータ12に供給される液
圧制御信号の値が増大し、この信号値に応じて電磁バル
ブが作動すると、ブースタ内の減圧度が上がり、マスタ
ーシリンダはより高い液圧を各ブレーキ10FL〜10RR
のホイールシリンダに供給でき、ブレーキ力を高めるこ
とができるように成っている。
【0016】車輪速センサ14FL〜14RRの夫々は、各
輪2FL〜2RRの回転と共に回転するロータの歯に近接・
設置された電磁ピックアップを有し、車輪回転数(回転
周速)に比例した周波数の交流電圧vFL〜vRRをコント
ローラ32に出力する。また、輪荷重センサ16FL〜1
6RRは、各輪2FL〜2RRのサスペンションと車体側部材
間に介挿した圧力センサで構成され、輪荷重を感知し、
その荷重に比例した直流電圧値の輪荷重信号WFL〜WRR
をコントローラ32に出力する。さらに、制動トルクセ
ンサ18FL〜18RRは、各々、例えば各ブレーキ10FL
〜10RRのトルクメンバに貼り付けられた歪みゲージで
成り、制動時にトルクメンバが受ける歪みの大きさを感
知し、その大きさに比例した直流電圧値の信号TFL〜T
RRを制動トルク信号としてコントローラ32に供給す
る。
【0017】舵角センサ20は、ステアリングシャフト
に取り付けられ、光学的にシャフトの回転角を検出する
構成になっており、その回転角(舵角)に対応したパル
ス信号で成る舵角信号θを出力する。また、ブレーキペ
ダル22は、このペダル22を踏み込みことにより撓む
弾性体部材22aを介して車体に連結されており、その
弾性体部材22aに踏力センサ24が設置されている。
この踏力センサ24は、例えば弾性体部材22aに貼り
付けた歪みゲージであり、ペダル22を踏み込む力に比
例した直流電圧値の踏力信号STをコントローラ32に
供給するようになっている。
【0018】さらに、前後加速度センサ26は車両の例
えば重心位置に装備され、マスの慣性力によって撓む軸
に歪みゲージを貼り付けた振り子式のセンサ構造を有
し、車体に作用する前後方向の加速度に応じた信号GX
をコントローラ32に出力する。車速センサ28は例え
ば変速機の出力軸の回転数を検知すること等によって、
車速に応じたパルス信号Vを出力するようになってい
る。ヨーレートセンサ30は、車両の重心位置に装備さ
れた、例えば圧電振動形のジャイロで構成され、重心位
置回りに発生するヨーレート(ヨー角速度)に対応した
直流電圧値にヨーレート信号ψD を出力するものであ
る。
【0019】コントローラ32はコンピュータを搭載し
て成り、図3に示すように、車輪速信号vFL〜vRR,車
速信号V,及び舵角信号θを波形整形回路40を介して
入力するインターフェイス回路42と、輪荷重信号WFL
〜WRR,制動トルク信号TFL〜TRR,前後加速度信号G
X ,踏力信号ST,及びヨーレート信号ψD をゲイン調
整器44を介して入力するA/D変換器46と、インタ
ーフェイス回路42及びA/D変換器46出力信号を取
り込んで所定の処理を行うCPU(中央演算処理装置)
48と、このCPU48の指令信号に対応した液圧制御
信号CSFL〜CSRRをアクチュエータ12に出力する駆
動回路50とを備えている。
【0020】CPU48はメモリ52に予め記憶させて
いる、図4〜図7に示す処理を行う。メモリ52はま
た、図8乃至図11に示す特性を予めマップの形で記憶
している。
【0021】次に、本実施例の動作を説明する。最初
に、コントローラ32で実施される図4乃至図7のフロ
ーチャートを説明する。図4乃至図6の処理はブレーキ
圧制御の概略プログラムであり、図7の処理は疑似車速
設定のための概略プログラムであり、何れも所定のメイ
ンプログラム実行中に、微小な一定時間Δt毎のタイマ
割込で実施される。
【0022】図4及び図5のタイマ割込処理において、
CPU48は、そのステップ97で舵角センサ20の検
出信号θを波形整形回路40及びインターフェイス回路
42を介して読み込み、その値を操舵角として記憶した
後、ステップ98に移行する。ステップ98で、CPU
48は、入力した操舵角θの値から旋回状態か否かを判
断し、YES(即ち旋回状態)の場合、そのままメイン
プログラムに処理を戻すが、NO(即ち直進状態)の場
合、ステップ99に処理を移す。
【0023】ステップ99において、CPU48は、ゲ
イン調整器44及びA/D変換器46を介して踏力セン
サ24の検出信号STを読み込んで、その値を踏力とし
て記憶した後、ステップ100に移行する。ステップ1
00では、踏力STの値からブレーキ踏込みか(踏力S
T>0)否かを判断し、NOの場合、制動状態ではない
としてそのままメインプログラムに処理を戻し、待機す
る。
【0024】このステップ100の判断でYESになる
と、CPU48は踏力ST>0、即ち制動状態に入った
と認識し、ステップ101の判断を行う。ステップ10
1では、アンチスキッド制御中か否かを示すフラグF1
の内容を、F1=1か否かで判断し、YESの場合はア
ンチスキッド制御中であるとして、後述するステップ1
16の処理にスキップする。しかし、CPU48はNO
の判断のとき、さらにステップ102に移行して後述す
るフラグF2及びF3の内容を、F2又はF3=1か否
かで判断する。そして、YESのときは後述するステッ
プ108までスキップし、NOのときは、通常の制動状
態であると認識して、次いでステップ103〜107の
処理を行う。
【0025】この内、ステップ103では、CPU48
により、波形整形回路40及びインターフェイス回路4
2を介して車輪速センサ14FL〜14RRの検出信号vFL
〜v RRが各々読み込まれ、その値が車輪速として記憶さ
れる。ステップ104では、ゲイン調整器44及びA/
D変換器46を介して輪荷重センサ16FL〜16RRの検
出信号WFL〜WRRが各々読み込まれ、その値が輪荷重と
して記憶される。
【0026】またステップ105では、図8に対応した
マップを参照することによって、ステップ99で入力し
た踏力STに対応した目標減速度GXMが設定される。こ
こで、目標減速度GXMは制動時の車両減速度の目標値で
ある。図8の特性は、車両の特性によって決まるもの
で、踏力STが大きくなるにつれて目標減速度GXMが大
きくなる。この特性は、どれだけブレーキペダル22を
踏み込んだら、どの位ブレーキが掛かるかという運転者
の感覚に相当している。
【0027】またステップ106では、図9に対応した
マップを参照することによって、ステップ105での設
定値GXM及びステップ104での入力値WFL(〜WRR
に対応した目標ブレーキ圧PM が各輪毎に設定される。
図9の特性によれば、目標減速度GXMが大きくなると、
目標ブレーキ圧PM も大きく設定でき、その際、輪荷重
W(:WFL〜WRR)がパラメータであり、同一の目標減
速度GXMであっても、輪荷重Wが大きくなるほど、大き
な目標ブレーキ圧PM を設定できる。
【0028】さらに、ステップ107で、CPU48は
目標ブレーキ圧PMに対応した指令値を駆動回路50に
与える。これにより、駆動回路50から、目標ブレーキ
圧P M ,…,PM に対応した液圧制御信号CSFL〜CS
RRがアクチュエータ12に各々供給され、アクチュエー
タ12から各輪のブレーキ10FL〜10RRに液圧が個別
に供給され、ブレーキ圧Pが目標値PM まで増加する。
【0029】次いで、CPU48はその処理をステップ
108〜110に進める。ステップ108では、前後加
速度センサ26の検出信号GX をゲイン調整器44及び
A/D変換器46を介して読み込み、その値を実際の減
速度として記憶する。ステップ109では、ステップ1
05での目標減速度GXM及びステップ108での入力値
X を用いて、GXM−GX =ΔGX の演算を行う。さら
に、ステップ110では、減速度の差分ΔGX ≒0か否
かを判断する。
【0030】このステップ110の判断でYESの場
合、今の制動状態によって運転者の意図する車両減速度
が得られているので、CPU48はそのままのブレーキ
圧状態を保持して、ステップ111に移行する。このス
テップ111では、ある減速度に対する減圧中か否かを
示すフラグF2、及び、ある制動トルクに対する微小圧
増加中か否かを示すフラグF3が共にクリヤされ、その
後、メインプログラムに処理が戻される。これに対し、
ステップ110の判断でNOの場合、ステップ112に
移行し、差分ΔGX >0か否かが判断される。このステ
ップ112でNOの判断が下されるとき、実減速度GX
が目標減速度GXMよりも大きいとして、CPU48はス
テップ113に処理を進め、各ブレーキ10FL〜10RR
に対して減圧を指令する。この減圧指令は、目標ブレー
キ圧PM よりも微小圧ΔPだけ小さい値を演算し、この
値に対してなされる。その後、ステップ114におい
て、ある目標減速度GXMに対して減圧中の状態を示すた
め、フラグF2=1に設定した後、処理はメインプログ
ラムに戻される。つまり、ステップ113を定期的に通
る処理では、微小圧ΔPずつ下げられながら減速度がチ
ェックされる。この繰り返しの間に、ステップ110で
YESとなるときは、ΔGX ≒0であり、意図した減速
状態になったとしてステップ111の処理を介してメイ
ンプログラムに戻される。
【0031】これに対して、ステップ112の判断にて
YESとなるときは、実際の減速度GX が路面のμ(摩
擦係数)等にの因り目標減速度GXMに達していない状態
であるから、CPU48は以下のステップ115以降の
処理を行う。
【0032】つまり、CPU48は、ステップ115で
フラグF2=0にセットした後、ステップ116で車輪
速センサ14FL〜14RRの検出信号vFL〜vRRを各々読
み込み、ステップ117において、各輪のスリップ率S
FL〜SRRを個別に演算する。このスリップ率SFL〜SRR
の演算は、後述する図7の処理において、制動開始時よ
り演算されている疑似車速Vref とステップ116の読
込み値vFL〜vRRとに基づき、スリップ率SXX=(V
ref −vXX)/Vref (添字XXFLRR)が個別に求め
られる。
【0033】次いでステップ118に移行し、CPU4
8は、ステップ117の演算値SFL〜SRRが所定値(例
えば15%)以下か否かをチェックすることにより、4
輪2FL〜2RR共、ロック傾向又はロック状態では無いか
否か、つまり、4輪2FL〜2RRの全てが非ロック傾向又
は非ロック状態であるか(YES)、若しくは、4輪2
FL〜2RRのいずれか一つでもロック傾向又はロック状態
であるか(NO)を判断する。この判断でNO、即ち、
何れかの輪のスリップ率が所定値を越え、ロック傾向又
はロック状態にある場合、次いでステップ119の処理
に移行する。このステップ119では、ロック傾向又は
ロック状態にある輪のみが、従来周知のアンチスキッド
制御に付され、4輪のスリップ率SFL〜SRRが所定値範
囲に制御される。この後、ステップ120に移行してフ
ラグF1=1にセットし、アンチスキッド制御中を示し
た後、メインプログラムに戻される。
【0034】しかし、ステップ118においてYES、
即ち、4輪全てがロック傾向又はロック状態では無い場
合、不足している減速度を深めても制動に支障が無いと
認識し、ステップ121でF1=0に設定した後、今度
は制動トルク自体の様子を見るステップ122以降の処
理を行う(図5)。
【0035】先ず、CPU48は、図5ステップ122
で制動トルクセンサ18FL〜18RRの検出信号TFL〜T
RRをゲイン調整器44及びA/D変換器46を介して読
み込み、その値を実際の制動トルクとして各々記憶す
る。次いでステップ123では、前記ステップ105で
設定した目標減速度GXMに対応した目標制動トルクTM
を、図10に対応したマップを参照して算出する。ここ
で、図10に示した特性では、目標減速度GXMが大きく
なるにつれて目標制動トルクTM も増加する。
【0036】次いで、CPU48はステップ124の処
理に移行し、ステップ122の入力値TFL〜TRR及びス
テップ123の演算値TM に基づいて、TM −TXX=Δ
XX(添字XXFLRR)を演算し、偏差ΔTFL〜ΔTRR
を求めた後、ステップ125〜129を行う。
【0037】ステップ125では、演算した偏差ΔTFL
〜ΔTRR同士を比較し、ステップ126で、4輪共、実
際の制動トルクTFL〜TRRが殆ど同じか否かを所定の許
容差をもって判断する。この判断でYESの場合ステッ
プ127に移行し、偏差ΔT(≒ΔTFL〜ΔTRR)だけ
制動トルクを増加させ得る目標液圧値ΔPM を、図11
に対応したマップを参照して設定する。図11の特性で
は、偏差ΔTが大きくなるほど、目標とする液圧値ΔP
M も増大するようになっている。
【0038】次に、CPU48は、ステップ128にお
いて4輪のブレーキ圧を、各々、目標液圧値ΔPM だけ
増圧させた後、ステップ129においてフラグF3=1
に設定して再増圧中を示した後、メインプログラムに処
理を戻す。
【0039】しかし、ステップ126の判断でNO、即
ち何れかの輪の制動トルク偏差ΔT FL〜ΔTRRが許容値
を外れて小さい場合、ステップ130にて、その輪を特
定する。次いでステップ131に移行し、ステップ13
0で特定した輪2FL(〜2RR)のみに対して、ステップ
131,132の処理を行う。つまり、ステップ131
では、ステップ127と同様に目標液圧値ΔPM が設定
され、ステップ132では、ステップ128と同様に液
圧値ΔPM 分の増圧指令がなされ、この後、その処理は
メインプログラムに戻される。
【0040】続いて図6のタイマ割込処理を説明する。
同図のステップ131では、舵角センサ20の検出信号
θが波形整形回路40及びインターフェイス回路42を
介して読み込まれ、ステップ132では、読み込まれた
舵角値θに基づき直進か否かが判断される。この判断で
YES、即ち直進のとき、CPU48はその処理をメイ
ンプログラムに戻す。しかし、NO、即ち旋回状態のと
き、CPU48はステップ132a〜132gまでの処
理を順次行う。
【0041】ステップ132aではフラグF1〜F4=
0にセットされ、ステップ132b,132cでは前記
図4ステップ99,100と同一の処理がなされる。さ
らに、ステップ132d〜132gでは、図4ステップ
104〜107と同一の処理がなされる。
【0042】次いでCPU48はステップ133〜13
7の処理を順次行う。この内、ステップ133では車速
センサ28の検出信号Vが波形整形回路40インター
フェイス回路42を介して読み込まれる。次いでステッ
プ134では、ステップ131,133の読込み値θ,
Vに基づき目標ヨーレートψD M が演算される。さら
に、ステップ135では、ヨーレートセンサ30の検出
信号ψD がゲイン調整器44及びA/D変換器46を介
して読み込まれ、その値が現時点の実際のヨーレートと
して記憶される。なお、このヨーレートは横加速度など
を用いて演算により求めてもよい。次いで、ステップ1
36において、ψD M −ψD =ΔψD の式に基づくヨー
レート偏差ΔψD が演算される。さらに、ステップ13
7で、ステップ131での入力値θに基づいて左旋回か
否かを判断する。
【0043】このステップ137の判断にてYES、即
ち左旋回であるとすると、CPU48はステップ138
に処理を進め、ΔψD ≒0か否かを判断する。この判断
でYESのときは、目標とするヨーレートψD M がほぼ
得られていると認識し、その時点の液圧を保持させたま
ま、メインプログラムに戻る。しかし、NOのときは、
さらにステップ139に移行して、ΔψD >0か否かを
判断する。
【0044】このステップ139の判断でYESのとき
は、目標ヨーレートψD M の方が実ヨーレートψD より
も大きい(今は左旋回)から、さらに左旋回方向のヨー
レートを高める必要があると認識し、ステップ140に
移行する。ステップ140では、CPU48により、右
輪側のブレーキ圧を微小値だけ下げる指令が駆動回路5
0になされる。この結果、右輪2FR,2RR(即ち外輪)
側のブレーキ圧Pが微小値だけ下がることにより、内輪
向きのヨーが高められる。反対に、ステップ139でN
Oのときは、ステップ141に移行して、左輪2FL,2
RL(即ち内輪)側のブレーキ圧を微小値だけ下げる指令
がなされ、外輪向きのヨーが高められる。ステップ14
0又は141の後は、何れもメインプログラムに戻され
る。
【0045】また、前記ステップ137でNOのとき
は、右旋回のときであるから、続いてステップ142〜
145の処理がなされ、メインプログラムに戻される。
それらステップ142〜145の処理は、ステップ13
8〜141と同様である。
【0046】続いて図7のタイマ割込処理を説明する。
図7のステップ151で、CPU48は、踏力センサ2
4の検出信号STを読込んでその値を記憶した後、ステ
ップ152に処理を進める。ステップ152では、踏力
STからブレーキを操作したか否かを判断し、YES、
即ちブレーキ操作開始が判断されたときは、ステップ1
53に移行し、後述するフラグF4=1か否かを判断す
る。このステップ153でNOのときは、今回初めて疑
似車速を演算する場合であると認識し、ステップ154
〜156の処理を順次行う。
【0047】ステップ154では、車輪速センサ14FL
〜14RRの検出信号vFL〜vRRを検出して、その値を車
輪速として記憶する。その後、ステップ155では、車
輪速vFL〜vRRの最高値又は最低値を選択する等の処理
をし、その選択値に基づき車体の疑似車速Vを演算す
る。この後、ステップ156にて疑似車速演算中か否か
を示すフラグF4を、F4=1にセットし、メインプロ
グラムに戻る。
【0048】前記ステップ153でYESのときは、い
ま制動中であって疑似車速の演算を行っている最中であ
ると認識し、ステップ155に直接スキップする。ま
た、ステップ152でNOの判断ときは、制動状態では
無い又は制動状態が解除されたとしてステップ157に
移行し、フラグF4=0にセットした後、メインプログ
ラムに戻る。
【0049】以上の構成及び処理で、踏力センサ24,
ゲイン調整器44,A/D変換器46,及び図4ステッ
プ99の処理がブレーキ状況検出手段を成し、輪荷重セ
ンサ16FL〜16RR,ゲイン調整器44,A/D変換器
46,図4ステップ104〜106の処理が目標減速度
設定手段を成す。また、前後加速度センサ26,ゲイン
調整器44,A/D変換器46,及び図4ステップ10
8の処理が実減速度検出手段を成す。さらに、図4ステ
ップ109,110,112の処理が減速度比較手段を
形成し、車輪速センサ14FL〜14RR,波形整形回路4
0,インターフェイス回路42,図4ステップ116の
処理が車輪回転検出手段を構成する。図4のステップ1
17,118の処理はロック判定手段を成す。
【0050】また、制動トルクセンサ18FL〜18RR,
ゲイン調整器44,A/D変換器46,及び図5ステッ
プ122の処理が実制動トルク検出手段を構成し、図5
ステップ123の処理が目標制動トルク設定手段に対応
している。図5のステップ124〜126の処理が制動
トルク比較手段を成し、図5ステップ127,128,
130〜132の処理,駆動回路50,アクチュエータ
12が再増圧指令手段を形成している。
【0051】次に、本実施例の全体動作を説明する。ま
ず、直進制動の場合を説明する。この場合、コントロー
ラ32では図4乃至図7の処理が実施されるが、この
内、図6の処理では常にステップ131,132の処理
が繰り返され、それ以降の処理は無視された状態となる
から、図4,5及び7の処理が実質的に有効となる。
【0052】図4,5の処理では、ブレーキペダル22
の踏み込みによって制動状態が検知され(図4ステップ
100)、その踏み込みに伴う操作力STに応じた目標
減速度GXMが設定されると共に(図4ステップ99,1
05)、その減速度GXMに比例した増圧が行われる(図
4ステップ106,107)。つまり、それらの処理は
一定時間毎に割り込んで実施されるから、踏力STが大
きくなるにつれて、4輪2FL〜2RRのブレーキ圧も高く
なって、車輪2FL〜2RRに制動が掛かる。
【0053】これに対して、コントローラ32では、そ
の割込処理の都度、図4ステップ108以降の処理が順
次実施される。つまり、割込毎に、車両の実際の減速度
X がリアルタイムに検出され、その目標値GXMと比較
される(図4ステップ108〜110,112)。この
とき、実減速度GX が目標値GXMにほぼ等しい場合(図
4ステップ110でYES)、乗員の欲した減速度の、
ほぼ理想的な制動状態にあるとして、それ以上の液圧調
整は少なくとも次回のタイマ割込まで実行せず、その時
点のブレーキ圧が保持される。
【0054】しかし、路面μの変化によって、実減速度
X が目標値GXMを上回った場合、ブレーキが効き過ぎ
ているとして、各輪のブレーキ圧は最初の目標値GXM
で下げられる(図4ステップ113,114,10
2)。
【0055】さらに、ブレーキの摩擦材のフェード等に
起因して実減速度GX が目標値GXMに至らない場合、ブ
レーキの効きが低下しているとして、増圧しようとす
る。但し、すぐに増圧に入るのでは無く、各輪2FL〜2
RRのスリップ率SFL〜SRRを演算し、そのスリップ率S
FL〜SRRが所定値を越えているロック傾向やスリップ率
FL〜SRRが100%のロック状態かどうかを判断する
(図4ステップ116〜118)。この演算には、図7
の処理でほぼリアルタイムに演算されている疑似車速V
が用いられる。そして、4輪2FL〜2RRの内、少なくと
も何れかがロック傾向又はロック状態である場合、フラ
グF1を立てて、その輪のアンチスキッド(ABS)制
御に専念する(図4ステップ119,120)から、ロ
ック防止が優先される。これにより、尻振りや制動距離
の長大化など、ロック状態の悪化が未然に回避される。
【0056】一方、4輪2FL〜2RR共、ロック傾向又は
ロック状態では無いと判断された場合、さらに、実際の
制動トルクTFL〜TRRと、目標減速度GXMから導出され
る目標制動トルクTMとの差がチェックされる(図5ス
テップ122〜125)。このとき、4輪2FL〜2RRの
実制動トルクのばらつきがチェックされ、特に、制動ト
ルクが小さい場合は、その輪の制動トルク不足が減速度
不足の主要因であると推定され、その特定輪のみが制動
トルク不足分に相当する量だけ増圧される(図5ステッ
プ126,130〜132)。しかし、4輪2FL〜2RR
の実制動トルクに際立ったばらつきが無い場合、4輪2
FL〜2RRのブレーキ圧が制動トルク不足分に相当する量
だけ増圧される(図5ステップ126〜128)。この
ように再増圧されると、フラグF3が立てられるから、
次回の割込では再増圧の結果がチェックされ、実減速度
X が目標減速度GXMにほぼ一致するまで上述した処理
が繰り返される。
【0057】このようにして減速度不足又は過多の状態
が防止されるから、車速変化やフェード等に因るブレー
キ摩擦材のμ低下にかかわらず、常に、ほぼ一定の踏力
〜車両減速度の関係が維持され、運転者の勘に頼ること
なく、一定した制動性能が発揮される。また、タイヤ,
路面間の摩擦力を最大限,有効に取り込んで、良好な制
動距離や車両安定性が保持される。特に、本実施例で
は、輪荷重が変わっても、その変化に応じて、目標減速
度GXMを得るための目標ブレーキ圧PM が各輪毎に設定
されるから、上述した効果は積載条件が変化した場合で
も有効である。また、ロック傾向又はロック状態ではロ
ック防止が優先され、通常のABS装置と同様の機能を
発揮できる。
【0058】一方、車両が旋回状態になると、図4,5
の処理に代わり、図6の処理が中心となる。この図6の
処理も微小な一定時間毎に実施されるから、ブレーキペ
ダル22の踏み込みに対応して増圧され、踏力ST及び
輪荷重WFL〜WRRに応じた目標減速度GXMに近づけられ
る。これと伴に、目標ヨーレートψD M の演算及び実ヨ
ーレートψD の検出がなされ、両者の差ΔψD に応じて
内,外輪側のブレーキ圧が下げられる。この結果、目標
とする減速度GXMがほぼ得られると共に、旋回時のヨー
レートψD が目標値ψD M に保持されるから、旋回中、
常に理想的なヨー運動が得られ、旋回性が良好に保持さ
れる。
【0059】なお、前記実施例では、ロック判定(図4
ステップ118)を行った後に、制動トルクの判定(図
5ステップ122〜127,130,131)を行い、
その後でトルク差ΔT分の増圧を行うようにしたが、係
るロック判定後、ロック無しの場合には予め定めた微小
値ずつ直ちに増圧するように、処理を簡単化してもよく
(これにより請求項1,3記載の発明が構成される)、
その場合の増圧指令ステップが請求項1,3記載の発明
の再増圧指令手段の要部を成す。また、前述した実施例
において、輪荷重WFL〜WRRの入力を中止し、その分の
センサ,処理を省くように簡単化した構成としてもよ
く、その場合、積載条件が殆ど変わらない車両には依然
として有効になる。
【0060】また、請求項記載の発明は、前記実施例の
ようなブレーキペダルとアクチュエータ間が電気配線で
結合された形式のものに限定されることなく、通常よく
用いられる、ブレーキペダルとマスターシリンダとが機
械的に結合され、ペダル踏み込みがマスターシリンダを
直接付勢する形式のものにも適用できる。
【0061】さらに、請求項記載の発明におけるブレー
キ状況検出手段は、ブレーキペダルの踏力を検出するも
ののほか、ブレーキ踏み込みストロークを検出し、その
ストロークをブレーキ操作情報とするようにしてもよ
い。さらに、コントローラはマイクロコンピュータを用
いる構成に代えて、同等の機能を果たすよう接続した、
アナログ電子回路、論理回路等を用いるものであっても
よい。
【0062】さらにまた、目標減速度設定手段は、図9
のマップにて輪荷重Wを考慮する構成にしたが、図8の
マップで輪荷重Wを同様に加味する構成、即ち同一の踏
力STであっても、より大きな目標減速度GXMが得られ
る構成としてもよい。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明
は、ブレーキ状況検出情報に基づく車両減速度の目標値
を設定し、実減速度検出値が目標減速度設定値よりも小
さいと比較判断されたときに、車輪回転検出手段の検出
情報に基づき車輪がロック傾向又はロック状態であるか
否かを再度判定し、ロック傾向又はロック状態では無い
と判定されたときにのみ、車輪のブレーキ圧を再増加さ
せるとしたため、ロック傾向又はロック状態であるのに
直ちに再増圧に移行して、そのロック状態を更に酷くす
るという事態を確実に排除できると共に、車速変化やブ
レーキ摩擦材のフェード等によるμ低下に関わらず、常
に一定のブレーキ操作〜減速度の関係を得て、乗員に違
和感を与えることも無く、良好な制動特性を確保でき
る。
【0064】また請求項2記載の発明は、請求項1記載
の発明において、ロック傾向又はロック状態では無いと
判定されたとき、目標減速度設定値に応じた目標制動ト
ルクを設定し、さらに、実制動トルク検出値が目標制動
トルク設定値よりも小さいと比較判断されたときにの
み、両制動トルク差に対応した量だけ車輪のブレーキ圧
を再増加させるようにした。このため、再増圧の前に、
ロック判定及び制動トルク判定の2回の制動状況チェッ
クがなされ、これにより、再増圧の慎重を期することが
でき、過不足の少ない増圧量となり、且つ、制動トルク
のチェックによってタイヤ,路面間の摩擦力も最大限、
有効に利用した高精度な制動となる。
【0065】さらに請求項3記載の発明では、輪荷重を
加味した目標減速度を設定しているから、輪荷重が大き
くなるほど、大きな目標減速度が設定される等、積載条
件が変わっても、前述した各効果を一層高める総合制御
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】クレーム対応図である。
【図2】本発明の一実施例の全体構成を示すブロック図
である。
【図3】コントローラの構成を示すブロック図である。
【図4】ブレーキ液圧制御の処理を、図5と共に示すフ
ローチャートである。
【図5】ブレーキ液圧制御の処理を、図4と共に示すフ
ローチャートである。
【図6】ブレーキ液圧制御の処理を示すフローチャート
である。
【図7】疑似車速の演算処理を示すフローチャートであ
る。
【図8】踏力と目標減速度の関係を示すグラフである。
【図9】目標減速度と目標ブレーキ圧の関係を示すグラ
フである。
【図10】目標減速度と目標制動トルクの関係を示すグ
ラフである。
【図11】制動トルク偏差と再増圧値の関係を示すグラ
フである。
【符号の説明】
2FL〜2RR 車輪 4 総合制御ブレーキ装置 10FL〜10RR ブレーキ 12 アクチュエータ 14FL〜14RR 車輪速センサ 16FL〜16RR 輪荷重センサ 18FL〜18RR 制動トルクセンサ 24 踏力センサ 26 前後加速度センサ 32 コントローラ 48 CPU
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60T 8/58 B60T 8/72

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレーキ操作状況を検出するブレーキ状
    況検出手段と、このブレーキ状況検出手段の検出情報に
    基づく車両減速度の目標値を設定する目標減速度設定手
    段と、制動時の実減速度を検出する実減速度検出手段
    と、この実減速度検出手段の検出値と前記目標減速度設
    定手段の設定値とを比較する減速度比較手段と、この減
    速度比較手段により実減速度が目標減速度よりも小さい
    と比較判断されたときに車輪のブレーキ圧を再増加させ
    る再増圧指令手段とを備え、ブレーキ操作に応じて車輪
    のブレーキ圧を高めるようにした車両のブレーキ装置に
    おいて、前記 減速度比較手段により実減速度が目標減速度よりも
    小さいと比較判断されたときに、車輪の回転状況を検出
    する車輪回転検出手段と、この車輪回転検出手段の検出
    情報に基づき車輪がロック傾向又はロック状態であるか
    若しくは非ロック傾向又は非ロック状態であるかを判定
    するロック判定手段とを設け、 前記再増圧指令手段は、前記 ロック判定手段がロック傾
    向又はロック状態であると判定したときには車輪のブレ
    ーキ圧を再増加させず、前記ロック判定手段が非ロック
    傾向又は非ロック状態であると判定したときには車輪の
    ブレーキ圧を再増加させるようになっていることを特徴
    とする総合制御ブレーキ装置。
  2. 【請求項2】 ブレーキ操作状況を検出するブレーキ状
    況検出手段と、このブレーキ状況検出手段の検出情報に
    基づく車両減速度の目標値を設定する目標減速度設定手
    段と、制動時の実減速度を検出する実減速度検出手段
    と、この実減速度検出手段の検出値と前記目標減速度設
    定手段の設定値とを比較する減速度比較手段と、この減
    速度比較手段により実減速度が目標減速度よりも小さい
    と比較判断されたときに車輪のブレーキ圧を再増加させ
    る再増圧指令手段とを備え、ブレーキ操作に応じて車輪
    のブレーキ圧を高めるようにした車両のブレーキ装置に
    おいて、前記 減速度比較手段により実減速度が目標減速度よりも
    小さいと比較判断されたときに、車輪の回転状況を検出
    する車輪回転検出手段と、この車輪回転検出手段の検出
    情報に基づき車輪がロック傾向又はロック状態であるか
    若しくは非ロック傾向又は非ロック状態であるかを判定
    するロック判定手段と、このロック判定 手段が非ロック
    傾向又は非ロック状態であると判定したときに前記目標
    減速度設定手段の設定値に応じた目標制動トルクを設定
    する目標制動トルク設定手段と、車輪の実制動トルクを
    検出する実制動トルク検出手段と、この実制動トルク検
    出手段の検出値と前記目標制動トルク設定手段の設定値
    とを比較する制動トルク比較手段とを設け、 前記再増圧指令手段は、前記 制動トルク比較手段により
    実制動トルクが目標制動トルクよりも小さいと比較判断
    されたときにのみ、実制動トルクと目標制動トルクとの
    差に対応した量だけ車輪のブレーキ圧を再増加させる
    うになっていることを特徴とする総合制御ブレーキ装
    置。
  3. 【請求項3】 前記目標減速度設定手段は、車輪の輪荷
    重を検出する手段を含み、この手段の検出値に応じた目
    標減速度を設定することを特徴とした請求項1又は2記
    載の総合制御ブレーキ装置。
JP2863891A 1991-02-22 1991-02-22 総合制御ブレーキ装置 Expired - Lifetime JP2910269B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2863891A JP2910269B2 (ja) 1991-02-22 1991-02-22 総合制御ブレーキ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2863891A JP2910269B2 (ja) 1991-02-22 1991-02-22 総合制御ブレーキ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04266560A JPH04266560A (ja) 1992-09-22
JP2910269B2 true JP2910269B2 (ja) 1999-06-23

Family

ID=12254072

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2863891A Expired - Lifetime JP2910269B2 (ja) 1991-02-22 1991-02-22 総合制御ブレーキ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2910269B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3403254B2 (ja) * 1994-10-11 2003-05-06 日産ディーゼル工業株式会社 車両の制動力配分制御装置
DE19526659C2 (de) * 1995-07-21 2000-02-03 Bosch Gmbh Robert Verfahren und Vorrichtung zur Steuerung der Bremsanlage eines Fahrzeugs
DE10160059A1 (de) * 2000-12-30 2002-08-01 Bosch Gmbh Robert System und Verfahren zur Beurteilung eines Beladungszustandes eines Kraftfahrzeugs
JP2007196705A (ja) * 2006-01-23 2007-08-09 Toyota Motor Corp 車両用制動制御装置
JP4415959B2 (ja) * 2006-03-15 2010-02-17 トヨタ自動車株式会社 ブレーキ制御装置
FR2941204B1 (fr) * 2009-01-16 2011-02-25 Messier Bugatti Procede de commande d'un frein de vehicule avec correction en couple adaptative
JPWO2022025095A1 (ja) * 2020-07-31 2022-02-03

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04266560A (ja) 1992-09-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1364848B1 (en) Vehicle dynamics control system for a four-wheel-drive vehicle
EP1418104B1 (en) Vehicle braking control device
US5423601A (en) Anti-lock brake system and drive-slip control system
US6957873B2 (en) Method for regulating the driving stability of a vehicle
US8862327B2 (en) Process and device for stabilizing a vehicle
JP4151389B2 (ja) 車輌の挙動制御装置
US20050004738A1 (en) Method for modifying a driving stability control of a vehicle
JP2002500985A (ja) 横転を回避するための車両の安定化方法および装置
GB2271401A (en) Method for braking vehicle wheels
US7775608B2 (en) Method for controlling a brake pressure
WO2010061432A1 (ja) 車両の走行制御装置
US7657353B2 (en) Roll increasing tendency estimation apparatus
JP2003531761A (ja) 自動車用espコントローラ
US6079801A (en) Method for electrically actuated braking of a motor vehicle and electrically actuated brake system
JP2910269B2 (ja) 総合制御ブレーキ装置
JPH10509111A (ja) アンチロックコントロール式ブレーキ装置のための回路装置
JP3705077B2 (ja) 車輌の運動制御装置
KR100477410B1 (ko) 차량의 제동력 제어식 거동 제어 장치 및 방법
EP1291228B1 (en) Method for controlling brake systems
US6974195B2 (en) Method for increasing the maneuverability or driving stability of a vehicle during cornering
JP2003519590A (ja) カーブ走行時の車両の操舵性およびまたは走行安定性を高める方法
KR0179999B1 (ko) 더블트랙차량용 뒷바퀴브레이크의 브레이크압력 제어방법
JP2007050756A (ja) 車輌制御装置
JP4635484B2 (ja) 車両用運動制御装置
JP4238707B2 (ja) 電動機駆動車輌の駆動力制御装置