JP2909545B2 - 金属基複合材料の製造方法 - Google Patents
金属基複合材料の製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、複合材料に係り、更に詳細には金属繊維等
を強化材とし、アルミニウム合金等をマトリックスとす
る金属基複合材料の製造方法に係る。
を強化材とし、アルミニウム合金等をマトリックスとす
る金属基複合材料の製造方法に係る。
従来の技術及び発明が解決しようとする課題 例えば日本軽金属学会の主催により昭和60年7月15〜
16日に熱海市に於て開催された第3回金属成形セミナー
に於て頒布された「アルミニウム複合材料(FRM)の成
形」と題する小冊子に記載されている如く、強化繊維が
連続繊維である繊維強化金属複合材料の製造方法とし
て、拡散接合法、プラズマ・スプレイ法、気相析
出法、溶融浸透法、電着法(めっき法)等があり、
強化繊維が不連続繊維である繊維強化金属複合材料の製
造方法として、粉末治金法、コンポキャスティング
法、溶湯鍛造法、半溶融加工法、HIP法等がある
ことが知られている。
16日に熱海市に於て開催された第3回金属成形セミナー
に於て頒布された「アルミニウム複合材料(FRM)の成
形」と題する小冊子に記載されている如く、強化繊維が
連続繊維である繊維強化金属複合材料の製造方法とし
て、拡散接合法、プラズマ・スプレイ法、気相析
出法、溶融浸透法、電着法(めっき法)等があり、
強化繊維が不連続繊維である繊維強化金属複合材料の製
造方法として、粉末治金法、コンポキャスティング
法、溶湯鍛造法、半溶融加工法、HIP法等がある
ことが知られている。
特に強化繊維が不連続繊維である場合には、上述の他
の方法に比して量産性等に優れていることから、主とし
て上述のの溶湯鍛造法(高圧鋳造法)が従来より一般
に採用されている。しかし溶湯鍛造法に於ては、マトリ
ックス金属の溶湯を非常に高い圧力に加圧する必要があ
り、従って製造設備が大規模なものとなり、そのため複
合材料の製造が高コストになり、このことが複合材料の
実用化に対する一つの大きな阻害要因となっている。
の方法に比して量産性等に優れていることから、主とし
て上述のの溶湯鍛造法(高圧鋳造法)が従来より一般
に採用されている。しかし溶湯鍛造法に於ては、マトリ
ックス金属の溶湯を非常に高い圧力に加圧する必要があ
り、従って製造設備が大規模なものとなり、そのため複
合材料の製造が高コストになり、このことが複合材料の
実用化に対する一つの大きな阻害要因となっている。
かくして強化繊維が短繊維である場合に於ける複合材
料の製造に於ては、マトリックス金属の溶湯に対する必
要加圧力を低減し、更には加圧を省略することが要請さ
れており、このことを実現するためには強化繊維とマト
リックス金属の溶湯との濡れ性を大幅に改善することが
必要である。
料の製造に於ては、マトリックス金属の溶湯に対する必
要加圧力を低減し、更には加圧を省略することが要請さ
れており、このことを実現するためには強化繊維とマト
リックス金属の溶湯との濡れ性を大幅に改善することが
必要である。
かかる要請に鑑み、例えば特開昭61−295344号公報に
は、マトリックス金属として特殊な元素が添加されたア
ルミニウム合金を使用することが提案されている。しか
しマトリックス金属に特殊な元素を添加するだけでは十
分な濡れ性を確保することができず、またマトリックス
金属の組成が特定のものに限定されてしまうという問題
がある。
は、マトリックス金属として特殊な元素が添加されたア
ルミニウム合金を使用することが提案されている。しか
しマトリックス金属に特殊な元素を添加するだけでは十
分な濡れ性を確保することができず、またマトリックス
金属の組成が特定のものに限定されてしまうという問題
がある。
また強化繊維が連続繊維である場合についてマトリッ
クス金属の溶湯に対する繊維の濡れ性を改善するための
種々の方法が従来より提案されており、例えば特開昭49
−42504号公報には繊維の表面に金属粉末を塗布し、こ
れにより濡れ性を改善する方法が記載されており、特開
昭50−109904号、特開昭52−28433号、特開昭53−38791
号、特開昭57−169036号、特開昭57−169037号の各公報
には繊維の表面に金属を被覆し、これにより濡れ性を改
善する方法が記載されている。
クス金属の溶湯に対する繊維の濡れ性を改善するための
種々の方法が従来より提案されており、例えば特開昭49
−42504号公報には繊維の表面に金属粉末を塗布し、こ
れにより濡れ性を改善する方法が記載されており、特開
昭50−109904号、特開昭52−28433号、特開昭53−38791
号、特開昭57−169036号、特開昭57−169037号の各公報
には繊維の表面に金属を被覆し、これにより濡れ性を改
善する方法が記載されている。
これらの公報に記載されている如く、強化繊維が連続
繊維である場合には、一般に繊維が一方向に配向される
ので、毛細管現象によって個々の連続繊維の間にマトリ
ックス金属の溶湯が浸透し、従って上述の如き方法によ
れば繊維とマトリックス金属の溶湯との間の濡れ性を向
上させることができる。
繊維である場合には、一般に繊維が一方向に配向される
ので、毛細管現象によって個々の連続繊維の間にマトリ
ックス金属の溶湯が浸透し、従って上述の如き方法によ
れば繊維とマトリックス金属の溶湯との間の濡れ性を向
上させることができる。
しかし強化繊維が短繊維やウイスカである場合には、
それらが不連続なものであるため毛細管現象によるマト
リックス金属の溶湯の浸透を期待することができず、従
って例えば特開昭59−205464号公報に記載されている如
く、連続繊維について濡れ性を向上させる手段として知
られている方法を只単に短繊維やウイスカに適用しただ
けではそれらの濡れ性を十分に向上させることはできな
い。また強化繊維が短繊維やウイスカである場合には、
これらの金属を多量に被覆したり金属粉末を多量に塗布
することが困難であり、また非常に高コストである。こ
れらの問題は米国特許第4,376,803号及び同第4,569,886
号公報に記載されている如く繊維の表面を金属酸化物に
て被覆する場合も同様である。
それらが不連続なものであるため毛細管現象によるマト
リックス金属の溶湯の浸透を期待することができず、従
って例えば特開昭59−205464号公報に記載されている如
く、連続繊維について濡れ性を向上させる手段として知
られている方法を只単に短繊維やウイスカに適用しただ
けではそれらの濡れ性を十分に向上させることはできな
い。また強化繊維が短繊維やウイスカである場合には、
これらの金属を多量に被覆したり金属粉末を多量に塗布
することが困難であり、また非常に高コストである。こ
れらの問題は米国特許第4,376,803号及び同第4,569,886
号公報に記載されている如く繊維の表面を金属酸化物に
て被覆する場合も同様である。
また本願出願人と同一の出願人の出願にかかる特開昭
57−31466号公報や特開昭62−67133号公報に記載されて
いる如く、強化材成形体を所定の温度に予熱し、しかる
後成形体中にマトリックス金属の溶湯を加圧浸透させる
方法が知られている。かかる方法によれば、強化材自身
が或る温度に加熱されることによってマトリックス金属
の溶湯との濡れ性が向上し、成形体が予熱されない場合
に比してマトリックス金属の溶湯の浸透性が向上する。
しかしこれらの方法に於ては成形体を予熱することが必
須であり、またそのための特別の手段が必要であり、従
ってこれらの方法によっても複合材料の製造を能率化し
低コスト化することに限界がある。
57−31466号公報や特開昭62−67133号公報に記載されて
いる如く、強化材成形体を所定の温度に予熱し、しかる
後成形体中にマトリックス金属の溶湯を加圧浸透させる
方法が知られている。かかる方法によれば、強化材自身
が或る温度に加熱されることによってマトリックス金属
の溶湯との濡れ性が向上し、成形体が予熱されない場合
に比してマトリックス金属の溶湯の浸透性が向上する。
しかしこれらの方法に於ては成形体を予熱することが必
須であり、またそのための特別の手段が必要であり、従
ってこれらの方法によっても複合材料の製造を能率化し
低コスト化することに限界がある。
また本願出願人と同一の出願人の出願にかかる特開昭
61−165265号公報に記載されている如く、強化材の成形
体中に含まれる金属酸化物とマトリックス金属中の或る
特定の金属元素との間に於ける酸化還元反応を利用して
強化材成形体中へのマトリックス金属の溶湯の浸透性を
向上させる方法が知られている。しかしこの方法に於て
は互いに酸化還元反応する元素が或る程度制限されるた
め、任意の組成の金属をマトリックス金属とする複合材
料を製造することができないという問題がある。
61−165265号公報に記載されている如く、強化材の成形
体中に含まれる金属酸化物とマトリックス金属中の或る
特定の金属元素との間に於ける酸化還元反応を利用して
強化材成形体中へのマトリックス金属の溶湯の浸透性を
向上させる方法が知られている。しかしこの方法に於て
は互いに酸化還元反応する元素が或る程度制限されるた
め、任意の組成の金属をマトリックス金属とする複合材
料を製造することができないという問題がある。
更に上述の何れの従来の方法に於ても、マトリックス
金属の溶湯を或る比較的高い圧力に加圧することが必須
であり、従ってこれら従来の方法によってはマトリック
ス金属の溶湯に対する加圧を省略したり、加圧に必要な
鋳型等の使用を省略して能率よく低廉に複合材料を製造
することはできず、また鋳造毎に鋳型内の成形体以外の
領域に於て比較的多量のマトリックス金属が凝固するこ
とが避けられないため、歩留りを向上させることができ
ないという問題がある。
金属の溶湯を或る比較的高い圧力に加圧することが必須
であり、従ってこれら従来の方法によってはマトリック
ス金属の溶湯に対する加圧を省略したり、加圧に必要な
鋳型等の使用を省略して能率よく低廉に複合材料を製造
することはできず、また鋳造毎に鋳型内の成形体以外の
領域に於て比較的多量のマトリックス金属が凝固するこ
とが避けられないため、歩留りを向上させることができ
ないという問題がある。
また、特表昭59−500973号公報及び1985年4月に出版
されたJornal of Materials Science Lettersには、強
化繊維の成形体をフッ素含有試薬で前処理し、その成形
体にマトリックス金属の溶湯を含浸させる複合材料の製
造方法が記載されている。しかしこの方法に於ては、強
化繊維が炭素又は炭化物を主成分とし若しくは炭素又は
炭化物で表面被覆された強化繊維に限定され、またマト
リックス金属の溶湯を含浸させる前に処理後の成形体を
予熱することが必要であるという問題がある。
されたJornal of Materials Science Lettersには、強
化繊維の成形体をフッ素含有試薬で前処理し、その成形
体にマトリックス金属の溶湯を含浸させる複合材料の製
造方法が記載されている。しかしこの方法に於ては、強
化繊維が炭素又は炭化物を主成分とし若しくは炭素又は
炭化物で表面被覆された強化繊維に限定され、またマト
リックス金属の溶湯を含浸させる前に処理後の成形体を
予熱することが必要であるという問題がある。
本願発明者等は、従来の複合材料の製造方法に於ける
上述の如き問題に鑑み、種々の実験的研究を行った結
果、強化材が短繊維、ウイスカ若しくは粒子の形態をな
す場合にも、特定の金属よりなる強化材の成形体中に金
属フッ化物の微細片を混入することにより、特定の金属
以外の金属よりなる強化材の成形体中に特定の金属及び
金属フッ化物の微細片を混入することにより、上述の如
き種々の問題を解決し得ることを見出した。
上述の如き問題に鑑み、種々の実験的研究を行った結
果、強化材が短繊維、ウイスカ若しくは粒子の形態をな
す場合にも、特定の金属よりなる強化材の成形体中に金
属フッ化物の微細片を混入することにより、特定の金属
以外の金属よりなる強化材の成形体中に特定の金属及び
金属フッ化物の微細片を混入することにより、上述の如
き種々の問題を解決し得ることを見出した。
本発明は本願発明者等が行った種々の実験的研究の結
果得られた知見に基き、強化材が短繊維、ウイスカ若し
くは粒子の形態をなす場合に於て、マトリックス金属の
溶湯を加圧しなくてもマトリックス金属が個々の強化材
の間に良好に充填された複合材料を能率よく低廉に製造
することのできる方法を提供することを目的としてい
る。
果得られた知見に基き、強化材が短繊維、ウイスカ若し
くは粒子の形態をなす場合に於て、マトリックス金属の
溶湯を加圧しなくてもマトリックス金属が個々の強化材
の間に良好に充填された複合材料を能率よく低廉に製造
することのできる方法を提供することを目的としてい
る。
また本発明は、マトリックス金属の溶湯を加圧するた
めの鋳型や所定の形状の複合材料を製造するための鋳型
を用いることなく、実質的に所定の形状及び寸法の複合
材料を非常に能率よく且低廉に非常に高い歩留りてに製
造することのできる方法を提供することを目的としてい
る。
めの鋳型や所定の形状の複合材料を製造するための鋳型
を用いることなく、実質的に所定の形状及び寸法の複合
材料を非常に能率よく且低廉に非常に高い歩留りてに製
造することのできる方法を提供することを目的としてい
る。
課題を解決するための手段 上述の如き目的は、本発明によれば、(1)Fe、Cr、
Ni、Ti、Cu、Zn、Al、Mg、Sn、Mn、Co、Ag、Pb、Si、及
びこれらの合金よりなる群より選択された金属よりなり
短繊維、ウイスカ若しくは粒子の形態をなす強化材と、
K2ZrF6、KAlF4、K2TiF6、CsAlF4よりなる群より選択さ
れた金属フッ化物の微細片とを含みこれらが実質的に均
一に混合された成形体を形成し、前記成形体の少くとも
一部をAl、Mg、Al合金、及びMg合金よりなる群より選択
されたマトリックス金属の溶湯に接触させ、前記溶湯を
実質的に加圧することなく前記成形体中に浸透させる金
属基複合材料の製造方法、(2)Fe、Cr、Ni、Ti、Cu、
Zn、Al、Mg、Sn、Mn、Co、Ag、Pb、Si、及びこれらの合
金よりなる群より選択された金属の微細片と、前記微細
片を構成する金属意外の金属よりなり短繊維、ウイスカ
若しくは粒子の形態をなす強化材と、K2ZrF6、KAlF4、K
2TiF6、CsAlF4よりなる群より選択された金属フッ化物
の微細片とを含みこれらが実質的に均一に混合された成
形体を形成し、前記成形体の少くとも一部をAl、Mg、Al
合金、及びMg合金よりなる群より選択されたマトリック
ス金属の溶湯に接触させ、前記溶湯を実質的に加圧する
ことなく前記成形体中に浸透させる金属基複合材料の製
造方法、及び(3)Fe、Cr、Ni、Ti、Cu、Zn、Al、Mg、
Sn、Mn、Co、Ag、Pb、Si、及びこれらの合金よりなる群
より選択された金属にて被覆された強化材であって、前
記強化材を被覆する金属以外の金属よりなり短繊維、ウ
イスカ若しくは粒子の形態をなす強化材と、K2ZrF6、KA
lF4、K2TiF6、CsAlF4よりなる群より選択された金属フ
ッ化物の微細片とを含みこれらが実質的に均一に混合さ
れた成形体を形成し、前記成形体の少くとも一部をAl、
Mg、Al合金、及びMg合金よりなる群より選択されたマト
リックス金属の溶湯に接触させ、前記溶湯を実質的に加
圧することなく前記成形体中に浸透させる金属基複合材
料の製造方法によって達成される。
Ni、Ti、Cu、Zn、Al、Mg、Sn、Mn、Co、Ag、Pb、Si、及
びこれらの合金よりなる群より選択された金属よりなり
短繊維、ウイスカ若しくは粒子の形態をなす強化材と、
K2ZrF6、KAlF4、K2TiF6、CsAlF4よりなる群より選択さ
れた金属フッ化物の微細片とを含みこれらが実質的に均
一に混合された成形体を形成し、前記成形体の少くとも
一部をAl、Mg、Al合金、及びMg合金よりなる群より選択
されたマトリックス金属の溶湯に接触させ、前記溶湯を
実質的に加圧することなく前記成形体中に浸透させる金
属基複合材料の製造方法、(2)Fe、Cr、Ni、Ti、Cu、
Zn、Al、Mg、Sn、Mn、Co、Ag、Pb、Si、及びこれらの合
金よりなる群より選択された金属の微細片と、前記微細
片を構成する金属意外の金属よりなり短繊維、ウイスカ
若しくは粒子の形態をなす強化材と、K2ZrF6、KAlF4、K
2TiF6、CsAlF4よりなる群より選択された金属フッ化物
の微細片とを含みこれらが実質的に均一に混合された成
形体を形成し、前記成形体の少くとも一部をAl、Mg、Al
合金、及びMg合金よりなる群より選択されたマトリック
ス金属の溶湯に接触させ、前記溶湯を実質的に加圧する
ことなく前記成形体中に浸透させる金属基複合材料の製
造方法、及び(3)Fe、Cr、Ni、Ti、Cu、Zn、Al、Mg、
Sn、Mn、Co、Ag、Pb、Si、及びこれらの合金よりなる群
より選択された金属にて被覆された強化材であって、前
記強化材を被覆する金属以外の金属よりなり短繊維、ウ
イスカ若しくは粒子の形態をなす強化材と、K2ZrF6、KA
lF4、K2TiF6、CsAlF4よりなる群より選択された金属フ
ッ化物の微細片とを含みこれらが実質的に均一に混合さ
れた成形体を形成し、前記成形体の少くとも一部をAl、
Mg、Al合金、及びMg合金よりなる群より選択されたマト
リックス金属の溶湯に接触させ、前記溶湯を実質的に加
圧することなく前記成形体中に浸透させる金属基複合材
料の製造方法によって達成される。
発明の作用及び効果 本発明の方法によれば、特定の金属よりなり短繊
維、ウイスカ若しくは粒子の形態をなす強化材と、金属
フッ化物の微細片とを含みこれらが実質的に均一に混合
された成形体、特定の金属以外の金属よりなり短繊
維、ウイスカ若しくは粒子の形態をなす強化材と、特定
の金属の微細片と、金属フッ化物の微細片とを含みこれ
らが実質的に均一に混合された成形体、又は特定の金
属以外の金属よりなり、短繊維、ウイスカ若しくは粒子
の形態をなし、特定の金属にて被覆された強化材と、金
属フッ化物の微細片とを含みこれらが実質的に均一に混
合された成形体が形成され、その成形体の少くとも一部
がマトリックス金属の溶湯と接触せしめられる。前記特
定の金属はマトリックス金属の溶湯に対する濡れ性に優
れているので、溶湯は特定の金属を伝って成形体中へ浸
透する。金属フッ化物はマトリックス金属の溶湯及び特
定の金属の酸化膜を除去して強化材に対する溶湯の濡れ
を改善する。またマトリックス金属の溶湯及び金属は互
いに反応することによって発熱し、その熱によって溶湯
及び強化材が加熱され、これにより溶湯の成形体中への
浸透性及び強化材の濡れ性が向上され、これによりマト
リックス金属の溶湯が成形体全体に良好に浸透して行
く。
維、ウイスカ若しくは粒子の形態をなす強化材と、金属
フッ化物の微細片とを含みこれらが実質的に均一に混合
された成形体、特定の金属以外の金属よりなり短繊
維、ウイスカ若しくは粒子の形態をなす強化材と、特定
の金属の微細片と、金属フッ化物の微細片とを含みこれ
らが実質的に均一に混合された成形体、又は特定の金
属以外の金属よりなり、短繊維、ウイスカ若しくは粒子
の形態をなし、特定の金属にて被覆された強化材と、金
属フッ化物の微細片とを含みこれらが実質的に均一に混
合された成形体が形成され、その成形体の少くとも一部
がマトリックス金属の溶湯と接触せしめられる。前記特
定の金属はマトリックス金属の溶湯に対する濡れ性に優
れているので、溶湯は特定の金属を伝って成形体中へ浸
透する。金属フッ化物はマトリックス金属の溶湯及び特
定の金属の酸化膜を除去して強化材に対する溶湯の濡れ
を改善する。またマトリックス金属の溶湯及び金属は互
いに反応することによって発熱し、その熱によって溶湯
及び強化材が加熱され、これにより溶湯の成形体中への
浸透性及び強化材の濡れ性が向上され、これによりマト
リックス金属の溶湯が成形体全体に良好に浸透して行
く。
従って本発明の方法によれば、マトリックス金属の溶
湯を加圧したり雰囲気を制御する必要がなく、そのため
マトリックス金属の溶湯を加圧したり雰囲気を制御する
ための大掛りな設備お必要ではなく、これによりマトリ
ックス金属が個々の強化材の間に良好に充填された複合
材料を従来の方法に比して遥かに効率よく且つ低廉に製
造することができる。
湯を加圧したり雰囲気を制御する必要がなく、そのため
マトリックス金属の溶湯を加圧したり雰囲気を制御する
ための大掛りな設備お必要ではなく、これによりマトリ
ックス金属が個々の強化材の間に良好に充填された複合
材料を従来の方法に比して遥かに効率よく且つ低廉に製
造することができる。
また本発明の方法によれば、上述の如くマトリックス
金属の溶湯が良好に成形体中へ浸透して行くので、成形
体を所定の形状及び寸法にて成形し、その一部をマトリ
ックス金属の溶湯に接触させれば、成形体全体にマトリ
ックス金属の溶湯が過不足なく迅速に浸透し、これによ
り実質的に所定の形状及び寸法の複合材料が形成され
る。従ってマトリックス金属の溶湯を加圧したり所定の
製品形状を郭定するための鋳型を要し、また鋳型内の複
合材料以外の部分にて多量のマトリックス金属が凝固す
ることが避けられない従来の溶湯鍛造法等に比して、非
常に高い歩留りにて実質的に所定の形状及び寸法の複合
材料を非常に能率よく且つ低廉に製造することができ
る。
金属の溶湯が良好に成形体中へ浸透して行くので、成形
体を所定の形状及び寸法にて成形し、その一部をマトリ
ックス金属の溶湯に接触させれば、成形体全体にマトリ
ックス金属の溶湯が過不足なく迅速に浸透し、これによ
り実質的に所定の形状及び寸法の複合材料が形成され
る。従ってマトリックス金属の溶湯を加圧したり所定の
製品形状を郭定するための鋳型を要し、また鋳型内の複
合材料以外の部分にて多量のマトリックス金属が凝固す
ることが避けられない従来の溶湯鍛造法等に比して、非
常に高い歩留りにて実質的に所定の形状及び寸法の複合
材料を非常に能率よく且つ低廉に製造することができ
る。
本発明の一つの詳細な上述の特許請求の範囲第2項又
は第3項の方法に於て、特定の金属は短繊維、ウイス
カ、粉末の如き微細片として使用され、従って特定の金
属以外の金属よりなる強化材と特定の金属の微細片と金
属フッ化物微細片とを混合することにより、或いは強化
材の表面に特定の金属の微細片及び金属フッ化物の微細
片を付着することにより、これらよりなる成形体が形成
される。
は第3項の方法に於て、特定の金属は短繊維、ウイス
カ、粉末の如き微細片として使用され、従って特定の金
属以外の金属よりなる強化材と特定の金属の微細片と金
属フッ化物微細片とを混合することにより、或いは強化
材の表面に特定の金属の微細片及び金属フッ化物の微細
片を付着することにより、これらよりなる成形体が形成
される。
本発明の他の一つの詳細な上述の特許請求の範囲第3
項の方法に於て、特定の金属は強化材の表面に被覆され
る。従ってこの場合には特定の金属にて被覆された強化
材と金属フッ化物とを混合することにより、或いは特定
の金属にて被覆された強化材の表面に金属フッ化物を付
着させることにより、これらよりなる成形体が形成され
る。
項の方法に於て、特定の金属は強化材の表面に被覆され
る。従ってこの場合には特定の金属にて被覆された強化
材と金属フッ化物とを混合することにより、或いは特定
の金属にて被覆された強化材の表面に金属フッ化物を付
着させることにより、これらよりなる成形体が形成され
る。
本発明の他の一つの詳細な上述の特許請求の範囲第3
項の方法に於て、強化材の表面に特定の金属が被覆さ
れ、その被覆層中に金属フッ化物の微細片が分散され、
かかる複合被覆層を有する強化材を用いて成形体が形成
される。
項の方法に於て、強化材の表面に特定の金属が被覆さ
れ、その被覆層中に金属フッ化物の微細片が分散され、
かかる複合被覆層を有する強化材を用いて成形体が形成
される。
本願発明者等が行った実験的研究の結果によれば、成
形体中に特定の金属及び金属フッ化物の微細片が含まれ
ていれば、マトリックス金属の溶湯の成形体中への浸透
性を向上させることができるが、強化材に対する特定の
金属の重量比が1%以上であり、強化材に対する金属フ
ッ化物の微細片の重量比が0.01%以上、特に0.03%以上
である場合にマトリックス金属の溶湯を成形体中へ良好
に浸透させることができる。従って本発明の一つの詳細
な特徴によれば、成形体中の特定の金属の量は強化材に
対する重量比で見て1%以上に設定され、成形体中の金
属フッ化物の微細片の量は強化材に対する重量比で見て
0.01%以上、好ましくは0.03%以上に設定される。
形体中に特定の金属及び金属フッ化物の微細片が含まれ
ていれば、マトリックス金属の溶湯の成形体中への浸透
性を向上させることができるが、強化材に対する特定の
金属の重量比が1%以上であり、強化材に対する金属フ
ッ化物の微細片の重量比が0.01%以上、特に0.03%以上
である場合にマトリックス金属の溶湯を成形体中へ良好
に浸透させることができる。従って本発明の一つの詳細
な特徴によれば、成形体中の特定の金属の量は強化材に
対する重量比で見て1%以上に設定され、成形体中の金
属フッ化物の微細片の量は強化材に対する重量比で見て
0.01%以上、好ましくは0.03%以上に設定される。
また本発明の方法に於ては、金属フッ化物は任意の金
属元素のフッ化物であってよいが、例えばK2ZrF6、K2Ti
F6、KAlF4、K3AlF6、K2AlF5・H2O、CsAlF4、CsAlF5・H2
Oの如く、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金
属の如き電気的に正の元素と結合したTi、Zr、Hf、V、
Nb、Taの如き遷移金属又はAlを含むフッ化物であること
が好ましい。従って本発明の他の一つの詳細な特徴によ
れば、金属フッ化物は電気的に正の金属元素と結合した
遷移金属はAlを含むフッ化物である。
属元素のフッ化物であってよいが、例えばK2ZrF6、K2Ti
F6、KAlF4、K3AlF6、K2AlF5・H2O、CsAlF4、CsAlF5・H2
Oの如く、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金
属の如き電気的に正の元素と結合したTi、Zr、Hf、V、
Nb、Taの如き遷移金属又はAlを含むフッ化物であること
が好ましい。従って本発明の他の一つの詳細な特徴によ
れば、金属フッ化物は電気的に正の金属元素と結合した
遷移金属はAlを含むフッ化物である。
また本発明の方法に於ては、特定の金属は上述の任意
の金属であってよいが、特にNi、Fe、Ti、Co、Cu、Si、
Zn、Sn、又はこれらを主成分とする合金であることが好
ましい。従って本発明の他の一つの詳細な特徴によれ
ば、金属はNi、Fe、Ti、Co、Cu、Si、Zn、Sn、及びこれ
らを主成分とする合金よりなる群より選択された金属で
ある。
の金属であってよいが、特にNi、Fe、Ti、Co、Cu、Si、
Zn、Sn、又はこれらを主成分とする合金であることが好
ましい。従って本発明の他の一つの詳細な特徴によれ
ば、金属はNi、Fe、Ti、Co、Cu、Si、Zn、Sn、及びこれ
らを主成分とする合金よりなる群より選択された金属で
ある。
また本願発明者等が行った実験的研究の結果によれ
ば、成形体中の強化材、特定の金属、及び金属フッ化物
の微細片の合計の体積率が低過ぎても逆に高過ぎてもマ
トリックス金属の溶湯を成形体中に良好に浸透させるこ
とが困難になる。従って本発明の更に他の一つの詳細な
特徴によれば、成形体中の強化材、特定の金属、及び金
属フッ化物の微細片の合計の体積率は4〜90%、好まし
くは5〜85%に設定される。
ば、成形体中の強化材、特定の金属、及び金属フッ化物
の微細片の合計の体積率が低過ぎても逆に高過ぎてもマ
トリックス金属の溶湯を成形体中に良好に浸透させるこ
とが困難になる。従って本発明の更に他の一つの詳細な
特徴によれば、成形体中の強化材、特定の金属、及び金
属フッ化物の微細片の合計の体積率は4〜90%、好まし
くは5〜85%に設定される。
また本願発明者等が行った実験的研究の結果によれ
ば、成形体中に含まれる特定の金属の体積率が高い値で
あってもその種類によってはマトリックス金属の溶湯を
成形体中に良好に浸透させることができるが、金属の量
が多くなればなる程強化材の体積率が相対的に低下し、
またマトリックス金属の組成が大きく変化することにな
る。従って本発明の更に他の一つの詳細な特徴によれ
ば、成形体中の特定の金属の体積率は85%以下、好まし
くは80%以下に設定される。
ば、成形体中に含まれる特定の金属の体積率が高い値で
あってもその種類によってはマトリックス金属の溶湯を
成形体中に良好に浸透させることができるが、金属の量
が多くなればなる程強化材の体積率が相対的に低下し、
またマトリックス金属の組成が大きく変化することにな
る。従って本発明の更に他の一つの詳細な特徴によれ
ば、成形体中の特定の金属の体積率は85%以下、好まし
くは80%以下に設定される。
また本発明の更に他の一つの詳細な特徴によれば、成
形体は特定の形状及び寸法を有し、その一部のみがマト
リックス金属の溶湯に浸漬される。かかる方法によれ
ば、マトリックス金属の溶湯を加圧したり所定の製品形
状を郭定するための鋳型等を使用することなく、所定の
形状及び寸法の複合材料を非常に高い歩留りにて能率よ
く且低廉に製造することができる。
形体は特定の形状及び寸法を有し、その一部のみがマト
リックス金属の溶湯に浸漬される。かかる方法によれ
ば、マトリックス金属の溶湯を加圧したり所定の製品形
状を郭定するための鋳型等を使用することなく、所定の
形状及び寸法の複合材料を非常に高い歩留りにて能率よ
く且低廉に製造することができる。
尚本発明の方法に於ては、成形体の予熱は不要である
が、マトリックス金属の溶湯に対する強化材等の濡れ性
を向上させるべく成形体を予熱する場合には、その温度
は従来より採用されている温度よりも低いことが好まし
い。また本発明に於ける金属フッ化物の微細片の形態は
短繊維、ウイスカ、粉末の如き任意の形態のものであっ
てよい。
が、マトリックス金属の溶湯に対する強化材等の濡れ性
を向上させるべく成形体を予熱する場合には、その温度
は従来より採用されている温度よりも低いことが好まし
い。また本発明に於ける金属フッ化物の微細片の形態は
短繊維、ウイスカ、粉末の如き任意の形態のものであっ
てよい。
また本願出願人により本願と同日付にて出願された特
願昭63−108173号明細書には金属以外の無機質の強化材
の成形体に金属及び金属フッ化物の微細片を混入する複
合材料の製造方法が、また特願昭63−108168号明細書に
は強化材の成形体に金属の微細片及び金属酸化物の微細
片を混入する複合材料の製造方法が開示されている。
願昭63−108173号明細書には金属以外の無機質の強化材
の成形体に金属及び金属フッ化物の微細片を混入する複
合材料の製造方法が、また特願昭63−108168号明細書に
は強化材の成形体に金属の微細片及び金属酸化物の微細
片を混入する複合材料の製造方法が開示されている。
以下に添付の図を参照しつつ、本発明を実施例につい
て詳細に説明する。
て詳細に説明する。
実施例1 平均繊維径30μm、平均繊維長1.5mmのNi繊維(2.7
g)と、平均粒径20μmのK2ZrF6粉末(0.0054g)とを混
合し、その混合物を金型を用いて約100kg/cm2の圧力に
て加圧することにより、第1図に示されている如く、10
×30×5mmの寸法を有する成形体10を形成した。尚この
成形体のNi繊維14の体積率は約20%であり、Ni繊維に対
するK2ZrF6粉末16の重量比は約0.2%であり、これらは
実質的に互いに均一に混合された状態にあった。
g)と、平均粒径20μmのK2ZrF6粉末(0.0054g)とを混
合し、その混合物を金型を用いて約100kg/cm2の圧力に
て加圧することにより、第1図に示されている如く、10
×30×5mmの寸法を有する成形体10を形成した。尚この
成形体のNi繊維14の体積率は約20%であり、Ni繊維に対
するK2ZrF6粉末16の重量比は約0.2%であり、これらは
実質的に互いに均一に混合された状態にあった。
次いで第2図に示されている如く、各成形体を予熱す
ることなくその下端より約1/3の部分を750℃の純Alの溶
湯18中に約10秒間浸漬し、しかる後成形体を溶湯より取
出し、そのままの状態で溶湯を凝固させた。この場合溶
湯はそれが凝固するまで表面張力により成形体に付着し
た状態を維持し、実質的に成形体より滴り落ちることは
なかった。
ることなくその下端より約1/3の部分を750℃の純Alの溶
湯18中に約10秒間浸漬し、しかる後成形体を溶湯より取
出し、そのままの状態で溶湯を凝固させた。この場合溶
湯はそれが凝固するまで表面張力により成形体に付着し
た状態を維持し、実質的に成形体より滴り落ちることは
なかった。
溶湯が完全に凝固し冷却した後、かくして得られた凝
固体の寸法を測定したところ、この凝固体は元の成形体
と実質的に同一の形状及び寸法を有していることが認め
られた。またこの凝固体を切断し、その断面を研磨して
光学顕微鏡にて観察したところ、成形体の溶湯に浸漬さ
れなかった部分を含む成形体全体にAlが過不足なく良好
に浸透しており、Ni繊維とAlとの密着状態も良好である
複合材料が形成されていることが確認された。
固体の寸法を測定したところ、この凝固体は元の成形体
と実質的に同一の形状及び寸法を有していることが認め
られた。またこの凝固体を切断し、その断面を研磨して
光学顕微鏡にて観察したところ、成形体の溶湯に浸漬さ
れなかった部分を含む成形体全体にAlが過不足なく良好
に浸透しており、Ni繊維とAlとの密着状態も良好である
複合材料が形成されていることが確認された。
また比較の目的で、K2ZrF6粉末が含まれていなかった
点を除きこの実施例に於て形成された成形体と同様の成
形体を形成し、その成形体を用いてこの実施例の場合と
同様の要領にて複合材料の製造を試みた。しかしその成
形体中には殆どAlの溶湯が浸透せず、実質的に複合材料
を製造することができなかった。
点を除きこの実施例に於て形成された成形体と同様の成
形体を形成し、その成形体を用いてこの実施例の場合と
同様の要領にて複合材料の製造を試みた。しかしその成
形体中には殆どAlの溶湯が浸透せず、実質的に複合材料
を製造することができなかった。
実施例2 平均繊維径30μm、平均繊維長2mmのNi繊維(2.7g)
と、平均粒径20μmのK2ZrF6粉末(0.003g)とを混合
し、その混合物を金型を用いて約100kg/cm2の圧力にて
加圧することにより、10×30×5mmの寸法を有する成形
体を形成した。尚この成形体のNi繊維の体積率は約20%
であり、Ni繊維に対するK2ZrF6粉末の重量比は約0.1%
であり、これらは実質的に互いに均一に混合された状態
にあった。
と、平均粒径20μmのK2ZrF6粉末(0.003g)とを混合
し、その混合物を金型を用いて約100kg/cm2の圧力にて
加圧することにより、10×30×5mmの寸法を有する成形
体を形成した。尚この成形体のNi繊維の体積率は約20%
であり、Ni繊維に対するK2ZrF6粉末の重量比は約0.1%
であり、これらは実質的に互いに均一に混合された状態
にあった。
次いで各成形体を予熱することなくその下端より約1/
3の部分を780℃の純Mgの溶湯中に約10秒間浸漬し、しか
る後成形体を溶湯より取出し、そのままの状態で溶湯を
凝固させた。この場合溶湯はそれが凝固するまで表面張
力により成形体に付着した状態を維持し、実質的に成形
体より滴り落ちることはなかった。
3の部分を780℃の純Mgの溶湯中に約10秒間浸漬し、しか
る後成形体を溶湯より取出し、そのままの状態で溶湯を
凝固させた。この場合溶湯はそれが凝固するまで表面張
力により成形体に付着した状態を維持し、実質的に成形
体より滴り落ちることはなかった。
溶湯が完全に凝固し冷却した後、かくして得られた凝
固体の寸法を測定したところ、この凝固体は元の成形体
と実質的に同一の形状及び寸法を有していることが認め
られた。またこの凝固体を切断し、その断面を研磨して
光学顕微鏡にて観察したところ、成形体の溶湯に浸漬さ
れなかった部分を含む成形体全体にMgが過不足なく良好
に浸透しており、Ni繊維とMgとの密着状態も良好である
複合材料が形成されていることが確認された。
固体の寸法を測定したところ、この凝固体は元の成形体
と実質的に同一の形状及び寸法を有していることが認め
られた。またこの凝固体を切断し、その断面を研磨して
光学顕微鏡にて観察したところ、成形体の溶湯に浸漬さ
れなかった部分を含む成形体全体にMgが過不足なく良好
に浸透しており、Ni繊維とMgとの密着状態も良好である
複合材料が形成されていることが確認された。
また比較の目的で、K2ZrF6粉末が含まれていなかった
点を除きこの実施例に於て形成された成形体と同様の成
形体を形成し、その成形体を用いてこの実施例の場合と
同様の要領にて複合材料の製造を試みた。しかしその成
形体中には殆どMgの溶湯が浸透せず、実質的に複合材料
を製造することはできなかった。
点を除きこの実施例に於て形成された成形体と同様の成
形体を形成し、その成形体を用いてこの実施例の場合と
同様の要領にて複合材料の製造を試みた。しかしその成
形体中には殆どMgの溶湯が浸透せず、実質的に複合材料
を製造することはできなかった。
実施例3 平均繊維径40μm、平均繊維長2mmのCr繊維(2.1g)
と、平均粒径100μmのSn粉末(0.5g)と、KAlF4粉末
(0.015g)とを湿式混合し、その混合物を金型を用いて
約120kg/cm2の圧力にて加圧することにより、10×30×5
mmの寸法を有する成形体を形成した。尚この成形体のCr
繊維の体積率は約5%、約20%であり、Cr繊維に対する
KAlF4粉末の重量比は約0.7%であり、これらは実質的に
互いに均一に混合された状態にあった。
と、平均粒径100μmのSn粉末(0.5g)と、KAlF4粉末
(0.015g)とを湿式混合し、その混合物を金型を用いて
約120kg/cm2の圧力にて加圧することにより、10×30×5
mmの寸法を有する成形体を形成した。尚この成形体のCr
繊維の体積率は約5%、約20%であり、Cr繊維に対する
KAlF4粉末の重量比は約0.7%であり、これらは実質的に
互いに均一に混合された状態にあった。
次いで成形体を予熱することなくその下端より約1/3
の部分を750℃の純Alの溶湯中に約10秒間浸漬し、しか
る後成形体を溶湯より取出し、そのままの状態で溶湯を
凝固させた。この場合溶湯はそれが凝固するまで表面張
力により成形体に付着した状態を維持し、実質的に成形
体より滴り落ちることはなかった。
の部分を750℃の純Alの溶湯中に約10秒間浸漬し、しか
る後成形体を溶湯より取出し、そのままの状態で溶湯を
凝固させた。この場合溶湯はそれが凝固するまで表面張
力により成形体に付着した状態を維持し、実質的に成形
体より滴り落ちることはなかった。
溶湯が完全に凝固し冷却した後、かくして得られた凝
固体の寸法を測定したところ、この凝固体は元の成形体
と実質的に同一の形状及び寸法を有していることが認め
られた。またこの凝固体を切断し、その断面を研磨して
光学顕微鏡にて観察したところ、成形体の溶湯に浸漬さ
れなかった部分を含む成形体全体にAlが過不足なく良好
に浸透しており、Cr繊維とAlとの密着状態も良好である
複合材料が形成されていることが確認された。
固体の寸法を測定したところ、この凝固体は元の成形体
と実質的に同一の形状及び寸法を有していることが認め
られた。またこの凝固体を切断し、その断面を研磨して
光学顕微鏡にて観察したところ、成形体の溶湯に浸漬さ
れなかった部分を含む成形体全体にAlが過不足なく良好
に浸透しており、Cr繊維とAlとの密着状態も良好である
複合材料が形成されていることが確認された。
また比較の目的で、KAlF4粉末が含まれていなかった
点を除きこの実施例に於て形成された成形体と同様の成
形体を形成し、その成形体を用いてこの実施例の場合と
同様の要領にて複合材料の製造を試みた。しかしその成
形体中には殆どAlの溶湯が浸透せず、実質的に複合材料
を製造することはできなかった。
点を除きこの実施例に於て形成された成形体と同様の成
形体を形成し、その成形体を用いてこの実施例の場合と
同様の要領にて複合材料の製造を試みた。しかしその成
形体中には殆どAlの溶湯が浸透せず、実質的に複合材料
を製造することはできなかった。
実施例4 平均繊維径30μm、平均繊維長1.5mmのTi繊維(5g)
と、平均粒径40μmのアルミニウム合金粉末(JIS規格A
C8A)(0.7g)と、平均粒径20μmのK2ZrF6粉末(1g)
とを混合し、その混合物を金型を用いて約120kg/cm2の
圧力にて加圧することにより、外径85mm、内径70mm、高
さ4mmのリング状の成形体を形成した。尚この成形体のT
i繊維及びアルミニウム合金粉末の体積率はそれぞれ約1
5%、約20%であり、Ti繊維に対するK2ZrF6粉末の重量
比は約14%であり、Ni繊維、アルミニウム合金粉末、及
びK2ZrF6粉末は実質的に互いに均一に混合された状態に
あった。
と、平均粒径40μmのアルミニウム合金粉末(JIS規格A
C8A)(0.7g)と、平均粒径20μmのK2ZrF6粉末(1g)
とを混合し、その混合物を金型を用いて約120kg/cm2の
圧力にて加圧することにより、外径85mm、内径70mm、高
さ4mmのリング状の成形体を形成した。尚この成形体のT
i繊維及びアルミニウム合金粉末の体積率はそれぞれ約1
5%、約20%であり、Ti繊維に対するK2ZrF6粉末の重量
比は約14%であり、Ni繊維、アルミニウム合金粉末、及
びK2ZrF6粉末は実質的に互いに均一に混合された状態に
あった。
次いで成形体を300℃に予熱し、しかる後第3図に示
されている如くピストンを重力鋳造するための金型22の
トップリング溝部に対応する位置に成形体20を配置し、
金型内に約730℃のアルミニウム合金(JIS規格AC8A)の
溶湯を注湯し、該溶湯を実質的に加圧することなく凝固
させ、これにより第4図に示されている如きピストン粗
材24を形成した。
されている如くピストンを重力鋳造するための金型22の
トップリング溝部に対応する位置に成形体20を配置し、
金型内に約730℃のアルミニウム合金(JIS規格AC8A)の
溶湯を注湯し、該溶湯を実質的に加圧することなく凝固
させ、これにより第4図に示されている如きピストン粗
材24を形成した。
次いでかくして形成されたピストン粗材を切断し、そ
の断面を研磨して光学顕微鏡にて観察した所、元の成形
体に対応する部分全体にアルミニウム合金が良好に浸透
しており、またかくして成形された複合材料の部分と他
のアルミニウム合金のみの部分との界面には空隙やアル
ミニウム合金の溶湯の酸化被膜の残存の如き欠陥は全く
認められなかった。
の断面を研磨して光学顕微鏡にて観察した所、元の成形
体に対応する部分全体にアルミニウム合金が良好に浸透
しており、またかくして成形された複合材料の部分と他
のアルミニウム合金のみの部分との界面には空隙やアル
ミニウム合金の溶湯の酸化被膜の残存の如き欠陥は全く
認められなかった。
実施例5 平均繊維径60μm、平均繊維長3mmのステンレス鋼(J
IS規格SUS304)繊維(170g)と、平均粒径40μmのNi粉
末(110g)とを混合し、その混合物を金型を用いて約12
0kg/cm2の圧力にて加圧することにより、第5図に示さ
れている如く、直径90mm、長さ40mmの寸法を有する円柱
状の成形体26を形成した。
IS規格SUS304)繊維(170g)と、平均粒径40μmのNi粉
末(110g)とを混合し、その混合物を金型を用いて約12
0kg/cm2の圧力にて加圧することにより、第5図に示さ
れている如く、直径90mm、長さ40mmの寸法を有する円柱
状の成形体26を形成した。
次いで第6図に示されている如く、成形体26を約90℃
のK2TiF6水溶液28中に浸漬し、しかる後その成形体を約
120℃の温度に加熱することによって乾燥し、これによ
りステンレス鋼繊維及びNi粉末の表面にK2TiF6を微細に
再結晶させた。尚かくして処理された成形体のステンレ
ス鋼繊維及びNi粉末の体積率はそれぞれ約8%、約5%
であり、ステンレス鋼繊維に対するK2TiF6粉末の重量比
は約0.8%であり、これらは実質的に互いに均一に混合
された状態にあった。
のK2TiF6水溶液28中に浸漬し、しかる後その成形体を約
120℃の温度に加熱することによって乾燥し、これによ
りステンレス鋼繊維及びNi粉末の表面にK2TiF6を微細に
再結晶させた。尚かくして処理された成形体のステンレ
ス鋼繊維及びNi粉末の体積率はそれぞれ約8%、約5%
であり、ステンレス鋼繊維に対するK2TiF6粉末の重量比
は約0.8%であり、これらは実質的に互いに均一に混合
された状態にあった。
次いで成形体を約350℃に予熱し、しかる後その成形
体を約800℃のマグネシウム合金(JIS規格MC2)の溶湯
中に約15秒間浸漬し、しかる後成形体を溶湯より取出
し、そのままの状態で溶湯を凝固させた。この場合溶湯
はそれが凝固するまで表面張力により成形体に付着した
状態を維持し、実質的に成形体より滴り落ちることはな
かった。
体を約800℃のマグネシウム合金(JIS規格MC2)の溶湯
中に約15秒間浸漬し、しかる後成形体を溶湯より取出
し、そのままの状態で溶湯を凝固させた。この場合溶湯
はそれが凝固するまで表面張力により成形体に付着した
状態を維持し、実質的に成形体より滴り落ちることはな
かった。
溶湯が完全に凝固し冷却した後、かくして得られた凝
固体の寸法を測定したところ、この凝固体は元の成形体
と実質的に同一の形状及び寸法を有していることが認め
られた。またこの凝固体を切断し、その断面を研磨して
光学顕微鏡にて観察したところ、成形体全体にマグネシ
ウム合金が過不足なく良好に浸透しており、ステンレス
鋼繊維及びNi粉末とマグネシウム合金との密着状態も良
好である複合材料が形成されていることが確認された。
固体の寸法を測定したところ、この凝固体は元の成形体
と実質的に同一の形状及び寸法を有していることが認め
られた。またこの凝固体を切断し、その断面を研磨して
光学顕微鏡にて観察したところ、成形体全体にマグネシ
ウム合金が過不足なく良好に浸透しており、ステンレス
鋼繊維及びNi粉末とマグネシウム合金との密着状態も良
好である複合材料が形成されていることが確認された。
また比較の目的で、K2TiF6粉末が含まれていなかった
点を除きこの実施例に於て形成された成形体と同様の成
形体を形成し、その成形体を用いてこの実施例の場合と
同様の要領にて複合材料の製造を試みた。しかしその成
形体中には殆どマグネシウム合金の溶湯が浸透せず、実
質的に複合材料を製造することはできなかった。
点を除きこの実施例に於て形成された成形体と同様の成
形体を形成し、その成形体を用いてこの実施例の場合と
同様の要領にて複合材料の製造を試みた。しかしその成
形体中には殆どマグネシウム合金の溶湯が浸透せず、実
質的に複合材料を製造することはできなかった。
実施例6 先ず平均繊維径100μmの、平均繊維長30mmのステン
レス鋼繊維のフェルトよりなり、幅300mm厚さ10mmのス
トラップを用意し、またCsAlF4粉末を水に添加すること
によりCsAlF4が懸濁されたスラリーを形成した。
レス鋼繊維のフェルトよりなり、幅300mm厚さ10mmのス
トラップを用意し、またCsAlF4粉末を水に添加すること
によりCsAlF4が懸濁されたスラリーを形成した。
次いでストラップをスラリーに連続的に通すことによ
り、各ステンレス鋼繊維の表面にCsAlF4の微粒を付着さ
せ、しかる後そのストラップを連続的に乾燥炉に通し、
これによりストラップを約120℃に加熱して水分を除去
し、更にストラップを予熱炉に通すことにより約200℃
に予熱した。更にストラップを約720℃のアルミニウム
合金の溶湯中に連続的に通し、これにより個々のステン
レス鋼繊維の間にアルミニウム合金の溶湯を浸透させ、
しかる後溶湯を凝固させることにより、ステンレス鋼繊
維にて複合強化されたアルミニウム合金よりなる板状の
プリフォームを形成し、そのプリフォームが高温状態に
ある間にそれを圧延し、これにより厚さ5mmの板状の複
合材料を製造した。
り、各ステンレス鋼繊維の表面にCsAlF4の微粒を付着さ
せ、しかる後そのストラップを連続的に乾燥炉に通し、
これによりストラップを約120℃に加熱して水分を除去
し、更にストラップを予熱炉に通すことにより約200℃
に予熱した。更にストラップを約720℃のアルミニウム
合金の溶湯中に連続的に通し、これにより個々のステン
レス鋼繊維の間にアルミニウム合金の溶湯を浸透させ、
しかる後溶湯を凝固させることにより、ステンレス鋼繊
維にて複合強化されたアルミニウム合金よりなる板状の
プリフォームを形成し、そのプリフォームが高温状態に
ある間にそれを圧延し、これにより厚さ5mmの板状の複
合材料を製造した。
次いでかくして製造された複合材料を切断し、その断
面を研摩して光学顕微鏡にて観察したところ、個々のス
テンレス鋼繊維の間にアルミニウム合金が良好に浸透し
ていることが認められた。尚この複合材料のステンレス
鋼繊維の体積率は約10%であった。
面を研摩して光学顕微鏡にて観察したところ、個々のス
テンレス鋼繊維の間にアルミニウム合金が良好に浸透し
ていることが認められた。尚この複合材料のステンレス
鋼繊維の体積率は約10%であった。
また比較の目的で、CsAlF4粉末が含まれていなかった
点を除きこの実施例に於て形成されたストラップと同様
のストラップを形成し、そのストラップを用いてこの実
施例の場合と同様の要領にて複合材料の製造を試みた。
しかしそのストラップ中には殆どアルミニウム合金の溶
湯が浸透せず、実質的に複合材料を製造することはでき
なかった。
点を除きこの実施例に於て形成されたストラップと同様
のストラップを形成し、そのストラップを用いてこの実
施例の場合と同様の要領にて複合材料の製造を試みた。
しかしそのストラップ中には殆どアルミニウム合金の溶
湯が浸透せず、実質的に複合材料を製造することはでき
なかった。
実施例7 Crめっき厚さ0.2μmにてCrめっきが施された平均繊
維径20μmのW連続繊維を長さ10cmに切断し、外径8m
m、内径6mm、長さ11cmのステンレス鋼製のパイプに一方
向に配向して充填した。この場合W繊維の繊維体積率は
約40%であった。次いでこの成形体をパイプ毎約90℃の
K2ZrF6飽和水溶液中に浸漬した後取出し、約150℃に加
熱することにより乾燥させた。これによりW繊維の表面
に均一にK2ZrF6の結晶を微細に析出させた。このK2ZrF6
の微細片のW繊維に対する重量比は0.03%であった。
維径20μmのW連続繊維を長さ10cmに切断し、外径8m
m、内径6mm、長さ11cmのステンレス鋼製のパイプに一方
向に配向して充填した。この場合W繊維の繊維体積率は
約40%であった。次いでこの成形体をパイプ毎約90℃の
K2ZrF6飽和水溶液中に浸漬した後取出し、約150℃に加
熱することにより乾燥させた。これによりW繊維の表面
に均一にK2ZrF6の結晶を微細に析出させた。このK2ZrF6
の微細片のW繊維に対する重量比は0.03%であった。
次いで上述の成形体を約700℃のAl合金(JIS規格AC7
B)の溶湯中に約1/2の長さまで約20秒間浸漬し、しかる
後成形体を溶湯より取出し、そのままの状態で溶湯を凝
固させた。この場合溶湯はそれが凝固するまで表面張力
により成形体に付着した状態を維持し、実質的に成形体
より滴り落ちることはなかった。
B)の溶湯中に約1/2の長さまで約20秒間浸漬し、しかる
後成形体を溶湯より取出し、そのままの状態で溶湯を凝
固させた。この場合溶湯はそれが凝固するまで表面張力
により成形体に付着した状態を維持し、実質的に成形体
より滴り落ちることはなかった。
溶湯が完全に凝固し冷却した後、かくして得られた凝
固体の寸法を測定したところ、この凝固体は元の成形体
と実質的に同一の形状及び寸法を有していることが認め
られた。またこの凝固体を切断し、その断面を研磨して
光学顕微鏡にて観察したところ、成形体の溶湯に浸漬さ
れなかった部分を含む成形体全体にAl合金が過不足なく
良好に浸透しており、W繊維とAl合金との密着状態も良
好である複合材料が形成されていることが確認された。
固体の寸法を測定したところ、この凝固体は元の成形体
と実質的に同一の形状及び寸法を有していることが認め
られた。またこの凝固体を切断し、その断面を研磨して
光学顕微鏡にて観察したところ、成形体の溶湯に浸漬さ
れなかった部分を含む成形体全体にAl合金が過不足なく
良好に浸透しており、W繊維とAl合金との密着状態も良
好である複合材料が形成されていることが確認された。
実施例8 平均繊維径10μmのKAlF4粉末が懸濁されたNiめっき
浴中に、平均繊維径15μm、平均繊維長2mmのMo繊維を
浸漬し、繊維の表面に厚さ10μmにてNiを無電解めっき
した。この場合Niめっき層中には体積率約5%にてKAlF
4粉末が分散されていた。
浴中に、平均繊維径15μm、平均繊維長2mmのMo繊維を
浸漬し、繊維の表面に厚さ10μmにてNiを無電解めっき
した。この場合Niめっき層中には体積率約5%にてKAlF
4粉末が分散されていた。
次いでかくしてめっきされたMo繊維に対し真空成形を
行うことにより、20×50×10mmの寸法を有する成形体を
形成した。尚この成形体のMo繊維及びNiの体積率はそれ
ぞれ約10%、約40%であり、Mo繊維に対するKAlF4粉末
の重量比は約6%であった。
行うことにより、20×50×10mmの寸法を有する成形体を
形成した。尚この成形体のMo繊維及びNiの体積率はそれ
ぞれ約10%、約40%であり、Mo繊維に対するKAlF4粉末
の重量比は約6%であった。
次いで各成形体を予熱することなく780℃の純Alの溶
湯中に約20秒間浸漬し、しかる後成形体を溶湯より取出
し、そのままの状態で溶湯を凝固させた。この場合溶湯
はそれが凝固するまで表面張力により成形体に付着した
状態を維持し、実質的に成形体より滴り落ちることはな
かった。
湯中に約20秒間浸漬し、しかる後成形体を溶湯より取出
し、そのままの状態で溶湯を凝固させた。この場合溶湯
はそれが凝固するまで表面張力により成形体に付着した
状態を維持し、実質的に成形体より滴り落ちることはな
かった。
溶湯が完全に凝固し冷却した後、かくして得られた凝
固体の寸法を測定したところ、この凝固体は元の成形体
と実質的に同一の形状及び寸法を有していることが認め
られた。またこの凝固体を切断し、その断面を研磨して
光学顕微鏡にて観察したところ、成形体全体にAlが過不
足なく良好に浸透しており、Mo繊維とAlとの密着状態も
良好である複合材料が形成されていることが確認され
た。
固体の寸法を測定したところ、この凝固体は元の成形体
と実質的に同一の形状及び寸法を有していることが認め
られた。またこの凝固体を切断し、その断面を研磨して
光学顕微鏡にて観察したところ、成形体全体にAlが過不
足なく良好に浸透しており、Mo繊維とAlとの密着状態も
良好である複合材料が形成されていることが確認され
た。
尚上述の実施例1〜3に於て、成形体全体をマトリッ
クス金属の溶湯中に浸漬した場合にも複合状態が良好な
複合材料を製造することができた。また上述の実施例4
〜8に於て成形体を予熱しない場合にも複合状態が良好
な複合材料を製造することができた。更に上述の実施例
1〜5及び実施例7、8の比較例の成形体を用いて良好
な複合材料を製造するためには、マトリックス金属の溶
湯を500〜1000kg/cm2の高い圧力に加圧することが必要
であることが認められた。
クス金属の溶湯中に浸漬した場合にも複合状態が良好な
複合材料を製造することができた。また上述の実施例4
〜8に於て成形体を予熱しない場合にも複合状態が良好
な複合材料を製造することができた。更に上述の実施例
1〜5及び実施例7、8の比較例の成形体を用いて良好
な複合材料を製造するためには、マトリックス金属の溶
湯を500〜1000kg/cm2の高い圧力に加圧することが必要
であることが認められた。
以上に於ては本発明を種々の実施例について詳細に説
明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施例が可能で
あることは当業者にとってあらかであろう。
明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施例が可能で
あることは当業者にとってあらかであろう。
第1図は特定の金属よりなる強化材としてのNi繊維とK2
ZrF6粉末とよりなる成形体を示す斜視図、第2図は第1
図に示された成形体がマトリックス金属の溶湯中に部分
的に浸漬された状態を示す解図、第3図及び第4図は本
発明の方法に従ってピストン粗材を製造する工程を示す
解図、第5図は特定の金属よりなる強化繊維としてのス
テンレス鋼繊維と特定の金属の微細片としてのNi粉末と
よりなる円柱状の成形体を示す斜視図、第6図は第5図
に示された成形体がK2TiF6水溶液中に浸漬された状態を
示す断面図である。 10…成形体,14…Ni繊維,16…K2ZrF6粉末,18…純Alの溶
湯,20…成形体,22…金型,24…ピストン粗材,26…成形
体,28…K2TiF6水溶液
ZrF6粉末とよりなる成形体を示す斜視図、第2図は第1
図に示された成形体がマトリックス金属の溶湯中に部分
的に浸漬された状態を示す解図、第3図及び第4図は本
発明の方法に従ってピストン粗材を製造する工程を示す
解図、第5図は特定の金属よりなる強化繊維としてのス
テンレス鋼繊維と特定の金属の微細片としてのNi粉末と
よりなる円柱状の成形体を示す斜視図、第6図は第5図
に示された成形体がK2TiF6水溶液中に浸漬された状態を
示す断面図である。 10…成形体,14…Ni繊維,16…K2ZrF6粉末,18…純Alの溶
湯,20…成形体,22…金型,24…ピストン粗材,26…成形
体,28…K2TiF6水溶液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森川 隆 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 田中 淳夫 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 久保 雅洋 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 額見 哲也 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 昭48−311(JP,A) 特開 昭49−42504(JP,A) 特開 昭61−210137(JP,A) 特表 昭59−500973(JP,A)
Claims (3)
- 【請求項1】Fe、Cr、Ni、Ti、Cu、Zn、Al、Mg、Sn、M
n、Co、Ag、Pb、Si、及びこれらの合金よりなる群より
選択された金属よりなり短繊維、ウイスカ若しくは粒子
の形態をなす強化材と、K2ZrF6、KAlF4、K2TiF6、CsAlF
4よりなる群より選択された金属フッ化物の微細片とを
含みこれらが実質的に均一に混合された成形体を形成
し、前記成形体の少くとも一部をAl、Mg、Al合金、及び
Mg合金よりなる群より選択されたマトリックス金属の溶
湯に接触させ、前記溶湯を実質的に加圧することなく前
記成形体中に浸透させる金属基複合材料の製造方法。 - 【請求項2】Fe、Cr、Ni、Ti、Cu、Zn、Al、Mg、Sn、M
n、Co、Ag、Pb、Si、及びこれらの合金よりなる群より
選択された金属の微細片と、前記微細片を構成する金属
意外の金属よりなり短繊維、ウイスカ若しくは粒子の形
態をなす強化材と、K2ZrF6、KAlF4、K2TiF6、CsAlF4よ
りなる群より選択された金属フッ化物の微細片とを含み
これらが実質的に均一に混合された成形体を形成し、前
記成形体の少くとも一部をAl、Mg、Al合金、及びMg合金
よりなる群より選択されたマトリックス金属の溶湯に接
触させ、前記溶湯を実質的に加圧することなく前記成形
体中に浸透させる金属基複合材料の製造方法。 - 【請求項3】Fe、Cr、Ni、Ti、Cu、Zn、Al、Mg、Sn、M
n、Co、Ag、Pb、Si、及びこれらの合金よりなる群より
選択された金属にて被覆された強化材であって、前記強
化材を被覆する金属以外の金属よりなり短繊維、ウイス
カ若しくは粒子の形態をなす強化材と、K2ZrF6、KAl
F4、K2TiF6、CsAlF4よりなる群より選択された金属フッ
化物の微細片とを含みこれらが実質的に均一に混合され
た成形体を形成し、前記成形体の少くとも一部をAl、M
g、Al合金、及びMg合金よりなる群より選択されたマト
リックス金属の溶湯に接触させ、前記溶湯を実質的に加
圧することなく前記成形体中に浸透させる金属基複合材
料の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63108172A JP2909545B2 (ja) | 1988-04-30 | 1988-04-30 | 金属基複合材料の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63108172A JP2909545B2 (ja) | 1988-04-30 | 1988-04-30 | 金属基複合材料の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01279720A JPH01279720A (ja) | 1989-11-10 |
JP2909545B2 true JP2909545B2 (ja) | 1999-06-23 |
Family
ID=14477812
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63108172A Expired - Fee Related JP2909545B2 (ja) | 1988-04-30 | 1988-04-30 | 金属基複合材料の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2909545B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH04297542A (ja) * | 1991-03-25 | 1992-10-21 | Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd | 耐腐食性及び加工性に優れた高靱性Mg基複合軽量合金及びその製造方法 |
DE19712624C2 (de) * | 1997-03-26 | 1999-11-04 | Vaw Motor Gmbh | Aluminiummatrix-Verbundwerkstoff und Verfahren zu seiner Herstellung |
JP3530792B2 (ja) | 1999-12-24 | 2004-05-24 | トーカロ株式会社 | 金属基複合材料およびその製造方法 |
US6599466B1 (en) | 2002-01-16 | 2003-07-29 | Adma Products, Inc. | Manufacture of lightweight metal matrix composites with controlled structure |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5133484B2 (ja) * | 1972-08-30 | 1976-09-20 | ||
JPS61210137A (ja) * | 1985-03-15 | 1986-09-18 | Toshiba Corp | 窒化ケイ素繊維強化金属の製造方法 |
-
1988
- 1988-04-30 JP JP63108172A patent/JP2909545B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01279720A (ja) | 1989-11-10 |
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |