JP2909055B1 - 精密多方向造波装置 - Google Patents

精密多方向造波装置

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JP2909055B1 JP6942498A JP6942498A JP2909055B1 JP 2909055 B1 JP2909055 B1 JP 2909055B1 JP 6942498 A JP6942498 A JP 6942498A JP 6942498 A JP6942498 A JP 6942498A JP 2909055 B1 JP2909055 B1 JP 2909055B1
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雅彦 磯部
晃 渡辺
史郎 加藤
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雅彦 磯部
晃 渡辺
興和精機株式会社
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  • Aerodynamic Tests, Hydrodynamic Tests, Wind Tunnels, And Water Tanks (AREA)
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Abstract

【要約】 【課題】 構造が複雑で装置全体として高価になるとい
う問題があった。 【解決手段】 帯状造波板と、前記帯状造波板を駆動す
る駆動装置と、前記帯状造波板の端部に連結され帯状造
波板にテンションをかける引張り装置とからなり、前記
駆動装置は前記帯状造波板を摺動自在に挿通する挟持体
とこの挟持体を往復動させる駆動機構からなることを特
徴とする。前記帯状造波板がステンレススチールベルト
であって、一端を固定し他端をモータを備えた引張り装
置によってテンションをかけるとともに、前記一対の挟
持体を平行な2本のローラによって形成することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、模型水理実験水
槽に用いられる造波装置に係り、造波板を連続の帯状と
した帯状造波板としたことにより、滑らかな曲線状に形
作ることができ実際の海域に則するように任意のあらゆ
る波を発生させることができる精密多方向造波装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】水槽内で人工的に波を起こして波による
影響等を実験するときに用いる水理実験用の装置として
は、水槽の幅方向に沿って狭幅の造波板を多数配設し、
これらの造波板に位相差を与えて往復動させることによ
って波を発生させるようにした多方向造波装置が使用さ
れている。前記造波板を連結する方法としては、隣接す
る造波板の側端部をスライド可能に重ね合わせて連結さ
せる構成のものと、伸縮する連結部によって造波板同士
を相互に連結させる構成のものとが提案されている。い
ずれにしてもこの種の造波装置としては、実際の海域に
則した任意の波を発生させることができるものでなけれ
ばならない。
【0003】前記造波板を連結する構成の造波装置に、
例えば特公平6−17847号公報に記載の造波装置が
ある。この造波装置は、水槽の幅方向に沿って配設した
造波板の両側端に幅方向へ伸縮する連結部を設けるとと
もに、この連結部端部に回転軸支部材を配設し、一方こ
れらの造波板と直交する方向に駆動機構の往復操作杆を
配置し、前記往復操作杆の端部と隣接する造波板の回転
軸支部材とを回動自在に接続したもので、各造波板を切
れ目のない群として駆動操作することにより発生波形状
の乱れを可及的に阻止しようとするものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記造
波装置は、造波板の両側端に幅方向へ伸縮する連結部を
設け、この連結部に配設した回転軸支部材を往復操作杆
の端部に回動自在に接続するものであるから、造波板全
体が折れ線構造となり、滑らかな曲線にならないという
問題がある。また、構造が複雑になるという問題があ
る。また、連結部表面にはゴムなどのシール材を貼着し
て隣接する連結部同士を密着させるようにするものの、
完全な連続面とすることは困難である。また、従来はい
ずれの造波装置においても狭幅の造波板を連結して配設
するものであるから、造波板の幅寸法を変更したり操作
杆の往復動の大きさを大きくするには造波板そのものを
取り替えなければならない。このために、所望の波を発
生させることができないばかりでなく、装置が複雑で高
価になるなどの問題がある。
【0005】
【発明の目的】この発明はかかる現況に鑑みてなされた
もので、造波板を連続の帯状とした帯状造波板としたこ
とにより、滑らかな曲線状を形作ることができ実際の海
域に則した任意の波を精密に発生させることができると
ともに、構造が極めて簡単で安価な精密多方向造波装置
を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は上記目的を達
成するために次のような構成とした。即ち、この発明に
係る精密多方向造波装置は、帯状造波板と、前記帯状造
波板を駆動する駆動装置と、前記帯状造波板の端部に連
結され帯状造波板にテンションをかける引張り装置とか
らなり、前記駆動装置は前記帯状造波板を摺動自在に挿
通する挟持体とこの挟持体を往復動させる駆動機構から
なることを特徴とする。前記帯状造波板がステンレスス
チールベルトであって、一端を固定し他端をモータを備
えた引張り装置によってテンションをかけるとともに、
前記一対の挟持体を平行な2本のローラによって形成す
ることができる。また、前記駆動装置は、サーボモータ
に連結したボールネジにボールナットを螺挿し、前記ボ
ールナットに帯状造波板を挿通する一対のローラを取り
付けた取付枠を固定し、前記ボールネジの回転によって
一対のローラを往復動させるようにしてもよい。これに
より、造波板全体が滑らかな曲線状となり、従来に比べ
て精密な多方向造波が可能となる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に、図示する実施形態につい
て詳細に説明する。この発明に係る造波装置は、波を発
生させる帯状の造波板1と、前記造波板1を往復動させ
る駆動装置2と、前記造波板1に一定のテンションをか
ける引張り装置4とからなる。前記造波板1は、従来の
ように複数の造波板を幅方向に連結したものではなく一
枚の連続した長尺の帯状体であって、一定の引張り強さ
と可撓性を有するものであれば布製、合成樹脂製、金属
製等のいずれでもよいが、耐久性に優れているステンレ
ススチールベルトであることが好ましい。
【0008】前記駆動装置2は、前記帯状造波板1を適
宜の間隔で往復動させるように多数配設されており、帯
状造波板1を挿通する一対の挟持体として押しローラ2
0と引きローラ20aからなる2本の平行なローラと、
前記一対の押しローラ20と引きローラ20aを固定し
て往復動させる駆動機構21によって構成されている。
平行なローラ20と引きローラ20aは、取付枠22に
下向きに固着され先端部が連結板23によって連結され
た軸24、24aにそれぞれ回転自在に軸支されてい
る。一対の押しローラ20と引きローラ20aの間隔は
前記帯状造波板1が挿通可能であればよく、前記軸2
4、24aを連結板23によって連結することによって
常に平行に一定の間隔を保持している。
【0009】前記駆動機構21は、サーボモータ25の
回転軸に自在継ぎ手26を介して先端部が軸受30に軸
支されたボールネジ27が連結されており、前記ボール
ネジ27には固定枠28を固定したボールナット29が
螺挿されている。前記固定枠28には前記取付枠22が
垂下されており、固定枠28の下面に設けられたスライ
ダー31がガイドレール32上を摺動することによって
一体に往復動するように構成されている。従って、サー
ボモータ25が作動してボールネジ27が回転するとボ
ールナット29が前後に往復動し、ボールナット29に
固定された固定枠28とともに平行な2本の押しローラ
20と引きローラ20aも一体に往復動することにな
る。
【0010】前記駆動装置2には、各駆動機構21の往
復動を制御する図示しない制御装置が接続されており、
さらに、前記制御装置には前記各駆動機構21の往復動
に位相差を与えるように予め定められた造波指令信号を
与える図示しない信号発生装置が接続されている。ま
た、図1に示すように、駆動装置2を配設する架台5に
は、帯状造波板1の背部に生じる波を防止する消波装置
6が設けられている。この消波装置6の構造は特に限定
されるものではなく、公知の構造を適宜選択することが
できる。
【0011】上記実施形態では平行な2本のローラを往
復動させる駆動機構21をボールネジ27を使用する構
成としたから、長ストロークにわたって固定枠28を往
復動させることができるとともに、任意のストロークを
選択することができる。尚、前記ボールネジ27には図
示しない平行に配設したガイドバーに係合する中間可動
軸受を摺動自在に装着してもよく、このように、中間可
動軸受を配設した場合にはボールネジ27の共振を発生
させることなく平行な2本のローラ20、20aを往復
動させることができる。
【0012】上記のように、帯状造波板1は挟持体であ
る平行な2本の押しローラ20と引きローラ20aの間
に挿通され一端を固定するとともに、他端は引張り装置
4に固定されている。前記引張り装置4は、常に帯状造
波板1に一定のテンションをかけているが、駆動機構2
1が作動して押しローラ20が前進したときに、押しロ
ーラ20の前進に合わせて帯状造波板1が引張り装置4
から引き出されるように構成されている。引張り装置4
は、図示する実施形態では、モータ40で巻き取る渦巻
きバネ41に帯状造波板1の端部を固定することによっ
て構成されており、常に帯状造波板1を一定のテンショ
ンをかけて引張っているとともに、テンション以上の引
き出し力が加えられたときには引き出される。
【0013】前記引張り装置4は、少なくとも帯状造波
板1の一端に配設されていればよく、図2に示すよう
に、帯状造波板1の両端に同一構成の巻き取り可能な引
張り装置4を配設する構成としてもよい。また、帯状造
波板1の両端に配設する引張り装置4は必ずしも巻き取
り可能な構成である必要はなく、両者の構成を変更して
もよい。図3及び図4は一方を巻き取り可能な引張り装
置とし、他方をテンション用装置により構成した場合を
示している。即ち、テンション用引張り装7は、帯状造
波板1を固定ローラ43、移動可能ローラ44に交互に
巻回して端部を固定し、移動可能ローラ44に取り付け
た引張り枠45にエアーシリンダ46のロッド47が固
定することによって構成されている。従って、エアーシ
リンダ46の駆動によって帯状造波板1のテンションを
調節することができる。
【0014】尚、上記実施形態では、駆動機構21をモ
ータ25によってボールナット29を螺挿したボールネ
ジ27を回転させ、ボールナット29の進退によって押
しローラ20と引きローラ20aを往復動させる構成と
したが、これに限定されないのは勿論である。例えば、
ワイヤーを往復動させる機構、油圧シリンダーによる機
構、その他の往復動可能な機構であってもよい。また、
引張り装置4もテンション以上の引張り力が加えられた
ときに帯状造波板1が引き出される装置であればよい。
さらに、テンション用引張り装置は、エアーシリンダ4
6に代えて油圧シリンダでもよく、また単にコイルバネ
等のバネ構造であってもよい。
【0015】また、上記実施形態では、帯状造波板1を
挿通する挟持体をローラによって構成したが、これに限
定されるものではなく単に棒状体や周面が湾曲した湾曲
板であってもよい。また、駆動装置2を水槽の一辺に沿
って均一なピッチで一列に配設したが、水槽の一側面に
限らず各側面の一部または全部に配設することができ
る。この発明では造波板を一枚の帯状造波板としたか
ら、駆動装置2は任意の方向に配設することができると
ともに、その台数は限定されない。
【0016】上記構成の造波装置を使用するときは、予
め定められた造波指令信号を制御装置に与え、制御装置
による制御の下に駆動装置21を駆動して押しローラ2
0及び引きローラ20aを往復動させると、帯状造波板
1はスネーク原理に基づいて位相差で往復動したりする
ことになり、所定の波を発生させることになる。
【0017】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
滑らかな曲線を描く帯状造波板を挟持体によって位相差
をもって往復動させるなどにより、実際海域に近い任意
の波を発生させることができ精度の高い水理実験の実施
が可能になる。また、帯状造波板は従来の造波板のよう
に連結する必要がないから、構造が極めて簡単で装置全
体を安価に製造することができる。また、各駆動装置を
配設するピッチも任意に選択することができる。この結
果、理想的な実験条件により精度の高い水理実験データ
が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の駆動装置を示す側面図である。
【図2】この発明に係る造波装置の説明用平面図であ
る。
【図3】同じく正面図である。
【図4】動作状態を説明する説明図である。
【符号の説明】
1 造波板 2 駆動装置 4 テンション装置 5 架台 6 消波装置 7 テンション用引張り装置 20 押しローラ 20a 引きローラ 21 駆動機構 22 取付枠 23 連結板 24、24a 軸 25 モータ 26 自在継ぎ手 27 ボールネジ 28 固定枠 29 ボールナット 30 軸受 31 スライダ 32 ガイドレール 40 モータ 41 渦巻きバネ 43 固定ローラ 44 移動可能ローラ 45 引張り枠 46 エアーシリンダ 47 ロッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 史郎 埼玉県岩槻市大字掛461 興和精機株式 会社内 (56)参考文献 特開 平10−160621(JP,A) 特開 平10−2833(JP,A) 特開 平9−28600(JP,A) 特公 平6−17847(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01M 10/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 帯状造波板と、前記帯状造波板を駆動す
    る駆動装置と、前記帯状造波板の端部に連結し帯状造波
    板にテンションをかける引張り装置とからなり、前記駆
    動装置は前記帯状造波板を摺動自在に挿通する挟持体と
    この挟持体を往復動させる駆動機構からなることを特徴
    とする精密多方向造波装置。
  2. 【請求項2】 前記帯状造波板がステンレススチールベ
    ルトであって、一端を固定し他端をモータを備えた引張
    り装置によってテンションをかけるとともに、前記一対
    の挟持体を平行な2本のローラによって形成したことに
    より造波板全体を滑らかな曲線状に形作ることを特徴と
    する請求項1記載の精密多方向造波装置。
  3. 【請求項3】 前記駆動装置は、サーボモータに連結し
    たボールネジにボールナットを螺挿し、前記ボールナッ
    トに帯状造波板を挿通する平行な2本のローラを取り付
    けた取付枠を固定し、前記ボールネジの回転によって一
    対のローラを往復動させることを特徴とする請求項1ま
    たは請求項2記載の精密多方向造波装置。
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