JP2908957B2 - 新規なクロマン化合物及びその用途 - Google Patents

新規なクロマン化合物及びその用途

Info

Publication number
JP2908957B2
JP2908957B2 JP5079155A JP7915593A JP2908957B2 JP 2908957 B2 JP2908957 B2 JP 2908957B2 JP 5079155 A JP5079155 A JP 5079155A JP 7915593 A JP7915593 A JP 7915593A JP 2908957 B2 JP2908957 B2 JP 2908957B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
day
compound
present
administration
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP5079155A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06271560A (ja
Inventor
一 藤村
隆弘 藪内
雅俊 林
正勝 野崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seisan Kaihatsu Kagaku Kenkyusho
Original Assignee
Seisan Kaihatsu Kagaku Kenkyusho
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seisan Kaihatsu Kagaku Kenkyusho filed Critical Seisan Kaihatsu Kagaku Kenkyusho
Priority to JP5079155A priority Critical patent/JP2908957B2/ja
Publication of JPH06271560A publication Critical patent/JPH06271560A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2908957B2 publication Critical patent/JP2908957B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Pyrane Compounds (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なクロマン化合物
である2−(2,2−ジメチル−8−フルオロクロマン
−6−イル)プロピオン酸並びにこれを有効成分として
含有する消炎解熱鎮痛剤に関する。
【0002】
【従来の技術】2−(2,2−ジメチルクロマン−6−
イル)カルボン酸類の合成及びこれら化合物の抗鎌状赤
血球剤に関する試験結果が報告されているが、これには
抗炎症作用,解熱作用,鎮痛作用に関する報告はなく、
また本発明の2−(2,2−ジメチル−8−フルオロク
ロマン−6−イル)プロピオン酸の合成に関する報告も
ない(ジャーナル オブ メディシナル ケミストリ
ー;1987年,30巻,1973〜1977頁)。
【0003】クロマン化合物の一種であるα−トコフェ
ロールは、ビタミンEとして生体内において種々の生理
作用に関与していることが知られ、循環器障害の治療な
どに用いられている。
【0004】また、消炎解熱鎮痛の目的で種々の化合物
が用いられており、これらはその目的においては優れた
作用を示すが、骨や軟骨の障害を抑制する作用は弱く、
対症療法的に用いられているにすぎない。
【0005】
【発明の解決しようとする課題】したがって、従来の消
炎解熱鎮痛剤よりも骨や軟骨の破壊をより強く抑制し、
根本的な治療を可能とする薬剤が要望されている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、より優れ
た消炎解熱鎮痛剤を開発するため、種々のクロマン化合
物についてその治療効果及び毒性等を検討した結果、優
れた抗炎症作用とともに解熱鎮痛作用を有し、かつ低毒
性で、また従来の酸性非ステロイド抗炎症剤とは異なる
新規な薬効と構造を有する本発明化合物を見出し、更に
研究を重ねて本発明を完成した。
【0007】本発明は次式(I)
【化3】 で表わされる2−(2,2−ジメチル−8−フルオロク
ロマン−6−イル)プロピオン酸及びその薬学的に許容
し得る塩並びにこれを有効成分として含有する消炎解熱
鎮痛剤に関する。
【0008】式(I)の化合物は、対応するベンゾピラ
ン化合物である2−(2,2−ジメチル−8−フルオロ
−1,2−ベンゾピラン−6−イル)プロピオン酸を還
元することによって製造することができる。
【0009】還元は接触還元によって行うのが好まし
く、例えば、2−(2,2−ジメチル−8−フルオロ−
1,2−ベンゾピラン−6−イル)プロピオン酸を酢酸
エチル,エタノール等の不活性溶媒に溶かし、パラジウ
ム・活性炭又は酸化白金等の触媒を加え、所要の水素を
吸収するまで水素化する。反応後、触媒を濾別し溶媒を
留去して、生成した(I)の化合物を常法手段によって
精製することができる。また、所望により本発明化合物
は、通常の方法で塩に変換することができる。
【0010】本発明の式(I)の化合物はdl体,d体
及びl体を包含する。本発明は、更に式(I)の化合物
の薬学的に許容し得る塩を包含し、これにはナトリウ
ム,カリウム等のアルカリ金属塩,カルシウム,マグネ
シウム等のアルカリ土類金属塩及びアンモニウム塩が挙
げられる。
【0011】本発明の化合物は、優れた抗炎症作用,解
熱鎮痛作用を有し、毒性も低い。従って、例えば腰痛
症,神経痛,歯痛,咽頭・喉頭炎,膀胱炎等の一般急性
炎症性疾患に有用な治療剤であるのみならず、更にリウ
マチ性関節炎(RA),変形性骨関節炎(OA)等の慢
性炎症性疾患の治療に用いて、その一般症状の改善(特
に体重の回復)や骨・軟骨の変性、壊死の抑制等に優れ
た効果を発揮する特長を有する。
【0012】本発明の化合物は、それ自体又は薬理学上
許され得る適宜の添加剤と混合して、錠剤,顆粒剤,カ
プセル剤などの形態で経口的に、又は軟膏剤,パップ
剤,リニメント剤,エアゾール剤,坐剤,注射剤などの
形態で非経口的に投与することができる。
【0013】経口剤は、例えば乳糖,コーンスターチ,
白糖,ブドウ糖,ソルビット,セルロース等の賦形剤,
ポリビニルピロリドン,メチルセルロース,ヒドロキシ
プロピルセルロース,アラビアゴム,ゼラチン等の結合
剤,カルボキシメチルセルロースカルシウム,乾燥デン
プン,結晶セルロース等の崩壊剤,タルク,ステアリン
酸マグネシウム,ポリエチレングリコール等の滑沢剤及
び着色剤,矯味剤などを用いて錠剤,顆粒剤、カプセル
剤又はトローチ剤の形態に調製できる。軟膏剤は、ワセ
リン,親水ワセリン,パラフィン,親水軟膏などを基剤
とし、パップ剤は、カオリン,ベントナイト,グリセリ
ンなどを使用し、リニメント剤は、脂肪油,グリセリ
ン,乳化剤を加えてそれぞれ調製できる。エアゾール剤
は、本発明化合物の溶液または懸濁液を液化ガス,圧縮
ガスにより、必要に応じて安定剤,乳化剤などの添加剤
の下にエアゾール容器内に充てんして製造できる。坐剤
は、本発明の化合物に油脂性基剤,水溶性基剤,又は必
要ならばこれに乳化剤を混合して調製できる。注射剤
は、例えば本発明の化合物のナトリウム塩を水溶液とし
て調製し、皮下,筋肉内,静脈内に投与することができ
る。
【0014】本発明化合物の投与量は患者の疾状,年
令,体重,投与ルートその他により異なるが、経口投与
の場合、通常成人に対して、1回50〜200mgを1
日2〜3回投与することができる。非経口投与(例えば
注射剤)の場合は、経口投与の5〜10分の1用量レベ
ルが望ましい。
【0015】
【実施例】以下、本発明の試験例及び実施例の形で、本
発明を更に説明する。試験例において、被験薬とは化合
物(I)を指す。 試験例1.カラゲニン足蹠浮腫抑制作用 体重130g前後の雄性ウィスター系ラットを1群10
匹とし、5%アラビアゴム溶液に懸濁して調製した被験
薬を経口投与後60分に右側後肢足蹠皮下へ1%カラゲ
ニン0.1mlを注射し、以後5時間にわたり経時的に
処置足の容積を測定した。カラゲニン処理前の容積に対
する増加率をもって浮腫率とした。
【0016】この結果を表1に示す。
【表1】
【0017】表1によれば、本発明化合物は10mg/
kg投与群において、1〜5時間目に無処置群と比較し
て有意な浮腫の抑制作用が認められる。
【0018】試験例2.紫外線紅斑抑制作用 試験前日に腹側部を脱毛した体重188〜319gの雄
性CrJ:Hartley系モルモットを使用した。モ
ルモットの体重を測定し、各群の体重の平均がほぼ均一
になるように群分けし、1群6匹を使用した。5%アラ
ビアゴム溶液に懸濁して調製した被験薬を経口投与し、
30分後に脱毛部位に3つの円孔(直径6mm)を有す
る遮光布で被い、紫外線照射装置(TK−151,ユニ
コム)を用い、紫外線を約20cmの距離から30秒間
照射した。紅斑強度は紫外線照射後、1,2,3,4及
び5時間目に肉眼的観察を行ない、紅斑の認められない
ものを0、明瞭な境界のない紅斑を1、明瞭な境界を有
する紅斑を2とし、3カ所の合計評点を求めた。
【0019】この結果を表2に示す。
【表2】
【0020】表2によれば、本発明化合物は40mg/
kg投与群において、1〜5時間目に無処置群と比較し
て有意な抑制作用が認められる。
【0021】試験例3.アジュバント関節炎抑制作用 体重205〜277gの雄性Kb1:ウィスター系ラッ
トを使用した。ラットの体重並びに両側後肢容積を足容
積測定装置(ユニコム)で測定し、エーテル麻酔下にて
左側後肢足蹠皮内に流動パラフィンに懸濁したMyco
bacterium butyricum(Difc
o)0.6mg/0.1ml/ラットで注射した(この
日を起炎1回目(0日)とする)。起炎15日目に、ラ
ットの体重、両側後肢容積を測定し、各群の右側後肢ア
ジュバント非処置足腫脹率と体重の平均がほぼ均一にな
るように群分けして使用した。被験薬は0.5%トラガ
ントゴム溶液に懸濁して調製し、投与容量は5ml/k
gとした。被験薬を群分け日(投与1日目)より1日1
回14日間連続して経口投与し、投与4,8,11及び
15日目に体重並びに両側後肢容積を測定した。投与1
6日目に、エーテル麻酔下で剖検し、骨の軟X線撮影を
行い、骨破壊のスコアリングをした。
【0022】1)体重変化
【0023】本発明化合物は10mg/kg投与群にお
いて、起炎対照群と比較して有意な体重増加が認められ
た。
【0024】2)浮腫抑制 a)非処置足 非処置足における浮腫の抑制作用を表4に示す。
【表4】 表4によれば、腫脹率で比較すると、本発明化合物の1
0mg/kg投与群は投与4日目から起炎対照群と比較
して有意な抑制作用を示す。
【0025】b)処置足 処置足における浮腫の抑制作用を表5に示す。
【表5】
【0026】表5によれば、腫脹率で比較すると、本発
明化合物の10mg/kg投与群は投与4日目から起炎
対照群と比較して有意な抑制作用を示す。
【0027】3)骨,軟骨障害抑制 骨の軟X線撮影写真をもとに、踵骨,足根骨,中足骨及
び脛骨につき各4点を最大変化として合計16点でスコ
アリングをした。 0:正常 1:軽度の関節及び骨破壊と軟骨の新生 2:中程度の関節及び骨破壊と軟骨の新生並びに軽度の
化骨化 3:強度の関節及び骨破壊と化骨化 4:著しい関節及び骨破壊と変形並びに強度の化骨化 非処置足の結果を表6に示す。
【表6】
【0028】表6によれば、本発明化合物の10mg/
kg投与群は起炎対照群と比較して有意な骨・軟骨の抑
制作用が認められる。
【0029】試験例4.コラーゲン関節炎抑制作用 ラットアジュバント関節炎と比較してよりヒト慢性関節
リウマチに近い病態モデルとされるラットコラーゲン関
節炎を用い、慢性炎症に対する効果について検討した。
【0030】5週齢のSD系雄性ラットを1週間予備飼
育した後実験に供した。ウシ由来タイプIIコラーゲンを
0.05M酢酸にて0.3%溶液とし、Bacto A
djuvant Incomplet Freund
(Difco)の等量を加え、コラーゲン濃度を400
μg/0.3mlとした懸濁液を調製した。エーテル軽
麻酔下、毛刈したラットの背部皮内に5箇所、更に右後
肢足蹠皮内に1箇所の計6箇所にそれぞれコラーゲン懸
濁液を0.05ml宛注射し、この注射日を0日とし
た。
【0031】次いで、7日目に200μg/0.3ml
としたコラーゲン懸濁液を、エーテル軽麻酔下、0.1
mlづつ尾根部皮内に2箇所と0.05mlづつ尾部皮
内に2箇所の計4箇所に追加注射した。注射足及び非注
射足の足容積は、経日的に測定した。被験薬は5%アラ
ビアゴム溶液に懸濁し、0.5ml/100gをコラー
ゲン注射日(0日)から20日目まで1日1回連日経口
投与した。14日目,20日目について両後肢の軟X線
撮影を行い、骨破壊のスコアリングをした。
【0032】1)体重変化 各群の平均体重変化を表7に示す。
【表7】 表7によれば、コラーゲン関節炎ラットでは、無処置正
常動物に比し体重の増加は悪く、特に7日目以降では顕
著に抑制されている。被験薬投与群では無処置動物群よ
り体重は低いものの順調に増加し、本発明化合物(25
mg/kg)投与が最も確実な効果を示し、次いで有効
なのはジクロフェナックナトリウム(1mg/kg)で
ある。インドメタシン(1mg/kg)投与の効果は弱
いものである。
【0033】2)浮腫抑制 a)非処置足 非処置足における浮腫の抑制作用を表8に示す。
【表8】
【0034】表8によれば、非処置足における浮腫は、
注射7日目より著明に出現する。この浮腫に対し、本発
明化合物(25mg/kg)はほぼ完全な抑制作用を示
す。一方、ジクロフェナックナトリウム(1mg/k
g)の抑制効果は比較的弱いが、インドメタシン(1m
g/kg)は比較的強い抑制作用を示す。
【0035】b)処置足 処置足における浮腫の抑制作用を表9に示す。
【表9】 表9によれば、経日的に進展する浮腫に対し、本発明化
合物(25mg/kg)は比較的強い抑制作用を示す。
これに対し、ジクロフェナックナトリウム(1mg/k
g)及びインドメタシン(1mg/kg)は12日目以
降の浮腫進展に確実な抑制効果を示すが、その効果は本
発明化合物より劣っている。
【0036】3)骨,軟骨障害抑制 骨の軟X線撮影写真をもとに、踵骨,足根骨,中足骨及
び脛骨につき、それぞれ0〜3点の計12点でスコアリ
ングした。
【0037】0:正常 1:軽度の関節及び骨の破壊と軟骨の新生 2:中等度の関節及び骨の破壊と軟骨の新生及び軽度の
化骨化 3:強度の関節及び骨の破壊と化骨化
【0038】非処置足及び処置足について統計した結果
を表10に示す。
【表10】
【0039】表10によれば、14日目における非処置
足のスコアは平均0.4点と骨破壊は軽微であるが、本
発明化合物(25mg/kg)及びジクロフェナックナ
トリウム(1mg/kg)の投与により、ほぼ完全に抑
制されている。それに対し、インドメタシン(1mg/
kg)の作用は弱い。
【0040】処置足のスコアは平均1.1点となる。本
発明化合物で骨破壊が強く抑制されており、その効果は
インドメタシンの場合と同等である。それに対し、ジク
ロフェナックナトリウムの作用は弱い。
【0041】20日目における非処置足のスコアは平均
9.1点と比較的強い骨破壊像を示すが、本発明化合物
に優れた効果が認められ(約90%抑制)、次いでジク
ロフェナックナトリウム、インドメタシンの順になる。
処置足のスコアは平均9.9点となる。本発明化合物は
比較的強い抑制を示し(約82%抑制)、ジクロフェナ
ックナトリウムとインドメタシンは約50〜60%の抑
制を示す。
【0042】5.鎮痛作用 1)Randall−selitto法 試験前日から給水下で絶食した体重94〜156gの雄
性ウィスター系ラットを使用した。体重を測定後、各々
の右後肢の疼痛閾値を圧刺激鎮痛効果測定装置(TK−
201,ユニコム)で測定し、各々の疼痛閾値の平均が
ほぼ均一になるように群分けし、1群9匹を使用した。
【0043】5%アラビアゴム溶液に懸濁して調製した
被験薬を経口投与し、1時間後に10%乾燥ビール酵母
・生理食塩水懸濁液を右後肢足蹠皮下に0.05ml注
射した。疼痛閾値はビール酵母処置後1時間間隔で4時
間目まで測定し、疼痛閾値の増化率をビール酵母処置前
の疼痛閾値から算出した。
【0044】この結果を表11に示す。
【表11】
【0045】表11によれば、本発明化合物は40mg
/kg投与群において、無処置群と比較して有意な疼痛
閾値の上昇が認められる。
【0046】2)酢酸 writhing法 試験前日から給水下で絶食した体重20〜26gの雄性
Crj:CD−1(ICR)系マウスを使用した。体重
を測定し、各群の体重のほぼ平均が均一になるように群
分けし、1群10匹を使用した。5%アラビアゴム溶液
に懸濁して調製した被験薬を経口投与し30分後に、
0.6%酢酸0.1ml/10gを腹腔内注射した。酢
酸注射後5分から20分までの15分間に生じたwri
thingの回数を測定した。無処置群のwrithi
ng数の1/2以下であった動物を鎮痛効果陽性と判定
した。
【0047】この結果を表12に示す。
【表12】
【0048】表12によれば、本発明の化合物は25m
g/kg投与群において、無処置群と比較して有意なw
rithing数の抑制作用が認められる。
【0049】6.解熱作用 体重168〜237gのウィスター系雄性ラット1群8
匹を使用した。直腸体温(正常体温)を複合モード温度
プリンタ(株式会社テクノ・セブン)を用いて測定し
た。0.5%トラガントゴムに懸濁した20%イースト
を15ml/kg皮下注射した。注射18時間後に直腸
体温を測定し、体温が1℃以上上昇したラットを選別
後、直腸体温差の平均がほぼ均一になるように群分けし
た。次に、5%アラビアゴム溶液に懸濁して調製した被
験液を経口投与し、以後1時間間隔で6時間目まで直腸
体温を測定し、体温の変化率をイースト投与前の値から
算出した。
【0050】結果を表13に示す。
【表13】
【0051】表13によれば、本発明化合物は、25m
g/kg投与群において、1〜6時間目に無処置群と比
較して有意な解熱作用が認められる。
【0052】7.急性毒性試験 体重20〜26gの雄性Crj:CD−1(ICR)系
マウスを1群8匹を使用した。18時間給水下で絶食さ
せた動物の体重の平均がほぼ均一になるように群分け
後、5%アラビアゴム溶液に懸濁して調製した被験薬を
経口投与し、投与後6時間目まで、更に投与翌日から1
日1回7日間観察し、その間の死亡動物数を求めた。こ
の結果を表14に示す。
【0053】
【表14】
【0054】この表から本発明化合物は、有効量に比べ
て高い安全性が確認される。
【0055】実施例1 2−(2,2−ジメチル−8−フルオロ−1,2−ベン
ゾピラン−6−イル)プロピオン酸10.7gを酢酸エ
チル200mlに溶かし、10%パラジウム・活性炭
(水分47.0%)2gを加え、室温常圧下で所要の水
素が吸収するまで水素化した後、触媒を濾別し濾液の溶
媒を留去した。得られた残留物をn−ヘキサンで再結晶
して、無色針状晶の2−(2,2−ジメチル−8−フル
オロクロマン−6−イル)プロピオン酸9.7g(収率
91.3%)を得た。融点115〜116℃
【0056】元素分析値(%);C14173 F 計算値 C;66.65,H;6.79,F;7.53 実測値 C;66.45,H;6.83,F;7.59
【0057】IR(KBr,cm-1):2979,29
39,2708,1712,1630,1591,14
99,1469,1445,1414,1385,13
71,1354,1338,1303,1256,12
39,1214,1159,1149,1121,10
81,1044,1018
【0058】NMR(CDCl3 ):δ=1.35(6
H,S),1.45(3H,d,J=7.2Hz),
1.79(2H,t,J=7.3Hz),2.76(2
H,t,J=6.7Hz),3.60(1H,q,J=
7.4Hz),6.87(2H,d,J=10.6H
z),11.39(1H,S)
【0059】実施例2 錠剤 以下の成分をとり、第十二改正日本薬局方製剤総則15
項に従い錠剤を製造した。 成人1回2〜3錠を1日3回服用できる。
【0060】実施例3 顆粒剤 以下の成分をとり、第十二改正日本薬局方製剤総則7項
に従い顆粒剤を製造した。 成人1回1包を1日3回服用できる。
【0061】実施例4 カプセル剤 以下の成分をとり、第十二改正日本薬局方製剤総則6項
に従いカプセル剤を製造した。 成人1回1カプセルを1日3回服用できる。
【0062】実施例5 トローチ剤 以下の成分をとり、第十二改正日本薬局方製剤総則21
項に従い、トローチ剤を製造した。 成人1回1個を1日3回口中に含みかまずにゆっくり溶
かす。
【0063】実施例6 軟膏剤 以下の成分をとり、第十二改正日本薬局方製剤総則22
項に従い軟膏剤を製造した。 1日数回適量を患部に塗擦又は塗布して使用できる。
【0064】実施例7 パップ剤 以下の成分をとり、第十二改正日本薬局方製剤総則23
項に従いパップ剤を製造した。 1日1〜2回患部に貼付して使用できる。
【0065】実施例8 リニメント剤 以下の成分をとり、第十二改正日本薬局方製剤総則25
項に従いリニメント剤を製造した。 1日数回患部に塗擦して使用できる。
【0066】実施例9 エアゾール剤 以下の成分をとり、第十二改正日本薬局方製剤総則2項
に従いエアゾール剤を製造した。 1日数回適量を患部にスプレーして使用できる。
【0067】実施例10 坐剤 以下の成分をとり、第十二改正日本薬局方製剤総則12
項に従い坐剤を製造した。 成分 1箇当たり(mg) 本発明化合物 20 硬化油 1980 ──────── 計2000mg 1日1〜2回肛門内に投与することができる。
【0068】実施例11 注射剤 以下の成分をとり、第十二改正日本薬局方製剤総則18
項に従い注射剤を製造した。 成分 1アンプル当たり(mg) 本発明化合物のナトリウム塩 10 塩化ナトリウム 適量 注射用水 適量 ─────── 全量 1ml 成人1回1mlを1日1〜2回静注する。
【0069】
【発明の効果】本発明によれば、従来の酸性非ステロイ
ド抗炎症剤と異なる新規な構造と薬効を有する化合物が
提供され、それは一般急性炎症性疾患のみならず、むし
ろリウマチ性関節炎,変形性骨関節炎等の慢性炎症性疾
患において、その一般症状の改善や骨・軟骨の変性,壊
死の抑制等に優れた効果を発揮する薬剤として用いられ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07D 311/00 - 311/96 REGISTRY(STN) CA(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次式(I) 【化1】 又は2−(2,2−ジメチル−8−フルオロクロマン−
    6−イル)プロピオン酸の化学名で表わされる新規なク
    ロマン化合物又はその薬学的に許容し得る塩。
  2. 【請求項2】 次式(I) 【化2】 又は2−(2,2−ジメチル−8−フルオロクロマン−
    6−イル)プロピオン酸の化学名で表わされるクロマン
    化合物又はその薬学的に許容し得る塩を有効成分として
    含有する消炎解熱鎮痛剤。
JP5079155A 1993-03-12 1993-03-12 新規なクロマン化合物及びその用途 Expired - Fee Related JP2908957B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5079155A JP2908957B2 (ja) 1993-03-12 1993-03-12 新規なクロマン化合物及びその用途

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5079155A JP2908957B2 (ja) 1993-03-12 1993-03-12 新規なクロマン化合物及びその用途

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06271560A JPH06271560A (ja) 1994-09-27
JP2908957B2 true JP2908957B2 (ja) 1999-06-23

Family

ID=13682079

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5079155A Expired - Fee Related JP2908957B2 (ja) 1993-03-12 1993-03-12 新規なクロマン化合物及びその用途

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2908957B2 (ja)

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5829782A (ja) * 1981-08-12 1983-02-22 Nippon Zoki Pharmaceut Co Ltd 新規複素環化合物、その製法及び該化合物を含有する医薬組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06271560A (ja) 1994-09-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2623495B1 (en) Positively charged water-soluble prodrugs of n-arylanthranilic acids with very fast skin penetration rate
EP2046727B1 (en) Positively charged water-soluble prodrugs of diclofenac with very fast skin penetration rate
KR950013452B1 (ko) 세포 및 조직 수복제
DE69737592T2 (de) Mittel gegen juckreiz
EP2049482B1 (en) Positively charged water-soluble prodrugs of aryl- and heteroarylacetic acids with very fast skin penetration rate
JPH07116027B2 (ja) 経皮投与用抗炎症鎮痛剤組成物
KR19990044182A (ko) 말초 활성 통각과민 치료용 아편제
CN109748881A (zh) 胱硫醚-γ-裂合酶(CSE)抑制剂
HUE033687T2 (en) Ibuprofen positively charged water soluble prodrugs with very fast skin penetration rates
WO2008012603A1 (en) Positively charged water-soluble prodrugs of diflunisal and related compounds with very fast skin penetration rate
CN105143174A (zh) 治疗帕金森疾病的新型高穿透力药物和医药组合物
DE19523502A1 (de) Kappa-Opiatagonisten für entzündliche Darmerkrankungen
WO2008012605A1 (en) Positively charged water-soluble prodrugs of ketoprofen and related compounds with very fast skin penetration rate
JP2908957B2 (ja) 新規なクロマン化合物及びその用途
US4814353A (en) Therapeutic and prophylactic agent for gastritis
AU2013206218B2 (en) Positively charged water-soluble prodrugs of aryl- and heteroarylpropionic acids with very fast skin penetration rate
EP0990441A1 (en) A drug for treating diabetic nephrosis
US20060135587A1 (en) Method and compounds for promoting healing and reducing inflammation
JP3358001B2 (ja) 新規クロマン誘導体及びその用途
JP7418502B2 (ja) 非常に速い皮膚及び膜浸透速度を有するnsaiaプロドラッグ及びその新規医薬使用
RU2742879C1 (ru) Фармацевтическая композиция для лечения псориаза
JP3083568B2 (ja) 抗リウマチ剤
JP6720257B2 (ja) 非常に速い皮膚及び膜浸透速度を有するnsaiaプロドラッグ及びその新規医薬使用
RU2118161C1 (ru) Противовоспалительное средство
JPS58501911A (ja) 類リュウマチ性関節炎治療薬

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19990302

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees