JP2907388B2 - 骨髄再生促進剤 - Google Patents

骨髄再生促進剤

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JP2907388B2 JP63254681A JP25468188A JP2907388B2 JP 2907388 B2 JP2907388 B2 JP 2907388B2 JP 63254681 A JP63254681 A JP 63254681A JP 25468188 A JP25468188 A JP 25468188A JP 2907388 B2 JP2907388 B2 JP 2907388B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子
化合物の新規用途、特に医薬用途に関するものである。
特に、細胞傷害性(cytotoxic)であるが幹細胞倹約性
(stem cell sparing)である薬剤および顆粒球マクロ
ファージコロニー刺激因子の連続使用用途に属してい
る。なお、本明細書において、薬剤に関連して使用され
た「幹細胞倹約性(stem cell sparing)」なる言葉
は、当該薬剤が細胞に対して毒性を有するが、幹細胞に
対しては致死的(lethal)ではないこと、すなわち幹細
胞に対して傷害を与えないが、幹細胞の成長を停止また
は遅らせるものであることをいう。
[従来技術] 顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(以後GM−CS
Fとする)は、公知であり、組換え体DNA法によるその製
造方法と共に、例えば欧州公開特許0188,479号(出願番
号85903275号)および各国の同等出願に記載されてい
る。
欧州特許188,478号の記載によると、GM−CSFは種々の
動物源から由来することが知られている。しかしなが
ら、この発明は特に、霊長類GM−CSFおよびさらに特に
ひとGM−CSFに関係している。
この発明のGM−CSFは、当業界公知の任意の方法によ
って製造することができる。例えば、上記欧州特許188,
479号の記載の通り、組換え体DNAの発現の結果として生
成し得る。別法として、天然源から分離するかまたは合
成で製造し得る。
GM−CSFは、成熟顆粒球およびマクロファージの形成
が予定された骨髄前駆細胞の生存、増殖および分化のた
めに必要とされる因子であることが知られている(CFU
−GMs)。従ってGM−CSFは、悪性腫瘍(がん)に対する
化学療法的または照射処置によって起こる骨髄抑制を処
置するのに使用されることが示唆されている。この場
合、骨髄で見られる骨髄前駆細胞の増殖および分化を刺
激するために、予め取り出した骨髄再注入(自己骨髄)
の後、上記環境下で、化学的または照射療法で処理した
患者にGM−CSFを投与する。また、3〜5日間GM−CSFを
投与してから後記再注入のための骨髄を取出し得る。
細胞傷害性であるが幹細胞倹約性である薬剤は、例え
ばシクロホスホアミド[N,N−ビス(2−クロロエチ
ル)テトラヒドロ−2H−1,3,2−オキサゾホスホリン−
2−アミン−2−オキシド]であり、アーノルドらによ
り最初に製造が報告された(ナツールビッセンシャフテ
ン(Naturwiss)45巻、(1957年)、64頁)公知化合物
である。他の適当な剤としては、ケーラー−ジュステン
らによって製造が報告された(ジャーナル・オブ・メジ
シナル・ケミストリー(J Med Chem)14巻、(1971年)
936頁)エトポシド(VP−16)を含む。
シクロホスホアミドのような細胞傷害剤の投与は、骨
髄細胞の増殖を停止する効果を有することが知られる。
しかしながら、正常に増殖を促進する細胞における細胞
傷害効果は、長く持続するので、そのため処置から回復
したときの骨髄増殖は迅速で制御されにくい。従って、
化学療法または放射線療法後に再注入するために骨髄を
取り出す14日前に、シクロホスホアミドのような、細胞
傷害であるが幹細胞倹約性である薬剤を用いて患者を処
置し、その結果、取り出した際に骨髄が活発に増殖して
いる状態にあるようにすることが提案された。
骨髄がこの活発に増殖している状態にある場合、多く
の前駆幹細胞が、末梢血液循環内に現れることを発見し
た。細胞傷害剤を用いた処置後の期間に、GM−CSFを用
いた処置によって、これらの循環幹細胞の分化を刺激し
得る。さらに細胞傷害剤/GM−CSF処置後、末梢血液を骨
髄と同時に取り出し、その後この血液またはこの血液か
ら得られた白血球を骨髄と共に再注入した場合、骨髄再
生は通常の場合に比べて顕著に速いことを発見した。
[図面の説明] 第1図 高用量のシクロホスホアミド(0日目に7g/m2)を投
与した後の14名の対照患者(□)およびGM−CSF(1日
目から10日目または14日目に8μg/kg/日)で処置を受
けた5名の患者(◆)における顆粒数(平均値)。
上図:直線目盛 下図:対数目盛 第2図 処置(シクロホスホアミド、0日目に7g/m2)の終わ
りから測定した14名の対照患者(□)およびGM−CSFで
処置を受けた5名の患者(◆)での好中球減少期間の分
布。曲線は、指示区間内に1000好中球以上(上図)およ
び2500好中球以上(下図)に達している患者の累積比率
を現している。
第3図 循環CFU−GM割合(上図)および血液濃度(下図)に
対するGM−CSF(◆)または偽薬注入(□)の効果。シ
クロホスホアミド(7g/m2)注入後、1日目から始めてG
M−CSFを10日間連続して注入した。
第4図 2名の患者における、骨髄除去処置を行い、その後骨
髄と末梢血液幹細胞の自己移植を行った際の顆粒球
(□)および血小板(◆)数。患者Aはメルファランの
みを受け(200mg/m2)、患者Bは全身照射(12.5Gy、3
日間に分割して)とメルファラン(160mg/m2)を受け
た。高用量のシクロホスホアミドおよびGM−CSF注入を
行った後、各患者に対して2回、循環幹細胞を採取した
(実施例参照)。
[発明の記載] この発明は、 a)高用量の細胞傷害性であるが幹細胞倹約性である薬
剤を投与し、 b)その後の期間GM−CSFを投与し、 c)骨髄が活発に増殖する状態にあり、先駆幹細胞が末
梢血液中に存在する時、骨髄および所定容量の末梢血液
またはそこから得られた白血球を取り出し、 d)化学療法および放射線療法による充分な骨髄除去
(myeloablative)法を行い、 e)その後直ぐに、骨髄および末梢血液、またはそれら
から得られた白血球を再注入し、さらに所望により、 f)それから骨髄再生が得られるまでの期間GM−CSFを
投与し続ける 段階から成る、自己骨髄移植による救済と共に、悪性腫
瘍に対する高用量の化学療法または放射線療法を必要と
する患者の処置方法を提供する。
ここで、細胞傷害性であるが、幹細胞倹約性である薬
(または生かしておく)とは骨髄造血幹細胞以外の細胞
を選択的に傷害する薬剤である。
この発明の好ましい実施態様では、細胞毒性をもつが
幹細胞を倹約性薬剤としてシクロホスホアミドを用い
る。
驚くべきことに、骨髄細胞に少量の循環幹細胞を補足
した場合、14日かそれ以上どころか平均10日後に化学的
または放射性治療後骨髄再生が起こることを発見した。
充分に解明されていないが、GM−CSFが末梢血液中の前
駆体細胞に作用すること、それらを刺激して分化させ、
細胞傷害であるが幹細胞を容赦する剤を用いて処置して
から12〜21日後に単分化能前駆体(CFU−GM´s)が極
度に高い量で存在することが信じられている。これらの
CFU−GM´sはインビトロの培養において、7〜10日後
に子孫の成熟を生じる。この細胞傷害剤/GM−CSF処置末
梢血液の再注入の結果顕著に迅速な再生期間を得た。
この発見は、末梢血液および骨髄移植後のGM−CSF注
入の用途も予見する。CFU−GM´sはGM−CSFの主要標的
であるので、上記移植後注入によって循環顆粒球発現の
促進を起こすことが予想される。注入CFU−GM´sに対
するGM−CSFの上記活性は、循環顆粒球が安全基準500/
μ1以下に落ちることを防ぐことが期待される。この結
果は、骨髄で見られる前駆体が主としてより長い熟成期
を有する早期前駆体であるため、骨髄のみを注入した後
に起こることは予想されない。
この発明によるGM−CSFの使用は、難治性の悪性腫
瘍、すなわち通常の腫瘍処置プログラムを終えた患者に
おいて、およびその結果腫瘍が除去されない患者におい
て、化学的または放射性治療後に特に好適である。固体
腫瘍、例えば胸部がん、リンパ腫、および白血病の治療
後に上記使用を行い得ることが予見される。
段階a)において、細胞傷害剤としてシクロホスホアミ
ドを用いる場合、シクロホスホアミドを4〜5回の注射
で1.4g/m2(最終用量6〜7g/m2)の用量を投与するのが
適当である。
段階b)において、継続静脈内注入として、6および24
μg/kg/日、好ましくは8μg/kg/日の範囲の用量で、10
から14日間GM−CSFを投与するのが適当である。注入法
として皮下経路は同様に適当であり得る。
段階c)において、連続流血液細胞分離機(IBM2997
等)を使用する白血球搬出法(leukapheresis)によっ
て末梢血液の白血球を取り出すのが好ましい。白血球が
1000/μlを越え、および血小板が100,000/μlを越え
た時点で循環幹細胞を回収するのが好ましい。シクロホ
スホアミドおよびGM−CSF注入を行った後、初期再生期
の間に総計2から4の白血球搬出法を行う(通常シクロ
ホスホアミド処理後14日目から21日目の間)。1工程あ
たりの生成総血液量は、流速35〜70ミリリットル/分で
約5〜10リットルである。
段階d)で行なわれる化学的または放射性治療は、任意
の標準または試験的治療法、例えばTBI12.5Gyとメルフ
ァラン160mg/m2であり得る。
3〜24時間後、骨髄と白血球を再注入する(段階
e)。段階f)で段階b)と同様の方法のGM−CSF処置
を用いるのが適当である。
この発明の別の目的においては、骨髄をとらないこ
と、および骨髄再生がシクロホスホアミド/GM−CSFで処
理した末梢血液由来の白血球の再注入によってのみ達成
される。
上記記述は、この発明を一般的に記載している。以下
の説明のみを目的とし、この発明の範囲を限定しないも
のとして提供される個別の実施例を参照すると、さらに
完全な理解が得られ得る。
[実施例] 実施例1 骨髄再生におけるシクロホスホアミドおよびGM−CSF
の効果を示すために、14名の対照および5名の試験患者
との比較を行った。平均年齢41.5歳(22〜55歳の範囲)
で、その内4名は高い度合で予後の悪い非ホジキン氏リ
ンパ腫を有し、7名は炎症性胸部がんを有し、3名は小
細胞性肺がんを有している、5名の男性および9名の女
性患者を対照として用い、平均年齢45歳(39〜53歳の範
囲)で、その内1名は高い度合の非ホジキン氏リンパ腫
を有し、4名は炎症性の胸部がんを有している、1名の
男性および4名の女性を試験患者として用いた。
19名の患者全部に、 a)0日目にシクロホスホアミド(7g/m2)、 b)21〜25日目にビンクリスチン(1.4mg/m2)、ロイコ
ボリン援助を加えたメソトレクセイト(8g/m2)、シス
プラチン(120mg/m2)、さらに、 c)42〜45日目にメルファラン(120〜180mg/m2)に加
えて全身照射(総量12.5Gy)または炎症性の胸部がん患
者に対してはメルファラン(200mg/m2)のみを 一連に投与することから成る、同一の高用量の化学的治
療プログラムを行った。
5名の試験患者については、シクロホスホアミド注入
の24時間後に開始して、3名の患者には14日間および2
名の患者には10日間8μg/kg/日で、中心カテーテルを
介した連続輸液としてGM−CSFを与えた。
メルファラン注入翌日に末梢血液と骨髄をもどした。
標準技術を用いて骨髄獲得および白血球搬出法を行
い、凍結制御技術を使用して液体窒素温度に幹細胞およ
び骨髄細胞を投入した。
血液標本を処置前、およびシクロホスホアミド注入後
2−3日毎に得た。CFU−GMを測定するための詳細な技
術はランフランコンら著、ジャーナル・オブ・セル・フ
ィジオロジー(J.CELL PHYSIOL)122巻、(1985年)7
頁に記載されている。
[高用量のシクロホスホアミドの血清学的毒性およびGM
−CSFの効果] 血清学的毒性の結果は第1図の通りで、(□)が対照
を示し、(◆)が試験療法を示す。
[対照] ひどい白血球減少(<500好中球/μl)が8日目ま
でに起こった。17〜24日(平均18日)で>1000/μlま
でに、さらに19〜28日(平均21.5日)で>2500/μlま
でに好中球が回復した。
[試験] 好中球数は、2〜3日間続く、開始レベルより高い明
白な初期上昇を示し、頂点は1−2日早かった。再生期
は、GM−CSF停止後3〜4日で徐々に解消される顕著な
白血球増加症(25,000白血球/μlまで)を伴ってい
た。11〜15日で>1000/μlまでに好中球の再生が達し
(平均13日)、さらに12〜19日で>2500/μlに達した
(平均14日)(第2図)。対照およびGM−CSF処置患者
の間の血小板またはヘモグロビン値における差異はなか
った。
[循環造血前駆細胞に対するシクロスルホアミドを用い
た治療後のGM−CSFの効果] ランフランコンらの上述文献の技術を使用して、平静
な状態での循環コロニー形成単位数量は、約40CFU−GM/
106単核細胞および40〜60CFU−GM/mlの末梢血液であ
る。シクロスルホアミド処置を行なうと、コロニー形成
単位の比率(CFU−GM/単核細胞)および絶対数(末梢血
液のCFU−GM/ml)の両方で約100倍高いピーク値が観察
された(第3図)。GM−CSF(シクロスルホアミドを与
えてから1日目から10日目まで8μg/kg/日)を加える
と、CFU−GMがそれぞれさらに3倍(ピーク濃度)およ
び5倍(ピーク濃度)まで上昇した。注目すべきこと
に、これらの高いピーク値は、対照およびGM−CSF処置
患者の両方において数日間保持された。したがって、健
常対象と比較した場合、幹細胞の膨張する数日間の末梢
血液内を循環するCFU−GMの総数(曲線の下側の領域)
はシクロスルホアミドとGM−CSFを与えた後では約30倍
高い。最適な長さのGM−CSF注入を行なうとさらに増加
が期待され得る。
実施例2 実施例1の2名の特定患者における造血再構成を第4
図に示した。
患者Aは、高用量メルファラン(200mg/m2)を受けた
後で2×108/kgの骨髄細胞および1.8×108/kgの循環単
核細胞の注入を行なった。6日目に、顆粒球数は、500
μl以下に落ち5日間だけこの域値以下に保った。血小
板数は30,000/μl以下に落ちることなく、輸血を必要
としなかった。補足されない血小板数は12日目に79,000
/μlまで増加し、14日目には120,000/μlまで増加し
た。
患者Bは、高度の非ホジキン氏リンパ腫を有してお
り、高用量処置の完了(12.5Gy分別全身照射および160m
g/m2のメルファラン(静脈内投与))後24時間で4.7×1
08/kgの骨髄細胞と8.8×108/kgの末梢血液単核細胞を受
けた。3日目に、顆粒球数は、500/μl以下に低下し
た。5日目から始まって、患者は、白色細胞数において
安定した増加を示し、8日目には>500好中球/μlに
達し、10日目には>1000/μlさらに12日目には10,000/
μl以上に達した。患者の血小板数は、9日目には1単
位の血小板輸血を必要とする20,000/μl以下に低下し
た。非補足血小板数は、それぞれ12日目に>50、000/μ
lまで上昇し、さらに13日目には>100、000/μlまで
に上昇した。
(1)a)高用量の細胞傷害性であるが幹細胞を容赦す
る剤を投与し、 b)その後の期間GM−CSFを投与し、 c)骨髄が活発に増殖する状態にあり、前駆幹細胞が末
梢血液中に存在する時、骨髄および所定容量の末梢血液
またはそこから得られた白血球を取り出し、 d)化学療法および放射線療法による充分な骨髄除去法
を行い、 e)その後直ぐに、骨髄および末梢血液、またはそれら
から得られた白血球を再注入し、さらに所望により、 f)それから骨髄再生が起るまでの期間GM−CSFを投与
し続ける 段階から成る、自己骨髄移植による救済と共に、悪性腫
瘍に対する高用量の化学療法または放射線療法を必要と
する患者の処置方法。
(2)細胞傷害性であるが幹細胞を容赦する剤の投与後
24時間に、段階b)のGM−CSFをする、請求項1記載の
方法。
(3)骨髄および所定量の末梢血液、またはそこから得
られた白血球の取出を、細胞傷害性であるが幹細胞を容
赦する剤の投与後12〜21日に行なう、請求項2記載の方
法。
(4)白血球が1000/μlを越え、血小板が100,000/μ
lを越えた際に骨髄および所定量の末梢血液、またはそ
こから得られた白血球の取出を行なう、請求項3記載の
方法。
(5)骨髄除去が全身照射とメルファランを包含する、
請求項1から4の何れか1項記載の方法。
(6)骨髄および末梢血液、またはそこから得られた白
血球の再注入を、化学療法または放射線療法後3〜24時
間に行なう、請求項5記載の方法。
(7)細胞傷害性であるが幹細胞を容赦する剤がシクロ
スルホアミドである、請求項1から6の何れか1項記載
の方法。
(8)6〜7g/m2の用量でシクロスルホアミドを投与す
る、請求項7記載の方法。
(9)継続注入としてGM−CSFを投与する、請求項1か
ら8の何れか1項記載の方法。
(10)GM−CSFの用量が6および24μg/kg/日の間の範囲
である、請求項9記載の方法。
(11)GM−CSFの用量が8μg/kg/日である、請求項10記
載の方法。
(12)a)高用量の細胞傷害性であるが幹細胞を容赦す
る剤を投与し、 b)その後の期間GM−CSFを投与し、 c)前駆幹細胞が末梢血液中に存在する時、所定量の末
梢血液またはそこから得られた白血球を取り出し、 d)化学療法および放射線療法による充分な骨髄除去法
を行い、 e)その後直ぐに、末梢血液、またはそれらから得られ
た白血球を再注入し、さらに所望により、 f)それから骨髄再生が得られるまでの期間GM−CSFを
投与し続ける 段階から成る白血球注入による救済と共に、悪性腫瘍に
対する高用量の化学療法または放射線療法を必要とする
患者の処置方法。
【図面の簡単な説明】
第1図は、高用量のシクロスルホアミド(0日目に7g/m
2)を投与した後の14名の対照患者(□)およびGM−CSF
(1日目から10日目または14日目に8μg/kg/日)で処
置を受けた5名の患者(◆)における顆粒数(平均値)
を示す図である。 Aは直線目盛、Bは対数目盛の図である。 第2図は、 処置(シクロスルホアミド、0日目に7g/m
2)の終わりから測定した14名の対照患者(□)およびG
M−CSFで処置を受けた5名の患者(◆)での好中球減少
期間の分布を示す図である。Aは、指示区間内に1000好
中球以上の患者の累積比率、Bは2500好中球以上に達し
ている患者の累積比率を現している。 第3図は、循環CFU−GM割合および血液濃度に対するGM
−CSF(◆)または偽薬注入(□)の効果を示す図であ
る。AはCFU−GM割合に対する効果、Bは血液濃度に対
する効果である。 第4図は、2名の患者における、骨髄除去処置を行い、
その後骨髄と末梢血液幹細胞の自己移植を行った際の顆
粒球(□)および血小板(◆)数を示す図である。Aは
メルファランのみを受けた患者、Bは照射とメルファラ
ンを受けた患者の場合を示す。 1.a)高用量の細胞傷害性であるが幹細胞倹約性である
薬剤を投与し、 b)その後の期間GM−CSFを投与し、 c)骨髄が活発に増殖する状態にあり、前駆幹細胞が末
梢血液中に存在する時、骨髄および所定容量の末梢血液
またはそれから得られた白血球を取り出し、 d)化学療法または放射線療法による充分な骨髄除去法
を行い、 e)その後直ぐに、骨髄および末梢血液、またはそれか
ら得られた白血球を再注入し、さらに所望により、 f)それから骨髄再生が起るまでの期間GM−CSFを投与
し続ける 段階を含むことを特徴とする、自己骨髄移植による救済
と共に、悪性腫瘍に対する高用量の化学療法または放射
線療法を必要とする患者の処置に用いるためのGM−CSF
を含む医薬組成物。 2.段階b)のGM−CSFの注入が細胞傷害性であるが幹細
胞倹約性である薬剤の投与後24時間に行われる、1記載
の組成物。 3.骨髄および所定量の末梢血液、またはそこから得られ
た白血球の取出が、細胞傷害性であるが幹細胞倹約性で
ある薬剤の投与後12〜21日に行なわれる、2記載の組成
物。 4.白血球が1000/μlを越え、血小板が100,000/μlを
越えた際に、骨髄および所定量の末梢血液、またはそこ
から得られた白血球の取出が行なわれる、3記載の組成
物。 5.骨髄除去法が全身照射とメルファランを包含する、1
から4の何れか1項記載の組成物。 6.骨髄および末梢血液、またはそこから得られた白血球
の再注入が、化学療法または放射線療法後3〜24時間に
行なわれる、5記載の組成物。 7.細胞傷害性であるが幹細胞倹約性である薬剤がシクロ
スルホアミドである、1から6の何れか1項記載の組成
物。 8.シクロスルホアミドが6〜7g/m2の用量で投与され
る、7記載の組成物。 9.GM−CSFが継続注入で投与される、1から8の何れか
1項記載の組成物。 10.GM−CSFの用量が6および24μg/kg/日の間の範囲で
ある、9記載の組成物。 11.GM−CSFの用量が8μg/kg/日である、10記載の組成
物。 12.a)高用量の細胞傷害性であるが幹細胞倹約性である
薬剤を投与し、 b)その後の期間GM−CSFを投与し、 c)前駆幹細胞が末梢血液中に存在する時、所定量の末
梢血液またはそれから得られた白血球を取り出し、 d)化学療法または放射線療法による充分な骨髄除去を
行い、 e)その後直ぐに、末梢血液、またはそれから得られた
白血球を再注入し、さらに所望により、 f)それから骨髄再生が起きるまでの期間GM−CSFを投
与し続ける 段階を含むことを特徴とする、白血球注入による救済と
共に、悪性腫瘍に対する高用量の化学療法または放射線
療法を必要とする患者の処置に用いるためのGM−CSFを
含む医薬組成物。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 アレッサンドロ・エム・ジアンニ イタリア国 20123 ミラノ、ムラトリ 29 カップ、ヴィア・ルドヴィコ (番地の表示なし) (56)参考文献 欧州公開183350(EP,A1) Blood,Vol.72,No.4 (1988)P.1310−1315 Biomed.Pharmacoth er.,Vol.42,No.7(1988) P.473−481 Journal of Surgic al Research,Vol.45 (1988)P.104−111

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】GM−CSFを必須成分として含むことを特徴
    とする、悪性腫瘍処置のための化学または放射線療法に
    付随して行われる自己骨髄移植において、当該療法の後
    で実施される骨髄と末梢血液(またはそれから得られた
    白血球)の再注入による骨髄再生を促進するために、当
    該骨髄と末梢血液の採取に先立って投与される、細胞傷
    害性、幹細胞倹約性薬剤による投与処置後に使用するた
    めの、骨髄再生促進用医薬組成物。
JP63254681A 1988-10-07 1988-10-07 骨髄再生促進剤 Expired - Lifetime JP2907388B2 (ja)

Priority Applications (2)

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Biomed.Pharmacother.,Vol.42,No.7(1988)P.473−481
Blood,Vol.72,No.4(1988)P.1310−1315
Journal of Surgical Research,Vol.45(1988)P.104−111

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