JP2905410B2 - セラミックダイヤフラムの製造方法およびそれに用いる治具 - Google Patents
セラミックダイヤフラムの製造方法およびそれに用いる治具Info
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Description
等として用いられるセラミックダイヤフラムの製造方法
およびそれに用いる治具に関するものである。
るセラミック基体を支持体として、その窓部を可撓性の
薄肉のセラミックダイヤフラム板にて覆蓋した構造のダ
イヤフラムが、各種センサの構成部材等として用いられ
ており、また近年では、圧電/電歪アクチュエータの構
成部材としても注目をあびている。例えば、センサ構成
部材として用いられている場合には、そのようなダイヤ
フラムのセラミックダイヤフラム板が測定すべき対象に
よって受ける屈曲変位を、適当な検出手段にて検出する
ように構成される。また、圧電/電歪アクチュエータの
構成部材として用いられる場合には、セラミックダイヤ
フラム板が圧電/電歪素子によって変形せしめられて、
セラミックダイヤフラムの内部に形成した加圧室に圧力
を生ぜしめるようにして用いられる。
製造方法として、本出願人は、特開昭63−29203
2号公報や特開平5−49270号公報において、焼成
後セラミック基体となるセラミックグリーン基体と、焼
成後セラミックダイヤフラム板となるセラミックグリー
ンシートとを一体焼成することで、セラミックダイヤフ
ラムを得る方法を開示している。しかしながら、上述し
た各公報で開示された一体焼成で得られたセラミックダ
イヤフラムでは、ダイヤフラム板の窓部に対応する部分
に電極等を印刷、焼成すると、その部分が凹状に変形し
たり、その部分にクラックが発生したりする問題があっ
た。
願平6−122733号において、焼成後のセラミック
ダイヤフラム板に電極等を印刷、焼成する場合、電極の
焼成収縮に相当する分、セラミックダイヤフラム板を窓
部とは反対方向となる外方に凸なる形状に突出させるこ
とにより、セラミックダイヤフラム板に電極焼成時に発
生する応力を内在させないようにしたセラミックダイヤ
フラムの製造方法を開示している。
22733号で開示された製造方法では、それ以前のも
のと比較して電極焼成時のセラミックダイヤフラム板の
凹状の変形やクラックの発生がなく、格段に信頼性の高
いセラミックダイヤフラムを得ることができる。しかし
ながら、上述した特願平6−122733号に開示され
た製造方法では、セラミックグリーン基体とセラミック
グリーンシートとを積層した積層体の焼成時に、その焼
結メカニズムで焼成後のセラミックダイヤフラム板の上
述した凸形状を得ているため、焼成途中の重力の影響や
基板の反りにより、焼成後のセラミックダイヤフラムの
セラミックダイヤフラム板が所望の凸形状とならず、極
端な場合は下を向いてしまうこともあり、安定な凸形状
が得られない問題があった。
セラミックダイヤフラム板の凸形成の歩留まりを飛躍的
に向上させることができるセラミックダイヤフラムの製
造方法およびそれに用いる治具を提供しようとするもの
である。
ヤフラムの製造方法は、少なくとも一つの窓部を有する
セラミックグリーン基体に対して、その窓部を覆蓋する
ように薄肉のセラミックグリーンシートを積層、焼成
し、少なくとも一つの窓部を有するセラミック基体と、
該窓部を覆蓋するように積層された薄肉のセラミックダ
イヤフラム板とからなり、セラミックダイヤフラム板に
電極焼成時に発生する圧力を内在させないために、前記
セラミックダイヤフラム板を前記窓部とは反対方向とな
る外方に凸なる形状に突出させたセラミックダイヤフラ
ムを得る製造方法において、前記セラミックグリーン基
体とセラミックグリーンシートとの積層体の前記窓部に
対応するセラミックグリーンシートを成形して、前記窓
部とは反対方向となる外方に凸なる形状に突出させた積
層体を得た後、得られた積層体を焼成することを特徴と
するものである。
製造方法に使用する治具は、多孔板と、この多孔板上に
設けた、前記セラミックグリーン基体の窓部に対応する
位置にキャビティを有するメタルマスクとから構成さ
れ、前記積層体をセットした状態で前記セラミックグリ
ーンシートの窓部に対応する部分を前記多孔板を介して
真空に引くことで、真空凸成形することができるよう構
成したことを特徴とするものである。
造方法では、焼成前の生の状態の積層体のセラミックグ
リーンシートに凸加工することで、凸形状の形成が必要
なすべての窓部に対応するセラミックグリーンシートに
同じ凸方向の方向づけができ、そのため、その後焼成す
ることでセラミックダイヤフラム板に安定な凸形状を得
ることができる。なお、セラミックグリーン基体とセラ
ミックグリーンシートとの厚みの関係で、焼成時に凸形
状の部分がさらに凸となる方向に変形するが、成形時に
同じ凸方向に方向づけられているため凸の部分が下に向
くようなことはない。また、その焼成時の凸の変形量は
予め予想できるため、凸成形を最終形状よりその分だけ
少なく行うことで、焼成後所定の凸形状を有するセラミ
ックダイヤフラムを得ることができる。
トへの凸形状の加工は、機械加工等どのような加工方法
をもとることができるが、実際の加工形状が極端に小さ
いため、真空引きによる真空凸成形を用いることが好ま
しい。この真空凸成形では、セラミックグリーン基体の
窓部に対応するセラミックグリーンシートの部分のみを
真空引きする必要がある。そのため、多孔板と、この多
孔板上に設けた、前記セラミックグリーン基体の窓部に
対応する位置にキャビティを有するメタルマスクとから
構成された治具を使用して、真空凸成形すると、特に窓
部が2個以上の場合の凸成形が簡単になり好ましい。
造方法の一例を示すフローチャートである。図1に従っ
て本発明のセラミックダイヤフラムの製造方法を説明す
ると、まず、焼成後セラミック基体となる少なくとも一
つの窓部を有するセラミックグリーン基体と、焼成後セ
ラミックダイヤフラム板となる薄肉のセラミックグリー
ンシートを準備する。セラミックグリーン基体とセラミ
ックグリーンシートの材料としては、従来から公知の各
種のセラミック材料を使用することができる。セラミッ
クグリーンシートとしては、安定化ジルコニア、部分安
定化ジルコニアまたはアルミナを主成分とする材料を使
用することが好ましい。また、セラミックグリーン基体
もセラミックグリーンシートと同様の材料で構成するこ
とが望ましいが、その他、ムライト、ガラスセラミック
ス、スピネル、コージェライト等も使用できる。また、
作製方法も、従来から公知のドクターブレード法、カレ
ンダー法、印刷法、リバースロールコーター法等の方法
を使用することができる。
窓部がセラミックグリーンシートで覆われるように、セ
ラミックグリーン基体とセラミックグリーンシートとを
積層して積層体を得る。積層は、両者の間に接着剤等を
設けることで行うことができる。次に、セラミックグリ
ーン基体の窓部に対応するセラミックグリーンシートの
部分に、凸部を成形する。この凸部は、凸形状の形成が
必要なすべての窓部に対応するセラミックグリーンシー
トに、同じ方向に凸方向が揃うように設けられる。この
凸部の形成には、後述する治具を使用した真空凸成形を
利用することが好ましい。また、凸部の高さは例えば4
00μm幅で4μm以上程度であり、焼成時のセラミッ
クグリーンシートの変形量を考慮し、焼成後所望の凸形
状となるように決められている。最後に、凸加工の終了
した積層体を焼成して、セラミック基体とセラミックダ
イヤフラム板とから構成されるセラミックダイヤフラム
を得ている。
得られたセラミックダイヤフラムの一例の構成を示す平
面図およびそのA−A線に沿った断面図である。図2お
よび図3に示す例において、セラミックダイヤフラム1
は、窓部2を有するセラミック基体3と、このセラミッ
ク基体3の窓部2を覆蓋するよう積層された薄肉のセラ
ミックダイヤフラム板4とから構成されている。そし
て、セラミック基体3の窓部2に対応するセラミックダ
イヤフラム板4に、凸部5を形成している。凸部5は、
セラミックダイヤフラム板4を窓部2とは反対方向とな
る外方に凸なる形状に突出させて形成されている。な
お、本例では、窓部2を矩形形状としているが、窓部2
の形状はこれに限定されるものではなく、セラミックダ
イヤフラム1の用途に応じて、円形、多角形、楕円形等
任意の形状をとることができる。
真空凸成形の様子を治具とともに示す図である。図4に
示す例において、治具11は、焼結金属等からなる多孔
板12と、この多孔板12上に設けたメタルマスク13
とから構成される。メタルマスク13には、位置決めし
てセラミックグリーン基体14とセラミックグリーンシ
ート15とからなる積層体16を支持した状態で、セラ
ミックグリーン基体14の窓部17に対応する位置にエ
ッチング等の方法でキャビティ18を設けている。ま
た、19はヒータ、20は位置決めピンである。
すように、位置決めピン20を使用して治具11上に位
置決めして積層体16をセットする。位置決めは、窓部
17とキャビティ18とが一致するよう行われる。この
状態でヒータ19により加熱する一方、図4(b)に示
すように、セラミックグリーンシート15の窓部17に
対応する部分を多孔板12を介して図示しない真空装置
により真空に引くことで、積層体16に対して真空凸成
形をすることができる。又、ダイヤフラムとなるセラミ
ックグリーンシート15が薄い場合は、ヒータ19によ
る加熱をせずに真空引きしても真空凸成形をすることが
できる。
によれば、焼成前の生の状態の積層体のセラミックグリ
ーンシートに凸加工しているため、凸形状の形成が必要
なすべての窓部に対応するセラミックグリーンシートに
同じ凸方向の方向づけができ、そのため、その後焼成す
ることでセラミックダイヤフラム板に安定な凸形状を得
ることができる。また、凸形成に真空凸成形を利用する
場合は、多孔板と、この多孔板上に設けた、セラミック
グリーン基体の窓部に対応する位置にキャビティを有す
るメタルマスクとから構成された治具を使用して、真空
凸成形すると、セラミックグリーン基体の窓部に対応す
るセラミックグリーンシートの部分のみを真空引きで
き、特に窓部が2個以上の場合の凸成形が簡単になる。
一例を示すフローチャートである。
イヤフラムの一例の構成を示す平面図である。
の様子を治具とともに示す図である。
ク基体、4 セラミックダイヤフラム板、5 凸部、1
1 治具、12 多孔板、13 メタルマスク、14
セラミックグリーン基体、15 セラミックグリーンシ
ート、16 積層体、17 窓部、18 キャビティ、
19 ヒータ、20 位置決めピン
Claims (3)
- 【請求項1】少なくとも一つの窓部を有するセラミック
グリーン基体に対して、その窓部を覆蓋するように薄肉
のセラミックグリーンシートを積層、焼成し、少なくと
も一つの窓部を有するセラミック基体と、該窓部を覆蓋
するように積層された薄肉のセラミックダイヤフラム板
とからなり、セラミックダイヤフラム板に電極焼成時に
発生する圧力を内在させないために、前記セラミックダ
イヤフラム板を前記窓部とは反対方向となる外方に凸な
る形状に突出させたセラミックダイヤフラムを得る製造
方法において、前記セラミックグリーン基体とセラミッ
クグリーンシートとの積層体の前記窓部に対応するセラ
ミックグリーンシートを成形して、前記窓部とは反対方
向となる外方に凸なる形状に突出させた積層体を得た
後、得られた積層体を焼成することを特徴とするセラミ
ックダイヤフラムの製造方法。 - 【請求項2】前記積層体に対する成形が真空凸成形であ
る請求項1記載のセラミックダイヤフラムの製造方法。 - 【請求項3】請求項2に記載のセラミックダイヤフラム
の製造方法に用いる治具であって、多孔板と、この多孔
板上に設けた、前記セラミックグリーン基体の窓部に対
応する位置にキャビティを有するメタルマスクとから構
成され、前記積層体をセットした状態で前記セラミック
グリーンシートの窓部に対応する部分を前記多孔板を介
して真空に引くことで、真空凸成形することができるよ
う構成したことを特徴とする治具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25208594A JP2905410B2 (ja) | 1994-10-18 | 1994-10-18 | セラミックダイヤフラムの製造方法およびそれに用いる治具 |
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08116588A JPH08116588A (ja) | 1996-05-07 |
JP2905410B2 true JP2905410B2 (ja) | 1999-06-14 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP25208594A Expired - Fee Related JP2905410B2 (ja) | 1994-10-18 | 1994-10-18 | セラミックダイヤフラムの製造方法およびそれに用いる治具 |
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Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4414809B2 (ja) | 2004-04-26 | 2010-02-10 | パイオニア株式会社 | 電気音響変換器用振動板の製造方法 |
-
1994
- 1994-10-18 JP JP25208594A patent/JP2905410B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH08116588A (ja) | 1996-05-07 |
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