JP2903195B2 - 部分放電測定方法 - Google Patents

部分放電測定方法

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JP2903195B2 JP36064292A JP36064292A JP2903195B2 JP 2903195 B2 JP2903195 B2 JP 2903195B2 JP 36064292 A JP36064292 A JP 36064292A JP 36064292 A JP36064292 A JP 36064292A JP 2903195 B2 JP2903195 B2 JP 2903195B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電力ケーブルの布設工
事完了時等において、ケーブルの接続部及び終端部にお
ける部分放電の有無を検出するための部分放電測定方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電力ケーブルの絶縁接続部で電気ケーブ
ルの線路各部の部分放電を検出する方法として、図2の
回路構成図に示すように信号処理回路により平衡状態を
達成し、その後に信号を差動的に検出して雑音を相殺す
る方法を本出願人は既に特願平4−286934号にお
いて提案している。
【0003】これは3相ケーブル1〜3のそれぞれの絶
縁接続部端末1a、1b、2a、2b、3a、3bに
は、箔電極4a、4b、5a、5b、6a、6bを貼り
付け、箔電極4a、4b、5a、5b、6a、6bの出
力には切換器7を接続する。そして、切換器7の出力に
は信号処理回路8を介して測定器9を接続する。
【0004】ここで、切換器7はケーブル1〜3の各相
のうち任意の2相の絶縁接続部端末の信号を選択し組み
合わせ、検出コイルと二次コイルがその双方の信号が互
いに相殺されるような極性に配置されており、信号処理
回路8は切換器7からの信号を差動的に検出する。
【0005】切換器7で選択された任意の2相のケーブ
ルにおいて、部分放電が発生している場合は、部分放電
信号は各箔電極及び信号処理回路8を介して測定器9で
検出される。その際に、線路の雑音は信号処理回路8内
の差動的な結線によって相殺され、測定器9では部分放
電信号のみが得られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上述の従
来例では、差動は信号処理回路だけで行っているので、
線路の状態に注意を払わないと、充分な雑音抑制が得ら
れないことがある。
【0007】本発明の目的は、この問題点を解消し、ケ
ーブル及び箔電極に混入する雑音を除去して部分放電信
号のみを検出する方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明に係る部分放電測定方法は、多相電力ケーブ
ルの絶縁接続部において、2相の電力ケーブルのそれぞ
れの絶縁接続部に電極を取り付け、これらの電極同士を
負荷を介して接続して、該負荷により得られる前記電極
からの信号を差動的に検出して、雑音を相殺することに
より前記絶縁接続部で部分放電を検出する部分放電測定
方法であって、前記絶縁接続部の両側において、前記多
相電力ケーブルの各相の遮蔽を等しく静電結合させるこ
とにより各相の雑音状態を同等とし、前記絶縁接続部で
部分放電を検出することを特徴とする。
【0009】
【作用】上述の構成を有する部分放電測定方法は、遮蔽
を電気的に束ねて、雑音の状態を同等にした2相の電力
ケーブルからの信号を差動的に結線することにより、雑
音を除去して部分放電信号のみを抽出する。
【0010】
【実施例】本発明を図1に図示の実施例に基づいて詳細
に説明する。図1は本発明に係る方法を実施するための
回路構成図である。3相ケーブル11〜13のそれぞれ
の絶縁接続部端末11a、11b、12a、12b、1
3a、13bには、箔電極14a、14b、15a、1
5b、16a、16bを貼り付け、箔電極14a、14
b、15a、15b、16a、16bの出力は切換器1
7に接続する。切換器17の出力は信号処理回路18を
介して測定器19に接続する。また、絶縁接続部の左右
の距離L1以遠の遮蔽部には、金属テープ等の媒介アンテ
ナ20を長さL2に渡って巻き付ける。なお、測定点以外
の絶縁接続部端末21、22、23においては、それぞ
れ箔電極(24a、24b)、(25a、25b)、
(26a、26b)間を短絡し、線路を電気的に対称に
している。
【0011】このように構成することにより、ケーブル
11〜13の個所で部分放電が発生したとしても、コン
デンサと見做せる箔電極14a、14b、15a、15
b、16a、16b及び切換器17、信号処理回路18
を介して、部分放電信号は測定器19によって検出され
ることになる。ここで、絶縁接続部から等距離L1に設け
た媒介アンテナ20によって、各ケーブル11〜13の
距離L1以内の遮蔽には雑音が同じ状態で混入しており、
これらの雑音は信号処理回路18内の差動的な結線によ
り容易に相殺されるため、測定器19では絶縁接続部近
傍の放電による信号のみが得られることになる。
【0012】ここで、媒介アンテナ20は遮蔽と大地間
の雑音を3相で静電結合により同等にするものであり、
媒介アンテナ20によってケーブル11〜13の内部導
体と遮蔽の間を伝わる部分放電信号は影響を受けること
はない。また、測定点付近でのみ雑音が同等であればよ
いので、線路全長に媒介アンテナ20を巻き付ける必要
はない。
【0013】媒介アンテナ20は各絶縁接続部端末11
a、11b、12a、12b、13a、13bから見
て、媒介アンテナ20以遠からの雑音を3相で同等にす
ることが目的である。ここで、媒介アンテナ20が絶縁
接続部端末11a、11b、12a、12b、13a、
13bに近過ぎる場合は、箔電極14a、14b、15
a、15b、16a、16bで検出した信号も媒介アン
テナ20によって同等になってしまい信号処理回路18
内の差動的な結線により部分放電信号は検出されなくな
る。従って、箔電極14a、14b、15a、15b、
16a、16bの信号が媒介アンテナ20により結合し
ないように距離L1を定める必要がある。これは信号処理
回路18及び測定器19で測定する周波数との関連で決
定すべき数値であり、実際には数m程度となる。
【0014】また、媒介アンテナ20による静電結合は
雑音を各相の遮蔽に等しく結合させるもので、この静電
容量はシース絶縁による静電容量である。そのため、信
号処理回路18及び測定器19での測定周波数で3相が
同等になるように媒介アンテナ20を巻き付ける長さL2
を決定する必要がある。実際に、媒介アンテナ20を巻
き付ける長さL2は約10m程度となる。
【0015】媒介アンテナ20の材質は電極になり得る
ものであれば良く、金属テ−プ、箔などが使用され、特
に表面が絶縁されたものでなくともよい。
【0016】なお上述の実施例において、切換器17で
選択した任意の2相の何れのケーブル11〜13で部分
放電が発生しているかの判別は直ちには困難であるが、
切換器17を切換えることによって、順次に各ケーブル
11〜13間の信号を測定することにより、何れのケー
ブル11〜13に部分放電があるかを検出することが可
能である。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る部分放
電測定方法は、多相ケーブルの各相の遮蔽中の雑音を同
等にした上で差動結線により遮蔽中の雑音を除去するの
で、部分放電信号を高感度に測定することが可能とな
る。また、線路に部分加工を施すだけでよく、特別な部
品等も不要なため、容易に部分放電の高感度測定を実現
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するための回路構成図である。
【図2】従来例の回路構成図である。
【符号の説明】
11、12、13 ケーブル 11a、11b、12a、12b、13a、13b、2
1、22、23 絶縁接続部端末 14a、14b、15a、15b、16a、16b、2
4a、24b、25a、25b、26a、26b 箔電
極 17 切換器 18 信号処理回路 19 測定器 20 媒介アンテナ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多相電力ケーブルの絶縁接続部におい
    て、2相の電力ケーブルのそれぞれの絶縁接続部に電極
    を取り付け、これらの電極同士を負荷を介して接続し
    て、該負荷により得られる前記電極からの信号を差動的
    に検出して、雑音を相殺することにより前記絶縁接続部
    で部分放電を検出する部分放電測定方法であって、前記
    絶縁接続部の両側において、前記多相電力ケーブルの各
    相の遮蔽を等しく静電結合させることにより各相の雑音
    状態を同等とし、前記絶縁接続部で部分放電を検出する
    ことを特徴とする部分放電測定方法。
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JP6925076B1 (ja) * 2020-12-18 2021-08-25 センスネットシステム株式会社 検知装置

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