JP2902738B2 - 接着剤 - Google Patents

接着剤

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JP2902738B2
JP2902738B2 JP15525290A JP15525290A JP2902738B2 JP 2902738 B2 JP2902738 B2 JP 2902738B2 JP 15525290 A JP15525290 A JP 15525290A JP 15525290 A JP15525290 A JP 15525290A JP 2902738 B2 JP2902738 B2 JP 2902738B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はポリプロピレンと極性物質の新規な接着剤に
関する。
〔従来の技術〕
食品、医薬品などの包装材料として、水蒸気透過率と
酸素透過率が共に低い樹脂が求められている。
水蒸気透過率が低い樹脂としては、ポリエチレン、ポ
リプロピレンなどの極性基を持たない樹脂が優れてい
る。ところが、極性基を持たない樹脂では酸素透過率が
高く内容物が変質し易いという問題がある。
一方、酸素透過率が低い樹脂としては、エチレン−ビ
ニルアルコール共重合体などの極性基を有する樹脂が優
れている。しかし、極性基を有する樹脂は、水蒸気透過
率が高いという問題がある。
そのため、このような用途にはポリオレフィンとエチ
レン−ビニルアルコール共重合体などの酸素透過性の低
い樹脂とを積層した積層物として利用されている。中で
も、ポリプロピレンとエチレン−ビニルアルコール共重
合体とを積層した積層物は、水蒸気透過率、酸素透過率
が低いだけでなく、透明性および剛性にも優れており、
食品、医薬品などの包装材料、容器として最も好ましい
とされている。
ところで、ポリプロピレンはエチレン−ビニルアルコ
ール共重合体のような極性基を有する樹脂とは親和性に
乏しく、通常の成形方法では接着できない。そこで、ポ
リプロピレンとエチレン−ビニルアルコール共重合体と
の接着には接着剤として不飽和カルボン酸もしくはその
誘導体をグラフトした変性ポリプロピレンを用いること
が試みられている(例えば、特開昭49−39678号公報、
特開昭49−09546号公報など)。
しかしこれらの方法ではポリプロピレンとエチレン−
ビニルアルコール共重合体等との接着強度が不充分なの
で、接着強度を高める手段として、不飽和カルボン酸も
しくはその誘導体をグラフトした変性ポリプロピレンに
低密度ポリエチレンを加える方法(例えば、米国特許4,
058,647号)、中低圧法により重合されたエチレン系重
合体を加える方法(例えば、特開昭59−36586号)等が
提案されている。
しかし、これらの改良された方法でも接着層が薄くな
る場合、例えば、積層シートを圧空成形或いは真空成形
した場合や多層ブロー成形した場合に生じる接着層が薄
くなる部分では接着強度が不足していた。接着層が薄い
部分でも十分な接着強度がないと包装材料として利用し
ても、部分的に接着強度が低いところに剥離を生じ、そ
の結果、酸素の透過量が多くなり内容物が変質する恐れ
がある。
また、接着層が薄くなる部分で接着強度が低下するこ
とを防止するため一部または全部が不飽和カルボン酸も
しくはその誘導体でグラフトされた変性ポリプロピレン
にさらに炭化水素系合成エラストマーを3〜20重量%を
加える方法が提案されている(例えば、米国特許4,198,
327号など)。
しかし、最近、食品を食べる直前に湯を加えたり、水
を加え電子レンジで加熱し調理すればよい食品の包装材
料にもポリプロピレンとナイロンやエチレン−ビニルア
ルコール共重合体等の多層容器が利用される様になり、
接着層に多層のエラストマー成分が含まれると加熱の際
にエラストマー成分が軟化し接着強さが低下したり、接
着層の成分が内容物の食品に溶出したりする恐れがあり
耐熱性の高い接着剤が求められる様になってきた。
〔発明が解決しようとする課題〕 従って、本発明の目的は、ポリプロピレンと極性物
質、特に極性基を有する樹脂とを強固に接着でき、接着
剤成分にエラストマーを含まないか又は含んでもごく少
量で十分である新規な接着剤を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、上記問題点を解決すべく鋭意検討した
結果、ポリプロピレンとエチレン−ビニルアルコール共
重合体等の極性物質との接着にはシンジオタクチック構
造を持つポリプロピレンを含有する組成物が特に効果が
あることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、シンジオタクチック構造のポリ
プロピレン100重量部とアイソタクチック構造であり一
部または全部が不飽和カルボン酸もしくはその誘導体で
グラフトされた変性ポリプロピレン1〜500重量部から
なる事を特徴とする、ポリプロピレンと極性物質との接
着剤である。
本発明で使用するシンジオタクチック構造のポリプロ
ピレンとはシンジオタクチック構造を主成分とするポリ
プロピレンが使用でき、特に重合体主鎖のラセミ ペン
タッド(rrrr)分率が70%以上、好ましくは75%以上の
ものが特に好ましい。
ラセミ ペンタッド(rrrr)分率が低い場合はアタク
チック構造のポリプロピレンが増加し、接着剤成分より
このアタクチック構造のポリプロピレンが溶出し易くな
り好ましくない。
この様なシンジオタクチック構造のポリプロピレン
は、公知の方法で得られ、例えば特開平2−41303、特
開平41305等に開示されている特殊な触媒を溶いると容
易に多量のシンジオタクチック構造のポリプロピレンを
得る事が可能であり、これらの方法で得られたシンジオ
タクチック構造のポリプロピレンを本願発明の原料とし
て使用することができる。
本発明のシンジオタクチック構造のポリプロピレン
は、プロピレンホモポリマーの他、プロピレンと少量の
エチレンや他のα−オレフィンとの共重合体であっても
よい。
本発明で使用するアイソタクチック構造であり一部ま
たは全部が不飽和カルボン酸でグラフトされた変性ポリ
プロピレンおしては、従来ポリプロピレンと極性物質、
特に極性基を有する樹脂との接着に使用されてきたもの
をそのまま支障なく使用できる(例えば、特公昭59−43
045号)。
変性ポリプロピレンの原料となるアイソタクチック構
造のポリプロピレンとしては、シンジオタクチック構造
のポリプロピレンと同様にプロピレンのホモポリマーの
他、プロピレンと少量のエチレンや他のα−オレフィン
との共重合体であってもよい。
ポリプロピレンの変性に用いられる不飽和カルボン酸
もしくはその誘導体としては、例えば、アクリル酸、メ
タアクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無
水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水イタコン酸、ア
クリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル
酸ブチル、アクリル酸グリシジル、メタアクリル酸グリ
シジル、マレイン酸モノエチルエステル、マレイン酸ジ
エチルエステル、フマル酸モノメチルエステル、イタコ
ン酸ジエチルエステル、アクリル酸アミド、マレイン酸
モノアミド、マレイン酸ジアミド、マレイン酸−N−モ
ノエチルアミド、マレイン酸−N,N−ジエチルアミド、
マレイン酸−N−モノブチルアミド、マレイン酸−N,N
−ジブチルアミド、フマル酸モノアミド、フマル酸ジア
ミド、フマル酸−N−モノエチルアミド、フマル酸−N,
N−ジエチルアミド、フマル酸−N,N−ジブチルアミド、
マレイミド、N−ブチルマレイミド、N−フェニルマレ
イミド、アクリル酸ナトリウム、アクリル酸カリウム、
メタクリル酸ナトリウム、メタクリル酸カリウムなどが
挙げられる。特に無水マレイン酸が好ましい。
接着剤の中のアイソタクチック構造のポリプロピレン
の変性に用いる不飽和カルボン酸もしくはその誘導体の
含有率としては、接着剤中に0.0001〜5重量%の範囲に
あるものが好ましいが、あらかじめ含有量が0.01〜40重
量%である変性ポリプロピレンのマスター樹脂を製造し
ておき、それを未変性のシンジオタクチック構造のポリ
プロピレン及び/又は未変性はアイソタクチック構造の
ポリプロピレンで適当に稀釈して接着剤として使用して
もよい。
アイソタクチック構造の変性ポリプロピレンの配合量
は、シンジオタクチック構造のポリプロピレン100重量
部に対して1〜500重量部である。
変性ポリプロピレンの量が1重量部以下では十分な接
着強さが得られず、500重量部以上でも接着強さが低く
効果は少ない。
本発明の接着剤が利用できる極性物質としては、硝
子、セラミック等の無機物、ポリアミド、ポリイミド、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸
共重合体、ニトリル樹脂、エチレン−ビニルアルコール
共重合体等の極性基を有する高分子化合物、アルミニウ
ム、鉄等の金属が挙げられる。
本発明の接着剤はポリプロピレンとポリアミド(所
謂、ナインロン)又はエチレン−ビニルアルコール共重
合体との接着性が優れ特に好ましい。
本発明の接着剤はシンジオタクチック構造のポリプロ
ピレンとアイソタクチック構造の変性ポリプロピレンの
他に必要な範囲で他の樹脂またはエラストマーを含んで
もよい。
例えば、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ナイ
ロン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖
状低密度ポリエチレン、炭化水素系エラストマー等が挙
げられる。
特にシンジオタクチック構造のポリプロピレンは、従
来のアイソタクチック構造のポリプロピレンに比べて結
晶化速度が遅く炭化水素系エラストマーと溶融混合し冷
却する過程では非晶性のシンジオタクチック構造のポリ
プロピレンが同様に非晶性である炭化水素系エラストマ
ーと相溶し易く、その結晶少量のエラストマーであれば
溶出することが無く、他の物性、例えば耐熱性などをあ
まり損なわずに接着剤の接着強度が改良できる。
使用できる炭化水素系エラストマーとは、例えばエチ
レン−プロピレンゴム(EPM)、エチレン−プロピレン
−ジエン共重合体(EPDM)、無水マレイン酸グラフトエ
チレン−プロピレンジエンゴム、アクリルニトリル−ス
チレンゴム、エチレン−1−ブテンゴム、ブチルゴム、
ブタジェンゴム、スチレン−ブタジェンゴム(SBR)、
水素添加スチレン−ブタジエンゴム(SEBS)、無水マレ
ンイン酸グラフト水素添加スチレン−ブタジエンゴム、
エチレン−ブタジェンゴム(EBR)、イソブチレンゴ
ム、スチレン−イソプレンゴム、水素添加スチレン−イ
ソプレンゴム(SEP)、クロロプレンゴム、塩素化ポリ
エチレン、塩素化ポリプロピレンなどが挙げられ、中で
も、エチレン−プロピレンゴム(EPM)、エチレン−プ
ロピレン−ジエン共重合体(EPDM)が好ましい。
炭化水素系合成エラストマーの配合量としては接着剤
中15重量%未満、好ましくは10重量%未満の範囲であ
る。15重量%以上配合した接着剤は、室温での接着強度
はあるが耐熱性に乏しく高温下で接着強さが低下したり
接着剤成分から炭化水素系エラストマー成分が溶出する
恐れがあり好ましくない。
本発明の接着剤には、必要に応じ他に適当に添加剤を
添加しても良い。例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、
顔料、染料、充填剤、核剤、ブロッキング防止剤、スリ
ップ剤、帯電防止剤、難燃剤などが挙げられる。
本発明で使用する接着剤を調製する方法としては、公
知の種々の方法、例えば、各成分をリボンブレンダー、
V型ブレンダー、タンブラー、ヘンシェルミキサーなど
で混合した後、押出機、バンバリーミキサー、二本ロー
ル、ニーダーなどで各成分を溶融混練する方法、あるい
は、各成分を溶媒に溶解させ、よく撹拌した後、貧溶媒
を添加して析出させる方法などが挙げられる。
本発明の接着剤を用い積層物を製造する方法として
は、予めポリプロピレン、極性物質および接着剤のそれ
ぞれのフイルム、シートを製造しておき、接着剤をフイ
ルム、シートで挟んで熱圧着する方法、ポリプロピレン
と極性基を有する物質のいずれかのフイルム、シート上
に溶融した接着剤を押し出し、さらに他方の極性物質の
フイルム、シートを重ね合わせる方法、ポリプロピンレ
ン、極性物質、接着剤を押出機で溶融し同一のダイスに
より共押出しシート、フィルム、ボトルなどを得る方法
が採用できる。
また、ポリプロピレン、接着剤、極性物質を同時に又
は順に射出成形することも可能であり、それによって得
られたパリソンをさらにブロー成形することもできる。
ポリプロピレンやエチレン−ビニルアルコール共重合
体等の極性基を有する熱可塑性樹脂を本発明の接着剤と
共押出で押出す場合の押出温度は、従来の押出温度でよ
い。接着剤の押出温度は、通常、190〜300℃、好ましく
は、200〜280℃が適当である。
接着剤層の厚みは、0.005〜0.1mmの範囲が好ましい。
0.005mm未満では、十分な接着強度が得られない。ま
た、0.1mm以上に厚みを増加しても接着強度は高まらな
い。
本発明の接着剤を適用しうる積層物の形状としては種
々のものがあり、例えば、フイルム、シート、パイプ、
波板、射出成形、ブロー成形などで製造されるボトルな
どの容器が挙げられ、積層シートを予め製造しておいた
後、真空成形、圧空成形などの方法により種々の容器な
どを製造することも可能である。
また、本発明の接着剤の中でシンジオタクチック構造
のポリプロピレンを多く含有するもの程詰晶化速度が遅
い。其為、ポリプロピレン、金属、セラミック、硝子、
極性基を有する樹脂の構造物の表面に本発明の接着剤を
溶融し押出た後、片方の非接着物を圧着し接着させる場
合、被接着物を冷却する事により結晶化速度を低めら
れ、従来使用されてきたアイソタクチック構造のポリプ
ロピレンで稀釈した変性ポリプロピレンからなる接着剤
やその他のホットメルト型接着剤に比べ硬化時間を長く
する事が可能で作業性に優れ、利用でき、また被接着物
の形状が制限されない。この場合、被接着物の冷却温度
としては7〜−20℃の温度が好ましく、接着剤の厚みは
0.05mm以上の好ましい。更に、本発明の接着剤の溶融し
被接着物の上に押出し、そのまま5℃以下に保てば数時
間未硬化のまま保存する事が可能である。本発明の接着
剤は低温では未硬化の状態で長時間保てるが、被接着物
を圧着した後、室温以上、好ましくは30〜70℃の温度で
数分間保つと十分な接着強さが得られる。このような接
着方法に使用するには接着剤中に占めるシンジオタクチ
ック構造のポリプロピレンの割合は50重量%以上、好ま
しくは70重量%以上である。
〔実施例〕
以下、本実施例により本発明を説明する。
接着強度はJIS K−6854(T型剥離試験)に従って測
定した。
実施例1、2、3 分子量21.5万のアイソタクチック構造のポリプロピレ
ンを2,5−ジメチル−25−ジ(t−ブチルパーオキシ)
ヘキサンの存在下に押出機を通し熱減成して得られた分
子量14.3万のポリプロピレンに126℃でクロルベンゼン
中で、触媒としてジクミルパーオキサイドを使用して、
無水マレイン酸を反応させた後冷却し、スラリーを大量
のアセトンで洗浄、濾過、乾燥を行ない、グラフト化ポ
リプロピレン(以下GPPと略す)を得た。このグラフト
化ポリプロピレンの無水マレイン酸含有量は、IR測定に
よると11.8重量%であった。
このGPP2.5重量部と稀釈用のアイソタクチック構造の
ポリプロピレンとしてエチレン−プロピレンランダム共
重合体(エチレン含量5%、MI=1.5以下IPPと略す)を
30、50、70重量部およびシンジオタクチック構造のポリ
プロピレン(ラセミ ペンタッド(rrrr)分率90%、MI
3.5、以下SPPと略す)を67.5、47.5、27.5重量部の割合
で配合しヘンシェルミキサーで混合した後、30mm押出機
により押し出して接着剤のペレットを得た。
上記接着剤とポリプロピレン“三井ノーブレンMJS−
G"(商標、三井東圧化学(株)製、MI=1.0)とエチレ
ン−ビニルアルコール共重合体“エバールF"(クラレ社
製、MI=1.3)を多層ブローダイを用いポリプロピレン
層/接着剤層/エチレン−ビニルアルコール共重合体層
/接着剤層/ポリプロピレン層の3種5層からなる500m
l用スクリュー付ボトル(口部の外径22mm、胴部分の外
径65mm)を製造した。フイードブロックへ、ポリプロピ
レンは40mm押出機により、接着剤は30mm押出機により、
エチレン−ビニルアルコール共重合体は別の30mm押出機
により供給した。それぞれの層の厚みは、0.40mm/0.02m
m/0.02mm/0.02mm/0.40mmであった。また、押出温度は、
ポリプロピレン、接着剤およびエチレン−ビニルアルコ
ール共重合体ともに210℃であった。このボルトの胴の
部分から剥離強さの測定に用いる試験片を切り取り23℃
と80℃で剥離強さの測定を行った。結果を表−1に示
す。
実施例4 実施例1と同様なGPP2.5重量部とSPP97.5重量部を配
合した以外は実施例1と同様にして接着剤を得、それを
用い多層ボトルを得た。23℃と80℃で剥離強さの測定を
行った。結果を表−1に示す。
実施例5 ラセミ ペンタッド(rrrr)分率が82%、MIが1.5のS
PPを92重量部、実施例1と同様なGPPを3.0重量部、エチ
レン−プロピレンゴム(MI0.4)5重量部を配合し以外
は実施例1と同様にして接着剤を得、それを接着剤とし
て用いて多層ボトルを得た。
23℃と80℃で剥離強さの測定を行った結果を表−1に
示す。
比較例1 実施例1と同様のGPPとIPPをそれぞれ2.5重量部、97.
5重量部配合した以外は実施例1と同様にして接着剤を
得、それを用い多層ボトルを得た。
実施例1と同様にして23℃と80℃で剥離強さの測定を
行ったが、両方の温度とも剥離強さが低くかった。結果
を表−1に示す。
比較例2 実施例1と同様のGPPとIPPをそれぞれ3.0重量部、92
重量部、実施例5と同様なエチレン−プロピレンゴムを
5重量部配合した以外は実施例1と同様にして接着剤を
得、それを用い多層ボトルを得た。実施例1と同様にし
て23℃と80℃で剥離強さの測定を行ったが、23℃での剥
離強さは著しくは低くはなかったが80℃での剥離強さは
低く耐熱製に劣っていた。結果を表−1に示す。
実施例6 エチレン−ビニルアルコール共重合体の代わりにナイ
ロン11(Atochem Polymers社製BESNO−P40−TL)を用い
た以外は実施例4と同様にして接着剤を得、それを用い
多層ボルトを得た。23℃と80℃で剥離強さの測定を行っ
た。結果を表−1に示す。
比較例3 SPPの代わりに実施例1で稀釈用に用いたIPPを用いた
以外は実施例6と同様にして接着剤を得、それを用い多
層ボルトを得た。23℃と80℃で剥離強さの測定を行った
が実施例6に比べて剥離強さは著しく低かった。
結果を表−1に示す。
実施例7 ラセミ ペンタッド(rrrr)分率が90%、MIが30のSP
Pを92重量部、実施例1と同様なGPPを3.0重量部、エチ
レン−プロピレンゴム(MI0.4)5重量部を配合し対外
は実施例1と同様にして接着剤を得た。この接着剤をφ
30mmの押出機の先端に巾が50mmのフィシュテールダイを
取付け200℃で、下から氷で冷却した厚みが2mm、縦横が
200mm,100mmのアルミニウムの板の上に押出した。接着
剤の厚みは0.05mmで、アルミニウム板の表面の温度は1
℃であった。接着剤を押出機により塗布した後直ちに冷
凍庫を用いて−10℃の温度で30分間保った後、厚みが0.
1mm、巾が25mmのホモポリプロピレンのフイルムを重ね1
kg/cm2の圧力で圧着したまま50℃の温風を吹付け5分間
保った後積層物に圧力をかけるのを止め接着剥離強さを
測定した。熱可塑性の接着剤であるが低温下で長時間未
硬化の状態が保て、硬化後は接着剤として十分な接着剥
離強さを示した。
結果を表−2に示す。
実施例8 実施例7と同様の接着剤を厚さ3mm縦横が100mm、200m
mのホモポリプロピレンの板と厚みが0.05mm縦横が50m
m、200mmのアルミニウム箔の上に接着剤を押出し、接着
剤を塗布した後、冷凍庫を用い−10℃で12時間保存した
後、接着剤を塗布した面が重なる様に重ねた以外は実施
例7と同様にして接着剥離強さを測定した。接着剤を塗
布してから長時間たつが接着剤は未硬化の状態を保ち十
分な接着強さを有していた。
結果を表−2に示す。
比較例4 SPPの代りに、MIが30のIPPを用いた以外は実施例7と
同様にして接着剤を得、アルミニウム板とポリプロピレ
ンのフイルムの接着を試みたが、接着剤が硬化しまった
く接着しなかった。結果を表−2に示す。
〔発明の効果〕 本発明の接着剤は従来のアイソタクチック構造のポリ
プロピレンを稀釈用の樹脂として利用した接着剤に比べ
接着製に優れている。更に、この接着製を改良するため
に炭化水素系エラストマーを添加した接着剤と比べても
常温では、大差ないが、高温でも接着剤が軟化せず剥離
強さの低下が大きくない。従って、接着強さと耐熱製の
両方に優れる為に、加熱した場合被接着層が剥離した
り、接着剤の成分が溶出する恐れが無く食品の包装材料
として使用されるポリプロピレンとナイロン、エチレン
−ビニルアルコール共重合体等との接着剤として最適で
ある。また、本発明の接着剤は、結晶化速度が遅いシン
ジオタクチック構造のポリプロピレンを含む為にエチレ
ン−プロピレンゴム等の炭化水素エラストマーとの相溶
性に優れ、エラストマー成分の加熱時の溶出の心配も少
ない。
更に、本発明の接着剤は低温での結晶化速度が極めて
低く、被接着物の少なくとも片方に溶融した本発明の接
着剤を塗布し急冷すれば、従来用いられてきた変性ポリ
プロピレンからなる接着剤と比べ硬化時間を著しく長く
保つ事が可能であり、且つ室温以上の温度で保つ事によ
り短時間で硬化し十分な接着強さが直に得られ、ポリプ
ロピレンと極性物質からなる構造物を接着するのに接着
強さと作業性に優れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09J 123/00 - 123/36 C08L 23/00 - 23/36

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重合体主鎖のラセミペンダット分率が70%
    上のシンジオタクチック構造のポリプロピレン100重量
    部とアイソタクチック構造であり一部または全部が不飽
    和カルボン酸もしくはその誘導体でグラフトされた変性
    ポリプロピレン1〜500重量部からなり、該不飽和カル
    ボン酸もしくはその誘導体を0.0001〜5重量%含有する
    接着剤。
  2. 【請求項2】アイソタクチック構造であり一部または全
    部が不飽和カルボン酸もしくはその誘導体でグラフトさ
    れた変性ポリプロピレンが、不飽和カルボン酸もしくは
    その誘導体を0.01〜40重量%含有するアイソタクチック
    構造の変性ポリプロピレンのマスター樹脂および未変性
    のアイソタクチック構造のポリプロピレンからなる請求
    項1記載の接着剤。
  3. 【請求項3】炭化水素系合成エラストマーを接着剤中15
    重量%未満配合した請求項1または請求項2記載の接着
    剤。
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